JP2004140001A - 液体燃料供給型燃料電池、燃料電池用電極、およびそれらの製造方法 - Google Patents

液体燃料供給型燃料電池、燃料電池用電極、およびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 酸化剤極中に存在する水分が速やかに除去、蒸散され、高い出力を発揮する液体燃料供給型燃料電池、燃料電池用電極、およびそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】 燃料電池100において、基材110の、触媒層112と接する表面に、水分を速やかに排出するための疎水層441を形成し、疎水層441より電池外部に向かって、疎水層441を通過した水分を表面から速やかに蒸散させるための親水層443を形成する。
【選択図】 図1

Description

 本発明は、燃料電池、燃料電池用電極、およびそれらの製造方法に関する。また本発明は、特に液体燃料が供給される燃料電池に関する。
 固体電解質型燃料電池は、燃料極および酸化剤極と、これらの間に設けられた固体電解質膜から構成され、燃料極には燃料が、酸化剤極には酸化剤が供給されて電気化学反応により発電する。燃料極および酸化剤極は、基材と、基材表面に備えられた触媒層とを含む。燃料としては、一般的には水素が用いられるが、近年、安価で取り扱いの容易なメタノールを原料として、メタノールを改質して水素を生成させるメタノール改質型や、メタノールを燃料として直接利用する直接型の燃料電池の開発も盛んに行われている。
 燃料として水素を用いた場合、燃料極での反応は以下の式(1)のようになる。
 3H → 6H + 6e  (1)
 燃料としてメタノールを用いた場合、燃料極での反応は以下の式(2)のようになる。
 CHOH + HO → 6H + CO + 6e  (2)
 また、いずれの場合も、酸化剤極での反応は以下の式(3)のようになる。
 3/2O + 6H + 6e → 3HO  (3)
 特に、直接型の燃料電池では、メタノール水溶液から水素イオンを得ることができるので、改質器等が不要になり、小型化および軽量化を図ることができ、携帯型の電子機器へ適用することの利点が大きい。また、液体のメタノール水溶液を燃料とするため、エネルギー密度が非常に高く、さらに、水素ガスや炭化水素ガス等の気体燃料と比較して、有機液体燃料は容易かつ安全に運搬可能であるという特徴も有している。
 この構成の燃料電池において、燃料極に供給された水素ガスあるいはメタノールは、電極中の細孔を通過して触媒に達し、電子を放出して水素イオンとなる((1)式、(2)式)。放出された電子は燃料極内の炭素粒子および電極基材を通って外部回路へ導き出され、外部回路より酸化剤極に流れ込む。
 一方、燃料極において発生した水素イオンは、燃料極中の固体高分子電解質および両電極間に配置された固体電解質膜を通って酸化剤極に達し、酸化剤極に供給された酸素と外部回路より流れ込む電子と反応して(3)式に示すように水を生じる。この結果、外部回路では燃料極から酸化剤極へ向かって電子が流れ、電力が取り出される。
 上記のような構成の燃料電池の特性を向上させるためには、酸化剤極で発生した水を速やかに酸化剤極から蒸散させ、除去する必要がある。水分が酸化剤極にとどまると、酸化剤極の気体の拡散路を塞ぎ、気体の拡散が阻害されるため、(3)式の反応効率が低下する。
 さらに、固体電解質膜として固体高分子膜を用いる場合、酸化還元反応で生成する水以外にも、燃料極で発生した水素イオンの移動に水の移動が伴うことが知られており、水素イオンとともに移動する水は、燃料極から固体電解質膜を通過し、酸化剤極にいたる。さらに、有機液体燃料を使用する燃料電池においては、燃料中に水が含まれるため、これが移動し、酸化剤極にいたる。したがって、このような燃料電池では、酸化剤極からの排水効率を高める必要があり、液体燃料供給型の燃料電池においては、さらにその効率を高めることが求められている。
 燃料として気体が供給される燃料電池の場合、酸化剤極で発生した水を排出する方法として、以下のものが知られている。
 たとえば、特許文献1には、気体燃料が供給される燃料電池であって、酸化剤極を構成する基材に親水処理が施され、基材の触媒層との接触面に撥水処理を施された燃料電池、さらに、基材の両面に撥水処理が施された燃料電池について記載されている。
 また、特許文献2には、特許文献1の酸化剤極表面の撥水処理と、平均空孔径の調節との組み合わせにより、燃料電池の出力を向上させる方法について記載されている。
 また、特開平11−135132号公報には、基材として多孔質カーボン平板を用い、撥水処理を施された多孔質カーボン平板と撥水処理を施された多孔質カーボン平板とを2枚以上重ね合わせて構成された酸化剤極を用いた燃料電池について記載されている。
特開平9−245800号公報 特開2001−52717号公報
 ところが、上記公報記載の改良技術は、燃料として気体が供給される燃料電池に対するものであり、燃料として液体が供給される燃料電池に適用した場合には、必ずしも充分な効果ではなかった。
 たとえば、上記特開平9−245800号公報に記載の技術では、基材の触媒層との接触面に設けられた撥水層は、触媒層中の水分を排出されるために設けられている。この燃料電池では、燃料極に気体が供給されるため、触媒層側の撥水層は、電解質膜の酸化剤極側での湿潤性を高めるために、電解質膜方向に逆浸透するような構成となっている。すなわち、触媒層中の水分の排出方向は、基材内部および電解質膜への逆浸透の二方向である。これに対し、燃料極に有機液体燃料が供給される燃料電池では、固体電解質膜の湿潤性は確保できるため、触媒層中の水の排出方向は、主として基材内部とする必要がある。また燃料極に有機液体燃料が供給される燃料電池では、燃料中に含まれる水分も含め、燃料として気体が供給される燃料電池に比し、さらに効率よく電池外に蒸散させ、除去する必要がある。
 また、上記公報の燃料電池で、基材の両面に撥水層が設けられている場合、酸化剤極の基材の触媒層が形成された面では、触媒層で生成した水分がより電解質膜に押し戻されやすくなると記載されている。すなわち、酸化剤極の基材両面に撥水層を設けた場合にも、基材内部まで誘導された水分は、電解質膜中に逆浸透してしまう。基材内部まで誘導された水分は、基材表面の撥水部から蒸散されやすくなる可能性があるものの、触媒層中の水分の基材内部方向への排出効率の向上は目的とされていない。
 そして、親水処理および撥水層の形成が導電性を有さない物質によって行われているため、高出力の燃料電池への適用は困難であった。
 また、上記特開2001−52717号公報に記載の技術では、平均空孔径の調節は、燃料極基材から触媒層への酸化剤の供給を均一に行うためになされたものであって、触媒層中の水分を基材内部方向へ排出させる効率を向上させるためになされたものではない。そして、この燃料電池も、燃料極に気体が供給されるため、触媒層中の水分は、主に電解質膜中に逆浸透させることになる。
