JP4814136B2 - 信号処理方法および信号処理装置 - Google Patents

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本発明は、センサの出力信号からそのセンサに負荷された物理量に対応した直流成分を速やかに且つ精度よく得るための技術に関する。
各種の物理量を検出するためのセンサには、その物理量の変化に対して過渡的な応答を示すものが多い。
例えば、ロードセル等のように物品の質量を検出するためのセンサは、物品の荷重を受けて変形し、その変形量に応じた電圧の信号を出力するが、センサに対する物品の荷重が急激に行なわれた場合、このセンサの系の固有振動モードが励起されてセンサに伝達されるため、その出力信号は非線形振動をする。
この出力信号の非線形振動は時間が経過するにしたがって減衰して、最終的には物品の質量Mに対応した一定の値(直流値)に収束するが、ライン等で物品の質量検査を連続的に行なう場合、この振動が完全に収束するまで待っていたのでは効率的な検査がおこなえない。
そこで、一般的には低域通過フィルタにより雑音成分を除去することが行われているが、数10Hz以下の雑音成分を除去するためのフィルタの時定数はかなり大きく、収束予想値を高速に得ることは困難であった。
この問題を解決するための一つの技術として、本願出願人は、センサの出力信号に含まれる交流信号成分を抽出してその位相を反転させて原信号と加算することにより、センサの出力信号の雑音成分を除去する技術を開示している(特許文献1)。
特開2005−274320号公報
上記特許文献1の技術は、単一振動雑音などに有効であったが、複数の交流雑音がある場合の雑音除去特性が不十分であった。
本発明は、この点を改善し、センサの出力信号に含まれる複数の雑音成分を速やかに且つ精度よく除去することができる信号処理方法および装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の信号処理方法は、
物理量が負荷されたときのセンサの出力信号に対するA/D変換処理で得られた時系列の信号または該信号に対して前処理された時系列の信号を入力信号として受け、該入力信号に対する90度の移相処理を行う第1移相処理段階(S2)と、
前記90度の移相処理を受けた信号に対して、さらに90度の移相処理を行う第2移相処理段階(S3)と、
前記第1移相処理段階で得られた信号と前記第2移相処理段階で得られた信号に基づいて、前記入力信号に含まれる交流信号成分の位相と振幅とを求める段階(S4)と、
前記求めた位相と振幅を有する雑音信号を生成する段階(S5)と、
前記生成した雑音信号と前記入力信号とを加算または減算して、前記センサに負荷された物理量に対応したレベルの直流成分を求める段階(S7)とを含み、
さらに、
前記算出した位相から周波数情報を検出する段階(S4)と、
該算出した周波数情報と、前記第1移相処理および第2移相処理の周波数特性とに基づいて、雑音信号成分の低域の振幅誤差を補正する段階(S6)とを含むことを特徴としている。
また、本発明の請求項2の信号処理方法は、
物理量が負荷されたときのセンサの出力信号に対するA/D変換処理で得られた時系列の信号を入力信号として受け、該入力信号に含まれる所定周波数より高い高域雑音成分を除去(S21)し、該高域雑音成分が除去された信号から前記所定周波数以下の低域雑音成分を除去して、前記センサに負荷された物理量に対応したレベルの直流成分を求める信号処理方法であって、
前記低域雑音を除去する処理は、
前記高域雑音成分が除去された信号について、前記所定周波数以下の低域雑音成分に対する90度の移相処理を行う第1移相処理段階(S2′)と、
前記90度の移相処理を受けた信号に対して、さらに90度の移相処理を行う第2移相処理段階(S3)と、
前記第1移相処理段階で得られた信号と前記第2移相処理段階で得られた信号に基づいて、前記高域雑音成分が除去された信号に含まれる交流信号成分の位相と振幅とを求める段階(S4)と、
