JP2008170412A - 信号処理方法および信号処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサの出力信号に含まれる低周波雑音成分を速やかに且つ精度よく除去して、センサに負荷された物理量に対応する直流成分を得ることができるようにする。
【解決手段】センサの出力信号に対するA/D変換処理で得られた時系列の信号に対して高域雑音除去処理を行い(S12)、得られた信号Yに対する180度の移相処理を行う(S13)。そして移相処理された信号に対して、その移相処理によって生じる所定周波数以下の低域振幅誤差を補正し(S16)、入力信号に含まれていた低域雑音成分を180度移相した雑音信号を生成し、入力信号と生成された雑音信号とを加算して、低域雑音成分を除去し、入力信号の直流成分を求める(S17)。
【選択図】図7

Description

本発明は、センサの出力信号からそのセンサに負荷された物理量に対応した直流成分を速やかに且つ精度よく得るための技術に関する。
各種の物理量を検出するためのセンサには、その物理量の変化に対して過渡的な応答を示すものが多い。
例えば、ロードセル等のように物品の質量を検出するためのセンサは、物品の荷重を受けて変形し、その変形量に応じた電圧の信号を出力するが、センサに対する物品の荷重が急激に行なわれた場合、このセンサの系の固有振動モードが励起されてセンサに伝達されるため、その出力信号は非線形振動をする。
この出力信号の非線形振動は時間が経過するにしたがって減衰して、最終的には物品の質量Mに対応した一定の値(直流値)に収束するが、ライン等で物品の質量検査を連続的に行なう場合、この振動が完全に収束するまで待っていたのでは効率的な検査がおこなえない。
そこで、一般的には低域通過フィルタにより雑音成分を除去することが行われているが、数10Hz以下の雑音成分を除去するためのフィルタの時定数はかなり大きく、収束予想値を高速に得ることは困難であった。
この問題を解決するための一つの技術として、本願出願人は、センサの出力信号に含まれる交流信号成分を抽出してその位相を反転させて原信号と加算することにより、センサの出力信号の雑音成分を除去する技術を開示している(特許文献1)。
特開2005−274320号公報
しかし、上記特許文献1の技術を用いても、床振動等で生じる数10Hz以下の雑音成分を精度よく且つ速やかに除去することが困難であった。
特に、位相反転用として一般的に用いられるヒルベルト変換器の周波数特性は基本的にハイパス型であり、極低域までその周波数特性を延ばそうとすれば、そのタップ数が非常に大きくなり、その処理による大きな遅延が生じてしまう。
本発明は、この点を改善し、センサの出力信号に含まれる低周波雑音成分を速やかに且つ精度よく除去して、センサに負荷された物理量に対応する直流成分を得ることができる信号処理方法および装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の信号処理方法は、
センサの出力信号に対するA/D変換処理で得られた時系列の信号を入力信号として受け、該入力信号に含まれる所定周波数より高い高域雑音成分を除去し、該高域雑音成分が除去された信号から前記所定周波数以下の低域雑音成分を除去して、前記入力信号の直流成分を求める信号処理方法であって、
前記低域雑音成分を除去する処理は、
前記所定周波数以下の低域雑音成分に対する180度の移相処理を行う段階(S13)と、
前記移相処理された信号に対して、該移相処理によって生じる所定周波数以下の低域振幅誤差を補正して、前記高域雑音成分が除去された信号に含まれていた前記低域雑音成分を180度移相した雑音信号を生成する段階(S16)と、
前記高域雑音成分が除去された信号と前記生成された雑音信号とを加算して、前記入力信号の直流成分を求める段階(S17)とを含んでいることを特徴としている。
また、本発明の請求項2の信号処理方法は、請求項1記載の信号処理方法において、
前記入力信号または前記高域雑音成分が除去された信号に対するスペクトラム解析により前記所定周波数以下の雑音成分を求める段階(S14)と、
該雑音成分に対して前記低域振幅誤差を補正するために必要な係数を求める段階(S15)とを含み、
前記求めた係数による補正演算処理を前記移相処理された信号に対して行うことにより、前記低域振幅誤差を補正することを特徴としている。
また、本発明の請求項3の信号処理方法は、
センサの出力信号に対するA/D変換処理で得られた時系列の信号を入力信号として受け、該入力信号に含まれる所定周波数より高い高域雑音成分を除去し、該高域雑音成分が除去された信号から前記所定周波数以下の低域雑音成分を除去して、前記入力信号の直流成分を求める信号処理方法であって、
前記低域雑音を除去する処理は、
前記高域雑音成分が除去された信号について、その連続する信号間の差分値を求める段階(S3)と、
前記差分値の信号の前記所定周波数以下の低域雑音成分に対する180度の移相処理を行う段階(S4)と、
