JP2008159516A - 多孔質板、その製造方法及び燃料電池 - Google Patents
多孔質板、その製造方法及び燃料電池 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】親水性を有する多孔質板としての機能を十分に有効活用するとともに、表面のみ撥水性を有する多孔質板、その製造方法、及びこの多孔質板を用いた燃料電池を提供する。
【解決手段】相互に連通状態の空孔部21によって三次元網目構造をなす骨格部22を有する多孔質基体20と、該多孔質基体20の表面に形成された撥水層25とを備えるとともに、前記多孔質基体20は、その表面に臨む前記空孔部21の開口部23の周囲が面状部24とされ、前記撥水層25は、多孔質基体20の前記面状部24の上に形成されている。
【選択図】図3
【解決手段】相互に連通状態の空孔部21によって三次元網目構造をなす骨格部22を有する多孔質基体20と、該多孔質基体20の表面に形成された撥水層25とを備えるとともに、前記多孔質基体20は、その表面に臨む前記空孔部21の開口部23の周囲が面状部24とされ、前記撥水層25は、多孔質基体20の前記面状部24の上に形成されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、表面に撥水層を形成した多孔質板、その製造方法、及び該多孔質板を用いた燃料電池に関する。
燃料電池の燃料極と空気極には、燃料である水素ガスやメタノール又は空気を通過させ得る導電性の多孔質板が用いられている。この場合、燃料電池は、水素と酸素との化学反応により水が発生するが、その水が電極付近にとどまると、多孔質板内の燃料等の拡散が阻害されて反応効率が低下するため、その多孔質板としては、発生した水分が速やかに除去されるようにしておく必要がある。
このような多孔質板として、固体電解質膜に接する触媒層の側から電池外部に向かって、疎水性を有する第一の層と、親水性を有する第二の層とをこの順で設けた二層構造とし、触媒層において発生した水分を第一の層から第二の層に誘導し、この第二の層の表面から蒸散させるようにしたものがある(特許文献1参照)。この場合、第一の層の形成方法として、撥水性を有する材料を粉砕して溶媒に懸濁したものを多孔質板に塗布する方法等が採用される。
特開2004−140001号公報
ところで、燃料等の拡散性を高めるためには多孔質板の気孔率が大きい方が望ましい。しかしながら、多孔質板を疎水性(撥水性)の層と親水性の層との二層構造とするものであると、せっかく多孔質の板としたにもかかわらず、その一部が疎水性(撥水性)の層によって占められてしまうため、多孔質板としての有効利用がなされなくなってしまう。また、撥水性材料の懸濁液を塗布する場合に、気孔率が大きくなるほど、懸濁液が多孔質板の内部にしみ込み易くなるため、親水性であるべき第二の層の内部まで撥水性を帯びることになってしまう。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、親水性を有する多孔質板としての機能を十分に有効活用するとともに、表面のみ撥水性を有する多孔質板、その製造方法、及びこの多孔質板を用いた燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の多孔質板は、相互に連通状態の空孔部によって三次元網目構造をなす骨格部を有する多孔質基体と、該多孔質基体の表面に形成された撥水層とを備えるとともに、前記多孔質基体は、その表面に臨む前記空孔部の開口部の周囲が面状部とされ、前記撥水層は、多孔質基体の前記面状部の上に形成されていることを特徴とする。
つまり、多孔質基体の表面に面状部を形成して、その面状部の上に撥水層を形成することにより、多孔質基体自体は多孔質のものとして最大限活用した上で撥水機能を付与することができるものである。
つまり、多孔質基体の表面に面状部を形成して、その面状部の上に撥水層を形成することにより、多孔質基体自体は多孔質のものとして最大限活用した上で撥水機能を付与することができるものである。
この場合、前記多孔質基体の外周部に、該多孔質基体の周囲を囲むように樹脂枠が一体に形成されている構成としてもよい。
また、前記多孔質基体の面状部と撥水層との間に緻密焼結層が形成されている構成とすることも可能であり、この緻密焼結層の上に撥水層が形成され、内部への侵入が抑制される。
また、前記多孔質基体の面状部と撥水層との間に緻密焼結層が形成されている構成とすることも可能であり、この緻密焼結層の上に撥水層が形成され、内部への侵入が抑制される。
また、その製造方法は、相互に連通状態の空孔部によって三次元網目構造をなす骨格部を有するとともに、表面における前記空孔部の開口部の周囲が面状部とされた多孔質基体を形成し、該多孔質基体の表面に、撥水性物質を低沸点溶媒に懸濁してなる撥水処理剤を噴霧して乾燥させることにより、前記面状部の上に撥水層を形成することを特徴とする。
