JP2004332399A - 繊維強化樹脂製補強材並びにそれを用いた補強構造及び補強方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】繊維強化樹脂製補強材2に、内部の補強繊維6が樹脂材5で被覆されず、外部に露出されてむき出しの状態にされた繊維露出部10を設ける。このような繊維露出部10が設けられることで、繊維強化樹脂製補強材2は、当該繊維露出部10において折り曲げることができる。当該繊維露出部10において繊維強化樹脂製補強材2を重ね合わせることができ、これらのことから、多種多様な補強工事に簡単に対応することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化樹脂(FRP:Fiber Reinforced Plastics)により形成された繊維強化樹脂製補強材並びにそれを用いた補強構造及び補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート構造物の柱や梁、床、壁などのコンクリート構造部を補強する方法として、繊維強化樹脂(FRP:Fiber Reinforced Plastics)により形成された補強材をコンクリートに設置する方法が知られている(例えば特許文献1や特許文献2等を参照)。繊維強化樹脂は、炭素繊維やアラミド繊維、ガラス繊維などの各種高強度繊維を内部に備えた樹脂であり、特に引張強度が非常に高く、しかも非常に軽量である。このような繊維強化樹脂により形成された補強材は、一般に、補強対象となるコンクリートの表面などに密着して配設されて、応力を負担するようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特許3258569号公報
【0004】
【特許文献2】
特開2000−54561号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような補強材にあっては、次のような問題点があった。すなわち、繊維強化樹脂は、強度に優れている反面、非常に硬いことから、現場において折り曲げたりするなどの加工を簡単に行うことが難しかった。このため、繊維強化樹脂製補強材を設置する面の形状に合わせて、予め工場などにおいて所定の形状に成形しておく必要があり、相当な手間と費用を要していた。
そこで、従来から、L字形状やU字形状などの予め所定の形状に成形された補強材が製品として量産化されて提供されている。しかし、ここで提供される補強材は、非常に種類が限られており、現場における多種多様な補強工事に対応するには、あまり十分ではなかった。このため、従来から、現場における様々な補強工事に対応可能な汎用性の高い補強材が望まれていた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、多種多様な補強工事に対応可能な汎用性の高い繊維強化樹脂製補強材並びにその施工構造及び施工方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために本発明にかかる繊維強化樹脂製補強材にあっては、樹脂材とこの樹脂材の内部に設けられた補強繊維とを有する繊維強化樹脂により形成された補強材であって、前記補強材に前記補強繊維が前記樹脂材から露出した繊維露出部を設けた構成とする。
このような構成にあっては、繊維強化樹脂により形成された補強材に、補強繊維が樹脂材から露出した繊維露出部が設けられることで、当該繊維露出部を通じて適宜折り曲げて施工することができる。これにより、多種多様な補強工事にも簡単に対応することができる。
【0008】
また、かかる繊維強化樹脂製補強材は、前記繊維露出部が2箇所以上設けられても良い。このように繊維露出部が2箇所以上設けられることで、現場における多種多様な補強工事への対応がより一層簡単になる。
【0009】
また、本発明にかかる繊維強化樹脂製補強材を用いた補強構造にあっては、前述した繊維強化樹脂製補強材が補強対象面上に配設され、当該繊維強化樹脂製補強材の繊維露出部に樹脂が充填された構成とする。このような補強構造にあっては、繊維露出部が樹脂により固められることで、繊維強化樹脂製補強材が補強対象面上において相当な補強性能を発揮することができる。
【0010】
また、かかる補強構造にあっては、前記繊維強化樹脂製補強材が、前記繊維露出部において相互に重ね合わされて複数配設され、この重ね合わせ部に樹脂が充填されても良い。このように繊維強化樹脂製補強材が繊維露出部において重ね合わされることで、重ね合わせ部における厚さがあまり増さずに済む。
