JP2018004536A - 信号処理装置および信号処理方法ならびに摩擦試験装置および表面張力測定装置 - Google Patents

信号処理装置および信号処理方法ならびに摩擦試験装置および表面張力測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高精度なノイズ除去を簡便に行うことが可能な信号処理装置および信号処理方法、ならびに高精度な測定を簡便に行うことが可能な摩擦試験装置および表面張力測定装置を提供する。【解決手段】信号処理装置1は、入力信号Siに積分処理またはローパスフィルタ処理を施してノイズ除去信号S1を生成するノイズ除去部10と、ノイズ除去信号S1に微分処理またはハイパスフィルタ処理を施して補正信号S2を生成する補正信号生成部20と、ノイズ除去信号S1に補正信号S2を加算して出力信号Soを生成する補正部30と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、各種センサ等から入力される信号からノイズを除去する信号処理装置および信号処理方法、ならびにこのような信号処理装置を備える摩擦試験装置および表面張力測定装置に関する。
従来、各種信号に含まれる高周波のノイズを除去し、平滑化する手法としてローパスフィルタが広く用いられている。但し、一般にローパスフィルタは、積分処理によって信号波形に含まれる高周波成分を減衰させることでノイズを除去するため、波形が鈍りやすいという特性を有している。そして、この波形の鈍りは、波形の傾きが急激に変化する変換点において特に大きく表れることとなる。
例えば、摩擦試験装置において静止摩擦係数を測定する場合には、最大静止摩擦力を測定する必要があるが、この最大静止摩擦力は静止摩擦力から動摩擦力への移行に伴う変換点におけるピーク値となる。従って、摩擦力を検出するロードセル等からの信号にローパスフィルタをかけた場合、信号波形の鈍りによってピーク値が減少し、実際よりも低い最大静止摩擦力を示す信号が出力される可能性があった。
このような信号波形の鈍りに対しては、ローパスフィルタに代えて例えばスプライン平滑化等の手法を採用することが考えられるが、処理が複雑化すると共に、試行錯誤による最適化に手間と時間を要するという新たな問題が生ずることとなる。このため、予めパワーの大きいノイズを除去した上で信号波形を分割し、分割領域ごとにスプライン平滑化を適用する手法等も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−278343号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の手法は、自動化を可能にするものではあるが、複雑な処理を多数実行する必要があり、装置構成も複雑且つ高価なものとなるため、より簡便に信号波形の鈍りを減少させる手法が望まれていた。
本発明は、斯かる実情に鑑み、高精度なノイズ除去を簡便に行うことが可能な信号処理装置および信号処理方法、ならびに高精度な測定を簡便に行うことが可能な摩擦試験装置を提供しようとするものである。
(1)本発明は、入力信号に積分処理またはローパスフィルタ処理を施してノイズ除去信号を生成するノイズ除去部と、前記ノイズ除去信号に微分処理またはハイパスフィルタ処理を施して補正信号を生成する補正信号生成部と、前記ノイズ除去信号に前記補正信号を加算して出力信号を生成する補正部と、を備えることを特徴とする、信号処理装置である。
(2)本発明はまた、前記補正信号生成部におけるカットオフ周波数は、前記ノイズ除去部におけるカットオフ周波数の80%以上120%以下の範囲内であることを特徴とする、上記(1)に記載の信号処理装置である。
(3)本発明はまた、前記入力信号は、力または加速度を示す信号であることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の信号処理装置である。
(4)本発明はまた、前記補正信号のゲインを調整するゲイン調整部を備えることを特徴とする、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の信号処理装置である。
(5)本発明はまた、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の信号処理装置と、摩擦力を測定し、前記摩擦力を示す信号を前記入力信号として前記ノイズ除去部に入力する力測定器と、を備えることを特徴とする、摩擦試験装置である。
