JP2008173938A - 空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】製造効率を維持しつつ、高い精度でタイヤ構成部材を配置することで、大幅にビード部耐久性を向上したタイヤの製造方法及びかかる製造方法により製造されるタイヤを提供する。
【解決手段】カーカスプライ3の剛体コア幅方向外側にリング状のビードコア4を配置し、次いで、カーカスプライの端部5を、ビードコア4の周りに沿って剛体コア幅方向内側から剛体コア幅方向外側に向かって折り返し、カーカスプライの端部6を、ビードコア4の周りに沿って剛体コア径方向内側から剛体コア幅方向外側に向かって折り返し、カーカスプライの端部6を、ビードコア4の周りに沿って剛体コア幅方向外側から剛体コア幅方向内側に向かって折り返す。その後、カーカスプライの端部6をビードコア4に押し付けて拘束する拘束部材10を、拘束部材10とビードコア4との間にカーカスプライ3を挟み込むように、ビードコア4及びカーカスプライ3の剛体コア径方向外側に配置する。
【選択図】図2

Description

この発明は、ビード部耐久性に優れた空気入りタイヤの製造方法及びかかる製造方法を用いて製造された空気入りタイヤに関する。
一般に、空気入りタイヤは、一対のビード部、一対のサイドウォール部、トレッド部及びそれらを補強するプライコードからなるカーカスプライ等を具えており、ビード部は、少なくとも1層のカーカスプライが、各ビード部内に埋設されているビードコアの周りをタイヤ径方向内側から外側に向かって巻き上げる折返し部を有するような構成となっている。しかし、このようなビード部構造を具えた空気入りタイヤは、タイヤ負荷転動時に、リムフランジによりビード部のタイヤ径方向外側が、タイヤ幅方向外側へ繰返し倒れ込み変形することから、繰返し倒れ込み変形するカーカス部分及びカーカスプライの折返し端部に応力が集中することとなる。その結果、カーカスプライを被覆しているゴムとカーカスプライとの間にクラックが発生し、ゴムとカーカスプライとの間のセパレーションが起こり、カーカスプライの、タイヤ径方向外側への引張力に抗する係止力が低下するので、カーカスプライの引き抜け及びそのことに伴うビード部の破壊を招く虞がある。
そこで、特許文献1では、カーカスプライをビードコアの周りに巻付けて、カーカスプライの折返し端部をビード部の歪みの少ない領域に配置して、カーカスプライを被覆しているゴムとカーカスプライとのセパレーションを抑制する空気入りタイヤの製造方法及びかかる製造方法により製造された空気入りタイヤが提案されている。また、カーカスプライをビードコアに巻付けることで、空気入りタイヤが負荷転動時に、カーカスプライの、タイヤ径方向外側への引張力に抗する係止力が向上し、カーカスプライのビード部からの引き抜けを抑制している。更に、繰返し倒れ込み変形しやすい領域に硬質ゴムにより構成される補強部材を配設することで、ビード部の倒れ込みを防止して、カーカスプライとゴムとのセパレーションを抑制している。
また、特許文献2では、コードを周方向に連続巻回することで構成される補強部材を、カーカスプライをビードコアとともに挟み込むように配設することで、カーカスプライの引き抜けを防止した空気入りタイヤが提案されている。
特開平8−40026号公報 特開2001−191758号公報
これら特許文献1及び2に記載された空気入りタイヤは、カーカスプライをビードコアに巻き付けるために予めローラー等でカーカスプライを塑性変形させているが、これが製造効率を高める上での障害となっている。また、塑性変形されたカーカスプライは、その塑性変形箇所において強力が低下することから、タイヤ負荷転動時にカーカスプライが破壊される虞がある。
したがって、この発明の目的は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、製造効率を維持しつつ、高い精度でタイヤ構成部材を配置し、大幅にビード部耐久性を向上した空気入りタイヤの製造方法及びかかる製造方法により製造される空気入りタイヤを提供することにある。
