JP2008172055A - 窒化物半導体装置及びそれを用いた電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体層内部に発生する電界を低減し、耐圧を向上できる窒化物半導体装置を提供する。
【解決手段】チャネル層を形成する第1の窒化物半導体層3、及びそれより禁制帯幅が広く窒化物半導体層3に対し障壁層となる層を含む第2の窒化物半導体層4を含む半導体層と、この半導体層3,4上に互いに間隔を隔てて形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、半導体層3,4上のソース電極5とドレイン電極6との間の領域に形成されたゲート電極7とを備え、少なくともゲート電極7とドレイン電極6との間に存在する半導体層3,4にはフッ素を含む少なくとも1つのフッ素導入領域9が備えられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は窒化物半導体装置及びそれを用いた電力変換装置に関し、特に、高耐圧動作が要求される大電力用途に好適な窒化物半導体装置及びそれを用いた電力変換装置に関する。
窒化物半導体材料を用いた半導体素子は、材料が本質的に持つ特性から、高耐圧で大電流動作が可能な電力用素子として有望視されている。なかでもAlGaN/GaNヘテロ接合を用いた電界効果トランジスタ(以下、HFET(Heterojunction Field Effect Transistor)と称す。)及びダイオードは、ヘテロ接合界面に形成される2次元電子ガスを用いることによって低いオン抵抗を実現できることから、損失の低い素子として注目されている。
図21は従来の窒化物半導体を用いた窒化物半導体装置の一例(以下、「従来例」と呼ぶ。)である、HFETの主要部分の構成を示した断面図である。図21を参照して、従来例の窒化物半導体装置であるHFET180は、基板101と、基板101上に形成されたGaNからなるチャネル層103と、チャネル層103上に形成されたAlGaNからなる障壁層104と、障壁層104上に互いに間隔を隔てて形成されたソース電極105及びドレイン電極106と、障壁層104上の、ソース電極105及びドレイン電極106の間に形成されたゲート電極107と、障壁層104上の、ソース電極105、ドレイン電極106、及びゲート電極107が形成された領域以外の領域に形成された絶縁膜108とを含む。
この構成を有するHFET180においては、GaNとAlGaNとのヘテロ接合界面のGaN側には、正の分極電荷による電界の影響により2次元電子ガスが発生する。この2次元電子ガスによってチャネル層が形成される。
このHFET180では、バイアス電圧として、ソース電極105に対してドレイン電極106に正の電圧が印加される。HFET180に電流が流れないいわゆるオフ動作時の状態では、ゲート電極107−ドレイン電極106間においてチャネル層の一部又は全部が空乏化している。このとき、障壁層104及びチャネル層103の内部における電界は、ヘテロ接合界面における正の分極電荷による電界の影響により、ゲート電極107のドレイン電極106側端において最も高くなることが、例えば非特許文献1に示されている(非特許文献1のFig.2)。
シュリーパッド・カーマルカー他、「フィールドプレートを用いたAlGaN/GaN高電子移動度トランジスタにおけるブレークダウン電圧の向上」、IEEE電子デバイス論文誌、第48巻第8号、pp.1515−1521、2001年(Shreepad Karmalkar et al.,「Enhancement of breakdown voltage in AlGaN/GaN high electron mobility transistors using a field plate」, IEEE Transaction on Electron Devices, vol.48, No.8,pp.1515-1521,2001.)
一般に半導体装置の耐圧は、半導体装置内部の空乏層を広げ、印加される電圧に対して半導体装置内部に発生する電界が低くなるようにすることによって向上させることができる。そのため、耐圧を必要とする電極間の距離を大きくし、空乏層が十分広がるような構造とすることによって、半導体装置内部に発生する電界を低くするという手法がとられることが多い。
しかし、空乏層内部に存在する電荷は半導体装置内部の電界を高めるとともに空乏層を広げるのを妨げる作用をする。そのため、電極間の距離をある程度以上離すと、空乏層が電極間における領域全体に広がる前に、半導体装置内部で最も電界の高い部分においてブレークダウンが発生する。
従来例に係る窒化物半導体装置(図21に示すHFET180等)では、上記非特許文献1に示されるように、ゲート電極107のドレイン電極106側端において最も電界が高くなる。このため、電極間距離をある程度以上大きくしても、この部分でブレークダウンが発生する。したがって、電極間距離を大きくすることによる耐圧の向上には限界がある。
本発明は、上記のような従来の窒化物半導体装置における問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体層内部に発生する電界を低減し、耐圧を向上することのできる窒化物半導体装置を提供することである。
本発明の他の目的は、当該窒化物半導体装置を用いることにより、低損失で高効率動作が可能な電力変換装置を提供することである。
本発明の目的を達成するために、本発明の第1の局面に係る窒化物半導体装置は、少なくともチャネル層を形成する第1の窒化物半導体層、及び第1の窒化物半導体層よりも禁制帯幅が広く第1の窒化物半導体層に対して障壁層となる層を少なくとも1層含んでなる第2の窒化物半導体層を含む半導体層と、半導体層上に互いに間隔を隔てて形成されたソース電極及びドレイン電極と、半導体層上のソース電極とドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極とを備え、少なくともゲート電極とドレイン電極との間に存在する半導体層にはフッ素を含んでなる少なくとも1つのフッ素導入領域が備えられている。
本発明の第2の局面に係る窒化物半導体装置は、少なくともチャネル層を形成する第1の窒化物半導体層、及び第1の窒化物半導体層よりも禁制帯幅が広く第1の窒化物半導体層に対して障壁層となる層を少なくとも1層含んでなる第2の窒化物半導体層を含む半導体層と、半導体層上に互いに間隔を隔てて形成されたソース電極及びドレイン電極と、半導体層上のソース電極及びゲート電極の間の領域に形成された絶縁膜と、絶縁膜上に形成されたゲート電極とを備え、少なくともゲート電極とドレイン電極との間に存在する半導体層にはフッ素を含んでなる少なくとも1つのフッ素導入領域が備えられている。
好ましくは、ゲート電極下の半導体層にはフッ素を含んでなる少なくとも1つのフッ素導入領域が備えられている。
好ましくは、フッ素導入領域は異なる2つ以上のフッ素濃度による複数の領域よりなる。
好ましくは、フッ素導入領域のうちフッ素の濃度が最も高い領域はゲート電極の下にある。
好ましくは、フッ素導入領域のフッ素の濃度はドレイン電極側からゲート電極側へ向かって高くなっている。
好ましくは、ソース電極及びドレイン電極のいずれか1つはチャネル層とオーム性接触している。
本発明の第3の局面に係る窒化物半導体装置は、少なくともチャネル層を形成する第1の窒化物半導体層、及び第1の窒化物半導体層よりも禁制帯幅が広く第1の窒化物半導体層に対して障壁層となる層を少なくとも1層含んでなる第2の窒化物半導体層を含む半導体層と、半導体層上に互いに間隔を隔てて形成されたアノード電極及びカソード電極とを備え、少なくともアノード電極とカソード電極との間に存在する半導体層にはフッ素を含んでなる少なくとも1つのフッ素導入領域が備えられている。
好ましくは、アノード電極下の半導体層にはフッ素を含んでなる少なくとも1つのフッ素導入領域が備えられている。
好ましくは、フッ素導入領域は異なる2つ以上のフッ素濃度による複数の領域よりなる。
