JP7204519B2 - 木質建材 - Google Patents

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本発明は木質建材に関する。
従来、単一木材や、木材の繊維方向に長く切削加工した引き板(ラミナ)あるいは小角材を、その繊維方向を互いに平行にして接着剤を用いて貼り合わせた集成材は、主に建築における柱、梁のような骨組材として使われ、あるいは木橋や大型のドームなどに使われている。
特に、集成材は、ひき板、小角材を集成するため寸法、形状の自由度が高く、製品強度のばらつきや干割れ、狂いなどが小さい上に、曲がり材を容易に製造できるなどの優れた特性を持っている。
ところが、これらの集成材を大型建築物や構造物に用いる場合、集成材の剛性や強度を高くする必要があるため集成材の厚みを大きくしなければならず、その結果、建築物や構造物の天井が低くなったり、過剰な厚み設計が必要になったりする。この対策として、剛性と強度の高い補強材を、接着剤などを介して一体化した強化単一木材や強化集成材を用いることが提案されている。
補強材としては、金属や繊維などさまざまなものが用いられているが、例えば特許文献1では、補強用の繊維として炭素繊維を用いたプリプレグを使用し、その両面に熱硬化樹脂を含浸させた木質系シートを貼り付け一体化し、複合シートとして用いる方法が開示されている。この発明では、その補強繊維を含有した複合シートを、さらに木材と接着させ、木材接着性と取扱い性、加工性に優れた木質集成材を開示している。
しかし、金属や繊維などの補強材料を複合するのみで剛性や強度を補強する方法においては、補強材料の添加量によって補強の程度が変わるため、大型建築物や構造物に用いるなど、より大きな剛性や強度を必要とする場合、より多くの補強材料を複合する必要がある。複合する材料が多くなるほど材料コストが増加することに加え、補強材料の接着強度の担保が難しくなり、複合化工程が複雑になるなどの課題があった。
この問題を解決することが試みられ、例えば特許文献2には、管状補強材によって補強された木質集成材からなる木質建材が開示されている。
建築物や構造物が大きくなる程、その構成要素の建材、特に梁として用いられる建材には長さが求められる。戸建住宅で使用される建材の長さは、4,000mm~6,000mm程度であるが、大型の建築物や構造物では、例えば6,000mm、長い場合には18,000mmやそれ以上の長さの建材が必要となる。
この場合、6,000mm以下の集成材をその長手方向に複数本接合することで、長い建材として使用することが行われており、代表的な工法として、鉄板とボルトを用いた工法や鉄筋と接着剤を用いたグル―インロッド工法が知られている。
しかし、これらの工法は非常に煩雑である他、そもそも金属や繊維などの補強材を複合して剛性や強度を補強した集成材には適用できない工法である。なぜならば、接合に用いる鉄板やボルト、鉄筋などが集成材の補強材と接触や干渉をするおそれがあり、その場合には大幅な強度低下が懸念される他、そもそも補強材を含まない木質材料片のみからなる木質集成材の接合工法であるため、接合部の剛性や強度は通常の木質集成材の剛性や強度を超えることが困難なためである。
特開平9-254319号公報 特開2018-89897号公報
本発明の課題は、補強材で補強された木質集成材がその物性を損なうことなく長手方向で接合された、剛性と強度に優れた長尺の木質建材を提供することにある。
すなわち本発明は、少なくとも二つの木質集成材が長手方向に接合された木質建材であって、木質集成材は長手方向に貫通する管状補強材によって補強されており、管状補強材の菅内には、少なくとも二つの木質集成材の管状補強材の菅内を長手方向に貫通する緊張材が設けられ、緊張材に張力がかけられることにより当該少なくとも二つの木質集成材が長手方向に接合された状態で固定されている木質建材である。
本発明によれば、補強材で補強された木質集成材がその物性を損なうことなく長手方向で接合された、剛性と強度に優れた長尺の木質建材を提供することができる。
