JP2008175066A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の圧縮機は油分離機構を兼ね備えた吐出マフラーを備えているが、そのため吐出マフラーで、圧縮機構部から吐出された高圧な吐出冷媒の脈動成分を広い周波数域で減衰できず、吐出冷媒の脈動を十分に吸収できないという問題があった。
【解決手段】 圧縮機構部から吐出された冷凍機油を含む高圧の冷媒が供給され、この高圧の冷媒の脈動を吸収する容積を有する容積部と、高圧の冷媒を容積部の内面に沿うように吹き出し、旋回流とするように容積部の内部空間に供給する供給管と、容積部の底部に設けられ、この旋回流の遠心力によって高圧の冷媒から分離された冷凍機油を容積部から容積部の外部に排出する油戻し管と、容積部の内部で供給管の高圧冷媒の吹き出し位置より容積部の底部側に開口し冷凍機油が分離された高圧の冷媒を容積部の外部に吐出する吐出管と、から成る吐出マフラーを備えたものである。
【選択図】図1

Description

この発明は、密閉容器内部の圧縮機構部で低圧の冷媒を高圧まで圧縮する圧縮機に関するものである。
従来の圧縮機は、密閉容器内に電動機とこの電動機に連結された回転軸により駆動される低段圧縮機構部と高段圧縮機構部からなる圧縮機構部とを備え、低圧(吸入圧)の冷媒を密閉容器に設けられた低段吸入管から低段圧縮機構部に吸入し、そこで中間圧まで圧縮し、低段吐出管より密閉容器内に吐出して密閉容器内を中間圧雰囲気とする。そして密閉容器内に低段圧縮機構部から吐出された中間圧の冷媒を高段吸入管から高段圧縮機構部に吸入し、そこで高圧(吐出圧)まで圧縮し、高段吐出管より密閉容器の外部の冷媒回路に吐出するものである。
高段圧縮機構部にて圧縮された高圧の冷媒は、高段圧縮機構部内に形成され、密閉容器内の中間圧にリークしないようにシールされた小容量の空間であって、高段圧縮機構部の圧縮室と吐出弁を介して連通する高段圧縮機構部の吐出消音室に高段圧縮室から吐出され、密閉容器内に開放されることなく、この小容量の吐出消音室から高段吐出管を経て密閉容器外部に吐出される。この吐出消音室は圧縮機の密閉容器の内部にあり、消音機能を十分に果たすに必要な容積を確保するのは圧縮機設計上難しく、限られた小容量の空間を吐出消音室としているに過ぎないので、高段圧縮機構部から吐出される高圧の冷媒の吐出脈動を十分に消音できず、脈動が十分に消音されていない高圧の冷媒が圧縮機より吐出されるため、圧縮機の騒音や振動が発生したり、圧縮機に接続される冷媒回路の配管に脈動や圧縮機の振動が伝播して配管の騒音や振動が発生したり、場合によってはその振動による繰り返し応力で疲労破壊する問題があった。
このため、吐出冷媒の脈動を消音すべく所定容量を有する容積部であるタンクから成る吐出マフラーを圧縮機密閉容器の外部に設け、この吐出マフラーを密閉容器外面に固定されたブラケットで保持し、密閉容器と一体化させ、高段吐出管をこの吐出マフラーに接続し、この吐出マフラーで脈動を消音させた後で吐出冷媒を冷媒回路に流出させる圧縮機がある。
高段圧縮機構部から吐出される高圧の冷媒は、高段圧縮機構部から直接的に高段吐出管を経て密閉容器外部の冷媒回路の配管に吐出されるので、高段圧縮機構部に吸入される冷媒に含まれている圧縮機の冷凍機油も高圧の冷媒といっしょに密閉容器外部の冷媒回路に吐出されてしまい、この吐出された冷媒に含まれる冷凍機油を圧縮機に戻す工夫がなされていないと、圧縮機密閉容器内部の冷凍機油の枯渇による圧縮機の摺動特性やシール性の低下や、冷媒回路での冷媒循環へ支障を来たすといった問題が生じる。
このような問題を生じさせないために、圧縮機より吐出された高圧の冷媒に含まれる冷凍機油を所定容量の容積部の内部で冷媒から分離させ、圧縮機に戻す油分離器があるが、上記の吐出マフラーが所定容量の容積部のタンクから成るものであるので、この油分離機構を吐出マフラーが兼ね備えるものがある。
圧縮機密閉容器にブラケットを介して固定保持される所定容量の容積部である縦長円筒形タンクから成る吐出マフラーの内部空間を上下に仕切る形で油分離具を設け、吐出マフラーの内部に吐出マフラーの下方から内部に流入した吐出冷媒がこの油分離具を通過する際に、吐出冷媒に含まれる冷凍機油を油分離具に付着させることで冷媒から分離させるものである。分離された冷凍機油は、吐出マフラーのタンク底部に流下貯留され、一方を吐出マフラーのタンク底部に、他方を圧縮機密閉容器内の電動機と圧縮機構部との間に開口する油戻し管を通って圧縮機密閉容器内に流入し、密閉容器底部の油溜めに帰還する(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−239204号公報(請求項1、図1、0012欄〜0044欄)
従来の圧縮機は、密閉容器に固定保持され、油分離機構を兼ね備えた吐出マフラーを備えているが、油分離機構が吐出マフラーの容積部の内部空間を上下に仕切る形で油分離具を設けて構成されているので、吐出マフラー容積部の内部空間を分断してしまい、分断された個々の空間の容積が小さくなってしまい、そのため吐出マフラーで、圧縮機構部から吐出された高圧な吐出冷媒の脈動成分を広い周波数域で消音できず、吐出冷媒の脈動を十分に消音できないという問題があった。
また吐出マフラーで分離された冷凍機油を吐出マフラーの容積部から排出し、密閉容器内部に流入させる油戻し管を、密閉容器内部の電動機と圧縮機構部との間に開口しているので、圧縮機密閉容器内の油溜めに戻る吐出マフラーで分離された冷凍機油が、密閉容器内に流入後、密閉容器底部の油溜めに帰還する途中で、低段圧縮機構部から吐出され、密閉容器内を満たす中間圧の冷媒が、高段圧縮機構部に吸入されるべく冷媒導出管に流出する際の冷媒の流れに巻き込まれ、中間圧冷媒によって冷媒導出管に持ち出され、高段圧縮機構部へ吸入されてしまい、油溜めに十分に帰還できず、最後には油溜めの冷凍機油が枯渇して、圧縮機の摺動特性やシール性が低下、最悪の場合は摺動部の潤滑不良によりロックして運転不能となる問題があった。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、油分離機構を備えた吐出マフラーにより、圧縮機構部から吐出される高圧な吐出冷媒の脈動を十分に消音するとともに、高圧な吐出冷媒に含まれる冷凍機油を冷媒から分離させ、分離した冷凍機油を確実に密閉容器底部の油溜めに帰還させることのできる圧縮機を得るものである。
この発明に係わる圧縮機においては、電動機と、この電動機に連結された回転軸にて駆動され低圧の冷媒を高圧まで圧縮して吐出する圧縮機構部と、を密閉容器の内部に収納するとともに、この密閉容器内部を中間圧または低圧とする圧縮機であって、圧縮機構部から吐出された冷凍機油を含む高圧の冷媒が供給され、この高圧の冷媒の脈動を消音する容積を有する容積部と、高圧の冷媒を容積部の内面に沿うように吹き出し、高圧の冷媒を旋回流とするように容積部の内部空間に供給する供給管と、容積部の底部に設けられ、この旋回流の遠心力によって高圧の冷媒から分離された冷凍機油を容積部から容積部の外部に排出する油戻し管と、容積部の内部で供給管の高圧冷媒の吹き出し位置より容積部の底部側に一方を開口し、容積部の外部に他方を開口して冷凍機油が分離された後の高圧の冷媒を容積部の内部空間から外部に吐出する吐出管と、から成る吐出マフラーを備えたものである。
また、この発明に係わる圧縮機においては、電動機と、この電動機に連結された回転軸にて駆動され低圧の冷媒を高圧まで圧縮して吐出する圧縮機構部と、を密閉容器の内部に収納するとともに、この密閉容器内部を中間圧または低圧とし、この密閉容器内部の中間圧または低圧の冷媒を密閉容器の外部に導出してから圧縮機構部に吸入させる圧縮機であって、圧縮機構部から吐出された冷凍機油を含む高圧の冷媒が供給され、この高圧の冷媒から冷凍機油を分離する油分離機能を有する容積部と、高圧の冷媒をこの容積部の内部空間に供給する供給管と、容積部の底部に設けられ、この容積部で高圧の冷媒から分離された冷凍機油を容積部から容積部の外部に排出する油戻し管と、冷凍機油が分離された後の高圧の冷媒を容積部の内部空間から外部に吐出する吐出管と、を密閉容器の外部に備え、油戻し管により容積部から排出された冷凍機油を密閉容器の内部に流入させるとともに、油戻し管の密閉容器内部への開口を、密閉容器内部から中間圧または低圧の冷媒を密閉容器の外部に導出する導出管の密閉容器内部への開口より、密閉容器の底部側に位置させたものである。
この発明によれば、高圧の冷媒を容積部の内部空間にて旋回流とし、旋回流の遠心力によって高圧の冷媒から冷凍機油を分離する吐出マフラーを備えたので、吐出マフラーの容積部の内部空間を上下に仕切る油分離具等で分断させることなく、容積部の内部空間全体を一つの大きなマフラー空間とすることができ、旋回流の遠心力により圧縮機構部から吐出された高圧の冷媒から冷凍機油を分離できるとともに、この高圧の冷媒の脈動成分を低周波域まで含めた広い周波数域で消音でき、高圧の吐出冷媒の脈動を十分に消音することができる。