多孔質基体の表面に撥水処理剤を噴霧することにより、その一部が面状部の開口から空孔部内にも噴霧されるが、大部分は面状部の上に堆積され、この面状部の上には、多数付着した撥水処理剤が集まって面状の膜を形成し、これが撥水層となる。一方、面状部の開口から空孔部内に入り込んだ一部の撥水処理剤は、粉状に飛散して微量であることから、空孔部の内壁に到達するまでの間に蒸発し、多孔質基体への付着が抑制される。
多孔質基体の表面に撥水処理剤を噴霧することにより、その一部が面状部の開口から空孔部内にも噴霧されるが、大部分は面状部の上に堆積され、この面状部の上には、多数付着した撥水処理剤が集まって面状の膜を形成し、これが撥水層となる。一方、面状部の開口から空孔部内に入り込んだ一部の撥水処理剤は、粉状に飛散して微量であることから、空孔部の内壁に到達するまでの間に蒸発し、多孔質基体への付着が抑制される。
この製造方法において用いられる前記低沸点溶媒は沸点が100℃以下であるものが好ましい。
また、多孔質基体の表面に撥水処理剤を噴霧して乾燥させた後、その多孔質基体を酸洗処理することにより、多孔質基体の内部に撥水処理剤が侵入したとしても、これを除去することができる。
また、多孔質基体の表面に撥水処理剤を噴霧して乾燥させた後、その多孔質基体を酸洗処理することにより、多孔質基体の内部に撥水処理剤が侵入したとしても、これを除去することができる。
前記緻密焼結層を有する多孔質板を製造する場合は、相互に連通状態の空孔部によって三次元網目構造をなす骨格部を有する多孔質基体の上に、緻密焼結層を形成しておき、この緻密焼結層の上に撥水層を形成することを特徴とする。
さらに、樹脂枠付きの多孔質板を製造する場合は、相互に連通状態の空孔部によって三次元網目構造をなす骨格部を有するとともに、表面における前記空孔部の開口部の周囲が面状部とされた多孔質基体を形成し、射出成形金型のキャビティ内表面に撥水処理剤を塗布して撥水層を形成しておき、該撥水層に前記面状部を接触させた状態としてキャビティ内に前記多孔質基体を配置し、型締めして多孔質基体の周囲に樹脂を射出することにより、多孔質基体の外周部に樹脂枠を形成し、かつ多孔質基体の面状部の上に前記撥水層を転写することを特徴とする。
この製造方法においては、射出成形金型のキャビティ内表面に撥水層を形成しておき、多孔質基体をインサート成形する際に多孔質基体に撥水層を転写する方法であり、多孔質基体の面状部の上にのみ撥水層を形成し得て、内部への侵入を確実に阻止することができる。
この製造方法においては、射出成形金型のキャビティ内表面に撥水層を形成しておき、多孔質基体をインサート成形する際に多孔質基体に撥水層を転写する方法であり、多孔質基体の面状部の上にのみ撥水層を形成し得て、内部への侵入を確実に阻止することができる。
このような多孔質板を用いた燃料電池としては、電解質膜の両面に多孔質板を有する電極を設けてなる燃料電池において、これら多孔質板のうち少なくとも一方の多孔質板は、前記した撥水層を有する多孔質板であり、前記電解質膜に向けた側の表面に撥水層が配置されていることを特徴とする。
このような構造とすることにより、電解質膜に向けた側に撥水層が配置されることになるので、水分が電極付近にとどまることなく速やかに多孔質基体に吸収される。
このような構造とすることにより、電解質膜に向けた側に撥水層が配置されることになるので、水分が電極付近にとどまることなく速やかに多孔質基体に吸収される。
本発明の多孔質板は、多孔質基体の表面の面状部の上に撥水層を形成したことにより、多孔質基体自体は多孔質のものとして最大限活用した上で撥水機能を付与することができる。
また、その多孔質基体に撥水処理剤を噴霧して撥水層を形成する方法は、多孔質基体の表面の面状部の上のみに効果的に撥水層を形成することができる。
また、その多孔質基体に撥水処理剤を噴霧して撥水層を形成する方法は、多孔質基体の表面の面状部の上のみに効果的に撥水層を形成することができる。
以下、本発明の多孔質板、その製造方法、及び該多孔質板を用いた燃料電池の実施形態について、図面に基づいて説明する。
この燃料電池1は、固体高分子型燃料電池(PEFC)であり、固体高分子の電解質膜2と、この電解質膜2の両側に層状に設けられる触媒層3と、これら触媒層3の外側に層状に設けられるガス拡散部材としての多孔質板4と、これら多孔質板4の外側に積層されるセパレータ5とを備えた構成とされている。そして、これらの積層体を単位とする単位セルが、セパレータ5を互いに重ね合わせたり、共有状態にしたりすることによって連ねられ、各セパレータ5の四隅部に対応する位置に連通するボルト(図示略)によって連結されるようになっている。