前記求めた位相と振幅を有する雑音信号を生成する段階(S5)と、
前記生成した雑音信号と前記高域雑音成分が除去された信号とを加算または減算して、前記センサに負荷された物理量に対応したレベルの直流成分を求める段階(S7)とを含み、
さらに、
前記算出した位相から周波数情報を検出する段階(S4)と、
該算出した周波数情報と、前記第1移相処理および第2移相処理の周波数特性とに基づいて、雑音信号成分の低域の振幅誤差を補正する段階(S6)とを含むことを特徴としている。
また、本発明の請求項3の信号処理方法は、請求項2の信号処理方法において、
前記第1移相処理を行う前段階として、入力信号に対してデシメーション処理を行うことを特徴としている。
また、本発明の請求項の信号処理方法は、請求項1〜3のいずれかに記載の信号処理方法において、
前記センサに対して前記物理量が負荷状態と非負荷状態の一方から他方に切り替わる際に生じる前記雑音信号のレベルの変動を抑圧する段階を含むことを特徴としている。
また、本発明の請求項の信号処理装置は、
物理量が負荷されたときのセンサ(1)の出力信号に対するA/D変換処理で得られた時系列の信号または該信号に対して前処理された時系列の信号を入力信号として受け、該入力信号に対して90度の移相処理を行う第1の移相手段(22)と、
前記第1の移相手段によって90度の移相処理を受けた信号に対してさらに90度の移相処理を行う第2の移相手段(23)と、
前記第1の移相手段で得られた信号と前記第2の移相手段で得られた信号に基づいて、前記入力信号に含まれる交流信号成分の位相を求める位相算出手段(25)と、
前記第1の移相手段で得られた信号と前記第2の移相手段で得られた信号に基づいて、前記入力信号に含まれる交流信号成分の振幅を求める振幅算出手段(26)と、
前記算出された位相と振幅とを有する雑音信号を生成する雑音信号生成手段(28)と、
前記雑音信号生成手段で生成した雑音信号と前記入力信号とを加算合成または減算合成して、前記センサに負荷された物理量に対応したレベルの直流成分を求める合成手段(31)とを備え
さらに、
前記位相算出手段によって算出された位相情報から周波数情報を算出する周波数算出手段(27)と、
前記算出した周波数情報と、前記第1の移相手段および第2の移相手段の周波数特性とに基づいて、前記雑音信号の低域の振幅誤差を補正する補正手段(29)とを備えている。
また、本発明の請求項の信号処理装置は、
物理量が負荷されたときのセンサ(1)の出力信号に対するA/D変換処理を行うA/D変換器(21)と、
前記A/D変換器の出力信号を受け、所定周波数より高い高域雑音成分を除去する高域雑音除去部(40)と、
前記高域雑音除去部の出力信号を受け、前記所定周波数以下の低域雑音成分を除去する低域雑音除去部(50)とを有する信号処理装置であって、
前記低域雑音除去部が、
前記高域雑音除去部から出力される信号に対して90度の移相処理を行う第1の移相手段(22)と、
前記第1の移相手段によって90度の移相処理を受けた信号に対してさらに90度の移相処理を行う第2の移相手段(23)と、
前記第1の移相手段で得られた信号と前記第2の移相手段で得られた信号に基づいて、前記高域雑音除去部から出力される信号に含まれる交流信号成分の位相を求める位相算出手段(25)と、
前記第1の移相手段で得られた信号と前記第2の移相手段で得られた信号に基づいて、前記高域雑音除去部から出力される信号に含まれる交流信号成分の振幅を求める振幅算出手段(26)と、
前記算出された位相と振幅とを有する雑音信号を生成する雑音信号生成手段(28)と、
前記雑音信号生成手段で生成した雑音信号と前記高域雑音除去部から出力される信号とを加算合成または減算合成して、前記センサに負荷された物理量に対応したレベルの直流成分を求める合成手段(31)とを備え
さらに、
前記位相算出手段によって算出された位相情報から周波数情報を算出する周波数算出手段(27)と、