またこの発明によれば、吐出マフラーにて高圧の吐出冷媒から分離した冷凍機油を密閉容器内に導く油戻し管の密閉容器内部への開口位置が、中間圧の冷媒を高段圧縮機構部に導く冷媒導出管よりも密閉容器底部の油溜め側に位置しているので、油戻し管から密閉容器内部に流入した冷凍機油が、密閉容器内部で冷媒導出管に流出する中間圧の冷媒の流れに巻き込まれて、冷媒導出管から流出してしまうことはなく、確実に油溜めに帰還でき、油溜めの冷凍機油が枯渇することなく、油溜めの冷凍機油の貯油量を適量に維持することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1における内部中間圧型2段圧縮式の圧縮機1を示す説明用縦断面図である。圧縮機1は、密閉容器10の内部に低段圧縮機構部11(以後、低段部11)と高段圧縮機構部12(以後、高段部12)とからなる2段圧縮式の圧縮機構部と、これらの圧縮機構部11、12を回転軸14を介して回転駆動させる電動機13を備え、また密閉容器10の外面に保持される吐出マフラー27を備える。電動機13の下方に2段圧縮式の圧縮機構部11、12が配置され、密閉容器10の底側に低段部11が、低段部11の上部に高段部12が配置される。圧縮する冷媒としては二酸化炭素が使用されている。
密閉容器10は上下を開口した円筒容器10aに上蓋10bおよび底蓋10cが溶接等で接合されることで密閉がなされる。なお密閉容器10は絞り加工等で形成した有底の円筒容器に上蓋10bを接合する2分割構成としてもよい。密閉容器10の底部には、圧縮機構部11、12に供給され、それらの摺動部の潤滑や圧縮室のシールなどに使われる冷凍機油が貯留される油溜め17が設けられている。ここで冷凍機油はPAG(ポリアルキレングリコール)油を使用している。
電動機13は、固定子13aと回転子13bから構成される。回転子13bの外周と固定子13a内周には、エアギャップと呼ばれる径方向のすきまが全周に渡ってほぼ均一に設けられる。固定子13aは図示しないが、積層され互いにかしめ固定された略円環状の電磁鋼板の内側歯部にコイルが集中巻き方式で巻かれており、その積層された電磁鋼板の外周が密閉容器10の内周に焼嵌めにより固定される。固定子13aの積層された電磁鋼板外周には部分的に切欠きが複数設けられているので、密閉容器10内周と固定子13aの外周の間には、それら切欠きにより固定子13aの上下を連通する流路が形成される。
回転子13bも図示しないが、固定子13a同様に円環状の電磁鋼板が積層され互いにかしめ固定されたもので、電磁鋼板の内部に希土類磁石やフェライト磁石等の永久磁石が埋設され、また積層された電磁鋼板の上下を連通するように複数の風穴が流路として設けられている。回転子13bは積層された電磁鋼板の内周が回転軸14と焼嵌められており、固定子13aに電力が供給されると、回転軸14は回転子13bと一体となって回転する。図示しないが、密閉容器10の上蓋10bには、ガラスターミナルが溶接固定されていて、このガラスターミナルと固定子13aがリード線で接続され、外部から供給される電力がガラスターミナルを中継して電動機13に付与される。
低段部11と高段部12はいずれもローラーがシリンダ内を偏心回転しベーンにより吸入室と仕切られた圧縮室の容積を減じて圧縮を行うロータリ圧縮機構を備えており、図示しないが、低段部11と高段部12の互いの圧縮室は低段部11と高段部12の間に配置される仕切板により隔てられている。電動機13に電力が供給され、回転軸14が電動機13により回転駆動すると、一方がこの圧縮機1を使用する冷媒回路の低圧配管50に接続し、他方が低段部11に接続する低段吸入管20から低段部11に吸入圧の冷媒(低圧の冷媒)が吸入される。そして低段部11で中間圧まで圧縮され、密閉容器10内で、電動機13と圧縮機構部である高段部12の間の空間である空間A30に開口する低段吐出管21から、中間圧の冷媒が密閉容器10内部に全量吐出される。それにより密閉容器10の内部が中間圧雰囲気となる。
密閉容器10内の中間圧の冷媒は、電動機13と高段部12との間で空間A30に臨む密閉容器10壁部に設置され密閉容器10内部に一端を開口する冷媒導出管22より一旦密閉容器10の外部に導出される。そして中間圧の冷媒は、密閉容器10の外部で一端をこの冷媒導出管22に接続され、他端を高段吸入管23に接続される中間圧接続管25と、高段吸入管23を経由して、高段部12に吸入され、高段部12にて吐出圧(高圧)まで圧縮され、高段部12より高段吐出管24を通過して直接密閉容器10外部へ吐出される。高段吐出管24から吐出される高圧の冷媒である吐出冷媒には、高段圧縮室に供給された冷凍機油が含まれている。
中間圧接続管25は一本の管を曲げて形成されるが、複数の管をつないで形成してもよい。中間圧接続管25を介さずに、冷媒導出管22もしくは高段吸入管23のどちらか一方を長く形成して、または冷媒導出管22と高段吸入管23のそれぞれを長く形成して直接冷導出管22と高段吸入管23を接続してもよい。冷媒導出管22と高段吸入管23を接続するということは、途中に中間圧接続管25を介して接続する場合も、両管22,23を直接接続する場合も含むものである。また冷媒導出管22と中間圧接続管25をまとめて冷媒導出管と判断してもよいし、中間圧接続管25と高段吸入管23をまとめて高段吸入管と判断してもよい。
図示しないが、高段部12は、内周に高段圧縮室を形成する高段シリンダの電動機13側の開口面をシリンダ上面に伸張して閉塞し、また回転軸14を半径方向に支承する軸受を有するフレームを備え、このフレームの上面の一部を覆うカバーと、フレーム上面との間に小容量の空間が形成される。この空間は高段圧縮室と吐出弁を介して連通しており、冷媒が高段圧縮室で吐出圧力まで圧縮されると、吐出冷媒は吐出弁を開き、この空間に吐出される。なお高段シリンダの反電動機13側(油溜め17側)には仕切板が接する。
この空間はカバーとフレーム上面の間にシール材を狭持しており、吐出冷媒が密閉容器10内部の中間圧へリークすることを防いでいる。この空間で吐出冷媒の脈動が一部緩和されるが、小容量であるため脈動の消音は十分でない。この密閉容器内部に形成され、高段圧縮室から吐出冷媒が吐出される小容量な空間を吐出消音室と呼んでいる。この吐出消音室に一方が密閉容器10の外部に開口している高段吐出管24の他方が開口しており、吐出冷媒は、密閉容器10外部に高段部12から直接吐出されるのである。なお吐出弁はフレームに設置されている。
密閉容器10の側面、図1では円筒容器10a外周面にブラケット26が溶接固定される。このブラケット26は、本実施の形態の特徴である吐出マフラー27の保持具であり、略コの字状にプレス成形された鋼板である。図2は図1に示す圧縮機要部の上面図であり、ここでの要部は吐出マフラー27の近傍を指す。図2に示すようにブラケット26は略コの字状の中央となる曲面部26aが円筒容器10aの外周面の半径に近い半径となっており、この曲面部26aが円筒容器10aの外周面と溶接され、密閉容器10の側面に固定される。その溶接は抵抗溶接でもよいし、曲面部26aの軸方向の端部、または水平方向の端部をアーク溶接してもよい。ブラケット26は曲面部26aに連続して保持部26bを水平方向の両側に有し、保持部26bは吐出マフラー27の外径に合わせた所定の角度で、曲面部26aから密閉容器10とは反対側の方向に折り曲げられている。
吐出マフラー27は所定容量の縦長円筒形タンク等の容積部27aを備え、この容積部27aは密閉容器10と同様に円筒容器の上下に蓋を溶接して形成してもよいし、絞り加工された有底のカップ状の容器2ヶを互いの開口部を重ねて溶接して形成してもよい。この容積部27aが、ブラケット26の保持部26bに溶接固定されることで、吐出マフラー27が圧縮機1の密閉容器10に固定保持され、圧縮機1と一体化される。ここで容積部27aとブラケット保持部26bを溶接固定せず、両側の保持部26bにバンドを固定し、そのバンドと保持部26bで容積部27aを狭持する、いわゆるバンド固定で吐出マフラー27を圧縮機1の密閉容器10に固定保持してもよい。バンド固定の際には、保持部26bにバンドを引っ掛ける爪部を設けてバンドをブラケット26に固定したり、保持部26bに延長して保持部26bから連続的に折り曲げられた接合部を形成し、その接合部にてバンドをブラケット26にボルトで固定したりする。
吐出マフラー27は、容積部27aの上面に容積部27aの内部に伸長して一方を開口し、他方を容積部27aの外部に開口する供給管27bと吐出管27cを備える。供給管27bの容積部27a外部に開口する一端は、一方を高段吐出管24に接続される吐出圧接続管29の他方が接続され、高段吐出管24から吐出された高圧の冷媒である吐出冷媒が、吐出圧接続管29を経て供給管27bから吐出マフラー27(容積部27a)内部へ吹き出される。高段部12で吐出圧まで圧縮された冷媒は、高段吐出管24から吐出マフラー27に吐出される。
吐出圧接続管29は一本の管を曲げて形成されるが、複数の管をつないで形成してもよい。吐出圧接続管29を介さずに、高段吐出管24もしくは供給管27bのどちらか一方を長く形成して、または高段吐出管24と供給管27bのそれぞれを長く形成して直接高段吐出管24と供給管27bを接続してもよい。高段吐出管24と供給管27bを接続するということは、途中に吐出圧接続管29を介して接続する場合も、両管24、27bを直接接続する場合も含むものである。また高段吐出管24と吐出圧接続管29をまとめて高段吐出管と判断してもよいし、吐出圧接続管29と供給管27bをまとめて供給管と判断してもよい。
図1に示すように、供給管27bは容積部27aの上面を軸線方向に貫通し、外周面を容積部27aにロウ付固定されるが、容積部27aの内部で容積部27a上面に近い位置で端部が略90°屈曲され、供給管27bの容積部27a内部の一端はほぼ水平方向(容積部27aの軸線方向に垂直な方向)に向いて開口する。また図2に示すように、供給管27bは、容積部27a内部で屈曲して水平方向に伸びる部位である端部が、周状である容積部27a内面の接線と概ね平行な方向に伸びた状態となるよう取り付けられている。このため供給管27bから容積部27aに吹き出された吐出冷媒は、図2の実線矢印で示すように容積部27aの内面に沿って流れるようになる。
