JP2007291705A - 繊維強化樹脂板、補強構造物および構造物の補強方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 施工現場での作業負担が少なく、短い工期で安定した補強効果が得られる構造物の補強材、補強構造および補強方法を提供する。
【解決手段】板状の繊維強化樹脂1の少なくとも片面に、接着剤2層及び剥離シート3層を、繊維強化樹脂1から順に有することを特徴とする接着剤付き繊維強化樹脂板であって、老朽化した構造物の補修又は補強に際しては、接着剤付き繊維強化樹脂板の接着剤2層上に設けた剥離シート3層をはがして、被補強物に貼り付ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、構造物の老朽化等に伴う補修あるいは補強するための補強材、およびそれを用いた構造物の補強構造、さらには補強方法に関し、特に曲げ応力を受ける床、梁、桁、根太、母屋、大引などの補修、補強に関するものである。
従来、コンクリート構造物では、長期使用、地震等により柱、梁および床版等の構造部材にひび割れ等の破損が発生した場合、この破損部分に、炭素繊維等の連続繊維シートにエポキシ樹脂等の接着含浸樹脂を含浸させながら貼り付けて補修、補強することが行われている。しかしながら、この方法では、十分に構造物を補強するには繊維シートを何層も重ねて貼り付ける必要があり、工期に長期間を要する、施工現場にて繊維シートに樹脂を含浸させるため作業者の熟練度等により樹脂の含浸具合が異なるなどの補強効果が安定して得られない、といった課題があった。
そこで、床、梁、桁といった特に曲げ応力を受ける構造部材の補修、補強に関しては、工場にて炭素繊維等を一方向に引き揃え、これに樹脂を含浸硬化させた繊維強化樹脂板を用いて、施工現場にて構造物に接着樹脂にて貼り付け補強するといった方法が提案されている(非特許文献1、特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら、接着樹脂を用いて繊維強化樹脂板を貼り付けるため、接着樹脂が硬化するまでの一定期間養生する必要があり、長期間の工期を必要とする、接着樹脂にて繊維強化樹脂板と構造物を確実に接着させるため最低限必要な量以上の接着樹脂を使用する、施工現場にて接着樹脂を塗布するため塗布むらが発生し均一な接着力が得られない、といった課題があった。
そこで、コンクリート構造物を対象とし、コンクリートの剥落防止を目的として予め保護層、接着剤塗布層を積層し、接着剤塗布層のコンクリート接着面側に接着剤層を形成したシートが提案されている(特許文献3参照)が、荷重増加に伴う補強やたわみの低減といった補強については従来どおりの繊維シートや繊維強化樹脂板を樹脂にて貼り付ける必要があり、工期に長期間を要するといった課題を解決するには至っていない。
また、木造構造物を対象とし、繊維強化樹脂板の一面に凹凸を設け、該凹凸を木造部材に固着させる方法が提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、該凹凸は、繊維強化樹脂板の一面にエポキシ系樹脂等の接着樹脂を塗布し、その上から粒状材料を均一に散布してなるものであり、接着樹脂が硬化するまでの間、養生期間が必要である。また、粒状材料を散布するため、散布むらが発生し均一な凹凸面を形成することが難しく、よって木造部材への固着が不均一となるという問題があった。
特許第3266001号公報 特開平10−266133号公報 特開2004−27718号公報 特開2005−194818号公報 「トレカラミネート工法技術資料」2003年7月東レ株式会社発行
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、施工現場での作業負担が少なく、短い工期で安定した補強効果が得られる構造物の補強材、補強構造、補強方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、