前記算出した周波数情報と、前記第1の移相手段および第2の移相手段の周波数特性とに基づいて、前記雑音信号の低域の振幅誤差を補正する補正手段(29)とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の請求項の信号処理装置は、請求項記載の信号処理装置において、
前記第1の移相手段の前段に、入力信号に対してデシメーション処理を行うデシメーション手段(60)を設けたことを特徴としている。
また、本発明の請求項の信号処理装置は、請求項5〜7のいずれかに記載の信号処理装置において、
前記センサに対して前記物理量が負荷状態と非負荷状態の一方から他方に切り替わる際に生じる前記雑音信号のレベルの変動を抑圧する非線形処理手段(61)を備えたことを特徴としている。
このように本発明では、物理量が負荷されたときのセンサの出力信号に対するA/D変換処理で得られた時系列の信号あるいはその信号に対する前処理で得られた時系列の信号を入力信号として、その入力信号に対する90度の第1の移相処理を行い、らにその信号に対する90度の第2の移相処理を行い、第1の移相処理と第2の移相処理で得られた信号に基づいて、入力信号に含まれる交流信号成分の位相と振幅を算出し、その位相と振幅とを有する雑音信号を生成するとともに、位相情報から算出した周波数情報と、第1の移相手段および第2の移相手段の周波数特性とに基づいて、雑音信号の低域の振幅誤差を補正して入力信号と合成することにより、センサに負荷された物理量に対応したレベルの直流信号成分を求めているので、複数の雑音成分が含まれている場合であっても、速やかに且つ精度よく直流成分を検出することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
先ず始めに、本発明の信号処理方法を図1のフローチャートに基づいて説明する。
図1に示しているように、本発明の信号処理方法は、質量、圧力等の物理量Mを受けたセンサの出力信号x(t)を、その周波数成分の上限の2倍より十分高い周波数でオーバサンプリングして、量子化雑音が極めて少ないデジタルの原信号X(k)に変換する(S1)。
そして、この原信号X(k)に対して90度の第1の移相処理(S2)を行い、得られた信号Xi(k)に対してさらに90度の第2の移相処理(S3)を行う。これらの移相処理は、例えば広帯域にわたり90度の移相処理が可能なヒルベルト変換器を2段接続して実現できる。ここで、少なくとも第1の移相処理で得られる信号Xi(k)には、センサに負荷された物理量Mに対応した直流成分は含まれておらず、その直流成分に重畳している交流の雑音成分を移相した信号のみが含まれている。
次に、第1の移相処理で得られた信号Xi(k)と、第2の移相処理でさらに90度の移相処理を受けた信号Xq(k)に対して、次の演算、
φ(k)=tan−1[Xi(k)/Xq(k)]
A(k)=[Xi(k)+Xq(k)1/2
f=(1/2π)[φ(k)−φ(k−1)]
により、瞬時位相φ(k)、瞬時振幅A(k)および周波数fの情報を算出する(S4)。
次に、この算出された位相φ、周波数f、振幅Aの情報に基づいて、入力信号x(t)に含まれていた交流の雑音成分を180度移相した雑音成分n(k)が生成される。
即ち、位相φにπ/4が加算されて、直交する2つの正弦波、
I(k)=sin[φ(k)+π/4]
Q(k)=cos[φ(k)+π/4]
が生成され、さらに振幅Aが乗じられて加算され、
n(k)=A[I(k)+Q(k)]
の雑音成分が生成される(S5)。
そして、基本的にハイパスフィルタ型であるヒルベルト変換器による移相処理で生じる低域の振幅低下分を、周波数情報fに基づいて得られた補正用のフィルタにより補正して、入力信号X(k)に含まれていた交流の雑音成分を180度移相した雑音成分N(k)を生成する(S6)。
最後に、この生成した雑音成分N(k)を原信号X(k)と加算合成することで、原信号X(k)に含まれていた雑音成分を相殺し、物理量Mに対応したレベルの直流信号成分を抽出する(S7)。
