JP2016500265A - パームジアシルグリセロールから作られたベーカリーショートニング - Google Patents

パームジアシルグリセロールから作られたベーカリーショートニング Download PDF

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Abstract

本発明は、パームジアシルグリセロールから調製されるベーカリーショートニングおよびその製造方法に関する。本発明の第1の態様では、ベーカリーショートニングが、パームジアシルグリセロールステアリンと32〜48のヨウ素価を有するパーム中融点画分を含む。発明の第2の態様において、ベーカリーショートニングは、56〜64のヨウ素価を有するパームジアシルグリセロールオレインとパームステアリンを含む。本発明のベーカリーショートニングは乳化剤を添加する必要がない。

Description

本発明は、パームジアシルグリセロール(palm diacylglycerol)から調製されるベーカリーショートニングおよびその製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、パームジアシルグリセロールステアリンとパーム中融点画分(palm mid-fraction)を含むベーカリーショートニング、ならびにパームジアシルグリセロールオレインとパームステアリンを含むベーカリーショートニングに関する。本発明のベーカリーショートニングは乳化剤を添加する必要がない。
ジアシルグリセロール(DAG)はジグリセリドとも呼ばれ、2つの脂肪酸がグリセロール分子上でエステル化されるときに形成されるグリセロールのエステルである。ジアシルグリセロールには3つの異性体、すなわち1,2−ジアシルグリセロール、2,3−ジアシルグリセロールおよび1,3−ジアシルグリセロールが存在する。様々な食用油には10%(w/w)までシリアルグリセロールが含まれ、天然に存在するジアシルグリセロール含有量は油の起原に応じて様々である。概して、油は6%(w/w)までのジアシルグリセロールを含んでいる(Matsuo, N. et al., Malaysian Oil Sci. Technol. 113:30-40 (2004))。
多くの前臨床および臨床研究が実施され、これらの研究によって肥満の軽減におけるジアシルグリセロール油の有効性が証明されている。ジアシルグリセロール油の摂取は体脂肪の蓄積を減少させることが示されている(Nagao, T. et al., J. Nutr. 130:792-797 (2000); Murase, T. et al., J. Lipid Res. 42:372-378 (2001); Maki, K.C. et al., Am. Jour. Clin. Nutr. 76:1230-1236 (2002))。30%のジアシルグリセロール油を含む食餌でマウスに5か月のダイエットをさせたとき、マウスの体重が70%減少したことが報告されている(Murase, T. et al., J. Lipid Res. 42:372-378 (2001))。また、ジアシルグリセロールは血清トリグリセリドのレベルを低下させることも示されている(Hara, K. et al., Ann. Nutr. Metab. 37:185-191 (1993); Murata, M. et al., Biosci. Biotechnol. Biochem. 58:1416-1419 (1994); Taguchi, H. et al., J. Am. Coll. Nutr. 19:786-796 (2000); Tada, N. et al., Clin. Chim Acta. 311:109-117 (2001); Yamamoto, K. et al., J. Nutr. 131:3204-3207 (2001); Kondo, H. et al., Lipids. 38:25-30 (2003); Yanagisawa, Y. et al., Biochem. Biophys. Res. Comm. 302:743-750 (2003); Yamamoto, K. et al., Metabolism 54:67-71 (2005))。
様々な臨床研究はジアシルグリセロールがヒトの体内の血清トリグリセリドのレベルを減少させることを裏付けている(Taguchi, H. et al., J. Am. Coll. Nutr. 19: 786-796 (2000); Tada, N. et al., Clin. Chim Acta. 311:109-111 (2001); Yamamoto, K. et al., J. Nutr. 131:3204-3207 (2001); Yanagisawa, Y. et al., Biochem. Biophys. Res. Comm. 302:743-750 (2003); Yamamoto, K. et al., Metabolism 54:67-71 (2005))。ジアシルグリセロールは、脂肪酸結合タンパク質2およびMTPの高脂血症になりやすい変異体を有する若い女性(Yanagisawa, Y. et al., Biochem. Biophys. Res. Comm. 302:743-750 (2003))および2型糖尿病患者(Yamamoto, K. et al., J. Nutr. 131:3204-3207 (2001); and K. Hasegawa, “Improvement in blood lipid levels by dietary sn-1,3-diacylglycerol in young”, (2003))において血清トリグリセリドのレベルを減少させるのに有益であることが示されている。
概して、ベーカリーショートニングは、液体油(例えば、大豆油、綿実油、ナタネ油またはこれらの油の混合物)と固体脂肪(水素化大豆油、綿実油、ナタネ油、パーム油または動物性脂肪)との混合物から製造される(Ghotra B.S. et al., Res. Int. 35:1015-1048 (2002))。それでも、20世紀後期から21世紀初頭まで、ジアシルグリセロールをベーカリーショートニングの主成分の1つとして含め、焼成製品の栄養特性を改善する試みがなされた(Sikorski, D, “Application of Diacylglycerol Oil in Baked Goods, Nutritional Beverages/bars, Sauces and Gravies”, In: Katsugi, Y., Yasukawa, T., Matsui, N., Flickinger, B.D., Tokimitsu, I., Matlock, M.G. (Eds), “Diacylglycerol Oils”, AOCS Press: Champaign, Illinois, pp. 223-252 (2004))。
米国特許第5,908,655号は、ショートニング系、そのショートニング系を含むか、または使用して製造される製品、およびそのショートニング系の製造法および使用法を開示している。ショートニング系は、少なくとも1つの非水素化植物油と、油脂のグリセロール分解/エステル交換から得ることができる少なくとも1つのステアリン画分との混合物を含む。この公報で記載される1つの実施の形態において、ショートニング系は、増強されたジグリセリド濃度を有するステアリン画分、またはパーム油ならびにヒマワリ油、大豆油、コーン油、ピーナッツ油などからなる群から選択される植物油由来の少なくとも1つのモノグリセリドおよび/もしくはジグリセリドを含む。ショートニングは、乳化剤の送達系としても使用される。
米国公開公報US2009/0226563A1は、ベーカリー分野でショートニングおよびマーガリンとして使用される油脂組成物を開示する。油脂組成物は、(i)約10重量%〜90重量%のジアシルグリセロールを含む油脂から構成される成分A、20重量%〜60重量%;および(ii)卵黄である成分B、3重量%〜20重量%(乾燥重量基準)を含む。ジアシルグリセロール源は、大豆およびナタネ油のグリセロール分解およびエステル化から得られ、これを次いで、短工程蒸留(short path distillation)を用いてさらに精製して、微細に乳化および安定化されたエマルジョンを得る。
米国公開公報US2005/0214436A1は、乳化剤組成物、そのような乳化剤を含むショートニング組成物、および例えばドウ脂肪またはフィリング脂肪としてのショートニングの使用を開示する。この公報は、未水素化または非水素化植物油(例えば、高不飽和、非水素化または未水素化植物油、例えば大豆油、ヒマワリ油、コーン油、米ぬか油、または綿実油)ならびにモノグリセリドおよび/またはジグリセリド、アルファ傾向性(alpha tending)乳化剤およびイオン乳化剤を本質的に含む最小量の乳化剤組成物を含むショートニング系も開示している。また、この公報は、そのようなショートニング組成物の調製法も開示している。この公報のショートニング組成物は乳化剤としての使用を必要としている。