板状の繊維強化樹脂の少なくとも片面に、接着剤層及び剥離シート層を繊維強化樹脂の側からこの順に有することを特徴とする接着剤付き繊維強化樹脂板である。
また本発明は、繊維強化樹脂板と構造物との間に両面粘着テープが介在してなることを特徴とする補強構造物である。
また本発明は、繊維強化樹脂板を被補強物に貼り付けて補強する補強方法であって、構造物の補修または補強に際し、本発明の接着剤付き繊維強化樹脂板の接着剤層上に設けた剥離シート層をはがして、前記繊維強化樹脂板を被補強物に貼り付けることを特徴とする構造物の補強方法である。
本発明によれば、構造物を補修あるいは補強するために用いる繊維強化樹脂板に、予め接着剤層を設けてあるため、従来方法に比べて、接着樹脂の塗布工程の省略、接着樹脂の硬化養生期間の削減等工期短縮が可能となり、さらには、接着樹脂塗布むらの解消、塗布むらに起因した接着力バラツキの低減等が可能となり、補強効果が安定して得られる構造物の補強構造とすることが可能となる。
以下、本発明の接着剤付き繊維強化樹脂板、それを用いた構造物の補強構造、および補強方法について、一実施例の図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の接着剤付き繊維強化樹脂板について説明する。
図1は、本発明の接着剤付き繊維強化樹脂板の概略斜視図である。
繊維強化樹脂板1は、繊維材料を補強材とし、樹脂と一体化した繊維強化樹脂の板状のものである。
繊維強化樹脂板1を構成する補強繊維としては、引張弾性率が50〜1500GPaの範囲内にあるものを少なくとも1種類含んでなることが好ましい。引張弾性率が50GPa以上の繊維を用いることで、構造物を効率良く補修、補強するのに必要な剛性が得られる。また、引張弾性率が1500GPa以下の繊維を用いることで、繊維強化樹脂の成形時における繊維の糸切れなどを抑え、繊維強化樹脂板を効率良く成形することが可能となるからである。
このような繊維としては例えば、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、玄武岩繊維等の無機繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリエチレン系繊維等の合成繊維があげられ、中でも、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、ポリケトン繊維、およびポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維が引張弾性率が高いという点で好ましい。
繊維強化樹脂板に対する強化繊維の体積率としては、40〜80%が好ましい。40%以上とすることで、繊維強化樹脂板としての高強度、高剛性を発現することができる。また、80%以下とすることで、成形時の工程通過中に強化繊維が上下左右に移動して強化繊維の分布が乱れるのを防ぎ、均質な繊維強化樹脂板を得ることができる。
繊維強化樹脂に用いる樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等いずれのものでも良く、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミノアミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、CPレジン(架橋ポリエステルアミド樹脂、架橋ポリアミノアミド樹脂)、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が使用できる。好ましくは、繊維強化樹脂の成形性の点や、得られる繊維強化樹脂の剛性等の点から熱硬化性樹脂が好ましく、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、CPレジン(架橋ポリエステルアミド樹脂、架橋ポリアミノアミド樹脂)などが好ましく使用される。
