JP2008167717A - 新規ウリカーゼの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性に優れた新規なウリカーゼの製造方法を提供する。
【解決手段】ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属に属し、ウリカーゼの生産能を有する微生物を培養する工程(1)と、前記工程(1)で得られた培養物からウリカーゼを採取する工程(2)と、を含む、ウリカーゼの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なウリカーゼの製造方法に関する。より詳細には、本発明は、耐熱性に優れるブレビバクテリウム(Brevibacterium)属に属する微生物由来の新規なウリカーゼの製造方法に関する。
ウリカーゼ(EC1.7.3.3)は、尿酸をアラントイン、過酸化水素、および炭酸ガスに分解する、即ち、尿酸+O+2HO→アラントイン+CO+Hの反応を触媒する、酸化的分解活性を有する酵素である。このウリカーゼは、種々の動物組織(例えば、肝臓、腎臓)中や微生物組織中に広く存在する。現在、ウリカーゼは、人体内の尿酸蓄積に起因する種々の疾患の臨床診断を目的とした、血液または尿中に存在する尿酸の測定用酵素として使用されている。
ウリカーゼの微生物による生産は広く行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。特許文献1では、ウリカーゼを著量に生産するトルロプシス属に属する酵母が提案されている。特許文献2では、多量のウリカーゼを生産するミクロコッカス・ロゼウスが開示され、該微生物が生産するウリカーゼは、生理液のpH値に近いことが見出されている。また、特許文献3では、バチルス・エスピー TB−90菌株が、広い作用pH域を有する好熱性微生物由来のウリカーゼを生産することを開示している。
特開昭56−124381号公報 特開昭57−115177号公報 特開昭61−280272号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のトルロプシス・ウリコキシダンスTN1023(微工研菌寄第55391号)は、培養物中からのウリカーゼの採取を、培養物中から菌体を遠心分離などにより取得し、ついてこの菌体を適当な手段で破砕し、破砕液から酵素精製液を得ている(3頁右下欄下から5行から4頁左上欄第4行)ことから、ウリカーゼ酵素は菌体内に蓄積されている。同様にして、特許文献2でも、例1において細胞を遠心分離によって採取してこの細胞ペーストから酵素を得ている(3頁左上欄下から6行から右上欄4行)ことから、やはりウリカーゼ酵素は菌体内に蓄積されている。同様にして、特許文献3でも、ウリカーゼは主として菌体中に生成される(4頁左上欄下から2〜1行)と記載されている。すなわち、上記特許文献1〜3はすべて、ウリカーゼを菌体内に蓄積するため、所望の酵素を得るためには、菌体を物理的に破砕し、その破砕物から酵素を精製しなければならず、多くの精製工程が必要である上、菌体破砕物は所望のウリカーゼに加えて膨大な菌体成分を含んでいるため、純粋なウリカーゼを得るための精製工程が非常に複雑/煩雑であるという問題がある。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、耐熱性に優れた新規なウリカーゼの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、耐熱性に優れたウリカーゼを菌体外に生産・蓄積する細菌を提供することである。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を行なった結果、耐熱性に優れたウリカーゼ生産能を有する微生物について、広範囲にわたり検索を行なった。その結果、自然界(土壌)から分離したブレビバクテリウムに属する細菌(U−344株)の産生するウリカーゼが、既知のウリカーゼよりも耐熱性に優れており、また、前記細菌が培養液中(菌体外)にウリカーゼを生産・蓄積し、この菌体外に生産されたウリカーゼは20分間50℃の熱処理に対して95%以上の酵素活性を維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記目的は、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属に属し、ウリカーゼの生産能を有する微生物を培養する工程(1)と、前記工程(1)で得られた培養物からウリカーゼを採取する工程(2)と、を含む、ウリカーゼの製造方法によって達成される。