(6)本発明はまた、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の信号処理装置と、表面張力に起因する引張力を測定し、前記引張力を示す信号を前記入力信号として前記ノイズ除去部に入力する力測定器と、を備えることを特徴とする、表面張力測定装置である。
(7)本発明はまた、入力信号に積分処理またはローパスフィルタ処理を施してノイズ除去信号を生成するノイズ除去処理と、前記ノイズ除去信号に微分処理またはハイパスフィルタ処理を施して補正信号を生成する補正信号生成処理と、前記ノイズ除去信号に前記補正信号を加算して出力信号を生成する補正処理と、を有することを特徴とする、信号処理方法である。
本発明に係る信号処理装置および信号処理方法によれば、高精度なノイズ除去を簡便に行うことが可能という優れた効果を奏し得る。また、本発明に係る摩擦試験装置および表面張力測定装置によれば、高精度な測定を簡便に行うことが可能という優れた効果を奏し得る。
本発明の実施の形態に係る信号処理装置の構成の一例を示したブロック図である。 摩擦試験装置に信号処理装置を適用した場合の一例を示した図である。 (a)〜(c)摩擦試験装置における入力信号、ノイズ除去信号、補正信号および出力信号の一例を示した図である。 表面張力測定装置に信号処理装置を適用した場合の一例を示した図である。 (a)〜(c)表面張力測定装置でWilhelmy法を実行した場合における入力信号、ノイズ除去信号、補正信号および出力信号の一例を示した図である。 (a)〜(c)表面張力測定装置でdu Nouy法を実行した場合における入力信号、ノイズ除去信号、補正信号および出力信号の一例を示した図である。 信号処理装置に補正信号のゲインを調整するゲイン調整部を設けた場合の一例を示したブロック図である。 (a)〜(c)ゲイン調整部を備える信号処理装置を適用した表面張力測定装置でWilhelmy法を実行した場合における入力信号、ノイズ除去信号、補正信号、調整補正信号および出力信号の一例を示した図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る信号処理装置1の構成の一例を示したブロック図である。同図に示されるように、信号処理装置1は、例えば各種センサ等の第1の外部機器2から出力された入力信号Siに対してノイズ除去(平滑化)を行い、出力信号Soとして例えばPCやメモリ等の第2の外部機器3に出力するものである。信号処理装置1は、ノイズ除去部10と、補正信号生成部20と、補正部30と、を備えている。
ノイズ除去部10は、第1の外部機器2から入力された入力信号Siに積分処理またはローパスフィルタ処理を施し、入力信号Siから高周波ノイズを除去したノイズ除去信号S1を生成して出力するものである。ノイズ除去部10は、例えば積分回路等の回路から構成されるものであってもよいし、各種コンピュータのCPUがプログラムを実行することによって実現される機能構成であってもよい。
また、ノイズ除去部10は、例えば二次や三次の積分処理またはローパスフィルタ処理を施すものであってもよい。また、ノイズ除去部10のカットオフ周波数fc1(ゲインが−3dBとなる周波数)は、特に限定されるものではなく、第1の外部機器2や入力信号Siの特性に応じて適宜に設定すればよい。
補正信号生成部20は、ノイズ除去信号S1に微分処理またはハイパスフィルタ処理を施し、補正信号S2を生成して出力するものである。この補正信号S2は、後述する補正部30によってノイズ除去信号S1に加算され、ノイズ除去信号S1に生じた波形の鈍りを補正するための信号である。補正信号生成部20は、ノイズ除去部10と同様に、例えば微分回路等の回路から構成されるものであってもよいし、各種コンピュータのCPUがプログラムを実行することによって実現される機能構成であってもよい。
また、補正信号生成部20は、例えば二次や三次の微分処理またはハイパスフィルタ処理を施すものであってもよい。また、補正信号生成部20のカットオフ周波数fc2は、特に限定されるものではないが、試行錯誤することなくノイズ除去信号S1における波形の鈍りを高精度に補正するためには、ノイズ除去部10のカットオフ周波数fc1に近い値であることが好ましい。
具体的には、補正信号生成部20のカットオフ周波数fc2は、ノイズ除去部10のカットオフ周波数fc1の80%以上120%以下の範囲内の値であることが好ましく、ノイズ除去部10のカットオフ周波数fc1と略一致する値であればより好ましい。また、入力信号Siの波形によっては、補正信号生成部20のカットオフ周波数fc2をノイズ除去部10のカットオフ周波数fc1から適宜にずらすことによって補正信号S2の波形を調整するようにしてもよい。
