JP2008174989A - 構造物のfrp補強工法および構造物の補強構造 - Google Patents

構造物のfrp補強工法および構造物の補強構造 Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリートや鋼の構造物を高弾性炭素繊維強化プラスチックにより補強する構造物のFRP補強工法であって、施工性に優れ、かつ、大型の構造物に対しても適用でき、強度および疲労耐久性の一層の向上を図り得る構造物のFRP補強工法、ならびに、当該補強工法によって補強された構造物の補強構造を提供する。
【解決手段】構造物のFRP補強工法においては、梁(4)等の構造物の表面に対して、高弾性炭素繊維補強プラスチックから成る複数枚の帯状の補強板(1)をその長さ方向の端部同士が略突き合わされた状態に直線的に配列して接着し、次いで、補強板(1)、(1)の突き合わせ部位に対して、高弾性炭素繊維補強プラスチックから成る継ぎ手板(2)を重ね合わせて接着し、更に、炭素繊維シート(3)を接着して継ぎ手板(2)を被覆する。
【選択図】図1

Description

本発明は、構造物のFRP補強工法および構造物の補強構造に関するものであり、詳しくは、高弾性炭素繊維強化プラスチックによって補強することにより、構造物の高強度化および疲労耐久性の向上を図る構造物のFRP補強工法、ならびに、当該補強工法によって補強された構造物の補強構造に関するものである。
コンクリート造の梁、床スラブなどの構造物においては、耐荷重の変更、疲労損傷の防止などを目的として、繊維強化プラスチック(FRP)による補強が行われている。FRPによる構築物の補強技術としては、例えば、PAN系またはピッチ系の多数の炭素繊維を一方向に密な状態で引き揃え且つ樹脂を含浸させた強化繊維シートにより補強する「構造物の補強方法」が提案されている。斯かる補強工法は、強化繊維シートの一端を構造物の表面に固定板により固定し且つ強化繊維シートの他端を固着部材に取り付け、強化繊維シートから離れて構造物の表面に装着されたジャッキで前記の固着部材を引き寄せることにより、強化繊維シートを長手方向(繊維の方向)に引張って当該強化繊維シートに一定の緊張力を与え、斯かる状態で構造物の表面に強化繊維シートを接着するものである(特許文献1)。
特開2002−285460号公報
一般に、FRPによる構築物の補強においては、上記の様に緊張力を与える際に要求される引張強度の大きさの観点から、引張強度が1000〜3000N/mm程度のいわゆる高強度炭素繊維強化プラスチック(高強度CFRP)が利用される。また、斯かる繊維強化プラスチックは、例えば梁や桁の補強用であれば、通常、一定幅で且つ一定長さの帯状の板として製作されるが、ヤング率が100〜200kN/mm程度であり、可撓性を有しているため、補強対象物に比べて長さが不足する場合、複数枚を直線状に配列すると共に、隣接する板同士で長さ方向の一端を重ね合わせて相互に接着し且つ外側の板を重なり部分で屈曲させることにより、構築物の表面にその全長に亘って接着することが出来る。
ところで、繊維強化プラスチックによる構造物の補強においては、施工性を更に高める観点からすると、ヤング率が例えば450kN/mmと言う一層剛直ないわゆる高弾性炭素繊維強化プラスチック(高弾性CFRP)を補強板として使用し、緊張力を与えることなく、これを構築物の表面にそのまま接着する方法が考えられる。
しかしながら、上記の高弾性CFRPは、従来の高強度CFRPに比べて、あまりにも剛性が高く、帯状に成形した場合も湾曲させることが出来ないため、運搬、取扱い上の問題から、一定の長さに製作される。しかも、前述の様に、梁や桁の補強において帯状の高弾性CFRP補強板を複数枚連結して使用せんとした場合、長さ方向の一端を重ね合わせたとしても、重なり部分で屈曲させることが出来ず、構築物の表面全体に亘って接着することが出来ない。換言すれば、高弾性CFRPによる補強は、補強すべき構築物表面の長さが補強板の長さよりも短い場合に限られると言う問題がある。