好ましくは、フッ素導入領域のうちフッ素の濃度が最も高い領域はアノード電極の下にある。
好ましくは、フッ素導入領域のフッ素の濃度はカソード電極側からアノード電極側へ向かって高くなっている。
好ましくは、アノード電極の一部は第2の窒化物半導体層に対してショットキー接合を形成している。
好ましくは、アノード電極は電気的に接続された第1のアノード電極及び第2のアノード電極により構成されている。
好ましくは、第1のアノード電極及び第2のアノード電極は第2の窒化物半導体層に対してショットキー接合を形成し、第1のアノード電極と第2の窒化物半導体層におけるショットキー障壁の高さは第2のアノード電極と第2の窒化物半導体層におけるショットキー障壁の高さよりも高い。
好ましくは、第1のアノード電極は第2の窒化物半導体層に対してショットキー接合を形成し、第2のアノード電極はチャネル層とオーム性接触している。
好ましくは、フッ素導入領域のうちフッ素の濃度が最も高い領域は第1のアノード電極の下にある。
好ましくは、フッ素導入領域のフッ素の濃度はカソード電極側から第1のアノード電極側へ向かって高くなっている。
本発明の第4の局面に係る窒化物半導体装置は、少なくともチャネル層を形成する第1の窒化物半導体層、及び第1の窒化物半導体層よりも禁制帯幅が広く第1の窒化物半導体層に対して障壁層となる層を少なくとも1層含んでなる第2の窒化物半導体層を含む半導体層と、半導体層上に互いに間隔を隔てて形成されたアノード電極及びカソード電極と、半導体層上のアノード電極及びカソード電極の間の領域に形成された絶縁膜と、絶縁膜上に形成されたゲート電極とを備え、アノード電極とゲート電極は電気的に接続され、少なくともゲート電極とカソード電極との間に存在する半導体層にはフッ素を含んでなる少なくとも1つのフッ素導入領域が備えられている。
好ましくは、ゲート電極下の半導体層にはフッ素を含んでなる少なくとも1つのフッ素導入領域が備えられている。
好ましくは、フッ素導入領域は異なる2つ以上のフッ素濃度による複数の領域よりなる。
好ましくは、フッ素導入領域のうちフッ素の濃度が最も高い領域はゲート電極の下にある。
好ましくは、フッ素導入領域のフッ素の濃度はカソード電極側からゲート電極側へ向かって高くなっている。
好ましくは、アノード電極の一部は第2の窒化物半導体層に対してショットキー接合を形成している。
好ましくは、アノード電極は、チャネル層とオーム性接触している。
好ましくは、アノード電極とゲート電極は同じ電極材料によって構成されている。
好ましくは、カソード電極はチャネル層とオーム性接触している。
好ましくは、第1の窒化物半導体層はInGa1−xN(ただし、0≦x≦1)であり、第2の窒化物半導体層はAlGa1−yN(ただし、0≦y≦1)である。
好ましくは、第1の窒化物半導体層はAlGa1−xN(ただし、0≦x<1)であり、第2の窒化物半導体層はAlGa1−yN(ただし、0<x<y≦1)である。
本発明の第5の局面に係る電力変換装置は、上記窒化物半導体装置を備える。
本発明に係る窒化物半導体装置によれば、フッ素導入領域を備えることによって半導体層内部で発生している正の分極電荷による電界を低減することができるため、耐圧が高い、又はオン抵抗が小さく損失の小さい窒化物半導体装置を得ることができる。
また本発明に係る電力変換装置によれば、半導体装置として上記窒化物半導体装置を備えるため、低損失で高効率動作が可能な電力変換装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一部分には同一符号を付す。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[第1の実施の形態]
図1は本発明の第1の実施の形態に係る窒化物半導体装置である電界効果トランジスタ80の構成を示す断面図である。図1を参照して、この電界効果トランジスタ80は、シリコン(Si)からなる基板1と、基板1の主表面上に形成されたAlNからなるバッファ層2と、バッファ層2上に形成された、アンドープGaNからなる第1の窒化物半導体層3と、第1の窒化物半導体層3上に形成され、第1の窒化物半導体層3よりも禁制帯幅の広いアンドープAlGaN層からなる第2の窒化物半導体層4とを含む。第1の窒化物半導体層3と第2の窒化物半導体層4のヘテロ接合界面には正の分極電荷による電界の影響によって2次元電子ガスが発生し、第1の窒化物半導体層3側にチャネル層が形成される(図示せず)。
電界効果トランジスタ80はさらに、第2の窒化物半導体層4上に、第2の窒化物半導体層4を介したトンネル電流機構によって、第1の窒化物半導体層3内に形成されたチャネル層とオーム性接触するようにTi/Alにより形成されたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5及びドレイン電極6の間の第2の窒化物半導体層4上に互いに間隔を隔てて形成されたNi/Auからなるゲート電極7と、第2の窒化物半導体層4の表面の、ソース電極5、ドレイン電極6及びゲート電極7が形成された部分以外の領域に形成されたSiN/SiOからなる絶縁膜8とを含む。ゲート電極7のドレイン電極6側端部直下からドレイン電極6側へかけての第2の窒化物半導体層4と、第1の窒化物半導体層3の上部とにはフッ素が導入され、フッ素導入領域9が形成されている。ゲート電極7は第2の窒化物半導体層4とショットキー接合を形成している。
図1に示すように、本実施の形態に係る電界効果トランジスタ80では、ゲート電極7とドレイン電極6との間に存在する第1及び第2の窒化物半導体層3及び4の一部にはフッ素を含むフッ素導入領域9が形成されている。フッ素は電気陰性度が大きく、負の電荷として作用する。そのため、フッ素導入領域9内では、第1の窒化物半導体層3と第2の窒化物半導体層4のヘテロ接合界面における正の分極電荷による電界が低減される。その結果、電界効果トランジスタ80にオフ動作時のバイアス電圧が印加されたとき、従来例で最も高かったゲート電極のドレイン電極側端における電界を低減できるとともに、ゲート電極7−ドレイン電極6間における空乏層をより広げることができるようになり、すなわち空乏層内における電界を低減することができ、電界効果トランジスタ80の耐圧を向上することが可能となる。
また、本実施の形態に係る電界効果トランジスタ80では、上述のように空乏層内における電界が低減されるため、従来例と比較してフッ素導入領域以外のヘテロ接合界面における電界を高くしても同じ耐圧を得ることが可能となる。そのため、フッ素導入領域以外の領域で従来例よりもヘテロ接合界面の電界の高い、すなわち2次元電子ガス濃度の高い電界効果トランジスタを作製しても、従来例と同じ耐圧の電界効果トランジスタ80を実現することができる。その結果、電界効果トランジスタ80が線形領域で動作する時のオン動作時における抵抗、すなわちオン抵抗を低くすることが可能となり、電界効果トランジスタ80の損失を低減することが可能となる。
なお、フッ素導入領域9は第1の窒化物半導体層3と第2の窒化物半導体層4のヘテロ接合界面を含む領域であればどこに備えられてもヘテロ接合界面において発生している正の分極電荷による電界を低減できる。しかし、本実施の形態のように、最も電界の高くなるゲート電極7のドレイン電極6側端にフッ素導入領域9を備えると、より効果的に電界効果トランジスタ80の耐圧を向上できる。このことは、以下の種々の実施の形態およびその変形例においても同様である。
以上のように、本実施の形態による電界効果トランジスタ80によれば、ゲート電極7とドレイン電極6との間に存在する第1及び第2の窒化物半導体層3及び4の一部にフッ素導入領域9を備えることによって、ヘテロ接合界面で発生している正の分極電荷による電界を低減できる。したがって、従来技術による電界効果トランジスタよりも空乏層内における電界を低減することができ、耐圧の高い電界効果トランジスタを提供できる効果がある。また、フッ素導入領域以外の領域で従来技術よりも2次元電子ガス濃度の高い電界効果トランジスタを作製しても、従来技術による電界効果トランジスタと同じ耐圧を有する電界効果トランジスタを実現することができるため、オン抵抗を低くすることができ、損失の小さい電界効果トランジスタを提供できる効果がある。
