JP2008170574A - スクリーン、およびリアプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】歪み等の変形および映像の明るさの低下を抑制することが可能なスクリーンおよびこのスクリーンを備えたリアプロジェクタを提供することを目的とする。
【解決手段】映像が投射される透過型スクリーン20は、レンチキュラーレンズを有するレンチキュラーレンズシート21と、フレネルレンズを有するフレネルレンズシート22と、レンチキュラーレンズシート21およびフレネルレンズシート22を保持矯正するガラス板23と、を備えていて、レンチキュラーレンズシート21とフレネルレンズシート22とを組合せた複合レンズシート24の状態では、ガラス板23の側が凸状に反っている。
【選択図】図6
【解決手段】映像が投射される透過型スクリーン20は、レンチキュラーレンズを有するレンチキュラーレンズシート21と、フレネルレンズを有するフレネルレンズシート22と、レンチキュラーレンズシート21およびフレネルレンズシート22を保持矯正するガラス板23と、を備えていて、レンチキュラーレンズシート21とフレネルレンズシート22とを組合せた複合レンズシート24の状態では、ガラス板23の側が凸状に反っている。
【選択図】図6
Description
本発明は、変形し難い構成を有するスクリーンおよびこのスクリーンを備えたリアプロジェクタに関する。
従来、リアプロジェクタなどに用いられているスクリーンは、フレネルレンズとレンチキュラーレンズとを組合せた透過型のスクリーンである。このような組合せのスクリーンでは、温度または湿度の変化やスクリーンの自重などにより変形することがあり、スクリーンが変形すると、フレネルレンズおよびレンチキュラーレンズの位置が変化して、スクリーンに投射される映像に歪みやボケなどが生じる。
このようなスクリーンの変形を防止するために、特許文献1には、スクリーンへの光の入射側および出射側のそれぞれに、透明板を新たに設けて補強する構成が開示されている。また、特許文献2には、入射側のフレネルレンズをガラス板に粘着して補強し、さらに、出射側に光透過性の合成樹脂板を設ける構成が開示されている。
しかし、従来の技術では、一対の透明板または合成樹脂板などを補強部材として用いているため、スクリーンの重量が重くなり、同時に、スクリーンの厚さも厚くなっていた。そのため、スクリーンの重量が重くなることによって、スクリーンが変形する可能性を払拭しきれない、という課題が残っていた。また、一対の補強部材を付加したスクリーンは、その厚さが厚くなるため、補強部材が光透過性を有していても、スクリーンを透過した映像が暗くなってしまう、という課題を抱えていた。これらの課題は、リアプロジェクタが大型化してスクリーンが大きくなるほど、顕著な現象として現れる。
本発明は、上記課題を解決するために、歪み等の変形および映像の明るさの低下を抑制することが可能なスクリーンおよびこのスクリーンを備えたリアプロジェクタを提供することを目的とする。
本発明のスクリーンは、映像が投射される透過型であって、フレネルレンズを有するフレネルレンズシートと、レンチキュラーレンズを有するレンチキュラーレンズシートと、光透過性を有し、前記フレネルレンズシートおよび前記レンチキュラーレンズシートの変形を矯正する矯正部材と、を備えていることを特徴とする。
このスクリーンによれば、映像を投射するために、スクリーンへ入射する光の入射角度を略同方向に変換するフレネルレンズシートと、フレネルレンズシートからの光を視野角が広がるように拡大させるレンチキュラーレンズシートと、フレネルレンズシートおよびレンチキュラーレンズシートの変形を矯正する矯正部材とで構成され、スクリーンを通して映像を視認することが可能である。一方、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとによる従来の2層構成のスクリーンでは、それぞれの自重や温度および湿度の変化による伸縮等により、変形が生じて平面性を保持できない場合があり、投射された映像に歪みなどが発生し易い。そこで、光透過性を有する矯正部材を加えた3層構成のスクリーンにすることにより、フレネルレンズシートおよびレンチキュラーレンズシートの自重や伸縮等による変形を矯正して、スクリーンの平面性を保持することが可能である。また、矯正部材は、光透過性であり、1枚だけが付加されるため、3層構成のスクリーンであっても、映像の明るさを大きく低下させることがない。このように、矯正部材を付加したスクリーンの構成により、スクリーンの平面性が保持でき、投射された映像に歪みなどが発生し難くなる。
この場合、映像が投射される側から、矯正部材とフレネルレンズレンズシートとレンチキュラーレンズシートとが順に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、矯正部材は映像の投射されるフレネルレンズレンズシートの側に設けられており、投射された映像はレンチキュラーレンズシートに表示されて視認される。矯正部材がレンチキュラーレンズシートの側に設けられていると、矯正部材に外部光の映り込み等が発生する場合があり、矯正部材がフレネルレンズレンズシートの側に設けられた場合に比べて、映像が見難くなる。従って、矯正部材を映像の投射されるフレネルレンズレンズシートの側に設けることにより、スクリーンの平面性を保持すると共に、映像の視認性の低下を抑制することも可能である。
