JP2008171088A - 走行車システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】走行車4・4・・・は、当該走行車4の現在位置を把握する走行位置把握手段23と、上位コントローラ5と通信するコントローラ間通信手段21と、当該走行車4の前後を走行する他の走行車4と直接通信する走行車間通信手段22と、走行車間通信手段22による通信の有無を把握する通信有無把握手段24と、を備え、当該走行車4の前方走行車の位置を前記両通信手段21・22により受け取ると共に、走行車間通信手段22による通信があるときには、該走行車間通信手段22による通信により受け取った走行車位置情報を衝突防止制御に用い、走行車間通信手段22による通信がないときには、コントローラ間通信手段21による通信により受け取った走行車位置情報を衝突防止制御に用いる構成とする。
【選択図】図2
Description
しかしながら、従来技術では、走行経路上には特性(即ち、曲率や旋回角度)の異なるカーブが複数存在しているため、各カーブの特性に対応した複数の衝突防止センサ(光電式センサ)が必要とされ、走行車前方に複数の衝突防止センサを設けて衝突防止制御を行う構成となっていた。
このような構成においては、誤作動(車両以外の壁を検出するなど)防止の為に、一つの衝突防止センサが担う検出範囲を狭く設定しているため、死角が発生する可能性があり、衝突防止制御の信頼性には改善の余地が残されている状況であった。
また、前記死角を無くするためには、特性の異なるカーブの数だけ衝突防止センサを備える必要があり、このため、走行車を小型化することが容易でなかったり、また、走行車の製造コスト削減が容易でないという問題があった。
図1は本発明の一実施例に係る走行車システムの全体的な構成を示した模式図、図2は同じく走行車の全体構成を示した模式図、図3は同じく通信手段の全体構成を示した模式図、図4はカーブ部における機体長を算出するためのマトリックス図である。
この走行車システムは、例えば、半導体製造工場等の無人工場内における無人搬送システムとして適用されるものである。このような無人工場内には、物品(例えばウエハ)の加工処理を行う処理装置が配置される。そして、物品の処理装置間の搬送は、無人の走行車により行われるようになっており、これらの走行車や走行車の走行経路、走行車による自動搬送を管理する上位コントローラ等により無人搬送システムが構成される。
ここで、処理装置2には、走行経路3上の走行車4との間で物品を移載する物品移載箇所としてのステーション2aが備えられている。これに対応して、走行車4もローラコンベア等で構成される移載手段4aを備えており、自らに備える物品収納庫とステーション2aとの間で物品の移載を可能としている。そして、走行車4により、移載元のステーション2aと移載先のステーション2aとの間で物品の移動が可能となっている。
走行経路3は直線部とカーブ部により構成されており、本実施例においては、4種類の異なる種類のカーブ部(図1中に示すC1乃至C4)により構成される例を示している。尚、本発明を適用する走行経路3が備えるカーブ部の種類数を4種類に限定するものではない。
図1または図2に示す如く、搬送車としての複数の走行車4・4・・・は、走行経路3に沿って設けた非接触給電線10から電力を供給され、上位コントローラ5からの搬送指令に従って、移載元のステーション2aから移載先のステーション2aまで物品を搬送する。
走行車4は、エンコーダ16、走行駆動モータ18、走行車コントローラ20、コントローラ間通信手段21、走行車間通信手段22等を備えている。
また、走行車コントローラ20は、走行車4の走行制御を行うものであり、CPU、メモリおよび当該メモリに記憶されるプログラム等で構成される各手段(走行位置把握手段23、通信有無把握手段24、停止距離把握手段26、直線カーブ部判別手段27、車間距離調整手段28等)を備えている。
図3に示す如く、本実施例に係る走行車システム1においては、各走行車4はコントローラ間通信手段21と走行車間通信手段22の2系統の通信手段を備える構成としている。
まず、コントローラ間通信手段21について説明をする。