なお供給管27bは容積部27aの上面を貫通せず、容積部27a側面を貫通して水平方向に取り付けられてもよい。その場合供給管27bを容積部27a内部で屈曲させる必要はない。また供給管27bを直管として、吐出圧接続管29の端部を屈曲して直管である供給管27bに接続してもよい。図3は、容積部27a側面に供給管27bを取り付ける場合の供給管27bの取り付け方向を示す模式図であり、図3(a)は、内部に供給管27bが伸長するものである。供給管27bは、容積部27aの中心線とずれて、供給管27bの端部が周状である容積部27a内面の接線と概ね平行な方向となるように取り付けられ、水平方向を向いて開口する。
容積部27aの側面に供給管27bを取り付ける場合では、供給管27bを容積部27aの内部に侵入させなくても、吐出冷媒を容積部27aの内面に沿って供給でき、図3(b)に示すように、図3(a)と同様な方向で取り付けるが、供給管27bは容積部27a内部に侵入せず、容積部27a内面に臨んで水平方向に開口するようにしてもよい。
なお供給管27bから吐出される吐出冷媒が、容積部27a内面に沿うよう流れるものであれば、容積部27a内部での供給管27bの端部の方向や形状は図2や図3に限るものではない。吐出冷媒を容積部27a内面に沿うように供給しようとすれば、供給管27bの端部の方向は、容積部27aの半径方向とはならず、半径方向から接線方向側に傾斜することになり、接線方向と平行となるのがいちばんよいが、半径方向から接線方向側に傾斜角が設けてあれば、供給管27bから供給される吐出冷媒を、容積部27a内面に沿うように流すことができる。また供給管27bの容積部27a内部での開口する向きは、吐出冷媒が容積部27a内面に沿うように供給されるのであれば、水平方向から傾斜していてもよい。
吐出マフラー27には、供給管27bと同様に、吐出管27cが容積部27a上面を軸線方向に貫通し、外周面を容積部27aにロウ付固定される。図2においては、供給管27bと吐出管27cの容積部27a上面への取り付け位置が容積部27aの中心を通る同一の直線上に、すなわち両管27b、27cの位相差が180°に配置されているが、これに限定されるものではなく、両管27b、27cの取り付け位置の位相は、180°以外の角度であってもよい。吐出管27cは容積部27aの内部で複数箇所(図1では2ヶ所)屈曲し、容積部27aのほぼ中央で、軸線方向に容積部27aの底部に向いて開口させるようにする。吐出管27cの容積部27a内部での軸線方向の開口位置は、供給管27bの吹き出し位置となる供給管27bの容積部27a内部の開口位置より容積部27aの底部側となるようにし、容積部27aの底面に近い位置とする。なお、吐出管27cを屈曲させずに直管で形成し、その直管を容積部27a上面のほぼ中央に固定するようにしてもよい。吐出管27cの容積部27a外部の開口端部は、この圧縮機1を用いる冷媒回路の高圧配管51に接続する。
吐出マフラー27は容積部27aの底部に設置される油戻し管27dを備える。油戻し管27dは容積部27aの底面中央に接続しており、一方を容積部27a内部に開口し、他方を圧縮機1の密閉容器10内部に開口するように設置される。油戻し管27dの両端部は、それぞれ容積部27aの底面と密閉容器10側面(円筒容器10a)にロウ付固定される。油戻し管27dは複数の管を接続して形成してもよい。ここで油戻し管27dの密閉容器10内部への開口位置が、冷媒導出管22の密閉容器10内部への開口位置よりも、回転軸14の軸線方向に密閉容器10底部の油溜め17側(図1において下方)となるように設置する。冷媒導出管22の密閉容器10内部への開口範囲と、油戻し管27dの密閉容器10内部への開口範囲が回転軸14の軸線方向に重ならない状態となっている。
また油戻し管27dの密閉容器10内部への開口位置と、冷媒導出管22の密閉容器10内部への開口位置の位相をずらしている。図1においては両者の位相差をほぼ180°となるように設置しているが、これに限定されるものではなく、冷媒導出管22の密閉容器10内部への開口範囲と、油戻し管27dの密閉容器10内部への開口範囲が回転軸14の回転方向に全く重ならないように設置する。
このような吐出マフラー27を保持する圧縮機1では、高段吐出管24から吐出された冷凍機油を含む高圧の冷媒である吐出冷媒は、吐出圧接続管29を通って吐出マフラー27に導かれる。図4は、吐出マフラー27内部の吐出冷媒の流れを示す説明図である。吐出マフラー27へ導かれた吐出冷媒は、供給管27bから容積部27a内部に吹き出される。この時、容積部27a内部の上面側にあって水平方向の開口端を有する屈曲した供給管27bの端部が、周状である容積部27aの内面の接線方向に近い方向に伸びた状態であるので、供給管27bから容積部27aに吹き出された吐出冷媒は、図4で実線矢印にて示すように、容積部27aの内面に沿って吐出管27cの周りを旋回する。そして吐出管27cが容積部27a内部で、供給管27bの吐出冷媒の吹き出し位置より底部側に開口しているので、旋回流となった高圧の吐出冷媒は、吐出管27cを通って容積部27a外部に吐出しようと容積部27aの内部空間を旋回しながら底部側に向かって下降する。高圧の吐出冷媒を容積部27aの内部空間で旋回流として、吐出管27cの容積部27a内部での開口に向けて、底部側に旋回しながら下降させるために、供給管27bの吐出冷媒の吹き出し位置である開口を水平方向から底部側に傾斜させてもよい。
吐出マフラー27にて容積部27a内部に供給管27bより吹き出された冷凍機油を含む高圧な吐出冷媒は、容積部27a内部空間を旋回流となって下降するので、冷凍機油の密度が冷媒の密度より大きいことから、吐出冷媒に含まれる冷凍機油が旋回流の遠心力によって、冷媒から分離し、容積部27a内面に付着する。そして付着した冷凍機油滴は、単独で、あるいは他の冷凍機油滴と接触し結合して自重により容積部27a内面に沿って容積部27aの底部に流れ落ちる。このように吐出マフラー27は旋回流式の油分離機能を備えている。容積部27a底部には分離された冷凍機油が集合するので、吐出管27cの容積部27a内部での開口は底部に近い位置とするものの、容積部27aの底部に集合した冷凍機油の油面に接触しない位置としなければならない。
旋回流の遠心力によって冷凍機油が分離された後の高圧な冷媒である吐出冷媒は、旋回流を解除して容積部27aの底部に向けて開口している吐出管27cにその開口から入り込み、その吐出管27cを通って外部に吐出されるが、吐出管27cはこの圧縮機1を用いる冷媒回路の高圧配管51に接続しているので、この高圧配管51に吐出される。容積部27aは所定の内容積(容量)を保有しており、容積部27a内部に、容積部27aの内部空間を上下に仕切るような油分離具等を設けていないため、この所定の内容積をほぼ全量マフラー空間として使用できる。ほぼ全量としたのは、容積部27a内部に伸長される供給管27bと吐出管27cの体積が減じられるためである。
したがって、ほぼ全量マフラー空間として使用できる容積部27aの所定の内容量を、吐出冷媒の脈動を消音する容積としておけば、この容積部27a内で、高段部12の吐出消音室で消音しきれなかった吐出冷媒の脈動を十分に消音することができる。特許文献1では容積部であるタンクの内部を上下に仕切る油分離具を設置するため、タンクの内部空間はそれらの油分離具により分断された状態となり、分断された個々の空間の容積が小さくなってしまい、実質的には小容量の空間を連続して通過する多段マフラー状となってしまう。
小容量のマフラーでは、特に低周波の脈動成分が消音されにくく、広い周波数域での脈動成分の消音効果が得られない。特許文献1のタンクを例えば本実施の形態の容積部27aと同容量(内容積)としても、実質的にはその容量より容量の小さい空間を複数所有する多段マフラーであるので、低周波の脈動成分が本実施の形態の吐出マフラー27より消音されにくい。本実施の形態の吐出マフラー27は、容積部27aの内容積のほぼ全量を一つのマフラー空間として利用できるので、同容量の特許文献1に比べて、低周波まで含む広い周波数域で高圧の冷媒である吐出冷媒の圧力脈動成分を消音でき、吐出冷媒の脈動を十分に消音することができる。特許文献1では得ることが難しかった低周波域での脈動の消音効果が得られる。
また吐出マフラー27は、高段部12で圧縮され吐出された吐出冷媒の脈動を十分に消音し、圧縮機1の振動や騒音を低減させる消音効果と合わせて、外部マフラー27に導入された吐出冷媒を容積部27aの内部空間で旋回流とし、吐出冷媒から冷凍機油を分離する旋回流式の油分離機能を有するものである。また吐出マフラー27は、密閉容器10側面に固定保持されるので、圧縮機1本体から離れて別部品としてマフラーや油分離器を設置する構造の冷媒回路に比べ、省スペース化が図れるとともに、圧縮機1に吐出マフラー27が一体化していることで、冷媒回路の設計の自由度が向上し、生産性も向上する効果がある。
容積部27a内部は吐出冷媒により高圧(吐出圧)であり、密閉容器10内部は低段吐出管21から吐出された中間圧の冷媒で満たされ中間圧であるので、容積部27a内部で分離され、容積部27a底部に落下した冷凍機油は、図1に点線矢印で示すように、圧力差により容積部27a底面に開口した油戻し管27dを通って容積部27aの外部に排出される。油戻し管27dの他方(反容積部27a側)は、密閉容器10内部に開口しているので、容積部27a内部で分離された冷凍機油は、油戻し管27dを通って圧縮機1の密閉容器10内部に流入し、密閉容器10底部の油溜め17に戻る。
