JP2008161176A - 油脂組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】1,3位特異的酵素によるエステル交換により、結晶化が早いSSU型油脂、及びSSS型油脂を高含有する油脂を簡便かつ効率的に製造すること。該油脂を含有した作業性及び口溶けの良好なマーガリン及びロールインマーガリン。
【解決手段】本発明は2位に飽和脂肪酸が多く結合したラードまたはラード分別油とナタネ油、大豆油、パーム油、パーム核油、やし油等を硬化したヨウ素価15以下の油脂とを10/90〜90/10の割合で混合した油脂を1,3位特異的酵素によりエステル交換反応させること。反応後の油脂、またはさらに分別を行った油脂を含有するマーガリン及びロールインマーガリンに関するものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、油脂組成物、及び油脂組成物の製造方法に関する。具体的にはトリグリセリドの2位に飽和脂肪酸が多く結合しており、SSS型油脂及びSSU型油脂を高含有する結晶化速度の早い油脂組成物及び該油脂組成物の製造方法、及び該油脂組成物を含有したマーガリン、ショートニング及びロールインマーガリンに関するものである。
マーガリンやショートニングは油脂を急冷し、捏和することで製造されるが、この際、パーム油等の結晶化の遅い油脂をそのまま用いると、捏和時に結晶が完全に析出せずに、経時的に結晶化が起きるため粗大結晶が成長する。このように経時的に結晶が成長すると、マーガリンやショートニングがざらつくことにより口溶けの悪化を招き、またパン生地への練りこまれ方が悪くなるなど商品性が落ちる結果になる。このためマーガリン、ショートニングに使用する油脂は捏和時に結晶が完全に析出し、経時的に結晶が析出しない油脂が好ましい。
従来からマーガリンやショートニングには水素添加された大豆硬化油、魚油硬化油等のトランス型脂肪酸含量の多い油脂が多く使用されてきたが、近年トランス型脂肪酸の有害性が指摘されており、多量摂取により動脈硬化や心筋梗塞のリスクが高められる可能性が示唆されており(非特許文献1など)、米国の食品医薬局(FDA)は2006年頭より食品などへのトランス型脂肪酸含量の表示を義務化し(2003年7月11日付け規則)、世界保健機構(WHO)は摂取エネルギーの1%未満(おおよその1日の摂取量としては2g強まで)にするよう勧告している。
1,2,3飽和(SSS型油脂)、1,2飽和、3不飽和型のトリグリセリド(SSU型油脂、1位と3位が入れ替わった光学異性体も含む)は天然油脂の中に含まれるトリグリセリドの一種であり、他の型の油脂に含まれるトリグリセリドと同様に食用油脂原料として使用することができる。このようなSSS型トリグリセリド及びSSU型トリグリセリドを高含有する油脂は対称型のSUS型のトリグリセリドと異なり、急冷条件での結晶化が早く、様々な油脂食品に利用が可能である。
SSS型油脂及びSSU型油脂を高含有する油脂を作製する方法としては、ナトリウムメチラート等を利用した化学的なエステル交換による方法が挙げられるが、この方法を用いると結晶化を遅らせるSUS型油脂(1飽和、2不飽和、3飽和)がSSU型油脂に対して半分量同時に生成するため、SSS型油脂及びSSU型油脂の結晶化の早さが損なわれる。SSU型油脂を含有し、かつSUS型油脂の含有量がSSU型油脂の半分量よりも少ない油脂を作製するためにはラードの分別(特許文献1)、又は、極度硬化油脂と遊離の不飽和脂肪酸を1,3位特異的酵素により反応させ、脂肪酸を除去する工程と分別工程を経て目的とするSSU型油脂を得る方法(特許文献2)が挙げられる。しかし、ラードを直接分別する方法ではSSS型油脂及びSSU型油脂は少量しか回収できず効率が悪い。しかも得られるSSU型油脂は脂肪酸組成がほぼ決まっており、必要に応じて組成を調整することはできない。また極度硬化油脂と遊離の不飽和脂肪酸を反応させる方法では原料に脂肪酸を使用する必要があり、かつ脂肪酸を除去する工程が必ず必要でありコスト及び効率の面で不利である。ラードを含有するマーガリン用の油脂としてラードとパームステアリンを混合したマーガリン用油脂(特許文献3)、SSU型の油脂とSUS型、USU型の油脂との比率を調整した油脂(特許文献4)が挙げられるが、これらはラード又はラードの分別油をそのまま用いるため、様々な用途に対応したマーガリンの要求特性に対応できず、また一定量のSUS型油脂を含むため結晶化が遅くなる傾向になる。また、ロールインマーガリン用の油脂として特定組成を有する油脂組成物(特許文献5)、パームステアリンとラードから成る油脂組成物(特許文献6)等があるが、いずれも結晶化を遅くするSUS型油脂を一定量含むため結晶化が遅くなる傾向になる。
特開2000−204389号公報 特開平10−25491号公報 特開2006−136213号公報 特開2004−285193号公報 特開2006−25671号公報 特開2005−320445号公報 Tatematsu et al., Journal of Health Science, 50:108-111, 2004