このような繊維強化樹脂板1は、例えばハンドレイアップ法、スプレーアップ法、モールディングコンパウンド法、フィラメントワインディング法、プルトリュージョン法等の成形法により得ることができる。好ましくは、プルトリュージョン法により得られるものが強度、弾性率の点から良い。
繊維強化樹脂板1の少なくとも片面には、接着剤層2が積層されている。
ここで用いる接着剤としては、板状の繊維強化樹脂と、該繊維強化樹脂を貼り付ける相手材料との接着が十分に得られるものであればいずれのものでも良い。好ましくは、エラストマー系接着剤からなるものが良く、このような接着剤としては、例えばクロロプレンゴム系、ニトリルゴム系、スチレンブタジエンゴム系、ポリサルファイド系、ブチルゴム系、シリコーンゴム系、ウレタンゴム系、アクリルゴム系、シリル化ウレタン樹脂系接着剤があげられ、さらに好ましくは、接着剤は感圧型接着剤であることが良い。中でも、クロロプレンゴム系、ブチルゴム系、シリコーンゴム系、アクリルゴム系、ウレタンゴム系接着剤が、接着力、耐久性、耐熱性等の点から良い。また、接着剤層には、織物、不織布、紙、発泡体などを含んでも良く、貼付ける際の圧力を均一にできること、貼付け後の剥れの際に接着層の伸びによる剥れの遅延が期待できることなどから発泡体を含むことが好ましく、このようなものとして、両面粘着テープ等を使用することができる。
3は、剥離シート層であり、接着剤層2を保護するために例えば表面にシリコーン樹脂などの離型剤をコートした紙、フィルム等の素材で構成され、接着剤層の上に積層される。剥離シートは、あらかじめ接着剤の非繊維強化樹脂板接触面に積層したものを用いても良い。さらには、構造物の補強量に応じて、繊維強化樹脂板を重ねて貼り付ける場合や、繊維強化樹脂板の表面を綺麗に見せるために壁紙等化粧シートを貼り付ける等に対応できるように、繊維強化樹脂板の両面に接着剤層、剥離シート層を設けても良い。
次に、本発明の補強構造物について、図2を参照して説明する。
図2は、例えば梁や桁などのコンクリート構造物5の下面から、繊維強化樹脂板1を両面粘着テープ4を介して貼り付けた様子を示した断面図である。
このように本発明の補強構造物とは、コンクリート造、鋼製、木造等の建設構造物である被補強物5が、両面粘着テープ4を介して繊維強化樹脂板1が貼り付けられた構成のものをいう。
被補強物としては、補強材を構造物に両面テープで貼り付けているため構造物の変形に際して靭性を大きく損なうことなく追従できることや、構造物を解体した後、構造物を構成した材料から補強材を容易に剥ぎ取ることで再利用が可能であるなどの理由により、特に木造構造物に適用することが好ましい。
両面粘着テープ4は、接着剤の両側あるいは片側に前述の表面にシリコーン樹脂などの離型剤をコートした紙、フィルムなどの剥離シートが貼り付けられたもので、使用に際しては剥離シートをはがして用いる。両面粘着テープ4の粘着剤としては、前述の接着剤層と同様、エラストマー系接着剤や、感圧型接着剤、発泡体を含んだものを用いることができる。
このような構成とすることで、両面粘着テープ4によって貼り付けられた繊維強化樹脂板により、被補強物の経年劣化に伴う補修や荷重増加に伴う補強等が可能となる。また、繊維強化樹脂板の貼り付けに両面粘着テープ4を用いることにより、施工現場にて繊維強化樹脂板に接着樹脂を塗布する工程を省き、接着樹脂の塗布むらに伴う接着力のバラツキを低減することが可能となり、塗布むら防止の工程管理が不要となるなど、施工の簡便化が可能となる。
本発明の補強構造物は、前記繊維強化樹脂板を被補強物に固定する固定具(図3〜図6の符号6参照)を設けることが好ましい。
固定具6を設けることにより、万が一、構造物に貼り付けた前記繊維強化樹脂板1がはがれることを防止することで、補修が容易になるとともに、その補強効果も維持することができる。