この場合、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとを組合せた状態では、矯正部材の側へ凸状に反っていることが好ましい。
この構成によれば、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとを、反った状態で矯正部材と合わせることにより、3層構成のスクリーンが形成される。矯正部材の側へ凸状の反りを設けるようにしたことにより、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとの端部を矯正部材の端部へ固定するだけで、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとを、矯正部材に沿って密着させることが可能である。これにより、3層構成のスクリーンのそれぞれの層が離反することなく、密着状態が維持され、且つ、平面性も保持される。従って、従来のように、密着状態または平面性が保たれないため、スクリーンへ投射される映像の投射距離が異なり、映像が歪んで表示されてしまう、というようなことをほぼ回避することが可能である。
この場合、矯正部材は、ガラス板であることが好ましい。
この構成によれば、ガラス板は、光透過性、平面性、およびフレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとの反りを矯正するための剛性を有しているため、矯正部材として適した材料である。
この場合、ガラス板は、少なくとも一方の面に低反射処理を施したことが好ましい。
この構成によれば、ガラス板に低反射処理を施すことにより、スクリーンへ入射する光の反射を防ぎ、明るさの低下を抑制することが可能である。これにより、ガラス板を映像の投射される側に設けることと合わせ、より映像の視認性の低下を抑制することが可能である。
本発明のリアプロジェクタは、光源から射出された光を画像信号に応じて変調してスクリーンへ投射するものであって、上記に記載のいずれかのスクリーンを備えていることを特徴とする。
このリアプロジェクタによれば、映像を投射するために、スクリーンへ入射する光の入射角度を略同方向に変換するフレネルレンズシートと、フレネルレンズシートからの光を視野角が広がるように拡大させるレンチキュラーレンズシートと、フレネルレンズシートおよびレンチキュラーレンズシートの変形を矯正する矯正部材とで構成された3層構成のスクリーンを備えている。矯正部材は、平面性および剛性を有しており、フレネルレンズシートおよびレンチキュラーレンズシートの自重や伸縮等による変形を矯正して、スクリーンの平面性を保持することが可能である。また、矯正部材は、光透過性であるため、映像の明るさを大きく低下させることがない。このようにリアプロジェクタは、矯正部材によりスクリーンの平面性が保持でき、歪みなどが発生し難いため、視認性の良好な映像を提供することが可能である。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。実施形態におけるリアプロジェクタは、光源から射出された光を画像情報に応じて変調した光学像からカラー画像を形成し、カラー画像を反射ミラーを介して透過型スクリーン(スクリーン)に拡大投射するものである。このリアプロジェクタは、拡大投射された光学像を歪み等がなく鮮明に表示する透過型スクリーンを有している。
(実施形態)
(実施形態)
図1は、リアプロジェクタを前面側から見た外観を示す斜視図であり、図2は、リアプロジェクタを背面側から見た外観を示す斜視図である。図1および図2に示すように、リアプロジェクタ1の外観をなす外装10は、リアプロジェクタ1の床置き設置部である脚部外装11と、脚部外装11の上部側に順に位置する下部外装13および上部外装12と、上部外装12の前面側に設けられた前面外装14と、を有している。
前面外装14は、矩形状に形成された開口部を有していて、開口部には、開口部を塞ぐように透過型スクリーン20が取り付けられている。さらに、前面外装14は、左側および右側のそれぞれにスピーカボックス19aを有している。
下部外装13は、前面側の左右に、低音域を再生するスピーカを収容するウーハーボックス19bをそれぞれ有している。また、リアプロジェクタ1は、内部を冷却空気によって冷却する機能を備えている。そのため、下部外装13の左側部18aおよび右側部18bに、図示していないスリット状の開口がそれぞれ形成されていて、左側部18aの開口は、内部に冷却空気を導入する吸気用であり、右側部18bの開口は、内部に導入されて内部を冷却した後の空気を排出する排気用である。
上部外装12は、側面視三角形状をしており、下部外装13との境界をなす下面部15と、下面部15の両側端部から立設された三角形板状の左右の側面部16と、これらの左右の側面部16に跨った斜面である背面部17と、を有する。そして、上部外装12の側面部16には、前面外装14から背面側へ突出したスピーカボックス19が、上部外装12とは別体に構成されて取り付けられている。スピーカボックス19は、所定機能を有する箱型のスピーカであり、スピーカボックス19の前面と前面外装14の前面とが略面一に形成されている。