<第1の変形例>
図2は、図1に示す第1の実施の形態の電界効果トランジスタ80の変形例に係る電界効果トランジスタ82の断面図である。図2を参照して、この電界効果トランジスタ82は、第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタ80の第2の窒化物半導体層4に代えて、第2の窒化物半導体層4の、ソース電極5とドレイン電極6との間の一部を除去した形状の第2の窒化物半導体層12を含む。電界効果トランジスタ80はさらに、第1の実施の形態のゲート電極7に代えて、第2の窒化物半導体層12の開口した部分において第1の窒化物半導体層3と、その周囲において第2の窒化物半導体層12と、それぞれショットキー接合を形成するように第1の窒化物半導体層3及び第2の窒化物半導体層12上に形成されたゲート電極20を含む。
電界効果トランジスタ82はさらに、ゲート電極20のドレイン電極6側直下の第2の窒化物半導体層12内部及び第1の窒化物半導体層3の上部に形成されたフッ素導入領域9と、フッ素導入領域9に、ドレイン電極6側から接して形成され、フッ素導入領域9よりも低い濃度でフッ素が導入されたフッ素導入領域19とを含む。このようにフッ素導入領域を複数設けることによって、第1の窒化物半導体層3及び第2の窒化物半導体層12のヘテロ接合界面における正の分極電荷による電界をより低減することができ、電界効果トランジスタ82の耐圧をより高くできる。
ここで、フッ素導入領域の濃度はフッ素導入領域9の方がフッ素導入領域19よりも高くなっている。こうすることで、より電界の高いゲート電極20近傍での電界をより低減するとともに、ゲート電極20より遠い領域では正の分極電荷による電界を低減する効果を低くし、2次元電子ガスが存在しやすい状態となり、オン抵抗の低減を実現している。
<第2の変形例>
図3は、図1に示す窒化物半導体装置の第2の変形例に係る電界効果トランジスタ84の断面図である。図3を参照して、この変形例に係る電界効果トランジスタ84は、第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタ80の構成に加え、フッ素導入領域9にドレイン電極6側から接して形成された、第1の変形例に係るフッ素導入領域19と同様のフッ素導入領域19と、フッ素導入領域9にソース電極5側から接するようにゲート電極7の直下に形成され、フッ素導入領域9よりも高い濃度でフッ素が導入されたフッ素導入領域29とをさらに含む。
ここで、フッ素導入領域9,19及び29のフッ素濃度は、領域19が最も低く、ゲート電極7側へ行くに従って高くなり、ゲート電極7下の領域29が最も高くなっている。こうすることで、図2に示した第1の変形例に係る電界効果トランジスタ82と同様、電界効果トランジスタ84の耐圧の向上とオン抵抗の低減が可能となる。またこのとき、ゲート電極7下のフッ素導入領域29のフッ素濃度を、ゲート電極7の電圧が0V以上においてフッ素導入領域29におけるチャネル層が空乏化する程度に調整すると、ゲート電極7に電圧を印加していないときにソース電極5−ドレイン電極6間に電流が流れない、いわゆるノーマリオフ動作を実現できる。
[第2の実施の形態]
図4は本発明の第2の実施の形態に係る窒化物半導体装置である電界効果トランジスタ86の構成を示す断面図である。図4を参照して、本実施の形態に係る電界効果トランジスタ86は、図1に示す絶縁膜8に代えて、ゲート電極7に対応する位置に開口部を有さない絶縁膜22を含む。そして、図1に示すゲート電極7に代えて、ソース電極5及びドレイン電極6の間の、ゲート電極7と同じ位置で、絶縁膜22の表面に形成されたゲート電極24を含む。
ゲート電極24のドレイン電極6側の端部の絶縁膜22を隔てた直下の第2の窒化物半導体層4及び第1の窒化物半導体層3内には、第1の実施の形態と同様、フッ素導入領域9が形成されている。
電界効果トランジスタ86においては、ゲート電極24が第2の窒化物半導体層4上に形成された絶縁膜22の上に形成されており、MIS(Metal-Insulator-Semiconductor)型の電界効果トランジスタを形成している。これにより、ゲート電極24に流れるリーク電流が抑制され、電界効果トランジスタ86耐圧の向上が図られる。
ゲート電極24とドレイン電極6との間に存在する第1及び第2の窒化物半導体層3及び4の一部にはフッ素導入領域9が設けられている。これにより、図1に示す第1の実施の形態と同様、電界効果トランジスタ86の耐圧の向上及びオン抵抗の低減が可能となる。
<第1の変形例>
図5は、図4に示す電界効果トランジスタ86の変形例に係る電界効果トランジスタ88の断面図である。図5を参照して、この変形例に係る電界効果トランジスタ88は、図4に示す第2の窒化物半導体層4に代えて、図4に示すゲート電極24の領域に相当する領域の下の一部分が除去された第2の窒化物半導体層17を含む。除去された部分には、第1の窒化物半導体層3の表面まで達する開口部が形成されている。開口部にドレイン電極6側から接する部分には、フッ素導入領域9が設けられ、フッ素導入領域9のドレイン電極6側にはフッ素導入領域19が設けられている。
電界効果トランジスタ88はさらに、図4の絶縁膜22に代えて、ソース電極5及びドレイン電極6が形成された部分を除き、開口部を含めて第2の窒化物半導体層4及び第1の窒化物半導体層3の表面に形成された絶縁膜26と、図4に示すゲート電極24に代えて、第2の窒化物半導体層17の開口部及びその周辺部分の絶縁膜26の上に形成されたゲート電極28とを含む。
ここで、フッ素導入領域の濃度はフッ素導入領域9の方がフッ素導入領域19よりも高くなっている。こうすることで、より電界の高いゲート電極28近傍での電界をより低減するとともに、ゲート電極28より遠い領域では正の分極電荷による電界を低減する効果を低くし、2次元電子ガスが存在しやすい状態となり、オン抵抗の低減を実現している。その結果、図2に示す本第1の実施の形態と同様、電界効果トランジスタ88の耐圧の向上及びオン抵抗の低減が可能となる。
<第2の変形例>
図6は、図4に示す窒化物半導体装置の他の変形例である電界効果トランジスタ90の断面図である。この変形例に係る電界効果トランジスタ90は、図4に示す電界効果トランジスタ86の構成に加え、ゲート電極24下からドレイン電極6の間の第1及び第2の窒化物半導体層3及び4内に3つのフッ素導入領域9,19,29が存在する。フッ素の濃度は、フッ素導入領域19が最も低く、ゲート電極24に近くなるに従って高くなり、ゲート電極24下のフッ素導入領域29において最も高くなっている。
この構成により、図3に示す本発明の第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタ84と同様、電界効果トランジスタ90の耐圧の向上及びオン抵抗の低減が可能となる。またこのとき、ゲート電極24下のフッ素導入領域29のフッ素濃度を、ゲート電極24の電圧が0V以上においてフッ素導入領域29におけるチャネル層が空乏化する程度に調整すると、ゲート電極24に電圧を印加していないときにソース電極5−ドレイン電極6間に電流が流れない、いわゆるノーマリオフ動作を実現できる。
[第3の実施の形態]
図7は本発明の第3の実施の形態に係る窒化物半導体装置であるダイオード120の構成を示す断面図である。図7を参照して、ダイオード120は、基板1と、基板1上に形成されたバッファ層2と、バッファ層2上に形成された第1の窒化物半導体層3と、第1の窒化物半導体層3上に形成された第2の窒化物半導体層4と、第2の窒化物半導体層4上に形成された、Ti/Alにより構成されたアノード電極15とを含む。
第1の窒化物半導体層3と第2の窒化物半導体層4のヘテロ接合界面には正の分極電荷による電界の影響によって2次元電子ガスが発生し、第1の窒化物半導体層3側にチャネル層が形成される(図示せず)。アノード電極15は第2の窒化物半導体層4とショットキー接合を形成している。