ここで油戻し管27dの密閉容器10内部への開口が、中間圧冷媒を高段部12に導く冷媒導出管22の密閉容器10内部への開口位置よりも油溜め17側(図1において下方)に位置しているので、油戻し管27dから密閉容器10内部に流入した冷凍機油が、密閉容器10内部の空間A30から冷媒導出管22に流出する中間圧冷媒の流れに巻き込まれて、中間圧冷媒といっしょに冷媒導出管22に流出してしまうことはなく、確実に油溜め17に帰還できる。よって油溜め17の冷凍機油が枯渇してしまうことはなく、油溜め17の冷凍機油の貯油量を適量に維持することができるので、圧縮機1の摺動特性やシール性の低下の危険は回避される。
また、この吐出マフラー27での油分離の方法が、旋回流の遠心力を利用して高圧の吐出冷媒に含まれる冷凍機油を分離するものであるので、特許文献1に開示されるような容積部内部を上下に仕切る油分離具に吐出冷媒の流れをぶつけて冷凍機油を分離する、いわゆる邪魔板方式の油分離に比べ、吐出冷媒の急激な流速の低下がなく、吐出冷媒の圧損を減少することができ、圧損による圧縮機効率の低下を回避し、高効率な圧縮機とすることができる。
この吐出マフラー27は、吐出管27cの容積部27a内部の開口端を容積部27aのほぼ中央に開口するようにしているが、容積部27aに吹き出された吐出冷媒が容積部27a内面に沿って旋回流を起こすことができれば、中央でなくてもよく、吐出管27cを直管として、容積部27a中央から偏心した位置に設置してもよい。また吐出管27cの容積部27a内部の開口する向きも旋回流の吐出冷媒を取り込まない程度であれば軸線方向から傾斜していてもよい。
また吐出マフラー27は、油戻し管27dの容積部27a内部への開口位置を容積部27aのほぼ中央としたが、それは中央部が最も容積部27aの軸線方向で下方に位置しているからであり、中央部に限ったものでなく、容積部27a底面で最も下方に位置する部位近郊に設けるものである。これにより容積部27aで分離され底部に集合した冷凍機油を容積部27aの底部に残留させないようにする。
油戻し管27dは、高圧の空間である容積部27a内部から中間圧の空間である密閉容器10内部に連通するものであるので、通過する流体である冷凍機油、あるいは冷凍機油が容積部27a内部に存在しない場合には吐出冷媒の一部を減圧させるために、毛細管で形成したり、途中に減圧弁を介在させたりするのがよい。
また圧縮機1は油戻し管27dの密閉容器10内部への開口位置と、冷媒導出管22の密閉容器10内部への開口位置の位相をほぼ180°となるように設置しているが、これは、油戻し管27dを通った冷凍機油の冷媒導出管22からの流出を阻止するために、両者を最大限に引き離したものである。しかし密閉容器10の内部には、回転軸14が回転しているため、その回転方向への流れが存在する。よって密閉容器10内部の中間圧冷媒の流れを考慮すると、油戻し管27dを通った冷凍機油の冷媒導出管22からの流出を阻止するためには、油戻し管27dの密閉容器10内部への開口位置を、冷媒導出管22の密閉容器10内部への開口位置とは重ならないで、冷媒導出管22の密閉容器10内部への開口位置から回転軸14の回転方向に180°進んだ位置までの間となるように設置するのがよい。
図1に示す圧縮機1では、空間A30に低段吐出管21が電動機13側に向いて開口しており、またその開口位置も油戻し管27dの密閉容器10内部の開口位置よりも電動機13側(図1において上方)にあるので、油戻し管27dを通った冷凍機油を低段吐出管21から吐出される冷媒の流れに巻き込む危険は少ないが、低段吐出管21の開口向きが水平方向もしくは軸線方向から傾斜している方向である圧縮機であれば、低段吐出管21から密閉容器10内部に吐出される中間圧冷媒に油戻し管27dを通った冷凍機油がその吐出された中間圧冷媒の流れに巻き込まれないように、油戻し管27dの密閉容器10内部の開口位置を、低段吐出管21の開口位置よりも密閉容器10底部の油溜め17側となるように設置しなければならない。
また低段吐出管21が電動機13側に向いて開口するものであっても、低段吐出管21の密閉容器10内部の開口位置が、油戻し管27dの密閉容器10内部への開口位置よりも油溜め17に近いと、両者の位相差によっては低段吐出管21から吐出された中間圧冷媒に、油戻し管27dを通った冷凍機油が巻き込まれるので、油戻し管27dの密閉容器10内部への開口位置は、低段吐出管21の開口位置よりも油溜め17側に設置しなければならない。
圧縮機1において、低段吐出管21から吐出された中間圧冷媒には、低段部11の低段圧縮室に供給された冷凍機油が含まれており、中間圧冷媒が冷媒導出管22に至る前に密閉容器10の内部でこの冷凍機油を分離して、高段部12の高段圧縮室に供給される冷凍機油が過多とならないようにしなければならない。また中間圧冷媒によって、電動機13を冷却し、モータ効率の低下を防止する必要もある。そのため、低段吐出管21の開口位置と冷媒導出管22の密閉容器10内部への開口位置には位相差を設け、低段吐出管21から吐出された中間圧冷媒が、密閉容器10の内部をほとんど循環することなく冷媒導出管22に流出し、高段部12に供給されてしまうことを防いでいる。
圧縮機1では、冷媒導出管22の密閉容器10内部への開口位置に対して、低段吐出管21の開口位置(中間圧冷媒を密閉容器10内部へ吐出する位置)と油戻し管27dの密閉容器10内部への開口位置をほぼ180°位相がずれたところとしている。
ただし上記3者の開口位置はこれに限定されるものではなく、油戻し管27dの密閉容器10内部への開口位置は、油戻し管27dを通って密閉容器10内部に流入した冷凍機油が冷媒導出管22から持ち出されないような位置に、また低段吐出管21の開口位置は、低段吐出管21から吐出された中間圧冷媒が密閉容器10の内部を循環できる位置に、冷媒導出管22の密閉容器10内部への開口位置に対して、それぞれが所定の位相差を有して設置していればよい。
例えば、油戻し管27dの密閉容器10内部への開口位置を、冷媒導出管22の密閉容器10内部への開口位置から回転軸14の回転方向に180°進んだ位置までの間に設置し、低段吐出管21の開口位置を、冷媒導出管22の密閉容器10内部への開口位置からほぼ180°の位相差となるように設置したり、3者の開口位置の位相差がそれぞれほぼ120°で均等になるように設置したりしてもよい。
圧縮機1は以上のように構成されているので、密閉容器10に固定保持され、高圧の吐出冷媒を容積部27aの内部空間にて旋回流とし、旋回流の遠心力によって吐出冷媒から冷凍機油を分離する吐出マフラー27により、吐出マフラーの容積部27aの内部空間を上下に仕切る油分離具等で分断させることなく、容積部全体を一つの大きなマフラー空間とすることができ、旋回流の遠心力により圧縮機構部から吐出された高圧の吐出冷媒から冷凍機油を分離できるとともに、この吐出冷媒の脈動成分を広い周波数域で消音でき、高圧の吐出冷媒の脈動を十分に消音することができる。
また吐出マフラーの容積部27aにて吐出冷媒から分離され、油戻し管27dを通って密閉容器10内部に流入した冷凍機油が、密閉容器10内部で冷媒導出管22に流出する中間圧の冷媒の流れに巻き込まれて、冷媒導出管22から流出して高段部12に供給されてしまうことはなく、確実に密閉容器10底部の油溜め17に帰還させることができ、油溜め17の冷凍機油枯渇の危険を回避し、油溜め17の冷凍機油の貯油量を適量に維持できる。また吐出マフラー27での油分離の際、旋回流の遠心力を利用して吐出冷媒から冷凍機油を分離するので、吐出冷媒の圧損を減じることができ、また吐出マフラーの圧縮機本体との一体化により省スペース化が図れ、冷媒回路の設計の自由度や生産性が向上するといった効果が得られる。
圧縮機1では、冷媒導出管22を備え、密閉容器10内部の中間圧冷媒を、密閉容器10外部に導出した後で、一端が密閉容器10外部に位置する高段吸入管23を経由して高段圧縮機構部12に吸入させるようにしていたが、冷媒導出管22を備えず、高段吸入管を密閉容器10内部に収納し、その高段吸入管の一端を密閉容器10内部に開口し、他端を高段圧縮機構部12に接続するように構成する圧縮機もある。この場合、低段圧縮機構部11で圧縮され、低段吐出管21から密閉容器10内部に吐出された中間圧冷媒は、密閉容器10の外部に出ることなく、密閉容器10内部に開口する高段吸入管から高段圧縮機構部12に吸入される。
上記のような高段吸入管を密閉容器10内部に収納する内部循環形式の内部中間圧型2段圧縮式の圧縮機においては、油戻し管27dの密閉容器10内部への開口が、中間圧冷媒を高段部12に吸入する高段吸入管の密閉容器10内部の開口位置、すなわち高段吸入管の中間圧冷媒吸い込み口の位置、よりも油溜め17側に位置させることで、油戻し管27dから密閉容器10内部に流入した冷凍機油が、密閉容器10内部の中間圧冷媒といっしょに密閉容器10内に収納された高段吸入管に流入するのを防止して、確実に油溜め17に帰還させることができる。
また上記のような内部循環形式の内部中間圧型2段圧縮式の圧縮機においては、油戻し管27d、低段吐出管21、高段吸入管の3者の周方向の配置(位相差)は、圧縮機1の冷媒導出管22の密閉容器10内部への開口位置を、密閉容器10内部に収納された高段吸入管の開口位置(中間圧冷媒吸い込み口)に置き換えて適用することができ、同様な効果が得られる。
実施の形態2.