実施例1および2の木質集成材の模式図(長さ方向に直交する平面での断面図) 比較例1の木質集成材の模式図(長さ方向に直交する平面での断面図) 比較例2の木質集成材の模式図(長さ方向に直交する平面での断面図) 実施例1および比較例1の木質集成材および座金の模式図 実施例2の木質集成材および座金の模式図 比較例2の木質集成材の模式図
〔木質集成材〕
木質集成材は、木質材料片(ラミナ)を相互に接着剤で貼り合わせて構成された木質の材料であり、単一木材や、木材の繊維方向に長く切削加工した引き板または小角材を木質材料片(ラミナ)として用い、それらの木質材料片の繊維方向を互いに平行にして接着剤を用いて貼り合わせたものである。
本発明においては、木質集成材を補強するために、木質集成材の構成要素として、管状補強材を用いる。補強された木質集成材は、管状補強材と木質材料片(ラミナ)とを、管状補強材の長さ方向と木質材料片(ラミナ)の繊維の長さ方向とを平行になるように配置して、それらを幅方向で接するように接着されてなる補強ラミナと、木質材料片(ラミナ)のみからなる木質ラミナとからなることが好ましい。
本発明における木質集成材は、管状補強材を構成要素として含む補強ラミナと木質材料片(ラミナ)のみからなる木質ラミナとが積層しているものであることが好ましい。この木質集成材における補強ラミナの長さ方向と、木質材料片(ラミナ)の木目方向は、管状補強材料の繊維強化樹脂の繊維方向と一致していることが好ましい。すわなち、管状補強材と木質材料片(ラミナ)は、それぞれの繊維方向が平行となる向きに接着されていることが好ましい。
〔管状補強材〕
管状補強材は、木質集成材を補強することができる強度や剛性を備える素材、すなわち、木質材料片(ラミナ)よりも強度や剛性で優れた素材からなる。例えば、鉄やアルミなどの金属、補強繊維と樹脂からなる繊維強化樹脂を用いることができる。木材との相性、例えば、熱膨張係数や熱伝導率、材料物性の異方性、重量などにおいて優れた効果を発揮できることから、管状補強材は、繊維強化樹脂からなることが好ましく、その長さ方向に補強繊維が配向し熱硬化性樹脂の硬化物で固着されたものであることが好ましい。
管状補強材の少なくとも一つには緊張材が通される。このため管状補強材の内部には、緊張材の作用を阻害しない態様で充填剤が充填されていても構わないが、何も充填されず、空洞となっていることが好ましい。
〔マトリクス樹脂〕
管状補強材が繊維強化樹脂からなる場合、繊維強化樹脂のマトリクス樹脂は、熱硬化性樹脂であることが好ましい。熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂を挙げることができる。中でも物性や加工性、最終的な木材との接着性の観点からビニルエステル樹脂が好ましい。
〔補強繊維〕
管状補強材が繊維強化樹脂からなる場合、補強繊維には木材の補強に適した強度を有する強化繊維を用いることができる。本発明の木質建材は、その用途が建物を成り立たせるための部材であるため、火災時においても強度低下が起こらないことが好ましい。このため、補強繊維は、融点またはガラス転移温度が200℃以上である有機繊維または無機繊維であることが好ましく、これらは連続繊維であることが好ましい。
補強繊維としては、例えば、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)、ポリアリレート繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサザール繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリイミド繊維、四フッ化エチレン繊維、ガラス繊維を挙げることができる。補強繊維として、炭素繊維、ガラス繊維または芳香族ポリアミド繊維が好ましい。これらの補強繊維は単独で用いてもよく、または二種類以上を複合して用いてもよい。