ダイオード120はさらに、第2の窒化物半導体層4上にアノード電極15と間隔をおいて形成され、第2の窒化物半導体層4を介したトンネル電流機構によって第1の窒化物半導体層3内に形成されたチャネル層とオーム性接触しているTi/Alにより構成されたカソード電極16と、第2の窒化物半導体層4上の、アノード電極15及びカソード電極16が形成された領域以外の領域に形成された絶縁膜30とを含む。
アノード電極15下の領域の第2の窒化物半導体層4及び第1の窒化物半導体層3のうち、カソード電極16に近い側の一部、及び、アノード電極15とカソード電極16の間に存在する部分にはフッ素を含んでなるフッ素導入領域29及び9が形成されている。フッ素導入領域29及び9では、チャネル層内の2次元電子ガスの濃度がフッ素の導入されていない領域に比べて低下する。そのため、フッ素導入領域29及び9の上に形成されている部分のアノード電極15のショットキー障壁高さは、フッ素導入領域29及び9以外の上に形成されている部分のアノード電極15のショットキー障壁高さよりも高くなる。その結果、一種類のアノード電極15内において、異なる電流−電圧特性を示す複数のショットキー接合が形成される。
この構成において、アノード電極15に順方向バイアス電圧を印加すると、ショットキー障壁高さの低い、フッ素導入領域29及び9以外の上に形成されている部分のアノード電極15が先に機能して電流が流れる。そのため、ダイオード120ではより低いオン電圧が実現される。一方、アノード電極15に逆方向バイアス電圧を印加した場合には、フッ素導入領域29及び9からカソード電極16側に向かって、第1及び第2の窒化物半導体層3及び4内に空乏層が広がり、電流が遮断される。このようにして、この第3の実施の形態に係るダイオード120では整流特性が得られる。
本実施の形態に係るダイオード120では、アノード電極15下からカソード電極16の間にかけて、フッ素導入領域29及び9が形成されている。これらのフッ素導入領域29及び9によって、第1の窒化物半導体層3と第2の窒化物半導体層4とのヘテロ接合界面で発生している正の分極電荷による電界が低減される。そのため、空乏層内における電界を低減することができ、逆方向バイアス電圧が印加された際に空乏層をより広げることができるようになり、ダイオード120の耐圧を向上することが可能となる。
また、ダイオード120に逆方向バイアスが印加されると、アノード電極15のカソード電極16側端において最も電界が高くなる。本実施の形態では、最も電界の高くなるこの部分にフッ素導入領域9を備えており、より効果的に耐圧を向上できる。
また、本実施の形態に係るダイオード120では、上述のように空乏層内における電界が低減されるため、フッ素導入領域を備えない窒化物半導体装置であるダイオード(以下「比較例」と称す。)と比較してフッ素導入領域以外のヘテロ接合界面における電界を高くしても同じ耐圧を得ることが可能となる。そのため、フッ素導入領域以外の領域で比較例よりもヘテロ接合界面の電界の高い、すなわち2次元電子ガス濃度の高いダイオードを作製しても、比較例と同じ耐圧のダイオード120を実現することができる。その結果、ダイオードのオン抵抗を低くすることが可能となり、ダイオードの損失を低減することが可能となる。
以上のように、本実施の形態によるダイオード120によれば、逆方向バイアス電圧印加時にはダイオード120は、ショットキー障壁高さの高いダイオードとして機能するとともに、アノード電極15下からカソード電極16の間にかけて存在する第1及び第2の窒化物半導体層3及び4の一部にフッ素導入領域9及び29を備えることによって、ヘテロ接合界面で発生している正の分極電荷による電界を低減できる。このため、空乏層内における電界を低減することができ、第1の窒化物半導体層3及び第2の窒化物半導体層4内で空乏層をより広げることができ、耐圧の高いダイオードを提供できる効果がある。また、フッ素導入領域9及び29以外の領域で従来技術よりも2次元電子ガス濃度の高いダイオードを作製しても、従来技術によるダイオードと同じ耐圧のダイオードを実現することができるため、ダイオードのオン抵抗を低くすることができ、損失の小さいダイオードを提供できる効果がある。さらに、順方向バイアス電圧印加時には、ダイオード120はショットキー障壁高さの低いダイオードとして機能することにより、オン電圧を小さくすることができ、損失の小さいダイオードを提供できる効果がある。
[第4の実施の形態]
図8は本発明の第4の実施の形態に係る窒化物半導体装置であるダイオード122の構成を示す断面図である。図8を参照して、ダイオード122は、基板1と、基板1上に形成されたバッファ層2と、バッファ層2上に形成された第1の窒化物半導体層3と、第1の窒化物半導体層3上に形成された第2の窒化物半導体層4とを含む。
ダイオード122はさらに、第2の窒化物半導体層4上に互いに間隔を設けて形成された複合アノード電極200及びカソード電極16と、第2の窒化物半導体層4上の、カソード電極16及び複合アノード電極200が形成された領域以外の領域上に形成された絶縁膜32とを含む。
複合アノード電極200は、第2の窒化物半導体層4上にNi/Auで形成された第1のアノード電極25と、第1のアノード電極25の、カソード電極16とは反対側の側面に接するように第2の窒化物半導体層4上に形成された、Ti/Alからなる第2のアノード電極35とを含む。本実施の形態では、第1のアノード電極25は、第2のアノード電極35の上部を半分程度覆うように形成されている。この構成により、第1のアノード電極25と第2のアノード電極35とは電気的に接続されており、共同して複合アノード電極200を形成している。
第1のアノード電極25及び第2のアノード電極35は第2の窒化物半導体層4とショットキー接合を形成している。そして、第1のアノード電極25のショットーキー障壁の高さの方が、第2のアノード電極35のそれよりも高い。カソード電極16は第2の窒化物半導体層4を介したトンネル電流機構によって第1の窒化物半導体層3内に形成されたチャネル層とオーム性接触している。第1のアノード電極25下からカソード電極16の間の第1及び第2の窒化物半導体層3及び4の一部にはフッ素導入領域9及び19が形成されている。第1の実施の形態の変形例である図2に示したものと同様、フッ素導入領域9のフッ素濃度の方が、フッ素導入領域19におけるフッ素濃度よりも高くなっている。
この構成において複合アノード電極200に順方向バイアス電圧を印加すると、ショットキー障壁高さの低い第2のアノード電極35が先に機能して電流が流れる。その結果、ダイオード122のオン電圧を低くできる。一方、逆方向バイアス電圧を印加した場合には、フッ素導入領域9及び19からカソード電極16側に向かって第1及び第2の窒化物半導体層3及び4内において空乏層が広がる。その結果、複合アノード電極200とカソード電極16との間の電流が遮断される。このように、本第4の実施の形態に係るダイオード122によれば、整流特性が得られる。
本実施の形態では、第1のアノード電極25下からカソード電極16の間にかけてフッ素導入領域9及び19が形成されている。この構成により、第1の窒化物半導体層3と第2の窒化物半導体層4とのヘテロ接合界面で発生している正の分極電荷による電界を低減できる。そのため、空乏層内における電界を低減することができ、逆方向バイアス電圧が印加された際に空乏層をより広げることができるようになり、ダイオード122の耐圧を向上することが可能となる。このとき、フッ素導入領域をフッ素導入領域9及び19のように複数設けることによってヘテロ接合界面における正の分極電荷による電界をより低減し、耐圧をより高くすることが可能になる。また、フッ素導入領域9のフッ素濃度をフッ素導入領域19におけるよりも高くすることにより、より電界の高い第1のアノード電極25近傍での電界をより低減するとともに、第1のアノード電極25より遠い領域では正の分極電荷による電界を低減する効果を低くし2次元電子ガスが存在しやすい状態とすることによって、オン抵抗の低減を実現している。