本発明のウリカーゼは、耐熱性に優れる。特に本発明によるウリカーゼのうち、菌体外に生産・蓄積されるウリカーゼは、50℃で20分間熱処理してもほとんど失活せず、耐熱性に優れる。したがって、本発明のウリカーゼを用いた酵素製品は、保存安定性が良好となり、臨床診断における酵素製品の長期保存が可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属に属し、ウリカーゼの生産能を有する微生物(本明細書では、単に「ウリカーゼ産生菌」とも称する)を培養する工程(1)と、前記工程(1)で得られた培養物からウリカーゼを採取する工程(2)と、を含む、ウリカーゼの製造方法を提供するものである。
本発明に用いられるウリカーゼ産生菌は、上記諸性質を有するウリカーゼを産生するものであれば、特に制限されないが、好ましくはブレビバクテリウム(Brevibacterium)属(以降、括弧内は省略する)に属し、より好ましくはブレビバクテリウム属(Brevibacterium sp.)U−344 FERM P−21097菌株(以降、該菌株を「U−344株」と称する)である。上記細菌は、ウリカーゼ生産能を有する限り、自然界に存在するものであっても、あるいは人為的な遺伝子操作などにより変異を受けたものであってもよい。上記細菌によって産生されたウリカーゼは、菌体内に蓄積されてもよく、あるいは菌体内または菌体外に分泌されてもよいが、酵素の精製工程の簡略化を考慮すると、好ましくは菌体外(培養液中)に生産・蓄積する。また、この菌体外に生産されたウリカーゼは、20分間50℃の熱処理に対して95%以上の酵素活性を維持できる。
ここで、U−344株について詳細に述べる。
U−344株は、本発明者らによって、岐阜県内の土壌から、尿酸を唯一の炭素源とした培地の集積培養により分離された菌種であり、平成18年11月17日付で独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに受託番号FERM P−21097として寄託されている。
U−344株は、以下の(a)形態的性質、(b)培養的性質、(c)生理学的性質、(d)その他の性質を有する。下記表において、「+」は、陽性を、「−」は、陰性を、および「w」は、反応が弱いことを、それぞれ、示す。
Figure 2008167717
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BLASTを用いた細菌基準株データベースに対する相同性検索の結果、U−344株の16S rDNA塩基配列はブレビバクテリウム(Brevibacterium)由来の16S rDNAに対し高い相同性を示し、相同率98.6%でブレビバクテリウム・エピデルミディス(Brevibacterim epidermidis)NCDO2286株(現 NCIMB702286株)の16S rDNAに対し最も高い相同性を示した。GenBank/DDBJ/EMBLに対する相同性検索の結果においても、本菌株の16S rDNAはブレビバクテリム由来の16S rDNAに対し高い相同性を示し、基準株ではブレビバクテリウム・エピデルミディス NCDO2286株の16S rDNAに対し相同率98.6%の相同性を示した。また、U−344株の16S rDNAと細菌基準株データベースに対する相同性検索上位30株の16S rDNAを用いて行った簡易分子系統解析の結果、本菌株はブレビバクテリウムの16S rDNAが形成するクラスター内に含まれ、ブレビバクテリウム・エピデルミディスの16S rDNAと系統枝を形成した。しかし両者の16S rDNAは完全には一致しておらず、本菌株とブレビバクテリウム・エピデルミディスの系統枝と周囲に形成されるブレビバクテリム各種の系統枝を比較すると、本菌株がブレビバクテリウム・エピデルミディスと同種になる可能性は低い。
本菌株は運動性を有さないグラム陽性桿菌で、培養時間の経過に伴い形態が変化する「桿菌−球菌生活環[ロッド コッカス サイクル(rod−coccus cycle)]」を示した。Nutrient agar平板培地上でのコロニー色はオレンジ色を呈し、カタラーゼ反応は陽性、オキシダーゼ反応は陰性を示した。そして、ピラジンアミダーゼおよびアルカリフォスファターゼ活性を示し、ゼラチンを加水分解したが、糖類を発酵しなかった。また、嫌気では生育せず、カゼインを加水分解した。これらの性状のほとんどはブレビバクテリウム・エピデルミディスの性状と類似するが、16S rDNA塩基配列解析の結果において近縁性が示唆されたブレビバクテリウム・エピデルミディスは特有の色素を産生しないことから、オレンジ色の色素を産生する点においてブレビバクテリウム・エピデルミディスと相違が認められる。