補正部30は、ノイズ除去部10の生成したノイズ除去信号S1に補正信号生成部20の生成した補正信号S2を加算して出力信号Soを生成し、第2の外部機器3に出力するものである。補正部30は、例えば加算回路等の回路から構成されるものであってもよいし、各種コンピュータのCPUがプログラムを実行することによって実現される機能構成であってもよい。
補正部30により、入力信号Siの積分結果である(または、積分結果とみなせる)ノイズ除去信号S1に微分結果である(または、微分結果とみなせる)補正信号Soを加算することで、次の(1)式に示されるテイラー展開と同様の結果を得ることが可能となる。
f(x)=f(a)+f'(a)(x−a)/1! ・・・(1)
すなわち、入力信号Siの近似解を得ることができるため、入力信号Siの波形の特徴を保持しつつ平滑化された出力信号Soを得ることが可能となる。換言すれば、入力信号Siから適宜にノイズを除去しながらも、波形の鈍りおよび位相遅れの軽減された出力信号Soを得ることができる。
このように信号処理装置1は、信号波形の鈍りおよび位相遅れの少ないノイズ除去、すなわち高精度なノイズ除去を簡便に行うことが可能であるため、波形の傾きが急激に変化する変換点を有し、且つピーク値の大きさが重要となる信号のノイズ除去に好適となっている。特に、波形の傾きの急激な変化が生じやすいだけでなく、振動等によるノイズの混入しやすい力または加速度の測定結果を示す信号のノイズ除去に好適である。
図2は、摩擦力を測定する摩擦試験装置に信号処理装置1を適用した場合の一例を示した図である。この例の摩擦試験装置100は、試料102に接触子104を接触させて所定の垂直荷重で押圧し、この状態で試料102を接触子104に対して相対的に水平方向に移動させた場合に接触子104に働く水平方向の力を測定することで摩擦力を測定するものである。
図2に示されるように、摩擦試験装置100は、各部を支持する基台110と、基台110に立設された支柱120と、支柱120に揺動自在に支持されると共に接触子104を保持するアーム130と、適宜の錘等によって接触子104を試料102に押圧する押圧機構140と、試料102を保持して移動させるステージ150と、接触子104に加わる摩擦力を測定する力測定器160と、摩擦試験装置100全体を制御する制御装置170と、力測定器160と制御装置170の間に設けられる信号処理装置1と、を備えている。
支柱120の上部には、第1の支軸122を介して揺動部材124が揺動自在に垂下されており、アーム130は揺動部材124の下部(先端部)に設けられた第2の支軸126を介して揺動自在に支持されている。従って、アーム130は、試料102と接触子104の間の摩擦力を受けて、略水平方向に僅かに移動可能となっている。そして、力測定器160は、ロッド162を介して第2の支軸126に接続されており、第2の支軸126に作用する力を測定することで、試料102と接触子104の間の摩擦力を測定するようになっている。
力測定器160は、例えばロードセル等から構成され、測定した力に応じた信号、すなわち摩擦力を示す信号を入力信号Siとして信号処理装置1に入力する。信号処理装置1は、入力信号Siからノイズを除去し、平滑化した出力信号Soを制御装置170に出力する。制御装置170は、例えばPCやマイコン等から構成され、出力信号Soを所定の時系列データとして記憶すると共に、出力信号Soに基づいて摩擦力、静摩擦係数および動摩擦係数を算出する。
図3(a)〜(c)は、摩擦試験装置100における入力信号Si、ノイズ除去信号S1、補正信号S2および出力信号Soの一例を示した図である。この例では、ノイズ除去部10をRC積分回路から構成し、補正信号生成部20をCR微分回路から構成し、ノイズ除去部10および補正信号生成部20のカットオフ周波数を12.5Hzに設定した場合を示している。また、これらの図では、横軸を時間(mSec)とし、縦軸を電圧(V)としている。
摩擦試験装置100における摩擦試験では、初めに試料102と接触子104が相対移動しない状態で略直線的に上昇する静止摩擦力が測定され、その後摩擦力が最大静止摩擦力となって試料102と接触子104が相対移動を開始した後に、最大静止摩擦力よりも低く、略一定の値を示す動摩擦力が測定される。従って、力測定器160からの入力信号Siは、図3(a)に示されるような波形となる。
入力信号SiをRC積分回路からなるノイズ除去部10に通すことで高周波成分が減衰され、図3(b)に示されるようなノイズ除去信号S1が得られる。さらに、このノイズ除去信号S1をCR微分回路からなる補正信号生成部20に通すことで、図3(b)に示されるような補正信号S2が生成される。そして、補正部30によってノイズ除去信号S1に補正信号S2を加算することで、図3(c)に示されるような出力信号Soが得られる。