このように本発明の信号処理方法では、入力信号の交流成分に対して90度の移相処理を2回を行い、1回目の出力と2回目の出力とに基づいて入力信号に含まれている交流成分の瞬時位相、瞬時振幅、周波数の情報を求め、それらの情報に基づいて雑音信号成分を生成して、原信号と合成することで、原信号に含まれている雑音成分を除去しているので、複数の雑音成分に対しても十分に除去効果が得られる。
図2に上記信号処理方法を用いた信号処理装置20の実施形態を示す。
この信号処理装置20は、図示しない物品搬送装置に備えられたロードセル等のセンサ11の出力信号x(t)を、A/D変換器21により例えば2kHzでオーバサンプリングして、量子化雑音が少ないデジタルの原信号X(k)を得て、第1の移相手段22に入力している。
第1の移相手段22は、例えばヒルベルト変換器からなり、原信号X(k)に含まれる交流の雑音成分の90度移相した信号Xi(k)を第2の移相手段23に出力する。
第2の移相手段23でさらに90度の移相処理を受けて出力される信号Xq(k)は、遅延手段24で第2の移相手段23の処理時間分だけ遅延された信号Xi(k)とともに、位相算出手段25、振幅算出手段26に入力される。
位相算出手段25は、入力される信号Xi(k)、Xq(k)に対して、次の演算、
φ(k)=tan−1[Xi(k)/Xq(k)]
を行い、位相情報φ(k)を求める。
また、振幅算出手段26は、次の演算、
A(k)=[Xi(k)+Xq(k)1/2
を行い、振幅情報A(k)を求める。
位相情報φ(k)は周波数算出手段27に入力され、例えば位相情報φ(k)の微分演算処理により、周波数情報fが求められる。
このようにして得られた位相情報φ(k)、振幅情報A(k)および周波数情報fは、雑音信号生成手段28に入力される。
雑音信号生成手段28では、次の演算により雑音成分n(k)を生成し、補正手段29に出力する。
n(k)
=A(k)・{sin[φ(k)+π/4]+cos[φ(k)+π/4]}
ここで、位相算出手段25で算出される位相φは、第1の移相手段22から出力される信号Xi(k)についての位相であり、元の雑音信号に対してπ/2だけ移相しており、上記の式のようにφ(k)にπ/4を加えて正弦と余弦の直交合成を行うことでさらにπ/2だけ移相するので、得られた雑音信号n(k)の位相は入力信号X(k)に含まれる交流の雑音成分に対してπだけ位相がシフトしている。
補正手段29は、ハイパス型のヒルベルト変換器を第1、第2の移相手段22、23で用いていることによる低周波成分の振幅低下分を補償するためのものであり、周波数算出手段27によって得られた周波数情報fと前記第1、第2の移相手段22、23の周波数特性とに基づいて生成されたフィルタからなり、入力する雑音成分n(k)の振幅補正処理を行い、入力信号X(k)に含まれていた交流の雑音成分を180度移相した雑音成分N(k)を生成する。
この雑音成分N(k)は、遅延手段30により遅延された原信号X(k)とともに合成手段31で加算合成される。
したがって、合成手段31からは、原信号X(k)に含まれていた交流の雑音成分が相殺除去されて、センサ11に負荷された物理量Mに対応したレベルの直流信号成分S(k)が出力されることになる。
次に、本発明の実施形態のシミュレーション結果について説明する。
図3は、物理量Mに対応した振幅が0.5で、繰り返し周波数が3Hzでセンサに負荷される場合で、且つ、周波数39Hz、振幅0.01、周波数39.5Hz、振幅0.01、周波数55Hz、振幅0.01、周波数60Hz、振幅0.2、周波数63Hz、振幅0.2、周波数90Hz、振幅1の各交流成分が重畳している信号x(t)に対する処理を示しており、図3の(a)の入力信号X(k)に対して、上記の雑音生成処理を行うことで、図3の(b)のような雑音信号N(k)が得られ、前記した原信号との合成処理により、図3の(c)のように物理量に対応した振幅0.5を持つ繰り返し周波数3Hzの信号S(k)が得られている。