補強繊維の中でも、本発明においては炭素繊維が特に好ましい。中でもポリアクリロニトリル系繊維を焼成して得られるアクリルニトリル系の炭素繊維であることが最も好ましい。さらに、窒素含有量が0.1~15重量%であることや、引張り強度が2500~7000MPaであること、弾性率が150~700GPaである炭素繊維であることが好ましい。特には、窒素含有量3~10重量%を有する3500MPa以上の引張り強度と200~350GPaの弾性率を有する直径5~9μmの炭素繊維であることが、接着性の観点からも最適である。また、このような炭素繊維表面におけるESCA表面分析装置(島津製作所製)による表面の酸素/炭素比率としては、0.1/1~0.3/1であることが好ましい。さらには0.15/1~0.25/1の範囲であることが、樹脂との接着強度を高く確保する点からも好ましい。
補強繊維は、その繊維直径としては5~9μmであることが好ましいが、さらに繊維束であることが好ましい。繊維束としては、構成本数が1000~300000本からなる繊維束(ストランド)であることが好ましい。さらに補強繊維が繊維束である場合には、繊維束を所望分集束し、または、所望の形状に拡幅して使用することが好ましい。
本発明においては、このような補強繊維が樹脂とともに管状補強材を構成することが好ましいが、管状補強材における補強繊維の形態としては、一方向に繊維を引き揃えたUD基材やその2方向以上の組合せ、織物、不織布など様々な形態が採用可能であって、必要とする強度に応じて設計することができる。ただし、実際の性能とコストとのバランスを加味した場合、一方向に引き揃えたUD基材として用いることが特に好ましい。UD基材としては、引張強度や引張弾性率が高く、かつ耐熱性が高い炭素繊維を一方向に引き揃えたUD基材を用いることが好ましい。
補強繊維は管状補強材の長さ方向に配向したものであることが好ましい。そして、補強繊維が連続繊維であることが好ましい。そのような繊維形態を用いることによって、繊維による補強効果を、より効果的に発揮することができる。
〔管状補強材の物性〕
管状補強材における補強繊維と樹脂の体積分率としては40/60~60/40の範囲であることが好ましい。また、補強繊維の管状補強材における存在密度は、その長さ方向の断面において10,000~18,000本/mmの範囲に有ることが好ましい。
管状補強材は、木質集成材の曲げ物性を補強する観点からは繊維方向への引張物性と圧縮物性のバランスが重要となる。管状補強材により補強された木質集成材がより好ましくない破壊形態である脆性破壊を起こさないようにするためには、管状補強材として、圧縮強度が引張強度より小さくなっていることが重要である。具体的には、引張強度が好ましくは500~5,000MPa、さらに好ましくは1,000~4,500MPaである。他方、圧縮強度は、好ましくは引張強度よりも低くかつ100~5,000N/mm、さらに好ましくは引張強度よりも低くかつ500~4,500N/mmである。
管状補強材において、補強繊維は管状補強材の周辺部に主に配置されたものであることが好ましい。管状補強材の周辺部に補強繊維が配置されていることにより、木質集成材における管状補強材の補強効果を向上させることができる。ここで周辺部とは、管状補強材の外周部1/3の範囲をいい、特には1/5の範囲をいう。
本発明においては、管状補強材の形状は管状であり、管状補強材の壁の厚さをコントロールすることで補強繊維の含有量を容易に調整することができる。管状、すなわち補強材自体を中空とすることで、菅を形成する層の肉厚により、管状補強材に必要な物性を最適にコントロールすることができ、過剰に補強繊維やマトリクス樹脂を使用することを避け、補強繊維の重量を軽くすることができる。
〔管状補強材の断面形状〕
菅状補強材の形状は矩形であることも好ましい。これに対して例えば管状補強材の断面が円形であると、管状補強材の全体として形状は円柱状となり、周辺の木質材料片(ラミナ)との間に隙間ができやすく、接着力が低下する傾向にある。管状補強材の特に好ましい断面形状は正方形または長方形の矩形中空である。