前記移相処理された信号に対して、該移相処理によって生じる所定周波数以下の低域振幅誤差を補正する段階(S7)、
前記補正処理された信号を積分して、前記高域雑音成分が除去された信号に含まれていた低域の雑音成分を180度移相した雑音信号を生成する段階(S8)と、
前記高域雑音成分が除去された信号または前記差分値の信号に対する積分処理で得られる信号のいずれかと、前記生成された雑音信号とを加算して、前記入力信号の直流成分を求める段階(S9)とを含んでいることを特徴としている。
また、本発明の請求項4の信号処理方法は、請求項3記載の信号処理方法において、
前記差分値の信号に対するスペクトラム解析により前記所定周波数以下の雑音成分を求める段階(S5)と、
該雑音成分に対して前記低域振幅誤差を補正するために必要な係数を求める段階(S6)とを含み、
前記求めた係数による補正演算処理を前記移相処理された信号に対して行うことにより、前記低域振幅誤差を補正することを特徴としている。
また、本発明の請求項5の信号処理装置は、
センサ(1)の出力信号に対するA/D変換処理を行うA/D変換器(21)と、
前記A/D変換器の出力信号を受け、所定周波数より高い高域雑音成分を除去する高域雑音除去部(22)と、
前記高域雑音除去部の出力信号を受け、前記所定周波数以下の低域雑音成分を除去する低域雑音除去部(30)とを有する信号処理装置であって、
前記低域雑音除去部が、
前記高域雑音除去部から出力される信号に対して180度の移相処理を行う移相手段(32)と、
前記移相手段の出力信号に対して、前記移相処理によって生じる前記所定周波数以下の低域振幅誤差を補正して、前記入力信号に含まれていた交流の雑音成分を180度移相した雑音信号を生成する補正手段(33)と、
前記高域雑音除去部から出力される信号と前記生成された雑音信号とを加算し、前記入力信号の直流成分を求める加算手段(39)とを有していることを特徴としている。
また、本発明の請求項6の信号処理装置は、請求項5記載の信号処理装置において、
前記入力信号または前記高域雑音除去部から出力される信号に対するスペクトラム解析を行うスペクトラム解析手段(34)と、
前記スペクトラム解析手段により得られた前記所定周波数以下の雑音成分に対して前記低域振幅誤差を補正するために必要な係数を求める係数算出手段(35)とを有し、
前記補正手段は、前記移相処理された信号に対して前記係数算出手段によって得られた係数による補正演算処理を行うことを特徴としている。
また、本発明の請求項7の信号処理装置は、
センサ(1)の出力信号に対するA/D変換処理を行うA/D変換器(21)と、
前記A/D変換器の出力信号を受け、所定周波数より高い高域雑音成分を除去する高域雑音除去部(22)と、
前記高域雑音除去部の出力信号を受け、前記所定周波数以下の低域雑音成分を除去する低域雑音除去部(30)とを有する信号処理装置であって、
前記低域雑音除去部が、
前記高域雑音除去部から連続して出力される信号間の差分値を求める差分演算手段(31)と、
前記差分値の信号に対して180度の移相処理を行う移相手段(32)と、
前記移相手段の出力信号に対して、前記移相処理によって生じる前記所定周波数以下の低域振幅誤差を補正する補正手段(33)と、
前記補正手段によって低域振幅誤差が補正された信号を積分して、前記入力信号に含まれていた交流の雑音成分を180度移相した雑音信号を生成する積分手段(36)と、
前記高域雑音除去部から出力される信号と前記生成された雑音信号とを加算し、前記入力信号の直流成分を求める加算手段(39)とを有していることを特徴としている。
また、本発明の請求項8の信号処理装置は、請求項7記載の信号処理装置において、
前記加算手段で加算される信号のうち、前記高域雑音除去部から出力される信号は、前記差分値の信号に対する積分処理で復元された信号であることを特徴としている。
また、本発明の請求項9の信号処理装置は、請求項7または請求項8記載の信号処理装置において、
前記差分値の信号に対するスペクトラム解析を行うスペクトラム解析手段(34)と、
前記スペクトラム解析手段により得られた前記所定周波数以下の雑音成分に対して前記低域振幅誤差を補正するために必要な係数を求める係数算出手段(35)とを有し、
前記補正手段は、前記移相処理された信号に対して前記係数算出手段によって得られた係数による補正演算処理を行うことを特徴としている。
このように本発明では、センサの出力信号に対するA/D変換処理で得られた時系列の信号に対して高域雑音除去処理を行い、その高域雑音除去処理後の信号に対する180度の移相処理と、その移相処理によって生じる低域振幅誤差を補正して、入力信号に含まれていた交流の雑音成分を180度移相した雑音信号を生成してから入力信号と加算して、入力信号の直流成分を求めているので、移相処理帯域を極端に低域まで下げることなく、低域雑音成分を除去することができ、速やかに且つ精度よく直流成分を検出することができる。