上記実施形態では、第1の移相手段22および第2の移相手段23で広帯域に90度の移相処理を行う場合について説明したが、雑音の含まれる周波数帯域が広く、しかも、より低い周波数まで存在する場合、各移相手段でその全帯域における移相処理を行おうとするとタップ数が多くなり、信号遅延が大きくなる恐れがある。
これを解決するためには、図4のように、雑音周波数を所定周波数faを境界として高域側と低域側に分け、図5のフローチャートに示しているように、予め所定周波数fa以上の高域の雑音成分を除去(S21)した信号X(k)を生成してから、前記同様の処理手順S2′〜S7′により低域の雑音成分の除去処理を行う方法が有効である。
また、それを実現する装置としては、図6のように、所定周波数fa以上の高域の雑音成分を除去するための高域雑音除去部40をA/D変換器21と前記実施形態と同構成の低域雑音除去部50との間に設ける。
この高域側の雑音除去処理は、前記図1の方法、図2の構成で行うことが可能であり、より簡単なものとして、LPFフィルタによる高域除去処理であっても大きな遅延を与えることなく雑音除去が可能である。
ただし、少なくとも低域側の雑音除去処理は、前記した実施形態の方法で行う必要がある。この場合、第1、第2の移相手段22、23の周波数特性の下限周波数を低く設定する必要があるが、高域側の雑音は既に除去されているので、演算処理を低域側だけに限定して行うように設定すればよく、演算に必要なタップ数を少なくでき、大きな遅延を生じさせることなく、低域の雑音を除去することができる。
また、図7に示すように、高域側の雑音が除去された信号X(k)に対してデシメーション手段60により例えば1/2デシメーション処理(間引き処理)を行うことで、演算処理を簡易化してもよい。
上記のように雑音信号に対する処理の周波数帯域が低くなっている状態で、センサ11に対して物理量Mが比較的短い周期で繰り返し負荷される場合、図8の(a)の信号X(k)のように、物理量が負荷状態と非負荷状態の一方から他方に切り替わる際に、図8の(b)のように雑音信号N(k)のレベルが大きく変動し、この変動分が合成手段31で得られる信号S(k)に現れてしまい、物理量を精度よく求めることが困難となる。
このような場合には、図9に示しているように、非線形処理手段41を設け、物理量が負荷状態と非負荷状態の一方から他方に切り替わる期間だけ、振幅Aを小さい値(例えば0)に平坦化して、雑音信号の変動の図8の(c)のように抑圧することで、物理量を精度よく求めることができる。
図10は、前記同様に、物理量Mに対応した振幅が0.5で、繰り返し周波数が3Hzでセンサに負荷される場合で、且つ、周波数41Hz、振幅0.5、周波数50Hz、振幅0.05、周波数90Hz、振幅0.2、周波数11Hz、振幅0.03、周波数70Hz、振幅0.2、の各交流成分が重畳している信号x(t)に対する処理を示しており、図10の(a)の原信号X(k)に対して、低域雑音除去部50でデシメーション処理および非線形処理を行わない場合には図10の(b)の結果が得られ、低域雑音除去部50で1/2デシメーション処理と非線形処理を行なった場合には図10の(c)の結果が得られている。
一見すると、図10の(b)の結果の方が図10の(c)の結果より良好に見えるが、図10の(b)を拡大した図11の(a)と、図10の(c)を拡大した図11の(b)とを比較すれば明らかなように、低域雑音除去部50で1/2デシメーション処理と非線形処理を行なっていない場合には、11Hzの信号のリップル成分が残っていて理論値に対して誤差があるが、低域雑音除去部50で1/2デシメーション処理と非線形処理を行なった結果では広い時間領域で理論値0.5に対して誤差が少なく平坦になっているので、この間の任意のタイミングに測定しても極めて少ない誤差で物理量Mを得ることができる。