また、このセパレータ5には、多孔質板4に接する面に溝状の流路6が形成されており、該流路6に、一方のセパレータ5には燃料が、他方のセパレータ5には酸化剤がそれぞれ供給されるようになっている。この燃料電池1において、電解質膜2の両側に配置される触媒層3及び多孔質板4が電極を構成しており、セパレータ5の流路6に燃料が供給される側が燃料極11、他側が空気に接している空気極12とされる。燃料としては、例えばほぼ100%の水素ガスや、天然ガス、メタノール水溶液等が用いられる。また、酸化剤としては、一般に空気が用いられる。
前記多孔質板4は、四角形の平板状に形成されるとともに、例えばJISのSUS316等のステンレス鋼、チタン、ハステロイ(登録商標)等の耐食性の高い金属を材料とした発泡金属製の多孔質基体20を有している。
この多孔質基体20は、図2に示すように、相互に連通状態の空孔部21が入り込んで三次元網目構造をなす骨格部22を有しており、この多孔質基体20の表裏両面には、内部の空孔部21に連通する複数の開口部23が形成され、各開口部23の周囲がほぼ面一の平面状に広がる面状部24とされている。各開口部23は、ほぼ円形状に形成され、かつ内部の空孔部21の径より若干小径に形成されている。
この場合、多孔質基体20は、表面の全面積に対する面状部24の面積の占める割合が30〜80%になっている。また、空孔部21の平均孔径が20〜1000μmに形成され、気孔率が40〜99容量%に形成され、厚さが25〜1000μmに形成されている。
この多孔質基体20は、図2に示すように、相互に連通状態の空孔部21が入り込んで三次元網目構造をなす骨格部22を有しており、この多孔質基体20の表裏両面には、内部の空孔部21に連通する複数の開口部23が形成され、各開口部23の周囲がほぼ面一の平面状に広がる面状部24とされている。各開口部23は、ほぼ円形状に形成され、かつ内部の空孔部21の径より若干小径に形成されている。
この場合、多孔質基体20は、表面の全面積に対する面状部24の面積の占める割合が30〜80%になっている。また、空孔部21の平均孔径が20〜1000μmに形成され、気孔率が40〜99容量%に形成され、厚さが25〜1000μmに形成されている。
そして、この多孔質基体20において、前記触媒層3に接する側の表面に、その面状部24の上を覆うように撥水層25が形成されていることにより、前記多孔質板4が構成されている。この場合、撥水層25は、図3に示すように、多孔質基体20の空孔部21における開口部23を塞ぐことなく、多孔質基体20の面状部24の上のみに形成されており、逆に前記開口部23は撥水層25の外表面に臨ませられている。この撥水層25は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂によって構成される。
なお、触媒層3に接触されない多孔質基体20の他方の表面は、面状部24を有さず凹凸状に形成されたものであってもよい。
なお、触媒層3に接触されない多孔質基体20の他方の表面は、面状部24を有さず凹凸状に形成されたものであってもよい。
以上のように構成された燃料電池1において、燃料極11のセパレータ5の流路6から供給された燃料の水素は多孔質板4を経由して触媒層3側に流れ、この触媒層3上で電極反応により電子を放出し、水素イオンを生じる。このとき放出された電子は、燃料極11から外部回路(図示略)を通って空気極12へ移動し、その移動により電気エネルギが発生する。一方、空気極12においては、セパレータ5の流路6から供給された空気中の酸素が前記電子を受け取り、そこに電解質膜2中を通って空気極12に移動してきた水素イオンが結合して水を生成する。
この水は多孔質板4の開口部23から多孔質基体20の内部に吸い取られて系外へ排出されるが、この多孔質板4において触媒層3と接している側の表面には撥水層25が形成されているため、発生した水は、触媒層3の付近にとどまることなく、撥水層25に臨ませられている開口部23内から多孔質基体20内の空孔部21に速やかに吸収され、該多孔質基体20を経由して系外に排出される。
次に、前記多孔質板4の製造方法について説明する。
前述したように、多孔質板4は、空孔部21が入り込んで三次元網目構造をなす骨格部22を有する発泡金属製の多孔質基体20をもとに製造されており、この多孔質基体20は金属粉末を含むスラリーを薄く成形して乾燥させたグリーンシートを焼成することにより製造される。
前述したように、多孔質板4は、空孔部21が入り込んで三次元網目構造をなす骨格部22を有する発泡金属製の多孔質基体20をもとに製造されており、この多孔質基体20は金属粉末を含むスラリーを薄く成形して乾燥させたグリーンシートを焼成することにより製造される。