各走行車4に備えるコントローラ間通信手段21と、上位コントローラ5に備えるコントローラ間通信手段21とは、通信線として利用できる非接触給電線10を介して、送受信が可能である。
各走行車4・4・・・からは、上位コントローラ5に向けて、各走行車4・4・・・の情報(即ち、おおまかな走行位置情報)が送信される。送信された全走行車4・4・・・のおおまかな走行位置情報は、上位コントローラ5に蓄積される。また、これらの情報は、各走行車4・4・・・から情報が送信される度に、最新の情報に更新される。
また、上位コントローラ5からは、各走行車4・4・・・に対して、各走行車4・4・・・の前方の走行車(以下、前方走行車と記載する)に関する情報(即ち、前方走行車のおおまかな走行位置情報、当該走行位置のカーブ情報、当該走行位置の機体長情報)を送信する。そして、当該前方走行車に関する情報を後方の走行車(以下、後方走行車と記載する)たる各走行車4・4・・・が受信する。
走行車間通信手段22による通信により、前方走行車の詳細な走行位置情報や走行状態に関する情報(走行速度・停止距離・カーブ情報等)が後方走行車に伝達されている。
コントローラ間通信手段21は、途切れること無く通信が可能である反面、通信周期が走行車間通信手段22による通信に比して長くなっている。
また、走行車間通信手段22は、コントローラ間通信手段21による通信に比して、通信周期が短い半面、通信が途切れやすくなっている。
このように、各走行車4にコントローラ間通信手段21と走行車間通信手段22を備えて、通信手段の2重化を図ることにより、互いの通信手段が有している欠点をカバーすることができ、上位コントローラ5から伝達される情報と前方走行車から伝達される情報を用いて、後方走行車が前方走行車との衝突を回避する制御(衝突防止制御)が確実に行われる構成としている。
図2に示す如く、走行車4は、前記非接触給電線10を利用して走行車4と上位コントローラ5間の通信を可能とするコントローラ間通信手段21、赤外線通信手段を利用して前後の走行車4間の通信を可能とする走行車間通信手段22を備えている。
走行経路3には等間隔に複数のポイントが設定されており、該ポイントの位置情報は各走行車4・4・・・の走行位置把握手段23に記憶されている。
レイアウトマップ記憶手段23aには、レイアウトマップ(経路の全体形状や経路の各部の詳細情報(あるカーブ部の曲率や旋回半径の大きさがいくらかであるとか))や、各ポイントの位置情報が記憶されている。
また、走行距離算出手段23bは、エンコーダ16の回転数検出情報に基づいて、基準となる任意のポイントからの走行距離を算出する。
但し、他車の送信する詳細な走行位置情報は、あるポイントを基準として、そのポイントからの走行距離を加算して現在走行位置を特定しているため、その加算される走行距離には走行車4ごとの個体差に起因する誤差が含まれることとなる。しかし、基準となるポイントが、ポイントを通過するたびに更新されるため、累積誤差が増え続けることはなく、また、誤差自体も、一区間の経路長を短く設定することで、より小さく抑えることができるため、誤差補正演算等の制御に負担をかけることなく、容易に誤差の影響が少ない現在走行位置の情報を得られる構成としている。
そして、ポイントの通過情報により、おおまかな現在走行位置を認識するとともに、さらに、ポイントの通過情報とエンコーダ16の情報による走行距離情報に基づいて、より詳細な現在走行位置を認識することができる構成としている。
つまり、走行車4が最後に通過した任意のポイントを基準として、当該ポイントからの走行距離を把握することにより、より正確な現在走行位置が把握できる構成としている。また、現在走行位置を把握する基準位置(ポイント)を随時更新することにより、走行距離の累積誤差が低減できる構成としている。
これにより、車輪の回転数検出に基づいて現在位置を把握することに起因する累積誤差の発生を抑えることができるのである。
走行車4は、走行車間通信手段22により、前後の走行車間では個別に情報伝達を行うことができるため、前方走行車から後方走行車に対して、前方走行車自身のより正確な走行位置情報等を伝達できる構成としている。