以上の16S rDNA塩基配列解析の結果および諸性質から、本菌株はブレビバクテリウムに含まれ、ブレビバクテリウム・エピデルミディスに近縁と考えられるが、16S rDNA塩基配列解析の結果や色素生産能を有する点において相違点が認められることから、本菌株を、新規な菌株と判断し、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium sp.)U−344と命名した。したがって、本発明の第二は、ウリカーゼ生産能を有するブレビバクテリウム属(Brevibacterium sp.)U−344 FERM P−21097菌株を提供する。このU−344株は、平成18年11月17日付で、日本国茨城県つくば市東1−1−1 つくばセンター(郵便番号305−8566) 中央第6独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センターにFERM P−21097として寄託されている。
(ブレビバクテリウム属由来のウリカーゼの製造方法)
本発明のウリカーゼは、通常用いられる培養手段によってウリカーゼ産生菌から製造され得る。以下、一実施態様として、ブレビバクテリウム属に属する細菌を用いたウリカーゼの製造方法について述べる。
該製造方法に使用される培地は、ブレビバクテリウム属に属する細菌が生育する限り特に制限されず、炭素源、窒素源、無機物、その他使用菌株の必要とする微量栄養素を程よく含有するものであれば、合成培地、天然培地のいずれも使用可能である。また、上記培地は、固体または液体培地のいずれであってもよい。
炭素源としては、ブレビバクテリウム属に属する細菌が良好に生育でき、所望のウリカーゼを生産できるものであればいずれの炭素源であってもよい。具体的には、グルコース、シュークロース、ガラクトースなどの糖類;エタノール、グリセロール、ソルビトールなどのアルコール類;クエン酸、リンゴ酸、コハク酸などの有機酸;デンプンまたはその組成画分、焙焼デキストリン、加工デンプン、デンプン誘導体、物理処理デンプン及びα−デンプン等の炭水化物などが挙げられる。また、尿酸などを炭素源として使用してもよい。好ましくは、グルコース、シュークロース、ガラクトースなどの糖類、エタノール、グリセロール、ソルビトールなどのアルコール類、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸などの有機酸、尿酸が使用される。これらの炭素源は、単独あるいは2種以上の混合物の形態で使用できる。
窒素源としては、一般的にブレビバクテリウム属に属する細菌の培養に使用するのと同様のものが使用でき、例えば、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムなどのアンモニウム塩、尿素、L−グルタミン酸などのアミノ酸類、あるいは尿酸などの無機あるいは有機の窒素化合物が使用できる。さらに、窒素源としては、ペプトン、ポリペプトン、肉エキス、酵母エキス、大豆加水分解物、大豆粉末、ミルクカゼイン、カザミノ酸、コーンスティープリカー等の窒素含有天然物を使用してもよい。これらのうち、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、尿素、L−グルタミン酸などのアミノ酸類、尿酸などの無機あるいは有機窒素化合物、ペプトン、肉エキス、酵母エキスなの窒素含有天然物が好ましい。これらの窒素源は、単独あるいは2種以上の混合物の形態で使用できる。
無機物としても、一般的にブレビバクテリウム属に属する細菌の培養に使用するのと同様のものが使用でき、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム等の、マグネシウム、マンガン、カルシウム、ナトリウム、カリウム、銅、鉄及び亜鉛などのリン酸塩、塩酸塩、硫酸塩及び酢酸塩などが用いられる。そのほか、チアミン、ビオチンなどのビタミン類、さらに必要に応じて、アデニン、ウラシルなどの核酸関連物質が使用されてもよい。これらの無機物は、単独あるいは2種以上の混合物の形態で使用できる。