このスラリーは、金属粉末、発泡剤(例えば炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であり、例えばネオベンタン、ヘキサン、ヘプタン)、樹脂バインダ(例えばメチルセルロースやヒドロキシプロピルメチルセルロース)、溶媒(水)等を混合したものである。例えば、原料粉末としてステンレス鋼の粉末を40〜60重量%、水溶性樹脂バインダーとしてのメチルセルロースを5〜15重量%、界面活性剤としてのアルキルベンゼンスルホン酸塩を1〜3重量%、発泡剤(例えば炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤)としてのヘキサンを0.5〜3重量%、残部を水および不可避不純物とするものを混練機で混合して製造される。原料粉末は、平均粒径が約10μmのもので構成されている。
この発泡性スラリーをドクターブレード法により薄く成形するグリーンシート製造装置31を図4に示す。
このグリーンシート製造装置31において、まず、スラリー32が貯蔵されたホッパー33から、キャリアシート34上にスラリー32が供給される。キャリアシート34はローラ35によって搬送されており、キャリアシート34上のスラリー32は、移動するキャリアシート34とドクターブレード36との間で延され、所要の厚さのシート状に成形される。
このグリーンシート製造装置31において、まず、スラリー32が貯蔵されたホッパー33から、キャリアシート34上にスラリー32が供給される。キャリアシート34はローラ35によって搬送されており、キャリアシート34上のスラリー32は、移動するキャリアシート34とドクターブレード36との間で延され、所要の厚さのシート状に成形される。
このスラリーシート37は、さらにキャリアシート34によって搬送され、加熱処理を行う発泡槽38および加熱炉39を順次通過する。発泡槽38では高湿度雰囲気下で加熱処理を行うので、スラリーシート37にひび割れを生じさせずに発泡剤を発泡させて発泡孔を形成することができる。この際、厚さ方向に隣り合う発泡孔がつながって、スラリーシート37の表裏面に達して該表裏面に開口するとともに、面方向で隣り合う発泡孔も連通状態となる。そして、このスラリーシート37が加熱炉39で乾燥されると、金属粉末が有機バインダによって接合された状態のグリーンシート40が形成される。
このグリーンシート40をキャリアシート34から取り外した後、図示しない真空炉で脱脂、焼成することにより、樹脂バインダが取り除かれて金属粉末同士が焼結し、発泡孔による空孔部21が入り込んで三次元網目構造をなす骨格部22を有する発泡金属製の多孔質基体20が得られる。
このようにして製造された多孔質基体20は、図2に示すように、その表裏両面には、内部の空孔部21に連通する複数の開口部23が形成され、各開口部23の周囲が面一の平面状に広がる面状部24とされている。多孔質基体20全体の気孔率は40%以上99%以下のものとされる。
このようにして製造された多孔質基体20は、図2に示すように、その表裏両面には、内部の空孔部21に連通する複数の開口部23が形成され、各開口部23の周囲が面一の平面状に広がる面状部24とされている。多孔質基体20全体の気孔率は40%以上99%以下のものとされる。
次に、この多孔質基体20の表面に撥水処理剤を噴霧して乾燥させることにより、面状部24に撥水層25を形成する。
この場合、前記面状部24は、多孔質基体20の表裏両面に形成されるが、キャリアシート34に接していない側の表面に関しては、その表面の乾燥を発泡の成長よりも速くするように制御することにより、表面の開口部23を小さくして、面状部24を大きくすることが可能である。一方、キャリアシート34に支持された側の表面は、キャリアシート34によって拘束され、気泡の自由成長が妨げられるので、より平坦で面積も大きいものを形成し易い。このため、このキャリアシート34に接していた側の表面の方が大きな面状部24を形成でき、撥水層25を形成し易いが、本発明においては、いずれの表面に撥水層25を形成するようにしてもよい。
この場合、前記面状部24は、多孔質基体20の表裏両面に形成されるが、キャリアシート34に接していない側の表面に関しては、その表面の乾燥を発泡の成長よりも速くするように制御することにより、表面の開口部23を小さくして、面状部24を大きくすることが可能である。一方、キャリアシート34に支持された側の表面は、キャリアシート34によって拘束され、気泡の自由成長が妨げられるので、より平坦で面積も大きいものを形成し易い。このため、このキャリアシート34に接していた側の表面の方が大きな面状部24を形成でき、撥水層25を形成し易いが、本発明においては、いずれの表面に撥水層25を形成するようにしてもよい。
前記撥水処理剤としては、撥水性物質であるフッ素系樹脂の粉末を、沸点100℃以下の低沸点溶液、液化ガス等の噴射剤とともにエーロゾル状としたものである。
撥水性物質であるフッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)の群から選ばれる単体又は2種以上の混合物を例示することができる。
撥水性物質であるフッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)の群から選ばれる単体又は2種以上の混合物を例示することができる。