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、コンクリートや鋼の構造物を高弾性炭素繊維強化プラスチックにより補強する構造物のFRP補強工法であって、施工性に優れ、かつ、大型の構造物に対しても適用でき、強度および疲労耐久性の一層の向上を図り得る構造物のFRP補強工法、ならびに、当該補強工法によって補強された構造物の補強構造を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明においては、高弾性炭素繊維補強プラスチックから成る複数枚の帯状の補強板を構造物表面に直線的に配列し且つ相互に連結するに当たり、特定の継ぎ手構造を構成した。そして、斯かる継ぎ手構造においては、同様の高弾性炭素繊維補強プラスチックから成る継ぎ手板を重ね合わせることにより、隣接する補強板同士の一体化を図り、更に、炭素繊維シートで継ぎ手板を被覆することにより、荷重が加えられた際の補強板からの継ぎ手板の剥離を防止する様にした。
すなわち、本発明の第1の要旨は、構造物をFRPにより補強する構造物のFRP補強工法であって、構造物の表面に対して、高弾性炭素繊維補強プラスチックから成る複数枚の帯状の補強板をその長さ方向の端部同士が略突き合わされた状態に直線的に配列して接着し、次いで、補強板の突き合わせ部位に対して、高弾性炭素繊維補強プラスチックから成る継ぎ手板を重ね合わせて接着し、更に、炭素繊維シートを接着して継ぎ手板を被覆することを特徴とする構造物のFRP補強工法に存する。また、本発明の第2の要旨は、上記のFRP補強工法により施工されて成ることを特徴とする構造物の補強構造に存する。
本発明によれば、高弾性炭素繊維補強プラスチックから成る複数枚の帯状の補強板同士を同様の素材の継ぎ手板で一体化を図り、炭素繊維シートの被覆により補強板からの継ぎ手板の剥離を防止する継ぎ手構造を構成するため、大型の構造物に対してもその補強部位の長さに拘わりなく適用でき、強度および疲労耐久性の一層の向上を図ることが出来る。また、材料に緊張力を与える必要がなく、補強板、継ぎ手板および炭素繊維シートの接着だけで施工できるため、施工性に極めて優れている。
本発明に係る構造物のFRP補強工法および構造物の補強構造の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る構造物のFRP補強工法の一例としての梁の補強を示す斜視図である。図2は、図1のFRP補強工法によって補強された一例としての梁の補強構造を示す底面図および縦断面図である。以下、実施形態の説明においては、構造物のFRP補強工法を「補強工法」と略記し、構造物の補強構造を「補強構造」と略記する。なお、以下の説明は本発明の実施形態の代表例であり、これらの内容に本発明は限定されるものではない。
本発明の補強工法は、コンクリート造の建物の梁や床スラブ、柱や橋脚に架け渡された桁、鉄骨、道路床版などの各種の構造物をFRPにより補強する補強工法であり、図1に示す様に、例えばコンクリート造の建物の梁(4)に適用される。以下、構造物として、梁(4)を挙げて説明する。
本発明の補強工法においては、図1に示す様に、高弾性炭素繊維補強プラスチック(以下、「高弾性CFRP」と言う。)から成る帯状の補強板(1)及び継ぎ手板(2)を使用する。高弾性CFRPは、補強用炭素繊維を一方向に引き揃え、これらの繊維に未硬化のマトリックス樹脂を含浸させてプリプレグを形成した後、これを連続的に金型で板状に硬化させる引き抜き成形法により製造される。マトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアネート樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられるが、強度、硬度の点から、好ましくはエポキシ樹脂が使用される。
帯状の高弾性CFRPは、炭素繊維の引き揃え方向に沿って長さ方向が設定されている。通常、高弾性CFRPの重量は100〜1100g/m、好ましくは150〜800g/m、更に好ましくは180〜500g/m、厚さは2〜4mm、幅が50〜150mm、長さは250〜500cmに設計され、その引張強度は、通常1000〜1500N/mm、好ましくは1200〜1400N/mm、ヤング率は、通常250〜500kN/mm、好ましくは300〜500kN/mm、更に好ましくは350〜450kN/mmである。上記の様な高弾性CFRPは、三菱化学産資(株)製の商品名「eプレート」として公知であり、建築、土木分野において補強資材として使用されている。
