JP2007328086A - 投写光学系及びプロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】高い光学性能を確保し、高品質な画像を得るための投写光学系、及びプロジェクタを提供すること。
【解決手段】投写光を広角化させる光学要素、又は投写光を広角化させる光学要素の入射側に配置された光学要素であって、投写光を反射させるミラー部である第1ミラー部13と、第1ミラー部13を変形させることにより第1ミラー部13からの投写光の進行方向を調整する調整部34と、を有し、調整部34は、第1ミラー部13で反射した後投写光の被照射面へ入射する入射角が大きい光線ほど大きく変位させるように第1ミラー部13を変形させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、投写光学系及びプロジェクタ、特に、プロジェクタに用いられる投写光学系の技術に関する。
近年、フロント投写型のプロジェクタやリアプロジェクタにおいて、投写距離を短くさせた超短焦点の投写光学系を採用する構成が提案されている。フロント投写型のプロジェクタにおいて超短焦点の投写光学系を採用すると、高い自由度でプロジェクタを設置できるという利点が得られる。リアプロジェクタにおいて超短焦点の投写光学系を採用すると、リアプロジェクタを薄型にできるという利点が得られる。鏡筒に複数のレンズが組み込まれた従来の投写光学系にて超短焦点を実現しようとする場合、諸収差、例えば、倍率色収差が発生し易くなることにより高品質な画像を得ることが難しくなる。超短焦点投写により高品質な画像を得るために、ミラーを用いて投写光を広角化させる投写光学系が提案されている。レンズに代えてミラーを用いることで、諸収差の発生を低減することができる。
投写光を広角化させるミラーとして、例えば、非球面を備える非球面ミラーを用いることができる。ミラーを用いて投写光を広角化させる場合、ミラーにより投写光を広角化させる度合いが大きくなるほど、ミラーの形状の誤差による光学性能への悪影響が大きくなる。光学性能への悪影響は、例えば、画像の歪みやフォーカスずれとなって現れることとなる。非球面ミラーは、通常、樹脂等の基材上に反射膜をコーティングすることで形成される。樹脂により構成された基材は、高い光学性能を確保可能な程度の高精度な成形が非常に困難である。このように、超短焦点の投写光学系を用いる場合、高い光学性能を確保すること、高品質な画像を得ることが非常に困難である。ミラーを用いる投写光学系の場合、例えば、ミラーの形状を適宜調整可能とすることにより、光学性能の改善を図ることが可能である。投写光を反射させるミラーを変形させることで画像の修正を行うための技術は、例えば、特許文献1に提案されている。
特開2001−42281号公報
特許文献1に提案されている技術は、プロジェクタからの投写光を反射させるミラー装置において、ミラーを変形させるものである。プロジェクタにて広角化された投写光を効率良く反射するには、大型なミラーが必要となる。また、広角化された投写光を反射するミラーの変形により画像の修正を行うためには、ミラーを大きく変形させる必要も生じる。投写光学系は、大型なミラーを大きく変形させるような調整を行うことは困難である上、ミラーを大きく変形させることでミラーの耐久性が低下することもある。以上のように、従来の技術によると、高い光学性能を確保すること、高品質な画像を得ることが困難であるという問題を生じる。本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、高い光学性能を確保し、高品質な画像を得るための投写光学系、及びプロジェクタを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、投写光を広角化させる光学要素、又は投写光を広角化させる光学要素の入射側に配置された光学要素であって、投写光を反射させるミラー部と、ミラー部を変形させることによりミラー部からの投写光の進行方向を調整する調整部と、を有することを特徴とする投写光学系を提供することができる。
投写光学系は、調整部を用いて投写光の進行方向の調整を行うことにより、光学素子の成形のみによって高い光学性能を確保する必要が無くなる。光学素子の高精度な成形を不要とすることで、投写光学系の製造に必要な時間及びコストの低減を図れる。投写光を広角化させる光学要素の入射側の光学要素、又は投写光を広角化させる光学要素であるミラー部は、小型にできる上、僅かな変形により投写光の進行方向の調整が可能である。よって、投写光学系は、高い光学性能を確保するための調整を容易に行うことができる。これにより、高い光学性能を確保し、高品質な画像を得るための投写光学系を得られる。
また、本発明の好ましい態様としては、調整部は、ミラー部で反射した後投写光の被照射面へ入射する入射角が大きい光線ほど大きく変位させるようにミラー部を変形させることが望ましい。投写光学系は、被照射面への入射角が大きいほど、投写光を広角化させる光学要素、例えば非球面ミラーの形状の誤差による画像の歪み等が引き起こされ易くなる。被照射面へ入射する入射角が大きい光線ほど大きく変位させることで、光学性能を効果的に改善することができる。また、被照射面へ入射する光線の入射角の分布に対応させてミラー部全体を連続的に変形させることにより、ミラー部の形状の誤差によって生じる光線のずれに対応するように光線を変位させる。これにより、画像全体の劣化を低減できる。
また、本発明の好ましい態様としては、調整部は、ミラー部を支持する支持部と、ミラー部のうち支持部により支持された部分以外の部分を押圧する押圧部と、を有することが望ましい。これにより、ミラー部を変形させることができる。また、押圧部による押圧の度合いを調整することで、ミラー部で反射させた投写光の進行方向を調整することができる。