固定具を設ける態様としては例えば、前記繊維強化樹脂板の端部近傍に設けることが好ましい。これを示したのが、図4乃至図6である。図4Aは、本発明に係る構造物の補強構造の概略下面正面図、図4Bは図4Aの補強構造のB−B’断面における矢印方向の断面図である。また、図5Aは、異なる態様の補強構造の概略下面正面図、図5Bは図5Aの補強構造のC−C’断面における矢印方向の断面図である。また、図6Aは、異なる態様の補強構造の概略下面正面図、図6Bは図6Aの補強構造のD−D’断面における矢印方向の断面図である。
これら三つの図に示す補強構造は、いずれも構造物5の表面に貼り付ける長尺の繊維強化樹脂板1を、その両端部近傍で固定具6を用いて圧縮、固定する点で共通するものである。この場合、図4Aに示すように被補強物5の幅が繊維強化樹脂板1の幅よりも広幅の場合は固定具6をスタッドボルト6Aで固定するのがよく、また、図6Bに示すように被補強物5の幅が繊維強化樹脂板1の幅とほぼ等しい場合は、被補強物5の両側面に固定具6をスタッドボルト6Aで固定するのがよい。また、図5Bに示すように被補強物5の上下両面から固定具6をロングボルトとナット6Aとで締め付けても良い。
また、図3Aに示すように、固定具を繊維強化樹脂板1の長手方向の辺に沿って設けることもさらに好ましい。この態様において固定具6は複数のスタッドボルト6Aで固定しても良い。
次に、本発明の構造物の補強方法について説明する。
本発明の構造物の補強方法は、構造物の補修または補強に際し、本発明の接着剤層付き繊維強化樹脂板の接着剤層上に設けた剥離シート層をはがして、前記繊維強化樹脂板を被補強物に貼り付ける。あらかじめ接着剤層を設けた本発明の接着剤層付き繊維強化樹脂板を、施工現場にてその剥離シート層をはがすことにより接着性能を発現させることで、繊維強化樹脂板に接着樹脂を塗布する工程を省き、接着樹脂の塗布むらに伴う接着力のバラツキを低減することが可能となり、塗布むら防止の工程管理が不要となるなど、施工の簡便化が可能となる。また、接着剤層の上に剥離シートを積層しているため、施工現場での貼付け工程にて、該剥離シートがはがされるまで接着剤層の接着特性を保つことが可能となる。
次に、本発明の実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
[測定方法]
(1)曲げ試験
以下に説明する実施例および比較例にて作製した補強横架材を用い、支点間距離3.6m、純曲げ区間1.2mで4点曲げ試験を行い、純曲げ区間中央部のたわみ量が15mmに達したときの荷重を、同一の木材に対する補強の前後について測定し、その比を算出した。なお、補強横架材の曲げ試験は、横架材作製後温度20℃、湿度50%の恒温恒湿槽内に24時間静置して養生期間を置いた後に実施した。
[実施例1]
炭素繊維ストランド(東レ株式会社製“トレカ”(登録商標) T700S)と熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製)を硬化剤、促進剤と調合の上用い、引抜成形によって繊維体積含有率70%、幅100mm、厚み2.0mmの繊維強化樹脂板を得た。なお、該炭素繊維の引張弾性率は、230GPaである。
次いで、得られた繊維強化樹脂板の片面にアクリル系感圧型接着剤を用いた両面粘着テープ(住友スリーエム株式会社製ベータテープ 4481MH)を貼付け、接着剤付き繊維強化樹脂板を得た。なお、該両面粘着テープは、あらかじめ片面に剥離シートが積層されたテープ状のものである。
該接着剤付き繊維強化樹脂板3.4m長1枚を、断面寸法が幅105mm×高さ180mmで全長4mのべいまつ(JAS甲種構造材1級)製梁材の下面中央部に剥離シートははがして貼り付け、補強横架材とした。該横架材の4点曲げ試験を実施した結果、純曲げ区間中央部のたわみ量が15mmに達したときの荷重は補強前の1.55倍となった。
[実施例2]
炭素繊維ストランド(東レ株式会社製“トレカ”(登録商標) M46J)と熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製)を硬化剤、促進剤と調合の上用い、引抜成形によって繊維体積含有率70%、幅100mm、厚み2.0mmの繊維強化樹脂板を得た。なお、該炭素繊維の引張弾性率は、436GPaである。