ショートニングにおける乳化剤の使用はそれ自体許容されている。それにもかかわらず、乳化剤は、アレルギー反応、すなわちある場合の消費者の過敏性に基づく反応を引き起こす可能性がある。
したがって、上記問題の少なくとも1つに取り組もうとするベーカリーショートニングを提供するか、少なくとも代替物を提供する必要がある。
本発明のベーカリーショートニングによって上記問題や他の問題が解決され、当該技術分野の進歩が遂げられる。本発明のベーカリーショートニングの利点は、ベーカリーショートニングが乳化剤を含まないことである。本発明の第2の利点は、ベーカリーショートニングが当該技術分野で公知のものと同等の特性を有することである。本発明の第3の利点は、このベーカリーショートニングを、水素化ショートニング(hydrogenated shortenings)または脂肪の代わりにベーカリー製品で使用できることである。
本発明の第1の実施の形態によれば、パームジアシルグリセロールステアリンとパーム中融点画分とを含むベーカリーショートニングであって、パーム中融点画分が32〜48のヨウ素価を有するベーカリーショートニングが提供される。
本発明の実施の形態によれば、パームジアシルグリセロールステアリンは、ベーカリーショートニングの総重量に対して40重量%〜50重量%である。
本発明の実施の形態によれば、パーム中融点画分は、ベーカリーショートニングの総重量に対して50重量%〜60重量%の範囲で存在する。
本発明の幾つかの実施の形態によれば、パームジアシルグリセロールステアリンとパーム中融点画分は40:60の重量比で存在する。幾つかの他の実施の形態において、パームジアシルグリセロールステアリンとパーム中融点画分は50:50の重量比で存在する。
本発明の実施の形態によれば、パームジアシルグリセロールステアリンは80%〜100%のジアシルグリセロールを含んでいる。
本発明の実施の形態によれば、ベーカリーショートニングはジアシルグリセロールで強化され、40%以上のジアシルグリセロールを含んでいる。
本発明の実施の形態によれば、ベーカリーショートニングのスリップ融点(slip melting point)は46℃〜51℃である。
本発明の実施の形態によれば、パーム中融点画分のスリップ融点は32℃〜38℃である。幾つかの実施の形態において、パーム中融点画分の固体脂肪含有量は20℃で45%〜90%である。
本発明の第2の実施の形態によれば、56〜64のヨウ素価を有するパームジアシルグリセロールオレインとパームステアリンを含むベーカリーショートニングが提供される。
本発明の実施の形態によれば、パームステアリンのヨウ素価は32〜46である。
本発明の実施の形態によれば、パームジアシルグリセロールオレインは、ベーカリーショートニングの総重量に対して30〜70重量%の範囲で存在する。
本発明の実施の形態のベーカリーショートニングの固体脂肪含有量は35℃で5%〜16%である。
本発明の実施の形態によれば、ベーカリーショートニングのスリップ融点は36℃〜51℃である。
本発明の幾つかの実施の形態によれば、ベーカリーショートニングは乳化剤を含まない。
本発明の第3の実施の形態によれば、本発明のベーカリーショートニングを製造するための方法が提供される。方法は、パームジアシルグリセロールステアリンとヨウ素価32〜48のパーム中融点画分と混合するか、56〜64のヨウ素価を有するパームジアシルグリセロールオレインとパームステアリンと混合して、混合物を得るステップと、混合物を冷却し、可塑化して結晶を形成し、予め決められた硬度のベーカリーショートニングを得るステップと、ベーカリーショートニングを予め決められた期間テンパリングし、ベーカリーショートニングが通常利用される固体状態を達成するステップと、を含んでいる。
本発明の実施の形態によれば、ベーカリーショートニングを1〜10日間、ベーカリーショートニングがパックされる温度よりも高い温度でテンパリングする。
本発明の実施の形態によれば、パームジアシルグリセロールステアリンをベーカリーショートニングの総重量に対して40重量%〜50重量%の範囲で混合する。
本発明の実施の形態によれば、パームジアシルグリセロールオレインをベーカリーショートニングの総重量に対して30重量%〜70重量%の範囲で混合する。
本発明の幾つかの実施の形態において、パームジアシルグリセロールステアリンとパーム中融点画分は40:60の重量比で存在する。幾つかの他の実施の形態において、パームジアシルグリセロールステアリンとパーム中融点画分は50:50の重量比で存在する。
本発明の実施の形態によれば、パームジアシルグリセロールオレインとパームステアリンは40:60の重量比で存在する。
本発明の他の実施の形態によれば、本発明のベーカリーショートニングを含む食品が提供される。
本発明の前記特性/利点および他の特性/利点は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
図1(a)は、パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンとパーム中融点画分(PMF)を含むショートニングの固体脂肪含有量(SFC)プロフィールを示している。 図1(b)は、パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンと精製・漂白・脱臭パーム油(RBDPO)を含むショートニングの固体脂肪含有量(SFC)プロフィールを示している。 図1(c)は、パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンとパームオレフィン(POL)を含むショートニングの固体脂肪含有量(SFC)プロフィールを示している。 図1(d)は、パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンとヒマワリ油(SFO)を含むショートニングの固体脂肪含有量(SFC)プロフィールを示している。 図2(a)は、パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンとパーム中融点画分(PMF)を含むショートニングの等凝固図(iso-solid diagram)を示している。 図2(b)は、パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンと精製・漂白・脱臭パーム油(RBDPO)を含むショートニングの等凝固図を示している。 図2(c)は、パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンとパームオレフィン(POL)を含むショートニングの等凝固図を示している。 図2(d)は、パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンとヒマワリ油(SFO)を含むショートニングの等凝固図を示している。 図3(a)は、パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンとパーム中融点画分(PMF)を含むショートニングの示差走査熱量測定法(DSC)融解曲線を示している。 図3(b)は、パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンと精製・漂白・脱臭パーム油(RBDPO)を含むショートニングの示差走査熱量測定法(DSC)融解曲線を示している。 図3(c)は、パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンとパームオレフィン(POL)を含むショートニングの示差走査熱量測定法(DSC)融解曲線を示している。 図3(d)は、パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンとヒマワリ油(SFO)を含むショートニングの示差走査熱量測定法(DSC)融解曲線を示している。 図4は、市販のショートニングとパームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンとパーム中融点画分(PMF);パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンと精製・漂白・脱臭パーム油(RBDPO);パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンとパームオレフィン(POL);ならびにパームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンとヒマワリ油(SFO)を含むショートニングの固体脂肪含有量(SFC)を示している。 図5は、パームジアシルグリセロール(PDAG)ベーカリーショートニングと、CSショートニングと、PDGショートニングの固体脂肪含有量(SFC)プロフィールを示している。 図6(a)〜6(e)は、市販の(CS)ショートニングとパームジアシルグリセロール(PDAG)オレインから配合されたパームジアシルグリセロール(PDAG)ショートニングから調製されたマデイラケーキを示している。 図7(a)〜7(c)は、市販の(CS)ショートニングとパームジアシルグリセロール(PDAG)オレインから配合されたパームジアシルグリセロール(PDAG)ショートニングから調製されたビスケットを示している。