低沸点溶液としては、下記に列挙した炭化水素、アルコール、エーテル・アセタール、ケトン・アルデヒド、多価アルコール誘導体、含窒素化合物、フッ素化合物の群の中から選択される一種の液体又は二種以上の混合物が適用される。
(炭化水素)
シクロヘキサン(80℃)、シクロヘキセン(83℃)、シクロペンタン(49℃)、ヘキサン(69℃)、ヘプタン(100℃)、ペンタン(36℃)、メチルシクロペンタン(84℃)など
(炭化水素)
シクロヘキサン(80℃)、シクロヘキセン(83℃)、シクロペンタン(49℃)、ヘキサン(69℃)、ヘプタン(100℃)、ペンタン(36℃)、メチルシクロペンタン(84℃)など
(アルコール)
イソプロピルアルコール(82℃)、エタノール(78.3℃)、s−ブタノール(99.5℃)、t−ブタノール(82.5℃)、1−プロパノール(97.2℃)、メタノール(64.7℃)など
(エーテル・アセタール)
エチル−t−ブチルエーテル(73.1℃)、1,2−エポキシブタンジベンゾ−18−クラウン−6(63℃)、酸化プロピレン(34℃)、ジイソプロピルエーテル(69℃)、ジエチルエーテル(35℃)、ジプロピルエーテル(90℃)、テトラヒドロピラン(88℃)、テトラヒドロフラン(65℃)、ビニルエチルエーテル(36℃)、フラン(31℃)、メチラール(42.5℃)、メチル−t−ブチルエーテル(55.2℃)、2−メチルフラン(64℃)など
イソプロピルアルコール(82℃)、エタノール(78.3℃)、s−ブタノール(99.5℃)、t−ブタノール(82.5℃)、1−プロパノール(97.2℃)、メタノール(64.7℃)など
(エーテル・アセタール)
エチル−t−ブチルエーテル(73.1℃)、1,2−エポキシブタンジベンゾ−18−クラウン−6(63℃)、酸化プロピレン(34℃)、ジイソプロピルエーテル(69℃)、ジエチルエーテル(35℃)、ジプロピルエーテル(90℃)、テトラヒドロピラン(88℃)、テトラヒドロフラン(65℃)、ビニルエチルエーテル(36℃)、フラン(31℃)、メチラール(42.5℃)、メチル−t−ブチルエーテル(55.2℃)、2−メチルフラン(64℃)など
(ケトン・アルデヒド)
アセトン(56℃)、メチルエチルケトン(80℃)など
(多価アルコール誘導体)
エチレングリコールジメチルエーテル(83℃)など
(含窒素化合物)
イソブチルアミン(66℃)、イソプロピルアミン(32℃)、ジイソプロピルアミン(84℃)、ジエチルアミン(56℃)、トリエチルアミン(89℃)、s−ブチルアミン(63℃)、t−ブチルアミン(45℃)、プロピオニトリル(97℃)、モノ−n−ブチルアミン(78℃)など
アセトン(56℃)、メチルエチルケトン(80℃)など
(多価アルコール誘導体)
エチレングリコールジメチルエーテル(83℃)など
(含窒素化合物)
イソブチルアミン(66℃)、イソプロピルアミン(32℃)、ジイソプロピルアミン(84℃)、ジエチルアミン(56℃)、トリエチルアミン(89℃)、s−ブチルアミン(63℃)、t−ブチルアミン(45℃)、プロピオニトリル(97℃)、モノ−n−ブチルアミン(78℃)など
(フッ素化合物)
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(32℃)、1,2−ジフルオロベンゼン(92℃)、1,3−ジフルオロメンゼン(83℃)、1,4−ジフルオロベンゼン(89℃)、1,1,2,2−テトラクロロジフルオロエタン(83℃)、ドデカフルオロシクロヘキサン(51℃)、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン(48℃)、トリクロロフルオロメタン(24℃)、トリフルオロジクロロエタン(28℃)、パーフルオロペンタン(29℃)、パーフルオロヘキサン(58℃)、パーフルオロヘプタン(83℃)、パーフルオロブチルエチレン(59℃)、ヘキサフルオロベンゼン(80℃)、ペンタフルオロジクロロプロパン(54℃)、2,2,3,3,3−ペンタフルオリプロパノール(81℃)など
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(32℃)、1,2−ジフルオロベンゼン(92℃)、1,3−ジフルオロメンゼン(83℃)、1,4−ジフルオロベンゼン(89℃)、1,1,2,2−テトラクロロジフルオロエタン(83℃)、ドデカフルオロシクロヘキサン(51℃)、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン(48℃)、トリクロロフルオロメタン(24℃)、トリフルオロジクロロエタン(28℃)、パーフルオロペンタン(29℃)、パーフルオロヘキサン(58℃)、パーフルオロヘプタン(83℃)、パーフルオロブチルエチレン(59℃)、ヘキサフルオロベンゼン(80℃)、ペンタフルオロジクロロプロパン(54℃)、2,2,3,3,3−ペンタフルオリプロパノール(81℃)など