次いで、得られた繊維強化樹脂板の片面にアクリル系感圧型接着剤を用いた両面粘着テープ(住友スリーエム株式会社製“VHB”(登録商標)テープ Y−4910J)を貼付け、接着剤付き繊維強化樹脂板を得た。なお、該両面粘着テープは、あらかじめ片面に剥離シートが積層されたテープ状のものである。
該接着剤付き繊維強化樹脂板3.4m長を、断面寸法が幅105mm×高さ180mmで全長4mのべいまつ(JAS甲種構造材1級)製梁材の下面中央部に剥離シートははがして貼り付け、補強横架材とした。該横架材の4点曲げ試験を実施した結果、純曲げ区間中央部のたわみ量が15mmに達したときの荷重は補強前の1.79倍となった。
[実施例3]
炭素繊維ストランド(三菱化学産資株式会社製"ダイアリード"(登録商標) K63B12)と熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製)を硬化剤、促進剤と調合の上用い、引抜成形によって繊維体積含有率70%、幅50mm、厚み2.0mmの繊維強化樹脂板を得た。なお、該炭素繊維の引張弾性率は、860GPaである。
次いで、得られた繊維強化樹脂板の片面にアクリル系感圧型接着剤を用いた両面粘着テープ(住友スリーエム株式会社製ベータテープ 4481MH)を貼付け、接着剤付き繊維強化樹脂板を得た。なお、該両面粘着テープは、あらかじめ片面に剥離シートが積層されたテープ状のものである。
該接着剤付き繊維強化樹脂板3.4m長1枚を、断面寸法が幅105mm×高さ180mmで全長4mのべいまつ(JAS甲種構造材1級)製梁材の下面中央部に剥離シートははがして貼り付け、補強横架材とした。該横架材の4点曲げ試験を実施した結果、純曲げ区間中央部のたわみ量が15mmに達したときの荷重は補強前の2.03倍となった。
[実施例4]
アラミド繊維ストランド(東レ・デュポン株式会社製“ケブラー”(登録商標)29)と熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製)を硬化剤、促進剤と調合の上用い、引抜成形によって繊維体積含有率70%、幅50mm、厚み2.0mmの繊維強化樹脂板を得た。なお、該アラミド繊維の引張弾性率は、70.5GPaの繊維である。
次いで、得られた繊維強化樹脂板の片面にアクリル系感圧型接着剤を用いた両面粘着テープ(住友スリーエム株式会社製ベータテープ 4481MH)を貼付け、接着剤付き繊維強化樹脂板を得た。なお、該両面粘着テープは、あらかじめ片面に剥離シートが積層されたテープ状のものである。
該接着剤付き繊維強化樹脂板3.4m長1枚を、断面寸法が幅105mm×高さ180mmで全長4mのべいまつ(JAS甲種構造材1級)製梁材の下面中央部に剥離シートははがして貼り付け、補強横架材とした。該横架材の4点曲げ試験を実施した結果、純曲げ区間中央部のたわみ量が15mmに達したときの荷重は補強前の1.27倍となった。
[実施例5]
PBO繊維ストランド(東洋紡績株式会社製“ザイロン”(登録商標)HM)と熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製)を硬化剤、促進剤と調合の上用い、引抜成形によって繊維体積含有率70%、幅50mm、厚み2.0mmの繊維強化樹脂板を得た。なお、該PBO繊維の引張弾性率は、270GPaである。
次いで、得られた繊維強化樹脂板の片面にアクリル系感圧型接着剤を用いた両面粘着テープ(住友スリーエム株式会社製ベータテープ 4481MH)を貼付け、接着剤付き繊維強化樹脂板を得た。なお、該両面粘着テープは、あらかじめ片面に剥離シートが積層されたテープ状のものである。
該接着剤付き繊維強化樹脂板3.4m長1枚を、断面寸法が幅105mm×高さ180mmで全長4mのべいまつ(JAS甲種構造材1級)製梁材の下面中央部に剥離シートははがして貼り付け、補強横架材とした。該横架材の4点曲げ試験を実施した結果、純曲げ区間中央部のたわみ量が15mmに達したときの荷重は補強前の1.59倍となった。