ショートニングは、脂肪および/または油の混合物である。通常の種類のショートニングには乳化剤を含むものがある。本明細書に開示された特定の種類のショートニングには乳化剤が添加されていない。
本発明の第1の実施の形態によれば、パームジアシルグリセロールステアリンとパーム中融点画分を含むベーカリーショートニングが提供される。
「パームジアシルグリセロールステアリン」という用語は、本明細書で用いられる場合、比較的多量のジアシルグリセロールを含むパームステアリンを指している。好ましくはパームジアシルグリセロールステアリンは約55%〜100%のジアシルグリセロール、さらに好ましくは約75%〜100%のジアシルグリセロール、なお一層好ましくは約85%〜100%のジアシルグリセロールを含むパームジアシルグリセロールから得られる。
「パーム中融点画分」という用語は、本明細書で用いられる場合、パーム油の複数回の乾式分別によって製造される特殊な脂肪を指している。パーム中融点画分の主な特徴は、非常に高含有量の1,3−ジパルミト−2−オレオ−トリアシルグリセロール(POP)を有すること、すなわち1,3−ジパルミト−2−オレオ−トリアシルグリセロール(POP)を豊富に含むことであり、これにより非常に急こう配の固体脂肪含有量(SFC)温度曲線が得られる。特殊脂肪なので、ヨウ素価32〜48、スリップ融点(SMP)約32℃〜38℃、および20℃での固体脂肪含有量(SFC)約45%〜90%の画分を含むパーム中融点画分で、様々な特徴を有するものを製造できる。
本発明の1つの実施の形態において、ベーカリーショートニングはベーカリーショートニングの総重量に対して約40重量%〜50重量%のパームジアシルグリセロールステアリンを含み、ベーカリーショートニングの総重量に対して約50重量%〜60重量%のパーム中融点画分を含んでいる。好ましい実施の形態では、パームジアシルグリセロールステアリンとパーム中融点画分は40:60の重量比で存在する。他の好ましい実施の形態では、パームジアシルグリセロールステアリンとパーム中融点画分は50:50の重量比で存在する。
本発明のパームジアシルグリセロールステアリンは当該技術分野で公知の任意の好適な方法によって得ることができる。本発明の1つの実施の形態では、パームジアシルグリセロールステアリンは、パームジアシルグリセロール(PDAG)の乾式分別法により得られる。粗パームジアシルグリセロール油脂は約30%〜60%以上のジアシルグリセロール(DAG)、好ましくは約30%〜50%のジアシルグリセロールを含む精製・漂白・脱臭された油(RBDPO)のグリセロール分解から得られる。次いで粗パームジアシルグリセロールを短工程蒸留に供して約55%〜100%のジアシルグリセロール、さらに好ましくは約75%〜100%、なお一層好ましくは約85%〜100%のジアシルグリセロールを含む精製されたパームジアシルグリセロールが得られる。パームジアシルグリセロールを次いで乾式分別法に供して、パームジアシルグリセロールステアリンおよびパームジアシルグリセロールオレインが得られ、どちらも典型的なオレインおよびステアリン画分と比べて増強されたジアシルグリセロール組成を有している。本発明のパームジアシルグリセロールステアリンは、好ましくは約80%〜100%のジアシルグリセロール含有量を有する。
本発明のパーム中融点画分(PMF)は、ヨウ素価56のパームオレインのダブル分別(double-fractionation)から得ることができる画分である。分別の第1段階は、オレインを分別して、ヨウ素価42〜50の軟質パーム中融点画分と、ヨウ素価64以上のスーパーオレインが得られる。次いで軟質パーム中融点画分を第2段階分別に供して、のヨウ素価32〜48、好ましくは34〜42の硬質パーム中融点画分と、ヨウ素価54〜56のミッドオレインを製造する。当該技術分野で公知の他の方法は、本発明において使用に好適なパーム中融点画分を得るために用いることができる。
この実施の形態のベーカリーショートニングは好ましくは46℃〜51℃のスリップ融点を有している。
本明細書において前述のパームジアシルグリセロールの乾式分別から得られるパームジアシルグリセロールオレインは、パームジアシルグリセロールベーカリーショートニングを製造するためにも使用できる。
本発明の第2の実施の形態によれば、パームジアシルグリセロールオレインとパームステアリンを含むベーカリーショートニングが提供される。
「パームジアシルグリセロールオレイン」という用語は、本明細書で用いられる場合、比較的多量のジアシルグリセロールを含むパームジアシルグリセロールの液体画分を指している。好ましくはパームジアシルグリセロールオレインが約55%〜100%のジアシルグリセロール、好ましくは約75%〜100%、さらに好ましくは約85%〜100%のジアシルグリセロールを含むパームジアシルグリセロールから得られる。
「パームステアリン」という用語は、本明細書で用いられる場合、制御された温度でパーム油の部分結晶化によって製造されるパーム油の固体画分を指している。
本発明のパームジアシルグリセロールオレインは56〜64、好ましくは56〜62、さらに好ましくは56〜60のヨウ素価を有している。ヨウ素価は油脂製品の不飽和度を示している。好ましくは本発明のパームジアシルグリセロールオレインのジアシルグリセロールの含有量は約80%〜100%である。
本発明のパームステアリンのヨウ素価は32〜46、好ましくは36〜42、さらに好ましくは38〜40である。
この実施の形態のベーカリーショートニングの固体脂肪含有量(SFC)は35℃で5%〜16%、好ましくは8%〜15%、さらに好ましくは10%〜14%である。ベーカリーショートニングのこの特性は、ショートニングの官能特性の維持およびベーカリー製品の構造形成の促進に役立っている。ベーカリーショートニングのスリップ融点は約36℃〜51℃、好ましくは約46℃〜49℃、さらに好ましくは約40℃〜44℃である。
この実施の形態のベーカリーショートニングは、ベーカリーショートニングの官能性と物理化学的特性に関して、ベーカリーショートニングの総重量に対して好ましくは約30重量%〜70重量%のパームジアシルグリセロールオレイン、さらに好ましくは約30%〜60重量%のパームジアシルグリセロールオレイン、なお一層好ましくは約30重量%〜50重量%のパームジアシルグリセロールオレインを含んでいる。好ましい実施の形態のパームジアシルグリセロールオレインとパームステアリンは、40:60の重量比で存在している。また、ベーカリーショートニングは乳化剤を添加する必要がない。
パーム油は、飽和および不飽和脂肪酸をバランス良く含んでいる。パーム油はトランス脂肪酸を含まない生成物のハードストック(hard stock)の代替源である。それは自然には半固体であり、これは、水素化を必要としないので、固体脂肪配合物において重要な利点である。水素化は費用がかかるだけでなく、健康上のリスクをもたらすトランス脂肪酸および異性体を産生する。トランス脂肪酸は高密度リポタンパク質コレステロールの含有量を低下させ、そして低密度リポタンパク質コレステロールを上昇させることによって、血漿リポタンパク質プロフィールに対してマイナスの影響を及ぼすことが報告されている。これは、食品配合物において水素化脂肪を天然脂肪と置換する必要性をもたらした。
トランス脂肪酸の健康に対する栄養に関する影響についての高まる懸念のために、食品における油脂の使用の増加および最適化について大きく寄与するように油脂挙動を修飾することを考慮すると、エステル交換は、低いトランス異性体含有量を有するか、さらにはこれらの化合物が存在しない可塑性油脂の調製のための主な方法になった(Haummann, B. F, Inform. 5:668-678(1994))。エステル交換法は、軟質油と硬質脂肪とをブレンドして、所望の稠度および官能性が得られる。しかしながら、科学研究者はエステル交換された脂肪摂取に関する懸念を提起している。他の研究者らは、エステル交換された脂肪は善玉コレステロールである高密度リポタンパク質(HDL)レベルを低下させる可能性があり、ヒトの体内の血糖を上昇させる可能性があることも示している。
パームジアシルグリセロールショートニングの調製は、油混合物のブレンド、冷却、可塑化およびテンパリングを含んでいる。パーム油は自然の固体含有量を有するので、パーム系ショートニングは水素化される必要がない。このように、パーム系ショートニングはトランス脂肪酸の有害な影響がない。
本発明のパーム系ベーカリーショートニングを、パームジアシルグリセロールステアリンとパーム中融点画分またはパームジアシルグリセロールオレインとパームステアリンとを物理的にブレンドまたは混合することによって調製する。好ましくはブレンドまたは混合は、機械的撹拌で、そしてさらに好ましくは撹拌で実施する。混合物を好ましくは、均一な混合物が得られるまで約70℃で撹拌する。混合物を次いで冷却し、続いて混合物が完全に結晶化し、ショートニングになるまで、連続して撹拌しながら可塑化させる。当業者は、ベーカリーショートニングについて達成される所望の硬度によって撹拌期間は様々であり得ることを理解する。