図5は、この発明を実施するための実施の形態2における内部中間圧型2段圧縮式の圧縮機2を示す説明用縦断面図である。なお図5において図1と同一の符号で示すものは、図1の圧縮機1と同一もしくは同様な部品であり、ここでの説明は省略する。図5に示す圧縮機2が図1に示す圧縮機1と異なる点は、油戻し管27eの密閉容器10内部への開口位置が、油溜め17に臨んでいる点である。油戻し管27eが油溜め17に貯留されている冷凍機油中に開口している。吐出マフラー27にて吐出冷媒から分離された冷凍機油を直接油溜め17の冷凍機油中に戻すのである。
よって、油戻し管27eの油溜め17側の領域には、密閉容器10内部の油溜め17にある冷凍機油の油面高さと圧力的に釣り合う高さまで冷凍機油が存在する。圧縮機1同様に、油戻し管27eは、複数の管を接続して形成してもよく、高圧空間から中間圧空間に連通するものであるので、通過する流体である冷凍機油、あるいは冷凍機油が容積部27a内部に存在しない場合には吐出冷媒の一部を、中間圧まで減圧させるために、毛細管で形成したり、途中に減圧弁を介在させたりするのがよい。
圧縮機2では、油戻し管27eから直接油溜め17の冷凍機油中に吐出マフラー27で吐出冷媒から分離された冷凍機油を帰還させることができるので、密閉容器10内部の中間圧冷媒の流れに影響を受けることがない。
そのため、冷媒導出管22の密閉容器10内部への開口位置に対する油戻し管27eの密閉容器10内部への開口位置(位相差)がどこであっても、油戻し管27eを通った冷凍機油が中間圧冷媒によって冷媒導出管22に持ち出されてしまうことを回避できるので、実施の形態1の効果に加えて、油戻し管27eと冷媒導出管22の密閉容器10周方向の配置に関する設計自由度が高めることができ、油戻し管27eの密閉容器10への接続に関する作業性が向上できる効果が得られる。
圧縮機2においても、吐出マフラー27の供給管27bや吐出管27cや中間圧接続管25や吐出圧接続管29、ブラケット26等の構成は、実施の形態1で述べた種々の構成が同様に適用できるものであり、容積部27aの内部空間では圧縮機1同様に、吐出冷媒を旋回流として、旋回流の遠心力を利用して吐出冷媒から冷凍機油を分離し、分離した冷凍機油を油戻し管27eから圧力差により油溜め17に帰還させる。また中間圧導出管22と低段吐出管21の密閉容器10内部での開口位置の関係も実施の形態1同様である。
圧縮機2は、冷媒導出管22を備え、密閉容器10内部の中間圧冷媒を、密閉容器10外部に導出した後で、一端が密閉容器10外部に位置する高段吸入管23を経由して高段圧縮機構部12に吸入させるようにしていたが、冷媒導出管22を備えず、高段吸入管を密閉容器10内部に収納し、その高段吸入管の一端を密閉容器10内部に開口し、他端を高段圧縮機構部12に接続するように構成する内部循環形式の内部中間圧型2段圧縮式の圧縮機に適用しても、同様な効果が得られる。
実施の形態3.
図6は、この発明を実施するための実施の形態3における内部中間圧型2段圧縮式の圧縮機3を示す説明用縦断面図である。なお図6において図1、図5と同一の符号で示すものは、図1の圧縮機1および図5の圧縮機2と同一もしくは同様な部品であり、ここでの説明は省略する。図6に示す圧縮機3が図1に示す圧縮機1または図5に示す圧縮機2と異なる点は、油戻し管27fの容積部27a側とは反対側の開口端が、密閉容器10内部に開口しているのではなく、低段吸入管20に開口している点である。油戻し管27fの一方が容積部27a内部に、他方(反容積部27a側)が吸入圧(低圧)空間に連通しているのである。
このため容積部27a内部で吐出冷媒から分離された冷凍機油は、一方が容積部27a内の吐出圧(高圧)で、他方が吸入圧空間に連通する油戻し管27fを圧力差により通過して、吸入圧空間である低段吸入管20内に流入し、低段吸入管20を流れる低圧冷媒とともに、低段部11の低段吸入室から低段圧縮室に供給され、低段圧縮室のシールや低段部11の摺動部の潤滑に寄与する。吐出マフラー27で吐出冷媒から分離された冷凍機油を、密閉容器10内部に流入させて油溜め17に帰還させるのでなく、低段部11の低段圧縮室に全量供給するものである。
低段圧縮室に供給された油戻し管27fを通った冷凍機油は、低段圧縮室からそこで圧縮された中間圧冷媒といっしょに低段吐出管21から空間A30に吐出され、中間圧冷媒が冷媒導出管22に流出する以前に、密閉容器10内部で中間圧冷媒から分離し、油溜め17に帰還する。この圧縮機3では、吐出マフラー27で吐出冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し管27fから低段部11を経由して油溜め17に帰還することになるのである。圧縮機1および圧縮機2では、吐出マフラー27で吐出冷媒から分離した冷凍機油を油溜め17に帰還させ、油溜め17から低段部11に冷凍機油が供給されることになるが、圧縮機3では、吐出マフラー27で吐出冷媒から分離した冷凍機油を油溜め17に帰還する以前に、低段部11の低段圧縮室に供給するのである。
ここで油戻し管27fは、複数の配管を接続して形成してもよく、高圧空間から低圧空間に連通するものであるので、通過する流体である冷凍機油、あるいは冷凍機油が容積部27a内部に存在しない場合には吐出冷媒の一部を、低圧まで減圧させるので、毛細管で形成したり、途中に減圧弁を介在させたりするのがよい。
圧縮機3は、吐出マフラー27で吐出冷媒から分離した冷凍機油を、油戻し管27fと低段吸入管20を経由させ低圧冷媒とともに低段部11の低段圧縮室に供給したので、低段圧縮室のシール性が向上し、高効率な圧縮機となる効果が得られる。圧縮機3は、使用する冷媒が二酸化炭素であり、動作圧力が極めて高く、低段圧縮室の圧力と吸入圧と差圧も大きく、低段圧縮室から漏れを抑えて漏れ損失の増加を防止するために、従来のHFC冷媒等の冷媒を使用する圧縮機に比べ高いシール効果が要求されるので、吐出マフラー27で吐出冷媒から分離した冷凍機油を、低段部11の低段圧縮室に供給することは、低段圧縮室のシール性向上に貢献する。また低段部11の摺動部の潤滑性向上により、信頼性の高い圧縮機となる効果が得られる。
また吐出マフラー27により高段部12から吐出される吐出冷媒の脈動を十分に消音できるとともに、油分離機構により吐出冷媒から分離された冷凍機油は、低段部11から密閉容器10内に吐出されて密閉容器10内で油分離されるので、密閉容器10底部の油溜め17に帰還させることができ、油溜め17の冷凍機油枯渇の危険を回避し、油溜め17の冷凍機油の貯油量を適量に維持することができる。
さらに圧縮機1同様に、吐出マフラー27での油分離の際、旋回流の遠心力を利用して吐出冷媒から冷凍機油を分離するので、吐出冷媒の圧損を減じることができ、また吐出マフラーの圧縮機本体との一体化により省スペース化が図れ、冷媒回路の設計の自由度や生産性が向上するといった効果が得られる。
なお圧縮機3では、油戻し管27fの吸入圧空間への連通を、低段吸入管20と接続する構成としたが、油戻し管27fの他方(反容積部27a側)を冷媒回路の低圧配管50に開口するように接続してもよく、また密閉容器10を貫通して、低段吸入室など低段部11の吸入圧空間に開口するように接続しても同様な効果が得られる。
圧縮機3においても、吐出マフラー27の供給管27bや吐出管27cや中間圧接続管25や吐出圧接続管29、ブラケット26等の構成は、実施の形態1で述べた種々の構成が同様に適用できるものであり、容積部27aの内部空間では圧縮機1同様に、吐出冷媒を旋回流として、旋回流の遠心力を利用して吐出冷媒から冷凍機油を分離する。また中間圧導出管22と低段吐出管21の密閉容器10内部での開口位置の関係も実施の形態1同様である。
圧縮機3は、冷媒導出管22を備え、密閉容器10内部の中間圧冷媒を、密閉容器10外部に導出した後で、一端が密閉容器10外部に位置する高段吸入管23を経由して高段圧縮機構部12に吸入させるようにしていたが、冷媒導出管22を備えず、高段吸入管を密閉容器10内部に収納し、その高段吸入管の一端は密閉容器10内部に開口し、他端を高段圧縮機構部12に接続するように構成する内部循環形式の内部中間圧型2段圧縮式の圧縮機に適用しても、同様な効果が得られる。
実施の形態4.