[比較例1]
接着剤層の付いていない実施例1と同じ繊維強化樹脂板3.4m長1枚を、断面寸法が幅105mm×高さ180mmで全長4mのべいまつ(JAS甲種構造材1級)製梁材の下面中央部に、エポキシ樹脂(日本シーカ株式会社製“シーカデュア”(登録商標)30)を用い、繊維強化樹脂板、およびベイマツ材の貼付け面にそれぞれ150g/mの塗布量となるよう該エポキシ樹脂を塗布し、塗布したそれぞれのエポキシ樹脂層を合わせるようにして、繊維強化樹脂板を押し付けて余分なエポキシ樹脂を押し出して取り除き貼り付け、補強横架材とした。該横架材の4点曲げ試験を実施した結果、純曲げ区間中央部のたわみ量が15mmに達したときの荷重は補強前の1.02倍となった。なお、養生期間を240時間とした場合の荷重は、補強前の1.54倍であった。
[比較例2]
接着剤層の付いていない実施例2と同じ繊維強化樹脂板3.4m長1枚を、断面寸法が幅105mm×高さ180mmで全長4mのべいまつ(JAS甲種構造材1級)製梁材の下面中央部に、エポキシ樹脂(株式会社東邦アーステック製トーホーダイトS901)を用い、繊維強化樹脂板、およびベイマツ材の貼付け面にそれぞれ150g/mの塗布量となるよう該エポキシ樹脂を塗布し、塗布したそれぞれのエポキシ樹脂層を合わせるようにして、繊維強化樹脂板を押し付けて余分なエポキシ樹脂を押し出して取り除き貼り付け、補強横架材とした。該横架材の4点曲げ試験を実施した結果、純曲げ区間中央部のたわみ量が15mmに達したときの荷重は補強前の0.99倍となった。なお、養生期間を240時間とした場合の荷重は、補強前の1.71倍であった。
[比較例3]
接着剤層の付いていない実施例3と同じ繊維強化樹脂板3.4m長1枚を、断面寸法が幅105mm×高さ180mmで全長4mのべいまつ(JAS甲種構造材1級)製梁材の下面中央部に、エポキシ樹脂(日本シーカ株式会社製“シーカデュア”(登録商標)30)を用い、繊維強化樹脂板、およびベイマツ材の貼付け面にそれぞれ150g/mの塗布量となるよう該エポキシ樹脂を塗布し、塗布したそれぞれのエポキシ樹脂層を合わせるようにして、繊維強化樹脂板を押し付けて余分なエポキシ樹脂を押し出して取り除き貼り付け、補強横架材とした。該横架材の4点曲げ試験を実施した結果、純曲げ区間中央部のたわみ量が15mmに達したときの荷重は補強前の1.03倍となった。なお、養生期間を240時間とした場合の荷重は、補強前の2.05倍であった。
[比較例4]
接着剤層の付いていない実施例4と同じ繊維強化樹脂板3.4m長1枚を、断面寸法が幅105mm×高さ180mmで全長4mのべいまつ(JAS甲種構造材1級)製梁材の下面中央部に、エポキシ樹脂(日本シーカ株式会社製“シーカデュア”(登録商標)30)を用い、繊維強化樹脂板、およびベイマツ材の貼付け面にそれぞれ150g/mの塗布量となるよう該エポキシ樹脂を塗布し、塗布したそれぞれのエポキシ樹脂層を合わせるようにして、繊維強化樹脂板を押し付けて余分なエポキシ樹脂を押し出して取り除き貼り付け、補強横架材とした。該横架材の4点曲げ試験を実施した結果、純曲げ区間中央部のたわみ量が15mmに達したときの荷重は補強前の1.00倍となった。なお、養生期間を240時間とした場合の荷重は、補強前の1.30倍であった。
[比較例5]
接着剤層の付いていない実施例5と同じ繊維強化樹脂板3.4m長1枚を、断面寸法が幅105mm×高さ180mmで全長4mのべいまつ(JAS甲種構造材1級)製梁材の下面中央部に、エポキシ樹脂(日本シーカ株式会社製“シーカデュア”(登録商標)30)を用い、繊維強化樹脂板、およびベイマツ材の貼付け面にそれぞれ150g/mの塗布量となるよう該エポキシ樹脂を塗布し、塗布したそれぞれのエポキシ樹脂層を合わせるようにして、繊維強化樹脂板を押し付けて余分なエポキシ樹脂を押し出して取り除き貼り付け、補強横架材とした。該横架材の4点曲げ試験を実施した結果、純曲げ区間中央部のたわみ量が15mmに達したときの荷重は補強前の0.97倍となった。なお、養生期間を240時間とした場合の荷重は、補強前の1.55倍であった。