他方、管状補強材の内部側は任意であり、矩形でなくても好ましく用いることができる。例えば、矩形断面の管状補強材の内側が円形断面である場合、管状補強材の肉厚を多く設計することができ、管状補強材の引張強度や圧縮強度を高くしたい場合には有効な手段となる。
管状補強材が矩形である場合、その断面の寸法としては短辺の外寸が10~50mm、長辺の外寸が10~500mmであることが好ましい。さらには、短辺の外寸が15~45mm、長辺の外寸が15~400mmであることが好ましく、短辺が集成材を構成する補強ラミナの厚さ以上にならないことが製造上好ましい。
管状補強材が矩形の中空(内側も矩形)である場合、管状補強材の各辺の厚さは、好ましくは1~30mm、さらに好ましくは2~25mmである。厚さがこれより薄いと、曲げ方向の加力があった場合に、管状補強材の縦辺においては座屈破壊を起こしてしまう可能性もあり、十分な補強効果が得られないことがあり好ましくない。他方、これより厚いと、管状補強材を成形する際に、内部の樹脂が十分に硬化できない懸念が増え、曲げ方向の加力があった場合に、管状補強材内でのせん断破壊が起こりやすくなる懸念があり好ましくない。この傾向は梁として用いる場合に特に顕著である。
〔配置〕
木質集成材における管状補強材の配置の態様は、木質集成材の断面の中心から等距離の位置に管状補強材を複数本配置した態様か、木質集成材の中心に対して点対称に管状補強材を複数本配置した態様であることが好ましい。特に、木質集成材の断面の中心から等距離の位置に管状補強材を2本または4本配置した態様が好ましい。木質集成材の断面の中心から等距離の位置に配置することより、木質集成材の剛性を向上させることができる。さらに断面二次モーメントの観点から木質集成材における管状補強材の配置は、木質集成材の上面と下面に近い位置であることが好ましく、この配置は、殊に梁として用いる場合に好ましい。
管状補強材を含む補強ラミナは、木質集成材の最外層(上面と下面)に配置されてもよいが、本発明の木質建材を梁として用いたときに、上方または下方から管状補強材が見えないようにするために、最外層からラミナ一層分以上内側に配置することが好ましい。管状補強材を使用する本数は必要に応じ設計することができ、例えば、梁として用いる断面が上下方向に長い木質集成材の断面の中心から上方に1本、下方に1本の合計2本であってもよく、上方の1本および下方の1本のそれぞれを左右に並べた2本に置き換えて配置してもよい。具体的には、木質集成材の断面の中心から上方に2本、下方に2本の合計4本の管状補強材を配置することが好ましく、木質集成材の断面における4つ角のすぐ内側に管状補強材を配置することが特に好ましい。木質集成材の断面における4つ角のすぐ内側に管状補強材を配置した場合、木質集成材の上面から釘やボルトを使用できるスペース(管状補強材がなく、木材のみで成形されている場所)をより大きく確保できるため、梁として使用する場足に特に好ましい態様となる。
木質集成材の上下左右の表面は平滑であることが好ましい。本発明の木質建材では、モルダーなどにて木質集成材の上下面や、長さ方向左右の積層断面を表面切削処理し、平滑な部材の表面を形成することができる。通常木材を他の材質にて補強した場合、その他の材質が表面に露出して平滑化処理が困難であったが、本発明では補強材が木質集成材の内部に配置されるため、容易に平滑面を得ることができる。
木質集成材の大きさは、例えば長さ方向が2,850~18,000mm、幅方向が105~240mm、厚さ方向が120~2,000mmの範囲であることが一般的であるが、この範囲外であっても任意に設定することができる。
〔接着剤〕