SSS型油脂及びSSU型油脂の含有量が高く、結晶化が早い油脂組成物を簡便且つ安価に製造する方法を提供すること。更には、実質的にトランス酸を増加することなしに特性を改質することのできる前記の製造する方法を提供すること。また該製造する方法により得られた油脂組成物を原料として使用することにより幅広い温度域で良好な物性を持ち、製パン性、製菓性の良いショートニング、マーガリン、ロールインマーガリンを提供すること。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、飽和脂肪酸が2位に多く結合するトリグリセリドを含み、かつ不飽和脂肪酸が1,3位に多く結合する油脂と、ヨウ素価15以下の油脂を1,3位特異的酵素により反応させることにより、SSU型の油脂を高含有し、且つSUS型油脂の含有量が少ない油脂を効率よく得られることを見出し、本発明を完成するに至った。またこれらの油脂がマーガリン、ショートニング等の油脂食品原料として幅広い温度域で好適な物性を持つことを見出した。
即ち、本発明の第一は、以下の油脂(A),(B)を重量比で10/90〜90/10の割合で含有する混合油を、1,3位特異的酵素を用いてエステル交換反応させることを特徴とする油脂組成物の製造方法に関する。
(A)トリグリセリドの1,3位における脂肪酸組成のうち、不飽和脂肪酸の割合が40重量%以上で、2位における脂肪酸組成のうち、飽和脂肪酸の割合が40重量%以上で、かつ2位における飽和脂肪酸の割合が1,3位の脂肪酸組成における飽和脂肪酸の割合よりも20重量%以上高い油脂
(B)ヨウ素価15以下の油脂
好ましい実施態様は、油脂(A)が、ラードまたはラードの分別油であることを特徴とする前記油脂組成物の製造方法に関する。
より好ましくは、油脂(B)が、それぞれ水素添加したナタネ油、大豆油、パーム油、パーム核油、やし油の少なくとも1種類以上を含むことを特徴とする前記油脂組成物の製造方法に関する。
また、1,3位特異的酵素を用いてエステル交換反応した後に、更に分別することにより高融点成分を除去することを特徴とする前記油脂組成物の製造方法に関する。
また、前記油脂組成物の製造方法により製造された油脂組成物であって、融点が45℃以下の油脂組成物、更にこれを含有してなり、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が30〜60重量%、16未満の飽和脂肪酸含量が20〜55重量%、不飽和脂肪酸が10〜35重量%からなることを特徴とするロールインマーガリン用油脂に関する。
更には、前記製造方法により製造された油脂組成物を分別することにより高融点成分を除去した、又は分別することにより融点が45℃以下になるように調整した油脂組成物に関する。
また、前記油脂組成物を含有するショートニング、マーガリン及びロールインマーガリンに関する。
本発明の油脂組成物の製造方法によれば、実質的に脂肪酸を原料としないので脂肪酸を除去する工程等を必要とすることなく簡便に、SSS型油脂及びSSU型油脂の含有量が高く、またSUS型油脂の含有量が低く、このため結晶化が早い油脂組成物が製造できる。さらに反応に使用する油脂を必要に応じて選択でき、また分別することにより幅広く物性をコントロールでき、様々な用途に応じた油脂含有食品に使用することが可能である。さらには、実質的にトランス酸を増加することなしに上記特性改質することも可能であり有用である。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明は、以下の油脂(A),(B)を重量比で10/90〜90/10の割合で含有する混合油を、1,3位特異的酵素を用いてエステル交換反応させることを特徴とする油脂組成物の製造方法に関する物である。
(A)トリグリセリドの1,3位における脂肪酸組成のうち、不飽和脂肪酸の割合が40重量%以上で、2位における脂肪酸組成のうち、飽和脂肪酸の割合が40重量%以上で、かつ2位における飽和脂肪酸の割合が1,3位の脂肪酸組成における飽和脂肪酸の割合よりも20重量%以上高い油脂
(B)ヨウ素価15以下の油脂
これにより、SSS型油脂及びSSU型油脂の含有量が高く、且つSUS型油脂の含有量の少ない油脂組成物を簡便に製造することが可能となる。尚、原料油脂については”油脂(A)”、”油脂(B)”等と、エステル交換反応生成物と区別する為に”組成物”を付すことなく記載しているが、原料油脂について”油脂”と記載した場合は、例えば脂肪酸構造、その配置が異なる様なグリセリドの混合物をも含めるものとする。
ここでSSU型油脂とは、グリセリンの1位と2位に飽和脂肪酸が結合し、3位に不飽和脂肪酸が結合したトリグリセリドであり、1位と3位が入れ替わった、1位不飽和、2位、3位飽和型のトリグリセリドも含むものとする。即ちここで、飽和脂肪酸を「S」、不飽和脂肪酸を「U」と表記して1,2位飽和、3位不飽和型、又は、1位不飽和、2,3位飽和型のトリグリセリドのことを、以降SSU型油脂と称することにする。また、SSS型油脂とは、グリセリンの1位、2位、3位全てに飽和脂肪酸が結合したトリグリセリドを表す。