噴射剤としては、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、窒素、二酸化炭素、ジメチルエーテル、トリフルオロエタンなどの中から選択される一種又は二種以上の混合物が適用される。
そして、この撥水処理剤を多孔質基体20の表面に噴霧して、多孔質基体20の面状部24に薄い膜状に付着させ、これを一旦40℃で10分間加熱した後、160℃で90分間乾燥させると、フッ素系樹脂が多孔質基体20の面状部24に固着して撥水層25が形成される。
この状態では、多孔質基体20の表面の撥水層25は水との接触角が100°以上の撥水性を有するが、多孔質基体20の内部は、その空孔部21内に撥水剤が点状に分散して付着している場合があり、その場合は、接触角が70°〜100°の弱い撥水性となっている。
この状態では、多孔質基体20の表面の撥水層25は水との接触角が100°以上の撥水性を有するが、多孔質基体20の内部は、その空孔部21内に撥水剤が点状に分散して付着している場合があり、その場合は、接触角が70°〜100°の弱い撥水性となっている。
次に、このようにして撥水層25を形成した多孔質基体20に酸洗処理を施す。この酸洗処理は、60℃に加温した10wt%硫酸に多孔質板4の全体を30分間浸漬することにより行われる。この酸洗処理により、空孔部21内にわずかに付着していた撥水剤が除去される。
最後に、多孔質板4の全体を水洗することにより硫酸を洗い流した後、40℃で1時間乾燥させることにより、多孔質基体20の面状部24の表面に撥水層25を形成した多孔質板4が完成される。
最後に、多孔質板4の全体を水洗することにより硫酸を洗い流した後、40℃で1時間乾燥させることにより、多孔質基体20の面状部24の表面に撥水層25を形成した多孔質板4が完成される。
このようにして製造された多孔質板4は、多孔質基体20の面状部24の上にのみ撥水層25が形成され、多孔質基体20の内部は、三次元網目構造の骨格部22に空孔部21が入り込んでガスや水分の透過性に優れたものとなっている。つまり、一方の表面のみ撥水性が付与され、内部及び他方の表面は親水性のものとなる。
したがって、この多孔質板4を使用した燃料電池1においては、触媒層3に接している面が撥水層25とされ、発生した水分が触媒層3の表面にとどまることなく速やかに多孔質基体20の空孔部21内に吸収され、該多孔質基体20から外部に排出される。
もちろん、多孔質基体20自体は、三次元網目構造の骨格部22の全体に空孔部21が入り込んでいるので、親水性に富み、水分を速やかに吸収することができる。
したがって、この多孔質板4を使用した燃料電池1においては、触媒層3に接している面が撥水層25とされ、発生した水分が触媒層3の表面にとどまることなく速やかに多孔質基体20の空孔部21内に吸収され、該多孔質基体20から外部に排出される。
もちろん、多孔質基体20自体は、三次元網目構造の骨格部22の全体に空孔部21が入り込んでいるので、親水性に富み、水分を速やかに吸収することができる。
なお、撥水性は水滴の接触角が90°以上である場合を言い、親水性は、接触角が90°未満のものを言うが、多孔質板4の内部の親水性を測定することは困難であるので、多孔質板4の重量(金属分の重量)と、この多孔質板4を水没させて引き上げることにより多孔質基体20に水分を含ませた状態の全体重量との差から、吸収した水分を算出し、その水分が多孔質板4の空孔部21の空間体積に閉める割合を算出することにより代替することができる。
図5は多孔質基体20の周囲に樹脂枠45を形成した多孔質板46の例を示すものであり、この多孔質板46を使用した燃料電池(図示略)は、固体電解質、触媒層、多孔質板、セパレータからなる積層体の単位セルを積み重ねて使用する場合に、樹脂枠45がシール部材として機能することができるようになっている。
この多孔質板46は、四角形板状に形成された多孔質基体20が平面的に複数並べられるとともに、これら多孔質基体20の周りを囲むように各多孔質基体20の外周部に樹脂枠45が一体に形成され、該多孔質基体20の外周部20aの空孔部内に樹脂が入り込んで両者が一体化した構成である。
そして、各多孔質基体20の表面に撥水層25が形成されている(図5では多孔質基体の表面の撥水層のみが見えている)。
そして、各多孔質基体20の表面に撥水層25が形成されている(図5では多孔質基体の表面の撥水層のみが見えている)。
この多孔質基体20に樹脂枠45を形成する方法としては、図6に示すように、射出成形金型47A,47Bのキャビティ48内に多孔質基体20を複数配置して、この多孔質基体20をインサート部品とし、その周りに樹脂を射出することにより、多孔質基体20の外周部に樹脂枠45を一体成形する方法が適用される。