管状補強材は、木質材料片(ラミナ)と一体化されることにより、補強ラミナを構成して用いることが好ましい。用いる接着剤はエポキシ系接着剤やアクリル系接着剤など木材と樹脂を接着できるものであれば任意のものを用いることができる。木質集成材への一体化の観点からは、集成材の作製に使用される水溶性高分子-イソシアネート系接着剤やレゾルシノール系接着剤を使用することが、プロセスコストを低減するためにも好ましい。接着方法は、接着剤の反応に合わせて選定することが可能であり、常温でプレスしてもよいが、高周波で短時間に接着する方法が、プロセスコストを低減できる観点からは特に好ましい。また、より接着効果を高めるために、管状補強材の表面に凹凸をつけて、接着面積を高くしておくことも有用である。
〔緊張材〕
本発明の木質建材では、管状補強材を木質集成材の内部に配置し、木質建材を構成する木質集成材の長手方向に緊張材を用いてプレストレスをかけている。
緊張材には、一般的なプレストレストコンクリートで使用されるPC鋼線やPC鋼より線、PC鋼棒などのPC鋼材を使用することができる。さらに、引張強度やクリープ性能の高い緊張材を使用してもよく、また、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)、ポリアリレート繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサザール繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリイミド繊維、四フッ化エチレン繊維、ガラス繊維などの高性能繊維を用いたFRP(繊維強化プラスチックス)ロッドや繊維ロープ、繊維ケーブルであってもよい。
緊張材は、木質集成材を補強している管状補強材の菅の中に通して長手方向に貫通する態様で設置する。このとき、木質集成材を長手方向に接合して連結した木質集成材の連結体の両端に座金を設け、両端の座金を緊張材で連結して、緊張材に張力をかけることで木質集成材を長手方向に接合した状態で固定する。このため、本発明の木質建材は、少なくとも二つの木質集成材が長手方向に接合した状態で固定されている。
緊張材は、木質集成材の断面の中心に通してもよいが、中心から等距離かつ、中心に対して点対称の位置に複数本を通すことが好ましい。例えば、木質集成材の断面の中心から等距離かつ中心に対して点対称の位置に4本の管状補強材を配置する場合において、4本すべての管状補強材に緊張材を通して、木質集成材同士を長手方向に接合することが好ましい。個々の管状補強材の通す緊張材は1本でもよく2本以上でもよい。
この接合では、緊張材に張力をかける際に座金を介して木質集成材の連結した木質建材の両端部から圧縮力をかけ、木質集成材同士を圧着することが重要である。高い圧着を実現することで、一方の木質集成材と他方の木質集成材とが接合した部分をより一体化した状態に近づけることができ、接合部の曲げ特性の向上を得ることができる。
緊張材にかける張力は、緊張材1本あたり10~300kN、好ましくは30~250kNである。張力が10kN未満であると木質集成材同士の圧着が不十分となり、木質集成材の接合部における剛性や強度が十分に発現しない可能性があり、他方、張力が300kNを超えると圧縮を受ける木質集成材の端部や圧着されている木質集成材同士の接合面がめり込み破壊を起こしてしまい、結果、本発明の木質建材の接合部における剛性や強度が十分発現しない恐れがある。
本発明において木質集成材は、緊張材を管状補強材に通してプレストレスをかけることで接合されるため、本発明の木質建材を用いる建築現場でも容易に作業効率よく木質建材を得ることができる。すなわち、建築物を建築する現場に接合前の木質集成材を搬入し、現場で木質集成材を接合して本発明の木質建材とすることができる。この場合は、搬入路が狭隘であっても建築に必要な木質建材を現場で接合して得ることができる。また、長大かつ重量の大きい木質建材を小さく軽量な木質集成材に分割して搬入して現場で、必要な長さの木質建材を得ることができるので、例えば人力での搬入に頼らざる得ない場所であっても、長大な木質建材を現場で得ることができる。