また、本発明の好ましい態様としては、押圧部は、ミラー部のうち、被照射面へ入射する入射角が最大となる光線を反射させる位置又はその近傍を押圧することが望ましい。これにより、被照射面へ入射する入射角に応じてミラー部が連続的に変形するように、ミラー部を湾曲させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、押圧部は、ネジを備えることが望ましい。押圧部は、ネジの先端をミラー部に当接させた状態でネジを回転させることで、ミラー部の押圧度合いを調整する。これにより、投写光の変位量を適宜調整することができる。
また、本発明の好ましい態様としては、押圧部は、圧電素子を備えることが望ましい。押圧部は、圧電素子へ印加する電圧を調整することで、ミラー部の押圧度合いを調整する。これにより、投写光の変位量を適宜調整することができる。
また、本発明の好ましい態様としては、調整部は、押圧部の押圧に対向させた付勢力をミラー部へ付与する弾性部材を備えることが望ましい。調整部は、押圧部による圧力と弾性部材による付勢力とに応じてミラー部を変形させる。例えば、弾性部材による付勢力に対して押圧部による圧力が強い場合、ミラー部は、押圧部による圧力に応じて変形する。押圧部による圧力と弾性部材による付勢力とがつり合うとき、ミラー部にかかる力が打ち消されることにより、ミラー部は元の状態へ戻る。弾性部材による付勢力に対して押圧部による圧力が弱い場合、ミラー部は、弾性部材による付勢力に応じて変形する。これにより、投写光の変位量の調整を容易に行うことができる。
また、本発明の好ましい態様としては、調整部は、複数の押圧部を有することが望ましい。例えば、被照射面の鉛直下側から鉛直上方向へ投写光を投写させる投写光学系の場合、2つの押圧部を用いる構成とすることができる。また、被照射面の正面から投写光を投写させる投写光学系の場合、4つの押圧部を用いる構成とすることができる。押圧部の数を適宜決定することで、投写光学系の構成に応じた調整や、高精度な調整を行うことができる。
また、本発明の好ましい態様としては、投写光を出射させる光学要素である投写レンズと、投写レンズからの投写光を折り曲げる光学要素である第1ミラー部と、第1ミラー部からの投写光を広角化させる光学要素である第2ミラー部と、を有し、調整部は、第1ミラー部を変形させることにより投写光の進行方向を調整することが望ましい。第1ミラー部を変形させることで、高い光学性能を確保するための調整を行うことができる。
また、本発明の好ましい態様としては、投写光を出射させる光学要素である投写レンズと、投写レンズからの投写光を折り曲げる光学要素である第1ミラー部と、第1ミラー部からの投写光を広角化させる光学要素である第2ミラー部と、を有し、調整部は、第2ミラー部を変形させることにより投写光の進行方向を調整することが望ましい。第2ミラー部を変形させることで、高い光学性能を確保するための調整を行うことができる。
また、本発明の好ましい態様としては、光軸を略一致させて配置された光学要素を有し、投写光を光軸から特定の側へシフトさせて進行させることが望ましい。これにより、超短焦点の投写光学系を得られる。本発明によると、光学要素の形状の誤差によって光学性能への悪影響が出易いシフト光学系に対して、高い光学性能を確保するための調整を行うことができる。
また、本発明の好ましい態様としては、押圧部は、ミラー部のうち、光軸から最も離れた位置又はその近傍を押圧することが望ましい。被照射面へ入射する入射角が最大となる光線は、光軸から最も離れた位置にある。よって、本態様により、被照射面へ入射する入射角に応じてミラー部が連続的に変形するように、ミラー部を湾曲させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、ミラー部は、偏心光学系を構成することが望ましい。これにより、超短焦点の投写光学系を得られる。本発明によると、光学要素の形状の誤差によって光学性能への悪影響が出易い偏心光学系に対して、高い光学性能を確保するための調整を容易に行うことができる。
さらに、本発明によれば、画像信号に応じて変調された光を、上記の投写光学系を用いて投写させることを特徴とするプロジェクタを提供することができる。上記の投写光学系を用いることにより、高い光学性能を確保し、高品質な画像を得ることができる。これにより、高品質な画像を表示することが可能なプロジェクタを得られる。
以下に図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係るプロジェクタ10の概略構成を示す。プロジェクタ10は、プロジェクタ10外部のスクリーン18へ画像信号に応じた光を投写し、スクリーン18で反射する光を観察することで画像を鑑賞する、いわゆるフロント投写型のプロジェクタである。投写レンズ12、第1ミラー部13、及び第2ミラー部14は、投写光学系を構成する光学要素である。投写光学系は、画像信号に応じて変調された光を投写させる。なお、図1において、第1ミラー部13は、下側からの光を筐体17の正面側へ折り曲げるものとして示しているが、これに限られない。第1ミラー部13は、光学エンジン部11及び第2ミラー部14の配置に応じて、紙面手前にある筐体17の側面側や紙面奥側にある筐体17の側面側等、いずれの方向へ光を折り曲げるものとしても良い。
図2は、光学エンジン部11の構成を説明するものである。光学エンジン部11は、画像信号に応じて変調された光を供給する。超高圧水銀ランプ20は、赤色(R)光、緑色(G)光、及び青色(B)光を含む光を供給する。第1インテグレータレンズ21及び第2インテグレータレンズ22は、アレイ状に配列された複数のレンズ素子を有する。第1インテグレータレンズ21は、超高圧水銀ランプ20からの光束を複数に分割する。第1インテグレータレンズ21の各レンズ素子は、超高圧水銀ランプ20からの光束を第2インテグレータレンズ22のレンズ素子近傍にて集光させる。第2インテグレータレンズ22のレンズ素子は、第1インテグレータレンズ21のレンズ素子の像を空間光変調装置上に形成する。