また、本実施の形態に係るダイオード122では、上述のように空乏層内における電界が低減されるため、図7に示す第3の実施の形態であるダイオードと同様、フッ素導入領域を備えない窒化物半導体装置であるダイオードと比較してフッ素導入領域以外のヘテロ接合界面における電界を高くしても同じ耐圧を得ることが可能となる。これにより、ダイオードのオン抵抗を低くすることが可能となり、ダイオードの損失を低減することが可能となる。
以上のように、本実施の形態による窒化物半導体装置によれば、ショットキー障壁高さの異なる2種類のアノード電極からなる複合アノード電極を用いることによって、逆方向バイアス印加時にはショットキー障壁高さの高いダイオードとして機能するとともに、アノード電極下からカソード電極の間にかけて存在するフッ素導入領域9及びフッ素導入領域19によって、ヘテロ接合界面で発生している正の分極電荷による電界を低減できる。このため、空乏層内における電界を低減することができ、第1の窒化物半導体層3及び第2の窒化物半導体層4内で空乏層をより広げることができ、耐圧の高いダイオードを提供できる効果がある。また、フッ素導入領域9及び19以外の領域で従来技術よりも2次元電子ガス濃度の高いダイオードを作製しても、従来技術によるダイオードと同じ耐圧のダイオードを実現することができるため、オン抵抗を低くすることができ、損失の小さいダイオードを提供できる効果がある。さらに、順方向バイアス印加時には、ダイオード122はショットキー障壁高さの低いダイオードとして機能することにより、オン電圧を小さくすることができ、損失の小さいダイオードを提供できる効果がある。
<第1の変形例>
この第4の実施の形態では、図8に示すように第1のアノード電極25が第2のアノード電極35の上に覆い被さるように形成される構造によって電気的に接続されている。しかし本発明はこのような実施の形態には限定されない。変形例として、図9に示すような複合アノード電極202を用いてダイオード124を構成することもできる。図9を参照して、複合アノード電極202は、第2の窒化物半導体層4上に形成された第1のアノード電極36と、第1のアノード電極36の、カソード電極16と反対側の側面に接するように第2の窒化物半導体層4上に形成され、かつ第1のアノード電極36の上半分程度を覆うように形成された第2のアノード電極38とを含む。
第1のアノード電極36と第2のアノード電極38とがこのようにして互いに電気的に接続されることにより、複合アノード電極202が構成される。
なお、変形例としてはこのようなものに限定されない。例えば、第1及び第2のアノード電極が直接は接触せずに、その上に形成される配線電極等を介して電気的に接続される構造等を採用することもできる。
<第2の変形例>
図10は、図8に示す窒化物半導体装置の他の変形例に係るダイオード126の断面図である。図10を参照して、この変形例に係るダイオード126は、図8に示される構成に加え、第1のアノード電極25の下部の、カソード電極16とは反対側からフッ素導入領域9に接触する部分の第1の窒化物半導体層3及び第2の窒化物半導体層4に、フッ素導入領域29が形成されている。フッ素導入領域29のフッ素の濃度は、フッ素導入領域9よりも高く選ばれる。こうすることで、図8に示した第2の実施の形態に係るダイオード122と同様、ダイオード126の耐圧の向上とオン抵抗の低減とが可能となる。
<第3及び第4の変形例>
図11及び図12は、それぞれ図8及び図10に示すダイオード122及び126の変形例であるダイオード128及び130の断面図である。これらの変形例に係るダイオード128及び130はいずれも、図8及び図10に示す複合アノード電極200に代えて、複合アノード電極204を含む点に特徴がある。
複合アノード電極204は、第2の窒化物半導体層4上に、第2の窒化物半導体層4とショットキー接合を形成するように形成された第1のアノード電極25と、カソード電極16と反対側の第1のアノード電極25の側面に接するように、かつ第2の窒化物半導体層4を介したトンネル電流機構によって第1の窒化物半導体層3内に形成されたチャネル層とオーム性接触するように第2の窒化物半導体層4上に形成された第2のアノード電極40とを含む。
複合アノード電極204の電圧が0Vである場合、図11では第1のアノード電極25のショットキー障壁の影響によって、また図12では第1のアノード電極25下のショットキー障壁及びその下のフッ素導入領域29の影響によって、それぞれ第1のアノード電極25下のチャネル層が空乏化される。その結果、チャネル層の電流経路がピンチオフされて電流が遮断される。
複合アノード電極204に順方向バイアス電圧を印加すると、図11と図12とのいずれの場合にも、第1のアノード電極25下に2次元電子ガスが発生し、チャネル層が形成される。その結果、ダイオードに電流が流れるようになる。このため、図11及び図12に示すダイオード128及び130は、図8及び図10に示すダイオード122及び126よりも順方向バイアス印加時の立ち上がり電圧を0Vに近づけることができる。その結果、これらのダイオードではオン電圧をより低くすることが可能となっており、より損失の小さいダイオードを提供できる。
[第5の実施の形態]
図13は本発明の第5の実施の形態に係る窒化物半導体装置であるダイオード132の構成を示す断面図である。図13を参照して、本実施の形態に係るダイオード132は、図8に示すダイオード122と類似した構成を持つが、図8における複合アノード電極200に代えて、図8に示す第2のアノード電極35と同じ構造のアノード電極37と、アノード電極37にカソード電極16側の側面から接し、アノード電極37の上部に覆い被さるように形成されたゲート電極44とを持ち、それに伴って、図8に示す絶縁膜32に代えて、異なる形状を持つ絶縁膜42を持つ点に特徴がある。
図13を参照して、絶縁膜42は、第2の窒化物半導体層4上の、アノード電極37及びカソード電極16が形成された領域以外の領域を覆うように形成されている。ゲート電極44は、この絶縁膜42上に、アノード電極37のカソード電極16側に接触するように、かつアノード電極37の上半分程度を覆うような形状に形成されている。この構造によって、ゲート電極44はアノード電極37と電気的に接続されている。
アノード電極37は第2の窒化物半導体層4とショットキー接合を形成している。一方、カソード電極16は第2の窒化物半導体層4を介したトンネル電流機構によって第1の窒化物半導体層3内に形成されたチャネル層とオーム性接触している。アノード電極37下からカソード電極16の間の第1及び第2の窒化物半導体層3及び4の一部には、フッ素導入領域9及び19が形成されている。図2に示したものと同様、フッ素濃度はフッ素導入領域9の方がフッ素導入領域19よりも高くなっている。
このような構成を持つダイオード132に順方向バイアス電圧を印加すると、アノード電極37と第2の窒化物半導体層4とのショットキー接合及びチャネル層を介してカソード電極16へ電流が流れる。一方、ダイオード132に逆方向バイアス電圧を印加した場合には、フッ素導入領域9及び19からカソード電極16側に向かって第1及び第2の窒化物半導体層3及び4内に空乏層が広がり、電流が遮断される。このようにして、本実施の形態に係る窒化物半導体装置であるダイオード132では整流特性が得られる。
ダイオード132に逆方向バイアス電圧が印加されると、ゲート電極44のドレイン電極16側の端近くにおいて、第1及び第2の窒化物半導体層3及び4内での電界が最も強くなる。しかし、本実施の形態では、ゲート電極44下からカソード電極16の間にかけてフッ素導入領域9及び19が形成されていることによって、第1の窒化物半導体層3と第2の窒化物半導体層4とのヘテロ接合界面で発生している正の分極電荷による電界を低減できる。そのため、空乏層内における電界を低減することができ、逆方向バイアス電圧が印加された際に第1の窒化物半導体層3及び第2の窒化物半導体層4内に空乏層をより広げることができるようになり、耐圧を向上することが可能となる。
さらに、本実施の形態では、図13に示すように、ゲート電極44と第2の窒化物半導体層4との間に絶縁膜42が存在する。そのため、ゲート電極44と第2の窒化物半導体層4との間に絶縁膜が存在しない場合と比較して、逆方向リーク電流を大幅に低減することができ、その結果、耐圧をさらに向上できる。