本発明では、作業性を向上させるために木質集成材の断面の中心またはその近傍にザグリ穴を開けて金属ダボなどを使用してもよい。この場合、作業時の木質集成材同士のズレ防止や木質集成材の接合部における補助的なせん断補強に効果が得られる。
〔めりこみ補強材〕
本発明の木質建材においては、少なくとも二つの木質集成材が、両者の接合部に設けられた、めりこみ補強材を介して接合していることが好ましい。この場合にも、緊張材には10~300kNの張力がかけられている。めりこみ補強材は、木質集成材同士の接合面が局所的にめり込むことを防ぐ補強材である。
木質集成材同士の接合面のめり込み耐力が高いほど、より大きな圧力を木質集成材が受けることができ、緊張材に高い張力をかけることができる。すなわち、めりこみ補強材を介して接合することで、より高い剛性や強度を備える接合部を得ることができ、より高い剛性や強度を備える木質建材を得ることができる。
めりこみ補強材の形状は、例えば平板状であってもよく、木質集成材の端部を覆う形状であってもよい。補強材の表面は平滑であってもよく、凹凸があってもよい。凹凸がある場合には、一方の補強材と他方の補強材が噛み合う凹凸であることが好ましい。
めりこみ補強材の材料には、表面が平滑で、木質集成材よりも高いめり込み強度を持つ材料を用いることができる。具体的には、炭素繊維、ガラス繊維または芳香族ポリアミド繊維で補強された繊維補強樹脂、鉄やアルミ、ステンレスといった金属材料、さらにはコンクリートやモルタルなどのセメント材料といった無機材料を用いることができる。
〔緊張材の固定〕
この状態で木質集成材の端部に座金を介してボルトやナット、クサビ金物などを用いて、緊張材が緩まないように張力をかけたまま固定することで、本発明の木質建材となる。固定の方法は一般的なプレストレストコンクリートの工法で使用されている方法を用いることができる。
本発明の好ましい態様は、木質集成材の長手方向に直交する断面の中心から等距離の位置に複数本配置された管状補強材の少なくとも2本に、好ましくは4本にそれぞれを貫通する緊張材が設けられた木質建材であって、緊張材は木質集成材の長手方向に直交する断面の中心に対して点対称をなす位置に設けられ、すべての管状補強材に緊張材が通され、すべての木質集成材がめりこみ補強材を介して接合され、緊張材に10~300kNの範囲で同じ張力がかけられ、木質集成材同士が圧着している状態で固定されている態様である。この場合、管状補強材は木質集成材の上面と下面に近い位置であることが好ましい。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明する。各種物性は下記方法にて測定した。
(1)管状補強材の圧縮強度
繊維補強された管状補強材から、幅10mm、長さ50mm、厚さ3mmの測定用試料を切り出した。ステンレス製長さ2mm、幅4mmの圧縮端子を補強材の長さ方向に直交する向きで上から置き、圧縮速度0.5mm/分で圧縮し、試料が破壊された時の最大荷重(N)を測定した。
(2)管状補強材の引張強度
繊維補強された管状補強材から、幅25mm、長さ200mm、厚さ3mmの測定用試料を切り出した。つかみ部35mmとし、引張速度2mm/分で引張り、試料が破壊された時の最大荷重(N)を測定した。
(3)木質集成材の曲げ強度および曲げ弾性率
集成材の曲げ強度および曲げ弾性率は、JAS Z2101に準じて測定した。すなわち、支点間距離は梁成の18倍とし、支点間距離を3等分する箇所それぞれに荷重を印加する4点曲げ試験を実施した。曲げ強度、曲げ弾性率はそれぞれ以下式にて算出した。
曲げ強度(1):
Figure 0007204519000001
曲げ弾性率(2):
Figure 0007204519000002
ただし、
p:最大荷重
L:支点間距離
:荷重点間距離
b:試験体幅
h:試験体厚み(梁成)
ΔF:最大荷重の10%-最大荷重の40%間の荷重増分
Δy:ΔFに対応するたわみ増分
である。
(4)プレストレスの張力
緊張材を固定する座金とナットの間に、圧縮センサーを配置し、座金-ナット間の圧力を測定することで緊張材の張力とした。