【0011】
また、かかる補強構造にあっては、前記繊維強化樹脂製補強材が前記繊維露出部において折曲げられて前記補強対象面上に配置されても良い。また、前記繊維強化樹脂製補強材が前記繊維露出部において折り曲げられて補強対象部のコーナー部に沿って配設されても良い。また、前記繊維強化樹脂製補強材が前記繊維露出部において折り曲げられて補強対象部の曲面部に沿って配設されても良い。
【0012】
また、本発明にかかる繊維強化樹脂製補強材を用いた補強方法にあっては、前述した繊維強化樹脂製補強材を補強対象面上に配設し、その後、配設した前記繊維強化樹脂製補強材の前記繊維露出部に樹脂を充填するようにする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明にかかる繊維強化樹脂製補強材並びにその施工構造及び施工方法の実施の形態について、添付図面を用いて詳しく説明する。図1および図2は、本発明にかかる繊維強化樹脂製補強材2の一実施形態を示したものであり、図1は繊維強化樹脂製補強材2の斜視図、図2は繊維強化樹脂製補強材2の平面図である。
【0014】
この繊維強化樹脂製補強材2は、繊維強化樹脂4(FRP:Fiber Reinforced Plastics)により形成された部材である。繊維強化樹脂4は、樹脂材5と、その樹脂材5の内部に設けられた補強繊維6とにより形成されている。補強繊維6は、例えば、炭素繊維やアラミド繊維、ガラス繊維などといった各種高強度繊維などが用いられる。繊維強化樹脂4は、非常に軽量である上、強度、特に引張強度が高く、補強材料として優れている。本実施形態では、この繊維強化樹脂製補強材2が、補強繊維6として例えば炭素繊維を備えるものとする。繊維強化樹脂製補強材2は、図1に示すように、所定の厚みを有する板状に成形され、直線状に長く帯状に形成されている。補強繊維6は、繊維強化樹脂製補強材2の長手方向に沿って延びるように多数配設されている。
【0015】
本実施形態にかかる繊維強化樹脂製補強材2には、その長手方向中央部に所定長Tにわたって繊維露出部10が設けられている。この繊維露出部10は、補強繊維6が樹脂材5で被覆されず、外部に露出されてむき出しの状態にされて設けられたものである。所定長Tは、施工箇所等に応じて適宜設定される。このように本実施形態にあっては、繊維強化樹脂製補強材2に繊維露出部10が設けられていることで、繊維強化樹脂製補強材2は、この繊維露出部10において折り曲げることができるようになっている。つまり、本実施形態では、この繊維露出部10を通じて繊維強化樹脂製補強材2を例えばL字形などの適宜な角度に折り曲げることができる。
【0016】
図3は、このような繊維強化樹脂製補強材2の製造方法の一例を示したものである。ここでは、まず、図3(a)に示すように、繊維強化樹脂製補強材2の内部に設けるべき補強繊維6を多数並べて配置する。ここで配置する補強繊維6は、メッシュなどの織物として構成されていたり、また一方向に揃えて配列された繊維集合体などとして構成されていても良い。次にこのようにして配置された補強繊維6に対して樹脂を含浸させて当該補強繊維6を被覆するように樹脂を板状に一体形成する。その際、図3(b)に示すように、補強繊維6の一部分に樹脂を被覆せずにそのまま残しておくことにより、繊維露出部10を形成する。このような製造を行うことで、繊維強化樹脂製補強材2に繊維露出部10を簡単に設けることができる。
【0017】
次に、繊維強化樹脂製補強材2の施工方法について説明する。図4は、繊維強化樹脂製補強材2をコンクリート20上に設置する場合の一例について示す。図4(a)に示すように、繊維強化樹脂製補強材2をコンクリート20上に設置する場合、まず、繊維強化樹脂製補強材2をエポキシ樹脂系接着剤等の各種接着剤やその他各種接合材、アンカーボルト等の定着部材などを用いて、図4(b)に示すように、コンクリート20の表面に接合する。こうして繊維強化樹脂製補強材2をコンクリートに接合した後、接合された繊維強化樹脂製補強材2の繊維露出部10に、図4(c)に示すように樹脂12を充填する。ここで充填する樹脂12は、エポキシ樹脂をはじめその他各種樹脂を用いることができる。樹脂12は、繊維露出部10において外部に露出した補強繊維6を被覆するように設けられる。繊維露出部10に充填された樹脂12は、硬化して固まると、コンクリートに付着して一体化する。これにより、繊維強化樹脂製補強材2の施工作業を完了する。