油脂(A)において、トリグリセリドの1,3位における不飽和脂肪酸の割合が40重量%以上とは、油脂中のグリセリンの1,3位にのみ結合している脂肪酸の組成のうち、不飽和脂肪酸の割合が40重量%以上であることを指す。トリグリセリドの2位における脂肪酸組成のうち、飽和脂肪酸の割合が40重量%以上とは、同様に油脂中のグリセリンの2位にのみ結合している脂肪酸の組成のうち、飽和脂肪酸が40重量%以上であることを指す。2位に結合している飽和脂肪酸の割合が1,3位の脂肪酸組成における飽和脂肪酸の割合よりも20重量%以上高い油脂とは、1,3位に結合している脂肪酸の組成と、2位に結合している脂肪酸の組成を比較したときに、2位に結合している脂肪酸組成のうち飽和脂肪酸の比率が、1,3位に結合している脂肪酸の組成における飽和脂肪酸の比率よりも20重量%以上高いことを意味している。尚、トリグリセリドの1,3位の脂肪酸組成は直接的に分析する事は難しいが、トリグリセリドに結合している全ての脂肪酸組成と、トリグリセリドの2位のみに結合している脂肪酸の組成を分析する事により、間接的に分析する事が可能である。
また、ここでいう不飽和脂肪酸は、その二重結合がシス型であることが好ましい。一方、トランス型の二重結合を含む場合、近年トランス型脂肪酸の有害性が指摘されており、油脂組成物の市場価値が下がり好ましくない。従って、トランス脂肪酸の含有割合は、全脂肪酸組成中で3%以下、更に1%以下であることが好ましい。
トリグリセリドの1,3位における不飽和脂肪酸の割合が40重量%より少ないと目的とするSSU型油脂の生成量が少なくなり、あるいはトリグリセリドの2位における飽和脂肪酸の割合が40重量%より少ないと、結晶化を遅らせるSUS型油脂が多く生成し本発明の目的を達成できなくなる。また、1,3位の不飽和脂肪酸の割合は50重量%以上である事がよりより好ましく、2位の飽和脂肪酸の割合は50重量%以上である事がより好ましい。また、2位に結合している飽和脂肪酸の割合が1,3位の脂肪酸組成における飽和脂肪酸の割合よりも20重量%以上高くない場合には、脂肪酸組成によるが、SUS型油脂が多くなり結晶化が遅くなる。もしくはSSU型油脂に対してSSS型油脂の量が多くなりすぎて低温でやや硬くノビの悪い油脂になる場合があるため、本発明の効果を十分に発揮できない。また、2位に結合している飽和脂肪酸の割合は1,3位の脂肪酸組成における飽和脂肪酸の割合よりも30重量%以上高いことがより好ましい。このような組成を持つ油脂はラード、乳脂等またはこれらの分別油が挙げられるが、ラードまたはラードの分別油を用いる事が好ましい。
油脂(B)としては、ヨウ素価15以下の油脂であれば各種が使用できるが、例えばナタネ油、大豆油、パーム油、パーム核油、やし油を水素添加したもの等が好適に使用できる。この中でも、特にナタネ油,パーム核油を水素添加したものが、脂肪酸組成のバランスの点から好ましい。油脂(B)は、これを構成する脂肪酸の大部分が飽和脂肪酸となることから、油脂(A)と共に1,3位特異的酵素を用いてエステル交換反応されることで、油脂(A)の1,3位に位置していた不飽和脂肪酸の一部を受け取りSSU等の好ましい油脂を形成すると共に、油脂(A)中に存在するUSU等の過剰な不飽和脂肪酸をやはりSSU等の好ましい油脂に置換することが可能となる。
本発明においては、このような特徴を有する油脂(A)及び油脂(B)は、10/90〜90/10の重量比率、より好ましくは20/80〜80/20の重量比率で混合して、1,3位特異的酵素によりエステル交換される。10/90から90/10の比率から外れた配合とすると、エステル交換によるSSU型油脂の割合を増加させることが困難となり、あるいはSSS型油脂の比率が少なくなり、組成のバランスが悪くなるため本発明の効果を十分に発揮できなくなる。
また、ここでいうエステル交換反応に使用する1,3位特異的酵素とは、グリセリンの1,3位に結合している脂肪酸を、2位に結合している脂肪酸よりも高い割合でエステル交換(即ち特異的に反応)する酵素であれば各種酵素が使用可能であるが、具体的には1,3位に特異的に反応するリパーゼ等が挙げられる。尚、その1,3位に特異的に反応を生じる割合が低いと、対称型のSUS型のトリグリセリドを形成しやすくなるので、1,3位特異的反応性がより高いものを用いることが好ましい。このような1,3位特異性を有するリパーゼとしては例えばMucor miehei、Thermomyces lanuginosus等が挙げられる。このような酵素はそのままでも構わないし、シリカゲルや珪藻土等の担体に固定されたようなものでも構わない。
このようなエステル交換により作製された油脂は、炭素数16未満の飽和脂肪酸と炭素数16以上の飽和脂肪酸の割合(即ち、”炭素数16未満の飽和脂肪酸/炭素数16以上の飽和脂肪酸”の割合)が一定量以上の場合には、通常、油脂を混合させてエステル交換した場合の融点は45℃以下となり、ナタネ油、大豆油等の低融点の油脂と混和させる事でそのままショートニング、マーガリン等に使用することができる。しかし炭素数16未満の飽和脂肪酸と炭素数16以上の飽和脂肪酸の割合がその一定量未満の場合には、融点が高くなるため、そのままでショートニング、マーガリン等に使用すると口溶けの悪化を招くことがある。しかし分別処理等をすることで高融点成分を除去し融点を調整することで(例えば、油脂組成物を分別することにより融点を45℃以下に調整する等)、よりショートニング、マーガリンの原料油脂として適した物性にすることができる。ここで分別とは、油脂を温度調整しながら結晶を析出させ、ろ過または圧搾により結晶と液体部分を分離させる操作をいう。分別は溶剤を使用したものでも溶剤を使用しないものでも構わない。分別の方法は特に限定しないが、例えば60〜70℃まで加熱して溶解させた油脂を好ましくは45〜20℃程度まで冷却し、結晶部をろ過または圧搾で除くことにより行うことができる。また溶剤を使用する場合には、例えばn−ヘキサンまたはアセトン等を使用し、油と溶剤を重量比1:1〜1:5程度の比率で混合し、60℃程度まで加熱して完全に溶解させた後、10〜−30℃程度に冷却し、結晶をろ過して除くことにより行うことができる。