 また、上記特開平11−135132号公報に記載の技術では、基材を2枚以上重ね合わせるため、基材の厚みが増し、燃料電池の小型化を阻害するという課題があった。
 また、重ね合わせた基材を接合し、電気的接触を維持するためには、重ね合わせた基材を焼結するなどの方法が必要である。しかし、炭素の焼結は通常1000℃程度の高温で行われ、これにより撥水処理に用いるPTFEの耐熱温度をはるかに上回る温度であるため、焼結することができず、電気的接触を良好なものにすることができないため、高出力の燃料電池への適用は困難であるという課題を有していた。
 以上のように燃料極に気体が供給される従来の燃料電池は、酸化剤極の触媒層から酸化剤極の基材方向への水分の排出効率が低いため、水分は電解質膜中に押し戻され、酸化剤極の基材表面からの蒸散効率が低いという課題を有していた。また、出力特性の向上と燃料電池の小型化の両立が困難であった。しかしながら、液体燃料供給型燃料電池では、酸化剤極における排水効率がより高い水準で求められており、液体燃料供給型燃料電池は、燃料に気体が供給される燃料電池とは異なる観点から、酸化剤極に存在する水分の排水、除去に関する課題を解決することが必要となる。
 上記事情を鑑み、本発明の技術的課題は、液体燃料供給型燃料電池の酸化剤極に存在する水を速やかに酸化剤極の基材表面に排出し、蒸散させることにある。
 本発明の目的は、酸化剤極中に存在する水分が速やかに除去、蒸散される燃料電池、および燃料電池用電極、およびそれらの製造方法を提供することである。
 また、本発明の別の目的は、燃料極に液体燃料が供給される燃料電池に関して、酸化剤極中に存在する水分が速やかに除去、蒸散され、高い出力を発揮する燃料電池、および触媒電極、およびそれらの製造方法を提供することである。
 本発明によれば、固体電解質膜と、該固体電解質膜を挟持する燃料極および酸化剤極と、前記燃料極に液体燃料を供給する液体燃料供給部とを含む燃料電池であって、前記酸化剤極は、基材と、前記基材と前記固体電解質膜との間に設けられた触媒層とを含み、前記基材中に、前記触媒層の側から電池外部に向かって、疎水性を有する第一の層および親水性を有する第二の層がこの順で設けられたことを特徴とする燃料電池が提供される。
 ここで、「電池外部」とは、固体電解質膜から遠ざかる方向をいう。
 本発明の燃料電池は、酸化剤極の基材中に、触媒層の側から電池外部に向かって、疎水性を有する第一の層および親水性を有する第二の層がこの順で設けられた構成となっている。こうすることにより、触媒層における酸化還元反応(前記(3)式)で発生した水分、および燃料中に含まれる水分などで水素イオンとともに酸化剤極に移動した水分を、第一の層から効率よく基材内部に誘導することができる。そして、第二の層の表面から、速やかに蒸散させることができる。
 したがって、酸化剤極の水分を速やかに除去することができるため、酸化剤極における気体の拡散路が確保される。この結果、燃料電池の出力を高めることができる。
 なお、本発明の燃料電池において、親水性を有する第二の層は、疎水性を有する第一の層より、固体電解質膜から遠ざかる側であれば、基材全体に設けられていてもよいし、表面近傍にのみ設けられていてもよい。
 また本発明の燃料電池は、酸化剤極を構成する一枚の基材中に、第一の層および第二の層が設けられているため、燃料電池を薄型化、小型軽量化することができる。
 本発明によれば、液体燃料供給型燃料電池に用いる燃料電池用電極であって、基材と、該基材の一方の面に設けられた触媒層とを含み、前記基材中に、前記触媒層の側から、前記触媒層から遠ざかる方向に向かって、疎水性を有する第一の層および親水性を有する第二の層がこの順で設けられたことを特徴とする燃料電池用電極が提供される。
 本発明の燃料電池用電極は、基材中に、触媒層の側から、前記触媒層から遠ざかる方向に向かって、疎水性を有する第一の層および親水性を有する第二の層がこの順で設けられた構成となっている。こうすることにより、燃料電池に用いた際に、触媒層における酸化還元反応(前記(3)式)で発生した水分、および燃料中に含まれる水分などで水素イオンとともに電極に移動した水分を、第一の層から効率よく基材内部に誘導することができる。そして、第二の層の表面から、速やかに蒸散させることができる。
 したがって、酸化剤極の水分を速やかに除去することができるため、電極における気体の拡散路が確保される。こうすることにより、燃料電池に用いた際に、その出力を高めることができる。
 また本発明の燃料電池用電極は、酸化剤極を構成する一枚の基材中に、第一の層および第二の層が設けられているため、燃料電池用電極および燃料電池を薄型化、小型軽量化することができる。
 本発明によれば、液体燃料供給型燃料電池に用いる燃料電池用電極の製造方法であって、基材の一方の面に疎水層を形成する工程と、前記基材の他方の面に親水層を形成する工程と、触媒物質を担持した導電粒子と固体高分子電解質を含む粒子とを含有する塗布液を、前記疎水層の表面に塗布して触媒層を形成する工程と、を含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法が提供される。
 本発明の燃料電池用電極の製造方法によれば、基材中に、前記触媒層の側から、前記触媒層から遠ざかる方向に向かって、疎水性を有する第一の層および親水性を有する第二の層がこの順で設けられた燃料電池用電極を製造することができる。よって電極中の水分を効率よく除去することができるため、燃料電池の出力の向上させることができ、薄型の燃料電池用電極を製造することができる。
 本発明によれば、燃料極、酸化剤極、および前記燃料極と前記酸化剤極とで挟持された固体電解質膜、および前記燃料極への燃料供給部を含む液体燃料供給型燃料電池の製造方法であって、前記燃料電池用電極の製造方法により前記酸化剤極を形成する工程と、前記酸化剤極、固体電解質膜および燃料極を、この順で積層した状態で圧着する工程と、を含むことを特徴とする液体燃料供給型燃料電池の製造方法が提供される。
 本発明に係る製造方法によれば、酸化剤極中の水分を速やかに除去することができ、酸化剤極における気体の拡散路が好適に確保される燃料電池を製造することができる。したがって、水分除去効率がよく、出力特性に優れた液体燃料供給型燃料電池を安定的に製造することができる。また、より薄型、小型軽量な液体燃料供給型燃料電池を製造することができる。
 以上説明したように本発明によれば、燃料電池の酸化剤極を構成する基材中に、触媒層の側から電池外部に向かって、疎水性を有する第一の層および親水性を有する第二の層をこの順で設けることにより、燃料電池の酸化剤極に存在する水分を速やかに蒸散させ、電池外部に排出することが可能となった。本発明によれば、酸化剤極での排水性に優れ、高い出力を発揮する燃料電池、および燃料電池用触媒電極、およびそれらの製造方法が実現される。とくに、本発明によれば、特に液体燃料が供給される燃料電池に関して、酸化剤極での排水性、蒸散性に優れた燃料電池、および燃料電池用触媒電極、およびそれらの製造方法が実現される。