次に、リアプロジェクタ1の内部構成について、簡単に説明する。図3は、リアプロジェクタを側面側から見た内部構成を示す断面図である。リアプロジェクタ1の内部には、図3に示すように、下部外装13の脚部外装11側に設けられ光学像を含む光を射出する光学ユニット40と、光学ユニット40を載置し光学ユニット40から射出される光の方向を調整する調整機構部50と、光学ユニット40および透過型スクリーン20と対向するように上部外装12の背面部の内側に設けられ光学ユニット40から射出された光を透過型スクリーン20へ反射する反射ミラー30と、が収容されている。
この構成において、光学ユニット40から反射ミラー30へ射出される光は、広角化された状態であるため、反射ミラー30で反射して透過型スクリーン20へ到達すると、透過型スクリーン20の全面に拡大投射された状態となる。光学ユニット40から射出された光は、光路Lに示すように進行する。なお、下部外装13は、光学ユニット40および調整機構部50の他に、図示していない電源部、光学ユニット40等を制御する制御部、光学ユニット40を含めリアプロジェクタ1の内部を冷却する冷却機構部などを収容している。
また、透過型スクリーン20は、図3の拡大断面図Mに示すように、3層構成を有している。これら3層は、レンチキュラーレンズシート21と、フレネルレンズシート22と、ガラス板(矯正部材)23と、であり、それぞれが密着するように合わされてシート状の透過型スクリーン20を形成している。透過型スクリーン20の詳細は、図6および図7を参照して後述する。
そして、図4は、光学ユニットと調整機構部とを示す斜視図である。光学ユニット40は、光源である光源ランプから射出された光を光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成し、光学像を合成したカラー画像を、図3に示す反射ミラー30を介して透過型スクリーン20へ拡大投射するユニットである。光学ユニット40は、図4に示すように、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、変調光学系44と、投射光学系45と、を有している。この場合、光学ユニット40において、光は、光路Lのように略クランク状に進行して、投射光学系45の投射レンズ部451から反射ミラー30の方向へ射出される。また、調整機構部50は、光学ユニット40を載置して、投射レンズ部451から反射ミラー30へ射出される光の方向を調整するものである。
調整機構部50は、投射レンズ部451から射出する光の方向を調整するためのものであり、透過型スクリーン20に対して、上部外装12と下部外装13との方向であるピッチ角方向Aを調整することが可能であり、さらに、左右のスピーカボックス19間の方向であるヨー角方向Bを調整すること、および回転の方向であるロール角方向Cを調整することが可能である。
また、調整機構部50は、光学ユニット40を載置する第一調整板51と、第一調整板51を載置する第二調整板52と、第二調整板52を載置すると共に、図3に示す下部外装13へ調整機構部50を固定するための固定基盤53と、を有している。第一調整板51および第二調整板52は、図示していないスペーサやネジなどの調整部材により角度調整を行うことが可能である。
固定基盤53は、下部外装13へ固定され、光学ユニット40の投射レンズ部451が位置する側の端部に立設され第二調整板52の回転中心となる回転中心ピン520を有している。第二調整板52は、回転中心ピン520を回転中心とし、調整部材による調整量だけ、固定基盤53の面上をヨー角方向Bへ回転することが可能である。また、第一調整板51は、回転中心ピン520の側の端部510が第二調整板52へピッチ角方向Aおよびヨー角方向Bへ回転自在に軸支されており、調整部材による調整量だけ、ピッチ角方向Aおよびヨー角方向Bへ回転することが可能である。
次に、リアプロジェクタ1の基幹部である光学ユニット40について詳細に説明する。図5は、光学ユニットの詳細を示す模式図である。まず、インテグレータ照明光学系41から順に説明する。インテグレータ照明光学系41は、光源からの光の照度分布を略均一にするためのものである。具体的には、変調光学系44を構成する3枚の液晶パネル441(441R,441G,441B)の光学像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系であり、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備えている。
光源装置411は、光源としての光源ランプ416と、リフレクタ417とを備え、光源ランプ416から射出された放射状の光線を、放物面鏡であるリフレクタ417で反射することにより平行光線として射出する。光源ランプ416としては、超高圧水銀ランプを採用している。