また、エステル交換後の油脂はそのままでも食用油脂として使用することができるが、必要に応じて脱色、脱臭することが好ましい。脱色はエステル交換反応前に行っても良いし、反応後に行っても構わない。脱色の条件は限定しないが、例えば油脂を減圧下70〜120℃に加熱し、白土を油脂に対して1〜5重量部程度添加し20〜60分程度撹拌し、ろ過または圧搾により白土を除去することにより行うことができる。また、脱臭は、エステル交換後、またはエステル交換後に更に脱色した後に行うことが好ましい。脱臭の条件も特に限定しないが、10torr以下の減圧下、180〜260℃で30〜120分程度適量の水蒸気を吹きこむことにより行うことができる。
このように作製された油脂はショートニング、マーガリン、ロールインマーガリン、フライ用油脂、カレールー用油脂等、油脂含有食品に幅広く使用することができる。マーガリンの原料油脂とする時の本発明におけるエステル交換の油脂配合は特に限定しないが、好ましくはラード20〜60重量%、極度硬化パーム油、極度硬化ナタネ油、又は極度硬化大豆油等、実質的に炭素数16以上の飽和脂肪酸からなる油脂を5〜50重量%、パーム核油、やし油等の炭素数16未満の飽和脂肪酸を多く含む油脂を70重量%以下の割合で混合した油脂を1,3位特異的酵素によりエステル交換することが好ましい。ラードが20重量%未満になるとSSU型油脂が十分に生成せず、また60重量%を超えるとSSS型油脂の量が多くなるためマーガリンの物性が悪くなる場合がある。炭素数16以上の飽和脂肪酸からなる油脂が5重量%未満になると25℃以上の温度域でマーガリンが軟らかくなる傾向になる場合があり、50重量%を超えると口溶けが悪くなる傾向になる。炭素数16未満の飽和脂肪酸が70重量%を越えると低温でのノビが悪くなる傾向になる。また、実質的に炭素数16未満の飽和脂肪酸を高含有する油脂を配合せずに炭素数16以上の飽和脂肪酸からなる油脂を20〜50重量%配合する場合には、エステル交換後の融点が45℃以上になる場合があり、口溶けが悪くなるため分別を行い高融点成分を除去した後にマーガリンに配合することが好ましい。
また、本発明の油脂組成物の使用量は特に限定するものではないが、好ましくはマーガリン又はショートニングの原料油脂中に10〜80重量%程度添加してマーガリン又はショートニングを作製することが好ましい。10重量%未満では本油脂の特性が十分に発揮できないことがあり、80重量%以上になるとマーガリン又はショートニングの可塑性が低下する傾向が表われることがある。また、マーガリンの中でもロールインマーガリンはマーガリン製造時の成型性と製パン時の可塑性の両方が要求されることから、より結晶化の早さが要求され、本油脂組成物の特徴が発揮されやすい。ロールインマーガリン用の油脂に使用する場合にはエステル交換後の油脂を分別したものであっても、分別しないものであっても構わない。分別を行わない場合の組成は、成型性と製パン性を両立させるため、本発明のエステル交換油脂のうち特に脂肪酸組成として炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が30〜60重量%、炭素数16未満の飽和脂肪酸含量が20〜55重量%、不飽和脂肪酸含量が10〜35重量%であることが好ましい。また、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が35〜55重量%、炭素数16未満の飽和脂肪酸含量が25〜45重量%、不飽和脂肪酸含量が15〜30重量%の組成を持つ事が更に好ましい。炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が30重量%未満になるとロールインマーガリンの成型性がやや悪くなる傾向になり、60重量%を超えると融点が高く口溶けが悪くなる傾向になり、また製パン時の可塑性も悪くなる。炭素数16未満の飽和脂肪酸含量が20重量%未満になると、融点が高くなり口溶けが悪くなる傾向になり、55重量%を超えた場合は、不飽和脂肪酸と炭素数18以上の飽和脂肪酸の比率によるが、低温での可塑性が悪化したり又は成型性が悪化する傾向になる。不飽和脂肪酸含量が10重量%未満になると飽和脂肪酸含量が多くなるため低温での可塑性が悪くなり、35重量%を超えると成型性が悪くなる傾向になる。一方、分別を行う場合の組成は、分別後の脂肪酸組成として好ましくは炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が30〜75重量%、炭素数16未満の飽和脂肪酸含量が55重量%以下、不飽和脂肪酸含量が10〜45重量%であることが好ましい。炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が30重量%未満になるとロールインマーガリンの成型性がやや悪くなる傾向になり、75重量%を超えると融点が高く口溶けが悪くなる傾向になり、また製パン時の可塑性も悪くなる。分別を行う場合には炭素数16未満の飽和脂肪酸は必ずしも必要ではないが、炭素数16未満の飽和脂肪酸を含む場合は55重量%以下であることが好ましく、55重量%を超えた場合は、不飽和脂肪酸と炭素数18以上の飽和脂肪酸の比率によるが、低温での可塑性が悪化し、又は成型性が悪化する傾向になる。不飽和脂肪酸含量が10重量%未満になると飽和脂肪酸含量が多くなるため低温での可塑性が悪くなり、45重量%を超えると成型性が悪くなる傾向になる。