前記撥水層25は、樹脂枠45を一体成形する前に多孔質基体20の表面に形成しておいてもよいが、射出成形金型47A,47Bのキャビティ48内表面に撥水処理剤を塗布して撥水層49を形成した後、この撥水層49に接するように多孔質基体20をキャビティ48内に配置して樹脂枠45を一体成形することにより、キャビティ48内表面の撥水層49を多孔質基体20の表面に転写する方法によっても形成することができる。
前記撥水層25は、樹脂枠45を一体成形する前に多孔質基体20の表面に形成しておいてもよいが、射出成形金型47A,47Bのキャビティ48内表面に撥水処理剤を塗布して撥水層49を形成した後、この撥水層49に接するように多孔質基体20をキャビティ48内に配置して樹脂枠45を一体成形することにより、キャビティ48内表面の撥水層49を多孔質基体20の表面に転写する方法によっても形成することができる。
この転写による方法を具体的に説明すると、まず、射出成形金型47A,47Bのキャビティ48面を150℃程度に加熱しておき、そのキャビティ48表面にエーロゾル状のフッ素系樹脂を吹き付けることにより、キャビティ48表面に撥水層49を形成する。そして、この撥水層49に重ねるようにして多孔質基体20の面状部を撥水層49に接触させ、その状態で型締めする。このとき、撥水層49は、多孔質基体20の表面に付着するが、撥水層49が形成されているキャビティ48内表面は平滑面であるのに対して、多孔質基体20の表面は面状部に空孔部の開口部が点在するように形成されて(図2参照)、微細な凹凸が形成されているため、キャビティ48内表面の撥水層49が多孔質基体20の面状部に食い付くようにして転写される。このとき射出成形金型47A,47Bが加温されているので、多孔質基体20に撥水層25を強固に固着することができる。
次いで、樹脂として例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂をキャビティ48内に射出し、多孔質基体20の周りに樹脂枠45を形成する。
このようにして製造された樹脂枠45付きの多孔質板46は、必要に応じて例えば160℃で追加乾燥した後、60℃の10wt%硫酸に30分間浸漬し、水洗して硫酸を洗い流した後、40℃で1時間乾燥することにより、多孔質板46として製造される。
このようにして製造された樹脂枠45付きの多孔質板46は、必要に応じて例えば160℃で追加乾燥した後、60℃の10wt%硫酸に30分間浸漬し、水洗して硫酸を洗い流した後、40℃で1時間乾燥することにより、多孔質板46として製造される。
この多孔質板46においても、多孔質基体20の面状部の上に撥水層25が形成されているから、前記実施形態の場合と同様に、燃料電池の電極の一部として使用した場合に、撥水層25付近で水分をとどまらせることなく、速やかに多孔質基体20内に吸収して外部に排出することができる。
また、多孔質基体20の周囲の樹脂枠45は、多孔質基体20の外周部20aの空孔部内に樹脂が入り込んで、多孔質基体20と強固に一体化され、燃料電池に使用した場合に、多孔質基体20の周囲を確実にシールすることができる。
また、多孔質基体20の周囲の樹脂枠45は、多孔質基体20の外周部20aの空孔部内に樹脂が入り込んで、多孔質基体20と強固に一体化され、燃料電池に使用した場合に、多孔質基体20の周囲を確実にシールすることができる。
図7は、多孔質板51として、前記多孔質基体20の片面に緻密焼結層52が形成された例を示している。
この緻密焼結層52は多孔質基体20とは異なり、発泡による空孔部を有していないものであり、金属粉末の通常の焼結体である。つまり、この緻密焼結層52は、多孔質基体20の骨格部22によって形成される連通状態の空孔部21はないが、通常の焼結体が有するような焼結粒子間に形成される微細な連通孔は有している。そして、この緻密焼結層52の上に撥水層25が形成されている。
この緻密焼結層52は多孔質基体20とは異なり、発泡による空孔部を有していないものであり、金属粉末の通常の焼結体である。つまり、この緻密焼結層52は、多孔質基体20の骨格部22によって形成される連通状態の空孔部21はないが、通常の焼結体が有するような焼結粒子間に形成される微細な連通孔は有している。そして、この緻密焼結層52の上に撥水層25が形成されている。
この多孔質板51を製造するには、図8に示すように二つのホッパー33・54を有するグリーンシート製造装置55が使用される。その一方のホッパー33には発泡剤を混合したスラリー32が貯留され、他方のホッパー54には発泡剤を含まない金属粉末と有機バインダ、溶媒等からなるスラリー56が貯留される。そして、この発泡剤を含まないスラリー56をキャリアシート34上に供給しながらドクターブレード57によって薄くシート状に成形し、その上に、もう一方のホッパー33から発泡剤入りのスラリー32を供給してシート状に重ね合わせる。この二層状態のスラリーシート58を加熱処理することにより、上層のみが発泡したグリーンシート59が形成される。このグリーンシート59を焼結することにより、図7に示すように、上層が空孔部21を有する三次元網目構造の骨格部22からなる発泡金属製の多孔質基体20で、下層が緻密焼結層52となった二層構造の多孔質体が形成される。