 本実施形態における燃料電池は、燃料極、酸化剤極および固体電解質膜を含む。燃料極と酸化剤極とをあわせて触媒電極と呼ぶ。触媒電極は、基材と、前記基材と前記固体電解質膜との間に設けられた触媒層とを含む。そして、酸化剤極の基材中に、触媒層の側から電池外部に向かって、疎水性を有する第一の層および親水性を有する第二の層がこの順で設けられている。
 本発明の燃料電池において、前記基材が多孔質の導電性物質である構成とすることができる。こうすることにより、基材中の気体の拡散路を確保するとともに、水分を除去する経路も確保することができる。よって、燃料電池の出力を向上させることができる。
 本発明の燃料電池において、前記基材がカーボンペーパーまたは発泡金属である構成とすることができる。こうすることにより、基材の導電性を好適に確保するとともに、基材中の気体の拡散路および水分を除去する経路が維持される。よって、燃料電池の出力をより一層向上させることができる。
 本発明の燃料電池において、前記第一の層が撥水性樹脂を含む構成とすることができる。こうすることにより、酸化剤極の触媒層中の水分を、第一の層から第二の層に誘導する際の、より好適な水分の経路を確保することができる。したがって、触媒層中の水分を速やかに基材内部に誘導することができるため、水分を効率よく除去することができる。よって、燃料電池の出力を向上させることができる。
 本発明の燃料電池において、前記撥水性樹脂がフッ素含有樹脂を含む構成とすることができる。こうすることにより、触媒層中の水分をさらに速やかに基材内部に誘導することができるため、水分を効率よく除去することができる。よって、燃料電池の出力を一層向上させることができる。
 本発明の燃料電池において、前記第二の層は前記基材を粗面処理することにより形成された層とすることができる。こうすることにより、第二の層に誘導された水分を、基材の電池外部側の表面に速やかに移動させる経路を確保することができる。また、基材表面が粗面処理されているため、基材表面に到達した水分をより速やかに蒸散させることができる。したがって、酸化剤極から水分を効率よく除去することができるため、燃料電池の出力を向上させることができる。
 本発明の燃料電池において、前記第二の層は前記基材をサンドブラスト処理することにより形成された層とすることができる。こうすることにより、基材の電池外部側の表面が粗面化されるため、水分を速やかに移動させる経路を確保することができ、また水分を効率よく表面から蒸散させることができる。したがって、燃料電池の出力をさらに向上させることができる。
 本発明の燃料電池において、前記第二の層は前記基材を酸処理することにより形成された層とすることができる。こうすることにより、基材表面が粗面化されるとともに、基材に水素が導入される。したがって、基材をより親水化することができるとともに、水分を速やかに移動させる経路を確保することができ、また水分を効率よく表面から蒸散させることができる。したがって、燃料電池の出力をより一層向上させることができる。
 本発明の燃料電池において、前記基材中に、前記第二の層より電池外部に向かって、さらに疎水性を有する第三の層が設けられた構成とすることができる。
 本発明に係る燃料電池においては、第二の層に誘導された水分を、第三の層から効率よく電池外部に蒸散させることができる。こうすることにより、酸化剤極中の水分を効率よく除去することができる。したがって、酸化剤極中の気体の拡散路が維持されるため、燃料電池の出力を向上させることができる。
 本発明の燃料電池において、前記第三の層が撥水性樹脂を含む構成とすることができる。こうすることにより、基材中の水分を、第三の層から速やかに蒸散させ、また電池外部に除去することができる。よって、酸化剤極中の水分を効率よく除去することができるため、燃料電池の出力を向上させることができる。
 本発明の燃料電池において、前記撥水性樹脂がフッ素含有樹脂を含む構成とすることができる。こうすることにより、基材中の水分を、第三の層からさらに速やかに蒸散させ、また電池外部に除去することができる。よって、酸化剤極中の水分をより効率よく除去することができるため、燃料電池の出力をより一層向上させることができる。
 本発明の燃料電池用電極において、前記基材が多孔質の導電性物質である構成とすることができる。こうすることにより、基材中の気体の拡散路が確保するとともに、水分を除去する経路も確保することができる。よって、燃料電池に用いた際に、その出力を向上させることができる。
 本発明の燃料電池用電極において、前記基材がカーボンペーパーまたは発泡金属である構成とすることができる。こうすることにより、基材の導電性を好適に確保するとともに、基材中の気体の拡散路および水分を除去する経路が維持される。よって、燃料電池に用いた際に、その出力をより一層向上させることができる。
 本発明の燃料電池用電極において、前記第一の層が撥水性樹脂を含む構成とすることができる。こうすることにより、触媒層中の水分を、第一の層から第二の層に誘導する際の、より好適な水分の経路を確保することができる。したがって、触媒層中の水分を速やかに基材内部に誘導することができるため、水分を効率よく除去することができる。よって、燃料電池に用いた際に、その出力を向上させることができる。
 本発明の燃料電池用電極において、前記撥水性樹脂がフッ素含有樹脂を含む構成とすることができる。こうすることにより、触媒層中の水分をさらに速やかに基材内部に誘導することができるため、水分を効率よく除去することができる。よって、燃料電池に用いた際に、その出力を一層向上させることができる。
 本発明の燃料電池用電極において、前記第二の層が前記基材を粗面処理することにより形成された層とすることができる。この燃料電池用電極を燃料電池に用いることにより、第二の層に誘導された水分を、基材の電池外部側の表面に速やかに移動させる経路を確保することができる。また、基材表面が粗面処理されているため、基材表面に到達した水分はより速やかに蒸散することができる。したがって、電極から水分を効率よく除去することができるため、燃料電池に用いた際に、その出力を向上させることができる。
 本発明の燃料電池用電極において、前記第二の層が前記基材をサンドブラスト処理することにより形成された層とすることができる。こうすることにより、基材の触媒層が設けられていない表面が粗面化されるため、水分を速やかに移動させる経路を確保することができ、また水分を効率よく表面から蒸散させることができる。したがって、燃料電池に用いた際に、その出力をさらに向上させることができる。
 本発明の燃料電池用電極において、前記第二の層が前記基材を酸処理することにより形成された層とすることができる。こうすることにより、基材表面が粗面化されるとともに、基材に水素が導入される。したがって、基材をより親水化することができるとともに、水分を速やかに移動させる経路を確保することができ、また水分を効率よく表面から蒸散させることができる。したがって、燃料電池に用いた際に、その出力をより一層向上させることができる。