また、前述した通り、走行車4は、コントローラ間通信手段21により、一定の時間間隔で前方走行車の情報を受信している。
このように、本実施例の走行車システム1においては、前後の走行車間の直接通信と、上位コントローラ5による通信を用いることで、他車の走行位置を把握するための通信を2重化する構成としている。
つまり、赤外線通信が途切れ、走行車間通信手段22による通信が無い場合であっても、コントローラ間通信手段21により、上位コントローラ5から伝達されるおおまかな走行位置情報は一定の時間間隔で伝達され途切れることが無いため、このおおまかな走行位置情報のみを用いて他車(前方走行車)の走行位置を把握する構成としている。つまり、これにより、衝突防止制御が常時確実に行われることとなる。
前述の如く、走行車間通信手段22には赤外線通信が採用されており、通信が途切れることがある。
図2に示す如く、本実施例に示す走行車4は、通信有無把握手段24を備えており、走行車間通信手段22による通信が有効であるか否かを検知している。具体的には、車間距離が所定の通信可能距離内となっている前方走行車と後方走行車との間では、定期的に赤外線通信が行われるが、この通信可能距離内に位置する両走行車の間で定期的な通信が途絶えた場合、通信有無把握手段24は前記通信が有効ではないと判断する。そして、この検知結果に応じて、例えば、走行車間通信手段22による通信が有効であれば、コントローラ間通信手段21の通信により伝達される情報と走行車間通信手段22の通信により前方走行車から伝達される情報の2種類の情報に基づいて衝突防止制御を行い、また、走行車間通信手段22による通信が有効でなければ、コントローラ間通信手段21の通信により伝達される情報のみに基づいて衝突防止制御を行うようにしている。
尚、本実施例では、走行車間通信手段22の通信周期を30(msec)乃至100(msec)の周期で行っており、例えば、走行車間通信の傍受に3度乃至4度程度連続して失敗した場合に走行車間通信手段22が有効でないと判断するようにしている。
これにより、衝突防止センサを設けることなく、前方走行車の位置を把握することができるのである。また、常時両通信手段21・22によりデータを受け取っているため、走行車間通信手段22が利用できなくなった場合でも迅速に前方走行車の位置を把握することができるのである。
図2に示す如く、本実施例に示す走行車4は、速度把握手段としてのエンコーダ16を備えている。速度把握手段は、例えば、本実施例の如くエンコーダ16を用いたり、あるいは、速度計を別途備える構成とすることもできる。そして、エンコーダ16が検知する現在の走行速度を、停止距離把握手段26に入力し、現在の走行速度から安全に急停止する場合に、停止距離がどのくらい必要であるかを判断するようにしている。さらに詳述すると、停止距離把握手段26には、走行速度や運転状態(即ち、物品積載の有無や物品の重量等)を考慮した停止距離が予めマップ情報や計算式として記憶されており、前方走行車自身が有している運転状態に関する情報に基づいて、停止距離を出力するようにしている。
これにより、停止するまでに要する距離を後方走行車に送信するため、速度最大でも衝突しないように一律に車間距離を設定している場合と比べて、前方走行車と後方走行車の車間距離を短く設定することができるのである。また、速度情報を送信し後方走行車が停止距離を演算する方法に比して、演算に要する時間分の余裕を設ける必要が無いのである。
図2に示す如く、本実施例に示す走行車4は、直線カーブ部判別手段27を備えている。直線カーブ部判別手段27は、走行位置把握手段23から得られる現在走行位置の情報と、直線カーブ部判別手段27に予め記憶されている走行経路3のマップ情報(即ち、走行位置に対応する走行経路が直線部・カーブ部のどちらかであるかの情報)に基づき、現在の走行位置が直線部であるか、またはカーブ部であるかを判断するようにしている。
しかし、前方走行車の側でも、その現在走行位置が直線部かカーブ部かを把握しているため、走行位置情報だけではなくカーブ情報も後方走行車に送信することにより、後方走行車の側でのマップ情報の参照等が不要となって、衝突防止制御に要する演算時間を短縮することができる。