(5)木質集成材同士の接合部の曲げ強度、曲げ弾性率
木質集成材同士の接合部を試験体中央に作成し、支点間距離を3,180mmとし、木質集成材同士の接合部から左右に150mmの箇所それぞれに荷重を印加する繰返し曲げ試験を実施した。繰返しは、曲げモーメント距離に相当する1,440mmの1/300、1/250、1/200、1/150、1/100、1/50、1/30、1/15、1/10の順に繰り返し毎にたわみ量が増加するように試験した。
<曲げ強度の算出>
1/10までの繰り返し曲げ試験において、破壊した場合はその点を最大荷重(p)とした。1/10までの繰り返し曲げ試験にて破壊しない場合は、試験最後に破壊するまで荷重を印加し、破壊点=最大荷重(p)を得た。得られた最大荷重(p)を用いて式(1)にて曲げ強度を算出した。
<曲げ弾性率の算出>
繰り返し試験によって得られた応力-撓み曲線を用いて、以下の手順にて降伏点を解析した。
(1) 破壊時の最大荷重(p)に対し、10%(0.1p)と40%(0.4p)、90%(0.9p)となる点を応力-撓み曲線上にプロットし、0.1pと0.4p、0.4pと0.9pをそれぞれ直線で結ぶ。
(2) 0.4pと0.9pを結んだ直線を応力-撓み曲線に接するまで平行移動した直線と、0.1pと0.4pを結んだ直線との交点をプロットし、その点から横軸方向に平行移動し、応力-撓み曲線と交わる点を降伏点とした。
得られた降伏点を用いて、式(2)にて曲げ弾性率を算出した。ここで、式(2)のΔFは応力-撓み曲線の原点と降伏点間の荷重増分とし、Δyは、このΔFに対応するたわみ増分として算出した。
参考例1)
管状補強材として、補強繊維に炭素繊維(東邦テナックス株式会社製、アクリルニトリル系炭素繊維「HTS40、24K」、直径7μm)を用いたマトリックス樹脂がビニルエステル樹脂(硬化温度110~150℃、硬化所要時間5~10min)である引抜成形材を作製した。この管状補強材における補強繊維とマトリックス樹脂の体積比率は60/40であり、断面における炭素繊維の存在密度は15000本/mmの密度であった。管状補強材の断面形状は中空な正方形(矩形)であって、外寸は30mm×30mm、厚さは全辺均一で3mmとした(内径24mm角)。管状補強材の引張強度は1,400MPaであり、圧縮強度は640MPaであった。
幅30.5mm、深さ14.5mmの溝を掘った木質ラミナ(スギ)の溝内に水溶性高分子-イソシアネート系接着剤(株式会社オーシカ製、ピーアイボンド5300L)を250g/mの塗付量で塗付し、木質ラミナの溝間に上記の管状補強材を挟み接着した。接着は常温プレスとし、プレス圧は0.8MPaとし、プレス時間は30分とした。ここで得られた補強ラミナは、幅方向に、18mmの木材-30mmの管状補強材-30mmの木材-30mmの管状補強材-18mmの木材の構成で管状補強材と木材が交互に並んだ幅126mmのラミナであった。
得られた補強ラミナを最下段と最上段に用い、その間は木材のみのラミナで積層された木質集成材を得た。用いた接着剤は補強ラミナと同様に、水溶性高分子-イソシアネート系接着剤(株式会社オーシカ製、ピーアイボンド5300L)であり(塗付量250g/m)、常温プレス(プレス圧0.8MPa、プレス時間30分)で作製した。接着後、集成材の表面にモルダー仕上げを行い、断面サイズ120mm×240mm、長さ5,000mmの木質集成材を得た。この木質集成材の断面の模式図を図1に示す。また、この木質集成材の評価結果を表1に示す。
得られた木質集成材を長さ方向の中心にて半切し、その断面同士を接する形でプレストレスによる接合を実施した。プレストレスは、木質集成材の端部にある4本の管状補強材部分を覆うように120mm×240mm、厚さ20mmの鉄製座金を介して直径9mmのPC鋼棒を1本ずつ、それぞれの管状補強材に通した(図4)。PC鋼棒1本につき、55kNの張力をかけ、ナットで緩まないように固定して木質建材を得た。この木質建材の評価結果を表1に示す。
