JP2008161153A5 - - Google Patents

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上記目的を達成するため、本発明に係る生芋の長期保存方法は、芋焼酎の原料となる生芋を殺菌治療室に保管し、第1室内温度及び第1室内湿度に一定に保持し、室内の二酸化炭素濃度を一定値以下に保持し、生芋に中速度な風速で風を当てつつ短期間で殺菌治療する工程と、生芋を貯蔵室に保管し、第2室内温度及び第2室内湿度に一定に保持し、室内の二酸化炭素濃度を一定値以下に保持し、室内の空気を微風循環させて生芋を長期間にわたり貯蔵する工程と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る生芋の長期保存方法は、芋焼酎の原料となる生芋を生芋保存室に保管し、第1室内温度及び第1室内湿度に一定に保持し、室内の二酸化炭素濃度を一定値以下に保持し、生芋に中速度な風速で風を当てつつ短期間で殺菌治療する工程と、生芋を生芋保存室に保管し、第2室内温度及び第2室内湿度に一定に保持し、室内の二酸化炭素濃度を一定値以下に保持し、室内の空気を微風循環させて生芋を長期間にわたり貯蔵する工程と、を備えることを特徴とする。
また、殺菌治療室及び貯蔵室内は、それぞれ所定の温度及び湿度が保持され、生芋は腐敗から保護される。また、適切な室内換気を行うことで、室内の二酸化炭素濃度が一定値以下に保持され、室内の温度分布のばらつきが減少する。さらに、殺菌治療する工程において生芋に中程度な風速の風を当て、貯蔵する工程において室内の空気を微風循環させることで、生芋に対して適切な環境を設定でき、その品質を保持しながら長期保存することが可能となる。
生芋30の殺菌治療装置1は、室内温度管理手段3、室内湿度管理手段8、室内CO濃度管理手段12、室内オゾン濃度管理手段16、及び空気流発生手段20から構成される。また、室内温度管理手段3は、殺菌治療室2内を加熱する空気加熱冷却ユニット4と、室内温度を計測する温度センサ6と、空気加熱冷却ユニット4を制御し、室内温度を一定の常温に保持する温度制御部7とから構成される。また、室内湿度管理手段8は、殺菌治療室2内を加湿する加湿器9と、室内湿度を計測する湿度センサ10と、加湿器9を制御し室内湿度を飽和状態に保持する湿度制御部11とから構成される。また、室内CO濃度管理手段12は、殺菌治療室2内を換気する換気装置13と、室内の二酸化炭素濃度を計測するCO濃度センサ14と、換気装置13を制御し室内の二酸化炭素濃度を一定値以下とする換気装置制御部15とから構成される。さらに、室内オゾン濃度管理手段16は、殺菌治療室2の内部にオゾン及び負イオンを発生させる負イオン・オゾン発生器17と、オゾン濃度センサ18と、負イオン・オゾン発生器17を制御し室内のオゾン濃度を一定値以下に制御するオゾン濃度制御部19とから構成される。
すなわち、生芋30の殺菌治療装置1は、殺菌治療室2内を第1室内温度及び第1室内湿度に一定に保持し、殺菌治療室2内の二酸化炭素濃度を一定値以下に保持し、生芋30に中程度な風速の風を当てつつ短期間で殺菌治療する。また、生芋30の殺菌治療装置1は、殺菌治療室2内を換気し、室内の二酸化炭素濃度を一定値以下とすることで芋をその品質を保持しつつ殺菌治療を施すことが可能となる。このように生芋30に対して適格な環境を保持し、生芋30をその品質を保持しつつ健全な状態とする。この殺菌治療室2による生芋30の殺菌治療は、24時間〜36時間行われる。
殺菌治療室2内は、略40℃の第1室内温度に設定されて保持される。この室内温度の設定及び保持は、室内を加熱する空気加熱冷却ユニット4を設置し、室内に設置された温度センサ6の計測値に連動する室内温度管理手段3により制御される。この加熱器4はヒートポンプ式の空気調和機であっても良い。また、殺菌治療室2内は、98%〜100%の第1室内湿度に設定されて保持される。この室内湿度の設定及び保持は、室内を加湿する加湿器9を設置し、室内に設置された湿度センサ10の計測値に連動する室内湿度管理手段8により制御される。