ノイズ除去信号S1は、入力信号Siから適宜に高周波ノイズが除去されて平滑化された波形となっているが、静止摩擦力を示す領域において最大静止摩擦力を示すピーク値Vpが入力信号Siよりも低くなっている。これに対し、出力信号Soでは、最大静止摩擦力を示すピーク値Vpが入力信号Siと同等の値となっている。すなわち、補正信号S2を加算することによって、ノイズ除去信号S1に生じた波形の鈍りが適宜に補正されている。これにより、摩擦試験装置100では、ノイズ除去に伴う波形の鈍りを軽減し、最大静止摩擦力およびこれに基づいて算出される静止摩擦係数を高精度に測定することが可能となっている。
また、ノイズ除去信号S1では、動摩擦力を示す領域における平均値Vaは入力信号Siと同等の値を示しているが、動摩擦力の変化量は入力信号Siよりも小さくなっている。これに対し、出力信号Soでは、動摩擦力の変化量が入力信号Siと同等の大きさとなり、動摩擦力を示す領域における波形の特徴が明確に示されている。また、図からは分りにくいが、出力信号Soではノイズ除去信号S1における位相遅れが略解消されている。すなわち、摩擦試験装置100では、試料102に対する接触子104の移動(相対位置の変化)に伴う動摩擦力および動摩擦係数の変化を高精度に測定することが可能であり、試料102の表面における動摩擦特性の分布を高精度に測定することが可能となっている。
さらに、図示は省略するが、入力信号Siがスティックスリップ現象を示す鋸歯状の波形となったような場合にも、入力信号Siにおける波形の特徴が出力信号Soにおいてスポイルされないため、摩擦試験装置100によれば様々な摩擦状態を高精度に解析することが可能となっている。
図4は、表面張力(界面張力)を測定する表面張力測定装置200に信号処理装置1を適用した場合の一例を示した図である。この例の表面張力測定装置200は、Wilhelmy法(プレート法)またはdu Nouy法(リング法)、すなわち液体の試料202に接触させたプレート状またはリング状の測定子204が試料202に引っ張られる力を測定することで試料102の表面張力を測定するものである。
図4に示されるように、表面張力測定装置200は、各部を支持する基台210と、試料202を収容した容器206を保持して移動させるステージ220と、測定子204を吊下げるフック230と、例えば電子天秤等から構成され、測定子204に加わる力を測定する力測定器240と、例えばPCやマイコン等から構成され、表面張力測定装置200全体を制御する制御装置250と、力測定器240と制御装置250の間に設けられる信号処理装置1と、を備えている。
ステージ220は、試料202を収容した容器206を上下方向に移動させ、フック230に吊下げられた測定子204に対して試料202を近接または離隔させる。Wilhelmy法により測定を行う場合には、ステージ220は試料202を収容した容器206を上昇させてプレート状の測定子204の下端に試料202の液面を接触させる。そして、力測定器240は、フック230と接続されており、測定子204の表面にぬれ上がった試料202によって測定子204が下方に引っ張られる力を測定する。測定子204に加わる引張力をF、測定子204の周囲長をL、試料202と測定子204の接触角をθとすると、表面張力γは次の(2)式で求められる。
γ=F/Lcosθ ・・・(2)
du Nouy法により測定を行う場合には、ステージ220はまず試料202を収容した容器206を上昇させ、リング状の測定子204を一旦試料202中に浸漬させる。次に、ステージ220は試料202を収容した容器206を徐々に下降させ、試料202の液面と測定子204の間に形成された液体膜により測定子204が下方に引っ張られる力を力測定器240が測定する。測定子204に加わる引張力のピーク値をF、測定子204の半径をR、補正項をCとすると、表面張力γは次の(3)式で求められる。
γ=FC/4πR ・・・(3)
力測定器240は、測定した力に応じた信号、すなわち試料202の表面張力に起因する引張力を示す信号を入力信号Siとして信号処理装置1に入力する。信号処理装置1は、入力信号Siからノイズを除去し、平滑化した出力信号Soを制御装置170に出力する。制御装置170は、出力信号Soを所定の時系列データとして記憶すると共に、出力信号Soに基づいて表面張力γを算出する。