2つのインテグレータレンズ21、22を経た光は、偏光変換素子23にて特定の振動方向を有する偏光光、例えばs偏光光に変換される。重畳レンズ24は、第1インテグレータレンズ21の各レンズ素子の像を空間光変調装置上で重畳させる。第1インテグレータレンズ21、第2インテグレータレンズ22及び重畳レンズ24は、超高圧水銀ランプ20からの光の強度分布を空間光変調装置上にて均一化させる。
重畳レンズ24からの光は、第1ダイクロイックミラー25に入射する。第1ダイクロイックミラー25は、R光を反射させ、G光及びB光を透過させる。第1ダイクロイックミラー25で反射したR光は、第1ダイクロイックミラー25、反射ミラー26でそれぞれ光路を略90度折り曲げられ、R光用フィールドレンズ29Rへ入射する。R光用フィールドレンズ29Rは、反射ミラー26からのR光を平行化し、R光用空間光変調装置30Rへ入射させる。
R光用空間光変調装置30Rは、R光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶表示装置である。R光用空間光変調装置30Rに設けられた不図示の液晶パネルは、2つの透明基板の間に、画像表示のための液晶層を封入している。液晶パネルに入射したs偏光光は、画像信号に応じた変調によりp偏光光に変換される。R光用空間光変調装置30Rは、変調によりp偏光光に変換されたR光を出射する。R光用空間光変調装置30Rで変調されたR光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム31へ入射する。
第1ダイクロイックミラー25を透過したG光及びB光は、第2ダイクロイックミラー27へ入射する。第2ダイクロイックミラー27は、G光を反射させ、B光を透過させる。第2ダイクロイックミラー27で反射されたG光は、第2ダイクロイックミラー27で光路を略90度折り曲げられ、G光用フィールドレンズ29Gへ入射する。G光用フィールドレンズ29Gは、第2ダイクロイックミラー27からのG光を平行化し、G光用空間光変調装置30Gへ入射させる。G光用空間光変調装置30Gは、G光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶表示装置である。G光用空間光変調装置30Gに入射したs偏光光は、液晶パネルでの変調によりp偏光光に変換される。G光用空間光変調装置30Gは、変調によりp偏光光に変換されたG光を出射する。G光用空間光変調装置30Gで変調されたG光は、R光とは異なる側からクロスダイクロイックプリズム31へ入射する。
第2ダイクロイックミラー27を透過したB光は、2枚のリレーレンズ28及び2枚の反射ミラー26を経由して、B光用フィールドレンズ29Bへ入射する。B光の光路は、R光の光路、G光の光路よりも長い。空間光変調装置における照明倍率を他の色光と等しくするために、B光の光路には、リレーレンズ28を用いるリレー光学系が採用されている。B光用フィールドレンズ29Bは、反射ミラー26からのB光を平行化し、B光用空間光変調装置30Bへ入射させる。
B光用空間光変調装置30Bは、B光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶表示装置である。B光用空間光変調装置30Bに入射したs偏光光は、液晶パネルでの変調によりp偏光光に変換される。B光用空間光変調装置30Bは、変調によりp偏光光に変換されたB光を出射する。B光用空間光変調装置30Bで変調されたB光は、R光及びG光とは異なる側からクロスダイクロイックプリズム31へ入射する。なお、各空間光変調装置30R、30G、30Bは、変調によりs偏光光をp偏光光に変換するほか、p偏光光をs偏光光に変換することとしても良い。
クロスダイクロイックプリズム31は、互いに略直交するように配置された2つのダイクロイック膜31a、31bを有する。第1ダイクロイック膜31aは、R光を反射させ、G光及びB光を透過させる。第2ダイクロイック膜31bは、B光を反射させ、R光及びG光を透過させる。クロスダイクロイックプリズム31は、それぞれ異なる側から入射したR光、G光及びB光を合成し、投写レンズ12の方向へ出射させる。
投写レンズ12は、第1ミラー部13へ向けて投写光を出射させる。第1ミラー部13は、投写レンズ12及び第2ミラー部14に対向する位置に設けられている。第1ミラー部13は、投写レンズ12からの投写光を反射させることにより、第2ミラー部14の方向へ折り曲げる。第1ミラー部13は、投写光を広角化させる光学要素である第2ミラー部14の入射側に配置されたミラー部である。第1ミラー部13は、略平坦な平面形状を有する。第1ミラー部13は、硝子等の平行平板上に反射膜を形成することにより構成できる。反射膜としては、高反射性の部材の層、例えばアルミニウム等の金属部材の層や誘電体多層膜等を用いることができる。また、反射膜の上には、透明部材を有する保護膜を形成することとしても良い。
第2ミラー部14は、筐体17のうち正面側内面に設けられている。第2ミラー部14は、投写光を広角化させる光学要素である。第2ミラー部14は、非球面形状の曲面を有する。非球面形状の曲面は、中心軸に対して略回転対称な形状の曲面、例えば放物面や楕円面等、及び非回転対称な形状の自由曲面のいずれであっても良い。第2ミラー部14は、第1ミラー部13からの投写光を反射させることで、観察者から見て主に左右方向について投写光を広角化させるとともに、投写光を筐体17の天井面の方向へ折り曲げる。