【0018】
さらに本実施形態にかかる繊維強化樹脂製補強材2にあっては、コーナー部に対して設置することができる。図5は、本実施形態の繊維強化樹脂製補強材2をコーナー部22に設置する場合の一例を示している。繊維強化樹脂製補強材2をコーナー部22に設置する場合には、図5(a)に示すように、繊維強化樹脂製補強材2を繊維露出部10において折り曲げて、当該繊維露出部10がコーナー部22の稜部22aに位置するように、繊維強化樹脂製補強材2を設置する。このとき、同図に示すように、コーナー部22の稜部22aに対して予めRをつける等して面取りを施しておく。これは、繊維強化樹脂製補強材2の補強繊維6が、引張には強いが、せん断には弱いため、コーナー部22の稜部22aが尖ったままであると、補強繊維6が稜部22aに接触して切断されてしまう虞があるからである。コーナー部22の稜部22aを予め面取りしておければ、補強繊維6の破断を可及的に防止することができる。また、この他に、繊維強化樹脂製補強材2の設置面に対して、当該繊維強化樹脂製補強材2との接着が良好に行えるように下地処理を行うと良い。繊維強化樹脂製補強材2は、コンクリート20の表面に、エポキシ樹脂系接着剤等の各種接着剤やその他各種接合材、アンカーボルト等の定着部材などを用いて接合する。
【0019】
図5(b)は、繊維強化樹脂製補強材2が設置された状態を示す。このように繊維強化樹脂製補強材2を繊維露出部10において折り曲げることで、コーナー部22に簡単に設置することができる。次に、図5(c)に示すように、繊維露出部10にエポキシ樹脂などの樹脂12を充填して補強繊維6を被覆する。そして、樹脂12を硬化させてコンクリートに付着して、施工作業を完了する。
【0020】
図6は、繊維強化樹脂製補強材2によりコンクリート壁部やコンクリート柱部などのコンクリート構造部のコーナー部22を補強した場合の一例を示したものである。ここでは、繊維強化樹脂製補強材2が、コンクリート構造部24のコーナー部22に沿って相互に間隔をあけて複数並んで配列されている。このようにコンクリート構造部のコーナー部22に沿って繊維強化樹脂製補強材2を複数並べて配置することで、コンクリート構造部24のコーナー部22を十分補強することができる。
【0021】
図7は、繊維強化樹脂製補強材2の他の施工例を示したものである。ここでは、同図に示すように、繊維強化樹脂製補強材2を繊維露出部で重ね合わせて配置する場合を示している。図7(a)は、繊維強化樹脂製補強材2を2本、略十字状に配置した場合を示し、図7(b)は、繊維強化樹脂製補強材2を4本、放射状に配置した場合を示している。このように本実施形態の繊維強化樹脂製補強材2では、繊維露出部10が形成されているため、この繊維露出部10を通じて繊維強化樹脂製補強材2を相互に重ね合わせても、その重ね合わせ部における厚さが大幅に増えることはなく、繊維強化樹脂製補強材2を良好に交差した状態で配置することができる。その後、繊維強化樹脂製補強材2が交差した部分、即ち両繊維強化樹脂製補強材2の繊維露出部10には、樹脂12が充填されて施工作業が完了する。
【0022】
図8は、繊維強化樹脂製補強材2により円筒状の構造部26を補強する場合の一例を示したものである。円筒状の構造部26としては、例えば、円筒状の柱部や壁部、それに煙突などの塔状構造物などがある。このような構造部26に設置される場合、繊維強化樹脂製補強材2には、繊維露出部が2箇所以上設けられ、円筒状の構造部26の外周部26aに沿って折り曲げられる。図8の例では、繊維露出部10が繊維強化樹脂製補強材2の長手方向に沿って所定の間隔おきに設けられ、円筒状の構造部26を囲繞するように環状に配置されているが、これに限らず、繊維強化樹脂製補強材2を円筒状の構造部26の外周部26aに螺旋状に巻き付けても良い。
【0023】
図9は、コンクリート構造部28に設けられた開口部30を繊維強化樹脂製補強材2により補強する場合の一例を示したものである。開口部30としては、壁部や梁部、床部などに貫通して設けられた配管用の孔部などがある。図9の例では、開口部30の周囲に繊維強化樹脂製補強材2を4本配置している。なお、ここでも、繊維強化樹脂製補強材2は、エポキシ樹脂系接着剤等の各種接着剤やその他各種接合材、アンカーボルト等の定着部材などによりコンクリート構造部の表面に接合される。繊維強化樹脂製補強材2としては、繊維露出部10が2箇所設けられたものを使用し、これら2箇所の繊維露出部10で折り曲げて略S字状に配置する。各繊維強化樹脂製補強材2は、2つの折曲部14a、14bのうちの一方の折曲部14aが開口部30の縁部に沿うように各々配置され、4本の繊維強化樹脂製補強材2で開口部30の周囲全体を取り囲んでいる。各折曲部14a、14b、即ち繊維露出部10には、それぞれ樹脂12が充填されて、各繊維強化樹脂製補強材2にそれぞれ一体化されている。このように繊維強化樹脂製補強材2が繊維露出部10を通じて折曲げ可能に形成されていることで、コンクリート構造部28の開口部30に対してスムーズに補強を行うことができる。