(実施例
参考例1で半切した木質集成材の接合面にも120mm×240mm、厚さ20mmの鉄製座金を挟み(図5)、PC鋼棒の径を13mmに変更してかけた張力をPC鋼棒1本につき、110kNとしたこと以外は参考例1と同様として木質建材を得た。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1で管状補強材を用いなかったこと以外は実施例1と同様とした。この木質集成材の断面の模式図を図2に示す。24kNの張力をかけたところで木質集成材の端部にめり込みによる割裂が発生したため、評価のための繰返し曲げ試験は実施できなかった。
(比較例2)
実施例1と同じ断面サイズ120mm×240mm、長さ5,000mmの既存木質集成材(E65-F225)を用いた。実施例1と同様に長さ方向の中心にて半切し、その断面同士を接する形で接合を実施した。接合方法は、既存のグル―インロッド工法を用いた。接合断面の4角から40mmの位置に、4本の直径16mm、長さ600mmの全ネジボルトを接合する木質集成材、左右300mmとなるように差し込み、エポキシ樹脂を充填した。養生期間を経て、試験開始までに2週間の時間を要した。得られた既存木質集成材のグルーインロッド工法による接合試験体の評価結果を表1に示す。
Figure 0007204519000003
本発明の木質建材は、木材および集成材が使用される用途に適用することができる。なかでも、学校や体育館、講堂、各種室内球技場やドームなどの大型建築物の長尺の骨組み材、共同住宅や戸建て住宅などの建築物の梁として好適に用いることができる。
11 矩形中空の管状補強材
12 木質集成材
21 中空部分(補強材無し)
22 木質集成材
31 ロッド挿入部
32 木質集成材
41 木質集成材
42 座金
43 ナット
44 PC鋼棒
51 木質集成材
52 座金
53 ナット
54 PC鋼棒
55 めり込み補強材
61 木質集成材
62 全ネジボルト

Claims (9)

  1. 少なくとも二つの木質集成材が長手方向に、両者の接合部に設けられた平板状のめりこみ補強材を介して接合された、梁として用いられる木質建材であって、木質集成材は長手方向に貫通する管状補強材によって補強されており、管状補強材の内には、少なくとも二つの木質集成材の管状補強材の内を長手方向に貫通する緊張材が設けられ、緊張材に110~300kNの張力がかけられることにより当該少なくとも二つの木質集成材が長手方向に接合された状態で固定されている木質建材。
  2. 管状補強材の断面が矩形中空である、請求項1に記載の木質建材。
  3. 管状補強材が、その長手方向に補強繊維が配向し熱硬化性樹脂の硬化物で固着されたものである、請求項1または2に記載の木質建材。
  4. 補強繊維が連続繊維である、請求項1乃至のいずれかに記載の木質建材。
  5. 補強繊維が炭素繊維、ガラス繊維または芳香族ポリアミド繊維である、請求項1乃至のいずれかに記載の木質建材。
  6. 木質集成材において管状補強材と木質材料片がそれぞれの繊維方向が平行となる向きに接着されている、請求項1乃至のいずれかに記載の木質建材。
  7. 管状補強材が集成材の長手方向に直交する断面の中心から等距離の位置に複数本配置されている、請求項1乃至のいずれかに記載の木質建材。
  8. めりこみ補強材が、炭素繊維、ガラス繊維もしくは芳香族ポリアミド繊維で補強された繊維補強樹脂、金属または無機材料からなる、請求項1乃至7のいずれかに記載の木質建材。
  9. 請求項に記載の木質建材において、木質集成材の長手方向に直交する断面の中心から等距離の位置に複数本配置された管状補強材の少なくとも二本に、それぞれを貫通する緊張材が設けられた木質建材であって、緊張材は木質集成材の長手方向に直交する断面の中心に対して点対称をなす位置に設けられている木質建材。
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