また、180度の移相処理の前に差分演算を行うものでは、直流分による振幅の大きな変動で移相処理結果に過渡応答が生じることを未然に防ぐことができ、より高精度な信号処理を行うことができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
先ず始めに、本発明の信号処理方法の一実施形態を図1のフローチャートに基づいて説明する。
図1に示しているように、この実施形態の信号処理方法は、質量、圧力等の物理量Mを受けたセンサの出力信号x(t)を、その周波数成分の上限の2倍より十分高い周波数でオーバサンプリングして、量子化雑音が極めて少ないデジタルの原信号X(k)に変換する(S1)。
そして、この原信号X(k)に含まれる高域雑音成分を除去する(S2)。
この高域雑音成分の除去処理については後述するが、例えば前記した特許文献1の処理が使用可能であり、この処理により、例えば、図2の(a)のような信号x(t)に対して、図2の(b)のように低域の雑音成分のみが重畳した信号Y(k)を出力する。
この高域雑音除去処理で所定周波数Fa(例えば数10Hz)以上の雑音成分が短時間に除去された信号Y(k)は、S3以降の低域雑音除去処理を受ける。
即ち、高域雑音成分が除去された時系列に連続する信号同士の差分値ΔY(k)が、次の演算により順次求められる(S3)。
ΔY(k)=Y(k)−Y(k−1)
この差分値の信号ΔY(k)は、図2の(c)のように、信号Y(k)に重畳されている交流成分を抽出したもの(ただし位相は異なる)であり、前段の高域雑音除去処理によりその周波数帯域の上限はFaに制限されている。
次に、この差分値の信号ΔY(k)に対して180度の移相処理を行う(S4)。
この180度の移相処理は、例えば広帯域にわたり90度の移相処理が可能なヒルベルト変換回路を2段接続して実現できる。
ただし、前記したようにヒルベルト変換器はハイパス型であるため、図3のように周波数が低い程利得が低下し、図2の(d)のように、移相処理した後の信号ΔY′の低域成分の振幅が大きく減衰してしまう。この利得が低下する周波数は、タップ数を多くすることでより低い方へずらすことができるが、そのために大きな遅延時間が生じてしまう。
また、差分値の信号ΔYは入力信号の微分波形であり、元の信号に含まれていた雑音信号の波形と異なっているので、このまま元の信号に加算してもその雑音成分を相殺除去することはできない。
そこで、この実施形態では、次の処理S5〜S8おいて、移相処理によって生じる低域振幅誤差を補正し、その補正された信号を積分して、高域雑音成分が除去された信号に含まれていた低域の雑音成分を180度移相した雑音信号を生成している。
この低域振幅誤差の補正処理としては、移相処理部の周波数特性が既知で固定であることから、その周波数特性を補償する固定周波数特性(LPF)のフィルタ処理(畳み込み演算処理)を行うことで実現できる。
ただし、センサ11の出力に含まれる低域雑音成分は、床振動などのようにセンサ11に定常的に加わっている振動成分が主体である場合が多いので、その信号成分についてだけ低域振幅誤差を補正することで補正処理が容易となり、補正に必要な処理時間がより短くて済む。
このため、この実施形態では、差分値の信号ΔY(k)に対するスペクトラム解析を行い、周波数Fa以下に存在する雑音成分を求め(S5)、その雑音成分に対して前記移相処理で生じる低域振幅誤差を補正するために必要な係数(この場合FIR型フィルタの係数)を求め(S6)、そのフィルタ係数による補正演算処理(畳み込み演算処理)を移相処理された信号ΔY(k)′に対して行い(S7)、その補正処理された信号ΔY(k)″に対して積分処理を行う(S8)ことで、図2の(e)のように、振幅誤差が補正され、且つ元の信号の低域雑音成分に対して180度移相した雑音信号N(k)を生成している。
なお、ここでは、精度に影響を与える低域雑音成分が複数ある場合を想定して、その複数の低域振幅誤差を補正するために必要なフィルタ係数を求めていたが、スペクトラム解析で得られた低域雑音成分のうちのレベルが最大の雑音成分だけに対して補正処理を行うことも可能であり、その場合には、対象となる雑音成分の振幅の減衰割合を係数として求め、その係数の逆数を移相処理後の信号に乗じる演算のみで補正処理が行え、最短の処理時間で済む。
そして、最後に信号Y(k)とこの雑音信号N(k)とを加算して、図2の(f)のように低域雑音成分が除去された信号Z(k)を得ている(S9)。この信号Z(k)からセンサの出力信号x(t)の直流成分Vm、即ち、センサに負荷された物理量を予測できる。
このように、実施形態の信号処理方法では、センサ1の出力信号に対するA/D変換処理で得られた時系列の信号に対して高域雑音除去処理を行い、その結果に得られる信号に対して差分演算処理を行い、その得られた差分値の信号に対して180度の移相処理を行い、その移相処理により生じる低域振幅誤差を補正して、積分処理することで元の雑音成分に対して180度移相した雑音信号を生成し、これを入力信号と加算して低域雑音成分を相殺させ、センサの出力信号の直流成分を得ている。