【0024】
図10は、コンクリート構造部28の開口部30の他の補強例を示したものである。ここでは、同図に示すように、コンクリート構造部28の開口部30の周囲に、当該開口部30を取り囲むように略S字状の溝部32を2本形成する。2本の溝部32は、相互間に開口部30を挟み込むように並列に配置されている。
各溝部32は、それぞれ、繊維強化樹脂製補強材2の幅寸法に相当する深さと、繊維強化樹脂製補強材2の厚さ寸法に相当する幅とを有し、各溝部32にはそれぞれ繊維強化樹脂製補強材2が差し込まれるようになっている。繊維強化樹脂製補強材2には、略S字状の溝部32の各折曲部32a、32bに対応してそれぞれ繊維露出部10が2箇所設けられる。各溝部32にそれぞれエポキシ樹脂系接着剤等の各種接着剤が充填された後、各繊維強化樹脂製補強材2が各溝部32に各々差し込まれて固着される。このようにコンクリート構造部28に溝部32を形成すれば、簡単に繊維強化樹脂製補強材2を固着することができる。
【0025】
図11(a)及び(b)は、コンクリート構造部28の開口部30の他の補強例を示したものである。図11(a)は、コンクリート構造部28の開口部30の周囲に、当該開口部30を取り囲むように略六角形状に環状の溝部34を形成し、当該溝部34に沿って繊維強化樹脂製補強材2を差し込んで配設する補強例を示している。また、図11(b)は、コンクリート構造部28の開口部30の周囲に、当該開口部30を取り囲むように略八角形状に環状の溝部36を形成し、当該溝部36に沿って繊維強化樹脂製補強材2を差し込んで配設する補強例を示している。このようにコンクリート構造部28の開口部30の周囲を取り囲むように環状の溝部34、36を形成して、当該溝部34、36に繊維強化樹脂製補強材2を差し込んで補強を行うようにしても良い。なお、環状の溝部の形状は、前述した略六角形状や略八角形状に限らず、その他の形状、例えば、略四角形状や円形状、楕円形状等であっても良い。
【0026】
図12は、繊維強化樹脂製補強材2の他の施工方法を示したものである。ここでは、図12(a)に示すように、繊維強化樹脂製補強材2の繊維露出部10にむき出しとなった補強繊維6を、図12(b)に示すように絞り、さらに図12(c)に示すように樹脂4により被覆された部分を相対的に回転させて補強繊維6をねじる。これによって、補強繊維6を簡易的に束ねることができ、繊維強化樹脂製補強材2を繊維露出部10を通じて折り曲げたときに、補強繊維6に撓みが生じるのを防止することができる。
【0027】
図13および図14は、コンクリート壁部40に設けられた開口部42を繊維強化樹脂製補強材2により補強する場合の一例を示したものである。図13は、補強されるコンクリート壁部40の正面図であり、図14は、図13中のA−A’線で切断したときの矢視断面図である。ここで、コンクリート壁部40は、その上下に配設されたコンクリート梁部44と、その左右に配設されたコンクリート柱部46とにより取り囲まれて構築されている。開口部42はそのコンクリート壁部40の中央部に設けられている。本実施形態では、図13に示すように、繊維強化樹脂製補強材2を開口部42からコンクリート柱部46にかけてコンクリート壁部40の表裏両側に沿って配設する。繊維強化樹脂製補強材2には、図14に示すように、繊維露出部10が2箇所設けられ、各繊維露出部10がそれぞれ開口部42のコーナー部に対応して形成される。これにより、繊維強化樹脂製補強材2を、コンクリート壁部40を表裏両側から挟み込むようにコの字形に配置することができる。繊維強化樹脂製補強材2は、図13に示すように、開口部42の縁部に沿って相互に間隔をあけつつ平行に配置される。
【0028】
このように繊維強化樹脂製補強材2に繊維露出部12が設けられ、当該繊維露出部12を介して繊維強化樹脂製補強材2が折曲げ可能に形成されることで、コンクリート壁部40の開口部42に対して簡単に補強を行うことができる。
【0029】