第1レンズアレイ412は、詳細を図示していないが、光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。これら小レンズは、光源ランプ416から射出された光を、複数の部分光に分割するためのものであり、各小レンズの輪郭形状は、液晶パネル441の光学像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成であり、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。そして、第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415と共に、第1レンズアレイ412の各小レンズの光学像を液晶パネル441上に結像させる機能を果たすものである。
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置されていて、第2レンズアレイ413と一体でユニット化されている。このような偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413からの光を1種類の偏光光に変換するためのものであり、これにより、変調光学系44での光の利用効率を高めることが可能である。
具体的に述べると、偏光変換素子414によって1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に変調光学系44の液晶パネル441にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル441を用いたリアプロジェクタ1では、1種類の偏光光しか利用できないため、他種類のランダムな偏光光を発する光源ランプ416からの光のほぼ半分が利用されない。このため、偏光変換素子414を用いることにより、光源ランプ416から射出された光を全て1種類の偏光光に変換し、変調光学系44での光の利用効率を高めている。
インテグレータ照明光学系41において変換された偏光光は、色分離光学系42へ進む。色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422により、インテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光である偏光光を、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を有している。
また、リレー光学系43は、入射側レンズ431と、一対のリレーレンズ433と、反射ミラー432,434とを有し、この場合、色分離光学系42で分離された色光である赤色光を液晶パネル441Rまで導くためのものである。
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光の赤色光と緑色光とが透過し、青色光が反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した青色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ418を通って、青色用の液晶パネル441Bに到達する。このフィールドレンズ418は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光を、フィールドレンズ418の中心軸に対して平行な光に変換する。他の液晶パネル441G,441Bに設けられているフィールドレンズ418も同様の機能を有する。
また、ダイクロイックミラー421を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ418を通って、緑色用の液晶パネル441Gに到達する。一方、赤色光は、ダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ418を通って、赤色光用の液晶パネル441Rに到達する。なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の減衰等を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光を、そのままフィールドレンズ418に到達させるためである。なお、青色光にリレー光学系43を用いても良い。
次に、変調光学系44は、入射したそれぞれの色光を画像情報に応じて変調および合成して、カラー画像を形成するものであり、色分離光学系42で分離された各色光が入射する3つの入射側偏光板442と、各入射側偏光板442の後段に配置される光変調装置である液晶パネル441R,441G,441Bと、各液晶パネル441R,441G,441Bの後段に配置される射出側偏光板443と、色合成装置であるクロスダイクロイックプリズム444とを備える。
液晶パネル441は、この場合、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いた透過型のものである。また、入射側偏光板442は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光を吸収するものであり、サファイヤガラス等の基板に偏光膜が貼付されたものである。射出側偏光板443も、入射側偏光板442と略同様に構成され、液晶パネル441から射出された光のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光を吸収するものである。液晶パネル441において、入射した偏光光は、直角に捩れて射出するため、入射側偏光板442および射出側偏光板443は、互いの偏光軸の方向が直交するように設定されている。