図7は、この発明を実施するための実施の形態4における内部中間圧型2段圧縮式の圧縮機4を示す説明用縦断面図である。なお図7において図1、図5、図6と同一の符号で示すものは、図1の圧縮機1、図5の圧縮機2および図6の圧縮機3と同一もしくは同様な部品であり、ここでの説明は省略する。図7に示す圧縮機4が図1に示す圧縮機1、図5に示す圧縮機2および図6の圧縮機3と異なる点は、油戻し管を2本備え、一方の油戻し管27gが図5の圧縮機3同様に、容積部27a側とは反対側の開口端を低段吸入管20に開口しており、他方の油戻し管27hが、容積部27a側とは反対側の開口端を高段吸入管23に開口している点である。油戻し管27gの一方が容積部27a内部に、他方(反容積部27a側)が吸入圧(低圧)空間に連通し、油戻し管27hの一方が容積部27a内部に、他方(反容積部27a側)が高段部12の吸入空間に連通しているのである。
油戻し管27gの吸入圧空間への連通は、油戻し管27fの他方(反容積部27a側)を冷媒回路の低圧配管50に開口するように接続してもよく、また密閉容器10を貫通して、低段部11の低段吸入室などの吸入圧空間に開口するように接続してもよい。また油戻し管27hの高段部12の吸入空間への連通は、油戻し管27hの他方(反容積部27a側)を中間圧接続管25または冷媒導出管22に開口するように接続してもよく、また密閉容器10を貫通して、高段部12の高段吸入室などの中間圧空間に開口するように接続してもよい。油戻し管27hの他方(反容積部27a側)は、冷媒導出管22から高段吸入管23を経て高段部12の高段吸入室に至る高段部12の吸入空間に接続するものである。以降、低圧空間に連通する油戻し管27gを低段油戻し管27g、高段部12の吸入空間に連通する油戻し管27hを高段油戻し管27hと呼ぶものとする。
圧縮機4では、容積部27a内部で吐出冷媒から分離された冷凍機油は、一方が容積部27a内の吐出圧(高圧)で、他方が吸入圧空間に連通する低段油戻し管27gを圧力差により通過して、吸入圧空間である低段吸入管20内に流入するものと、一方が容積部27a内の吐出圧(高圧)で、他方が高段部12の吸入空間となる中間圧空間に連通する高段油戻し管27hを圧力差により通過して、高段吸入管23内に流入するものとに分けられる。
2本の油戻し管27g、27hは出入口での圧力差が異なり、圧力差の大きい低段油戻し管27gを通過する冷凍機油の体積の方が高段油戻し管27hを通過する冷凍機油の体積より多くなる。低段油戻し管27gを通って低段吸入管20内に流入した冷凍機油は、低段吸入管20を流れる低圧冷媒とともに、低段部11の低段圧縮室に供給され、低段圧縮室のシールや低段部11の摺動部の潤滑に寄与する。そして低段圧縮室から低段部11で圧縮された中間圧冷媒といっしょに低段吐出管21から空間A30に吐出され、中間圧冷媒が冷媒導出管22に流出する以前に、密閉容器10内部で中間圧冷媒から分離し、油溜め17に帰還する。
一方、高段油戻し管27hを通って高段吸入管23内に流入した冷凍機油は、高段吸入管23を流れる中間圧冷媒とともに、高段部12の高段圧縮室に供給され、高段圧縮室のシールや高段部12の摺動部の潤滑に寄与する。そして高段圧縮室から高段部12で圧縮された吐出冷媒といっしょに高段吐出管24から吐出圧接続管29を経由して、再び吐出マフラー27へ到達し、容積部27a内で吐出冷媒から分離される。
高段油戻し管27hを通って高段部12に供給される冷凍機油は、吐出マフラー27で吐出冷媒から分離された冷凍機油の全量ではなく、一部であり、低段油戻し管27gを通って吸入圧空間に供給される冷凍機油の量の方が多いので、吐出マフラー27で吐出冷媒から分離した冷凍機油を高段部12に供給して再び吐出マフラー27に戻して吐出冷媒から分離する循環を行っても油溜め17の冷凍機油が枯渇することはない。
ここで低段油戻し管27gおよび高段油戻し管27hは、複数の配管を接続して形成してもよく、低段油戻し管27gは高圧空間から低圧空間に連通するものであるので、通過する流体である冷凍機油あるいは吐出冷媒の一部を、低圧まで減圧させるので、毛細管で形成したり、途中に減圧弁を介在させたりするのがよい。同様に高段油戻し管27hは高圧空間から中間圧空間に連通するものであるので、通過する流体である冷凍機油あるいは吐出冷媒の一部を、中間圧まで減圧させるので、毛細管で形成したり、途中に減圧弁を介在させたりするのがよい。
圧縮機4では、2本の油戻し管27g、27hを容積部27a内部へ開口させるので、容積部27aの底面が球面状であると、最も容積部27aの軸線方向で下方に位置する中央部近傍に2本の油戻し管27g、27hを設置するのは、ロウ付または溶接作業が困難である。2本の油戻し管27g、27hの容積部27a底面への取り付け位置間には距離が必要である。そのため容積部27aの底面に平坦面部を形成し、その平坦面部に2本の油戻し管27g、27hを設置する、あるいは容積部27a底面の球面半径を大きくして、容積部27a内に分離された冷凍機油が滞留してしまうのを回避する、あるいは少量に抑制するようにしなければならない。
実施の形態4では、吐出マフラー27で吐出冷媒から分離された冷凍機油を、密閉容器10内部に流入させて油溜め17に帰還させるのでなく、低段部11の低段圧縮室と高段部12の高段圧縮室に分けて全量供給するものである。実施の形態1および2では、吐出マフラー27で吐出冷媒から分離した冷凍機油を油溜め17に帰還させ、油溜め17から低段部11または高段部12に冷凍機油が供給されることになるが、実施の形態4では、吐出マフラー27で吐出冷媒から分離した冷凍機油が油溜め17に帰還する以前に、低段部11の低段圧縮室および高段部12の高段圧縮室に供給されるのである。
圧縮機4は、吐出マフラー27で吐出冷媒から分離した冷凍機油を、低段油戻し管27gと低段吸入管20を経由させ低圧冷媒とともに低段部11の低段圧縮室に供給したので、低段圧縮室のシール性が向上し、また低段部11の摺動部の潤滑性が向上する。更に、吐出マフラー27で吐出冷媒から分離した冷凍機油の一部を、高段油戻し管27hと高段吸入管23を経由させ中間圧冷媒とともに高段部12の高段圧縮室に供給したので、高段圧縮室のシール性が向上し、また高段部12の摺動部の潤滑性が向上するので、高効率で信頼性の高い圧縮機となる効果が得られる。
また吐出マフラー27により高段部12から吐出される吐出冷媒の脈動を十分に消音できるとともに、油分離機構により吐出冷媒から分離された冷凍機油の多くは、低段部11から密閉容器10内に吐出されて密閉容器10内で油分離されるので、密閉容器10底部の油溜め17に帰還させることができ、油溜め17の冷凍機油枯渇の危険を回避し、油溜め17の冷凍機油の貯油量を適量に維持できる。
さらに圧縮機1同様に、吐出マフラー27での油分離の際、旋回流の遠心力を利用して吐出冷媒から冷凍機油を分離するので、吐出冷媒の圧損を減じることができ、また吐出マフラーの圧縮機本体との一体化により省スペース化が図れ、冷媒回路の設計の自由度や生産性が向上するといった効果が得られる。
実施の形態4においても、吐出マフラー27の供給管27bや吐出管27cや中間圧接続管25や吐出圧接続管29、ブラケット26等の構成は、実施の形態1で述べた種々の構成が同様に適用できるものであり、容積部27a内部では圧縮機1同様に、吐出冷媒を旋回流として、旋回流の遠心力を利用して吐出冷媒から冷凍機油を分離する。また中間圧導出管22と低段吐出管21の密閉容器10内部での開口位置の関係も実施の形態1同様である。
圧縮機4は、冷媒導出管22を備え、密閉容器10内部の中間圧冷媒を、密閉容器10外部に導出した後で、一端が密閉容器10外部に位置する高段吸入管23を経由して高段圧縮機構部12に吸入させるようにしていたが、冷媒導出管22を備えず、高段吸入管を密閉容器10内部に収納し、その高段吸入管の一端は密閉容器10内部に開口し、他端を高段圧縮機構部12に接続するように構成する内部循環形式の内部中間圧型2段圧縮式の圧縮機に適用しても、同様な効果が得られる。
実施の形態5.