 本発明の燃料電池用電極において、前記基材中に、前記第二の層より前記触媒層から遠ざかる方向に向かって、さらに疎水性を有する第三の層が設けられた構成とすることができる。本発明に係る燃料電池用電極を用いた燃料電池は、第二の層に誘導された水分を、第三の層から効率よく電池外部に蒸散させることができる。こうすることにより、電極中の水分を効率よく除去することができる。したがって、電極中の気体の拡散路が維持されるため、燃料電池に用いた際に、その出力を向上させることができる。
 本発明の燃料電池用電極において、前記第三の層が撥水性樹脂を含む構成とすることができる。こうすることにより、基材中の水分を、第三の層から速やかに蒸散させ、また電極外に除去することができる。よって、電極中の水分を効率よく除去することができるため、燃料電池に用いた際に、その出力を向上させることができる。
 本発明の燃料電池用電極において、前記撥水性樹脂がフッ素含有樹脂を含む構成とすることができる。こうすることにより、基材中の水分を、第三の層からさらに速やかに蒸散させ、また電極外に除去することができる。よって、電極中の水分をより効率よく除去することができるため、燃料電池に用いる際に、その出力をより一層向上させることができる。
 本発明の燃料電池用電極の製造方法において、前記基材の他方の面に親水層を形成する前記工程は、前記基材を粗面処理する工程を含む構成とすることができる。こうすることにより、電極中の水分を効率よく蒸散させ、また電極外に除去する表面が形成される。よって、上記製造方法によって得られる燃料電池用電極は、燃料電池に用いた際に、その出力を高めることができる。
 本発明の燃料電池用電極の製造方法において、前記基材の他方の面に親水層を形成する前記工程は、サンドブラスト処理する工程を含む構成とすることができる。こうすることにより、親水層が粗面化されるため、電極中の水分を効率よく蒸散させ、また電極外に除去する表面が形成される。よって、上記製造方法によって得られる燃料電池用電極は、燃料電池に用いた際に、その出力を高めることができる。
 本発明の燃料電池用電極の製造方法において、前記基材の他方の面に親水層を形成する前記工程は、酸処理する工程を含む構成とすることができる。こうすることにより、親水層が粗面化されるため、また、基材中に水素が導入されるため、電極中の水分を効率よく表面に誘導し、蒸散させ、また電極外に除去する表面が形成される。よって、上記製造方法によって得られる燃料電池用電極は、燃料電池に用いた際に、その出力をより一層高めることができる。
 本発明の燃料電池用電極の製造方法において、前記基材の他方の面に親水層を形成する前記工程の後、前記親水層の表面に疎水層を形成する工程をさらに含む構成とすることができる。
 上記製造方法により得られる燃料電池用電極は、第二の層に誘導された水分を、第三の層から効率よく電池外部に蒸散させることができる。こうすることにより、電極中の水分を効率よく除去することができる。したがって、電極中の気体の拡散路が維持され、燃料電池に用いた際に、その出力を向上させることができる燃料電池用電極を製造することができる。
 図1は本実施形態における燃料電池の単セル構造を模式的に示した断面図である。燃料電池100は、単セル構造101を有する。各単セル構造101は、燃料極102、酸化剤極108および固体電解質膜114から構成される。各単セル構造101の燃料極102には、燃料極側セパレータ120を介して燃料124が供給される。また、各単セル構造101の酸化剤極108には、酸化剤極側セパレータ122を介して酸化剤126が供給される。
 本実施形態における燃料極102および酸化剤極108は、触媒層106、触媒層112を基材104、基材110上に形成した構成となっている。そして酸化剤極108を構成する基材110には、触媒層112の側から電池外部に向かって、疎水性を有する第一の層および親水性を有する第二の層が形成されている。ここで、「電池外部」とは、固体電解質膜114から遠ざかる方向をいう。
 たとえば、図1では、基材110の、触媒層112と接する面に疎水層441が設けられ、疎水層441より電池外部は親水層443となっている。
 また、親水層443は、図1のように、基材110の疎水層441以外の全体に形成されていてもよいし、触媒層112が形成されていない表面近傍にのみ形成されてもよい。
 こうすることによって、酸化剤極108の触媒層112中の水分を、触媒層112に接した疎水層441から速やかに基材110内部、すなわち親水層443に誘導し、さらに基材110の電池外部側の表面から蒸散させることができる。
 ここで、疎水層441に対して親水層443の表面は粗面化されている。こうすることにより、疎水層441から親水層443に誘導された水分を、より速やかに蒸散させることができる。
 親水層443の疎水層441に対する親水化の指標として、たとえば、親水層443が形成された表面の中心線平均粗さRaと、疎水層441が形成された表面の中心線平均粗さRaとが、Ra<Raを満たす構成とすることができる。すなわち、水分を蒸散させるための親水層443を、水分を基材110の内部に排出するための疎水層441よりも粗い表面構造とすることができる。このような構成とすることによって、酸化剤極108の触媒層106中に存在する水を、疎水層441から基材内に排出し、さらに他方の面から速やかに蒸散させ、除去することができる。
 図2は本実施形態の燃料電池の別の例を示した図である。図2では、基材110の両面に疎水層441が設けられており、これらの間に親水層443が設けられている。
 このように、本実施形態の燃料電池では、親水性を有する第二の層より電池外部に向かって、さらに疎水性を有する第三の層が設けられた構成とすることもできる。こうすることにより、酸化剤極108の触媒層112中の水分は、疎水層441から速やかに基材110の内部に排出され、親水層443に誘導される。そして電池外部側の疎水層441からより効率的に水分を蒸散させることができる。
 また、基材110の両面に疎水層441が形成された場合、内側の疎水層441を、他方に対してより疎水性とすることにより、さらに効果的に水分を除去することができる。
 なお、本実施形態の燃料電池において、疎水層441に撥水性を付与することにより、より一層効果的に水分を除去することができる。
 以上のように、本実施形態の燃料電池は酸化剤極の一枚の基材内に親水層および疎水層が備えられているため、従来の燃料電池で複数の基材を重ねて用いる場合に比べ、燃料電池を薄型化することができる。また、複数の基材を重ねる場合に比べ、電気的接触も良好に維持することができる。
 基材104および基材110としては、カーボンペーパー、カーボンの成形体、カーボンの焼結体、焼結金属、発泡金属などの多孔性基材を用いることができる。基材104および基材110として発泡金属を用いる場合、たとえばステンレス製、ニッケル製のものを用いることができる。ステンレス製の発泡金属を用いることにより、特に燃料極における燃料液体に対する耐性が良好に維持されるため、燃料電池の耐久性や安全性を向上させることができる。
