JP2010149208A - 多孔平板体の表面処理方法、多孔平板体、及び燃料電池 - Google Patents

多孔平板体の表面処理方法、多孔平板体、及び燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】3次元網目構造を有した多孔平板体の表面に対して、反りなく、所望の表面性状を効率的に得ることができる多孔平板体の表面処理方法を提供する。
【解決手段】3次元網目構造を有したエキスパンドメタル10の一方の表面11に対して、一方の表面11の表面粗さが、所定の表面粗さとなるように、砥粒を投射してブラスト処理を行う第一のブラスト処理工程と、一方の表面11がブラスト処理をされた他方の表面12に対して、他方の表面12の表面粗さが所定の表面粗さとなるように、砥粒を投射してブラスト処理を行う第二のブラスト処理工程と、を少なくとも含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、3次元網目構造を有した多孔平板体の表面処理方法であって、特に、ブラスト処理により多孔平板体の表面粗さを大きくするに好適な表面処理方法に関する。
従来から、ブラスト処理は、これまでの酸洗浄に代って、しばしば圧延ロールにより数十mmの厚さに圧延された圧延材の脱スケール除去に利用されている。この際には、両面ともに均一処理を目的として、同一ライン上にガンを対向設置して、かつ両面ともに同一のエネルギーとなるように、同時に砥粒を圧延材の表面に投射してブラスト処理(サンドブラスト処理やショットブラスト処理)を行うことが一般的である。
また、上述する厚さ以下の圧延材に対して、ブラスト処理を行った場合には、単位体積あたりの砥粒(メディア)の残留割合が増え、投射される砥粒の圧延材へのあたり具合の差により歪(塑性変形)が発生して再焼鈍する必要がある場合がある。
また、このような圧延材と同様に、3次元網目構造を有した多孔平板体に対しても、表面処理を行う場合には、上述したのと同様に、多孔平板体の表面に向かって、同一ラインから同時に、砥粒を表面に投射してブラスト処理がされている(例えば、特許文献1参照)。
一方、砥粒(メディア)を用いたブラスト処理は、被処理材に投射される砥粒の投射エネルギーにより、被処理材に入熱を与えることがあり、被処理材への入熱の増加を回避するために液体を用いたブラスト処理(液体ホーニング処理)を行うことがある。
特開2003−203639号公報
しかし、特許文献1に記載のブラスト処理を用いて、多孔平板体を処理した場合には、投射材となる砥粒が網目構造(孔)を通り抜けて反発し合うため、砥粒の投射エネルギーが減少してしまい、ブラスト処理により所望の表面性状を得ることが充分できない場合がある。
また、エキスパンドメタルなどの3次元網目構造を有した多孔平板体に、液体によるブラスト処理を行った場合には、ガンからの液体(投射物)が同一ライン上で同時に、多孔平板体を通過するため、対向して投射された液体が反発し合い、投射圧がエキスパンドメタルの表面において充分に作用しないことがあった。この結果、エキスパンドメタルの表面に、所望の表面性状を付与ことができない場合があった。
さらに、上述するような砥粒又は液体によりブラスト処理を行う場合には、同時に両面から処理を行うため、上述したように、投射される砥粒又は液体のあたり具合の差によって、歪(塑性変形)が発生し、多孔平板体が反る場合もあった。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、3次元網目構造を有した多孔平板体の表面に対して、反りなく、所望の表面性状を効率的に得ることができる多孔平板体の表面処理方法を提供することにある。
前記課題を解決すべく、本発明に係る多孔平板体の表面処理方法は、3次元網目構造を有した多孔平板体の一方の表面に対して、該一方の表面の表面粗さが所定の表面粗さとなるように、砥粒を投射してブラスト処理を行う第一のブラスト処理工程と、前記一方の表面がブラスト処理をされた前記多孔平板体の他方の表面に対して、該他方の表面の表面粗さが所定の表面粗さとなるように、砥粒を投射してブラスト処理を行う第二のブラスト処理工程と、を少なくとも含むことを特徴とする。