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光板443から射出され、色光毎に変調された光学像を合成して、カラー画像を形成するものである。クロスダイクロイックプリズム444には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像が形成される。
次に、変調光学系44で形成されたカラー画像は、投射光学系45によって図3に示す反射ミラー30へ射出される。この投射光学系45は、投射レンズ部451と、直角プリズム452と、を有している。直角プリズム452は、変調光学系44のクロスダイクロイックプリズム444における光の射出側に配置され、クロスダイクロイックプリズム444で合成されたカラー画像を投射レンズ部451の方向へ折り曲げて反射する。また、投射レンズ部451は、複数の光学レンズによって構成されていて、直角プリズム452で反射されたカラー画像を拡大するようにして、反射ミラー30へ射出する。
以上説明した光学ユニット40のインテグレータ照明光学系41、色分離光学系42、リレー光学系43、変調光学系44および投射光学系45は、図4に示すようにL字状をなすユニット収容部401の内部に収容されている。ユニット収容部401は、合成樹脂製であり、光学ユニット40の各光学系を収容する下部収容部と、蓋部である上収容部とから成っている。なお、変調光学系44が位置する下収容部には、冷却機構部によって光学ユニット40を冷却するための開口部が設けられている。
次に、透過型スクリーン20の構成について説明する。図6(a)は、透過型スクリーンの構成部材を個々に示す断面図、(b)は、レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとを組立てた状態を示す断面図、(c)は、透過型スクリーンを前面外装に取り付けた状態を示す断面図である。各図において、縦および横の倍率は、分かり易いように適宜変更してある。図3および図6(c)に示すように、透過型スクリーン20は、映像が投射される反射ミラー30の側から、ガラス板23、フレネルレンズシート22、レンチキュラーレンズシート21が順に配置された構成を有している。
まず、透過型スクリーン20を形成する各部材について説明する。レンチキュラーレンズシート21は、図6(a)に示すように、シート状のメタクリル樹脂であるレンチキュラー基部211の一方の面に、図3に示すような断面蒲鉾型のレンチキュラーレンズを連続して形成したレンチキュラーレンズ面212を有している。そして、レンチキュラー基部211のレンチキュラーレンズ面212と反対側の面には、低反射コーティング213が設けられている。このレンチキュラーレンズシート21は、レンチキュラーレンズを成型する際に、レンチキュラーレンズ面212の側が凸状に反った形状となるように加工されている。
フレネルレンズシート22は、同じく図6(a)に示すように、シート状のアクリル樹脂であるフレネル基部221の一方の面に、図3に示すような断面鋸刃状のフレネルレンズを形成したフレネルレンズ面222を有している。このフレネルレンズシート22は、フレネルレンズを成型する際に、フレネルレンズ面222の側が凸状に反った形状となるように加工されている。この場合、フレネルレンズシート22の凸状に反っている程度は、レンチキュラーレンズシート21の反っている程度に比べて小さく設定されている。なお、レンチキュラーレンズシート21およびフレネルレンズシート22の、レンチキュラー基部211およびフレネル基部221に使用する樹脂としては、既述した2種のプラスチック材種以外のプラスチックであっても良い。
ガラス板23は、剛性および高い平面性を有し光透過性が良好な板状部材であり、ガラス基部231と、ガラス基部231の両面に設けられている低反射フィルム232と、を有している。ガラス板23は、シート状のレンチキュラーレンズシート21およびフレネルレンズシート22の変形等を矯正し、平面性の高い透過型スクリーン20を形成するための基準となる板である。
次に、透過型スクリーン20の形成について説明する。透過型スクリーン20の形成は、最初に、図6(b)に示すように、レンチキュラーレンズシート21とフレネルレンズシート22とを組合せて複合レンズシート24を形成する。この時、レンチキュラーレンズ面212とフレネルレンズ面222とを対向して合わせるように配置する。レンチキュラーレンズシート21とフレネルレンズシート22とは、対向して合わせると、図6(a)に示すように、それぞれの中央部の間の距離に比し、端部側の間の距離が長くなっているため、端部側同士を貼付すると、レンチキュラーレンズ面212とフレネルレンズ面222とが、全面に渡って密着状態となる。このようにして、レンチキュラーレンズ面212とフレネルレンズ面222とが合わさった複合レンズシート24は、レンチキュラーレンズシート21およびフレネルレンズシート22のそれぞれの反りの程度の違いによって、図6(b)に示すように、反りの程度が大きいレンチキュラーレンズシート21の反り方向に沿ってカーブしている状態となる。