第2ミラー部14は、非球面形状を有する基材上に反射膜を形成することにより構成できる。基材は、例えば、ポリカーボネート等の樹脂により構成することができる。また、基材にアルミニウムを蒸着させて構成される反射膜を用いることにより、95%以上の反射率を確保できる。投写レンズ12のみならず第2ミラー部14を用いて投写光を広角化させることで、投写レンズ12のみにより投写光を広角化させる場合より投写レンズ12を小型にすることができる。
透過部15は、筐体17の天井面に設けられている。透過部15は、第2ミラー部14からの光を筐体17外へ出射させる。透過部15は、硝子等の透明部材により構成されている。透過部15は、筐体17の天井面に形成されている。第2ミラー部14で反射した光は、透過部15を透過した後、被照射面であるスクリーン18へ入射する。スクリーン18は、観察者の方向へ光を拡散させる。プロジェクタ10は、第1ミラー部13から見て筐体17の底面側に光学エンジン部11を配置する構成に限られない。光学エンジン部11は、第1ミラー部13から見て図1の紙面手前にある筐体17の側面側、又は紙面奥側にある筐体17の側面側に配置することとしても良い。
本実施例のプロジェクタ10の投写光学系は、超短焦点投写を行う。これにより、スクリーン18に近い位置にプロジェクタ10を配置することを可能とし、高い自由度でプロジェクタ10を配置することができる。また、本実施例のプロジェクタ10は、第2ミラー部14から真上に近い方向へ投写光を出射させる。よって、プロジェクタ10は、スクリーン18が設けられる壁面に密着させて配置できる。壁面に密着させてプロジェクタ10を配置可能とすることにより、スクリーン18から観察者の方向へ進行する光がプロジェクタ10によって遮られる事態を確実に回避可能とし、快適な映像観賞を行うことができる。
図3は、投写光学系の構成について説明するものである。光学エンジン部11、投写レンズ12、第2ミラー部14は、いずれも共通の光軸AXを持つ、いわゆる共軸光学系を構成している。また、光学エンジン部11、投写レンズ12、及び第2ミラー部14は、光学エンジン部11からの光を光軸AXから特定の側へシフトさせて進行させる、いわゆるシフト光学系を構成している。かかる構成により、第2ミラー部14からスクリーン18において、スクリーン18面に沿う方向へ投写光を進行させる。プロジェクタ10は、このようにして、第2ミラー部14から真上に近い方向へ投写光を進行させることができる。なお、図3では、光軸AXを一直線として表すために、第1ミラー部13における投写光の折り曲げについての図示を省略している。
スクリーン18における光線の入射角が大きくなると、光線の向きがずれた場合における光線の入射位置のずれ量が大きくなる。投写光学系は、スクリーン18へ入射する投写光の入射角が大きいほど、第2ミラー部14の形状の誤差による画像の歪み、ボケ等が引き起こされ易くなる。スクリーン18における投写光の入射角は、光軸AXから離れた位置ほど大きくなる。本実施例の場合、図4に黒塗りして示すように、スクリーン18上部の左隅部、及び右隅部の2箇所において光線の入射角が最大となる。例えば、第2ミラー部14の全体について一様な精度で成形したとすると、黒塗りした部分へ近づくに従って画像の歪みやボケが生じ易くなる。第2ミラー部14は、スクリーン18上部の左隅部へ向けて光線を反射させる部分、及びスクリーン18上部の右隅部へ向けて光線を反射させる部分について、特に高い形状精度が求められることになる。
スクリーン18の隅部へ向けて光線を反射させるのは、通常、第2ミラー部14の外縁部又はその近傍となる。樹脂の成形では外縁部に近い部分ほど凝固による引けや曲がり等を生じ易く、高精度な成形が非常に困難となる。このため、スクリーン18へ入射する光線のずれは、スクリーン18上部の左隅部、及び右隅部に近づくに従って顕著となる上、そのずれを低減することも困難である。
図5は、第1ミラー部13及び調整部34の平面構成を示す。図6は、図5に示す構成のAA断面を示す。調整部34は、第1ミラー部13を変形させることにより第1ミラー部13で反射させた投写光の進行方向を調整する。基板36及び当接部材37は、第1ミラー部13を支持する支持部である。図6に示すように、第1ミラー部13は、基板36の凸部38上に配置されている。基板36のうち凸部38が形成された部分以外の部分と第1ミラー部13との間には、空間が形成されている。
当接部材37は、第1ミラー部13の両端部にそれぞれ設けられている。当接部材37は、凸部38に対応する位置において第1ミラー部13と当接している。当接部材37のうち凸部38に対応する部分以外の部分と第1ミラー部13との間には、空間が形成されている。第1ミラー部13は、凸部38と当接部材37とにより挟持されている。第1ミラー部13のうち投写光が入射するのは、凸部38及び当接部材37により挟持された位置同士の間の領域である。
ネジ35は、当接部材37を貫通するように設けられている。図5に示すように、ネジ35は、第1ミラー部13のうち、隅部近傍の位置に対応させて設けられている。ネジ35は、第1ミラー部13のうち、支持部である基板36及び当接部材37により支持された部分以外の部分を押圧する押圧部である。なお、図6には、ネジ35により第1ミラー部13を押圧する前の状態を示す。
図6に示す状態から当接部材37へネジ35をしめ込むと、ネジ35の先端が第1ミラー部13に到達する。さらに当接部材37へネジ35をしめ込むと、ネジ35は、第1ミラー部13を押圧する。図7には、2つのネジ35をそれぞれ同じ程度しめ込むことにより第1ミラー部13を押圧する状態を示す。第1ミラー部13のうちネジ35により押圧される部分は、基板36側へ押し下げられる。第1ミラー部13のうち投写光を反射させる部分は、基板36側とは反対側へ湾曲する。調整部34は、このようにして第1ミラー部13を変形させる。