本発明の信号処理方法の手順を示すフローチャート 本発明の信号処理装置の構成例を示す図 実施形態のシミュレーション結果を示す図 雑音周波数帯域を高域と低域に分けて処理する場合の説明図 高域雑音除去処理後に低域雑音除去処理を行う信号処理方法を示すフローチャート 高域雑音除去処理後に低域雑音除去処理を行う信号処理装置の構成例 低域雑音処理の前段階にデシメーション処理を行う信号処理装置の構成例 非線形処理を説明するための信号波形図 非線形処理を行う信号処理装置の構成例 デシメーション処理と非線形処理の効果を説明するためのシミュレーション結果 図10を拡大した図
符号の説明
11……センサ、20……信号処理装置、21……A/D変換器、22……第1の移相手段、23……第2の移相手段、24……遅延手段、25……位相算出手段、26……振幅算出手段、27……周波数算出手段、28……雑音信号生成手段、29……補正手段、30……遅延手段、31……合成手段、40……高域雑音除去部、50……低域雑音除去部、60……デシメーション手段、61……非線形処理手段

Claims (8)

  1. 物理量が負荷されたときのセンサの出力信号に対するA/D変換処理で得られた時系列の信号または該信号に対して前処理された時系列の信号を入力信号として受け、該入力信号に対する90度の移相処理を行う第1移相処理段階(S2)と、
    前記90度の移相処理を受けた信号に対して、さらに90度の移相処理を行う第2移相処理段階(S3)と、
    前記第1移相処理段階で得られた信号と前記第2移相処理段階で得られた信号に基づいて、前記入力信号に含まれる交流信号成分の位相と振幅とを求める段階(S4)と、
    前記求めた位相と振幅を有する雑音信号を生成する段階(S5)と、
    前記生成した雑音信号と前記入力信号とを加算または減算して、前記センサに負荷された物理量に対応したレベルの直流成分を求める段階(S7)とを含み、
    さらに、
    前記算出した位相から周波数情報を検出する段階(S4)と、
    該算出した周波数情報と、前記第1移相処理および第2移相処理の周波数特性とに基づいて、雑音信号成分の低域の振幅誤差を補正する段階(S6)とを含むことを特徴とする信号処理方法。
  2. 物理量が負荷されたときのセンサの出力信号に対するA/D変換処理で得られた時系列の信号を入力信号として受け、該入力信号に含まれる所定周波数より高い高域雑音成分を除去(S21)し、該高域雑音成分が除去された信号から前記所定周波数以下の低域雑音成分を除去して、前記センサに負荷された物理量に対応したレベルの直流成分を求める信号処理方法であって、
    前記低域雑音を除去する処理は、
    前記高域雑音成分が除去された信号について、前記所定周波数以下の低域雑音成分に対する90度の移相処理を行う第1移相処理段階(S2′)と、
    前記90度の移相処理を受けた信号に対して、さらに90度の移相処理を行う第2移相処理段階(S3)と、
    前記第1移相処理段階で得られた信号と前記第2移相処理段階で得られた信号に基づいて、前記高域雑音成分が除去された信号に含まれる交流信号成分の位相と振幅とを求める段階(S4)と、
    前記求めた位相と振幅を有する雑音信号を生成する段階(S5)と、
    前記生成した雑音信号と前記高域雑音成分が除去された信号とを加算または減算して、前記センサに負荷された物理量に対応したレベルの直流成分を求める段階(S7)とを含み、
    さらに、
    前記算出した位相から周波数情報を検出する段階(S4)と、
    該算出した周波数情報と、前記第1移相処理および第2移相処理の周波数特性とに基づいて、雑音信号成分の低域の振幅誤差を補正する段階(S6)とを含むことを特徴とする信号処理方法。
  3. 前記第1移相処理を行う前段階として、入力信号に対してデシメーション処理を行うことを特徴とする請求項2記載の信号処理方法。
  4. 前記センサに対して前記物理量が負荷状態と非負荷状態の一方から他方に切り替わる際に生じる前記雑音信号のレベルの変動を抑圧する段階を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の信号処理方法。