図5(a)〜(c)は、表面張力測定装置200でWilhelmy法を実行した場合における入力信号Si、ノイズ除去信号S1、補正信号S2および出力信号Soの一例を示した図である。この例では、ノイズ除去部10を2段のRC積分回路から構成し、補正信号生成部20を2段のCR微分回路から構成し、ノイズ除去部10および補正信号生成部20のカットオフ周波数を0.34Hzに設定した場合を示している。また、これらの図では、横軸を時間(mSec)とし、縦軸を表面張力(mN/m)に変換している。
Wilhelmy法において測定子204に加わる力は、試料202のぬれ上がりに伴って略ステップ状に表面張力γを示す値まで変化することとなるが、減衰振動が発生するため、力測定器240からの入力信号Siは図5(a)に示されるような波形となる。
入力信号Siをノイズ除去部10に通し、二次の積分処理を施すことで、高周波ノイズと共に減衰振動に起因するノイズが除去され、図5(b)に示されるようなノイズ除去信号S1が得られる。さらに、このノイズ除去信号S1を補正信号生成部20に通し、二次の微分処理を施すことで、図5(b)に示されるような補正信号S2が生成される。そして、補正部30によってノイズ除去信号S1に補正信号S2を加算することで、図5(c)に示されるような出力信号Soが得られる。
ノイズ除去信号S1は、減衰振動に起因するノイズが適宜に除去されて平滑化されているが、この結果として立ち上がり部分の傾きが緩やかになっているため、表面張力γを示す値に到達するまで時間を要することとなる。これに対し、出力信号Soでは、立ち上がり部分の傾きが急になっているため、ノイズ除去信号S1よりも短時間で表面張力γを示す値に到達することとなる。すなわち、信号処理装置1を備える表面張力測定装置200では、Wilhelmy法による表面張力γの測定を従来よりも短時間で行うことが可能となっている。
図6(a)〜(c)は、表面張力測定装置200でdu Nouy法を実行した場合における入力信号Si、ノイズ除去信号S1、補正信号S2および出力信号Soの一例を示した図である。この例では、ノイズ除去部10をRC積分回路から構成し、補正信号生成部20をCR微分回路から構成し、ノイズ除去部10および補正信号生成部20のカットオフ周波数を0.34Hzに設定した場合を示している。また、これらの図では、横軸を時間(mSec)とし、縦軸を表面張力(mN/m)に変換している。
du Nouy法において測定子204に加わる力は、測定子204が試料202の液面から離隔するにつれて上昇し、表面張力γを示すピーク値に到達した後に下降する。そして、試料202の液面と測定子204の間の液体膜が破断することで、測定子204に加わる力は0となる。従って、力測定器240からの入力信号Siは、図3(a)に示されるような波形となる。
入力信号Siをノイズ除去部10に通すことで高周波成分が減衰され、図6(b)に示されるようなノイズ除去信号S1が得られ、ノイズ除去信号S1を補正信号生成部20に通すことで、図6(b)に示されるような補正信号S2が生成される。そして、補正部30によってノイズ除去信号S1に補正信号S2を加算することで、図6(c)に示されるような出力信号Soが得られる。
du Nouy法においては、入力信号Siのピーク値近傍における傾きの変化が緩やかなので、ノイズ除去信号S1における波形の鈍りは比較的小さなものとなっている。従って、ノイズ除去信号S1のピーク値から得られる表面張力γの値は、十分な精度を有している。具体的に図6(a)〜(c)は、試料202が水の場合を例示しているが、水の表面張力γの真値(20℃における物性値)が72.8mN/mであるのに対し、ノイズ除去信号S1から求めた表面張力γの値は72.4mN/mと、若干低めの値となっている。
これに対し、出力信号Soから求めた表面張力γの値は、波形の訛りが軽減された結果、72.6mN/mとなっており、より真値に近い値が得られている。さらに、出力信号Soでは、位相遅れも略解消されている。すなわち、信号処理装置1を備える表面張力測定装置200では、du Nouy法による表面張力γの測定をきわめて高精度に行うことが可能となっている。
図7は、信号処理装置1に補正信号S2のゲインを調整するゲイン調整部40を設けた場合の一例を示したブロック図である。このゲイン調整部40は、補正信号生成部20の生成した補正信号S2に所定の係数を乗算して調整補正信号S2'を生成し、補正部30に向けて出力するものである。従って、この例では、補正部30はノイズ除去信号S1に調整補正信号S2'を加算することで、出力信号Soを生成することとなる。