 燃料極102の触媒としては、白金、ロジウム、パラジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、レニウム、金、銀、ニッケル、コバルト、リチウム、ランタン、ストロンチウム、イットリウムなどが例示され、これらを単独または二種類以上組み合わせて用いることができる。一方、酸化剤極108の触媒としては、燃料極102の触媒と同様のものが用いることができ、上記例示物質を使用することができる。なお、燃料極102および酸化剤極108の触媒は同じものを用いても異なるものを用いてもよい。
 触媒を担持する炭素粒子としては、アセチレンブラック(デンカブラック(電気化学社製:登録商標)、XC72(Vulcan社製)など)、ケッチェンブラック、アモルファスカーボン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどが例示される。炭素粒子の粒径は、たとえば、0.01μm以上0.1μm以下、好ましくは0.02μm以上0.06μm以下とする。
 本実施形態の触媒電極の構成成分である固体高分子電解質は、触媒電極表面において、触媒を担持した炭素粒子と固体電解質膜114を電気的に接続するとともに触媒表面に有機液体燃料を到達させる役割を有しており、水素イオン伝導性や水移動性が要求され、さらに、燃料極102においてはメタノール等の有機液体燃料透過性が求められ、酸化剤極108においては酸素透過性が求められる。固体高分子電解質としてはこうした要求を満たすために、水素イオン伝導性や、メタノール等の有機液体燃料透過性に優れる材料が好ましく用いられる。具体的には、スルホン基、リン酸基などの強酸基や、カルボキシル基などの弱酸基などの極性基を有する有機高分子が好ましく用いられる。こうした有機高分子として、スルホン基含有パーフルオロカーボン(ナフィオン(デュポン社製)、アシプレックス(旭化成社製)など);
カルボキシル基含有パーフルオロカーボン(フレミオンS膜(旭硝子社製)など);
ポリスチレンスルホン酸共重合体、ポリビニルスルホン酸共重合体、架橋アルキルスルホン酸誘導体、フッ素樹脂骨格およびスルホン酸からなるフッ素含有高分子などの共重合体;
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸のようなアクリルアミド類とn−ブチルメタクリレートのようなアクリレート類とを共重合させて得られる共重合体;
などが例示される。
 また、極性基の結合する対象の高分子としては他に、ポリベンズイミダゾール誘導体、ポリベンズオキサゾール誘導体、ポリエチレンイミン架橋体、ポリサイラミン誘導体、ポリジエチルアミノエチルポリスチレン等のアミン置換ポリスチレン、ジエチルアミノエチルポリメタクリレート等の窒素置換ポリアクリレート等の窒素または水酸基を有する樹脂;
シラノール含有ポリシロキサン、ヒドロキシエチルポリメチルアクリレートに代表される水酸基含有ポリアクリル樹脂;
パラヒドロキシポリスチレンに代表される水酸基含有ポリスチレン樹脂;
などを用いることもできる。
 また、上記した高分子に対して、適宜、架橋性の置換基、例えば、ビニル基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、シンナモイル基、メチロール基、アジド基、ナフトキノンジアジド基を導入してもよい。
 燃料極102および酸化剤極108における上記の固体高分子電解質は、同一のものであっても異なるものであってもよい。
 固体電解質膜114は、燃料極102と酸化剤極108を隔てるとともに、両者の間で水素イオンを移動させる役割を有する。このため、固体電解質膜114は、水素イオンの伝導性が高い膜であることが好ましい。また、化学的に安定であって機械的強度が高いことが好ましい。
 固体電解質膜114を構成する材料としては、スルホン基、リン酸基、ホスホン基、ホスフィン基などの強酸基や、カルボキシル基などの弱酸基などの極性基を有する有機高分子が好ましく用いられる。こうした有機高分子として、スルフォン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェニレン)、アルキルスルフォン化ポリベンゾイミダゾールなどの芳香族含有高分子;
ポリスチレンスルホン酸共重合体、ポリビニルスルホン酸共重合体、架橋アルキルスルホン酸誘導体、フッ素樹脂骨格およびスルホン酸からなるフッ素含有高分子などの共重合体;
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸のようなアクリルアミド類とn−ブチルメタクリレートのようなアクリレート類とを共重合させて得られる共重合体;
スルホン基含有パーフルオロカーボン(ナフィオン(デュポン社製:登録商標)、アシプレックス(旭化成社製:登録商標));
カルボキシル基含有パーフルオロカーボン(フレミオンS膜(旭硝子社製));
などが例示される。このうち、スルフォン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェニレン)、アルキルスルフォン化ポリベンゾイミダゾールなどの芳香族含有高分子を選択した場合、有機液体燃料の透過を抑制でき、クロスオーバーによる電池効率の低下を抑えることができる。
 また、本実施形態の燃料電池には、液体燃料が供給される。液体燃料に含まれる有機化合物は、水素原子とを含む。たとえば、メタノール、エタノール、プロパノ−ルなどのアルコール類、ジメチルエーテルなどのエーテル類、シクロヘキサンなどのシクロパラフィン類、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基等の親水基を有するシクロパラフィン類、シクロパラフィンの1置換体または2置換体、などを用いることができる。ここで、シクロパラフィン類は、シクロパラフィンおよびその置換体をいい、芳香族化合物を以外のものが用いられる。また、酸化剤としては、たとえば酸素、空気などを用いることができる。
 本実施形態における燃料電池の作製方法は特に制限がないが、たとえば以下のようにして作製することができる。
 まず、酸化剤極を構成する基材への疎水層、親水層の作製方法について説明する。基材に疎水層、親水層を形成する方法として、たとえば、以下の実施形態を挙げることができる。
 (i)基材全体を親水処理した後基材の一表面を疎水処理
 (ii)基材の一表面の親水処理および基材の一表面の疎水処理
 (iii)基材全体を疎水処理した後基材の一表面を親水処理
 さらに、本実施形態においては、基材の両面が疎水層であり、疎水層の間に親水層が形成された構成とすることもできるが、このような基材は以下のようにして作製することができる。
 (iv)基材全体を親水処理した後基材の両表面を疎水処理
 以上において、基材の疎水処理により撥水性を付与することにより、より一層水分の除去に効果的な構成とすることができる。