したがって、低域成分に対する移相処理のために大きな遅延時間を発生させることなく、極めて低い周波数の雑音成分の除去を速やか行うことができ、センサに負荷された物理量を高速且つ高精度に検出できる。
また、180度の移相処理の前に差分演算処理を行っているので、直流分による振幅の大きな変動で移相処理結果に過渡応答が生じることを未然に防ぐことができ、より高精度な信号処理を行うことができる。
なお、高域雑音除去の処理は任意であり、簡単にはハイパスフィルタのみで高域雑音成分を除去してもよく、また、前記した特許文献1の処理で極めて高速な雑音除去処理を行うこともできる。
また、図4に示すように、原信号X(k)の差分演算処理で差分値ΔX(k)を求め(S21)、その差分値の信号ΔX(k)に対して前記同様に180度の移相処理を行い(S22)、その移相処理された信号ΔX(k)′の積分処理により180度移相した高域の雑音信号N(k)を生成して(S23)、原信号X′と加算する(S24)ことで、高域雑音成分を相殺除去することができる。
この処理で、移相処理に用いるヒルベルト変換のタップ数は、周波数Fa以上の周波数成分に対して平坦な周波数特性が得られる最小数に設定すればよく、短い遅延時間で少なくとも周波数Fa以上の高域雑音成分が除去された信号Y(k)を得ることができる。
図5は、上記実施形態の信号処理方法を用いた実施形態の信号処理装置20の構成を示している。
この信号処理装置20は、ロードセル等のセンサ11の出力信号x(t)を、A/D変換器21により例えば数10kHzでオーバサンプリングして、量子化雑音が少ないデジタルの原信号X(k)を得て、高域雑音除去部22に入力している。
高域雑音除去部22は、差分演算手段23、移相手段24、第1の積分手段25、遅延手段26、第2の積分手段27および加算手段28により構成されている。
差分演算手段23は、連続して入力される原信号X(t)同士の差分値ΔX(k)を、
ΔX(k)=X(k)−X(k−1)
の演算により順次求めて移相手段24および遅延手段26に出力する。
移相手段24は、90度の移相を行う2つのヒルベルト変換器24a、24bを直列に接続したものであり、そのタップ数は、周波数Fa以上の周波数成分に対して平坦な周波数特性が得られる最小数に設定されている。
第1の積分手段25は、移相手段24の出力信号ΔX(k)′に対する積分処理を行い、加算手段28に出力する。なお、上記のようにヒルベルト変換器を用いた移相手段24の場合、原理的に直流分は除去されているので、第1の積分手段25では交流成分についてのみ積分処理され、原信号に重畳している交流成分に対して180度移相した雑音信号N(k)を生成できる。ただし、低域の雑音成分については元の成分に対して振幅が低下している。
また、遅延手段26は、差分値の信号ΔX(k)に対し、移相手段24の移相処理に必要な処理時間分の遅延を与え、第2の積分手段27に出力する。
第2の積分手段27は、この遅延された差分値の信号ΔXの積分処理を行い、直流分と交流分とを含む原信号Xを復元して、加算手段28に出力する。
よって、加算手段28には、原信号X(k)と、その原信号に含まれていた周波数Fa以上の高域雑音成分を180度移相した雑音信号N(k)とが入力されることになり、その加算処理により高域雑音成分が相殺除去された信号Y(k)が前記図2の(b)のように出力されることになる。
なお、加算手段28に入力される原信号Xは、図5において点線で示しているように、A/D変換器21から出力される原信号Xに対して、差分演算手段23、移相手段24および第1の積分手段25の各処理に必要な時間分だけ遅延手段26で遅延して得ることもでき、その場合には第2の積分手段27を省略することができる。
このようにして得られた信号Y(k)は、低域雑音除去部30の差分演算手段31に入力され、前記同様に、その入力信号同士の差分値ΔY(k)が、
ΔY(k)=Y(k)−Y(k−1)
の演算により順次求められる(図2の(c))。
この差分値の信号ΔY(k)は、移相手段32、スペクトラム解析手段34および遅延手段36に入力される。
移相手段32は、前記同様に、90度の移相を行う2つのヒルベルト変換器32a、32bを直列に接続したものであり、そのタップ数は、周波数Faより低い周波数Fb(例えば10Hz程度)以上について平坦な特性が得られる最小数に設定されており、それより低い周波数成分に対しては、前記図3で示したように周波数が低くなる程振幅が減衰特性となり、図2の(d)で示したように、その帯域の信号の振幅を下げてしまうが、その振幅低下は後続の補正手段33によって補正される。
この補正には、移相手段32の低域の周波数特性と逆の周波数特性を持つフィルタによってその低域全体の低域振幅誤差を補償する方法と、実際に存在する低域雑音成分のうち、精度に影響を与える可能性のあるレベルが大きい雑音成分に対してのみ振幅誤差を補償する方法とがあるが、ここでは後者について説明する。
即ち、補正手段33は、図3の周波数特性と逆の周波数特性をもつFIR型の低域通過フィルタであり、上記した移相処理によって生じる低域振幅誤差を補正する。