上記の目的を達成するため、第一発明は、製品タイヤの内面形状とほぼ対応する外面形状を有する剛体コア上に、タイヤ構成部材を配置して生タイヤを形成するタイヤの製造方法において、カーカスプライの剛体コア幅方向外側にリング状のビードコアを配置する工程と、カーカスプライの端部を、ビードコアの周りに沿って剛体コア幅方向内側から剛体コア幅方向外側に向かって折り返す第一折返し工程と、カーカスプライの端部を、ビードコアの周りに沿って剛体コア径方向内側からタイヤ径方向外側に向かって折り返す第二折返し工程と、カーカスプライの端部を、ビードコアの周りに沿ってタイヤ幅方向外側から剛体コア幅方向内側に向かって折り返す第三折返し工程と、カーカスプライの端部をビードコアに押し付けて拘束する拘束部材を、拘束部材とビードコアとの間にカーカスプライを挟み込むように、ビードコア及びカーカスプライの剛体コア径方向外側に配置する工程とを含むことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法である。かかる製造方法により、カーカスプライを完全に塑性変形することなく迅速にビードコアの周りに巻き付けることができ、かつカーカスプライの端部をビードコアと拘束部材で狭持するのでカーカスプライの引き抜けを有効に防止することができる。
また、第一、第二及び第三折返し工程のうち、少なくとも一つの折返し工程においてカーカスプライの端部を弾性的に折り返すことが好ましい。ここで、「弾性的」とは、荷重を取り除いたときに、完全に元の状態に復元するもののみならず、若干の塑性変形により残留ひずみを生じるものを含むものとし、具体的には残留ひずみを生じるものも含むものとする。
更に、剛体コア上にて、少なくとも一本のコードを実質的に剛体コア周方向に螺旋状に連続巻回しながら配置して、拘束部材を構成する工程を更に含むことが好ましい。ここで、「実質的に剛体コア周方向」とは、一本のコードを螺旋状に連続巻回して補強層を形成する場合等、生産上不可避的に発生する微小な傾きも含むことを意味するものである。
更にまた、カーカスプライの倒れ込み変形を防止する補強部材を、タイヤのビード部に対応するカーカスプライ及び剛体コアの間に配置する工程を更に含むことが好ましい。
加えて、剛体コア上にて、一本のコードを実質的に剛体コア周方向に螺旋状に連続巻回しながら配置して、補強部材を構成する工程を更に含むことが好ましい。
第二発明は、前記空気入りタイヤの製造方法により製造されることを特徴とする空気入りタイヤである。
第三発明は、ビードコアを埋設した一対のビード部、ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部、並びに両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部の各部にわたってトロイド状に延びる少なくとも一枚のカーカスプライを具え、カーカスプライはビードコアの周りに沿って折り返されてなる空気入りタイヤにおいて、空気入りタイヤは、ビード部に拘束部材を更に具え、かかる拘束部材のタイヤ径方向最内端は、ビードコアのタイヤ径方向最外端よりもタイヤ径方向内側に配置され、ビードコアとともにカーカスプライの端部を挟み込むことを特徴とする空気入りタイヤである。ここで、「ビードコアのタイヤ径方向最外端」とは、ビードコアのタイヤ径方向における最も外側の位置をいい、「拘束部材のタイヤ径方向最内端」とは、拘束部材のタイヤ径方向における最も内側の位置をいうものとする。
また、第三発明の空気入りタイヤにおいて、カーカスプライは弾性的に折り返されてなることが好ましい。
更に、第三発明の空気入りタイヤにおいて、拘束部材は、少なくとも一本のコードを実質的にタイヤ周方向に螺旋状に連続巻回して構成されることが好ましい。
更にまた、拘束部材を構成するコードは金属コード又は有機繊維コードであることが好ましい。
加えて、第三発明の空気入りタイヤにおいて、ビード部に対応するカーカスプライ及びビードコアのタイヤ幅方向内側に補強部材を配置してなることが好ましい。
加えてまた、第三発明の空気入りタイヤにおいて、補強部材は、一本のコードを実質的にタイヤ周方向に螺旋状に連続巻回して構成されることが好ましい。
また、拘束部材及び補強部材を構成するコードは金属コード又は有機繊維コードであることが好ましい。
更に、補強部材のタイヤ径方向外側の端部は、ビードコアのタイヤ径方向最外端よりもタイヤ径方向外側にあることが好ましい。
更にまた、補強部材のタイヤ径方向内側の端部は、ビードコアのタイヤ径方向最内端よりもタイヤ径方向内側にあることが好ましい。ここで、「ビードコアのタイヤ径方向最内端」とは、ビードコアのタイヤ径方向における最も内側の位置をいうものとする。
この発明によれば、製造効率を維持しつつ、高い精度でタイヤ構成部材を配置し、大幅にビード部耐久性を向上した空気入りタイヤの製造方法及びかかる製造方法により製造される空気入りタイヤを提供することが可能となる。
次に、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1(a)〜(f)は、この発明に従う代表的な空気入りタイヤ(以下「タイヤ」という。)の製造方法の概略を示す剛体コア幅方向左半断面図である。なお、かかるタイヤの製造方法は、製品タイヤの内面形状とほぼ対応する外面形状を有する剛体コア上に、各種タイヤ構成部材を貼り付けて生タイヤを形成し、これを剛体コアとともに加硫することによってタイヤを製造する方法である、いわゆるコア製法(3次元製法)の一種である。