次いで、調製されたショートニングを、ショートニングがパックされる温度よりも高い温度で1〜10日間テンパリングする。好ましくは、ベーカリーショートニングを20℃〜25℃の範囲の温度でテンパリングする。テンパリング法は、インキュベータ中、指定の温度にてショートニングを保存することによって実施される。テンパリングは、ショートニングが通常利用される固体状態を達成するために重要なステップである。それは脂肪結晶を好ましい多形体に変える。テンパリングがないことは、ショートニングの官能的特性に悪影響を及ぼす。
本発明のベーカリーショートニングは室温で可塑性のショートニングである。「可塑性」という用語は、本明細書で用いられる場合、室温で固体、非流動、非注入(non-pourable)、および非ポンプ輸送できない(non-pumpable)ショートニングを指している。ショートニングは、46℃〜51℃の範囲のスリップ融点(SMP)を有している。Jomaショートニングに基づくと、SMPの範囲は36℃〜51℃であり、これにより36℃〜44℃のSMPは主にベーカリー、菓子類、クリーミングおよび揚げ物用であり、46℃〜51℃のSMPは主にベーカリー、菓子類および揚げ物用である。パームジアシルグリセロールオレインおよびパームステアリンショートニングのSMPは36℃〜51℃の範囲内にある。ショートニングはしたがってベーカリー、菓子類および揚げ物での使用に好適である。本発明のベーカリーショートニングは、特に、ビスケット、クッキー、パイクラスト、ペストリー、ケーキなどを包含するが、これらに限定されない焼成食品での使用に好適である。
通常のベーカリーショートニングについて、乳化剤は食品において所望の効果を達成するのに重要な役割を果たす。乳化剤およびショートニングは、食品の可塑性、サクサク感、安定性および保存可能期間を改善するのに役立つ。ショートニングに含まれるジアシルグリセロールがショートニング系において乳化剤として作用するために充分であるので、本発明では食品を製造するために乳化剤をショートニングに添加する必要はない。
本発明のベーカリーショートニングは、主成分の必須機能を妨害せず、そしてベーカリーショートニングの品質に悪影響を及ぼさない限り、食品の調製において有用であると当業者に知られている少量の他の成分を含んでもよい。達成されるべき所望の結果に応じてさらなる成分が含まれていてもよく、それらは本発明の範囲を限定しないことを当業者は理解できる。
本発明のベーカリーショートニングは食品に局所適用することができる。本発明のベーカリーショートニングは食品の官能特性を改善できることが観察されている。
基本的には、ショートニングは異なる脂肪の混合物である。純粋な成分の物理化学的特性の理解は、純粋な成分と脂肪系との間の分子間相互作用の効果を明らかにするために非常に重要である。脂肪系は様々な結晶形態で存在し得る。2以上の異なる結晶形態の存在は、単に結晶化による構成分子の充填における差によるものである(Narine, S.S. et al., Food Res. Int. 32:227-248(1999))。結晶化法は核形成と結晶成長で構成され、ジアシルグリセロールは核形成過程を阻害することが判明している(Siew, W L. et al., J. Sci. Food and Agric. 69:73-79(1995))。
ショートニングに存在する固体の量は、加工温度、例えば25℃でのその官能性に左右される。約37℃の体温で、固体の量は、ショートニングの官能特性を維持するために高すぎてはならない。ベーカリーショートニングは最適ベーキング性能を得るために、約25℃の加工温度で最低約20%の固体を含み、約40℃のさらに高い温度で最低約5%固体を含まなければならないことが報告されている。(Podmore, J., et al., CRC Press: Sheffied, U.K., pp.30-68(2002))。ショートニングの官能性に影響を及ぼす可能性があるので、ショートニングの固体のパーセンテージは貯蔵の間、広範に異ならないことが重要である。本発明において、ベーカリーショートニングは、約25℃の加工温度で約28%〜29%の固体、そしてさらに高い温度、例えば約40℃で約10%の固体を含む。パームジアシルグリセロールオレインおよびパームステアリンを含む実施の形態において、ベーカリーショートニングは、約25℃の加工温度で約20%〜25.3%の固体、そしてさらに高い温度、例えば約40℃で約4%〜7%の固体を含んでいる。
高品質のショートニングは、主にβ’形でショートニングを結晶化させることによって得ることができる。基本的にβ’結晶は小さく均一な針状晶から構成され、斜方晶系垂直サブセルに密に充填される(O±)(Sato, K., Chem. Eng. Sc. 56:2256-2265(2001))。β’形は、より良好なその結晶ネットワークと細い針状形態のため、ショートニングにおいて最も機能的かつ望ましい形態である。β’形からより安定なβ形への結晶の変換は、最終生成物の劣化をもたらすので好ましくない。
本発明のベーカリーショートニングは、トリグリセリド(概して6%未満のジアシルグリセロールを含む)から製造される一部の市販のショートニング、例えばJOMA(商標)ショートニング(下記表6で見られる通り)の仕様に匹敵する仕様を有している。本発明のショートニングの物理的特性は市販のショートニングの物理的特性に匹敵するが、本発明のショートニングの組成は市販のショートニングの組成とは異なっている。本発明のショートニングはジアシルグリセロールを豊富に含み、約40%以上のジアシルグリセロールを含んでいる。パームジアシルグリセロールオレインおよびパームステアリンショートニングは約30%以上のジアシルグリセロールを含んでいる。高い含有量のジアシルグリセロールが存在するため、本発明のベーカリーショートニングは、増強した物理的機能性を有する焼成食品のための健康増進特性がある。また、本発明のベーカリーショートニングは乳化剤を添加する必要がない。また、水素化される必要もなく、トランス脂肪酸の有害な影響がない。
以下の実施例は本発明の特定の実施の形態を更に説明/記載するために提供されるものであり、本明細書に記載された特定の手順、条件または組成によって本発明が限定されると解釈するべきではない。
実施例(EXAMPLES)
パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンを含む配合物の調製
パーム油画分を有するパームジアシルグリセロールのステアリン画分および軟質油間で4つの異なる組のブレンド配合物を調製し、試験した。パームジアシルグリセロールのステアリン画分は植物油脂ブレンドの主要ハードストックともいい、画分を結晶化させるためにLABMAX(登録商標)デバイス(自動実験室用リアクター)を用いて分別法から得られる。結晶化画分を油圧プレスフィルターを使用してプレスし、固体画分(パームジアシルグリセロールステアリン)を液体画分(パームジアシルグリセロールオレイン)から分離した。
以下の4つの配合物を調製し、試験した:
・ パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンとパーム中融点画分(PMF)、
・ パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンと精製・漂白・脱臭パーム油(RBDPO)、
・ パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンとパームオレイン(POL)、
・ パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンとヒマワリ油(SFO)。
約40%のジアシルグリセロールは、好ましくは健康面で有益な影響を達成するために食用脂肪組成物で必要とされることが報告されている。(Matsui, K. et al., J. Agric. Food Chem. 46:3879-3884(2001))。本発明の実施例では、様々なパーム油画分を有するパームジアシルグリセロールステアリンおよび軟質油の4つのブレンドを調製し、パームジアシルグリセロールステアリンが調製したショートニングの総重量に対して40重量%〜90重量%の範囲で存在していた。
これらの試験において、異なる冷却温度で簡単な方法を実施して4つの配合物が得られた。各配合物が完全な結晶化を達成するまで連続して撹拌し、これは最終生成物で望ましい硬度によって様々である。調製したショートニングを次いで調製したショートニングの冷却および可塑化温度よりも高い温度で1〜10日間テンパリングした。
4つの配合物を分析し、固体脂肪含有量(SFC)、スリップ融点(SMP)、脂肪酸組成(FAC)およびX線微分(XRD)等を読み取った。