空気流発生手段20は、差圧式を用いて殺菌治療室2内の各生芋30に中程度な風速の風を当てる。図3を用いて、差圧式を用いた空気流発生手段20を説明する。生芋30は、生芋保管室23に並べられて殺菌治療される。この生芋保管室23は、天井24及び隔壁25により閉鎖される。この天井24及び隔壁25により、殺菌治療室2は、生芋保管室23、側室A27、側室B28、及び天井裏29に区分けされる。この隔壁25には、通気するための開口26が設けられる。天井面に設置された有圧換気扇5が動作すると、側室A27内の空気は負圧され天井裏29の空気は加圧される。従って、室内の空気は、図中の矢印の方向に流れ、隔壁25から流入した空気は生芋30が収納されたネットがご31の間隙を通過する。これにより、各生芋30には中程度な風速の風が当る。
図3及び図4に、天井裏29の空気流を示す。有圧換気扇5から吹き出された空気は、空気加熱冷却ユニット4により加熱され、空気の流路内に設置された空調用ダンパ51a,51bを通過する。この空調用ダンパ51a,51bは、ダンパの機能により空気流の風量を調節する。この空調用ダンパ51を通過した空気は、負イオン・オゾン発生器17aにより負イオン及びオゾンが付加されて側室B28へと向かう。図3に示すように、側室B28では、加湿器9によりドライフォグが噴霧され空気が加湿される。なお、この天井裏29には、冷凍器35が設置され、空気の温度が略40℃を超える場合には冷却しても良い。
この中程度な風速の風とは、毎秒1〜2m程度前後の風速の風をいう。この風は殺菌治療室2の内部に差圧による空気流を発生させ、その空気流により各生芋30に中程度な風速の風を当てるものである。これにより、空気流とともに各生芋30に酸素が行き渡り、各生芋30が発生した二酸化炭素が空気流とともに回収される。
(生芋の放熱及び水切り工程)
殺菌治療の工程が終了した生芋30は、高温(略40℃)であった殺菌治療の工程から、比較的低温(14℃〜15℃)で長期貯蔵する工程に移る準備として放熱される(S4)。この放熱により、生芋30の表面の温度を冷却し、発芽による鮮度の低下を防ぐ。また、高湿度(98%〜100%)でありその表面に水滴が付着する可能性のある殺菌治療の工程から、低温高湿度(90%〜95%)で長期貯蔵する工程に移る準備として、その表面に付着した水滴の水切りを行う(S4)。この生芋30の表面に付着した水分を除去することで、生芋30の腐敗の原因を除去する。この生芋30の放熱及び水切り工程は、殺菌治療室2内において、開口部のドア等を開放し、室内の換気装置13を略12時間程度稼動させることにより行う。或いは、次の工程である貯蔵室32内において開口部のドア等を開放し、室内の換気装置43を略12時間程度稼動させることにより行っても良い。
生芋30の貯蔵装置60は、室内温度管理手段33、室内湿度管理手段38、室内CO濃度管理手段42、室内オゾン濃度管理手段46、及び空気流発生手段50から構成される。室内温度管理手段33は、貯蔵室32内を加熱冷却する空気加熱冷却ユニット34と、室内温度を計測する温度センサ36と、空気加熱冷却ユニット34を制御し、室内温度を一定の常温に保持する温度制御部37とから構成される。室内湿度管理手段38は、貯蔵室32内を加湿する加湿器39と、室内湿度を計測する湿度センサ40と、加湿器39を制御し室内湿度を一定の高湿度に保持する湿度制御部41とから構成される。室内CO濃度管理手段42は、貯蔵室32内を換気する換気装置43と、室内の二酸化炭素濃度を計測するCO濃度センサ44と、換気装置43を制御し室内の二酸化炭素濃度を一定値以下とする換気装置制御部45とから構成される。さらに、室内オゾン濃度管理手段46は、貯蔵室32内にオゾン及び負イオンを発生させる負イオン・オゾン発生器47と、オゾン濃度センサ48と、負イオン・オゾン発生器47を制御し室内のオゾン濃度を一定値以下に制御するオゾン濃度制御部49とから構成される。