本発明の油脂の製造方法、及び本油脂を用いたマーガリン及びロールインマーガリンの製造方法を以下に例示するが、本発明を以下の内容に限定するものではない。
<ヨウ素価の分析>
日本油化学会制定 基準油脂分析試験法2.3.4.1−1996の通りに分析を行った。
<融点の測定>
日本油化学会制定 基準油脂分析試験法3.2.2.2−1996の通りに分析を行った。
<脂肪酸組成の分析>
油脂50mgをイソオクタン5mlに溶解し、0.2mol/Lナトリウムメチラート/メタノール溶液1mlを加えて70℃で15分間反応させることによりメチルエステル化し、酢酸により反応液を中和した後に適量の水を加え、有機相をガスクロマトグラフィー(装置:Agilent社製6890N、カラム:Quadrex社製CPS−2 60m×0.25mm×0.25μm)により分析した。
<トリグリセリドの2位の脂肪酸組成分析>
油脂7.5gとエタノール22.5gを混合しノボザイム435(ノボザイムジャパン社製)を1.2g加えて30℃で4時間反応させ、反応液を濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィーによりトリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリドの各成分に分離し、そのうちモノグリセリドを回収して上記の方法と同様に脂肪酸組成を分析した。トリグリセリドの1,3位の脂肪酸組成の分析はトリグリセリド全体の脂肪酸組成と2位の脂肪酸組成から計算により求めた。
<マーガリンの外観評価>
実施例・比較例で作製したマーガリンのキメ、ツヤを評価した。その際の評価基準は以下の通りとした。
キメ
◎:ざらつきが全く無く、非常になめらかな状態
○:ざらつきがほとんどなく、なめらかな状態
△:ややざらつき感がある状態
×:ざらつき感が強い状態
ツヤ
◎:非常に光沢がある状態
○:光沢がある状態
△:光沢があまりない状態
×:光沢がほとんどない状態
<マーガリンの練りこみ性評価>
実施例、比較例で作製したマーガリンについてパン生地への練りこまれ度合いを評価した。その際の評価基準は以下の通りとした。
◎:マーガリンの硬さが良好で非常にスムーズに練りこまれる状態
○:マーガリンが生地にスムーズに練りこまれる状態、
△:マーガリンが軟らかくて生地がすべる、あるいは硬くて油脂の塊がみられてやや練り込まれにくい状態
×:マーガリンが軟らかすぎる、又は硬すぎて全く練りこまれない状態
<ロールインマーガリン製造時の成型性評価>
実施例・比較例で作製したロールインマーガリンの作製直後のシート成型性を評価した。その際の評価基準は以下の通りとした。
◎:コシがあり非常に良好な触感
○:良好な触感
△:ややコシが無く軟らかい触感
×:軟らかく成型が困難。
<クロワッサン製造におけるロールインマーガリンのコシの評価>
実施例・比較例で作製したロールインマーガリンを使用してクロワッサンを作製し、クロワッサン作製時、ロールインマーガリンが生地に折り込まれた際にロールインマーガリンが生地を支えて縮みを抑える度合いをコシとして評価した。その際の評価基準は以下の通りとした。
◎:生地の縮みが少なく生地の触感も非常に良好
○:良好
△:生地にやや縮みが見られロールインマーガリンが練りこまれる傾向がある
×:生地が縮みロールインマーガリンが練りこまれている
<クロワッサン製造におけるロールインマーガリンのノビの評価>
実施例・比較例で作製したロールインマーガリンを使用してクロワッサンを作製し、クロワッサン作製時、ロールインマーガリンを生地に折り込み、生地を伸ばした際のロールインマーガリンの伸び具合を評価した。その際の評価基準は以下の通りとした。
◎:ロールインマーガリンが生地の中で割れがなく非常に良好な伸び
○:良好
△:ロールインマーガリンの生地の中での割れが見られる、生地の端に伸びない×:ロールインマーガリンの伸びが非常に悪く割れが目立つ
<クロワッサンの口溶け評価>
作製したクロワッサンについて官能により口溶けを評価した。その際の評価基準は以下の通りとした。
◎:非常に良好
○:良好
△:やや不良
×:悪い
<クロワッサンの比容積評価>
実施例・比較例のクロワッサンの容積を各々10個計測し、その平均値をとり、相対的に以下のように分類した。
◎:5.0以上
○:4.7〜5.0
△:4.3〜4.7
×:4.3以下
(実施例1) 油脂1の作製
それぞれ脱酸、脱色処理をしたラード30重量部、硬化パーム核油(融点40℃、ヨウ素価0.5)55重量部、極度硬化ナタネ油(ヨウ素価0.3)15重量部を混合した油脂を60℃に温調し、60℃に温調したカラムに詰めた1,3位特異的固定化酵素「Lipozyme RM−IM(ノボザイムズジャパン社製)」に対して固定化酵素1gあたり1g/hの流量で流し反応させ、反応後の油脂を4〜5torr、240℃で1時間脱臭し、油脂1を得た。得られた油脂の脂肪酸組成及び上昇融点を表1に示す。また、使用した原料ラードの脂肪酸組成及びトリグリセリドの2位及び1,3位の組成を表2に示す。
Figure 2008161176
Figure 2008161176
