JP2008174579A - 共重合ポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶融重縮合後のポリエステル樹脂を加熱結晶化処理するにおいて、ポリエステル樹脂粒状体同士の融着を抑制し、効率的に結晶化させることができる、共重合ポリエステル樹脂の製造方法を提供する。
【解決手段】エチレンテレフタレート単位を主たる構成繰り返し単位とする該共重合ポリエステル樹脂中の全ジカルボン酸成分に対するテレフタル酸又はテレフタル酸のエステル形成性誘導体以外のジカルボン酸成分のモル%(A)と、該共重合ポリエステル樹脂中の全ジオール成分に対するエチレングリコール以外のジオール成分のモル%(B)との和(A+B)が8を超えて80モル%以下であり、チタン化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物の少なくとも1種類の化合物を溶融重合の触媒として用い、溶融重合後かつ固相重合の前に、該共重合ポリエステル樹脂を熱水で加熱結晶化し、その後固相重合することを特徴とする共重合ポリエステル樹脂の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、共重合ポリエステル樹脂の製造方法に関し、更に詳しくは、溶融重縮合後のポリエステル樹脂を、乾燥、固相重縮合、或いは成形等に供するに先立って加熱結晶化処理するにおいて、ポリエステル樹脂粒状体同士の融着を抑制し、均一、且つ効率的に結晶化させることができる、共重合ポリエステル樹脂の製造方法に関する。
従来、ポリエステル樹脂、代表的にはポリエチレンテレフタレート樹脂は、機械的強度、化学的安定性、透明性、ガスバリア性、安全衛生性等に優れ、又比較的安価で軽量であるために、フィルム、繊維又はボトル等として広く用いられている。一方、ジカルボン酸成分としてのテレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体と、ジオール成分としてのエチレングリコールからなるホモポリエチレンテレフタレート樹脂が高結晶性、高融点であるが故に成形加工性が劣ることや、用途によっては剛直過ぎて柔軟性に劣ること等の問題点があった。この点に対して、例えば、イソフタル酸等のジカルボン酸成分や、ブタンジオール、シクロヘキサンジメチロール等のジオール成分を共重合成分として用い、成形加工性を改良し、或いは柔軟性等を付与した共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂も、それぞれの特性に適したフィルムやシート等の分野において用いられている。
一方ポリエチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体を主成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とするジオール成分とを、エステル化反応或いはエステル交換反応を経て、重縮合触媒の存在下に溶融重縮合させた後、通常乾燥させ或いは更に高重合度化させる等のために加熱して固相重縮合させて、成形に供せられる。そして、それらの乾燥或いは固相重縮合等に先立って樹脂を加熱結晶化処理することが行われている。その結晶化処理において、前述の如き共重合樹脂は、ホモ重合体樹脂に比して低結晶性、低融点であること等により、樹脂粒状体同士の融着が往々にして起こり、作業効率を低下させるばかりでなく、均一な結晶化を阻害することとなっていた。
これに対して、結晶化処理における樹脂粒状体同士の融着を防止すべく、従来から種々の防止策が提案されており、例えば、特定温度及び時間下で水分を供給して樹脂粒状体表面に水分を存在させることによって融着を防止する方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。しかしながら、この方法は、吸水により樹脂が分子量低下を起こすという問題を内在するものであるばかりか、この方法による水分の供給量は、樹脂全体重量の5〜30重量%と多量に用いる必要があることから、それに付随する設備面及び該処理後の水分除去面等での経済的不利さは避けられないものであった。
また、共重合ポリエステルを0.1〜2.0重量%の含水率に調整してから加熱結晶化するという手法も提案されている(例えば特許文献2参照。)。しかし、0.1〜2.0重量%の樹脂含水率を維持するのは大量生産する際の操作として非常に煩瑣であり、特に実際の含水率を確認し工程管理を行うのは非常に手間が掛かる。
更に、共重合ポリエステルを加熱水蒸気で結晶化するという手法も提案されている(例えば特許文献3参照)。これも水蒸気でチップを処理する設備が実際の生産設備としては、取り扱い、運転が困難であるという問題がある。
特開平9−241360号公報 特開2003−327680号公報 特開昭59−25815号公報