貯蔵室32内は、14℃〜15℃の第2室内温度に設定されて保持される。この室内温度の設定及び保持は、室内を加熱冷却する空気加熱冷却ユニット34を設置し、室内に設置された温度センサ36の計測値に連動する室内温度管理手段33により、室内温度をほぼ一定値(14℃〜15℃)に制御される。なお、この14℃〜15℃の設定温度は、生芋30がコガネセンガンである場合の設定温度であり、ジョイホワイト、ベニアズマ等の他の生芋の場合には、異なる設定温度となる場合がある。また、貯蔵室32内は、90%乃至95%の第2室内湿度に設定されて保持される。この室内湿度の設定及び保持は、室内を加湿する加湿器39を設置し、室内に設置された湿度センサ40の計測値に連動する室内湿度管理手段38により、室内湿度は、ほぼ一定値(90%〜95%)に制御される。
空気流発生手段50は、貯蔵室32内の各生芋30に微風を当てる。図6及び図7に、空気流発生手段50の1つの実施形態の概要を示す。天井面には、空気加熱冷却ユニット34が設置され、温風又は冷風を送風する。また、加湿器39は、二流体式による加湿器39であり、ドライフォッグを噴射する。この空気加熱冷却ユニット34を生芋30のネットかご61の側方の入口側62の上方に設置し、その送風の方向を図6に示すように下方に設定することで貯蔵室32内に空気流による循環風路が形成される。さらに、二流体式による加湿器39の位置を空気加熱冷却ユニット34から離れた、例えば図6のような位置に吊るし、その噴射の方向を、空気加熱冷却ユニット34からの送風が棚の入口側62に誘導するようにすると、貯蔵室32内の空気流の循環風路がより明確に形成される。
このように、空気加熱冷却ユニット34から送風された空気流は下方に向かうが、二流体式による加湿器39から噴射されたドライフォッグによりネットかご61の入口側62へと誘導される。同時に、その温風又は冷風は、ドライフォッグをネットかご61の入口側62へと運び込む。ネットかご61の内部は、このドライフォッグを含んだ空気流が通過可能な程度に上下方向に間隔が空けてある。従って、ドライフォッグを含んだ空気流は、ネットかご61の出口側63へと向かい、さらに上昇して加湿器39の噴射により上記風路を循環する。この循環するドライフォッグを含んだ空気流により各生芋30には酸素が行き渡り、各生芋30が発生した二酸化炭素が循環するドライフォッグを含んだ温風又は冷風とともに放出される。
殺菌治療室2にて、生芋保存室70として生芋の貯蔵工程を行う場合には、図3に示す隔壁25は撤去しても良い。生芋の貯蔵工程では、殺菌治療工程と異なり、生芋30に微風を当てて室内の空気を循環させるのが好ましいからである。また、図4に示す空調用ダンパ51aは閉としてダンパ51bのみ開とし、循環する空気については有圧換気扇5を停止して空気冷却ユニット4の送風機のみを活用する。生芋の貯蔵工程では、殺菌治療工程と異なり、室内温度は14℃乃至15℃に制御しなければならないからである。これらの点につき殺菌治療室2を改造することで、殺菌治療室2を生芋保存室70として生芋の貯蔵工程にも使用することが可能となる。
1 殺菌治療装置、2 殺菌治療室、3,33 室内温度管理手段、4,34 空気加熱冷却ユニット、5 有圧換気扇、6,36 温度センサ、7,37 温度制御部、8,38 室内湿度管理手段、9,39 加湿器、10,40 湿度センサ、11,41 湿度制御部、12,42 室内CO濃度管理手段、13,43 換気装置、14,44 CO濃度センサ、15,45 換気装置制御部、16,46 室内オゾン濃度管理手段、17a,17b,47 負イオン・オゾン発生器、18,48 オゾン濃度センサ、19,49 オゾン濃度制御部、20,50 空気流発生手段、22 室内給気口、23 生芋保管室、24 天井、25 隔壁、26 開口、27 側室A、28 側室B、29 天井裏、30 生芋、31,61 ネットかご、32 貯蔵室、35 冷凍器、36 収納ネット、51 空調用ダンパ、52 パレット、60 貯蔵装置、62 入口側、63 出口側、70 生芋保存室。