このように、信号処理装置1は、補正信号S2のゲインを調整した上でノイズ除去信号S1に加算し、出力信号Soを生成するものであってもよい。入力信号Siの波形によっては、このように補正信号S2のゲインを調整することで、波形の特徴を保持した出力信号Soをより簡便に生成することが可能となる場合がある。
図8(a)〜(c)は、ゲイン調整部40を備える信号処理装置1を適用した表面張力測定装置200でWilhelmy法を実行した場合における入力信号Si、ノイズ除去信号S1、補正信号S2、調整補正信号S2'および出力信号Soの一例を示した図である。この例では、ノイズ除去部10を2段のRC積分回路から構成し、補正信号生成部20を1段のCR微分回路から構成し、ノイズ除去部10および補正信号生成部20のカットオフ周波数を0.34Hzに設定し、ゲイン調整部40において乗算する係数の値を0.4に設定した場合を示している。また、これらの図では、横軸を時間(mSec)とし、縦軸を表面張力(mN/m)としている。
この例における図8(a)に示される入力信号Siは、図5(a)に示したものと同一であり、これに二次の積分処理を施した図8(b)に示されるノイズ除去信号S1は、図5(b)に示したものと同一となる。一方、この例では、補正信号生成部20は一次の微分処理をノイズ除去信号S1に施すため、図8(b)に示される補正信号S2は、図5(b)に示したものよりもピーク値が大きい波形となるが、これに係数0.4を乗算することで、図8(b)に示されるように、図5(b)における補正信号S2と同様の波形の調整補正信号S2'が得られる。そしてこの結果、図8(c)に示されるように、図5(c)に示した出力信号Soと同様の波形の出力信号Soが生成されることとなる。
このように、例えば入力信号Siがステップ状に変化する部分を含むような場合、ゲイン調整部40を設けることで、補正信号生成部20における演算処理を簡素化することが可能となる。なお、ゲイン調整部40は、例えば乗算回路等の回路から構成されるものであってもよいし、各種コンピュータのCPUがプログラムを実行することによって実現される機能構成であってもよい。また、ゲイン調整部40は、補正信号生成部20または補正部30に内蔵される構成であってもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る信号処理装置1は、入力信号Siに積分処理またはローパスフィルタ処理を施してノイズ除去信号S1を生成するノイズ除去部10と、ノイズ除去信号S1に微分処理またはハイパスフィルタ処理を施して補正信号S2を生成する補正信号生成部20と、ノイズ除去信号S1に補正信号S2を加算して出力信号Soを生成する補正部30と、を備えている。
また、本実施形態に係る信号処理方法は、入力信号Siに積分処理またはローパスフィルタ処理を施してノイズ除去信号S1を生成するノイズ除去処理と、ノイズ除去信号S1に微分処理またはハイパスフィルタ処理を施して補正信号S2を生成する補正信号生成処理と、ノイズ除去信号S1に補正信号S2を加算して出力信号Soを生成する補正処理と、を有している。
このような構成とすることで、積分処理またはローパスフィルタ処理に起因する波形の鈍りおよび位相の遅れを補正信号によって適宜に補正することが可能となるため、高精度なノイズ除去を、複雑な処理手順や装置構成を必要とすることなく、簡便に行うことができる。
また、補正信号生成部20におけるカットオフ周波数は、ノイズ除去部10におけるカットオフ周波数の80%以上120%以下の範囲内であることが好ましい。このようにすることで、試行錯誤することなく適切な波形の補正信号S2を生成し、ノイズ除去信号S1における波形の鈍りを高精度に補正することができる。
また、入力信号Siは、力または加速度を示す信号であることが好ましい。本発明は、波形の傾きの急激な変化が生じやすいだけでなく、振動等によるノイズの混入しやすい信号のノイズ除去に、特に好適である。
また、信号処理装置1は、補正信号S2のゲインを調整するゲイン調整部40を備えるものであってもよく、信号処理方法は、補正信号S2のゲインを調整するゲイン調整処理を備えるものであってもよい。このようにすることで、補正信号生成部20における演算処理を簡素化し、高精度なノイズ除去をより簡便に行うことができる場合がある。
また、本実施形態に係る摩擦試験装置100は、信号処理装置1と、摩擦力を測定し、摩擦力を示す信号を入力信号Siとしてノイズ除去部10に入力する力測定器160と、を備えている。このような構成とすることで、摩擦力を示す信号から高精度にノイズを除去することが可能となるため、摩擦力の測定を高精度に行うことができる。