 上記(i)〜(iv)において、基材を親水処理する工程には、粗面化の工程を含むことができる。基材を粗面化し、親水性を付与する方法として、化学的方法、物理的方法、およびこれらの組み合わせを用いることができる。化学的方法として、たとえば、濃硫酸、濃硝酸などに基材を浸漬あるいは接触させる方法を用いることができる。また、電解酸化、水蒸気酸化などの方法を用いることもできる。これらの方法により、基材表面に水素が導入されるため、水との親和性を高めることが可能である。
 また、基材を粗面化し、親水性を付与する物理的方法として、基材の表面に、微細炭素繊維や微細炭素粒子などを含む微細粉体を、サンドブラスト法により吹き付ける方法を用いることもできる。このとき用いられる微細粉体の平均粒子径は、たとえば、0.01μm以上0.2μm以下とすることができる。サンドブラスト処理された表面は、たとえば図3のように、粗い表面となるため、未処理の表面よりも水分の移動経路が好適に確保される。また、処理された面からは速やかに水を蒸散させることができるため、効率よく水分を除去することができる。
 なお、基材を親水処理する方法として、他に、たとえば、O、N、Arなどを用いたプラズマ処理を用いることもできる。
 これらの方法を用いることにより、特開平9−245800号公報など従来の燃料電池に記載された、親水処理にSiOなどの絶縁性物質を用いる方法に比べ、比電気抵抗を増加させることなく水との親和性を高めることができる。したがって、触媒層中の水分は、疎水層を介して親水層に効率よく誘導される。そして、基材表面で蒸散する。
 さらに、上記の化学的処理と物理的処理を組み合わせることによって、酸化剤極表面の親水層での水分の蒸散効率をより一層高めることができる。たとえば、サンドブラスト処理を施した基材を上記の酸などを用いて親水処理することによって、表面積が大きくかつ水との親和性が高い表面とすることができる。
 以上のように、本実施形態に係る燃料電池は、親水層が粗面処理されているため、酸化剤極の触媒層中の水分をより高い水準で効率よく除去し、基材表面から蒸散させることができる。このため、燃料電池の出力をより向上させることができる。
 一方、上記(i)〜(iv)において、基材を疎水処理する方法として、たとえば、ポリエチレン、パラフィン、ポリジメチルシロキサン、PTFE、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリ(パーフルオロオクチルエチルアクリレート)(FMA)、ボリフォスファゼンなどの疎水性物質の溶液または懸濁液に基材を浸漬あるいは接触させる方法を用いることができる。特に、PTFE、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリ(パーフルオロオクチルエチルアクリレート)(FMA)、ボリフォスファゼンなどの撥水性の高い物質を用いることにより、好ましい疎水層を形成することができる。
 また、PTFE、PFA、FEP、フッ化ピッチ、ボリフォスファゼンなどの疎水性材料を粉砕し、溶媒に懸濁させたものを塗布することもできる。塗布液は、疎水性材料と、金属あるいは炭素などの導電性物質の混合懸濁液とすることもできる。また、塗布液は、撥水性を有する導電繊維、たとえばドリーマロン(ニッセン社製:登録商標)など、を粉砕し、溶媒に懸濁させたものとすることもできる。このように、導電性かつ撥水性の物質を用いることにより、電池出力をさらに高めることができる。
 また、金属あるいは炭素などの導電性物質を粉砕し、これに上記の疎水性材料をコーティングしたものを懸濁し、塗布することもできる。
 塗布方法には特に制限はないが、たとえば、刷毛塗り、スプレー塗布、およびスクリーン印刷等の方法を用いることができる。
 また、基材の表面に、プラズマ法により疎水基を導入することもできる。こうすることにより、疎水層の厚みを所望の厚みに形成することができる。たとえば、上記(iv)の場合、触媒層と接しない側の疎水層を薄くすることによって、気体の親水層を通過した水をより速やかに蒸散させることができる。たとえば、触媒層と接しない側の疎水層を、10μm以上100μm以下とすることができる。
 たとえば、気体の表面に、CFプラズマ処理を行うことにより、基材表面に撥水性が付与され、水分の蒸散効率を高めることができる。
 あるいは、前記(iii)の場合、たとえばPTFEなどの撥水性樹脂と、炭素粒子などの導電性物質とを混合し、板状とした後乾燥することにより、導電性かつ撥水性の基材を得ることもできる。その後、上記の方法により、得られた基材の表面を粗面処理することにより、親水性の層を形成することができる。
 燃料極および酸化剤極の触媒の炭素粒子への担持は、一般的に用いられている含浸法によって行うことができる。次に触媒を担持させた炭素粒子と上記固体高分子電解質粒子を溶媒に分散させ、ペースト状とした後、これを基材に塗布、乾燥させることによって燃料極および酸化剤極を得ることができる。ここで、炭素粒子の粒径は、たとえば0.01μm以上0.1μm以下とする。触媒粒子の粒径は、たとえば1nm以上10nm以下とする。また、固体高分子電解質粒子の粒径は、たとえば0.05μm以上1μm以下とする。炭素粒子と固体高分子電解質粒子とは、たとえば、重量比で2:1〜40:1の範囲で用いられる。また、ペースト中の水と溶質との重量比は、たとえば、1:2〜10:1程度とする。
 基材へのペーストの塗布方法については特に制限がないが、たとえば、刷毛塗り、スプレー塗布、およびスクリーン印刷等の方法を用いることができる。ペーストは、たとえば約1μm以上200μm以下の厚さで塗布される。酸化剤極の場合は、上記の方法で作製した疎水面上に、ペーストが塗布される。ペーストを塗布した後、使用するフッ素樹脂に応じた加熱温度および加熱時間で加熱し、燃料極または酸化剤極が作製される。加熱温度および加熱時間は、用いる材料によって適宜に選択されるが、たとえば、加熱温度100℃以上250℃以下、加熱時間30秒以上30分以下とすることができる。
 本実施形態における固体電解質膜は、用いる材料に応じて適当な方法を採用して作製することができる。たとえば固体電解質膜を有機高分子材料で構成する場合、有機高分子材料を溶媒に溶解ないし分散した液体を、ポリテトラフルオロエチレン等の剥離性シート等の上にキャストして乾燥させることにより得ることができる。
 得られた固体電解質膜を、燃料極および酸化剤極で挟み、ホットプレスし、触媒電極−固体電解質膜接合体を作製する。このとき、両触媒電極の触媒が設けられた面と固体電解質膜とが接するようにする。ホットプレスの条件は、材料に応じて選択されるが、固体電解質膜や触媒電極表面の固体高分子電解質を、軟化点やガラス転移点を有する有機高分子で構成する場合、これらの高分子の軟化温度やガラス転位温度を超える温度とすることができる。具体的には、例えば、温度100℃以上250℃以下、圧力1kg/cm以上100kg/cm以下、時間10秒以上300秒以下とすることができる。
 以下に本実施形態の燃料電池及びその製造方法を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
 [実施例1]
 本実施例の燃料電池においては、酸化剤極の基材表面に疎水層および親水層を形成し、疎水層上に触媒層を形成した。