コア製法は製品タイヤの内面形状とほぼ対応する外面形状を有する剛体コア上にタイヤ構成部材を積層して生タイヤを形成するため、成型ドラム上に2次元的にタイヤ構成部材を配置した後、これをブラダ等により拡径変形させて生タイヤを形成する従来の製造方法に比べて、タイヤ構成部材を意図した位置に正確に配置することができるという利点がある。また、剛体コア上に直接構成部材を形成するため、構成部材の切り替えが不要となり、多サイズ、同時生産が可能となり、かつ中間材料を保管する必要もなくなるという利点もある。これらの利点から、コア製法は今後のタイヤ製造の主流となることが期待されている。更に、カーカスプライがビードコアの周面に巻き付くようにタイヤ幅方向内側に曲げられると、カーカスプライの端部への応力集中を回避でき、ビード部の耐久性が向上する。このようにカーカスプライをビードコアの周面に巻き付けるためには、予めローラー等でカーカスプライを塑性的に変形させ、くせ付けを行う必要があり、これを行わなければ、加硫工程により構成部材が相互に接着するまでの間にカーカスプライが弾性力により元の形状に復元し、適正なビード部形状を保てなくなる。しかし、コア製法では、予め塑性的にくせ付けを行ってビードコア周面に巻き付けることは困難であり、非効率的でもあった。
この発明に従うタイヤの代表的な製造方法は、図1(a)〜(f)に示すように、製品タイヤの内面形状とほぼ対応する外面形状を有する剛体コア1上に、タイヤ構成部材を貼り付けて生タイヤを形成するタイヤの製造方法である。まず、図1(a)に示すように、補強部材2を剛体コア1の外周面上に貼り付け、次いで、カーカスプライ3の中央領域を剛体コア1上に貼り付け、端部領域を保持ステージ5の上に載置する。そして、図1(b)に示すように、カーカスプライ3の幅方向外側にビードコア4を置き、これを剛体コア幅方向外側から剛体コア幅方向内側に移動させることで、カーカスプライの端部6をビードコア4の周りに沿って剛体コア幅方向外側に折り返す。それから、図1(c)に示すように、ロック手段7を剛体コア径方向内側から剛体コア径方向外側に移動させることで、カーカスプライ3をビードコア4とロック手段7との間に固定する。そして、図1(d)に示すように、第一折返し手段8を剛体コア径方向内側から剛体コア径方向外側に向かって移動させることで、カーカスプライの端部6をビードコア4の周りで折り返して、カーカスプライの端部6を剛体コア幅方向外側から剛体コア幅方向内側に向かって折り返す。次いで、図1(e)に示すように、第二折返し手段9を剛体コア幅方向外側から剛体コア幅方向内側に向かって移動させることで、カーカスプライの端部6を、ビードコア4の周りに沿って剛体コア幅方向外側から剛体コア幅方向内側に向かって折り返す。このようにして、カーカスプライの端部6をビードコア4の周りでくせ付けした後、図1(f)に示すように、ビードコア4の外径よりも大きい内径を有するリング状の拘束部材10を、カーカスプライの端部6のタイヤ幅方向外側に配置し、拘束部材10とビードコア4とでカーカスプライの端部6を挟み込む。かかる代表的な製造方法により、カーカスプライ3をビードコア4の周りに一時的にくせ付けを行いながら弾性的に巻き付けることができるので、カーカスプライ3をビードコア4に迅速に巻き付けることが可能となる。
なお、図示の例では、剛体コア1上でカーカスプライの端部6の折り返しを行っているが、その一部又は全部を剛体コアの外方で行うこともできる。例えば、以下に説明する方法とすることができる。まず、図1(a)に示すように、保持ステージ5の上にカーカスプライの端部6を載置した後、カーカスプライ3のビード部に対応する部分を剛体コア1上に貼り付ける前に、保持ステージ5において、カーカスプライの端部6をビードコアの周りに弾性的に巻き付ける。次いで、ビードコア4の外径よりも大きい内径を有するリング状の拘束部材10を、ビードコア4とともにカーカスプライ3を挟み込むように、カーカスプライの端部6及びビードコア4の剛体コア幅方向外側に配置する。それから、カーカスプライ3により巻き回され、拘束部材10により拘束されたビードコア4部分を剛体コア1上に貼り付ける。なお、図示の例では、剛体コア1上でカーカスプライの端部6を折り返していることから、剛体コア1上で空間的な制約が発生し、カーカスプライの端部6を折り返す操作がやや困難であるのに対し、この製造方法では、カーカスプライの端部6を剛体コア1の外方で折り返すことから、空間的な余裕を充分に確保することができ、カーカスプライの端部6を折り返す操作2が容易となる。また、このとき、カーカスプライの端部6の剛体コア4への巻き付けは、複数の折返し手段を用いて順次に巻き付けても良いが、例えば単一のブラダを用いて連続的に巻き付けても良い。