スペクトラム解析手段34は、例えば高速フーリエ変換(FFT)処理により差分値の信号ΔY(k)についてのスペクトラム解析を行い、精度に影響する可能性のある所定レベル以上の低域雑音成分を求め、そのスペクトラムの情報を、補正係数算出手段35に出力する。
フィルタ係数算出手段35は、スペクトラム解析手段34により得られた低域雑音成分のスペクトラム情報を受け、精度に影響する可能性のある所定レベル以上の低域雑音成分に対して移相手段32により生じる低域振幅誤差を補正するためのフィルタ係数を求め、これを補正手段33に設定する。このフィルタ係数は、スペクトラム解析情報から補正に必要な振幅位相特性を求め、その特性に対して逆フーリエ変換(IFFT)を行ってインパルス応答を求め、そのインパルス応答を、要求する精度に対応した広さで切り出すことにより得ている。
なお、上記のようにスペクトラム解析を行って実際に存在する低域雑音信号を求め、その低域雑音信号に対して選択的に補正処理を行うようにすれば、補正のためのフィルタ構成が簡単に済み、遅延時間を短くすることができる。
また、最もレベルが高い雑音成分だけに対して補正処理を行う場合には、その成分の周波数に対応する振幅減衰率を求め、その減衰率の逆数に等しい係数を補正係数とし、その補正係数を移相処理された信号に乗算することで補正でき、最短い処理時間で済む。
このようにして低域振幅誤差が補正された信号ΔY(k)″は、第3の積分手段36で積分され、前記図2の(e)に示したように、信号Y(k)の低域雑音成分を180度移相した雑音信号N(k)が得られる。
一方、遅延手段37は、差分値の信号ΔY(k)に、移相手段32および補正手段33の処理時間分の遅延を与えて、第4の積分手段38に出力する。
第4の積分手段38は、遅延された差分値の信号ΔY(k)の積分処理を行い、元の信号Y(k)を復元し、加算手段39に出力する。
したがって、加算手段39には、信号Y(k)と、その信号Y(k)に含まれていた低域雑音成分を180度移相した雑音信号N(k)とが入力されることになり、その低域雑音成分が相殺除去された信号Z(k)が前記図2の(f)のように出力されることになる。
なお、加算手段39に入力する信号Y(k)として、図5において点線で示しているように、高域雑音除去部22から出力される信号Y(k)に、差分演算手段31、移相手段32補正手段33および第3の積分手段36の各処理に必要な時間分だけ遅延手段37で遅延を与えることで得ることもでき、その場合には第4の積分手段38は省略できる。
次に、上記図5の構成で、A/D変換器21のサンプリング周波数を2kHzとした信号処理装置20に対して、振幅0.5の直流成分(検出対象)、低域雑音成分として周波数10Hz、振幅0.1の正弦波、高域雑音成分として、周波数100Hz、振幅0.2の正弦波、周波数60、63Hz、振幅0.2の合成波、周波数40Hz、振幅0.5の非線形振動を同時に与えたときのシミュレーション結果を図6に示す。
図6の(a)は原信号X(k)であり、検出対象の直流分に対してかなりの大きな振幅の雑音成分が重畳しているが、高域雑音成分除去部22において、タップ数240のヒルベルト変換による移相処理を用いて高域成分を除去すると、図6の(b)のように、10Hzの低域雑音成分と直流分のみからなる信号Y(k)が得られる。
そして、低域雑音除去部30において、タップ数50のヒルベルト変換による移相処理と補正処理とを用いて低域成分を除去すると、図6の(c)のように、10Hzの低域雑音成分がほぼ完全に除去された直流分のみの信号Z(k)が得られている。また、この信号Z(k)の立ち上がりタイミングは、原信号X(k)の直流分の立ち上がりタイミングから僅か0.2秒程度の遅れとなっており、10Hzの雑音成分の除去処理が高速に行えることが判る。
また、このように差分演算処理された信号を移相手段24、32に入力しているので、センサ11に対する負荷に対応する直流分による振幅の大きな変動で移相処理結果に過渡応答が生じることを未然に防ぐことができ、より高精度な信号処理を行うことができる。
前記実施形態では、低域雑音除去処理を行う際に、高域雑音が除去された信号に対する差分処理を行うとともに、補正処理後の信号に対する積分処理を行って、入力信号に含まれる低域雑音成分を180度移相した雑音信号成分を生成していたが、直流分による振幅の大きな変動で移相処理結果に問題となるような過渡応答が生じない場合には、差分処理および積分処理を省くことも可能である。
図7は、図1の低域雑音除去処理において、差分処理と積分処理を省いた信号処理方法を示すものであり、前記同様に、質量、圧力等の物理量Mを受けたセンサの出力信号x(t)を、その周波数成分の上限の2倍より十分高い周波数でオーバサンプリングして、量子化雑音が極めて少ないデジタルの原信号X(k)に変換する(S11)。
そして、この原信号X(k)に含まれる高域雑音成分を除去する(S12)。