図8及び図9は、調整部34による投写光の進行方向の調整について説明するものである。図8及び図9では、第1ミラー部13の反射面及び第2ミラー部14の反射面を、反射面に垂直な断面における線分としてそれぞれ表している。図8に示すように、平坦な反射面S1を備える第1ミラー部13へ光線が入射したとする。また、第2ミラー部14は、第1ミラー部13からの光線を破線矢印の方向へ反射させるように、破線で示す反射面S2が設計されたとする。第2ミラー部14が、設計上の反射面S2とは異なる形状の反射面S3を備える場合、第1ミラー部13からの光線は、実線矢印で示すように、設計上光線を進行させる方向とは異なる方向へ進行することとなる。
図9に示すように、反射面S1を、実線で示す反射面S4とするように第1ミラー部13を変形させるとする。変形後の反射面S4は、変形前の反射面S1を湾曲させたものである。第1ミラー部13からの光線は、実線矢印で示すように、平坦な反射面S1の場合とは異なる方向へ進行する。第1ミラー部13からの光線は、第2ミラー部14の反射面S3において、第1ミラー部13を変形させる前とは異なる位置で反射される。第2ミラー部14の反射面S3で反射された光は、実線矢印で示すように、設計上の進行方向と同じ方向へ光線を進行させる。これにより、第2ミラー部14からの光線の進行方向は、設計通りの進行方向へと修正される。調整部34は、このようにして投写光の進行方向を調整する。
図5に戻って、ネジ35は、第1ミラー部13のうち、光軸AX(図3参照)から最も離れた位置又はその近傍を押圧する。また、ネジ35が第1ミラー部13を押圧する位置は、第1ミラー部13のうち、スクリーン18上部の左隅部、右隅部へ入射する光線を反射させる位置又はその近傍である。これにより、入射位置がスクリーン18上部の左隅部、右隅部に近い光線ほど大きく変位させることを可能とし、光学性能を効果的に改善することができる。また、可撓性を備える第1ミラー部13を押圧することで、第1ミラー部13全体を連続的に湾曲させることができる。スクリーン18へ入射する光線の入射角の分布に対応させて第1ミラー部13を連続的に湾曲させることにより、第2ミラー部14の形状の誤差によって生じる光線のずれに対応するように光線を変位させる。これにより、画像全体の劣化を低減できる。
図7に戻って、第1ミラー部13の変形は、当接部材37へネジ35をしめ込むに従って大きくなる。また、ネジ35を緩めるに従って、第1ミラー部13は、元の平板形状に近い形状となる。このように、ネジ35の先端を第1ミラー部13に当接させた状態でネジ35を回転させることで、投写光の変位量を適宜調整することができる。調整部34は、第1ミラー部13を湾曲させ、かつ湾曲した状態を長期に渡り保持可能な範囲内でネジ35を調整する。例えば、第1ミラー部13を6cm角の正方形形状とする場合、ネジ35による適度な押圧により投写光の変位量を調整するには、第1ミラー部13の硝子基材を1mm程度の厚みとすることができる。
第2ミラー部14の成形のみによって高い光学性能を確保する場合、型の度重なる修正や緻密な成形作業が必要となることで、投写光学系の製造にかかる手間や時間、コストが増大することとなる。これに対して、調整部34を用いて投写光の進行方向の調整を行う場合、投写光学系は、第2ミラー部14の成形のみによって高い光学性能を確保する必要が無くなる。第2ミラー部14の高精度な成形を不要とすることで、投写光学系の製造に必要な時間及びコストの低減を図れる。また、樹脂部材により成形された第2ミラー部14の基材は、反りや引け等により、形状の誤差が連続的に発生する場合が多い。本発明によると、第1ミラー部13を連続的に湾曲させることで、第2ミラー部14の形状誤差に対して効果的な調整を行うことができる。
第1ミラー部13は、第2ミラー部14により広範な空間へ広角化させる前の投写光を反射させる。広角化後の投写光を反射させる場合と比較して、第1ミラー部13を小型にすることができる。また、広角化後の投写光を反射させる場合と比較して、第1ミラー部13の僅かな変形により投写光の進行方向を十分調整することが可能である。よって、投写光学系は、高い光学性能を確保するための調整を容易に行うことができる。これにより、高い光学性能を確保し、高品質な画像を表示することができるという効果を奏する。特に、光学要素の形状の誤差によって光学性能への悪影響が出易いシフト光学系に対して、高い光学性能を確保するための調整を容易に行うことができるという利点を有する。
調整部34の構成は、本実施例で説明するものに限られない。ネジ35の操作により第1ミラー部13を変形させることが可能であって、投写光の進行方向を調整可能であれば良い。図10に示す調整部40は、基板36に設けられたネジ41により第1ミラー部13を変形させる。2つのネジ41により第1ミラー部13を押圧すると、第1ミラー部13のうち投写光を反射させる部分は、基板36側へ湾曲する。調整部40は、基板36にネジ41を設けることで、当接部材37にネジ35を設ける場合(図6参照)とは反対側へ第1ミラー部13を変形させて投写光の進行方向を調整する。
投写光学系は、シフト光学系とする場合に限られない。例えば、投写光学系は、光軸AXを中心として投写光を広角化させる構成としても良い。図11に示すように、スクリーン18の中心位置を光軸AXが貫く構成の場合、黒塗りして示すように、投写光の入射角が最大となるのは4つの隅部となる。この場合、調整部は、4つのネジを用いて第1ミラー部13の4隅を押圧する構成とすることができる。これにより、光軸AXから離れた光線ほど大きく変位させることを可能とし、光学性能を効果的に改善することができる。このように、押圧部の数を適宜決定することで、投写光学系の構成に応じた調整を行うことができる。