更に、第一、第二及び第三折返し工程のうち、少なくとも一つの折返し工程においてカーカスプライの端部6を弾性的に折り返すことが好ましく、より好ましくは全ての折返し工程において弾性的に折り返される。なぜなら、カーカスプライ3を塑性的に変形させると、塑性変形させることに時間及び手間がかかり、タイヤ製造の生産性を低下させるからである。また、一般的なタイヤの場合、塑性変形後のカーカスプライ3の破断強力は、塑性変形前のそれの70%程度にまで低下するが、このように弾性的に変形させると、破断強力の低下を抑制することができるからである。好ましくは、変形前の真直ぐなカーカスプライ3の破断強力の80%以上の破断強力を有するように変形する。
更にまた、剛体コア上にて、複数本のコードを平行配置してゴム被覆したものであってもよいが、一本のコードを実質的にタイヤ周方向に螺旋状に連続巻回しながら配置して、拘束部材10を構成する工程を更に含むことが好ましい。なぜなら、拘束部材10は、コア製法の利点を活かす観点からは、一本のゴム引きコードを剛体コア3上で円周に沿って螺旋状に巻回して形成することが好ましいからである。
加えて、カーカスプライ3の倒れ込み変形を防止する補強部材2を、タイヤのビード部に対応するカーカスプライ3及び剛体コア1の間に配置する工程を更に含むことが好ましい。なぜなら、かかる補強部材2をカーカスプライ3に隣接して配設することで、ビード部の倒れ込み変形しやすい領域の剛性が高まり、タイヤ負荷転動時等に生ずるタイヤ幅方向外側へのビード部の倒れ込み変形が有効に抑制されるので、ビード部耐久性が一層向上する可能性があり、また、補強部材2をカーカスプライ3に沿って配設することで、タイヤ負荷転動時にビード部領域におけるカーカスプライ3にかかるタイヤ径方向外側への張力を補強部材2と併せて負担することとなり、張力に起因したカーカスプライの引き抜けを防止することができるので、ビード部耐久性が一層向上する可能性があるからである。このような補強部材2を配設する場合でも、この発明の製造方法によれば、製品タイヤの形状に近い剛体コア1上に補強部材2を貼り付けるので、位置的な精度が高く、品質の安定したタイヤが得られる。
加えてまた、剛体コア上にて、一本のコードを実質的に剛体コア周方向に螺旋状に連続巻回しながら配置して、補強部材2を構成する工程を更に含むことが好ましい。なぜなら、補強部材2は、コア製法の利点を活かす観点からは、一本のゴム引きコードを剛体コア1上で円周に沿って螺旋状に巻回して形成することが好ましいからである。
上述した方法により製造される代表的なタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面を図2に示す。かかるタイヤは、カーカスプライ3の折返し部がビードコア4の周面に弾性的に巻き付けられていることから、カーカスプライの端部6への応力集中を回避でき、カーカスプライ3を塑性変形することなく巻付けることから、塑性変形に起因したビード部耐久性の低下を抑制することができ、かつカーカスプライの端部6をビードコア4と拘束部材10で挟持していることから、カーカスプライ3の引き抜けを有効に防止することができ、よってビード部耐久性が飛躍的に向上する。
また、ビードコアを埋設した一対のビード部、ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部、並びに両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部の各部にわたってトロイド状に延びる少なくとも一枚のカーカスプライ3を具え、カーカスプライ3はビードコア4の周りに折り返されるタイヤにおいて、かかるタイヤは、ビード部に拘束部材10を更に具え、かかる拘束部材10のタイヤ径方向最内端は、ビードコア4のタイヤ径方向最外端よりもタイヤ径方向内側に配置され、ビードコア4とともにカーカスプライの端部6を挟み込むことを特徴とする空気入りタイヤである。かかるタイヤは、カーカスプライ3の折返し部がビードコア4の周面に巻き付けられていることから、カーカスプライの端部6への応力集中を回避でき、かつカーカスプライの端部6をビードコア4と拘束部材10で挟持していることから、カーカスプライ3の引き抜けを有効に防止することができ、よってビード部耐久性が飛躍的に向上する。なお、かかるタイヤは、円筒ドラム上にタイヤ構成部材を貼り付けた後に膨出拡張させて生タイヤの形状とする従来のシェーピング製法によっても製造することができるが、コア製法により製造することが特に好ましい。