以上のように、本実施の形態に係るダイオード132によれば、第4の実施の形態と同じ効果が得られる他、絶縁膜を介して第2の窒化物半導体層4上に形成されたゲート電極44によってチャネル層の制御を行なうことにより、逆方向バイアス印加時に流れる逆方向リーク電流を低減できる。その結果、第4の実施の形態に係るダイオードよりもさらに耐圧の高い窒化物半導体装置を提供できる効果がある。
<変形例>
なお、上記実施の形態では、ゲート電極44がアノード電極37の上半分に覆い被さるように形成されている。しかしゲート電極とアノード電極との形成方法はこれには限定されず、他にも様々な方法があり得る。例えば、アノード電極37がゲート電極44の上に覆い被さるように形成される構造、又はゲート電極44とアノード電極37とが直接には接触せずに、その上に形成される配線電極等を介して電気的に接続される構造等を用いてもよい。
図14は、この実施の形態の一変形例に係るダイオード134の構造を示す断面図である。図14を参照して、このダイオード134は、図13に示す構造において、アノード電極37及びゲート電極44に代えて、ともに同じ電極材料で作製されたアノード電極48及びゲート電極49を含む。アノード電極48は図13に示すアノード電極37と同じ構造を持っている。一方、ゲート電極49は、アノード電極48と一体化しているが、絶縁膜46の上に形成されている。この構造によっても、第5の実施の形態のダイオード132と同様の効果が得られる。また、同じ電極材料で作製することにより、ダイオードを作製するプロセスを簡略化できる効果がある。
図15は、第5の実施の形態に係る窒化物半導体装置の他の変形例であるダイオード136の構造を示す断面図である。図15を参照して、この変形例に係るダイオード136では、図13に示す第2の窒化物半導体層4に代えて、第2の窒化物半導体層4のゲート領域の下の一部分に第1の窒化物半導体層3の表面に達するように形成された開口部を有する第2の窒化物半導体層63を含む。ダイオード136はさらに、図13に示す絶縁膜42に代えて、アノード電極37及びカソード電極16が形成された部分を除き、開口部を含めて第2の窒化物半導体層63及び第1の窒化物半導体層3の表面に形成された絶縁膜62を含む。
カソード電極16側から開口部に臨む領域には、フッ素導入領域9及びフッ素導入領域19が形成されている。
ダイオード136はまた、図13に示すゲート電極44に代えて、第2の窒化物半導体層4の開口部上及びその周辺部分の絶縁膜62とアノード電極37の一部上とに形成されたゲート電極64を含む。
この構成を有するダイオード136によっても、図13に示す第5の実施の形態に係るダイオード132と同じ理由により、同様の効果が得られる。
図16は、図13に示す実施の形態のさらに他の変形例に係るダイオード138の構造を示す断面図である。図16を参照して、この変形例に係るダイオード138は、図13に示す構造において、ゲート電極44の下方の第2の窒化物半導体層4及び第1の窒化物半導体層3内に、フッ素導入領域29が形成されている。すなわち、ゲート電極44からカソード電極16に向かって、フッ素導入領域29、9、及び19がこの順に形成されている。ここで、フッ素導入領域の濃度は領域19が最も低く、ゲート電極44側へ行くに従って高くなり、ゲート電極44下の領域29が最も高くなっている。このような構成を有するダイオード138においても、図13に示す第5の実施の形態に係るダイオード132と同じ理由により、同様の効果が得られる。
図17は、図16に示すダイオード138の変形例に係るダイオード140の構造を示す断面図である。図17を参照して、この変形例に係るダイオード140は、図16に示すアノード電極37に代えて、アノード電極37と異なり、第2の窒化物半導体層4を介したトンネル電流機構によって第1の窒化物半導体層3内に形成されたチャネル層とオーム性接触するように第2の窒化物半導体層4上に形成された、図12に示す第2のアノード電極40と同じ構成のアノード電極41を含む。
この構成を有するダイオード140によっても図16に示すダイオード138と同じ効果が得られる。さらに、第4の実施の形態の図12に示すダイオード130と同様、ダイオード140に順方向のバイアスが印加された動作時のダイオード140の立ち上がり電圧を0Vに近づけることができる。その結果、オン電圧を低くすることが可能となっている。
[第6の実施の形態]
図18は、本発明の第6の実施の形態に係る電力変換装置である力率改善回路160の主要部の構成を示す回路図である。図18を参照して、この力率改善回路160は、交流電源51と、交流電源51の一方端子にカソードが接続された第1のダイオード52と、第1のダイオード52のカソードにアノードが接続された第2のダイオード53と、交流電源51の他方端子にカソードが接続された第3のダイオード54と、第3のダイオード54のカソードにアノードが接続された第4のダイオード55とを含む。
力率改善回路160はさらに、第2のダイオード53及び第4のダイオード55のカソードに一端が接続されたインダクタ57と、インダクタ57の他端にアノードが接続された第5のダイオード56と、第5のダイオード56のカソードに接続された一端と、第1のダイオード52及び第3のダイオード54のアノードに接続された他端とを有する負荷抵抗60と、第5のダイオード56のアノード並びに第1のダイオード52及び第3のダイオード54のアノードとの間に接続された電界効果トランジスタ58と、負荷抵抗60に対し並列に接続されたキャパシタ59とを含む。
力率改善回路160において、第1〜第5のダイオード52〜56には、本発明の第5の実施の形態の変形例に係る、図17に示したダイオード140と同じ構造のダイオードを、電界効果トランジスタ58には、第2の実施の形態に係る、図6に示した電界効果トランジスタ90を、それぞれ用いている。
電力変換装置である力率改善回路160に用いられる電界効果トランジスタ及びダイオードに上記のような本発明のいずれかの実施の形態に係る窒化物半導体装置である電界効果トランジスタ及びダイオードを用いると、回路内部での損失が低減できる。そのため、力率改善回路160の効率が改善され、低損失で高効率動作が可能な力率改善回路を提供できる。
上記実施の形態では、本発明のいずれかの実施の形態に係る窒化物半導体装置であるダイオード及び電界効果トランジスタを力率改善回路に適用した例を示したが、インバータやコンバータ等、他の電力変換装置に本願発明に係る窒化物半導体装置を適用してもよい。
また、上記実施の形態では、電力変換装置に用いられる電界効果トランジスタ及びダイオードの全てに本発明を適用した例を示したが、電力変換装置に用いられるダイオード及び電界効果トランジスタの一部のみに本発明を適用してもよい。
<その他の変形例>
以上、本発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態では、バッファ層としてGaNを用いたが、AlNやAlGaN、AlN/GaN等の他のバッファ層を用いても同様に実施できる。
また、上記実施の形態では、第1の窒化物半導体層として1層のアンドープGaNを用いているが、n−GaNやp−GaN等のドーピングされた半導体層であってもよく、また、AlGaNやInGaN、又はGaN/AlGaN、InGaN/GaN等GaN以外の1層又は多層のアンドープ又はドーピングされた層からなる他の半導体層を用いても同様に実施できる。また、第2の窒化物半導体層として1層のアンドープAlGaNを用いているが、ドーピングされたAlGaNやAl組成やドーピング濃度の異なる複数のAlGaN層を含んでなる多層AlGaN層、GaN/AlGaNやInGaN/AlGaN等AlGaN層以外の半導体層を含んでなる多層半導体層等、1層又は多層のアンドープ又はドーピングされた層からなる他の半導体層を用いても同様に実施できる。ただし、2次元電子ガスを効果的に発生させるには、第1の窒化物半導体層がInGa1−xN(0≦x≦1)であり、前記第2の窒化物半導体層がAlGa1−yN(0≦y≦1)である構成や、第1の窒化物半導体層がAlGa1−xN(0≦x<1)であり、前記第2の窒化物半導体層はAlGa1−yN(0<x<y≦1)である構成とすることが好ましい。