ブレビバクテリウム属に属する細菌の培養は、好気的条件下、通常振盪培養あるいは通常撹拌培養で行なわれる。その際の培養条件は、培地の組成や培養法によって適宜選択され、本菌株が増殖し目的とする酵素であるウリカーゼが失活せずに効率よく産生できる条件であれば特に制限されない。通常は、培養温度は25〜45℃で行なう。培地のpHは5.0〜9.0、好ましくは6.0〜8.0の範囲である。培養時間は、通常、20〜72時間、好ましくは24〜48時間培養する。本発明では、ウリカーゼは、上記したようにして得られたブレビバクテリウム属に属する細菌の培養液中および/または菌体中に生成・蓄積されるが、特に本発明の特に好ましい実施形態であるU−344株を使用する場合には、以下の実施例で詳述するように、U−344株の培養液中に生産されたウリカーゼが、耐熱性に優れるため、好ましい。また、このように培養液中に生産されたウリカーゼは、培養液をそのまま、以下に記載するような公知の精製方法に適用できるため、また、菌体を破砕することにより生じる多数の不純物の除去工程が不要であるため、精製工程の簡略化の面からも好ましい。
本発明のウリカーゼの単離方法を以下に記載する。
産生したウリカーゼが菌体内に蓄積または分泌される場合には、培養終了後、培養液から菌体を遠心分離などにより回収し、ついでこの菌体から適当な手段でウリカーゼを適当な溶媒(例えば、トリトン X−100など)で抽出する。遠心分離などによってこの抽出液を処理して不溶性成分を除去した後、酸沈殿、有機溶媒沈殿(例えば、エタノール、アセトンなどによる溶媒沈澱)、塩析(例えば、硫安による塩析)、透析、各種クロマトグラフィー(例えば、イオン交換クロマトグラフィー、セファデックスクロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィーなど)、限外濾過、凍結乾燥、電気泳動などの、当業者が通常用いる酵素精製方法によって精製することにより、純度の高いウリカーゼが得られる。なお、ウリカーゼの精製度合いは、得られたウリカーゼを電気泳動にかけることにより確認でき、電気泳動的に単一になるまで精製することにより、純度の高いウリカーゼが得られる。または、培養終了後、濾過または遠心分離などにより菌体を培養液から回収し、ついでこの菌体を適当な手段(例えば、超音波、自己消化法、ガラスビーズ等を用いた物理的破砕など)で破砕して、細胞破砕物を得、当該破砕物から遠心分離などにより上清液を得る。この上清液を、上記と同様の精製方法を使用することによって、純度の高いウリカーゼを得てもよい。
また、産生したウリカーゼが菌体外(培養物中)に分泌される場合は、培養液から濾過または遠心分離により菌体を除去し、濾液または上清を得る。こうして得られた濾液または上清に、直接上記と同様の精製方法を適用することによって、純度の高いウリカーゼが得られる。
本発明の製造方法によって得られるウリカーゼは、上述したように、人体内の尿酸蓄積に起因する種々の疾患の臨床診断を目的として、血液または尿中に存在する尿酸の測定用酵素として使用できる。この際、ウリカーゼを使用する尿酸の定量法としては下記の方法がある。
(i)尿酸とウリカーゼとを反応させることにより生成する過酸化水素量を測定する方法
この際、過酸化水素量の測定方法としては、例えば下記(ア)〜(ウ)の方法がある:
(ア)過酸化水素を4−アミノアンチピリンとフエノールあるいはその誘導体とパーオキシダーゼの存在下で反応させて、過酸化水素量に比例して生成する色素を吸光度から定量する(酵素比色法中ウリカーゼ・パーオシダーゼ法)方法;
(イ)酸化水素とアルコールとをカタラーゼの存在下で反応させ、生じたアルデヒドをアセチルアセトン及びアンモニアと縮合させて生成する色素を吸光度から定量する(酵素比色法中ウリカーゼ・カタラーゼ法)方法;および
(ウ)上記(イ)のカタラーゼによる反応生成物のアルデヒドと還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)とをアルコールデヒドロゲナーゼの存在下で反応させてNADを生成せしめ、その際、減少するNADHを定量する(紫外部吸収法)方法。
(ii)尿酸をウリカーゼと反応させる際に消費される酸素あるいは生成する炭酸ガスを測定する方法(電極法)。
(iii)反応の前後における尿酸由来の紫外部吸収の差を測定する方法(紫外部吸収法)。
(IV)ウリカーゼ処理及び未処理の試料に化学的尿酸定量法(例えば、リンタングステン酸法)。
本発明の製造方法によって得られるウリカーゼは、上記方法のいずれも適用できるが、好ましくは(i)(ア)の方法に使用できる。
以下に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本実施例により本発明の範囲は制限されるものではない。