本発明によれば、第二のブラスト処理工程において、一方の表面がブラスト処理をされた他方の表面に対して、砥粒を投射してブラスト処理を行うので、砥粒が網目構造(孔)を通り抜けて反発し合って砥粒の投射エネルギーが減少するような現象は発生しない。この結果として、ブラスト処理により所望の表面性状(所望の表面粗さ)を得ることができる。また、第一のブラスト処理工程後に、投射圧などを調整して第二のブラスト処理工程を実施ことにより、多孔平板体の反りも抑制することができる。
このような多孔平板体の反りを抑制するためには、前記第二のブラスト処理工程における前記砥粒が前記平板体に作用するエネルギーを、前記第一のブラスト処理工程における前記砥粒が前記平板体に作用するエネルギーと異なるように、前記ブラスト処理を行うことがより好ましい。
発明者らは、実験を重ねることにより、特に薄板材の多孔平板体に対して、第一のブラスト処理工程を行った場合には、一方の表面の表面硬化の影響を受けるため、厳密には、両面に対して同一の処理を行うことが難しく、さらに、第二のブラスト処理工程におけるブラスト処理は、多孔平板体に対する塑性変形に対して支配的であるとの知見を得ており、この知見から、第二のブラスト処理工程において、第一のブラスト処理工程よりも、砥粒が平板体に作用するエネルギーを変化させることにより、均一に処理ができると共に、多孔平板体の反りも抑制(強制)することができる。
また、ブラスト処理において、前記砥粒が前記平板体に作用するエネルギーを調整する方法としては、例えば、砥粒の平均粒径を変更したり、砥粒の投射圧を変更したりすることにより、達成することができるが、より好ましくは、第二のブラスト処理工程における砥粒を投射する圧力が、前記第一のブラスト処理工程における前記砥粒を投射する圧力よりも低くなる(砥粒を投射する圧力と異なる)ように、前記ブラスト処理を行う。
本発明によれば、砥粒の投射圧、具体的には、砥粒を搬送ガスと吹き付けるためのガスの吹き付け圧を調整することにより、砥粒が平板体に作用するエネルギーの調整を簡単に行うことができる。
また、本発明に係る多孔平板体の表面処理方法において、投射する砥粒は、平板体の表面に表面粗さを付与することができるのであれば、例えば、球状、多角形状など、砥粒の形状は特に、限定されるものではないが、より好ましくは、前記第一及び第二のブラスト処理工程における前記砥粒は、多角形状の砥粒である。本発明にいう多角形状の砥粒とは、表面に尖り部分を有した、多面体上の砥粒である。
本発明によれば、多角形状の砥粒を用いることにより、好適に、多孔平板体の表面粗さを調整することができるばかりでなく、後述したように、この多角形状の砥粒で処理された平板体は、他のものに比べてより親水性を高められる。
また、前記砥粒としては、例えば、セラミックス系の砥粒を挙げることができ、砥粒の硬度、及び砥粒の素材の耐久性を考慮した場合には、アルミナの砥粒がより好ましい。アルミナからなる砥粒を用いる場合には、平均粒径は、5μm〜50μmの砥粒であることがより好ましく、この場合、砥粒の送り速度(投射速度)は、10〜100mm/secであることがより好ましい。送り速度を10mm/sec未満にすると、凹凸部の埋め戻し作用があり、好適とはならない。一方、送り速度を100mm/secよりも大きくすると面内で砥粒のあたりにバラつきをもち、これも好適とはならない。
また、本発明に係る多孔平板体の表面処理方法において、前記第一及び第二のブラスト処理工程を、不活性雰囲気下で行うことがより好ましい。本発明によれば、不活性雰囲気下で、ブラスト処理を行うことにより、平板体の表面の酸化を抑制することができる。すなわち、酸素ガスを含む雰囲気下においては、多孔平板体の表面の酸化が促進され、その後、燃料電池に用いた場合には、低接触処理や発電時の抵抗に影響を与え、燃料電池の発電特性を低下させるおそれがある。
このような不活性雰囲気下としては、例えば、無酸素ガス雰囲気下、真空雰囲気下、水雰囲気下(好ましくは、脱気水雰囲気下)などの環境を挙げることができ、一連の処理時に、平板体が酸化しない雰囲気下であれば、特に限定されるものではない。第一および第二のブラスト処理工程を水雰囲気下で行った場合には、砥粒の衝突による平板体への入熱を下げることができ、平板体の変形を抑制することができる。より好ましくは、水雰囲気下の水を循環させることがより好ましい。