また、上記実施の形態では、ゲート電極又はアノード電極の下からドレイン電極又はカソード電極の間の領域に、1〜3個フッ素導入領域を設けている。しかし本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、この領域に4つ以上のフッ素導入領域を設けるようにしてもよい。また、電界効果トランジスタの場合、フッ素導入領域はソース電極とゲート電極との間に設けてもよい。
上記実施の形態では、電極はTi/Al又はNi/Auを用いて形成している。しかし本発明はそのような実施の形態に限定される訳ではない。例えば、Ti/Au、Pt/Au、Ni/Au、W、WN、又はWSi等の他の電極材料を用いて電極を形成しても、上記実施の形態と同様に、本発明を実施できるのはもちろんである。
上記実施の形態では、ドレイン電極又はカソード電極と第2の窒化物半導体層とはオーム性接触を形成している。しかし本発明はそのような実施の形態に限定される訳ではない。例えば、カソード電極はショットキー接合を形成する構成であってもよい。しかし、窒化物半導体装置である電界効果トランジスタ及びダイオード等におけるオン抵抗を低減し、損失を低減するためには、ドレイン電極又はカソード電極と第2の窒化物半導体層とはオーム性接続を形成する構成であることが望ましい。
上記実施の形態では、電極とチャネル層とのオーム性接触を得る構成として、第2の窒化物半導体層4を介したトンネル電流機構によって電極がオーム性接触する構成を用いている。しかし本発明はそのような実施の形態に限定される訳ではない。例えば図6に示す本発明の第2の実施の形態に係る電界効果トランジスタ90の変形例として、図19に示すような構成を採用することもできる。
図19を参照して、この変形例に係る電界効果トランジスタ170は、図6に示す電界効果トランジスタ90の構造におけるソース電極5及びドレイン電極6にそれぞれ代えて、第2の窒化物半導体層4の表面上に形成されたソース電極70及びドレイン電極71を含む。ソース電極70及びドレイン電極71の下部の第2の窒化物半導体層4及び第1の窒化物半導体層3には、イオン注入等によって高濃度にドーピングされたコンタクト層66及び68がそれぞれ形成されている。
この構成により、ソース電極70及びドレイン電極71と、第1の窒化物半導体層3及び第2の窒化物半導体層4との間でのオーム性接触を形成できる。
図20は、図6に示す電界効果トランジスタ90のさらに他の変形例に係る電界効果トランジスタ172の構造を示す断面図である。図20を参照して、この電界効果トランジスタ172は、基板1上に順番に積層したバッファ層2、第1の窒化物半導体層72、第2の窒化物半導体層73、及び絶縁膜74を含む。絶縁膜74上にはゲート電極7が形成されている。
第1の窒化物半導体層72、第2の窒化物半導体層73及び絶縁膜74の、ゲート電極7が形成されている領域の両側の領域は除去されており、その上に、第1の窒化物半導体層72及び第2の窒化物半導体層73の側方からこれらに対するオーム性接触を形成するようにソース電極75及びドレイン電極76を作製する。
この図20に示す変形例に係る電界効果トランジスタ172によっても、上記した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、第2の窒化物半導体層及び第1の窒化物半導体層の一部を除去した部分に高濃度にドーピングされたGaNやInGaN等を再成長等によってコンタクト層として形成し、その上に電極を形成することでオーム性接触を形成する方法、第2の窒化物半導体層の一部を除去した上に電極を形成し、第2の窒化物半導体層を介したトンネル電流機構によってオーム性接触を形成する方法、第2の窒化物半導体層及び第1の窒化物半導体層は除去せず第2の窒化物半導体層上に電極を形成し熱処理による合金化によってオーム性接触を形成する方法等、他のオーム性接触形成方法を用いた構成を用いてもよい。
上記実施の形態では、絶縁膜としてSiN/SiOを用いている。しかし本発明はそのような実施の形態には限定されない。SiO、SiN、Al、HfO、TiO、TaO、MgO、Ga、又はSiN/SiO/SiN重ね膜等の他の絶縁膜を用いても同様に本発明を実施できるのはもちろんである。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る窒化物半導体装置である電界効果トランジスタ80の構造を示す断面図である。 第1の実施の形態の変形例に係る窒化物半導体装置である電界効果トランジスタ82の構造を示す断面図である。 第1の実施の形態の他の変形例に係る窒化物半導体装置である電界効果トランジスタ84の構造を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る窒化物半導体装置である電界効果トランジスタ86の構造を示す断面図である。 第2の実施の形態の変形例に係る窒化物半導体装置である電界効果トランジスタ88の構造を示す断面図である。 第2の実施の形態の他の変形例に係る窒化物半導体装置である電界効果トランジスタ90の構造を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る窒化物半導体装置であるダイオード120の構造を示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る窒化物半導体装置であるダイオード122の構造を示す断面図である。 第4の実施の形態の変形例に係る窒化物半導体装置であるダイオード124の構造を示す断面図である。 第4の実施の形態のさらに別の変形例に係る窒化物半導体装置であるダイオード126示す図である。 第4の実施の形態の変形例に係る窒化物半導体装置であるダイオード128の構造を示す断面図である。 第4の実施の形態の別の変形例に係る窒化物半導体装置であるダイオード130の構造を示す断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る窒化物半導体装置であるダイオード132の構造を示す断面図である。 第5の実施の形態の変形例に係るダイオード134の構造を示す断面図である。 第5の実施の形態の別の変形例に係るダイオード136の構造を示す断面図である。 第5の実施の形態のさらに別の変形例に係るダイオード138の構造を示す断面図である。 第5の実施の形態のさらに他の変形例に係るダイオード140の構造を示す断面図である。 本発明の第6の実施の形態に係る電力変換装置160の主要部の構成を示す回路図である。 図6に示す本発明の第2の実施の形態の変形例に係る電界効果トランジスタ170の構造を示す断面図である。 図6に示す本発明の第2の実施の形態の変形例に係る電界効果トランジスタ172の構造を示す断面図である。 従来技術に係る電界効果トランジスタ180の構造を示す断面図である。
符号の説明
1,101 基板
2 バッファ層
3,72 第1の窒化物半導体層
4,12,17,63,73 第2の窒化物半導体層
5,70,75,105 ソース電極
6,71,76,106 ドレイン電極
7,20,24,28,44,49,64,107 ゲート電極
8,22,26,30,32,42,46,62,74 絶縁膜
9,19,29 フッ素導入領域
15,25,35,36,37,38,40,41,48 アノード電極
16 カソード電極
51 交流電源
52〜56,120,122,124,126,128,130,132,134,136,138,140 ダイオード
57 インダクタ
59 キャパシタ
60 負荷抵抗
66,68 コンタクト層
58,80,82,84,86,88,90,170,172,180 電界効果トランジスタ
160 力率改善回路
200,202,204 複合アノード電極

Claims (30)