本発明は、前述の現状に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、溶融重縮合後のポリエステル樹脂を、乾燥、固相重縮合、或いは成形等に供するに先立って加熱結晶化処理するにおいて、ポリエステル樹脂粒状体同士の融着を抑制し、効率的に結晶化させることができる、共重合ポリエステル樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、前述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、樹脂の吸水率を特定範囲に調湿することにより前記目的を達成できることを見出し本発明を完成したものである。即ち、本発明はエチレンテレフタレート単位を主たる構成繰り返し単位とする共重合ポリエステル樹脂の製造方法であって、該共重合ポリエステル樹脂中の全ジカルボン酸成分に対するテレフタル酸又はテレフタル酸のエステル形成性誘導体以外のジカルボン酸成分のモル%(A)と、該共重合ポリエステル樹脂中の全ジオール成分に対するエチレングリコール以外のジオール成分のモル%(B)との和(A+B)が8を超えて80モル%以下であり、チタン化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物の少なくとも1種類の化合物を溶融重合の触媒として用い、溶融重合後かつ固相重合の前に、該共重合ポリエステル樹脂を熱水で加熱結晶化し、その後固相重合することを特徴とする共重合ポリエステル樹脂の製造方法に関する。
本発明によれば、溶融重縮合後のポリエステル樹脂を、乾燥、固相重合、或いは成形等に供するに先立って加熱結晶化処理をすることによって、ポリエステル樹脂粒状体同士の融着を抑制し効率的に結晶化させることができる、共重合ポリエステル樹脂の製造方法を提供する事ができる。
本発明の共重合ポリエステル樹脂の製造方法におけるポリエステル樹脂は、エチレンテレフタレート単位を主たる構成繰り返し単位とし、共重合ポリエステル樹脂中の全ジカルボン酸成分に対するテレフタル酸又はテレフタル酸のエステル形成性誘導体以外のジカルボン酸成分のモル%(A)と、共重合ポリエステル樹脂中の全ジオール成分に対するエチレングリコール以外のジオール成分のモル%(B)との和(A+B)が8を超えて80モル%以下とする共重合ポリエステル樹脂である。
更に本発明の製造方法においては、全ジカルボン酸成分と全ジオール成分とを、エステル化反応或いはエステル交換反応を経て、重縮合触媒の存在下に溶融重縮合させることにより製造された、エチレンテレフタレート単位を主たる構成繰り返し単位とする共重合ポリエステル樹脂の製造方法であるのが好ましい。しかし、前記範囲外のジカルボン酸成分とジオール成分とからなる高い共重合率のポリエステル樹脂を、得られる共重合ポリエステル中の全ジカルボン酸成分に対するテレフタル酸又はテレフタル酸のエステル形成性誘導体以外のジカルボン酸成分のモル%(A)と、得られる共重合ポリエステル中の全ジオール成分に対するエチレングリコール以外のジオール成分のモル%(B)との和(A+B)が8を超えて80モル%以下となるように、例えばポリエチレンテレフタレートに対して溶融混練したものも含むこととする。
ここで、全ジカルボン酸成分に対するテレフタル酸又はテレフタル酸のエステル形成性誘導体以外のジカルボン酸成分のモル%(A)と、全ジオール成分に対するエチレングリコール以外のジオール成分のモル%(B)との和(A+B)が22〜70モル%であるのが好ましく、23〜60モル%であるのが更に好ましい。又、「エチレンテレフタレート単位を主たる構成繰り返し単位とする」とは、エチレンテレフタレート単位が全構成繰り返し単位中で最多であることを意味し、そのエチレンテレフタレート単位が全構成繰り返し単位の30〜80モル%を占めるのが好ましく、50〜80モル%を占めるのが更に好ましい。
ここで、テレフタル酸のエステル形成性誘導体としては、例えばテレフタル酸の炭素数1〜4程度のアルキルエステル、又はテレフタル酸の酸ハロゲン化物等が挙げられる。又、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体以外のジカルボン酸共重合成分としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、フェニレンジオキシジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸若しくは2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸若しくはヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸若しくはドデカジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、又は、これらの炭素数1〜4程度のアルキルエステル若しくはハロゲン化物等が挙げられる。これらの中で、本発明においては、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、又はそれらのエステル形成性誘導体等が好ましい。
又、エチレングリコール以外のジオール共重合成分としては、例えば、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール若しくはポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール若しくは1,4−シクロヘキサンジメチロール等の脂環式ジオール、又は、キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン若しくはビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール等が挙げられる。これらの中で、本発明においては、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメチロール等が好ましい。