以上の実施例と比較例の結果を纏めて示したのが次の表1および表2である。
Figure 2007291705
Figure 2007291705
表1および表2のとおり、本発明の接着剤付き繊維強化樹脂板は、被補強材料に貼付けて直ぐに補強効果が得られることから工期短縮が可能であり、また、施工時接着剤の使用量の管理等が不要であり施工方法を簡便化することが可能であった。
本発明は、接着剤付き繊維強化樹脂板、それを用いた構造物の補強構造は、梁材に限らず、特に曲げ応力を受ける床、桁、根太、母屋、大引などの補修、補強に適する。
本発明の接着剤付き繊維強化樹脂板の概略斜視図である。 本発明の構造物の補強構造の概略断面図である。 図3Aは本発明に係る構造物の補強構造の概略下面正面図、図3Bは図3Aの補強構造のA−A’断面における矢印方向の断面図である。 図4Aは本発明に係る構造物の補強構造の概略下面正面図、図4Bは図4Aの補強構造のB−B’断面における矢印方向の断面図である。 図5Aは本発明に係る構造物の補強構造の概略下面正面図、図5Bは図5Aの補強構造のC−C’断面における矢印方向の断面図である。 図6Aは本発明に係る構造物の補強構造の概略下面正面図、図6Bは図6Aの補強構造のD−D’断面における矢印方向の断面図である。
符号の説明
1:繊維強化樹脂板
2:接着剤層
3:剥離シート層
4:両面粘着テープ
5:構造物
6:固定具
7:接着剤付き繊維強化樹脂板(本発明)

Claims (12)

  1. 板状の繊維強化樹脂の少なくとも片面に、接着剤層及び剥離シート層を繊維強化樹脂の側からこの順に有することを特徴とする接着剤付き繊維強化樹脂板。
  2. 前記接着剤層がエラストマー系接着剤からなる請求項1に記載の接着剤付き繊維強化樹脂板。
  3. 前記接着剤層が感圧型接着剤である請求項1または2に記載の接着剤付き繊維強化樹脂板。
  4. 前記接着剤層が発泡体を含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤付き繊維強化樹脂板。
  5. 前記繊維強化樹脂が、引張弾性率が50〜1500GPaの範囲内にある補強繊維を少なくとも1種類含む請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤付き繊維強化樹脂板。
  6. 前記補強繊維が少なくとも炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、ポリケトン繊維、およびポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維の中から選ばれた少なくとも1種類の繊維である請求項1〜5のいずれかに記載の接着剤付き繊維強化樹脂板。
  7. 繊維強化樹脂板と被補強物との間に両面粘着テープが介在してなることを特徴とする補強構造物。
  8. 前記繊維強化樹脂板を前記被補強物に固定する固定具を設けた、請求項7に記載の補強構造物。
  9. 前記固定具を前記繊維強化樹脂板の端部近傍に設けた、請求項8に記載の補強構造物。
  10. 前記固定具を前記繊維強化樹脂板の長手方向の辺に沿って設けた、請求項8または9に記載の補強構造物。
  11. 前記被補強物が木造構造物であることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の補強構造物。
  12. 繊維強化樹脂板を被補強物に貼り付けて補強する補強方法であって、構造物の補修または補強に際し、請求項1〜6のいずれか記載の接着剤層付き繊維強化樹脂板の接着剤層上に設けた剥離シート層をはがして、前記繊維強化樹脂板を被補強物に貼り付けることを特徴とする構造物の補強方法。
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