本発明に係る多孔平板体の表面処理方法において、酸化を抑制する素材を用いる場合、前記第一及び第二のブラスト処理工程を大気雰囲気下で行ってもよい。
また、本発明に係る多孔平板体の表面処理方法において、前記第一及び第二のブラスト処理工程における処理を、全面同時に砥粒を投射する、若しくは、一軸方向に投射ガンを移動させながら砥粒を投射することにより行うことがより好ましい。本発明によれば、このような処理を行うことにより、平板体の形状の安定性を維持することができる。
前記方法で製造された多孔平板体は、燃料電池に備えることが好ましく、本発明に係る燃料電池の前記多孔平板体は、電解質膜の両面に触媒層が形成された膜電極接合体の両側から、ガス拡散層を積層した積層体(ガス拡散層付きの膜電極接合体)と、該積層体を挟持する一対のセパレータとの間に配置されていることがより好ましい。
本発明によれば、多孔平板体の表面に、所望の表面粗さを付与することにより、その表面を親水性にすることができ、燃料電池の発電特性を向上させることができる。例えば、多孔平板体をチタン製にすることで、酸化チタン(TiO)として作用し、これが光触媒として作用するので、親水性をさらに高めることができる。また、この他にも、シリコン、親水化処理を施したカーボン、ステンレス、Al基材を用いてもよい。
特に、前記平板体が前記積層体及びセパレータに接触する前記平板体の表面から、該平板体の内部に向かって、表面粗さが傾斜的に小さくなっていることがより好ましい。本発明によれば、積層体とセパレータとに接触する部分の表面及びその近傍は、内部に比べて、表面粗さが大きいので、保水性が高い。また、平板体の内部は、内部の表面粗さが小さいが、親水性を有することにより内部において発電時の生成水が広がる。この結果、発電時における排水性を確保することができ、平板体の内部に、水を溜め込むことを抑制し、ガス拡散層から、セパレータ側への排水性を高めることができる。なお、このような表面処理は、レーザー加工、ダル加工等により行うこともできる。
また、本願の発明に係る燃料電池の多孔平板体は、前記積層体に接触する側の表面粗さは、セパレータに接触する側の表面粗さに対して、大きいことがより好ましく、前記積層体に接触する側の表面粗さを十点平均粗さRz0.3〜4.9μmとし、セパレータに接触する側の表面粗さを十点平均粗さRz0.3〜5.4μmとすることがより好ましい。
このように、積層体に接触する側の表面粗さに比べて、セパレータに接触する側の表面粗さを大きくし、かつ、セパレータ自体に同様の処理を施すことにより、発電時に発生する生成水をセパレータ側に好適に排水することができる。
このような多孔平板体は、セパレータに接触する側の表面に対して第一のブラスト処理工程を実施し、積層体に接触する側の表面に対して第二のブラスト処理工程を実施することにより、容易に得ることができる。
本発明によれば、3次元網目構造を有した多孔平板体の表面に対して、反りなく、所望の表面粗さを効率的に得ることができる。
以下に、図面を参照して、本発明に係る多孔平板体の表面処理方法の一実施形態に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る多孔平板体を備えた燃料電池の全体構成図を示しており、図2は、多孔平板体の表面処理方法の工程について説明するための図であり、(A)は、第一のブラスト処理工程を説明するための図であり、(B)は、第一のブラスト処理工程後の多孔平板体を説明するための図であり、(C)は、第二のブラスト処理工程を説明するための図であり、(D)は、第二のブラスト処理工程後の多孔平板体を説明するための図である。
図1に示すように、本実施形態における多孔平板体(エキスパンドメタル)は、燃料電池1に使用されるものである。燃料電池1は、プロトン伝導性を有した高分子樹脂電解質を含む電解質膜2を備えており、電解質膜2の両面には、白金担持カーボンなどの触媒担持導電体を含む触媒層5が形成(積層)されており、膜電極接合体3を構成している。さらに、膜電極接合体3の両面には、ガス拡散層7がさらに積層され、積層体(MEGA)8を構成している。
また、燃料電池1は、ガス流路及び冷却水路が形成された三層構造の一対のセパレータ20,20を有しており、一対のセパレータ20,20は、積層体8を挟持するように配置されている。また、セパレータ20の厚みは、0.3mm以下であることがより好ましい。