  1. 少なくともチャネル層を形成する第1の窒化物半導体層、及び前記第1の窒化物半導体層よりも禁制帯幅が広く前記第1の窒化物半導体層に対して障壁層となる層を少なくとも1層含んでなる第2の窒化物半導体層を含む半導体層と、
    前記半導体層上に互いに間隔を隔てて形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    前記半導体層上の、前記ソース電極及びドレイン電極の間の領域に形成されたゲート電極とを備え、
    少なくとも前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間に存在する前記半導体層にはフッ素を含んでなる少なくとも1つのフッ素導入領域が備えられている、窒化物半導体装置。
  2. 少なくともチャネル層を形成する第1の窒化物半導体層、及び前記第1の窒化物半導体層よりも禁制帯幅が広く前記第1の窒化物半導体層に対して障壁層となる層を少なくとも1層含んでなる第2の窒化物半導体層とを含む半導体層と、
    前記半導体層上に互いに間隔を隔てて形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    前記半導体層上の、前記ソース電極及びドレイン電極の間の領域上に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成されたゲート電極とを備え、
    少なくとも前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間に存在する前記半導体層にはフッ素を含んでなる少なくとも1つのフッ素導入領域が備えられている、窒化物半導体装置。
  3. 前記ゲート電極下の前記半導体層にはフッ素を含んでなる少なくとも1つのフッ素導入領域が備えられている、請求項1又は請求項2に記載の窒化物半導体装置。
  4. 前記フッ素導入領域は異なる2つ以上のフッ素濃度による複数の領域よりなる、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の窒化物半導体装置。
  5. 前記フッ素導入領域のうちフッ素の濃度が最も高い領域は前記ゲート電極の下にある、請求項4に記載の窒化物半導体装置。
  6. 前記フッ素導入領域のフッ素の濃度はドレイン電極側からゲート電極側へ向かって高くなっている、請求項4又は請求項5に記載の窒化物半導体装置。
  7. 前記ソース電極とドレイン電極とのいずれか1つは前記チャネル層とオーム性接触している、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の窒化物半導体装置。
  8. 少なくともチャネル層を形成する第1の窒化物半導体層、及び前記第1の窒化物半導体層よりも禁制帯幅が広く前記第1の窒化物半導体層に対して障壁層となる層を少なくとも1層含んでなる第2の窒化物半導体層を含む半導体層と、
    前記半導体層上に互いに間隔を隔てて形成されたアノード電極及びカソード電極とを備え、
    少なくとも前記アノード電極と前記カソード電極との間に存在する前記半導体層にはフッ素を含んでなる少なくとも1つのフッ素導入領域が備えられている窒化物半導体装置。
  9. 前記アノード電極下の前記半導体層にはフッ素を含んでなる少なくとも1つのフッ素導入領域が備えられている、請求項8に記載の窒化物半導体装置。
  10. 前記フッ素導入領域は異なる2つ以上のフッ素濃度による複数の領域よりなる、請求項8又は請求項9に記載の窒化物半導体装置。
  11. 前記フッ素導入領域のうちフッ素の濃度が最も高い領域は前記アノード電極の下にある、請求項10に記載の窒化物半導体装置。
  12. 前記フッ素導入領域のフッ素の濃度はカソード電極側からアノード電極側へ向かって高くなっている、請求項10又は請求項11に記載の窒化物半導体装置。
  13. 前記アノード電極の一部は前記第2の窒化物半導体層に対してショットキー接合を形成している、請求項8〜請求項12のいずれかに記載の窒化物半導体装置。
  14. 前記アノード電極は電気的に接続された第1のアノード電極及び第2のアノード電極により構成されている、請求項8〜請求項13のいずれかに記載の窒化物半導体装置。
  15. 前記第1のアノード電極及び第2のアノード電極は前記第2の窒化物半導体層に対してショットキー接合を形成し、
    前記第1のアノード電極と前記第2の窒化物半導体層におけるショットキー障壁の高さは前記第2のアノード電極と前記第2の窒化物半導体層におけるショットキー障壁の高さよりも高い、請求項14に記載の窒化物半導体装置。
  16. 前記第1のアノード電極は前記第2の窒化物半導体層に対してショットキー接合を形成し、
    前記第2のアノード電極は前記チャネル層とオーム性接触している、請求項14に記載の窒化物半導体装置。
  17. 前記フッ素導入領域のうちフッ素の濃度が最も高い領域は前記第1のアノード電極の下にある、請求項14〜請求項16のいずれかに記載の窒化物半導体装置。
  18. 前記フッ素導入領域のフッ素の濃度はカソード電極側から前記第1のアノード電極側へ向かって高くなっている、請求項14〜請求項17のいずれかに記載の窒化物半導体装置。
  19. 少なくともチャネル層を形成する第1の窒化物半導体層、及び前記第1の窒化物半導体層よりも禁制帯幅が広く前記第1の窒化物半導体層に対して障壁層となる層を少なくとも1層含んでなる第2の窒化物半導体層を含む半導体層と、
    前記半導体層上に互いに間隔を隔てて形成されたアノード電極及びカソード電極と、
    前記半導体層上の、前記アノード電極とカソード電極との間の領域に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成されたゲート電極とを備え、
    前記アノード電極と前記ゲート電極とは電気的に接続され、
    少なくとも前記ゲート電極と前記カソード電極との間に存在する前記半導体層にはフッ素を含んでなる少なくとも1つのフッ素導入領域が備えられている、窒化物半導体装置。
  20. 前記ゲート電極下の前記半導体層にはフッ素を含んでなる少なくとも1つのフッ素導入領域が備えられている、請求項19に記載の窒化物半導体装置。
  21. 前記フッ素導入領域は異なる2つ以上のフッ素濃度による複数の領域よりなる、請求項19又は請求項20に記載の窒化物半導体装置。
  22. 前記フッ素導入領域のうちフッ素の濃度が最も高い領域は前記ゲート電極の下にある、請求項21に記載の窒化物半導体装置。
  23. 前記フッ素導入領域のフッ素の濃度は前記カソード電極側から前記ゲート電極側へ向かって高くなっている、請求項21又は請求項22に記載の窒化物半導体装置。
  24. 前記アノード電極の一部は前記第2の窒化物半導体層に対してショットキー接合を形成している、請求項19〜請求項23のいずれかに記載の窒化物半導体装置。
  25. 前記アノード電極は、前記チャネル層とオーム性接触している、請求項19〜請求項24のいずれかに記載の窒化物半導体装置。
  26. 前記アノード電極と前記ゲート電極とは同じ電極材料によって構成されている、請求項19〜請求項25のいずれかに記載の窒化物半導体装置。
  27. 前記カソード電極は前記チャネル層とオーム性接触している、請求項8〜請求項26のいずれかに記載の窒化物半導体装置。
  28. 前記第1の窒化物半導体層はInGa1−xN(ただし、0≦x≦1)であり、前記第2の窒化物半導体層はAlGa1−yN(ただし、0≦y≦1)である、請求項1〜請求項27のいずれかに記載の窒化物半導体装置。
  29. 前記第1の窒化物半導体層はAlGa1−xN(ただし、0≦x<1)であり、前記第2の窒化物半導体層はAlGa1−yN(ただし、0<x<y≦1)である、請求項1〜請求項27のいずれかに記載の窒化物半導体装置。
  30. 請求項1〜請求項29のいずれかに記載の窒化物半導体装置を用いた電力変換装置。
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