(実施例2) 油脂2の作製
それぞれ脱酸、脱色処理をしたラード35重量部、硬化やし油(融点32℃、ヨウ素価1.0)45重量部、極度硬化ナタネ油(ヨウ素価0.3)20重量部を混合した油脂を60℃に温調し、60℃に温調したカラムに詰めた1,3位特異的固定化酵素「Lipozyme RM−IM(ノボザイムズジャパン社製)」に対して固定化酵素1gあたり1g/hの流量で流し反応させ、反応後の油脂を4〜5torr、240℃で1時間脱臭し、油脂2を得た。得られた油脂の脂肪酸組成及び上昇融点を表1に示す。また、使用した原料ラードの脂肪酸組成及びトリグリセリドの2位及び1,3位の組成を表2に示す。
(実施例3) 油脂3の作製
それぞれ脱酸、脱色処理をしたラード35重量部、硬化パーム核油(融点40℃、ヨウ素価0.5)30重量部、硬化やし油(融点32℃、ヨウ素価1.0)20重量部、極度硬化パーム油(ヨウ素価0.3)5重量部、極度硬化大豆油(ヨウ素価0.3)10重量部を混合した油脂を60℃に温調し、60℃に温調したカラムに詰めた1,3位特異的固定化酵素「Lipozyme TL−IM(ノボザイムズジャパン社製)」に対して固定化酵素1gあたり3g/hの流量で流し反応させ、反応後の油脂を4〜5torr、240℃で1時間脱臭し、用油脂3を得た。得られた油脂の脂肪酸組成及び上昇融点を表1に示す。また、使用した原料ラードの脂肪酸組成及びトリグリセリドの2位及び1,3位の組成を表2に示す。
(実施例4) 油脂4の作製
それぞれ脱酸処理をした硬化パーム核油(融点40℃、ヨウ素価0.5)47重量部、硬化やし油(融点32℃、ヨウ素価1.0)30重量部、極度硬化パーム油(ヨウ素価0.3)8重量部、極度硬化大豆油(ヨウ素価0.3)15重量部を混合した油脂を真空ポンプで減圧しながら90℃に加熱し、ナトリウムメチラートを油脂100重量部に対して0.2重量部添加して反応させ、反応後に油脂を水洗して触媒を除いた。反応後の油脂は90℃で3重量部の白土を添加して脱色処理を行った。この油脂65重量部とラード35重量部を混合し50℃に温調し、50℃に温調したカラムに詰めた1,3位特異的固定化酵素「Lipozyme TL−IM(ノボザイムズジャパン社製)」に対して固定化酵素1gあたり3g/hの流量で流し反応させ、反応後の油脂を4〜5torr、240℃で1時間脱臭し、油脂4を得た。得られた油脂の脂肪酸組成及び上昇融点を表1に示す。また、使用した原料ラードの脂肪酸組成及びトリグリセリドの2位及び1,3位の組成を表2に示す。
(実施例5) 油脂5の作製
それぞれ脱酸、脱色処理をしたラード45重量部、硬化パーム核油(融点40℃、ヨウ素価0.5)40重量部、極度硬化ナタネ油(ヨウ素価0.3)15重量部を混合した油脂を60℃に温調し、60℃に温調したカラムに詰めた1,3位特異的固定化酵素「Lipozyme TL−IM(ノボザイムズジャパン社製)」に対して固定化酵素1gあたり3g/hの流量で流し反応させ、反応後の油脂を4〜5torr、240℃で1時間脱臭し、油脂5を得た。得られた油脂の脂肪酸組成及び上昇融点を表1に示す。また、使用した原料ラードの脂肪酸組成及びトリグリセリドの2位及び1,3位の組成を表2に示す。
(実施例6) 油脂6の作製
それぞれ脱酸、脱色処理をしたラード50重量部、極度硬化ナタネ油(ヨウ素価0.3)50重量部を混合した油脂を60℃に温調し、60℃に温調したカラムに詰めた1,3位特異的固定化酵素「Lipozyme RM−IM(ノボザイムズジャパン社製)」に対して固定化酵素1gあたり1g/hの流量で流し反応させた。この油脂を3倍重量のアセトンに加温しながら溶解し、25℃で24時間静置して点部を除いた。さらに分別した油脂に対してアセトンが3倍重量になるように調整し、次に5℃で24時間静置して結晶を析出させ、結晶をろ過して集めてアセトンを留去することにより目的の油脂を得た。この油脂を4〜5torr、240℃で1時間脱臭し、油脂6を得た。得られた油脂の脂肪酸組成及び上昇融点を表1に示す。また、使用した原料ラードの脂肪酸組成及びトリグリセリドの2位及び1,3位の組成を表2に示す。
(比較例1) 油脂7の作製
それぞれ脱酸処理をしたラード30重量部、硬化パーム核油(融点40℃、ヨウ素価0.5)55重量部、極度硬化ナタネ油(ヨウ素価0.3)15重量部を混合した油脂を、真空ポンプで減圧しながら90℃に加熱し、ナトリウムメチラートを油脂100重量部に対して0.2重量部添加して反応させた。反応後、得られた油脂を水洗し、触媒を除いて、90℃で3重量部の白土を添加して脱色処理を行った後、4〜5torr、240℃で1時間脱臭し油脂7を得た。得られた油脂の脂肪酸組成及び上昇融点を表1に示す。
(比較例2) 油脂8の作製
それぞれ脱酸処理をしたラード35重量部、硬化やし油(融点32℃、ヨウ素価1.0)45重量部、極度硬化ナタネ油(ヨウ素価0.3)20重量部を混合した油脂を、真空ポンプで減圧しながら90℃に加熱し、ナトリウムメチラートを油脂100重量部に対して0.2重量部添加して反応させた。反応後油脂を水洗し、触媒を除いて90℃で3重量部の白土を添加して脱色処理を行った後、4〜5torr、240℃で1時間脱臭し油脂8を得た。得られた油脂の脂肪酸組成及び上昇融点を表1に示す。
(比較例3) 油脂9の作製