ここで、レンチキュラーレンズシート21およびフレネルレンズシート22から成る、反っている状態の複合レンズシート24に映像を投射した場合について、簡単に説明する。図7(a)は、投射レンズ部から射出される光の経路を示す模式図、(b)は、スクリーンに投射された映像の状態を示す模式図である。図7(a)に示すように、反射ミラー30で反射した光は、経路L1に沿って上部投射点a1に入射し、経路L2に沿って中央投射点a2に入射し、経路L3に沿って下部投射点a3に入射する。この場合、複合レンズシート24が反っているため、上部投射点a1、中央投射点a2および下部投射点a3は、図7(b)に示す歪像位置70のように、歪んだ状態で表示される。
一方、複合レンズシート24が反っていなければ、経路L1、経路L2および経路L3の光は、図7(b)に示す正規像位置60に、上部投射点a1'、中央投射点a2'および下部投射点a3'のように歪みのない状態で表示される。これは、正規像位置60の上部投射点a1'に光が到達するまでの経路の長さに対し、歪像位置70の上部投射点a1に光が到達するまでの経路L1の長さが長いため、上部投射点a1とa1'とが異なった位置に投射されることが原因である。そのため、拡散投射される映像は、歪むと共に焦点の合わずにボケて表示されることになる。上部投射点a1およびa1'以外の他の投射点においても同様なことがいえる。また、複合レンズシート24が反っていない状態で前面外装14に取り付けられていても、温度および湿度などにより、複合レンズシート24が伸縮して反りなどの変形を生じると、同様な現象が起き易い。なお、図7では、上下方向における歪みを例として表しているが、歪みは、複合レンズシート24の変形に応じて、上下方向に限らずいかなる方向にも起こり得るものである。
透過型スクリーン20は、このような複合レンズシート24の変形を抑制可能なものである。図6に戻って、透過型スクリーン20の形成について続ける。複合レンズシート24の形成後、図6(c)に示すように、複合レンズシート24の凸状に反った側を、ガラス板23に合わせて、透過型スクリーン20として前面外装14へ取り付ける。この取り付けは、透過型スクリーン20のレンチキュラーレンズシート21の端部を前面外装14へ押し当て、ガラス板23の端部を板バネ25で押えて、板バネ25をネジ26で前面外装へ固定して行う。この取り付け構成により、複合レンズシート24は、凸状に反っているため、端部を押えるだけで、自らの反りの反力により、ガラス板23へ押圧状態で密着させることができる。よって、レンチキュラーレンズシート21と、フレネルレンズシート22と、ガラス板23と、が離反またはズレることなどをほぼ防止することが可能である。
以上、説明したような透過型スクリーン20において、透過型スクリーン20を構成するフレネルレンズ面222は、反射ミラー30を介し入射角を有して入射する光を、平行光に変換して漏れなくレンチキュラーレンズシート21へ出射する役目を果たす。また、レンチキュラーレンズ面212は、フレネルレンズシート22からの光を映像として表示し、さらに、視野角を拡大させて出射する。視野角を拡大させることにより、リアプロジェクタ1は、透過型スクリーン20に正対する位置以外の斜めの方向からも映像を視認することが可能である。
以下、実施形態の効果をまとめて記載する。
透過型スクリーン20は、映像が投射される側に、矯正部材としてガラス板23を備え、レンチキュラーレンズシート21およびフレネルレンズシート22の自重や伸縮等による変形を矯正して、透過型スクリーン20としての平面性を保持することが可能である。従って、透過型スクリーン20は平面性が保持でき、投射された映像に歪みなどが発生し難くなる。また、ガラス板23は、光透過性であり1枚が付加されるだけのため、3層構成のスクリーンであっても、投射される映像の明るさを大きく低下させることがない。
レンチキュラーレンズシート21とフレネルレンズシート22とを組合せた複合レンズシート24は、凸状に反っており、この凸状側をガラス板23へ合わせることにより、複合レンズシート24の全面を、ガラス板23に沿って押圧状態で密着させることが可能である。そのため、レンチキュラーレンズシート21またはフレネルレンズシート22が、温度および湿度の変化によって伸縮等を生じて変形しても、変形が矯正されて、レンチキュラーレンズシート21およびフレネルレンズシート22の平面性を常に保持することが可能である。
本実施形態の透過型スクリーン20を備えたリアプロジェクタ1は、透過型スクリーン20の平面性が保持でき、歪みなどが発生し難いため、視認性の良好な映像を提供すると共に、レンチキュラーレンズシート21とフレネルレンズシート22とを有する構成により、視野角の広い映像を提供することが可能である。
また、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、次に挙げる変形例のような形態であっても、実施形態と同様な効果が得られる。
透過型スクリーン20は、レンチキュラーレンズ面212とフレネルレンズ面222とを有する構成であるが、マイクロレンズアレイ等をレンチキュラーレンズとして用いて視野角を拡大し、ホログラム等をフレネルレンズとして用いて入射する光の入射角度を略同方向に変換する構成であっても良い。