固体脂肪含有量(SFC)は、その官能および物理特性の多くに影響を及ぼす、特定の温度で固体である全脂質のパーセンテージと定義される。それは、MPOB試験法p4.8: 2004, “Determination of Solid Fat Content by Pulsed Nuclear Magnetic Resonance (pNMR)Section 1: Direct Method”にしたがって測定される。Bruker Minispec pulsed-Nuclear Magnetic Resonance (pNMR) Analyzer Model No. 120(Hamburg German)を用いて油サンプルを分析した。この試験は、ISO8292.1991(e),“Animal and Vegetable Fats and Oils”、およびAOCS Official Methods Cd 16b-93,“Solid Fat Content at Low Resolution Nuclear Magnetic Resonance”で教示されている方法を用いて実施した。各画分の固体脂肪含有量のパーセンテージを温度の関数として測定する。
スリップ融点(SMP)は、指定の長さの柱状の脂肪が開放毛細管中で上昇し始める温度である。それは、MPOB試験法p4.2: 2004にしたがって測定される。特に、3本の正常な毛細管(75mm / 75μl with d.a 1.5-1.6mm(Hirschmann Laborgerate, Germany))を液体サンプルに浸し、液体サンプルが凝固するまで氷晶で冷却した。その後、毛細管を小さなビーカーに移し、10℃の水浴に16時間入れた。測定値を行う場合、毛細管をゴムバンドで温度計の下部に取り付けた。温度計を次いで500mlの蒸留水を含むビーカーにつるした。蒸留水を磁気撹拌子で動作するホットプレート上で加熱した。サンプルが融解し始め、毛細管のそのレベルが上昇し始める温度を読み取った。
脂肪酸組成(FAC)をMPOB p3.4 Part 1 to Part 4:“Determination of Fatty Acid Composition(FAC)as t‐Methyl ester”で指定された方法に従い、キャピラリーカラムガスクロマトグラフィーによって得られたパームおよびパーム油生成物のメチルエステル(FAME)として決定する。試験で使用するガスクロマトグラフ(Clarus500,Perkin Elmer)は、フレームイオン化検出器と、長さ30mおよび内径250μmの溶融石英毛管カラム(Supelco)とを備え、FAMEの個々のピークを得る。FAMEピークは、それらの保持時間を標準の保持時間と比較することによって特定される。相対的脂肪酸パーセントを、油サンプルの全脂肪酸の全ピーク面積に対する脂肪酸種のピーク面積に基づいて算出する。
二元混合物がα、β、またはβ’形で結晶化するかどうかに関して二元混合物の多形体を調査するためにXRD分析を実施した。脂肪結晶の多形体を、FR592 Enraf‐Nonius DiffractisX線発生装置(Delft, The Netherlands)および外部循環恒温槽によって温度制御された特別注文の単一区画化セルを備えたEnraf‐Nonius model FR 552 Guinierカメラで測定した。溶融した油(333K)を、Tcにセットしたセルに入れた。全ての多形体相が完全に観察されるまでサンプルを等温で保持した。直接暴露したKodak(Eastman Kodak CO., Rochester, NY)診断フィルム(カタログ番号1558162)を使用し、X線フィルム上の回折線間隔を、照明付き拡大鏡下で最近傍0.001nmまで読み取ることができるEnraf‐Nonius Guinier Viewer Cameraで測定した。
実施例1: パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリン/パーム中融点画分(PMF)
この実施例は、本発明のベーカリーショートニングの実施の形態を説明している。ここで、ベーカリーショートニングは上述の方法を用いて調製されたパームジアシルグリセロールステアリンとパーム中融点画分を含んでいる。
異なる量のパームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンとパーム中融点画分(PMF)を含むショートニングを測定した。その結果は表1に示す通りであった。
PDAGステアリンは高組成のパルミチン酸を有し、このことが55.07℃の高SMPに寄与し、それを食品用途として望ましくないものにしている。一方、鋭い融点によって特徴付けられる硬質PMFは32.10℃の低SMPを有している。PDAGステアリンとPMFのブレンドは、二元混合物のSMPを約55.07℃から50.6℃までゆっくりと減少させることが示されている(表1)。PDAGステアリンとPMFのブレンドは、PDAGステアリンの高SMPを最高9%まで減少させることを示している。
PDAGステアリンとPMFのブレンドは、PDAGステアリンとPMFの二元混合物において特に約37℃の体温で所望の脂肪レベルを達成できる。表1の結果からわかるように、10%〜60%のPMFとPDAGステアリンを含むブレンドは、25℃では約48%から30%まで、40℃では約25%から10%までSFCプロフィールにおける減少を示している。37℃での測定された読み(不掲載)は、約23%から12.5%までSFCプロフィールにおける減少を示している。PDAGステアリンとPMFの全ての二元混合物は60℃で完全に液体である。
脂肪酸組成(FAC)に関して、PDAGステアリンは概してPMFよりも多量のパルミチン酸を含んでいる。パームオレインの乾式分別法から製造されるPMFは、概してPDAGステアリンよりも多量のオレイン酸を含んでいる。PDAGステアリンとPMFとをブレンドすることによって、PDAGステアリンとPMFの二元混合物に存在するオレイン酸の量が増加し、パルミチン酸とリノール酸の量が減少する。二元混合物のオレイン酸の増加ならびにパルミチン酸とリノール酸の減少は、PDAGステアリンとPMFの二元混合物の物理化学的および機能的特性の変化と関連している。
多形体に関して、PDAGステアリンとPMFはどちらもβ形で結晶化する。2つの二元混合物、すなわち、表1に示されるAとBだけが、XPDAGSt=0.4およびXPDAGSt=0.5のβ’+β形の混合物(すなわち、PDAGステアリンが40%および50%の量で夫々存在する場合)で結晶化する。
実施例2: パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリン/精製・漂白・脱臭パーム油(RBDPO)
パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンと精製・漂白・脱臭(RBDPO)を含むショートニングについて測定した。その結果は表2に示す通りであった。
相当量の不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸を有するRBDPOは、約38.8℃のSMPを有している。多量のパルミチン酸を有するPDAGステアリンは、約59.40℃の高SMPに寄与し、それを食品用途として望ましくないものにしている。PMFと同様に、10%〜60%のRDBPOのPDAGステアリンのブレンドは、PDAGステアリンとRDBPOの二元混合物のSMP値を約51.98℃から約50.2℃に減少させることを示している(表2)。
RBDPOとPMFはどちらも異なるSFCプロフィールを有している。PMFと同様に10%〜60%のRBDPOとPDAGステアリンを含むブレンドは、25℃の室温で約45.53%から28.86%、40℃で約39.09%から14.85%のSFCプロフィールにおける減少を夫々示している。37℃での測定(不掲載)は約40.61%から18.07%のSFCプロフィールにおける減少を示している。60℃以上で完全に液体であるXPDAGSt=0.7対XPDAGSt=0.9の二元混合物(すなわち、PDAGステアリンが夫々70%対90%の範囲で存在する場合)を除いて、PDAGステアリンとRBDPOの全ての二元混合物は60℃で完全に液体である。
FACに関して、PMFの飽和脂肪酸組成はRBDPOよりもはるかに高い。RBDPOのDAGステアリンへの添加は、PDAGステアリンとRBDPOの二元混合物に存在するオレイン酸の量において27.18%から33.33%に増加およびパルミチン酸において59.24%から51.72%に減少した(表2)。
多形体に関して、PDAGステアリンはβ形で結晶化し、一方、RBDPOはβ’+β形で結晶化した。PDAGステアリンとRBDPOの1つの二元混合物だけがβ’+β形、すなわち、XPDAGSt=0.4の二元混合物(すなわち、PDAGステアリンが40%の量で存在する、表2に示される混合物A)で結晶化した。40%超のPDAGステアリンを含むPDAGステアリンとRBDPOの二元混合物が硬質ショートニング系に寄与することが示唆される。
実施例3: パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリン/パームオレイン(POL)
パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンとパームオレイン(POL)を含むショートニングを測定した。その結果は表3に示す通りであった。