それぞれ脱酸処理をしたラード35重量部、硬化パーム核油(融点40℃、ヨウ素価0.5)30重量部、硬化やし油(融点32℃、ヨウ素価1.0)20重量部、極度硬化パーム油(ヨウ素価0.3)5重量部、極度硬化大豆油(ヨウ素価0.3)10重量部を混合した油脂を、真空ポンプで減圧しながら90℃に加熱し、ナトリウムメチラートを油脂100重量部に対して0.2重量部添加して反応させた。反応後、得られた油脂を水洗し、触媒を除いて90℃で3重量部の白土を添加して脱色処理を行った後、4〜5torr、240℃で1時間脱臭し油脂9を得た。得られた油脂の脂肪酸組成及び上昇融点を表1に示す。
(比較例4) 油脂10の作製
それぞれ脱酸、脱色処理をしたパーム油30重量部、硬化パーム核油(融点40℃、ヨウ素価0.5)55重量部、極度硬化ナタネ油(ヨウ素価0.3)15重量部を混合した油脂を60℃に温調し、60℃に温調したカラムに詰めた1,3位特異的固定化酵素「Lipozyme RM−IM(ノボザイムズジャパン社製)」に対して固定化酵素1gあたり1g/hの流量で流し反応させ、反応後の油脂を4〜5torr、240℃で1時間脱臭し油脂10を得た。得られた油脂の脂肪酸組成及び上昇融点を表1に示す。
(比較例5) 油脂11の作製
それぞれ脱酸処理をしたラード45重量部、硬化パーム核油(融点40℃、ヨウ素価0.5)40重量部、極度硬化ナタネ油(ヨウ素価0.3)15重量部を混合した油脂を、真空ポンプで減圧しながら90℃に加熱し、ナトリウムメチラートを油脂100重量部に対して0.2重量部添加して反応させた。反応後、得られた油脂を水洗し、触媒を除いて、90℃で3重量部の白土を添加して脱色処理を行った後、4〜5torr、240℃で1時間脱臭し油脂11を得た。得られた油脂の脂肪酸組成及び上昇融点を表1に示す。
(比較例6) 油脂12の作製
それぞれ脱酸処理をしたラード50重量部、極度硬化ナタネ油(ヨウ素価0.3)50重量部を混合した油脂を、真空ポンプで減圧しながら90℃に加熱し、ナトリウムメチラートを油脂100重量部に対して0.2重量部添加して反応させた。反応後、得られた油脂を水洗し、触媒を除いて、90℃で3重量部の白土を添加して脱色処理を行った。この油脂を3倍重量のアセトンに加温しながら溶解し、25℃で24時間放置して結晶を析出させて、高融点部を除いた。さらに分別した油脂に対してアセトンが3倍重量になるように調整し、次に5℃で24時間放置して結晶を析出させ、結晶をろ過して集めてアセトンを留去することにより目的の油脂を得た。この油脂を4〜5torr、240℃で1時間脱臭し、油脂12を得た。得られた油脂の脂肪酸組成及び上昇融点を表1に示す。
(実施例7) ロールインマーガリン1の作製
表3の配合に従って、以下のようにロールインマーガリンを作製した。ロールインマーガリン用油脂組成物1を48重量部、やし油を8重量部、ナタネ油を24重量部混合して60℃に温調しながらレシチン、及びステアリン酸モノグリセリドを各々0.4重量部添加し、油脂を65℃まで加温してモノグリセリドを完全に溶解後、水を19.2重量部添加して攪拌し、乳化させた。これを連続急冷可塑化装置にかけ急冷し、成型器を通しロールインマーガリンを得た。得られたロールインマーガリンの物性(製造時の成型性、油相の上昇融点)は、表3にまとめた。
Figure 2008161176
(実施例8) ロールインマーガリン2の作製
油脂配合以外は、実施例7と同様にしてロールインマーガリンを得た。得られたロールインマーガリンの物性(製造時の成型性、油相の上昇融点)は、表3にまとめた。
(実施例9) ロールインマーガリン3の作製
油脂配合以外は、実施例7と同様にしてロールインマーガリンを得た。得られたロールインマーガリンの物性(製造時の成型性、油相の上昇融点)は、表3にまとめた。
(実施例10) ロールインマーガリン4の作製
油脂配合以外は、実施例7と同様にしてロールインマーガリンを得た。得られたロールインマーガリンの物性(製造時の成型性、油相の上昇融点)は、表3にまとめた。
(実施例11) ロールインマーガリン5の作製
油脂配合以外は、実施例7と同様にしてロールインマーガリンを得た。得られたロールインマーガリンの物性(製造時の成型性、油相の上昇融点)は、表3にまとめた。
(実施例12) ロールインマーガリン6の作製
油脂配合及び水分量以外は、実施例7と同様にしてロールインマーガリンを得た。得られたロールインマーガリンの物性(製造時の成型性、油相の上昇融点)は、表3にまとめた。
(実施例13) ロールインマーガリン7の作製
油脂配合以外は、実施例7と同様にしてロールインマーガリンを得た。得られたロールインマーガリンの物性(製造時の成型性、油相の上昇融点)は、表3にまとめた。
(実施例14) ロールインマーガリン8の作製
油脂配合以外は、実施例7と同様にしてロールインマーガリンを得た。得られたロールインマーガリンの物性(製造時の成型性、油相の上昇融点)は、表2にまとめた。
(比較例7) ロールインマーガリン9の作製
油脂配合以外は、実施例7と同様にしてロールインマーガリンを得た。得られたロールインマーガリンの物性(製造時の成型性、油相の上昇融点)は、表3にまとめた。
(比較例8) ロールインマーガリン10の作製
油脂配合以外は、実施例7と同様にしてロールインマーガリンを得た。得られたロールインマーガリンの物性(製造時の成型性、油相の上昇融点)は、表3にまとめた。
(比較例9) ロールインマーガリン11の作製