又例えば、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸若しくはp−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸若しくはベンゾイル安息香酸等の単官能成分、又は、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール若しくはペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能成分が、共重合成分として用いられていてもよい。
本発明における前記共重合ポリエステル樹脂の製造は、基本的には、ポリエステル樹脂の慣用の製造方法による。即ち、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールとを、前記共重合成分と共にスラリー調製槽に投入して攪拌下に混合して原料スラリーとなした後にエステル化反応槽に移送するか、又は、その際原料の一部をエステル化反応槽に直接投入し、エステル化反応槽で常圧〜加圧下、加熱下で、エステル化反応或いはエステル交換反応させた後、得られたエステル化反応或いはエステル交換反応生成物としてのポリエステル低分子量体を重縮合槽に移送し、重縮合触媒の存在下に、常圧から漸次減圧としての減圧下、加熱下で、溶融重縮合させる。尚これらは連続式又は回分式でなされるのが好ましく、又エステル化反応槽及び重縮合槽は、それぞれ一段としても多段としてもよい。
ここで、原料スラリーの調製は、通常、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールとを、前記共重合成分と共に、ジカルボン酸成分に対するジオール成分のモル比を、好ましくは1.05〜3.0、更に好ましくは1.2〜2.0の範囲として行われる。更に通常、常温〜100℃、好ましくは30〜80℃の温度で、均一に混合することによりなされる。
又エステル化反応或いはエステル交換反応は、エステル交換反応の場合にはエステル交換触媒の存在下に、通常240〜280℃程度の温度、通常0〜4×10Pa程度の加圧下で、攪拌下に1〜10時間程度でなされる。又溶融重縮合は、重縮合触媒及び安定剤の存在下に、通常250〜290℃程度の温度、常圧から漸次減圧として最終的に通常1333〜13.3Pa程度の減圧下で、攪拌下に1〜20時間程度でなされる。この際得られるオリゴマーの重合度が4〜8になるように温度、圧力、時間を調整することがその後の重縮合速度を速く保つために好ましい。
又、重縮合触媒としては、例えば、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、メトキシアンチモン等のアンチモン化合物、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、蓚酸チタン、蓚酸チタンカリウム等のチタン化合物、二酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物等が用いられる。更に上記のチタン化合物の中でテトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート又はテトラ−n−ブチルチタネートと、モノアルキルホスフェートとの反応生成物を用いる事も好ましい。モノアルキルホスフェートとしてはモノブチルホスフェート、モノヘキシルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノラウリルホスフェートが好ましい。その際チタン化合物とモノアルキルホスフェートはモル比1:1.5〜1:3の範囲で反応させることが好ましい。
尚、重縮合時には、前記重縮合触媒と共に、正燐酸、トリス(トリエチレングリコール)ホスフェート、エチルジエチルホスホノアセテート、エチルアシッドホスフェート、トリエチレングリコールアシッドホスフェート、亜燐酸等の燐化合物を安定剤として共存させることが、得られる共重合ポリエステル樹脂の熱安定性を向上させることができる点で好ましい。
これらの重縮合触媒及び安定剤の反応系への添加は、前記スラリー調製工程、前記エステル化反応工程或いはエステル交換反応工程の任意の段階、又は、溶融重縮合工程の初期段階のいずれであってもよいが、安定剤は、スラリー調製槽に添加するのが好ましく、又、重縮合触媒は、エステル化反応槽(多段の場合は最終段の反応槽)、又は、エステル化反応生成物を重縮合槽に移送する配管等、又は重縮合槽に添加するのが好ましい。
溶融重縮合された共重合ポリエステル樹脂は、通常、重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜き出して、水冷しながら若しくは水冷後、カッターで切断されてペレット状、チップ状等の粒状体とされる。