図12は、本実施例の変形例1に係る調整部50の構成を説明するものである。本変形例の調整部50は、押圧部による押圧と弾性部材による付勢力とにより第1ミラー部13を変形させることを特徴とする。調整部50は、図10に示す調整部40と同様に、基板36に設けられた2つのネジ41を有する。当接部材37と第1ミラー部13との間の空間には、弾性部材であるバネ51が設けられている。
バネ51は、第1ミラー部13を介してネジ41に対向させて設けられている。バネ51の一方の端部は第1ミラー部13上に、他方の端部は当接部材37上にそれぞれ配置されている。ネジ41が第1ミラー部13へ加える力の向きと、バネ51が第1ミラー部13へ加える力の向きとは、互いに逆向きとなる。このように、バネ51は、ネジ41による圧力に対向させた付勢力を第1ミラー部13へ付与する。図12には、ネジ41による圧力とバネ51による付勢力とがつり合った状態を示す。
ネジ41を緩めることでネジ41の圧力よりバネ51の付勢力が強くなると、図13に示すように、第1ミラー部13のうちバネ51が設けられた部分は、基板36側へ押し下げられる。第1ミラー部13のうち投写光を反射させる部分は、基板36側とは反対側へ湾曲する。
基板36へネジ41をしめ込むことでバネ51の付勢力よりネジ41の圧力が強くなると、図14に示すように、第1ミラー部13のうちネジ41により押圧される部分は、基板36とは反対側へ押し上げられる。第1ミラー部13のうち投写光を反射させる部分は、基板36側へ湾曲する。このように、調整部50は、基板36側、及び基板36とは反対側のいずれにも第1ミラー部13を湾曲させることができる。これにより、投写光の変位量の調整を容易に行うことができる。
図15は、本実施例の変形例2に係る調整部60の構成を説明するものである。本変形例の調整部60は、ネジに代えて圧電素子61が設けられることを特徴とする。圧電素子61は、第1ミラー部13を押圧する押圧部である。圧電素子61は、図12に示す調整部50のネジ41と同じ位置に配置されている。圧電素子61は、球状の当接部62を介して第1ミラー部13と当接している。当接部62を設けることにより、当接部62と第1ミラー部13とが接する狭い領域を支点として、圧電素子61からの圧力を第1ミラー部13へかけることができる。この他、調整部60は、圧電素子61と第1ミラー部13とを接着剤等により接合することとしても良い。図15には、圧電素子61による圧力とバネ51による付勢力とがつり合った状態を示す。
圧電素子61を縮小させることで圧電素子61の圧力よりバネ51の付勢力が強くなると、図16に示すように、第1ミラー部13のうちバネ51が設けられた部分は、基板36側へ押し下げられる。第1ミラー部13のうち投写光を反射させる部分は、基板36とは反対側へ湾曲する。圧電素子61を伸張させることでバネ51の付勢力より圧電素子61の圧力が強くなると、図17に示すように、第1ミラー部13のうち当接部62と当接する部分は、基板36とは反対側へ押し上げられる。第1ミラー部13のうち投写光を反射させる部分は、基板36側へ湾曲する。
圧電素子61の伸縮量は、圧電素子61へ印加する電圧によって容易に調節することができる。よって、圧電素子61への印加電圧を調節することで、投写光の変位量を容易に調整することができる。圧電素子61への印加電圧の調節は、リモコン等の操作手段を用いた簡易な操作により行うことが可能である。例えば、プロジェクタ10によりスクリーン18にテストパターンを表示させ、ユーザ等がテストパターンを目視しながら操作を行うことにより投写光学系の調整を適宜行うこととしても良い。さらに、CCDやCMOSセンサを用いた検出部によるテストパターンの検出結果に基づいて、投写光学系の調整を自動で行うこととしても良い。なお、本変形例の調整部60は、上記の調整部34(図6参照)と同様に、押圧部である圧電素子61による押圧のみによって第1ミラー部13を変形させることとしても良い。この場合、バネ51を不要とし、調整部60を簡易な構成とすることができる。
本実施例のプロジェクタ10は、第1ミラー部13を変形させることにより投写光の進行方向を調整する構成に限られない。投写光を広角化させる光学要素の入射側に配置されたミラー部を変形させる場合に限られず、投写光を広角化させる光学要素自体であるミラー部を変形させても良い。例えば、プロジェクタ10の投写光学系と同様の投写光学系において、第1ミラー部に代えて第2ミラー部を変形させることにより投写光の進行方向を調整する構成としても良い。
図18は、第2ミラー部64及び調整部65の断面構成例を示す。第2ミラー部64は、投写光を広角化させる光学要素であって、投写光を反射させるミラー部である。第2ミラー部64は、非球面形状を有する板状基材に反射膜を形成することにより構成できる。調整部65は、第2ミラー部64を変形させることにより第2ミラー部64で反射させた投写光の進行方向を調整する。支持部67は、第2ミラー部64及び押圧部66を支持する枠状部材である。
押圧部66は、支持部67の内部であって、第2ミラー部64のうち投写光を反射させる側とは反対側の面に当接する位置に配置されている。押圧部66は、第2ミラー部64のうち、支持部67により支持された部分以外の部分を押圧する。押圧部66としては、上記と同様のネジや圧電素子を用いることができる。投写光を広角化させる第2ミラー部14自身は、広角化前の投写光を反射可能であれば良いため、小型にすることができる。また、第2ミラー部64の僅かな変形により投写光の進行方向を十分調整することが可能である。よって、第2ミラー部64を変形させることで投写光の進行方向を調整する場合も、高い光学性能を確保するための調整を容易に行うことができる。