Claims (11)

  1. 芋焼酎の原料となる生芋を殺菌治療室に保管し、第1室内温度及び第1室内湿度に一定に保持し、室内の二酸化炭素濃度を一定値以下に保持し、生芋に中速度な風速で風を当てつつ短期間で殺菌治療する工程と、
    生芋を貯蔵室に保管し、第2室内温度及び第2室内湿度に一定に保持し、室内の二酸化炭素濃度を一定値以下に保持し、室内の空気を微風循環させて生芋を長期間にわたり貯蔵する工程と、
    を備えることを特徴とする生芋の長期保存方法。
  2. 請求項1に記載の生芋の長期保存方法において、殺菌治療室及び貯蔵室の内部に負イオン及びオゾンを発生させることを特徴とする生芋の長期保存方法。
  3. 芋焼酎の原料となる生芋を生芋保存室に保管し、第1室内温度及び第1室内湿度に一定に保持し、室内の二酸化炭素濃度を一定値以下に保持し、生芋に中速度な風速で風を当てつつ短期間で殺菌治療する工程と、
    生芋を生芋保存室に保管し、第2室内温度及び第2室内湿度に一定に保持し、室内の二酸化炭素濃度を一定値以下に保持し、室内の空気を微風循環させて生芋を長期間にわたり貯蔵する工程と、
    を備えることを特徴とする生芋の長期保存方法。
  4. 請求項3に記載の生芋の長期保存方法において、生芋保存室の内部に負イオン及びオゾンを発生させることを特徴とする生芋の長期保存方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1に記載の生芋の長期保存方法において、生芋を殺菌治療する工程の後であって生芋を貯蔵する工程の前に、生芋の表面に付着した水分を除去し、生芋を放熱冷却する工程を備えることを特徴とする生芋の長期保存方法。
  6. 請求項5に記載の生芋の長期保存方法において、室内を換気することで生芋の表面に付着した水分を除去し、生芋を放熱冷却することを特徴とする生芋の長期保存方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1に記載の生芋の長期保存方法において、生芋を殺菌治療する工程の前に、生芋を水洗浄する工程を含むことを特徴とする生芋の長期保存方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1に記載の生芋の長期保存方法において、第1室内温度は略40℃であり、第1室内湿度は98%乃至100%であり、第2室内温度は14℃乃至15℃であり、第2室内湿度は90%乃至95%であることを特徴とする生芋の長期保存方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1に記載の生芋の長期保存方法において、二酸化炭素濃度の一定値は略3%以下であることを特徴とする生芋の長期保存方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1に記載の生芋の長期保存方法において、生芋は、空気を流通させるメッシュ状の収納ネットに詰め込まれて殺菌治療され、貯蔵されることを特徴とする生芋の長期保存方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1に記載の生芋の長期保存方法において、生芋は、空気を流通させるネットが側壁に張られたネットかご内に収納されて殺菌治療され、貯蔵されることを特徴とする生芋の長期保存方法。
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