この高域雑音成分の除去処理により、前記したように、図2の(a)で示した信号x(t)に対して、図2の(b)で示したように低域の雑音成分のみが重畳した信号Y(k)を出力する。
この高域雑音除去処理で所定周波数Fa(例えば数10Hz)以上の雑音成分が短時間に除去された信号Y(k)は、S13以降の低域雑音除去処理を受ける。
即ち、信号Y(k)に対して180度の移相処理を行う(S13)。
この180度の移相処理は、例えば広帯域にわたり90度の移相処理が可能なヒルベルト変換回路を2段接続して実現できるが、前記したようにヒルベルト変換器はハイパス型であるため、移相処理した後の信号の低域成分の振幅が大きく減衰してしまう。この利得が低下する周波数は、タップ数を多くすることでより低い方へずらすことができるが、そのために大きな遅延時間が生じてしまう。
そこで、次の処理S14〜S16おいて、移相処理によって生じる低域振幅誤差を補正して、高域雑音成分が除去された信号に含まれていた低域の雑音成分を180度移相した雑音信号を生成している。
この低域振幅誤差の補正処理としては、移相処理部の周波数特性が既知で固定であることから、その周波数特性を補償する固定周波数特性(LPF)のフィルタ処理(畳み込み演算処理)を行うことで実現できる。
ただし、センサ11の出力に含まれる低域雑音成分は、床振動などのようにセンサ11に定常的に加わっている振動成分が主体である場合が多いので、その信号成分についてだけ低域振幅誤差を補正することで補正処理が容易となり、補正に必要な処理時間がより短くて済む。
このため、ここでは、信号Y(k)(または入力信号X(k))に対するスペクトラム解析を行い、周波数Fa以下に存在する雑音成分を求め(S14)、その雑音成分に対して前記移相処理で生じる低域振幅誤差を補正するために必要な係数(この場合FIR型フィルタの係数)を求め(S15)、そのフィルタ係数による補正演算処理(畳み込み演算処理)を移相処理された信号Y(k)′に対して行う(S16)ことで、図2の(e)で示したように、振幅誤差が補正され、且つ元の信号の低域雑音成分に対して180度移相した雑音信号N(k)を生成している。
なお、ここでは、精度に影響を与える低域雑音成分が複数ある場合を想定して、その複数の低域振幅誤差を補正するために必要なフィルタ係数を求めていたが、スペクトラム解析で得られた低域雑音成分のうちのレベルが最大の雑音成分だけに対して補正処理を行うことも可能であり、その場合には、対象となる雑音成分の振幅の減衰割合を係数として求め、その係数の逆数を移相処理後の信号に乗じる演算のみで補正処理が行え、最短の処理時間で済む。
そして、最後に信号Y(k)とこの雑音信号N(k)とを加算して、図2の(f)で示したように低域雑音成分が除去された信号Z(k)を得ている(S17)。この信号Z(k)からセンサの出力信号x(t)の直流成分Vm、即ち、センサに負荷された物理量を予測できる。
このように、上記実施形態の信号処理方法では、高域雑音除去処理で得られた信号に対して180度の移相処理を行い、その移相処理により生じる低域振幅誤差を補正することで元の雑音成分に対して180度移相した雑音信号を生成し、これを入力信号と加算して低域雑音成分を相殺させ、センサの出力信号の直流成分を得ている。
したがって、前記実施形態の場合よりさらに構成を簡略化することができ、低域成分に対する移相処理のために大きな遅延時間を発生させることなく、極めて低い周波数の雑音成分の除去を速やか行うことができ、センサに負荷された物理量を高速且つ高精度に検出できる。
なお、この実施形態の場合であっても高域雑音除去処理は前記実施形態の場合と同様に任意であり、簡単にはハイパスフィルタのみで高域雑音成分を除去してもよく、また、前記した特許文献1の処理、あるいは図4に示した処理で極めて高速な雑音除去処理を行うこともできる。
また、図8に示すように、原信号X(k)に対して180度の移相処理を行い(S31)、所定周波数以上の雑音成分を180度移相した高域の雑音信号N(k)を生成して(S22)、原信号Xと加算する(S23)ことで、高域雑音成分を相殺除去することができる。
図9は、上記図7、図8に示した信号処理方法に対応した信号処理装置20′の構成を示すものであり、前記図5に示した信号処理装置20の各差分演算手段23、31、各積分手段25、27、36、38を省略したものであり、他の構成は同等である。
即ち、この信号処理装置20′は、ロードセル等のセンサ11の出力信号x(t)を、A/D変換器21により例えば数10kHzでオーバサンプリングして、量子化雑音が少ないデジタルの原信号X(k)を得て、高域雑音除去部22の移相手段24に入力している。
前記したように、移相手段24は、90度の移相を行う2つのヒルベルト変換器24a、24bを直列に接続したものであり、そのタップ数は、周波数Fa以上の周波数成分に対して平坦な周波数特性が得られる最小数に設定されている。このヒルベルト変換器を用いた移相手段24の場合、原理的に直流分は除去されるので、重畳している交流成分の所定周波数以上に対して180度移相した雑音信号N(k)を生成できる。