以上各種実施形態で説明したように、繊維強化樹脂製補強材2に繊維露出部10を設けたことで、当該繊維露出部10において繊維強化樹脂製補強材2を折曲げることができる。これにより、予め工場などにおいて所定の形状に成形しなくても、現場における多種多様な補強工事にも簡単に対応することができる。
【0030】
特に繊維強化樹脂製補強材2を相互に交差させて配設したり、また円筒状の構造部等に設けられた曲面部に対しても、簡単に配設することができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、繊維強化樹脂製補強材を現場において適宜折り曲げて施工することができ、これにより、現場における多種多様な補強工事にも簡単に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる繊維強化樹脂製補強材の一実施形態を示した斜視図である。
【図2】本発明にかかる繊維強化樹脂製補強材の一実施形態を示した平面図である。
【図3】本発明にかかる繊維強化樹脂製補強材の製造方法の一例を説明するための説明図である。
【図4】本発明にかかる繊維強化樹脂製補強材を用いた補強構造及び補強方法の一例を説明するための説明図である。
【図5】本発明にかかる繊維強化樹脂製補強材を用いた補強構造及び補強方法の他の例を説明するための説明図である。
【図6】本発明にかかる繊維強化樹脂製補強材を補強対象部のコーナー部に配設したときの一実施形態を示した斜視図である。
【図7】本発明にかかる繊維強化樹脂製補強材を相互に重ね合わせて配設したときの一実施形態を示した平面図である。
【図8】本発明にかかる繊維強化樹脂製補強材を補強対象部の曲面部に配設したときの一実施形態を示した斜視図である。
【図9】本発明にかかる繊維強化樹脂製補強材を開口部に配設したときの一実施形態を示す平面図である。
【図10】本発明にかかる繊維強化樹脂製補強材を開口部に配設したときの他の実施形態を示す平面図である。
【図11】本発明にかかる繊維強化樹脂製補強材を開口部に配設したときの他の実施形態を示す平面図である。
【図12】本発明にかかる繊維強化樹脂製補強材を用いた他の補強構造及び補強方法を説明するための説明図である。
【図13】本発明にかかる繊維強化樹脂製補強材によりコンクリート壁部に設けられた開口部を補強する場合の一例を示した正面図である。
【図14】図13のA−A’線で切断したときの矢視断面図である。
【符号の説明】
2 繊維強化樹脂製補強材
4 繊維強化樹脂
5 樹脂材
6 補強繊維
10 繊維露出部
12 樹脂
14a、14b 折曲部
20 コンクリート
22 コーナー部
26 円筒状構造部
30 開口部
32 溝部
34、36 環状の溝部
32a、32b 折曲部
40 コンクリート壁部
42 開口部
Claims (8)
- 樹脂材とこの樹脂材の内部に設けられた補強繊維とを有する繊維強化樹脂により形成された補強材であって、
前記補強材に前記補強繊維が前記樹脂材から露出した繊維露出部を設けたことを特徴とする繊維強化樹脂製補強材。 - 前記繊維露出部が2箇所以上設けられたことを特徴とする請求項1に記載の繊維強化樹脂製補強材。
- 請求項1または2に記載の繊維強化樹脂製補強材が補強対象面上に配設され、当該繊維強化樹脂製補強材の前記繊維露出部に樹脂が充填されたことを特徴とする繊維強化樹脂製補強材を用いた補強構造。
- 前記繊維強化樹脂製補強材が、前記繊維露出部において相互に重ね合わされて複数配設され、この重ね合わせ部に樹脂が充填されたことを特徴とする請求項3に記載の繊維強化樹脂製補強材を用いた補強構造。
- 前記繊維強化樹脂製補強材が前記繊維露出部において折曲げられて前記補強対象面上に配置されたことを特徴とする請求項3に記載の繊維強化樹脂製補強材を用いた補強構造。
- 前記繊維強化樹脂製補強材が前記繊維露出部において折り曲げられて補強対象部のコーナー部に沿って配設されたことを特徴とする請求項5に記載の繊維強化樹脂製補強材を用いた補強構造。
- 前記繊維強化樹脂製補強材が前記繊維露出部において折り曲げられて補強対象部の曲面部に沿って配設されたことを特徴とする請求項5に記載の繊維強化樹脂製補強材を用いた補強構造。
- 請求項1または2に記載の繊維強化樹脂製補強材を補強対象面上に配設し、その後、配設した前記繊維強化樹脂製補強材の前記繊維露出部に樹脂を充填することを特徴とする繊維強化樹脂製補強材を用いた補強方法。
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