図18に示す断面構成では、スクリーン18上部の左隅部、右隅部へ入射する光線を反射させる位置以外の位置にも押圧部66を設けている。調整部65は、押圧部66の数を増やすほど、投写光の進行方向の高精度な調整を行うことができる。なお、第2ミラー部64についても、上記の第1ミラー部13の場合と同様に、2つの押圧部により調整を行うこととしても良い。また、上記の第2ミラー部14の場合も、さらに多くの押圧部により調整を行うこととしても良い。
図19は、本発明の実施例2に係る投写光学系について説明するものである。本実施例の投写光学系は、上記のプロジェクタ10に適用することができる。本実施例は、偏心光学系である投写光学系を構成するミラー部を変形させることにより投写光の進行方向を調整することを特徴とする。偏心光学系は、共通の光軸を持たない光学要素により構成される。本実施例の投写光学系は、いずれも非球面形状の曲面を有する3つの非球面ミラー72、73、74を有する。各非球面ミラー72、73、74は、投写光を広角化させる光学要素であって、投写光を反射させるミラー部である。本実施例の投写光学系を用いる場合、実施例1の場合と同様に、超短焦点投写を行うことができる。
空間光変調装置の像71は、不図示の光学エンジン部で形成される。投写光は、各非球面ミラー72、73、74で反射した後、スクリーン18へ入射する。本実施例の投写光学系は、非球面ミラー72、73、74のうち少なくとも1つを変形させることにより投写光の進行方向を調整する。不図示の調整部は、例えば、図18の調整部65と同様のものを用いることができる。本実施例の場合も、実施例1の場合と同様に、高い光学性能を確保し、高品質な画像を得ることができる。特に、光学要素の形状の誤差によって光学性能への悪影響が出易い偏心光学系に対して、高い光学性能を確保するための調整を容易に行うことができるという利点を有する。
図20は、本発明の実施例3に係るリアプロジェクタ80の概略構成を示す。リアプロジェクタ80は、スクリーン86の一方の面に光を投写し、スクリーン86の他方の面から出射する光を観察することで画像を鑑賞するプロジェクタである。上記のプロジェクタ10と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施例のリアプロジェクタ80の投写光学系は、光学要素である投写レンズ12、第1ミラー部13、第2ミラー部14、及び第3ミラー部85を備える。第3ミラー部85は、筐体87の天井面に設けられている。第3ミラー部85は、第2ミラー部14からの投写光をスクリーン86の方向へ反射させる。第3ミラー部85は、第1ミラー部13と同様に、略平坦な平面形状を有する。なお、第3ミラー部85は、筐体87の天井面に略平行に配置する他、天井面に対して傾けて配置しても良い。スクリーン86は、第3ミラー部85からの光を透過させる透過型スクリーンである。
図21は、スクリーン86の要部断面構成を示す。スクリーン86は、画像信号に応じて変調された光を入射させる側に設けられたフレネルレンズ95を有する。フレネルレンズ95は、第3ミラー部85からの光を角度変換する。フレネルレンズ95は、凸レンズの凸面を切り出した形状のプリズム部94を平面上に並べて構成されている。複数のプリズム部94は、略同心円状に配置されている。
第3ミラー部85からの光は、第1面92からプリズム部94へ入射する。プリズム部94へ入射した光は、第2面93で全反射した後、観察者の方向へ進行する。フレネルレンズ95は、このようにして第3ミラー部85から斜めに入射する光を観察者の方向へ角度変換する。スクリーン86は、フレネルレンズ95以外の他の構成、例えば、フレネルレンズ95からの光を拡散させるレンチキュラーレンズアレイやマイクロレンズアレイ、拡散材を分散させた拡散板等を設けることとしても良い。
図20に戻って、リアプロジェクタ80の投写光学系及びスクリーン86は、上記のプロジェクタ10の投写光学系と同様に、シフト光学系を構成している。本実施例の場合、スクリーン86面に沿う方向へ投写光を進行させることにより、光学エンジン部11から第3ミラー部85までの各部をスクリーン86に近い位置に配置できる。よって、リアプロジェクタ80は、薄型な構成とすることができる。本実施例のリアプロジェクタ80も上記実施例1のプロジェクタ10と同様に、高い光学性能を確保し、高品質な画像を表示することができる。
各実施例のプロジェクタは、超高圧水銀ランプ20(図2参照)に代えて、例えば、発光ダイオード素子(LED)等の固体発光素子を用いるものとしても良い。また、プロジェクタは、3つの透過型液晶表示装置を設けた、いわゆる3板式のプロジェクタに限らず、例えば、反射型液晶表示装置を用いたプロジェクタやティルトミラーデバイスを用いたプロジェクタであっても良い。プロジェクタは、光の回折効果を利用して光の向きや色等を制御する投影デバイス(例えば、GLV(Grating Light Valve))を用いるものであっても良い。本発明の投写光学系と同様の光学系は、撮影機能を備える電子機器の光学系として用いても良い。
以上のように、本発明に係る投写光学系は、プロジェクタ、特に、投写距離を短くさせたプロジェクタに用いられる場合に有用である。