また、遅延手段26は、信号X(k)に対し、移相手段24の移相処理に必要な処理時間分の遅延を与えて、加算手段28に出力する。
よって、加算手段28には、原信号X(k)と、その原信号に含まれていた周波数Fa以上の高域雑音成分を180度移相した雑音信号N(k)とが入力されることになり、その加算処理により高域雑音成分が相殺除去された信号Y(k)が前記図2の(b)に示したように出力されることになる。
この信号Y(k)は、低域雑音除去部30の移相手段32、スペクトラム解析手段34、および遅延手段37に入力される。
移相手段32は、前記同様に、90度の移相を行う2つのヒルベルト変換器32a、32bを直列に接続したものであり、そのタップ数は、周波数Faより低い周波数Fb(例えば10Hz程度)以上について平坦な特性が得られる最小数に設定されており、それより低い周波数成分に対しては、図3で示したように周波数が低くなる程振幅が低下してしまうが、その振幅低下は前記同様に図3の周波数特性と逆の周波数特性をもつFIR型の低域通過フィルタからなる補正手段33によって補正される。
スペクトラム解析手段34は、例えば高速フーリエ変換(FFT)処理により信号Y(k)(またはX(k)でもよい)についてのスペクトラム解析を行い、精度に影響する可能性のある所定レベル以上の低域雑音成分を求め、そのスペクトラムの情報を、補正係数算出手段35に出力する。
フィルタ係数算出手段35は、スペクトラム解析手段34により得られた低域雑音成分のスペクトラム情報を受け、精度に影響する可能性のある所定レベル以上の低域雑音成分に対して移相手段32により生じる低域振幅誤差を補正するためのフィルタ係数を求め、これを補正手段33に設定する。このフィルタ係数は、スペクトラム解析情報から補正に必要な振幅位相特性を求め、その特性に対して逆フーリエ変換(IFFT)を行ってインパルス応答を求め、そのインパルス応答を、要求する精度に対応した広さで切り出すことにより得ている。
この補正により、信号Y(k)の低域雑音成分を180度移相した雑音信号N(k)が得られ、遅延手段37によって移相手段32および補正手段33の処理時間分の遅延が与えられた信号Y(k)とともに、加算手段39に入力される。
したがって、加算手段39からは、信号Y(k)に含まれていた低域雑音成分が相殺除去された信号Z(k)が前記図2の(f)のように出力されることになる。
この図9に示した信号処理装置20′は、図5に示した信号処理装置20で示した効果の他に、各差分演算手段、積分手段を省いている分だけ構成が簡単化され、処理遅延が小さくて済むという利点がある。
本発明の実施形態の信号処理方法の手順を示すフローチャート 本発明の実施形態の動作例を示す信号図 ヒルベルト変換器の周波数特性図 高域雑音除去処理の一例を示す図 本発明の実施形態の信号処理装置の構成図 雑音信号を付与したときのシミュレーション結果を示す図 本発明の他の実施形態の信号処理方法の手順を示すフローチャートを示す図 高域雑音除去処理の一例を示す図 本発明の他の実施形態の信号処理装置の構成図
符号の説明
11……センサ、20、20′……信号処理装置、21……A/D変換器、22……高域雑音除去部、23……差分演算手段、24……移相手段、25……第1の積分手段、26……遅延手段、27……第2の積分手段、28……加算手段、30……低域雑音除去部、31……差分演算手段、32……移相手段、33……補正手段、34……スペクトラム解析手段、35……フィルタ係数算出手段、36……第3の積分手段、37……遅延手段、38……第4の積分手段、39……加算手段

Claims (9)

  1. センサの出力信号に対するA/D変換処理で得られた時系列の信号を入力信号として受け、該入力信号に含まれる所定周波数より高い高域雑音成分を除去し、該高域雑音成分が除去された信号から前記所定周波数以下の低域雑音成分を除去して、前記入力信号の直流成分を求める信号処理方法であって、
    前記低域雑音成分を除去する処理は、
    前記所定周波数以下の低域雑音成分に対する180度の移相処理を行う段階(S13)と、
    前記移相処理された信号に対して、該移相処理によって生じる所定周波数以下の低域振幅誤差を補正して、前記高域雑音成分が除去された信号に含まれていた前記低域雑音成分を180度移相した雑音信号を生成する段階(S16)と、
    前記高域雑音成分が除去された信号と前記生成された雑音信号とを加算して、前記入力信号の直流成分を求める段階(S17)とを含んでいることを特徴とする信号処理方法。
  2. 前記入力信号または前記高域雑音成分が除去された信号に対するスペクトラム解析により前記所定周波数以下の雑音成分を求める段階(S14)と、
    該雑音成分に対して前記低域振幅誤差を補正するために必要な係数を求める段階(S15)とを含み、
    前記求めた係数による補正演算処理を前記移相処理された信号に対して行うことにより、前記低域振幅誤差を補正することを特徴とする請求項1記載の信号処理方法。