図2に示す如く、本実施例に示す走行車4は、車間距離調整手段28を備えている。
車間距離調整手段28は、走行車間通信手段22の通信により前方走行車から伝達される情報(即ち、前方走行車の、1)走行速度情報、2)停止距離情報、3)カーブ情報、4)詳細走行位置情報)に基づき、前方走行車との衝突が確実に防止できる車間距離を算出する。そして、後方走行車自身の走行位置が前記車間距離を保持できる位置となるように、走行駆動モータ18に加減速指令を出力して走行速度を調節するように構成している。
また、走行車間通信手段22が使用できない場合には、コントローラ間通信手段21により、上位コントローラ5から伝達される情報(即ち、前方走行車の、1)概略走行位置情報、2)カーブ情報)に基づき、走行車間通信手段22が使用できる場合に比して広い(即ち、安全率を大きく設定した)車間距離を算出するようにして、衝突防止制御を行うようにしている。
このため、前方走行車がカーブ部に進入した際には、前方走行車の機体長を便宜上延長するように扱い、前方走行車と後方走行車が共に走行経路3上の直線部に位置している場合に比べて、衝突防止距離が広めに算出されるようにしており、これにより、確実に衝突防止が行われる構成としている。
本実施例では、衝突防止距離Xを、以下の数式で求めるようにしている。
(衝突防止距離X)=(前方走行車の機体長/2)+(後方走行車の機体長/2)
+(車間距離)
尚、機体長A乃至Eの関係は、(A<B<C<D<E)としており、曲率半径が小さいカーブ部を走行している場合ほど機体長を長くする設定としている。
これにより、カーブ部では走行車4の角部(コーナー部)が他車と近くなるため車間距離を広げる必要があるが、カーブ情報を送信するため、直線部ではカーブ部にあわせた車間距離よりも短い車間距離とすることができるのである。
3 走行経路
4 走行車
5 上位コントローラ
21 上位コントローラ間通信手段
22 走行車間通信手段
23 走行位置把握手段
24 通信有無把握手段
Claims (4)
- あらかじめ決められた経路を走行する複数の走行車と、
上位コントローラと、
を備える走行車システムであって、
前記走行車は、
当該走行車の現在位置を把握する位置把握手段と、
上位コントローラと通信するコントローラ間通信手段と、
当該走行車の前後を走行する他の走行車と直接通信する走行車間通信手段と、
前記走行車間通信手段による通信の有無を把握する通信有無把握手段と、
を備え、
当該走行車の前方を走行する他の走行車の位置を前記両通信手段により受け取ると共に、
前記走行車間通信手段による通信があるときには、
該走行車間通信手段による通信により受け取った走行車位置情報を衝突防止制御に用い、
前記走行車間通信手段による通信がないときには、
前記コントローラ間通信手段による通信により受け取った走行車位置情報を衝突防止制御に用いること、
を特徴とする走行車システム。 - 前記現在位置を把握する手段は、
経路上に設けられた複数のポイントのうち、
前記走行車が最後に通過したポイントの位置情報と、
前記走行車の車輪の回転数検出により得た前記最後のポイントからの走行距離とに基づいて、現在位置を把握すること、
を特徴とする請求項1記載の走行車システム。 - 前記走行車は、
当該走行車の走行速度を把握する速度把握手段と、
該走行速度における停止距離を把握する停止距離把握手段と、
当該走行車の後方を走行する走行車に向けて前記停止距離を送信する停止距離送信手段とを備えること、
を特徴とする請求項1または請求項2記載の走行車システム。 - 前記走行車は、
走行位置が直線部か、あるいは、カーブ部かを判別する直線カーブ部判別手段と、
当該走行車の後方を走行する走行車に向けて、
当該走行車が直線部を走行中であるか、または、カーブ部を走行中であるかの少なくとも一方の情報を送信する手段と、
当該走行車の前方を走行する走行車がカーブ部を走行中の場合は、
直線部を走行中の場合よりも車間距離を大きく開ける手段とを備えること、
を特徴とする請求項3記載の走行車システム。
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