図8は、この発明を実施するための実施の形態5における内部中間圧型2段圧縮式の圧縮機5を示す説明用縦断面図である。なお図8において図7と同一の符号で示すものは、図7に示す圧縮機4と同一もしくは同様な部品であり、ここでの説明は省略する。図8に示す圧縮機5は、吐出マフラー27で吐出冷媒から分離した冷凍機油を吸入圧空間と高段部12の吸入空間である中間圧空間に分けて供給する点で同じであるが、図7の圧縮機4と異なる点は、油戻し管27kの容積部27a内部への開口が1ヶ所であり、油戻し管27kの途中から油戻し管27kが分岐して、一方が低段吸入管20に接続し、他方が高段吸入管23に接続している点である。
油戻し管27kは、基管部27kaが容積部27a内部へ開口し、その開口位置が容積部27a底面のほぼ中央部となるように設置する。油戻し管27kの容積部27aの開口はこの基管部27kaの開口のみであり、容積部27aへの油戻し管27kのロウ付または溶接はこの1箇所だけであるので、容積部27a底面の中央部に設置することができる。そして基管部27kaの他端(反容積部27a側)から2本の配管が分岐する。一方が吸入圧空間である低段吸入管20に開口する低段油戻し管部27kbで、他方が、高段部12の吸入空間(中間圧空間)である高段吸入管23に開口する高段油戻し管部27kcである。
低段油戻し管部27kbは、冷媒回路の低圧配管50に開口するように接続してもよく、また密閉容器10を貫通して、低段部11の低段吸入室などの低圧空間に開口するように接続してもよい。また高段油戻し管部27kcは、中間圧接続管25または冷媒導出管22に開口するように接続してもよく、また密閉容器10を貫通して、高段部12の高段吸入室などの中間圧空間に開口するように接続してもよい。
低段油戻し管部27kbおよび高段油戻し管部27kcは、複数の配管を接続して形成してもよく、低段油戻し管部27kbは高圧空間から低圧空間に連通するものであるので、通過する流体である冷凍機油あるいは吐出冷媒の一部を、低圧まで減圧させるので、毛細管で形成したり、途中に減圧弁を介在させたりするのがよい。同様に高段油戻し管部27kcは高圧空間から中間圧空間に連通するものであるので、通過する流体である冷凍機油あるいは吐出冷媒の一部を、中間圧まで減圧させるので、毛細管で形成したり、途中に減圧弁を介在させたりするのがよい。
また基管部27kaも複数の配管を接続して形成してもよく、基管部27kaを毛細管で形成したり、途中に減圧弁を介在させたりして中間圧まで減圧し、高段油戻し管部27kcでは減圧させずに通過させ、低段油戻し管部27kbではさらに吸入圧まで減圧するようにしてもよい。
圧縮機5は油戻し管27kが以上のように構成されているので、実施の形態4に示す圧縮機4の効果に加え、容積部27a底面を球面状に形成しても、容積部27aの軸線方向に最も下方に位置する部位である中央部に油戻し管27kを開口させることができるので、容積部27a内部に吐出冷媒から分離した冷凍機油が滞留することを回避できる効果が得られる。また容積部27aの底面に平坦面部を形成する必要がなくなるので、容積部27aをプレス成形する際に平坦面部形成のための工程を削除できるので製造コストを安価にできる。
圧縮機5は、冷媒導出管22を備え、密閉容器10内部の中間圧冷媒を、密閉容器10外部に導出した後で、一端が密閉容器10外部に位置する高段吸入管23を経由して高段圧縮機構部12に吸入させるようにしていたが、冷媒導出管22を備えず、高段吸入管を密閉容器10内部に収納し、その高段吸入管の一端は密閉容器10内部に開口し、他端を高段圧縮機構部12に接続するように構成する内部循環形式の内部中間圧型2段圧縮式の圧縮機に適用しても、同様な効果が得られる。
以上の実施の形態1〜5に示した圧縮機は、冷媒として二酸化炭素を吸入し圧縮する。二酸化炭素を冷媒とする、例えばヒートポンプ式給湯装置のような冷媒回路に上記の圧縮機を使用するのである。二酸化炭素はHFCやHC(炭化水素)などの従来の冷媒に比べて動作圧力が高いことはよく知られている。動作圧力が高いので、圧縮機構部で圧縮されて吐出された吐出冷媒(高圧の冷媒)の圧力脈動も従来の冷媒に比べて相対的に大きい。
このため吐出冷媒の脈動を十分に消音するためには、マフラー(消音)空間としてより大きな容積が必要になる。上記した吐出マフラー27の容積部27aは、内部空間が上下に仕切られずに、容積部27aの内部空間全体を一つのマフラー空間として有効に活用できるもので、圧力脈動が大きい二酸化炭素の吐出冷媒の圧力脈動を広い周波数域に渡って消音でき、十分に脈動を消音できる内容積を所有するものである。マフラーは一般的に空間容積が大きい方が特に低周波域の圧力脈動成分の消音効果が高く、吐出マフラー27は容積部27aの内部空間全体をマフラー空間として大きく活用できるので、消音し難かった例えば1kHz以下のような低周波数域の消音効果が得られ、広い周波数域に渡って消音させることができる。
また二酸化炭素は動作圧力が高いため、圧縮機構部での圧縮前後の圧力差が大きく、圧縮後または圧縮途中の冷媒の圧縮室から吸入室への漏れや、圧縮機構部で圧縮され吐出された冷媒の圧縮途中の圧縮室や吸入室への漏れが従来冷媒に比べて多くなりやすい。そのためこれらの漏れを少なくするために、圧縮機構部の吸入室や圧縮室に積極的に冷凍機油を供給して、その油によって吸入室や圧縮室のシール性を高める必要がある。二酸化炭素を冷媒として使用する圧縮機では従来冷媒の時に比べて、多くの冷凍機油を圧縮室に供給するのである。
それにより圧縮機構部から吐出された吐出冷媒には従来冷媒時に比べ多くの冷凍機油が含まれることになる。密閉容器10の外部に吐出される吐出冷媒に多くの冷凍機油が含まれていると、その冷凍機油を冷媒から分離して回収し、密閉容器10内部に戻さないと、いずれ密閉容器10内部の冷凍機油は枯渇してしまうので、吐出冷媒から冷凍機油を分離して回収し、密閉容器10内部に戻す油分離機構が必要となる。
特許文献1に開示されるような内部空間を上下に仕切る油分離具を備え、その油分離具に通過する高圧の吐出冷媒を接触させ吐出冷媒に含まれる冷凍機油を分離する、いわゆる邪魔板方式の油分離機構では、冷凍機油は分離できるが、内部空間を油分離具により区切った状態としてしまうため、区切られた個々の空間の容積が小さくなってしまい、実質的には小容量の空間を連続して通過する多段マフラー状となる。そして実質的な多段マフラーの個々のマフラー空間容積は小さいので、低周波側の圧力脈動成分の消音ができず、吐出冷媒の脈動を十分に消音できない。
しかし実施の形態1〜5に示した圧縮機の吐出マフラー27は、油分離機構が容積部27aの空間容積を区切ることなく、容積部27aの内部空間をそのままに容積すべてを使用して冷凍機油を高圧の吐出冷媒から分離でき、かつその内部空間の容積すべてを一つのマフラー空間として使用できるので、大きな容積のマフラーとなって、高圧な吐出冷媒の低周波域の圧力脈動成分も消音でき、広い周波数域での消音効果が得られ、吐出冷媒の脈動を十分に消音することができる。
冷媒として二酸化炭素を吸入し圧縮して吐出する圧縮機においては、シール性向上のために圧縮室に多くの冷凍機油を供給するので、高圧の吐出冷媒に含まれる冷凍機油を分離回収しなければならず、また吐出冷媒の圧力脈動が大きいので、大きな空間容積のマフラーで吐出冷媒の脈動を消音しなければならない。実施の形態1〜5に示した圧縮機の吐出マフラー27は、これらを両立して達成できるので、特に冷媒として二酸化炭素を使用する圧縮機、例えばヒートポンプ式給湯装置に用いられる圧縮機に有効である。ただし、冷媒として二酸化炭素に拘るものではなく、現在では冷凍空調用に主に使用されているHFC冷媒やHC冷媒においても適用でき、同様な効果を奏することができる。冷凍機油も同様に、PAG油に限らず使用する冷媒に適応した冷凍機油を用いればよい。
実施の形態1〜5に示した圧縮機はいずれも内部中間圧型2段圧縮式のロータリ圧縮機で説明したが、これに限るものではなく、圧縮機構がロータリ式でなく、レシプロ式やスクロール式であっても、また密閉容器10の内部を中間圧とせず、低圧(吸入圧)としても、さらには電動機の上方に圧縮機構部を配置する構造であっても同様な効果が得られる。また実施の形態1〜3においては、2段圧縮式に限らず、単段式の圧縮機構部を密閉容器内部に収納した圧縮機であっても同様な効果を得ることができる。