この多孔質体の緻密焼結層52の上に撥水層25を形成することにより、多孔質板46が製造される。
この多孔質板46も、表面に撥水層25が形成され、内部は空孔部21を有する多孔質基体20であるから、燃料電池で発生した水分を触媒層の付近にとどまらせることなく速やかに吸収して除去することができる。この場合、緻密焼結層52の上に撥水層25が形成されているから、この撥水層25は全面的に形成されることになり、撥水機能を確実に発揮することができる。
この多孔質板46も、表面に撥水層25が形成され、内部は空孔部21を有する多孔質基体20であるから、燃料電池で発生した水分を触媒層の付近にとどまらせることなく速やかに吸収して除去することができる。この場合、緻密焼結層52の上に撥水層25が形成されているから、この撥水層25は全面的に形成されることになり、撥水機能を確実に発揮することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。また、燃料電池としては、セルを積み重ねたスタック型の燃料電池だけでなく、セルを平面的に接続した平面型の燃料電池にも適用することができる。多孔質基体の空孔部も発泡によるものの他、焼結時の熱により消失する消失材を金属粉末に混合して、これを消失させることにより形成するもの等であってもよい。また、前記実施形態ではドクターブレード法によってスラリーをシート状に形成する例を示したが、例えば特開平11−314060号公報や特公平6−223号公報に開示されているダイコータを使用してスラリーをシート状に形成するようにしてもよい。
1…燃料電池、2…電解質膜、3…触媒層、4…多孔質板、5…セパレータ、6…流路、11…燃料極、12…空気極、20…多孔質基体、21…空孔部、22…骨格部、23…開口部、24…面状部、25…撥水層、45…樹脂枠、46…多孔質板、47A,47B…射出成形金型、48…キャビティ、49…撥水層、51多孔質板、52…緻密焼結層
Claims (9)
- 相互に連通状態の空孔部によって三次元網目構造をなす骨格部を有する多孔質基体と、該多孔質基体の表面に形成された撥水層とを備えるとともに、前記多孔質基体は、その表面に臨む前記空孔部の開口部の周囲が面状部とされ、前記撥水層は、多孔質基体の前記面状部の上に形成されていることを特徴とする多孔質板。
- 前記多孔質基体の外周部に、該多孔質基体の周囲を囲むように樹脂枠が一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の多孔質板。
- 前記多孔質基体の面状部と撥水層との間に緻密焼結層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の多孔質板。
- 相互に連通状態の空孔部によって三次元網目構造をなす骨格部を有するとともに、表面における前記空孔部の開口部の周囲が面状部とされた多孔質基体を形成し、該多孔質基体の表面に、撥水性物質を低沸点溶媒に懸濁してなる撥水処理剤を噴霧して乾燥させることにより、前記面状部の上に撥水層を形成することを特徴とする多孔質板の製造方法。
- 前記低沸点溶媒は沸点が100℃以下であることを特徴とする請求項4記載の多孔質板の製造方法。
- 前記多孔質基体の表面に撥水処理剤を噴霧して乾燥させた後、その多孔質基体を酸洗処理することを特徴とする請求項4又は5記載の多孔質板の製造方法。
- 相互に連通状態の空孔部によって三次元網目構造をなす骨格部を有する多孔質基体の上に、緻密焼結層を形成しておき、この緻密焼結層の上に撥水層を形成することを特徴とする多孔質板の製造方法。
- 相互に連通状態の空孔部によって三次元網目構造をなす骨格部を有するとともに、表面における前記空孔部の開口部の周囲が面状部とされた多孔質基体を形成し、射出成形金型のキャビティ内表面に撥水処理剤を塗布して撥水層を形成しておき、該撥水層に前記面状部を接触させた状態としてキャビティ内に前記多孔質基体を配置し、型締めして多孔質基体の周囲に樹脂を射出することにより、多孔質基体の外周部に樹脂枠を形成し、かつ多孔質基体の面状部の上に前記撥水層を転写することを特徴とする多孔質板の製造方法。
- 電解質膜の両面に多孔質板を有する電極を設けてなる燃料電池において、
これら多孔質板のうち少なくとも一方の多孔質板は、請求項1から3のいずれか1項に記載の多孔質板であり、前記電解質膜に向けた側の表面に撥水層が配置されていることを特徴とする燃料電池。
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-
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