油脂配合以外は、実施例7と同様にしてロールインマーガリンを得た。得られたロールインマーガリンの物性(製造時の成型性、油相の上昇融点)は、表3にまとめた。
(比較例10) ロールインマーガリン12の作製
油脂配合以外は、実施例7と同様にしてロールインマーガリンを得た。得られたロールインマーガリンの物性(製造時の成型性、油相の上昇融点)は、表3にまとめた。
(比較例11) ロールインマーガリン13の作製
油脂配合以外は、実施例7と同様にしてロールインマーガリンを得た。得られたロールインマーガリンの物性(製造時の成型性、油相の上昇融点)は、表3にまとめた。
(実施例15) マーガリン1の作製
表4の配合に従って、以下のようにマーガリンを作製した。油脂1を32重量部、油脂6を24重量部、ナタネ油を24重量部混合して60℃に温調しながらレシチン、及びステアリン酸モノグリセリドを各々0.2重量部添加し、油脂を65℃まで加温してモノグリセリドを完全に溶解後、水を19.6重量部添加して攪拌し、乳化させた。これを連続急冷可塑化装置にかけ急冷しマーガリンを得た。得られたマーガリンの物性は、表4にまとめた。
Figure 2008161176
(実施例16) マーガリン2の作製
油脂配合以外は、実施例15と同様にしてマーガリンを得た。得られたマーガリンの特性(マーガリンのキメ、ツヤ、口溶け)は、表4にまとめた。
(実施例17) マーガリン3の作製
油脂配合以外は、実施例15と同様にしてマーガリンを得た。得られたマーガリンの特性(マーガリンのキメ、ツヤ、口溶け)は、表4にまとめた。
(比較例12) マーガリン4の作製
油脂配合以外は、実施例15と同様にしてマーガリンを得た。得られたマーガリンの特性(マーガリンのキメ、ツヤ、口溶け)は、表4にまとめた。
(比較例13) マーガリン5の作製
油脂配合以外は、実施例15と同様にしてマーガリンを得た。得られたマーガリンの特性(マーガリンのキメ、ツヤ、口溶け)は、表4にまとめた。
(比較例14) マーガリン6の作製
油脂配合以外は、実施例15と同様にしてマーガリンを得た。得られたマーガリンの特性(マーガリンのキメ、ツヤ、口溶け)は、表4にまとめた。
(実施例18〜28、比較例15〜22) クロワッサンの作製
表7の配合に従って、実施例15〜17及び比較例12〜14のマーガリン及び実施例7〜14及び比較例7〜11のロールインマーガリンを使用して、以下のようにしてクロワッサンを作製した。ロールインマーガリンと練りこみ用油脂を除いた原料をミキサーにて低速2分、中高速3分ミキシングした後、練りこみ用油脂を混合しさらに低速2分、中高速4分ミキシングした。24℃で30分生地を発酵させた後、生地を5℃まで冷却した。この生地にロールインマーガリンを3つ折り、3回折り込み、生地を成型後35℃、湿度75%のホイロで55分最終発酵し、200℃のオーブンで17分間焼成した。製パン時の練りこみ用油脂として、実施例15〜17、比較例12〜14のマーガリンを使用し、各マーガリンの温度での練りこみ性を評価した。また実施例7〜14、比較例7〜11のロールインマーガリンについて製パン時の作業性(コシ、ノビ)及びクロワッサンの比容積と口溶けを比較し、その結果を表5及び表6にまとめた。
Figure 2008161176
Figure 2008161176
Figure 2008161176

Claims (9)

  1. 以下の油脂(A),(B)を重量比で10/90〜90/10の割合で含有する混合油を、1,3位特異的酵素を用いてエステル交換反応させることを特徴とする油脂組成物の製造方法。
    (A)トリグリセリドの1,3位における脂肪酸組成のうち、不飽和脂肪酸の割合が40重量%以上で、2位における脂肪酸組成のうち、飽和脂肪酸の割合が40重量%以上で、かつ2位における飽和脂肪酸の割合が1,3位の脂肪酸組成における飽和脂肪酸の割合よりも20重量%以上高い油脂
    (B)ヨウ素価15以下の油脂
  2. 油脂(A)が、ラードまたはラードの分別油であることを特徴とする請求項1記載の油脂組成物の製造方法。
  3. 油脂(B)が、それぞれ水素添加したナタネ油、大豆油、パーム油、パーム核油、やし油の少なくとも1種類以上を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の油脂組成物の製造方法。
  4. 1,3位特異的酵素を用いてエステル交換反応した後に、分別することにより高融点成分を除去することを特徴とする請求項1から3記載の油脂組成物の製造方法。
  5. 請求項1から3記載の油脂組成物の製造方法により製造された油脂組成物であって、融点が45℃以下の油脂組成物。
  6. 請求項1から3記載の製造方法により製造された油脂組成物を分別することにより高融点成分を除去した油脂組成物。
  7. 請求項1から3記載の製造方法により製造された油脂組成物を分別することにより融点が45℃以下になるように調整した油脂組成物。
  8. 請求項5から7記載の油脂組成物を含有するショートニング、マーガリン及びロールインマーガリン。
  9. 請求項5記載の油脂組成物を含有してなり、炭素数16以上の飽和脂肪酸含量が30〜60重量%、16未満の飽和脂肪酸含量が20〜55重量%、不飽和脂肪酸が10〜35重量%からなることを特徴とするロールインマーガリン用油脂組成物。
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