エキスパンドメタル10は、3次元網目構造を有した多孔平板体であり、チタン又はチタン合金からなり、例えば、金属板等に複数のスリットを互い違いにつけてスリットと直交する方向に引っ張ることで複数の目が形成された多孔体(ランスカットメタル)を製作し、これを圧延することにより、図示の如き3次元網目状構造を有した多孔平板体を得ることができる。なお、エキスパンドメタル10の厚さは、1mm以下であることがより好ましい。本実施形態では、この厚さ範囲のエキスパンドメタル10であっても、後述する表面処理方法により反り無く、表面粗さを大きくする表面処理を行うことができる。
ここで、本実施形態に係るエキスパンドメタル10は、積層体8とセパレータ20との間に配置されている。そして、エキスパンドメタル10は、一方側の表面の一部(頂部)11が、セパレータ20に接触し、他方側の表面(頂部)12が、積層体8に接触し、セパレータ20から供給されるガス(酸素ガス又は水素ガス)が通過して、ガス拡散層7に拡散可能なように、内部13に空孔を有することになる。
このようなエキスパンドメタル10は、燃料電池の発電特性を向上させるためにも、親水性であることが好ましい。上述したように、エキスパンドメタル10は、チタン又はチタン合金からなり、酸化チタン(TiO)は、光触媒として親水性を有することになるが、これは、光が存在する環境下において、親水性を発現するものであり、光が遮断された燃料電池セル内においては、親水性の効果を充分発現することができない。そこで、本実施形態では、図2に示すように、エキスパンドメタル10に対して表面処理を行う。この表面処理は、エキスパンドメタル10の表面粗さを大きくする(表面粗さを付与する)処理であり、Winzelの式からも明らかなように、この表面処理により、エキスパンドメタル10の表面の親水性を高めることができる。
具体的には、図2(a)に示すように、まず、エキスパンドメタル10に対して、第一のブラスト処理工程を実施する。具体的には、砥粒の平均粒径及び作動ガスの圧力を調整することにより、エキスパンドメタル10の一方の表面(片面)11に対して、一方の表面11の表面粗さ(頂部の平坦部分)が、所定の表面粗さ(十点平均粗さRz0.3〜5.4μm)となるように、一方側から、投射ガン50を用いて一軸方向に投射ガン50を移動させながら、砥粒を投射してブラスト処理を行う。
ここで、用いる砥粒としては、多角形状のアルミナからなる砥粒を用い、砥粒の平均粒径は、5μm〜50μmの範囲のものであり、投射時に砥粒を搬送するための作動ガスの圧力を調整することにより、砥粒の投射速度を、10〜100mm/secの範囲内とする。また、ブラスト処理を行う環境は、窒素雰囲気下とし、作動ガスも窒素ガスを用いる。これにより、エキスパンドメタル10の表面の酸化を抑制することができる。
このようにして、第一のブラスト処理工程において、表面処理されたエキスパンドメタル10は、図2(b)に示すように、砥粒を投射した投射面側に反りが発生する。
次に、図2(c)に示すように、第一のブラスト処理工程後のエキスパンドメタル10に対して、第二のブラスト処理工程を実施する。具体的には、エキスパンドメタル10の一方の表面11がブラスト処理をされた他方の表面(反対面)12に対して、他方の表面12の表面粗さが、十点平均粗さRz0.3〜4.9μmとなるように、他方側から、投射ガン50を用いて一軸方向に投射ガン50を移動させながら、砥粒を投射してブラスト処理を行う。
この際、第二のブラスト処理工程における砥粒がエキスパンドメタル10に作用するエネルギーが、第一のブラスト処理工程における砥粒が前記平板体エキスパンドメタル10に作用するエネルギーと異なるように、第二のブラスト処理工程においてブラスト処理を行う。
より具体的には、第二のブラスト処理工程における砥粒を投射する圧力が、前記第一のブラスト処理工程における前記砥粒を投射する圧力よりも低くなるように、ブラスト処理を行う。これにより、エキスパンドメタル10は、図2(b)から反対側に反ることがなく、図2(d)に示すように、平坦なエキスパンドメタル10を得ることができる。