本発明の補強工法においては、通常、補強板(1)として、その幅が梁(4)の底面の幅の10〜100%、好ましくは30〜100%に相当する大きさに設計されたものを使用する。そして、先ず、梁(4)の表面、例えば底面に対して、上記の高弾性CFRPから成る複数枚の帯状の補強板(1)、(1)をその長さ方向の端部同士が略突き合わされた状態に梁(4)の長手方向に沿わせて直線的に配列して接着する。この様に、梁(4)の底面の幅よりも狭い幅の補強板(1)を使用することにより、後述する炭素繊維シート(3)で被覆して継ぎ手板(2)と共に補強板(1)を梁(4)に一体化できる。また、補強板(1)を梁(4)の底面の幅の10%以上に設定するのは補強板(1)によって十分な支持力を発揮させるためである。
梁(4)の底面に補強板(1)を接着するための接着剤としては、各種熱硬化性樹脂から成る接着剤を使用することが出来るが、好ましくは、高弾性CFRPのマトリックスと同様の組成のエポキシ樹脂から成るペースト状の接着剤が使用される。斯かる接着剤を使用することにより、下地処理を低減でき且つ強力な接着力が得られ、しかも、液だれ等の問題がないために施工性を高め且つ養生の手間を低減できる。
補強板(1)、(1)は、その長さ方向の端部同士を略突き合わされた状態に配置するが、補強板(1)、(1)の各端部を実質的に突き合わせてもよいし、また、補強板(1)、(1)の各端部の間に僅かに隙間を設けてもよい。図1及び図2は隙間を設けた例を示しているが、補強板(1)、(1)の各端部の間に隙間を設けた場合には、補強板(1)、(1)の荷重変形に対する端部の復元力が後述する継ぎ手板(2)の一点(突き合わせライン)に集中するのを回避できるので好ましい。図2に示す様に、補強板(1)、(1)の各端部の間の隙間の大きさ(t)は、通常1〜10mm、好ましくは3〜8mm程度である。
梁(4)の底面に補強板(1)を接着した後は、補強板(1)、(1)の突き合わせ部位(補強板(1)、(1)の間に隙間を設けた場合には当該隙間を含む補強板(1)、(1)の各端部の対向部分)に対して、上記と同様の高弾性CFRPから成る帯状の継ぎ手板(2)を重ね合わせて接着する。
継ぎ手板(2)の厚さ及び幅は、補強板(1)と同様に設計され、継ぎ手板(2)の長さは、30〜100cmに設計される。すなわち、継ぎ手板(2)の長さは、補強板(1)の長さの6〜40%に設定される。そして、補強板(1)、(1)に対する継ぎ手板(2)の接着においては、梁(4)の底面に補強板(1)を接着した際に使用されたものと同様の接着剤を使用する。
本発明においては、上記の様に補強板(1)を接着した後、更に、炭素繊維シート(3)を接着して当該炭素繊維シートにより継ぎ手板(2)を被覆する。炭素繊維シート(3)は、高強度炭素繊維を一方向に引き揃え、微量の樹脂を含浸させた補強材料であり、軽量、高弾性、高強度、高耐久性などの特徴を備えている。上記の炭素繊維シートは、例えば、三菱化学産資(株)製の商品名「リペラーク」として公知であり、特に耐震補強の分野で使用されている。
炭素繊維シート(3)は、図1に示す様に、方形の平面形状に形成されたものを使用する。炭素繊維シート(3)の幅は、補強板(1)及び継ぎ手板(2)の幅よりも大きく設計され、また、通常、炭素繊維シート(3)の長さは、継ぎ手板(2)の長さよりも大きく設計される。そして、炭素繊維シート(3)で継ぎ手板を被覆する際、継ぎ手板(2)の外面およびその周囲の構造物(4)の表面に炭素繊維シート(3)を接着する。
炭素繊維シート(3)で継ぎ手板(2)を被覆する態様としては、図2(a)及び(b)に示す様な2つの態様が挙げられる。図2(a)に示す被覆方法は、継ぎ手板(2)の外面、梁(4)の底面の幅方向において補強板(1)が接着されていない露出部分、および、梁(4)の両方の側面(5)の一部に亘って炭素繊維シート(3)を接着して被覆するものであり、補強板(1)、(1)においてより高い耐荷重性を得ることが出来る。
一方、図2(b)に示す被覆方法は、継ぎ手板(2)の外面、および、梁(4)の底面の幅方向において補強板(1)が接着されていない露出部分に亘って炭素繊維シート(3)を接着して被覆するものであり、施工部分を梁(4)の底面だけに収めている点が図2(a)の態様と相違する。図2(b)に示す被覆方法は施工性に優れている。図2に示す様に、補強板(1)、(1)の突き合わせ部位を炭素繊維シート(3)で被覆することにより、補強板(1)及び継ぎ手板(2)を梁(4)に一体化することが出来、突き合わせ部位における剛性および疲労耐久性を一層高めることが出来る。