更に、このタイヤにおいて、カーカスプライ3は弾性的に折り返されてなることが好ましい。なぜなら、カーカスプライ3を塑性的に変形させると、塑性変形させることに時間及び手間がかかり、タイヤの製造に時間を要し、生産性を低下させるからである。また、一般的なタイヤの場合、塑性変形後のカーカスプライ3の破断強力は、塑性変形前のそれの70%程度にまで低下するが、このように弾性的に変形させると、破断強力の低下を抑制することができるからである。好ましくは、変形前の真直ぐなカーカスプライ3の破断強力の80%以上の破断強力を有するように変形する。
更にまた、このタイヤにおいて、拘束部材10は、複数本のコードを平行配置してゴム被覆したものであってもよいが、一本のコードを実質的にタイヤ周方向に螺旋状に連続巻回して構成されることが好ましい。なぜなら、拘束部材10のタイヤ径方向最内端は、ビードコアのタイヤ径方向最外端よりもタイヤ径方向内側に配設されることから、構成済みの拘束部材10をかかる配設位置に据え付けることがその形状及び寸法から困難であり、コードを実質的にタイヤ周方向に螺旋状に連続巻回して構成することが好ましいからであり、また、コア製法の利点を活かす観点からは、一本のゴム引きコードを剛体コア1上で円周に沿って螺旋状に巻回して形成することが好ましいからである。
加えて、このタイヤにおいて、ビード部に対応するカーカスプライ3及びビードコア4のタイヤ幅方向内側に補強部材2を配置してなることが好ましい。なぜなら、かかる補強部材2をカーカスプライ3に隣接して配設することで、タイヤのビード部の倒れ込み変形しやすい領域の剛性を高め、タイヤ負荷転動時等に生ずるタイヤ幅方向外側へのビード部の倒れ込み変形が有効に抑制されるので、タイヤのビード部耐久性が一層向上する可能性があるからである。
加えてまた、このタイヤにおいて、補強部材2は、複数本のコードを平行配置してゴム被覆したものであってもよいが、一本のコードを実質的にタイヤ周方向に螺旋状に連続巻回して構成されることが好ましい。なぜなら、補強部材2は、コア製法の利点を活かす観点からは、一本のゴム引きコードを剛体コア1上で円周に沿って螺旋状に巻回して形成することが好ましいからである。
また、拘束部材10及び/又は補強部材2を構成するコードは金属コード又は有機繊維コードであることが好ましい。なぜなら、車種に応じて充分な柔軟性及び強度を具えたコードが用いられない場合には、タイヤ負荷転動時に、倒れ込み変形を充分に抑制することができなくなり、カーカスプライ3とゴムとのセパレーションが発生し易くなるとともに、カーカスプライのビード部への係止力が充分に向上されずに、カーカスプライ3のビード部からの引き抜けも充分に防止することができなくなる可能性があるからである。例えば、乗用車用タイヤにおける拘束部材10及び/又は補強部材2を構成するコードは、それ程高い剛性を必要としないことから、むしろ重量を軽くすることが重要となり、一般に剛性はそれほど高くないが単位体積当たりの重量が比較的小さい特性を有する有機繊維コードを用いることが好ましいが、バス、トラック、農業機械、建設車両等に用いられる重荷重用タイヤにおける拘束部材10及び/又は補強部材2を構成するコードは、高い剛性を必要とすることから、一般に単位体積当たりの重量は大きいが剛性が高い特性を有する金属コードとすることが好ましい。なお、金属コードとしては、例えば、単線からなるスチールコード、複数線を撚ったスチールコード等を、有機繊維コードとしては、例えば、レーヨンコード、アラミド(芳香族ポリアミド)コード等を用いることが好ましい。また、ビード部を構成するゴムの種類、ビードコア4の剛性や断面形状等に応じて、コードの寸法を適宜変更することが可能である。更に、コードとコードを被覆しているゴムとの剥離を防止するために、コードは、タイヤ負荷転同時の倒れ込み形状にある程度追従するように変形することができる材料のものとすることが好ましい。
更に、補強部材2のタイヤ径方向外側の端部は、ビードコア4のタイヤ径方向最外端よりもタイヤ径方向外側にあることが好ましい。なぜなら、補強部材2のタイヤ径方向外側の端部がビードコア4のタイヤ径方向最外端よりもタイヤ径方向内側にある場合には、ビードコア4のタイヤ径方向最外端近傍における倒れ込み変形を充分に防止することができずに、倒れ込み変形した際に、ビードコア4のタイヤ径方向最外端に応力が集中し、ビードコア4とゴムとのセパレーションが発生し易くなる可能性があるからである。