本発明の実施例1に係るプロジェクタの概略構成を示す図。 光学エンジン部の構成を説明する図。 投写光学系の構成について説明する図。 投写光の入射角について説明する図。 第1ミラー部及び調整部の平面構成を示す図。 図5に示す構成の断面を示す図。 2つのネジにより第1ミラー部を押圧する状態を示す図。 調整部による投写光の進行方向の調整について説明する図。 調整部による投写光の進行方向の調整について説明する図。 基板側へ第1ミラー部を湾曲させるための構成を示す図。 スクリーンの中心位置を光軸が貫く場合について説明する図。 実施例1の変形例1に係る調整部の構成を説明する図。 基板とは反対側へ第1ミラー部を湾曲させる状態を示す図。 基板側へ第1ミラー部を湾曲させる状態を示す図。 実施例1の変形例2に係る調整部の構成を説明する図。 基板とは反対側へ第1ミラー部を湾曲させる状態を示す図。 基板側へ第1ミラー部を湾曲させる状態を示す図。 第2ミラー部及び調整部の断面構成例を示す図。 本発明の実施例2に係る投写光学系について説明する図。 本発明の実施例3に係るリアプロジェクタの概略構成を示す図。 スクリーンの要部断面構成を示す図。
符号の説明
10 プロジェクタ、11 光学エンジン部、12 投写レンズ、13 第1ミラー部、14 第2ミラー部、15 透過部、17 筐体、18 スクリーン、20 超高圧水銀ランプ、21 第1インテグレータレンズ、22 第2インテグレータレンズ、23 偏光変換素子、24 重畳レンズ、25 第1ダイクロイックミラー、26 反射ミラー、27 第2ダイクロイックミラー、28 リレーレンズ、29R R光用フィールドレンズ、29G G光用フィールドレンズ、29B B光用フィールドレンズ、30R R光用空間光変調装置、30G G光用空間光変調装置、30B B光用空間光変調装置、31 クロスダイクロイックプリズム、31a 第1ダイクロイック膜、31b 第2ダイクロイック膜、AX 光軸、34 調整部、35 ネジ、36 基板、37 当接部材、38 凸部、S1〜S4 反射面、40 調整部、41 ネジ、50 調整部、51 バネ、60 調整部、61 圧電素子、62 当接部、64 第2ミラー部、65 調整部、66 押圧部、67 支持部、71 像、72〜74 非球面ミラー、80 リアプロジェクタ、85 第3ミラー部、86 スクリーン、87 筐体、92 第1面、93 第2面、94 プリズム部、95 フレネルレンズ

Claims (14)

  1. 投写光を広角化させる光学要素、又は前記投写光を広角化させる光学要素の入射側に配置された光学要素であって、前記投写光を反射させるミラー部と、
    前記ミラー部を変形させることにより前記ミラー部からの前記投写光の進行方向を調整する調整部と、を有することを特徴とする投写光学系。
  2. 前記調整部は、前記ミラー部で反射した後前記投写光の被照射面へ入射する入射角が大きい光線ほど大きく変位させるように前記ミラー部を変形させることを特徴とする請求項1に記載の投写光学系。
  3. 前記調整部は、
    前記ミラー部を支持する支持部と、
    前記ミラー部のうち前記支持部により支持された部分以外の部分を押圧する押圧部と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の投写光学系。
  4. 前記押圧部は、前記ミラー部のうち、前記被照射面へ入射する入射角が最大となる光線を反射させる位置又はその近傍を押圧することを特徴とする請求項3に記載の投写光学系。
  5. 前記押圧部は、ネジを備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の投写光学系。
  6. 前記押圧部は、圧電素子を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の投写光学系。
  7. 前記調整部は、前記押圧部の押圧に対向させた付勢力を前記ミラー部へ付与する弾性部材を備えることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の投写光学系。
  8. 前記調整部は、複数の押圧部を有することを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項に記載の投写光学系。
  9. 前記投写光を出射させる光学要素である投写レンズと、
    前記投写レンズからの前記投写光を折り曲げる光学要素である第1ミラー部と、
    前記第1ミラー部からの前記投写光を広角化させる光学要素である第2ミラー部と、を有し、
    前記調整部は、前記第1ミラー部を変形させることにより前記投写光の進行方向を調整することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の投写光学系。
  10. 前記投写光を出射させる光学要素である投写レンズと、
    前記投写レンズからの前記投写光を折り曲げる光学要素である第1ミラー部と、
    前記第1ミラー部からの前記投写光を広角化させる光学要素である第2ミラー部と、を有し、
    前記調整部は、前記第2ミラー部を変形させることにより前記投写光の進行方向を調整することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の投写光学系。
  11. 光軸を略一致させて配置された光学要素を有し、前記投写光を前記光軸から特定の側へシフトさせて進行させることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の投写光学系。
  12. 前記押圧部は、前記ミラー部のうち、前記光軸から最も離れた位置又はその近傍を押圧することを特徴とする請求項11に記載の投写光学系。
  13. 前記ミラー部は、偏心光学系を構成することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の投写光学系。
  14. 画像信号に応じて変調された光を、請求項1〜13のいずれか一項に記載の投写光学系を用いて投写させることを特徴とするプロジェクタ。
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