レンチキュラーレンズシート21とフレネルレンズシート22とは、単体において、逆方向に反った状態に配置されて組合されているが、この組合せに限定されず、フレネルレンズシート22は、単体において、レンチキュラーレンズシート21より反りの程度が少なく、且つ、同じ方向に反った形態であっても良い。または、反りのない形態であっても良い。ガラス板23と合わせた状態では、実施形態とほぼ同等の効果が得られる。
ガラス板23は、透過型スクリーン20の映像が投射されるフレネルレンズシート22の側に配置するのが、最も効果的であるが、レンチキュラーレンズシート21の側に配置する構成であっても良い。外部光の映り込みなどにより、見難い傾向になるが、歪みなどのない映像を提供することは、可能である。
リアプロジェクタ1では、変調光学系44において、液晶パネル441を3つ備える三板式のプロジェクタで構成していたが、これに限らず、液晶パネル441を1つ備える単板式のプロジェクタで構成しても良い。また、液晶パネル441を2つ備えるプロジェクタや、液晶パネル441を4つ以上備えるプロジェクタとして構成しても良い。また、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネル441を用いているが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いても良い。さらに、光変調装置として液晶パネル441を用いることに限定せず、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いても良い。
また、光源ランプ416として、超高圧水銀ランプを用いていたが、レーザダイオード、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro Luminescence)素子、シリコン発光素子等の各種固体発光素子を採用してもよい。
1…リアプロジェクタ、10…外装、11…脚部外装、12…上部外装、13…下部外装、14…前面外装、20…スクリーンとしての透過型スクリーン、21…レンチキュラーレンズシート、22…フレネルレンズシート、23…矯正部材としてのガラス板、24…複合レンズシート、25…板バネ、26…ネジ、30…反射ミラー、40…光学ユニット、50…調整機構部、60…正規像位置、70…歪像位置、211…レンチキュラー基部、212…レンチキュラーレンズ面、213…低反射コーティング、221…フレネル基部、222…フレネルレンズ面、231…ガラス基部、232…低反射フィルム。
Claims (6)
- 映像が投射される透過型のスクリーンであって、
フレネルレンズを有するフレネルレンズシートと、
レンチキュラーレンズを有するレンチキュラーレンズシートと、
光透過性を有し、前記フレネルレンズシートおよび前記レンチキュラーレンズシートの変形を矯正する矯正部材と、を備えていることを特徴とするスクリーン。 - 請求項1に記載のスクリーンにおいて、
前記映像が投射される側から、前記矯正部材と前記フレネルレンズシートと前記レンチキュラーレンズシートとが順に配置されていることを特徴とするスクリーン。 - 請求項2に記載のスクリーンにおいて、
前記フレネルレンズシートと前記レンチキュラーレンズシートとを組合せた状態では、前記矯正部材の側へ凸状に反っていることを特徴とするスクリーン。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のスクリーンにおいて、
前記矯正部材は、ガラス板であることを特徴とするスクリーン。 - 請求項4に記載のスクリーンにおいて、
前記ガラス板は、少なくとも一方の面に低反射処理を施したことを特徴とするスクリーン。 - 光源から射出された光を画像信号に応じて変調してスクリーンへ投射するリアプロジェクタであって、
請求項1から5のいずれか一項に記載のスクリーンを備えていることを特徴とするリアプロジェクタ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007002040A JP2008170574A (ja) | 2007-01-10 | 2007-01-10 | スクリーン、およびリアプロジェクタ |
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JP2007002040A JP2008170574A (ja) | 2007-01-10 | 2007-01-10 | スクリーン、およびリアプロジェクタ |
Publications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114007053A (zh) * | 2020-07-28 | 2022-02-01 | 精工爱普生株式会社 | 图像生成方法、图像生成系统和记录介质 |
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2007
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