このようにして得られたエキスパンドメタル10は、積層体8及びセパレータ20に接触するエキスパンドメタル10の表面11,12から、エキスパンドメタル10の内部13に向かって、表面粗さが傾斜的に小さくなっている。平板体の内部は、内部の表面粗さが小さいので、発電時における排水性を確保することができ、平板体の内部に、水を溜め込むことを抑制することができ、ガス拡散層7からの水をセパレータ20側に排水することができる。
また、積層体8に接触する側の表面粗さは、セパレータ20に接触する側の表面粗さに対して、小さくなるので、積層体8側のガス通気性を確保することができるので、発電特性を向上させることができる。
なお、セパレータ20に対して、同様の表面処理を行ってもよい。具体的には、エキスパンドメタル10と接触する側のセパレータ20の表面を十点平均粗さRz0.3〜10μmとなるように、第一のブラスト処理を実施してもよい、冷却水路側のセパレータの表面を十点平均粗さRz0.3〜10μmとなるように第二のブラスト処理工程を実施してもよい。
以下に本発明を実施例により説明する。
(実施例1)
図1に示すような燃料電池用のチタン製のエキスパンドメタルを準備した。次に、第一のブラスト処理工程として、平均粒径40μmの多角形状のアルミナ砥粒を、送り10mm/sec、投射圧0.11MPaで、エキスパンドメタルの一方の表面に投射し、表面粗さが十点平均粗さ2.0μmとなるようにブラスト処理を行った。
次に、第二のブラスト処理工程として、一方の表面がブラスト処理をされた他方の表面に対して、他方側から#320のアルミナ砥粒を、送り10mm/sec、投射圧0.10MPaで、エキスパンドメタルの他方の表面に投射し、表面粗さが十点平均粗さ1.9μmとなるようにブラスト処理を行った。この結果、平坦なエキスパンドメタルを得ることができた。
このように製作されたエキスパンドメタルを、図1に示すような燃料電池に組込み込んだ。具体的には、セパレータに接触する表面をエキスパンドメタルの一方の面(第一の面)として、積層体に接触する表面をエキスパンドメタルの他方の面(第二の面)として、燃料電池を組み込んだ。
このようにして、0.2A/cm2時の燃料電池における水素ガスの利用率を60%に固定して、セル温度80℃の条件でセル電圧が安定的に運転できる最も高い酸素利用率(限界酸素利用率)の測定を行った。この結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同じように、エキスパンドメタルを準備して燃料電池を製作した。実施例1と相違する点は、セパレータに接触する表面をエキスパンドメタルの他方の面(第二の面)として、積層体に接触する表面をエキスパンドメタルの一方の面(第一の面)として、エキスパンドメタルを燃料電池に組み込んだ。そして、実施例1と同様に限界酸素利用率を測定した。この結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同じように、エキスパンドメタルを準備して燃料電池を製作した。実施例1と相違する点は、ブラスト処理による表面処理をしなかった点である。そして、このエキスパンドメタルを燃料電池に組み込んだ。そして、実施例1と同様に限界酸素利用率を測定した。この結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1と同じように、エキスパンドメタルを準備して燃料電池を製作した。実施例1と相違する点は、エキスパンドメタルの両面に対して、同時に同じ条件で砥粒を投射した点である。そして、このエキスパンドメタルを燃料電池に組み込もうとしたが、エキスパンドメタルの反りが大きく、燃料電池に組み込めなかった。また、表面粗さを測定すると、実施例1及び2に比べて、表面粗さが十点平均粗さRzで73%減少していた。
Figure 2010149208
(結果1)
実施例1,2は、比較例1に比べて燃料電池の限界酸素利用率が高く、発電効率が良い。これは、実施例1,2のエキスパンドメタルは、表面粗さを大きくしたため、エキスパンドメタルの親水性が高まったからであると考えられる。また、比較例2の結果からも明らかなように、実施例1,2は、第二のブラスト処理工程を実施することにより、エキスパンドメタルの反りを強制することができる。また、実施例1のように、積層体に接触する側の表面粗さに比べて、セパレータに接触する側の表面粗さを大きくすることにより、発電時に発生する生成水をセパレータ側に好適に排水することができ、発電効率を高めることができる。