 燃料極、酸化剤極とも基材には大きさ2cm×2cm、厚さ0.3mmのカーボンペーパー(TGP−H−120;東レ社製)を用いた。燃料極にはこれを未処理で用い、酸化剤極には以下の処理を施した。
 カーボンペーパーの片面を、PTFE分散液(PTFE30−J;デュポン社製)を6wt%に調製した溶液に接触させ、200℃で乾燥させることにより、疎水層を作製した。また、もう片方の面を、濃硫酸(97wt%)に接触させ、洗浄後、120℃で乾燥させることにより、親水層を作製した。
 燃料極、酸化剤極への触媒層の形成には以下の方法を用いた。ルテニウム-白金合金を担持したケッチェンブラック100mgにアルドリッチ社製5%ナフィオン溶液を加え、超音波混合器で50℃にて3時間攪拌して触媒ペーストとした。上で用いた合金組成は50atom%Ruで、合金と炭素微粉末の重量比は1:1とした。このペーストをそれぞれのカーボンペーパー上に2mg/cm塗布し、120℃で乾燥させ、触媒電極とした。
 上記触媒電極をナフィオン117(デュポン社製:登録商標)膜の両面に120℃で熱圧着し、得られた触媒電極−固体電解質膜接合体を燃料電池セルとした。
 この燃料電池セルに燃料として10v/v%メタノール水溶液と酸素ガスをそれぞれ2cc/min、30cc/min供給し、電池特性を測定したところ、電流密度100mA/cm時の電池電圧が0.4Vとなった。この特性は12時間経過後も大きな変化が見られなかった。
 [参照例1]
 実施例1と同様にして、燃料電池セルを作製した。ただし、本参照例においては、酸化剤極についても、基材の親水処理および疎水処理を行わず、未処理の2cm×2cmのカーボンペーパー(TGP−H−120;東レ社製)を用いた。
 この燃料電池セルに燃料として10v/v%メタノール水溶液と酸素ガスをそれぞれ2cc/min、30cc/min供給し、電池特性を測定したところ、電流密度100mA/cm時の電池電圧が0.4Vとなった。また、12時間経過後は電池電圧が0.35Vとなり、長時間使用により出力の低下が生じた。
 [参照例2]
 実施例1と同様にして、燃料電池セルを作製した。本参照例においては、酸化剤極側の基材の親水処理を行わず、一方の面に疎水層を形成する処理のみ行った。疎水層の作製は、実施例1と同様にして行った。
 燃料極、酸化剤極への触媒層の形成は、実施例1と同様の方法で行った。得られた触媒電極をナフィオン117(デュポン社製:登録商標)膜の両面に120℃で熱圧着し、得られた触媒電極−固体電解質膜接合体を燃料電池セルとした。
 この燃料電池セルに燃料として10v/v%メタノール水溶液と酸素ガスをそれぞれ2cc/min、30cc/min供給し、電池特性を測定したところ、電流密度100mA/cm時の電池電圧が0.4Vとなった。また、12時間経過後は電池電圧が0.37Vとなり、長時間使用により出力の低下が生じた。
 [実施例2]
 本実施例においては、酸化剤極の基材全体を親水処理し、次いで一方の面に疎水層を形成し、疎水層上に触媒層を形成した。
 燃料極、酸化剤極とも基材には大きさ2cm×2cm、厚さ0.3mmのカーボンペーパー(TGP−H−120;東レ社製)を用いた。燃料極にはこれを未処理で用い、酸化剤極には以下の処理を施した。
 カーボンペーパーを濃硫酸(97wt%)に浸漬し、洗浄後、120℃で乾燥させることにより、親水処理を行った。次いで、得られたカーボンペーパーの片面に、PTFE分散液(PTFE30−J;デュポン社製)を6wt%に調製した溶液をスプレー塗布し、200℃で乾燥させることにより、疎水層を作製した。
 燃料極、酸化剤極への触媒層の形成は、実施例1と同様の方法で行った。得られた触媒電極をナフィオン117(デュポン社製:登録商標)膜の両面に120℃で熱圧着し、得られた触媒電極−固体電解質膜接合体を燃料電池セルとした。
 この燃料電池セルに燃料として10v/v%メタノール水溶液と酸素ガスをそれぞれ2cc/min、30cc/min供給し、電池特性を測定したところ、電流密度100mA/cm時の電池電圧が0.4Vとなった。この特性は12時間経過後も大きな変化が見られなかった。
 [実施例3]
 本実施例においては、酸化剤極の基材全体を親水処理し、次いでその両面を疎水処理し、一方の表面上に触媒層を形成した。したがって、本実施例の場合、疎水層の形成された表面の間に、親水層が形成された構成である。
 燃料極、酸化剤極とも基材には大きさ2cm×2cm、厚さ0.3mmのカーボンペーパー(TGP−H−120;東レ社製)を用いた。燃料極にはこれを未処理で用い、酸化剤極には以下の処理を施した。
 カーボンペーパーを濃硫酸(97wt%)に浸漬し、洗浄後、120℃で乾燥させることにより、親水処理を行った。次いで、得られたカーボンペーパーの両面を、片面ずつ順番にPTFE分散液(PTFE30−J;デュポン社製)を6wt%に調製した溶液に接触させ、200℃で乾燥させることにより、両面に疎水層を作製した。
 燃料極、酸化剤極への触媒層の形成は、実施例1と同様の方法で行った。得られた触媒電極をナフィオン117(デュポン社製:登録商標)膜の両面に120℃で熱圧着し、得られた触媒電極−固体電解質膜接合体を燃料電池セルとした。
 この燃料電池セルに燃料として10v/v%メタノール水溶液と酸素ガスをそれぞれ2cc/min、30cc/min供給し、電池特性を測定したところ、電流密度100mA/cm時の電池電圧が0.4Vとなった。この特性は12時間経過後も変化が見られなかった。
 [実施例4]
 本実施例においては、酸化剤極の基材表面に疎水層および親水層を形成し、疎水層上に触媒層を作製した。
 燃料極、酸化剤極とも基材には大きさ2cm×2cm、厚さ0.3mmのニッケル発泡金属(三菱マテリアル社製)を用いた。燃料極にはこれを未処理で用い、酸化剤極には以下の処理を施した。
 ニッケル発泡金属の片面に、平均粒径1μmの炭素粒子をサンドブラスト法により吹き付け、親水処理を行った。得られた表面の凹凸の程度を評価したところ、基材表面の中心線平均粗さ(Ra)は10μmから15μmの範囲であった。未処理の表面のRaは3μmから6μmであったため、サンドブラスト処理により、表面が粗くなったことが確かめられた。次いで、得られたカーボンペーパーの片面を、PTFE分散液(PTFE30−J;デュポン社製)を6wt%に調製した溶液に接触させ、200℃で乾燥させることにより、疎水層を作製した。
 燃料極、酸化剤極への触媒層の形成は、実施例1と同様の方法で行った。得られた触媒電極をナフィオン117(デュポン社製:登録商標)膜の両面に120℃で熱圧着し、得られた触媒電極−固体電解質膜接合体を燃料電池セルとした。
 この燃料電池セルに燃料として10v/v%メタノール水溶液と酸素ガスをそれぞれ2cc/min、30cc/min供給し、電池特性を測定したところ、電流密度100mA/cm時の電池電圧が0.4Vとなった。この特性は12時間経過後も大きな変化が見られなかった。