又、前記溶融重縮合後の共重合ポリエステル樹脂粒状体は、その後の乾燥、固相重縮合、或いは成形等に供するに先立って熱水中で加熱結晶化処理する。その結晶化は、温度70〜100℃の熱水中に、樹脂粒状体を結晶化させる。その後、ポリエステル樹脂を更に高重合度化させると共に、環状三量体等の反応副生成物を低減化すること等を目的として、窒素、二酸化炭素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、大気圧以下の条件下で、通常190〜230℃、好ましくは195〜225℃の温度で固相重縮合される。
本発明の共重合ポリエステル樹脂の結晶化方法における熱水処理結晶化処理の装置としては、攪拌機付きホッパー型乾燥機が操作、取り扱いも簡便であり好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の詳細な内容は以下の実施例に限定されるものではない。得られたポリエステルの評価は次のように行った。
〇極限粘度(IV)
ポリエステルサンプル0.6gをo−クロロフェノール50cc中に加熱溶解した後、一旦冷却させ、その溶液をウベローデ式粘度計を用いて35℃の温度条件で測定した溶液粘度から算出した。
〇色相(Col)
粒状のポリマーサンプルを160℃×90分乾燥機中で熱処理し、結晶化させた後、カラーマシン社製CM−7500型カラーマシンで測定した。固相重合後のサンプルについては、熱処理工程を省き同様に測定した。主にb値で色相を評価した。
〇ジエチレングリコール(DEG)含有量
サンプルを抱水ヒドラジンにて分解し、ガスクロマトグラフィー(GC)にて測定した。
〇カルボキシル末端基量(COOH)
ポリマーサンプルを粉砕してベンジルアルコールに溶解し、水酸化カリウムによる中和滴定により求めた。
〇共重合率
サンプルを封管中メタノールにて分解、酸成分をメチルエステル化し、ガスクロマトグラフィー(GC)測定結果から算出した。
〇オリゴマーの重合度
エステル化工程によって得られたエステル化反応物の試料をサンプリングし、Mauriceらの方法[Anal.Chim.Acta,22,p363(1960)]によりカルボキシル末端基量を測定した。次にヒドロキシル末端基量は試料をヘキサフルオロイソプロパノールに溶解し、この溶液について13C−NMRを用いて定量した。さらに両方の末端基量から数平均分子量を求め、重合度に換算した。
○結晶化度
硝酸カルシウム水溶液から作成した密度勾配管を用いてポリマーペレットの密度(d)を測定し、以下の式により結晶化度(χc)を算出した。
χc=100×(d−da)/(dc−da)
ただし、本実施例では、
da:非晶ポリエチレンテレフタレートの密度(1.335g/cm)、
dc:完全結晶化ポリエチレンテレフタレートの密度(1.455g/cm
を使用した。
〇融着状況
固相重合重合後に固相重合反応塔から取り出したサンプル中の融着塊の有無を目視で判定し、「融着塊発生」又は「なし」を評価した。
[実施例1]
予め225部のオリゴマーが滞留する反応器内に、攪拌下、窒素雰囲気で255℃、常圧下に維持された条件下に、161部の高純度テレフタル酸、18重量部のイソフタル酸と95部のエチレングリコールとを混合して調製されたスラリーを一定速度供給し、反応で発生する水とエチレングリコールを系外に留去ながら、エステル化反応を4時間し反応を完結させた。この時のエステル化率は、留出した水量等から98%以上で、生成されたオリゴマーの重合度は、約5〜7であった。
このエステル化反応で得られたオリゴマー225部を重縮合反応槽に移し、重縮合触媒として、予めテトラ−n−ブチルチタネートとモノブチルホスフェートをエチレングリコール中でモル比1:2で反応させて得られた化合物懸濁液を、チタン元素濃度がテレフタル酸とイソフタル酸のモル数合計に対して10万分の4のモル比になるよう投入した。引続き系内の反応温度を255から280℃、又、反応圧力を常圧から60Paにそれぞれ段階的に上昇及び減圧し、反応で発生する水、エチレングリコールを系外に除去しながら重縮合反応を行った。
重縮合反応の進行度合いを、系内の攪拌翼への負荷をモニターしなから確認し、所望の重合度に達した時点で、反応を終了した。その後、系内の反応物を吐出部からストランド状に連続的に押出し、冷却、カッティングして、約3mm程度の粒状ペレットを得た。得られたポリエチレンテレフタレートを、熱水を張った攪拌機及び冷却濃縮器付き槽に投入し100℃で5時間攪拌しながら加熱還流し結晶化を行った。棚式乾燥機で窒素流通下140℃、4時間かけ乾燥させた。続いてタンブラー式固相重合塔に移し、窒素流通下200℃で24時間固相重縮合を行った。得られたポリエチレンテレフタレート溶融重合後の品質、乾燥・結晶化後の融着状況、固相重合後の固有粘度、固相重合速度を表1に示した。
[比較例1]
実施例1において、溶融重合後/固相重合前の熱水による結晶化を行わない以外は、同様に操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレート溶融重合後の品質、乾燥・結晶化後の融着状況、固相重合後の固有粘度、固相重合速度を表1に示した。
[実施例2]
実施例1において、重縮合触媒をテトラ−n−ブチルチタネートとモノブチルホスフェートの反応生成物でなく、三酸化アンチモンと燐酸トリメチルをそれぞれ、アンチモン元素がテレフタル酸とイソフタル酸のモル数合計に対して10万分の48のモル比、リン元素がテレフタル酸とイソフタル酸のモル数合計に対して10万分の20のモル比になるよう重縮合触媒、安定剤として使用する以外は、同様に操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレート溶融重合後の品質、乾燥・結晶化後の融着状況、固相重合後の固有粘度、固相重合速度を表1に示した。