また実施の形態1〜5に示した圧縮機はいずれも吐出マフラー27を密閉容器10の外面に保持させていたが、省スペース化は図れないが、本発明の旋回流式油分離機能付き吐出マフラーを密閉容器10に保持させずに、密閉容器10の外部に設置しても同様な効果が得られる。また例えば容積部を密閉容器10の内面と圧縮機構部外面で囲まれた空間で構成するような、本発明の旋回流式油分離機能付き吐出マフラーを密閉容器10内部に収納する構造であっても同様な効果を得ることができる。
本発明の吐出マフラー27のように容積部にて消音する形式である膨張形マフラーは、特に波長が長い低周波数域の脈動の消音に対しては、マフラー容積部の容積の影響が支配的となる。二酸化炭素冷媒は、R410A等の従来冷媒に比べて冷媒中の音速が大きく、波長が長くなる傾向があるため、マフラー容積部の容積の影響が支配的となる周波数範囲が広くなる。そして膨張形マフラーはマフラー容積部の容積を大きくするほど低い周波数の圧力脈動に対する消音効果が大きくなる傾向がある。そのため本発明の旋回流式油分離機能付き吐出マフラー27は、容積部27aの内部空間の容積が圧縮機構部の行程容積の10倍以上あることが望ましい。
また容積部27a内部で高圧の冷媒を旋回流にして、高圧の冷媒に含まれる冷凍機油を分離するためには、高圧の冷媒が供給管27bより容積部27a内部に供給されてから、吐出管27cに入り込むまでに適当な回数の旋回を高圧の冷媒に行わせることが必要であり、そのためには供給管27bの冷媒吹き出し位置と吐出管27cの冷媒入り込み位置との軸線方向距離が、容積部27a内面の直径以上であることが望ましい。
なお、吐出マフラーが備える油分離機能が旋回流式でなく、例えば特許文献1に開示されている邪魔板方式など他の油分離機能であっても、吐出マフラーの油戻し管の密閉容器内部への開口位置や油戻し管が吐出冷媒から分離された冷凍機油を供給する箇所を実施の形態1〜5に示された位置や箇所にすることで、高圧の吐出冷媒から分離した冷凍機油を確実に密閉容器底部の油溜めに帰還させることができ、油溜めの冷凍機油の枯渇がない信頼性の高い圧縮機となる効果や圧縮機構部の圧縮室のシール性を向上させ高効率な圧縮機となる効果は得ることができる。
この発明の実施の形態1を示す圧縮機の縦断面図である。 図1に示す圧縮機の要部の上面図である。 供給管27bを容積部27a側面に取り付け場合の実施例を示す模式図である。 吐出マフラー27内部の吐出冷媒の流れを示す説明図である。 この発明の実施の形態2を示す圧縮機の縦断面図である。 この発明の実施の形態3を示す圧縮機の縦断面図である。 この発明の実施の形態4を示す圧縮機の縦断面図である。 この発明の実施の形態5を示す圧縮機の縦断面図である。
符号の説明
1、2、3、4、5 圧縮機、10 密閉容器、10a 円筒容器、10b 上蓋、10c 底蓋、11 低段圧縮機構部(低段部)、12 高段圧縮機構部(高段部)、13 電動機、13a 固定子、13b 回転子、14 回転軸、17 油溜め、20 低段吸入管、21 低段吐出管、22 冷媒導出管、23 高段吸入管、24 高段吐出管、25 中間圧接続管、26 ブラケット、26a 曲面部、26b 保持部、27 吐出マフラー、27a 容積部、27b 供給管、27c 吐出管、29 吐出圧接続管、30 空間A、27d、27e、27f、27k 油戻し管、27g 低段油戻し管、27h 高段油戻し管、27ka 基管部、27kb 低段油戻し管部、27kc 高段油戻し管部、50 低圧配管、51 高圧配管。

Claims (9)

  1. 電動機と、この電動機に連結された回転軸にて駆動され低圧の冷媒を高圧まで圧縮して吐出する圧縮機構部と、を密閉容器の内部に収納するとともに、この密閉容器内部を中間圧または低圧とする圧縮機であって、
    前記圧縮機構部から吐出された冷凍機油を含む高圧の冷媒が供給され、この高圧の冷媒の脈動を吸収する容積を有する容積部と、
    前記高圧の冷媒を前記容積部の内面に沿うように吹き出し、前記高圧の冷媒を旋回流とするように前記容積部の内部空間に供給する供給管と、
    前記容積部の底部に設けられ、この旋回流の遠心力によって前記高圧の冷媒から分離された冷凍機油を前記容積部から前記容積部の外部に排出する油戻し管と、
    前記容積部の内部で前記供給管の前記高圧冷媒の吹き出し位置より前記容積部の底部側に一方を開口し、前記容積部の外部に他方を開口して冷凍機油が分離された前記高圧の冷媒を前記容積部の内部空間から外部に吐出する吐出管と、
    から成る吐出マフラーを備えたことを特徴とする圧縮機。
  2. 前記吐出マフラーを前記密閉容器の外部に設置し、前記油戻し管により前記容積部から排出された冷凍機油を、前記密閉容器の内部に流入させたことを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  3. 前記密閉容器内部から前記中間圧または低圧の冷媒を前記密閉容器の外部に導出する導出管を備え、前記密閉容器内部の中間圧または低圧の冷媒を前記導出管より前記密閉容器の外部に導出してから前記圧縮機構部に吸入させるとともに、前記油戻し管の前記密閉容器内部への開口を、前記導出管の前記密閉容器内部への開口より、前記密閉容器の底部側に位置させたことを特徴とする請求項2記載の圧縮機。
  4. 電動機と、この電動機に連結された回転軸にて駆動され低圧の冷媒を高圧まで圧縮して吐出する圧縮機構部と、を密閉容器の内部に収納するとともに、この密閉容器内部を中間圧または低圧とし、この密閉容器内部から前記中間圧または低圧の冷媒を前記密閉容器の外部に導出する導出管を設け、前記密閉容器内部の中間圧または低圧の冷媒を前記導出管より前記密閉容器の外部に導出してから前記圧縮機構部に吸入させる圧縮機であって、
    前記圧縮機構部から吐出された冷凍機油を含む高圧の冷媒が供給され、この高圧の冷媒から冷凍機油を分離する油分離機能を有する容積部と、前記高圧の冷媒をこの容積部の内部空間に供給する供給管と、前記容積部の底部に設けられ、前記容積部で前記高圧の冷媒から分離された後の冷凍機油を前記容積部から前記容積部の外部に排出する油戻し管と、冷凍機油が分離された前記高圧の冷媒を前記容積部の内部空間から外部に吐出する吐出管と、を前記密閉容器の外部に備え、前記油戻し管により前記容積部から排出された冷凍機油を前記密閉容器の内部に流入させるとともに、前記油戻し管の前記密閉容器内部への開口を、前記導出管の前記密閉容器内部への開口より、前記密閉容器の底部側に位置させたことを特徴とする圧縮機。
  5. 前記密閉容器の底部には前記圧縮機構部に供給される冷凍機油を貯留し、前記油戻し管を、この貯留された冷凍機油中に開口させたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の圧縮機。
  6. 前記油戻し管に排出された冷凍機油を、前記低圧の冷媒とともに前記圧縮機構部の圧縮室に供給したことを特徴とする請求項2または請求項4に記載の圧縮機。
  7. 前記圧縮機構部を低段圧縮機構部と高段圧縮機構部から構成し、この低段圧縮機構部にて低圧の冷媒を中間圧まで圧縮して前記密閉容器内部に吐出し、前記密閉容器内部を中間圧とするとともに、この密閉容器内部の中間圧の冷媒を前記高段圧縮機構部にて高圧まで圧縮して吐出し、この高段圧縮機構部から吐出された高圧の冷媒を前記容積部に供給したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の圧縮機。
  8. 前記圧縮機構部を低段圧縮機構部と高段圧縮機構部から構成し、この低段圧縮機構部にて低圧の冷媒を中間圧まで圧縮して前記密閉容器内部に吐出し、前記密閉容器内部を中間圧として、この密閉容器内部の中間圧の冷媒を前記高段圧縮機構部にて高圧まで圧縮して吐出し、この高段圧縮機構部から吐出された高圧の冷媒を前記容積部に供給し、前記容積部にて前記高圧の冷媒から分離され前記油戻し管に排出された冷凍機油を、前記低圧の冷媒とともに前記低段圧縮機構部の圧縮室に供給するとともに、前記油戻し管に排出された冷凍機油の一部を、前記中間圧の冷媒とともに前記高段圧縮機構部の圧縮室に供給したことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  9. 前記吐出マフラーを前記密閉容器の外面に保持させたことを特徴とする請求項2から請求項8のいずれかに記載の圧縮機。
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