PDAGステアリンは約59.40℃の高SMPを有し、POLは約14.40℃の低SMPを有している。それでも10%〜60%のPOLとPDAGステアリンを含むショートニングのブレンドは、PDAGステアリンとPOLの二元混合物(59℃から53.3℃の9.66%低下)において予想されるような大きな温度低下をもたらさない。
PDAGステアリンは硬質固体脂肪であり、一方、POLは室温で完全に液体のように見える。10%〜60%のPOLとPDAGステアリンを含むブレンドは、25℃の室温で約44.28%〜19.91%および40℃で約38.47%〜約13.41%の範囲のSFCプロフィールを有するPDAGステアリンとPOLの二元混合物を産生した。37℃での測定(不掲載)は、約41%から15%のSFCプロフィールにおける減少を示した。PDAGステアリンとPOLの二元混合物は全て、XPDAGSt=0.8対XPDAGSt=0.9(すなわち、PDAGステアリンが80%対90%の範囲で存在する場合)の二元混合物を除いて、60℃で完全に液体である。
PDAGステアリンはオレイン酸よりも多量のパルミチン酸を含んでいる。一方、POLはパルミチン酸よりも多量のオレイン酸を含んでいる。PDAGステアリンとPOLの二元混合物は全て、多量のパルミチン酸とそれに続くオレイン酸とリノール酸を含むことが観察できる。POLをPDAGステアリンに添加すると、パルミチン酸の量が最高5%まで減少し、オレイン酸の量が最高10%まで増加した。二元混合物の不飽和脂肪酸に対する飽和脂肪酸の比は1.2〜2.0の範囲である。
POLの多形体は、結晶化が非常に低い融点で起こったため検出できなかった。40%〜90%のPDAGステアリンとPOLを含む二元混合物は全てβ形で結晶化した。このことは、PDAGステアリンとPOLの二元混合物は硬質ショートニング系を形成することを意味している。これは、PDAGステアリンとPMF、ならびにPDAGステアリンとRBDPOを含む他の混合物と比べて、二元混合物の高いSMPによるものである。
実施例4: パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリン/ヒマワリ油(SFO)
パームジアシルグリセロール(PDAG)ステアリンとヒマワリ油(SFO)を含むショートニングを測定した。その結果は表4に示す通りであった。
PDAGステアリンのSMPはショートニングにしては高い。POLと同様に、10%〜60%のSFOとPDAGステアリンを含むブレンドは、PDAGステアリンとSFOの二元混合物における59.30℃(10%SFO)から54.40℃(60%SFO)の8.26%の減少で予想されるような大きな温度低下をもたらさない。
脂肪含有量に関して、結果は、PDAGステアリンとSFOの二元混合物のSFCプロフィールがPDAGステアリンとPOLの二元混合物とほぼ類似していることを示している。10%〜60%のSFOとPDAGステアリンを含むブレンドは、25℃の室温で約43.67%〜約18.7%、および40℃で約38.78%〜13.49%の範囲のSFCプロフィールを有するPDAGステアリンとSFOの二元混合物を夫々製造した。37℃での測定(不掲載)は、約40.27%から14.32%のSFCプロフィールにおける減少を示している。XPDAGSt=0.7対XPDAGSt=0.9の二元混合物(すなわち、PDAGステアリンが70%〜90%の範囲で存在する場合)を除いて、PDAGステアリンとSFOの二元混合物は全て60℃で完全に液体である。
PDAGステアリンにおける主要な脂肪酸はパルミチン酸であり、オレイン酸およびステアリン酸がそれに続く。一方、SFOにおける主要な脂肪酸はリノール酸であり、オレイン酸およびパルミチン酸がそれに続く。表4に記載されるPDAGステアリンとSFOの二元混合物はそれらの純粋な成分と比べて多少の多様性を示している。SFOとPDAGステアリンのブレンドは、パルミチン酸の量が13%まで大幅に減少し、そしてリノール酸の量が50%まで増加した。二元混合物における不飽和脂肪酸に対する飽和脂肪酸の比は0.2〜2.4の範囲である。
上述のPOLと同様に、結晶化が非常に低い温度で起こったため、SFOの多形体も検出できなかった。PDAGステアリンとSFOの二元混合物はXPDAGSt=0.4およびXPDAGSt=0.5で(すなわち、PDAGステアリンが夫々40%および50%の量で存在する場合)β’+β形で結晶化したことがわかる。他のPDAGステアリンとSFOの二元混合物はXPDAGSt=0.6対XPDAGSt=0.9のβ形(すなわち、PDAGステアリンが夫々60%対90%の量で存在する場合)で結晶化し、これはPDAGステアリン結晶化挙動と類似している。
実施例5: 市販のショートニングとの比較
4種のショートニングの全体的な挙動を、以下の表5で市販のショートニングの測定値と合わせて纏めている:
ショートニングに存在する固体の量は、25℃の加工温度と37℃の体温でのその官能性に左右される。体温で、固体の量は、ショートニングの官能特性(organoietic properties)を維持するために高すぎてはならない。最適ベーキング性能のために、ベーカリーショートニングは、加工温度(25℃)で最低約20%の固体脂肪含有量(SFC)そしてまた(約40℃の)高温で最低約5%のSFCを有する必要がある。上記結果から、PDAGステアリンとPMFの組合せは、市販のショートニングと35℃でほぼ類似した固体脂肪のパーセンテージと市販のショートニングと近接したSFCプロフィールを達成できるため、4つのブレンドの中で最良の結果を示すことがわかる。
他のブレンドに関して、PDAGステアリンとRBDPOは30℃を超える温度でさえも高い値のSFCを有する緩徐型溶融プロフィールを有することがわかる。一方、PDAGステアリンとPOL、ならびにPDAGステアリンとSFOのブレンドは、さらに低いSFC温度で非常に低い脂肪含有量を有する(図4参照)。このプロフィールは市販のショートニングのSFCプロフィールとは全く異なっている。PDAGステアリンとPMFブレンドの飽和脂肪酸は他のブレンドよりも高いが、PDAGステアリンとPMFブレンドにおける適切なブレンド組合せは、所望のβ’+β形の挙動を得ることができる。この選択されたブレンド系は、等凝固線(iso-solid line)が隣接する線と近接している高度の構造上の相補性を有し、これによりブレンドは二成分系において完全に混和性になる。
したがって、最良の組合せはPDAGステアリンとPMFを含むショートニングであり、好ましくは40:60または50:50のPDAGステアリン対PMFのブレンド組成を有する。SFC以外に調査される他の重要なパラメータは、X線回折(XRD)によって分析される多形体挙動である。このブレンドは凝固して複数の結晶形になり得る。PDAGステアリンとPMFはどちらもβ’+β形で結晶化できる。
表6から、PDAGステアリンとPMFを含むショートニングは市販のショートニングに匹敵する仕様を有し、したがって、それらは市販のショートニングの代替の選択肢として使用できる。
パームジアシルグリセロール(PDAG)オレインを含む配合物の調製
Matsui et al., J. Agric. Food Chem. 46:3879−3884(2001)にしたがって、40%のジアシルグリセロールは、好ましくは有益な健康効果を達成するために食用脂肪組成物において必要とされる。パームステアリンと様々なヨウ素価のパームジアシルグリセロール(PDAG)オレインのブレンドを30%〜90%のパームジアシルグリセロール(PDAG)オレインの組成で調製した。固体脂肪含有量(SFC)、スリップ融点(SMP)、脂肪酸組成物(FAC)およびX線微分(XRD)分析を含む4つの分析を様々なブレンドに関して実施した。
実施例6: パームジアシルグリセロール(PDAG)オレインIV56/パームステアリン(PS)
表7は、56のヨウ素価(IV)を有するパームジアシルグリセロール(PDAG)オレイン、パームステアリン(PS)、ならびにパームジアシルグリセロール(PDAG)オレインIV56とパームステアリン(PS)の二元混合物のSMP、SFCとFACを示している。
PDAGオレインIV56は、約24℃の最高SMPを有するノルマルパームオレインIV56と比較して、33.3℃のより高いSMPを有する。これは、PDAGオレインに存在する多不飽和脂肪酸の量が少ないことと、トリグリセリド油の3つの脂肪酸の代わりに2つの脂肪酸がグリセロール分子上でエステル化する場合に形成される油自体の性質による可能性がある。しかしながら、PDAGオレインIV56自体は、ベーカリーショートニングにしては軟質であると見なすことができる。不飽和脂肪酸よりも多くの飽和脂肪酸を含むパームステアリン(PS)は50℃の高SMPを有する。30%〜70%のパームステアリン(PS)のPDAGオレインIV56への添加は、PDAGオレインIV56とPSの二元混合物のSMPにおいて、38.3℃〜43.5℃の増加を示した(表7参照)。二元混合物のこれらのSMPは、ベーカリーショートニングのSMPの所望の範囲内にある。JomaマーガリンベースのベーカリーショートニングについてのSMPの好適な範囲は、36℃〜51℃である。好ましくは、ベーカリーショートニングのSMPは40℃〜44℃である。