 以上の実施例および参照例より、本実施形態の燃料電池では、酸化剤極の基材に親水層と疎水層を形成することによって、酸化剤極に存在する水の排出、蒸散が促進されるため、高出力が発揮され、長時間使用時の出力低下も抑制できることが明らかになった。
本発明の実施の形態における燃料電池の構造を模式的に示した断面図である。 本発明の実施の形態における燃料電池の構造を模式的に示した断面図である。 本発明の実施の形態における酸化剤極の基材を模式的に示した断面図である。
符号の説明
 100 燃料電池
 101 単セル構造
 102 燃料極
 104 基材
 106 触媒層
 108 酸化剤極
 110 基材
 112 触媒層
 114 固体電解質膜
 120 燃料極側セパレータ
 122 酸化剤極側セパレータ
 124 燃料
 126 酸化剤
 441 疎水層
 443 親水層

Claims (28)

  1.  固体電解質膜と、該固体電解質膜を挟持する燃料極および酸化剤極と、前記燃料極に液体燃料を供給する液体燃料供給部とを含む燃料電池であって、
     前記酸化剤極は、基材と、前記基材と前記固体電解質膜との間に設けられた触媒層とを含み、
     前記基材中に、前記触媒層の側から電池外部に向かって、疎水性を有する第一の層および親水性を有する第二の層がこの順で設けられたことを特徴とする燃料電池。
  2.  請求項1に記載の燃料電池において、前記基材が多孔質の導電性物質であることを特徴とする燃料電池。
  3.  請求項1または2に記載の燃料電池において、前記基材がカーボンペーパーまたは発泡金属であることを特徴とする燃料電池。
  4.  請求項1乃至3いずれかに記載の燃料電池において、前記第一の層が撥水性樹脂を含むことを特徴とする燃料電池。
  5.  請求項4に記載の燃料電池において、前記撥水性樹脂がフッ素含有樹脂を含むことを特徴とする燃料電池。
  6.  請求項1乃至5いずれかに記載の燃料電池において、前記第二の層が前記基材を粗面処理することにより形成されたことを特徴とする燃料電池。
  7.  請求項6に記載の燃料電池において、前記第二の層が前記基材をサンドブラスト処理することにより形成されたことを特徴とする燃料電池。
  8.  請求項6または7に記載の燃料電池において、前記第二の層が前記基材を酸処理することにより形成されたことを特徴とする燃料電池。
  9.  請求項1乃至8いずれかに記載の燃料電池において、前記基材中に、前記第二の層より電池外部に向かって、さらに疎水性を有する第三の層が設けられたことを特徴とする燃料電池。
  10.  請求項9に記載の燃料電池において、前記第三の層が撥水性樹脂を含むことを特徴とする燃料電池。
  11.  請求項10に記載の燃料電池において、前記撥水性樹脂がフッ素含有樹脂を含むことを特徴とする燃料電池。
  12.  液体燃料供給型燃料電池に用いる燃料電池用電極であって、
     基材と、該基材の一方の面に設けられた触媒層とを含み、
     前記基材中に、前記触媒層の側から、前記触媒層から遠ざかる方向に向かって、疎水性を有する第一の層および親水性を有する第二の層がこの順で設けられたことを特徴とする燃料電池用電極。
  13.  請求項12に記載の燃料電池用電極において、前記基材が多孔質の導電性物質であることを特徴とする燃料電池用電極。
  14.  請求項12または13に記載の燃料電池用電極において、前記基材がカーボンペーパーまたは発泡金属であることを特徴とする燃料電池用電極。
  15.  請求項12乃至14いずれかに記載の燃料電池用電極において、前記第一の層が撥水性樹脂を含むことを特徴とする燃料電池用電極。
  16.  請求項至15に記載の燃料電池用電極において、前記撥水性樹脂がフッ素含有樹脂を含むことを特徴とする燃料電池用電極。
  17.  請求項12乃至16いずれかに記載の燃料電池用電極において、前記第二の層が前記基材を粗面処理することにより形成されたことを特徴とする燃料電池用電極。
  18.  請求項17に記載の燃料電池用電極において、前記第二の層が前記基材をサンドブラスト処理することにより形成されたことを特徴とする燃料電池用電極。
  19.  請求項17または18に記載の燃料電池用電極において、前記第二の層が前記基材を酸処理することにより形成されたことを特徴とする燃料電池用電極。
  20.  請求項12乃至19いずれかに記載の燃料電池用電極において、前記基材中に、前記第二の層より前記触媒層から遠ざかる方向に向かって、さらに疎水性を有する第三の層が設けられたことを特徴とする燃料電池用電極。
  21.  請求項20に記載の燃料電池用電極において、前記第三の層が撥水性樹脂を含むことを特徴とする燃料電池用電極。
  22.  請求項21に記載の燃料電池用電極において、前記撥水性樹脂がフッ素含有樹脂を含むことを特徴とする燃料電池用電極。
  23.  液体燃料供給型燃料電池に用いる燃料電池用電極の製造方法であって、
     基材の一方の面に疎水層を形成する工程と、
     前記基材の他方の面に親水層を形成する工程と、
     触媒物質を担持した導電粒子と固体高分子電解質を含む粒子とを含有する塗布液を、前記疎水層の表面に塗布して触媒層を形成する工程と、
     を含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  24.  請求項23に記載の燃料電池用電極の製造方法において、前記基材の他方の面に親水層を形成する前記工程は、前記基材を粗面処理する工程を含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  25.  請求項23または24に記載の燃料電池用電極の製造方法において、前記基材の他方の面に親水層を形成する前記工程は、サンドブラスト処理する工程を含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  26.  請求項23乃至25いずれかに記載の燃料電池用電極の製造方法において、前記基材の他方の面に親水層を形成する前記工程は、酸処理する工程を含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  27.  請求項23乃至26いずれかに記載の燃料電池用電極の製造方法において、前記基材の他方の面に親水層を形成する前記工程の後、前記親水層の表面に疎水層を形成する工程をさらに含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  28.  燃料極、酸化剤極、および前記燃料極と前記酸化剤極とで挟持された固体電解質膜、および前記燃料極への燃料供給部を含む液体燃料供給型燃料電池の製造方法であって、
     請求項23乃至27いずれかに記載の燃料電池用電極の製造方法により前記酸化剤極を形成する工程と、
     前記酸化剤極、固体電解質膜および燃料極を、この順で積層した状態で圧着する工程と、
     を含むことを特徴とする液体燃料供給型燃料電池の製造方法。
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