上記の様に、本発明の補強工法においては、高弾性CFRPから成る複数枚の帯状の補強板(1)を構造物である梁(4)の表面に直線的に配列し且つ相互に連結するに当たり、特定の継ぎ手構造を構成し、斯かる継ぎ手構造においては、補強板(1)と同様の高弾性CFRPから成る継ぎ手板(2)を重ね合わせることにより、隣接する補強板(1)、(1)同士の一体化を図り、更に、炭素繊維シート(3)で継ぎ手板(2)を被覆することにより、荷重が加えられた際の補強板(1)からの継ぎ手板(2)の剥離を防止する。従って、本発明の補強工法によれば、図に例示した梁(4)の様な大型の構造物に対しても、その補強部位の長さに拘わりなく適用でき、強度および疲労耐久性の一層の向上を図ることが出来る。また、本発明の補強工法は、従来の工法の様に、材料に緊張力を与える必要がなく、補強板(1)、継ぎ手板(2)及び炭素繊維シート(3)の接着だけで施工できるため、施工性に極めて優れている。
また、上記の補強工法により施工されて成る補強構造は、図2に示す様に、例えば梁(4)の場合、構造物である梁(4)の表面(底面)に対し、上記の高弾性CFRPから成る複数枚の帯状の補強板(1)がその長さ方向の端部同士を略突き合わせた状態に直線的に配列されて接着され、補強板(1)、(1)の突き合わせ部位に対し、高弾性CFRPから成る継ぎ手板(2)が重ね合わされて接着され、更に、炭素繊維シート(3)が接着されて当該炭素繊維シートにより継ぎ手板(2)が被覆されている。
上記の補強構造は、高弾性CFRPから成る複数枚の帯状の補強板(1)を構造物である梁(4)の表面に直線的に配列し且つ相互に連結した特定の継ぎ手構造を備えており、斯かる継ぎ手構造においては、前述の様に、補強板(1)と同様の高弾性CFRPから成る継ぎ手板(2)の重ね合わせにより、隣接する補強板(1)、(1)同士の一体化が図られ、更に、炭素繊維シート(3)による継ぎ手板(2)の被覆により、荷重が加えられた際の補強板(1)からの継ぎ手板(2)の剥離が防止される。従って、本発明の補強構造によれば、梁(4)の様な大型の構造物に対してもその補強部位の長さに拘わりなく施工でき、強度および疲労耐久性の一層の向上を図ることが出来る。また、前述した様に、補強板(1)、継ぎ手板(2)及び炭素繊維シート(3)の接着だけで施工できるため、施工性に極めて優れている。
構造物の供試体として、高さ280mm、幅200mm、長さ2000mmの鉄筋コンクリート製の梁供試体を製作し、その底面を本願発明の補強工法により補強した。梁供試体においては、主筋として2−D13(SD295A)を4本配置し、あばら筋としてD10@150(SD295A)を14本配置した。そして、疲労試験として繰返し載荷試験を行うことにより、梁供試体の強度、疲労耐久性について確認した。更に、梁供試体が疲労試験によっても破壊しない場合は静的載荷試験を行った。
疲労試験、静的載荷試験の方法は次の通りである。すなわち、疲労試験においては、支点間の距離が1800mmとなる様に梁供試体の両端部を底面側から支持し、梁供試体上面の中央部の2点(離間距離300mm)に対して、死荷重相当程度の下限荷重と、鉄筋の許容応力度(σs=180N/mmにより決定される値)に基づいて決定される上限荷重とを一定の周期で100万〜200万回繰り返して加え、梁供試体の底面中央に付設した変位計で活荷重変位として変位量を測定する。また、静的載荷試験においては、梁供試体が破壊するまで上記の上限荷重を超えて徐々に荷重し、その際に荷重の大きさに対する変位量を測定する。
実施例1:
高弾性CFRP(三菱化学産資(株)製,商品名「eプレート」;重量182g/m、引張強度1200N/mm、ヤング率450kN/mm)から成る厚さ2mm、幅50mm、長さ750mmの2枚の補強板(1)、当該補強板と同じ高弾性CFRPから成る同様の厚さ及び幅で長さが400mmの継ぎ手板(2)、ならびに、厚さ0.111mm、幅400mm、長さ400mmの炭素繊維シート(3)(三菱化学産資(株)製,商品名「リペラーク」;繊維目付量200g/m、引張強度3400N/mm)を使用し、図2(a)に示す継ぎ手構造を構成した。そして、上記の疲労試験を実施したところ、図3に示す通りの結果が得られた。また、静的載荷試験を実施したところ、図4に示す通りの結果が得られた。なお、上記の各部材は、エポキシ樹脂から成るペースト状の接着剤によって接着した。