また、本実施形態に係る表面張力測定装置200は、信号処理装置1と、表面張力に起因する引張力を測定し、引張力を示す信号を入力信号Siとしてノイズ除去部10に入力する力測定器240と、を備えている。このような構成とすることで、表面張力に起因する引張力を示す信号から高精度にノイズを除去することが可能となるため、表面張力の測定を高精度に行うことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明に係る信号処理装置および信号処理方法ならびに摩擦試験装置および表面張力測定装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、入力信号Si、ノイズ除去信号S1、補正信号S2、調整補正信号S2'および出力信号Soは、アナログ信号およびデジタル信号のいずれであってもよい。また、ノイズ除去部10、補正信号生成部20、補正部30およびゲイン調整部40は、デジタル処理を行うように構成されてもよいし、アナログ処理を行うように構成されてもよい。
また、摩擦試験装置100の構成は、上記実施形態において示したもの以外にも、例えば本出願人に係る特許第5912941号に示される構成等、各種既知の構成を採用することができる。同様に、表面張力測定装置200の構成は、上記実施形態において示した構成に限定されるものではなく、各種既知の構成を採用することができる。また、摩擦試験装置100および表面張力測定装置200において、信号処理装置1は、制御装置170、250に内蔵するようにしてもよいし、力測定器160、240に内蔵するようにしてもよい。
また、上記実施形態において示した作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したものに過ぎず、本発明による作用および効果は、これらに限定されるものではない。
本発明に係る信号処理装置および信号処理方法は、各種信号処理の分野において利用することができる。また、本発明に係る摩擦試験装置および表面張力測定装置は、表面科学やトライボロジーの分野において利用することができる。
1 信号処理装置
10 ノイズ除去部
20 補正信号生成部
30 補正部
40 ゲイン調整部
100 摩擦試験装置
160 力測定器
200 表面張力測定装置
240 力測定器
Si 入力信号
So 出力信号
S1 ノイズ除去信号
S2 補正信号

Claims (7)

  1. 入力信号に積分処理またはローパスフィルタ処理を施してノイズ除去信号を生成するノイズ除去部と、
    前記ノイズ除去信号に微分処理またはハイパスフィルタ処理を施して補正信号を生成する補正信号生成部と、
    前記ノイズ除去信号に前記補正信号を加算して出力信号を生成する補正部と、を備えることを特徴とする、
    信号処理装置。
  2. 前記補正信号生成部におけるカットオフ周波数は、前記ノイズ除去部におけるカットオフ周波数の80%以上120%以下の範囲内であることを特徴とする、
    請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記入力信号は、力または加速度を示す信号であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の信号処理装置。
  4. 前記補正信号のゲインを調整するゲイン調整部を備えることを特徴とする、
    請求項1乃至3のいずれかに記載の信号処理装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の信号処理装置と、
    摩擦力を測定し、前記摩擦力を示す信号を前記入力信号として前記ノイズ除去部に入力する力測定器と、を備えることを特徴とする、
    摩擦試験装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載の信号処理装置と、
    表面張力に起因する引張力を測定し、前記引張力を示す信号を前記入力信号として前記ノイズ除去部に入力する力測定器と、を備えることを特徴とする、
    表面張力測定装置。
  7. 入力信号に積分処理またはローパスフィルタ処理を施してノイズ除去信号を生成するノイズ除去処理と、
    前記ノイズ除去信号に微分処理またはハイパスフィルタ処理を施して補正信号を生成する補正信号生成処理と、
    前記ノイズ除去信号に前記補正信号を加算して出力信号を生成する補正処理と、を有することを特徴とする、
    信号処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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