更にまた、補強部材2のタイヤ径方向内側の端部は、ビードコア4のタイヤ径方向最内端よりもタイヤ径方向内側にあることが好ましい。なぜなら、補強部材2のタイヤ径方向内側の端部がビードコア4のタイヤ径方向最内端よりもタイヤ径方向内側にあることにより、ビードコア4と補強部材2でカーカスプライ3を挟み込む領域が増加し、挟み込みの効果が向上するので、カーカスプライ3の引き抜けがより発生しにくくなる可能性があるからである。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したにすぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、図2には、複数本のコードで拘束部材10を構成した態様を示したが、拘束部材10はこれに限定されず、例えば板状体や棒状体をリング状に折り曲げたものを用いることもできる。また、図1及び2に示した例では、一層の補強部材2を配設しているが、かかる構成は必須ではなく、タイヤに要求される性能に応じてこれを省略したり、二層以上としたりすることもできる。
次に、この発明に従うタイヤを試作し性能評価を行ったので、以下に説明する。
実施例のタイヤは、タイヤサイズが11R22.5のトラック・バス用タイヤであり、図2に示すようなビード部構造を有している。このタイヤは、コア製法により製造されたものであり、カーカスプライをビードコアに沿って弾性的に折り返し、ビードコアのタイヤ径方向外側に配置したカーカスプライの端部のタイヤ径方向外側に拘束部材を配置し、ビード部に対応するカーカスプライ及びビードコアのタイヤ幅方向内側に補強部材を配置したものである。
実施例タイヤとの比較のため、フラットなドラム上に構成部材を順次配置して、これを膨出拡張させることで所要の形状に成型する従来のシェーピング製法により製造される実施例タイヤと同じタイヤサイズの従来例タイヤについても併せて試作した。かかる従来例タイヤは、図3に示すようなビード部構造を有し、ビード部において、カーカスプライの折返し部がビードコアの周面に沿って塑性的に巻き付けられており、ワイヤチェーファからなる補強部材が、ビード部に対応するカーカスプライ及びビードコアのタイヤ幅方向内側から、ビードコアを巻回しているカーカスプライを覆うように巻き付けられている。また、このとき、かかる補強部材のタイヤ幅方向外側及び内側の端部は、ビードコアのタイヤ径方向最外端よりもタイヤ径方向外側に位置している。
(製造効率)
従来のコア製法による製造方法及びこの発明に従うコア製法による製造方法において、カーカスプライをビードコアへ巻き付ける作業に要した時間を測定し、これにより製造効率を評価した。その結果、この発明に従うコア製法による製造方法では、カーカスプライのくせ付け工程を省略できるために、くせ付け工程を含む従来のコア製法による製造方法よりも作業時間が短縮された。
(ビード部耐久性)
前記各供試タイヤをサイズ8.25×22.5のリムに装着してタイヤ車輪とし、このタイヤ車輪に空気圧700kPa(相対圧)を適用し、正規荷重の200%の負荷をかけ、走行速度60km/h、温度46℃の条件下においてドラム試験機上を走行させ、ビード部が破損して走行することができなくなるまでの距離を調べることにより、ビード部耐久性を評価した。その結果、従来例タイヤでは10000kmでビード部が破損して走行することができなくなったところ、実施例タイヤではそれよりも長い14000kmでビード部が破損して走行することができなくなった。
したがって、実施例のタイヤは、比較例のタイヤに比べて、製造効率が高く、かつビード部耐久性が高いことが分かった。
以上の説明から明らかなように、この発明によって、製造効率が高く、かつ大幅にビード部耐久性を向上したタイヤの製造方法及びかかる製造方法により製造されるタイヤを提供することが可能となった。
この発明に従う代表的なタイヤの製造方法の概略を示すタイヤ幅方向左半断面図である。 この発明に従う代表的なタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面図である。 従来例タイヤのビード部のタイヤ幅方向断面図である。
符号の説明
1 剛体コア
2 補強部材
3 カーカスプライ
4 ビードコア
5 保持ステージ
6 カーカスプライの端部
7 ロック手段
8 第一折返し手段
9 第二折返し手段
10 拘束部材

Claims (15)

  1. 製品タイヤの内面形状とほぼ対応する外面形状を有する剛体コア上に、タイヤ構成部材を配置して生タイヤを形成するタイヤの製造方法において、
    カーカスプライの剛体コア幅方向外側にリング状のビードコアを配置する工程と、
    前記カーカスプライの端部を、前記ビードコアの周りに沿って剛体コア幅方向内側から剛体コア幅方向外側に向かって折り返す第一折返し工程と、