  5. 物理量が負荷されたときのセンサ(1)の出力信号に対するA/D変換処理で得られた時系列の信号または該信号に対して前処理された時系列の信号を入力信号として受け、該入力信号に対して90度の移相処理を行う第1の移相手段(22)と、
    前記第1の移相手段によって90度の移相処理を受けた信号に対してさらに90度の移相処理を行う第2の移相手段(23)と、
    前記第1の移相手段で得られた信号と前記第2の移相手段で得られた信号に基づいて、前記入力信号に含まれる交流信号成分の位相を求める位相算出手段(25)と、
    前記第1の移相手段で得られた信号と前記第2の移相手段で得られた信号に基づいて、前記入力信号に含まれる交流信号成分の振幅を求める振幅算出手段(26)と、
    前記算出された位相と振幅とを有する雑音信号を生成する雑音信号生成手段(28)と、
    前記雑音信号生成手段で生成した雑音信号と前記入力信号とを加算合成または減算合成して、前記センサに負荷された物理量に対応したレベルの直流成分を求める合成手段(31)とを備え
    さらに、
    前記位相算出手段によって算出された位相情報から周波数情報を算出する周波数算出手段(27)と、
    前記算出した周波数情報と、前記第1の移相手段および第2の移相手段の周波数特性とに基づいて、前記雑音信号の低域の振幅誤差を補正する補正手段(29)と備えた信号処理装置
  6. 物理量が負荷されたときのセンサ(1)の出力信号に対するA/D変換処理を行うA/D変換器(21)と、
    前記A/D変換器の出力信号を受け、所定周波数より高い高域雑音成分を除去する高域雑音除去部(40)と、
    前記高域雑音除去部の出力信号を受け、前記所定周波数以下の低域雑音成分を除去する低域雑音除去部(50)とを有する信号処理装置であって、
    前記低域雑音除去部が、
    前記高域雑音除去部から出力される信号に対して90度の移相処理を行う第1の移相手段(22)と、
    前記第1の移相手段によって90度の移相処理を受けた信号に対してさらに90度の移相処理を行う第2の移相手段(23)と、
    前記第1の移相手段で得られた信号と前記第2の移相手段で得られた信号に基づいて、前記高域雑音除去部から出力される信号に含まれる交流信号成分の位相を求める位相算出手段(25)と、
    前記第1の移相手段で得られた信号と前記第2の移相手段で得られた信号に基づいて、前記高域雑音除去部から出力される信号に含まれる交流信号成分の振幅を求める振幅算出手段(26)と、
    前記算出された位相と振幅とを有する雑音信号を生成する雑音信号生成手段(28)と、
    前記雑音信号生成手段で生成した雑音信号と前記高域雑音除去部から出力される信号とを加算合成または減算合成して、前記センサに負荷された物理量に対応したレベルの直流成分を求める合成手段(31)とを備え、
    さらに、
    前記位相算出手段によって算出された位相情報から周波数情報を算出する周波数算出手段(27)と、
    前記算出した周波数情報と、前記第1の移相手段および第2の移相手段の周波数特性とに基づいて、前記雑音信号の低域の振幅誤差を補正する補正手段(29)とを備えていることを特徴とする信号処理装置。
  7. 前記第1の移相手段の前段に、入力信号に対してデシメーション処理を行うデシメーション手段(60)を設けたことを特徴とする請求項6記載の信号処理装置。
  8. 前記センサに対して前記物理量が負荷状態と非負荷状態の一方から他方に切り替わる際に生じる前記雑音信号のレベルの変動を抑圧する非線形処理手段(61)を備えたことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の信号処理装置。
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