(実施例1)
(1)ブレビバクテリウム属(Brevibacterium sp.)U−344株の培養
下記組成;トリプトン(BD(Becton,Dickinson and Company)社製)1%(w/v)、酵母エキス(BD(Becton,Dickinson and Company)社製)0.1%(w/v)、塩化ナトリウム(関東化学製)0.5%(w/v)、リン酸一カリウム(関東化学製)0.2%(w/v)、尿酸(和光純薬製)0.2%(w/v)からなる培養液を調製した後、pHをNaOHで7.0に調整し、121℃で20分間滅菌した。
次に、得られた培養液を、滅菌したL字試験管に5mLずつ分注した。1.5%寒天を含有するブイヨン培地で予め培養しておいたU−344株を、上記L字試験管の培養液に接種し、30℃で120rpmの速度で撹拌させながら、24時間培養を行った。
(2)酵素の採取
上記(1)で得られた培養液を遠心分離し、菌体を除去することによって、菌体外酵素液(総ウリカーゼ活性 0.7U)を得た。
また、ここで得られた菌体には、5mLのリン酸緩衝液(10mM、pH7)および3gのガラスビーズを加えて混合し、3分間振盪して、菌体を物理的に破砕した。この菌体破砕物を遠心分離により上清を回収し、この上清を菌体内酵素液(総ウリカーゼ活性 1.8U)とした。
なお、本実施例において、ウリカーゼの活性は、下記方法によって測定した。
(評価例1)ウリカーゼ活性の測定法
ウリカーゼの活性の測定は、ウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法を用い、550nmにおける4−アミノアンチピリンとTODB(N,N−ビス(4−スルホブチル)−3−メチルアニリン)の酸化縮合体のキノン色素を分光光度計により行なった。より具体的には、0.83mM 尿酸溶液 120μl、75mM TODB 5μl、75mM 4−アミノアンチピリン 5μl、80U/ml ペルオシキダーゼ 5μl、酵素液 65μlを混合し、室温(25℃)で1時間反応させた後、550nmの吸光度を測定した。この際、ウリカーゼの単位は、上記試験条件下において毎分1マイクロモルの尿酸を分解する酵素の量(力価)を、「1U(ユニット)」と定義した。
(評価例2)酵素の温度安定性
標品としては、上記実施例1(2)で得られた菌体外酵素液および菌体内酵素液を使用した。
本発明のウリカーゼ標品を、種々の温度(20℃、30℃、40℃、50℃、60℃)に20分間保持した後、上記評価例1に記載の方法に従って、ウリカーゼ活性を測定した。20℃で20分間保持した後の活性を100として、各温度における相対残存活性を算出し、その結果を図1に示す。図1から、本発明の製造方法によって得られた菌体内ウリカーゼ(図中、菌体内酵素)および菌体外ウリカーゼ(図中、菌体外酵素)は共に、40℃で20分間の熱処理に対しても、80%を超える活性を維持しており、両者とも優れた耐熱性を有することが示される。また、図1から、本発明の菌体外ウリカーゼ(図中、菌体外酵素)は、本発明の菌体内ウリカーゼ(図中、菌体内酵素)に比して、より優れた耐熱性を示し、50℃以下では20分間の熱処理に対して失活が認められず、活性をほぼ100%維持しており、特に20分間50℃の熱処理に対して95%以上の酵素活性を維持していた。
評価例2の結果を示す図である。

Claims (4)

  1. ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属に属し、ウリカーゼの生産能を有する微生物を培養する工程(1)と、
    前記工程(1)で得られた培養物からウリカーゼを採取する工程(2)と、
    を含む、ウリカーゼの製造方法。
  2. 前記ウリカーゼが、20分間50℃の熱処理に対して95%以上の酵素活性を維持する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属に属する微生物が、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium sp.)U−344 FERM P−21097菌株である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. ウリカーゼ生産能を有するブレビバクテリウム属(Brevibacterium sp.)U−344 FERM P−21097菌株。
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