    前記カーカスプライの端部を、前記ビードコアの周りに沿って剛体コア径方向内側から剛体コア径方向外側に向かって折り返す第二折返し工程と、
    前記カーカスプライの端部を、前記ビードコアの周りに沿って剛体コア幅方向外側から剛体コア幅方向内側に向かって折り返す第三折返し工程と、
    前記カーカスプライの端部を前記ビードコアに押し付けて拘束する拘束部材を、該拘束部材と前記ビードコアとの間に前記カーカスプライを挟み込むように、前記ビードコア及びカーカスプライの剛体コア径方向外側に配置する工程とを含むことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記第一、第二及び第三折返し工程のうち、少なくとも一つの折返し工程において前記カーカスプライの端部を弾性的に折り返す、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記剛体コア上にて、少なくとも一本のコードを実質的に剛体コア周方向に螺旋状に連続巻回しながら配置して、前記拘束部材を構成する工程を更に含む、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記カーカスプライの倒れ込み変形を防止する補強部材を、前記ビード部に対応する前記カーカスプライ及び剛体コアの間に配置する工程を更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記剛体コア上にて、一本のコードを実質的にタイヤ周方向に螺旋状に連続巻回しながら配置して、前記補強部材を構成する工程を更に含む、請求項4に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤの製造方法を用いて製造される空気入りタイヤ。
  7. ビードコアを埋設した一対のビード部、該ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部、並びに両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部の各部にわたってトロイド状に延びる少なくとも一枚のカーカスプライを具え、該カーカスプライは該ビードコアの周りに沿って折り返されてなる空気入りタイヤにおいて、
    該空気入りタイヤは、該ビード部に拘束部材を更に具え、該拘束部材のタイヤ径方向最内端は、前記ビードコアのタイヤ径方向最外端よりもタイヤ径方向内側に配置され、該ビードコアとともに前記カーカスプライの端部を挟み込むことを特徴とする空気入りタイヤ。
  8. 前記カーカスプライは前記ビードコアの周りに弾性的に折り返されてなる、請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記拘束部材は、少なくとも一本のコードを実質的にタイヤ周方向に螺旋状に連続巻回して構成される、請求項7又は8に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記拘束部材を構成するコードは金属コード又は有機繊維コードである、請求項7〜9のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記ビード部に対応する前記カーカスプライ及びビードコアのタイヤ幅方向内側に補強部材を配置してなる、請求項7〜10のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記補強部材は、一本のコードを実質的にタイヤ周方向に螺旋状に連続巻回して構成される、請求項11に記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記補強部材を構成するコードは金属コード又は有機繊維コードである、請求項11又は12に記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記補強部材のタイヤ径方向外側の端部は、前記ビードコアのタイヤ径方向最外端よりもタイヤ径方向外側にある、請求項11〜13のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  15. 前記補強部材のタイヤ径方向内側の端部は、前記ビードコアのタイヤ径方向最内端よりもタイヤ径方向内側にある、請求項11〜14のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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