実施例2:
炭素繊維シート(3)の長さを200mmに設定した点を除き、実施例1と同様の条件で図2(b)に示す継ぎ手構造を構成した。そして、上記の疲労試験を実施したところ、図3に示す通りの結果が得られた。また、静的載荷試験を実施したところ、図4に示す通りの結果が得られた。
比較例1:
実施例1と同様の梁供試体を製作し、その底面に対し、継ぎ手構造のない1枚の補強板を接着し、梁供試体底面を補強した。補強板は、実施例1におけるのと同様の高弾性CFRPから成り、厚さが2mm、幅が50mm、長さが1500mmであった。すなわち、継ぎ手構造のない補強構造を構成した。そして、実施例1と同様に、上記の疲労試験を実施したところ、図3に示す通りの結果が得られた。また、静的載荷試験を実施したところ、図4に示す通りの結果が得られた。
比較例2:
実施例1と同様の梁供試体を製作し、その底面に対して2枚の補強板を接着し、梁供試体底面を補強した。補強板は、実施例1におけるのと同様のものである。すなわち、炭素繊維シート(3)で被覆していない点を除き、実施例1及び2と同様に梁供試体を補強した。そして、実施例1と同様に、上記の静的載荷試験を実施したところ、図4に示す通りの結果が得られた。
図3に示す上記の疲労試験の結果から、図2(a)に示す継ぎ手構造および図2(b)に示す継ぎ手構造を構成した本発明は、継ぎ手構造のない1枚の補強板で補強された比較例1と対比しても、安定した挙動を示しており、本発明は、十分な疲労耐久性を発揮でき、また、図2(a)、(b)の何れの継ぎ手構造を採用した場合も、供用荷重作用下での使用において問題のないことが確認された。
更に、図4に示す上記の静的載荷試験の結果から、図2(a)に示す継ぎ手構造および図2(b)に示す継ぎ手構造を構成した本発明は、継ぎ手構造のない1枚の補強板で補強された比較例1と対比しても、引張鉄筋降伏レベルまでの十分な曲げ耐力を発揮でき、疲労試験後においても高い補強性能を維持していることが確認された。また、比較例2における曲げ耐力との対比からすると、本発明において、炭素繊維シート(3)は、継ぎ手構造において曲げ耐力を高めるために十分に機能していると考えられる。
本発明に係る構造物のFRP補強工法の一例としての梁の補強を示す斜視図である。 図1のFRP補強工法によって補強された一例としての梁の補強構造を示す底面図および縦断面図である。 実施例および比較例に対する疲労試験での活荷重変異の推移を表すグラフである。 実施例および比較例に対する静的載荷試験の結果を表すグラフである。
符号の説明
1:補強板
2:継ぎ手板
3:炭素繊維シート
4:梁(構造物)
5:梁の側面
t:隙間の大きさ

Claims (5)

  1. 構造物をFRPにより補強する構造物のFRP補強工法であって、構造物の表面に対して、高弾性炭素繊維補強プラスチックから成る複数枚の帯状の補強板をその長さ方向の端部同士が略突き合わされた状態に直線的に配列して接着し、次いで、補強板の突き合わせ部位に対して、高弾性炭素繊維補強プラスチックから成る継ぎ手板を重ね合わせて接着し、更に、炭素繊維シートを接着して継ぎ手板を被覆することを特徴とする構造物のFRP補強工法。
  2. 炭素繊維シートで継ぎ手板を被覆する際、継ぎ手板の外面およびその周囲の構造物の表面に炭素繊維シートを接着する請求項1に記載のFRP補強工法。
  3. 補強板の突き合わせ部位において補強板の各端部の間に隙間を設ける請求項1又は2に記載のFRP補強工法。
  4. 補強板および継ぎ手板を構成する高弾性炭素繊維補強プラスチックが、ヤング率100〜500kN/mm、引張強度1000〜3000N/mmの炭素繊維補強プラスチックである請求項1〜3の何れかに記載のFRP補強工法。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のFRP補強工法により施工されて成ることを特徴とする構造物の補強構造。
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