PDAGオレインIV56、パームステアリン(PS)、ならびにPDAGオレインIV56とPSの二元混合物のSFCを、NMR法を用いて決定した。PDAGオレインIV56は室温(25℃)で約10.72%、体温(37℃)で3.37%のSFCを有し、50℃で完全に液体である。一方、パーム油の乾式分別法から得られるパームステアリン(PS)は、室温(25℃)で約50.2%、体温(37℃)で19.8%の高いSFC含有量を有し、55℃で完全に液体である。30%〜70%のパームステアリン(PS)のPDAGオレインIV56への添加は、PDAGオレインIV56とPSの二元混合物のSFCにおいて室温(25℃)で約16%から30.36%(表7参照)および体温(37℃)で6.7%から14%(不掲載)の増加を示した。PSのPDAGオレインIV56とPSの二元混合物への添加は、二元混合物の固体脂肪含有量をベーカリーショートニングに好適な所望のレベルまでゆっくりと改善したことがわかる。
FACに関して、PDAGオレインIV56は、高組成のオレイン酸(47.58%のC18−1)を有し、パルミチン酸(36.78%のC16)がそれに続く。一方、パームステアリン(PS)は高組成のパルミチン酸(55.49%のC16)を有し、オレイン酸(30.94%のC18−1)がそれに続く。PDAGオレインIV56とPSの二元混合物のパームステアリン(PS)の量を増加させると、ショートニング配合物の油脂の所望のレベルまで、二元混合物の飽和脂肪酸が増加し、不飽和脂肪酸が減少した。所望のレベルは、約50.35%のC16(パルミチン酸)と36.27%のC18−1(オレイン酸)を有する対照のJomaショートニングに近くなければならない。PDAGオレインIV56とPSの二元混合物におけるFACの変化は、二元混合物の物理化学的および機能的特性における変化と関連する可能性がある。
実施例7: パームジアシルグリセロール(PDAG)オレインIV62/パームステアリン(PS)
62のヨウ素価(IV)を有し、高組成のオレイン酸を有するPDAGオレインは22.1℃の低SMPを有し、これによってPDAGオレインIV62はPDAGオレインIV56よりも軟質になる。不飽和脂肪酸よりも多量の脂肪酸を含むパームステアリン(PS)は、51℃の高SMPを有する。表8から、30%〜70%のパームステアリン(PS)のPDAGオレインIV62への添加の結果、PDAGオレインIV62とPSの二元混合物のSMPが30.9℃〜44℃の増加が起こったことがわかる(表8参照)。PDAGオレインIV62とPSの二元混合物のこの範囲のSMPは、二元混合物をベーカリーショートニングに適用されるのにより実用的にする。
PDAGオレインIV62は室温(25℃)で約5.26%のSFCを有し、体温(37℃)で完全に液体である。一方、パームステアリン(PS)は室温(25℃)で約52%、体温(37℃)で約20%の高SFC含有量を有し、55℃で完全に液体である。表8で、30%〜70%のパームステアリン(PS)をPDAGオレインIV62に添加すると、PDAGオレインIV62とPSの二元混合物のSFCにおいて、室温(25℃)で12.58%〜31.13%、体温(37℃)で3.2%〜11%(不掲載)の増加が起こったことがわかる。これは、PDAGオレインIV62とPSの二元混合物のSFCの量を改善し、二元混合物をベーカリーショートニングとしての使用に好適にする。
FACに関して、PDAGオレインIV62は、PDAGオレインIV56(47.58%のC18−1、36.78%のC16)と比べて、より高組成のオレイン酸(51.36%のC18−1)およびより低組成のパルミチン酸(31.98%のC6)を有する。一方、パームステアリン(PS)は高組成のパルミチン酸(55.69%のC16)を有し、オレイン酸(30.78%のC8−1)がそれに続く。PDAGオレインIV62はより多くの不飽和脂肪酸およびより少ない飽和脂肪酸を有するが、30%〜70%のパームステアリン(PS)のPDAGオレインIV62への添加は、PDAGオレインIV56とPSの二元混合物と比較して、PDAGオレインIV62とPSの二元混合物に存在する飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の量においてそれほど差を生じなかった。
実施例8: パームジアシルグリセロール(PDAG)オレインIV64/パームステアリン(PS)
64のヨウ素価(IV)を有するPDAGオレインは、PDAGオレインIV56とPDAGオレインIV62よりも高パーセンテージのオレイン酸を有する。それは、24.9℃のSMPを有する。不飽和脂肪酸よりも多量の飽和脂肪酸を含むパームステアリン(PS)は51℃の高SMPを有する。30%〜70%のパームステアリン(PS)をPDAGオレインIV64に添加すると、PDAGオレインIV64とPSの二元混合物のSMPにおいて27.5℃〜45.3℃の増加が起こった(表9参照)。
PDAGオレインIV64は室温(25℃)で約6.41%のSFCを有する。PDAGオレインIV62と同様に、それは体温(37℃)で完全に液体である。一方、パームステアリン(PS)は室温(25℃)で約52%、体温(37℃)で約20%の高SFC含有量を有し、55℃で完全に液体である。表9から、30%〜70%のパームステアリン(PS)をPDAGオレインIV64に添加すると、PDAGオレインIV64とPSの二元混合物のSFCにおいて、室温(25℃)で12.46%〜30.51%、体温(37℃)で2.43%〜9.83%(不掲載)の増加が起こったことがわかる。以前のブレンド系と同様に、PDAGオレインIV64とPSの二元混合物はベーカリーショートニングとして使用されるPDAGオレインIV64の適合性を改善した。
FACに関して、PDAGオレインIV64は52.91%のオレイン酸(C8−1)と30.49%のパルミチン酸(C16)を有している。以前の二元混合物で考察したFAC結果と類似して、パームステアリン(PS)は高パルミチン酸(55.69%のC16)含有量を有し、オレイン酸(30.78%のC18−1)がそれに続く。30%〜70%のパームステアリン(PS)のPDAGオレインIV64への添加は、実施例6に示されるようなPDAGオレインIV56とPSの二元混合物に関してなされた観察と同様に、PDAGオレインIV64とPSの二元混合物に存在する飽和脂肪酸の量を増加させ、不飽和脂肪酸の量を減少させることが示された。
実施例9: パームジアシルグリセロール(PDAG)オレイン系ベーカリーショートニングの選択されたブレンド配合物
表10は、5つの異なるPDAGショートニング配合物(40DAGOL56、40DAGOL62、50DAGOL62、40DAGOL64、50DAGOL64);市販のJoma(CS)ショートニングおよびCheong Ling Zhi(2010),“Baking performance of palm diacylglycerol bakery fats and sensory evaluation of baked products”, Eur. J. Lipid Sci. Technol. (2010), WILEY-VCH Verlag GmbH & Co. KGaAによって開発されたパームジアシルグリセロール(PDG)ショートニングの物理化学的特性を示している。CSショートニングを標準的基準として使用して、スリップ融点(SMP)、固体脂肪含有量(SFC)、脂肪酸組成物(FAC)および多形体の点でショートニング特性を比較することによってPDAGショートニングを開発した。一方、Ling Zhiによって開発されたPDGショートニングは、パームベースのジアシルグリセロール(DAG)から製造されるため、ガイドラインとして使用した。
5つの異なるPDAGショートニングは、PDAGオレインとパームステアリン(PS)を以下の量で含んでいる:
・ ショートニングF(40DAGOL56)は、40%のPDAGオレインIV56と60%のPSを含み、
・ ショートニングG(40DAGOL62)は、40%のPDAGオレインIV62と60%のPSを含み、
・ ショートニングH(50DAGOL62)は、50%のPDAGオレインIV62と50%のPSを含み、
・ ショートニングI(40DAGOL64)は、40%のPDAGオレインIV64と60%のPSを含み、
・ ショートニングJ(50DAGOL64)は、50%のPDAGオレインIV64と50%のPSを含む。
PDAGオレインとパームステアリン(PS)の組合せから開発された5つのPDAGショートニングの全てが42℃〜43℃の範囲のSMPを有することが観察できた。これはCSショートニング(SMP46.87℃)よりも低いが、PDGショートニング(SMP41.5℃)よりも若干高い。配合されたPDAGベーカリーショートニングは全て、約54.95%の少ない飽和脂肪酸を有するCSショートニングよりも少ない42%〜53%の飽和脂肪酸を有している。しかしながら、多形体に関して、50DAGOL62は、CSショートニングやPDAGショートニングと同様にβ’+β形で結晶化する他のPDAGショートニングと比べてβ形のみで結晶化するので、あまり好ましくない結晶形成を示した。