[比較例2]
実施例1において、重縮合触媒をテトラ−n−ブチルチタネートとモノブチルホスフェートの事前反応物でなく、三酸化アンチモンと燐酸トリメチルをそれぞれ、アンチモン元素がテレフタル酸とイソフタル酸のモル数合計に対して10万分の48のモル比、リン元素がテレフタル酸とイソフタル酸のモル数合計に対して10万分の20のモル比になるよう重合触媒、安定剤として使用し、かつ溶融重合後であって固相重合前の熱水による結晶化を行わない以外は、同様に操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレート溶融重合後の品質、乾燥・結晶化後の融着状況、固相重合後の固有粘度、固相重合速度を表1に示した。
[実施例3]
実施例1において、重縮合触媒をテトラ−n−ブチルチタネートとモノブチルホスフェートの反応生成物でなく、塩基性酢酸アルミニウムをテレフタル酸とイソフタル酸のモル数合計に対して10万分の45のモル比になるよう重縮合触媒として使用する以外は、同様に操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレート溶融重合後の品質、乾燥・結晶化後の融着状況、固相重合後の固有粘度、固相重合速度を表1に示した。
[比較例3]
実施例1において、重縮合触媒をテトラ−n−ブチルチタネートとモノブチルホスフェートの反応生成物でなく、塩基性酢酸アルミニウムをテレフタル酸とイソフタル酸のモル数合計に対して10万分の45のモル比になるよう重縮合触媒として使用し、かつ溶融重合後/固相重合前の熱水による結晶化を行わない以外は、同様に操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレート溶融重合後の品質、乾燥・結晶化後の融着状況、固相重合後の固有粘度、固相重合速度を表1に示した。
[実施例4]
実施例1において、重縮合触媒をテトラ−n−ブチルチタネートとモノブチルホスフェートの反応生成物でなく、二酸化ゲルマニウムと燐酸トリメチルを、テレフタル酸とイソフタル酸のモル数合計に対してゲルマニウム元素濃度とリン元素濃度がそれぞれ10万分の20のモル比となるように重縮合触媒、安定剤として用いる以外は、同様に操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレート溶融重合後の品質、乾燥・結晶化後の融着状況、固相重合後の固有粘度、固相重合速度を表1に示した。
[比較例4]
実施例1において、触媒をテトラ−n−ブチルチタネートとモノブチルホスフェートの事前反応物でなく、二酸化ゲルマニウムと燐酸トリメチルを、テレフタル酸とイソフタル酸のモル数合計に対してゲルマニウム元素濃度とリン元素濃度がそれぞれ10万分の20のモル比になるように重縮合触媒、安定剤として使用し、かつ溶融重合後/固相重合前の熱水による結晶化を行わない以外は、同様に操作を行った。得られたポリエチレンテレフタレート溶融重合後の品質、乾燥・結晶化後の融着状況、固相重合後の固有粘度、固相重合速度を表1に示した。
Figure 2008174579
本発明の製造方法によれば、溶融重縮合後のポリエステル樹脂を、乾燥、固相重合、或いは成形等に供するに先立って加熱結晶化処理をすることによって、ポリエステル樹脂粒状体同士の融着を抑制し効率的に結晶化させることができる、共重合ポリエステル樹脂の製造方法を提供する事ができる。固相重合が必要になるような高固有粘度のポリエステルを製造する際に極めて有用であり、産業上の意義は大きい。

Claims (2)

  1. エチレンテレフタレート単位を主たる構成繰り返し単位とする共重合ポリエステル樹脂の製造方法であって、該共重合ポリエステル樹脂中の全ジカルボン酸成分に対するテレフタル酸又はテレフタル酸のエステル形成性誘導体以外のジカルボン酸成分のモル%(A)と、該共重合ポリエステル樹脂中の全ジオール成分に対するエチレングリコール以外のジオール成分のモル%(B)との和が8を超えて80モル%以下であり、チタン化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物の少なくとも1種類の化合物を溶融重合の触媒として用い、溶融重合後かつ固相重合の前に、該共重合ポリエステル樹脂を熱水で加熱結晶化し、その後固相重合することを特徴とする共重合ポリエステル樹脂の製造方法。
  2. 熱水で加熱結晶化する処理時の温度を70〜100℃以下とする請求項1記載の共重合ポリエステル樹脂の結晶化方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011032464A (ja) * 2009-07-06 2011-02-17 Sumitomo Chemical Co Ltd 液晶ポリエステルの製造方法

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JP2011032464A (ja) * 2009-07-06 2011-02-17 Sumitomo Chemical Co Ltd 液晶ポリエステルの製造方法

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