  3. センサの出力信号に対するA/D変換処理で得られた時系列の信号を入力信号として受け、該入力信号に含まれる所定周波数より高い高域雑音成分を除去し、該高域雑音成分が除去された信号から前記所定周波数以下の低域雑音成分を除去して、前記入力信号の直流成分を求める信号処理方法であって、
    前記低域雑音を除去する処理は、
    前記高域雑音成分が除去された信号について、その連続する信号間の差分値を求める段階(S3)と、
    前記差分値の信号の前記所定周波数以下の低域雑音成分に対する180度の移相処理を行う段階(S4)と、
    前記移相処理された信号に対して、該移相処理によって生じる所定周波数以下の低域振幅誤差を補正する段階(S7)、
    前記補正処理された信号を積分して、前記高域雑音成分が除去された信号に含まれていた低域の雑音成分を180度移相した雑音信号を生成する段階(S8)と、
    前記高域雑音成分が除去された信号または前記差分値の信号に対する積分処理で得られる信号のいずれかと、前記生成された雑音信号とを加算して、前記入力信号の直流成分を求める段階(S9)とを含んでいることを特徴とする信号処理方法。
  4. 前記差分値の信号に対するスペクトラム解析により前記所定周波数以下の雑音成分を求める段階(S5)と、
    該雑音成分に対して前記低域振幅誤差を補正するために必要な係数を求める段階(S6)とを含み、
    前記求めた係数による補正演算処理を前記移相処理された信号に対して行うことにより、前記低域振幅誤差を補正することを特徴とする請求項3記載の信号処理方法。
  5. センサ(1)の出力信号に対するA/D変換処理を行うA/D変換器(21)と、
    前記A/D変換器の出力信号を受け、所定周波数より高い高域雑音成分を除去する高域雑音除去部(22)と、
    前記高域雑音除去部の出力信号を受け、前記所定周波数以下の低域雑音成分を除去する低域雑音除去部(30)とを有する信号処理装置であって、
    前記低域雑音除去部が、
    前記高域雑音除去部から出力される信号に対して180度の移相処理を行う移相手段(32)と、
    前記移相手段の出力信号に対して、前記移相処理によって生じる前記所定周波数以下の低域振幅誤差を補正して、前記入力信号に含まれていた交流の雑音成分を180度移相した雑音信号を生成する補正手段(33)と、
    前記高域雑音除去部から出力される信号と前記生成された雑音信号とを加算し、前記入力信号の直流成分を求める加算手段(39)とを有していることを特徴とする信号処理装置。
  6. 前記入力信号または前記高域雑音除去部から出力される信号に対するスペクトラム解析を行うスペクトラム解析手段(34)と、
    前記スペクトラム解析手段により得られた前記所定周波数以下の雑音成分に対して前記低域振幅誤差を補正するために必要な係数を求める係数算出手段(35)とを有し、
    前記補正手段は、前記移相処理された信号に対して前記係数算出手段によって得られた係数による補正演算処理を行うことを特徴とする請求項5記載の信号処理装置。
  7. センサ(1)の出力信号に対するA/D変換処理を行うA/D変換器(21)と、
    前記A/D変換器の出力信号を受け、所定周波数より高い高域雑音成分を除去する高域雑音除去部(22)と、
    前記高域雑音除去部の出力信号を受け、前記所定周波数以下の低域雑音成分を除去する低域雑音除去部(30)とを有する信号処理装置であって、
    前記低域雑音除去部が、
    前記高域雑音除去部から連続して出力される信号間の差分値を求める差分演算手段(31)と、
    前記差分値の信号に対して180度の移相処理を行う移相手段(32)と、
    前記移相手段の出力信号に対して、前記移相処理によって生じる前記所定周波数以下の低域振幅誤差を補正する補正手段(33)と、
    前記補正手段によって低域振幅誤差が補正された信号を積分して、前記入力信号に含まれていた交流の雑音成分を180度移相した雑音信号を生成する積分手段(36)と、
    前記高域雑音除去部から出力される信号と前記生成された雑音信号とを加算し、前記入力信号の直流成分を求める加算手段(39)とを有していることを特徴とする信号処理装置。
  8. 前記加算手段で加算される信号のうち、前記高域雑音除去部から出力される信号は、前記差分値の信号に対する積分処理で復元された信号であることを特徴とする請求項7記載の信号処理装置。
  9. 前記差分値の信号に対するスペクトラム解析を行うスペクトラム解析手段(34)と、
    前記スペクトラム解析手段により得られた前記所定周波数以下の雑音成分に対して前記低域振幅誤差を補正するために必要な係数を求める係数算出手段(35)とを有し、
    前記補正手段は、前記移相処理された信号に対して前記係数算出手段によって得られた係数による補正演算処理を行うことを特徴とする請求項7または請求項8記載の信号処理装置。
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