図5は、NMR法によって測定されたPDAGショートニング(40DAGOL56、40DAGOL62、5QDAGOL62、40DAGOL64、50DAGOL64)、CSショートニングならびにPDGショートニングのSFC曲線を示している。全てのPDAGショートニングのSFCプロフィールは、CSショートニングとPDGショートニングのSFCプロフィールの間であったことがわかる。
実施例10: PDAGショートニングと市販のJomaショートニングから調製されるマデイラケーキのベーキング性能
マデイラケーキのレシピを表11に示した。まず、汎用小麦粉、膨らし粉入りの小麦粉、砂糖と塩を含む乾燥成分を、成分が均一な分散状態が形成されるまで混合した。その後、ショートニングと砂糖を、薄く柔らかくなるまで約10〜15分間合わせてクリーム状にした。複数の卵を添加し、その間に香料と一緒に十分泡立てた。乾燥成分を混合物に3分間最低速度でゆっくりと混合した。最後に、約400gの生地を、油紙(grease roof paper)を敷いた2つの丸形ケーキ焼型(内径140mm)に夫々入れた。生地を160℃のオーブン中で約1時間焼いた。ナタネ置換法(rapeseed displacement method)を用いて、ケーキが十分冷めたら重量と体積を測定した。ケーキの比体積を次いで測定した。
表12は、実施例9で記載された市販のJoma(CS)ショートニングとPDAGショートニングF〜Jから調製されたマデイラケーキの比体積を示し、表13は、CSショートニングと比較した、PDAGショートニングF〜Jから調製されたマデイラケーキの比体積のパーセンテージを示している。全てのPDAGショートニングF〜Jは、CSショートニングよりも良好なベーキング性能をもたらしたことがわかる(図6参照)。これらの結果は、パームベースのDAGオレインから配合されたPDAGショートニングがケーキを焼くために好適であることを示している。顧客受入検査を実施した。その結果は、PDAGショートニングFから調製されたマデイラケーキが、色、テクスチャー、匂い、試験と全体的受容性の点で最高得点を付けられたことを示している(表14参照)
実施例11: PDAGショートニングと市販のショートニングから調製されるビスケットのベーキング性能
ビスケットのレシピを表15に示す。まず、混合物が薄く柔らなくなるまで、ショートニングを粉砂糖とともに3〜5分間泡立てた。卵を混合物に添加し、続いてバニラ香料を添加した。塩と小麦粉を含む乾燥成分を添加し、ビスケット生地が形成されるまで混合した。成形したビスケットを次いで180℃のオーブン中で20分間焼いた。ビスケットを焼き、十分冷ました後、ビスケットの幅と厚さを測定し、記録した。ビスケットのベーキング性能は、ビスケットスプレッド値(ビスケット幅とビスケット厚さとの比)を算出することによって決定した。
表16は、CSショートニングならびにPDAGオレインから配合された3種のPDAGショートニングF、IおよびJから実施例9で規定された組成で調製したビスケットの平均ビスケットスプレッドを示している。結果は、PDAGショートニングFから調製されたビスケットは2.89の最高平均ビスケットスプレッドを有し、CSショートニングの2.73がそれに続くことを示している。それにもかかわらず、PDAGショートニングJを除いて、CSショートニングおよびPDAGショートニングから調製される平均ビスケットスプレッド間で値にたいした差はなかった。Sikorski, D, In: Katsugi, Y. et al., AOCS Press: Champaign, Illinois, pp. 223:252(2004)によって報告されているように、ビスケットスプレッドの減少は、グルテン発生を増強することができ、それがビスケットスプレッドの減少に至るからであった。全体として、PDAGショートニングから調製されたビスケットは、スナップの種類およびサクサク感に関して、特にPDAGショートニングFについて許容された。全てのビスケットのベーキング性能は図7に示す通りである。
上記は発明者が発明と見なす主題の説明であり、他者が上記開示に基づいて本発明を含む別の系(alternative systems)を設計することができ、また設計すると思う。
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Claims (25)

  1. パームジアシルグリセロールステアリンとパーム中融点画分とを含むベーカリーショートニングであって、前記パーム中融点画分が32〜48のヨウ素価を有するベーカリーショートニング。
  2. 前記パームジアシルグリセロールステアリンは、ベーカリーショートニングの総重量に対して40重量%〜50重量%で存在する、請求項1に記載のベーカリーショートニング。
  3. 前記パーム中融点画分は、ベーカリーショートニングの総重量に対して50重量%〜60重量%の範囲で存在する、請求項1に記載のベーカリーショートニング。
  4. 前記パームジアシルグリセロールステアリンと前記パーム中融点画分は40:60の重量比で存在する、請求項1に記載のベーカリーショートニング。
  5. 前記パームジアシルグリセロールステアリンと前記パーム中融点画分は50:50の重量比で存在する、請求項1に記載のベーカリーショートニング。
  6. 前記パームジアシルグリセロールステアリンは、80%〜100%のジアシルグリセロールを含む、請求項1に記載のベーカリーショートニング。
  7. 前記ベーカリーショートニングは、ジアシルグリセロールで強化され、40%以上のジアシルグリセロールを含む、請求項1に記載のベーカリーショートニング。
  8. 前記ベーカリーショートニングは、46℃〜51℃のスリップ融点を有する、請求項1に記載のベーカリーショートニング。
  9. 前記パーム中融点画分は、32℃〜38℃のスリップ融点を有する、請求項1に記載のベーカリーショートニング。
  10. 前記パーム中融点画分は、20℃で45%〜90%の固体脂肪含有量を有する、請求項9に記載のベーカリーショートニング。
  11. 56〜64のヨウ素価を有するパームジアシルグリセロールオレインとパームステアリンを含むベーカリーショートニング。
  12. 前記パームステアリンは、32〜46のヨウ素価を有する、請求項11に記載のベーカリーショートニング。
  13. 前記パームジアシルグリセロールオレインは、ベーカリーショートニングの総重量に対して30〜70重量%の範囲で存在する、請求項11に記載のベーカリーショートニング。
  14. 前記ベーカリーショートニングは、35℃で5%〜16%の固体脂肪含有量を有する、請求項11のベーカリーショートニング。
  15. 前記ベーカリーショートニングは、36℃〜51℃のスリップ融点を有する、請求項11に記載のベーカリーショートニング。
  16. 前記ベーカリーショートニングは、乳化剤を含まない、請求項1〜11に記載のベーカリーショートニング。
  17. ベーカリーショートニングを製造する方法であって、
    パームジアシルグリセロールステアリンと32〜48のヨウ素価を有するパーム中融点画分とを混合、または56〜64のヨウ素価を有するパームジアシルグリセロールオレインとパームステアリンとを混合して混合物を得るステップと、
    前記混合物を冷却し、可塑化して結晶を形成し、予め決められた硬度のベーカリーショートニングを得るステップと、
    前記ベーカリーショートニングを予め決められた期間テンパリングして前記ベーカリーショートニングが通常利用される固体状態を達成するステップと、を含む方法。
  18. 前記ベーカリーショートニングを1〜10日間、ベーカリーショートニングがパックされる温度よりも高い温度でテンパリングされる、請求項17に記載の方法。
  19. 前記パームジアシルグリセロールステアリンが前記ベーカリーショートニングの総重量に対して40重量%〜50重量%の範囲で混合される、請求項17に記載の方法。
  20. 前記パームジアシルグリセロールオレインが前記ベーカリーショートニングの総重量に対して30重量%〜70重量%の範囲で混合される、請求項17に記載の方法。
  21. 前記パームジアシルグリセロールステアリンと前記パーム中融点画分が40:60の重量比で存在する、請求項17に記載の方法。
  22. 前記パームジアシルグリセロールステアリンと前記パーム中融点画分が50:50の重量比で存在する、請求項17に記載の方法。
  23. 前記パームジアシルグリセロールオレインと前記パームステアリンが40:60の重量比で存在する、請求項17に記載の方法。
  24. 前記パームステアリンは32〜46のヨウ素価を有する、請求項17に記載の方法
  25. 請求項1〜11に記載のベーカリーショートニングを含む食品。
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