(実施例3)
実施例1と同じように、エキスパンドメタルと同じ材料の平板(被処理材)を準備して、平均粒径14μmの多角形状のアルミナ砥粒を、投射圧0.25MPa、投射濃度15%、処理速度20mm/secで投射してブラスト処理を2水準行った。そして、この表面に対して、水接触角法により、接触角度を測定した。この接触角度の測定結果の平均値を図3に示す。
(比較例3)
実施例3と同じように、ブラスト処理を行い水の接触角度の測定を行った。実施例3と相違する点は、同じ平均粒径の球状のアルミナ砥粒を用いた点である。そして、ブラスト処理を行った表面に対して、水接触角法により、接触角度を測定した。この接触角度の測定値及びその平均値を図3に示す。
(結果2)
図3からも、明らかなように、比較例3に比べ実施例3の多角形状のアルミナ砥粒を用いてブラスト処理を行った場合には、接触角度が小さく、被処理材の親水性が向上すると考えられる。
(実施例4)
実施例3と同じようにして、ブラスト処理を行った。実施例3と相違する点は、窒素雰囲気下で、ブラスト処理を2水準行った点である。そして、ブラスト処理を行った被処理材の表面に形成された酸化皮膜の厚みを、SIMS法により測定した。この酸化皮膜厚みの測定値及びその平均値の結果を図4に示す。
(比較例4)
実施例4と同じようにして、ブラスト処理を行った。実施例4と相違する点は、大気中で、ブラスト処理を行った点である。そして、ブラスト処理を行った被処理材の表面に形成された酸化皮膜を、SIMS法により測定した。この結果を図4に示す。
(結果3)
図4からも明らかなように、比較例4に比べて実施例4の、窒素雰囲気下でブラスト処理を行った方が、酸化皮膜が薄い。このことから、燃料電池の発電時の抵抗を低減するためには、燃料電池用のエキスパンドメタルを、不活性雰囲気下で、ブラスト処理を行うことが望ましいと考えられるが、酸化を抑制された基材では大気雰囲気下でも使用できる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、多孔平面体としてエキスパンドメタルを用いたが、パンチングメタル等を用いてもよい。
本実施形態に係る多孔平板体を備えた燃料電池の全体構成図。 多孔平板体の表面処理方法の工程について説明するための図であり、(A)は、第一のブラスト処理工程を説明するための図であり、(B)は、第一のブラスト処理工程後の多孔平板体を説明するための図であり、(C)は、第二のブラスト処理工程を説明するための図であり、(D)は、第二のブラスト処理工程後の多孔平板体を説明するための図。 実施例3及び比較例3の水接触角の測定結果を示した図。 実施例4及び比較例4の酸化皮膜の厚さの測定結果を示した図。
符号の説明
1:燃料電池、2:電解質膜、3:膜電極接合体、5:触媒層、7:ガス拡散層、8:積層体(MEGA)、10:エキスパンドメタル(多孔平板体)、11:一方の表面、12:他方の表面、13:内部、20:セパレータ、50:投射ガン

Claims (7)

  1. 3次元網目構造を有した多孔平板体の一方の表面に対して、該一方の表面の表面粗さが所定の表面粗さとなるように砥粒を投射してブラスト処理を行う第一のブラスト処理工程と、
    前記一方の表面がブラスト処理をされた前記多孔平板体の他方の表面に対して、該他方の表面の表面粗さが所定の表面粗さとなるように砥粒を投射してブラスト処理を行う第二のブラスト処理工程と、を少なくとも含むことを特徴とする多孔平板体の表面処理方法。
  2. 前記第二のブラスト処理工程における前記砥粒が前記多孔平板体に作用するエネルギーが、前記第一のブラスト処理工程における前記砥粒が前記多孔平板体に作用するエネルギーと異なるように、前記ブラスト処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の多孔平板体の表面処理方法。
  3. 前記第二のブラスト処理工程における砥粒を投射する圧力は、前記第一のブラスト処理工程における前記砥粒を投射する圧力と異なるように、前記ブラスト処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の多孔平板体の表面処理方法。
  4. 前記第一及び第二のブラスト処理工程における前記砥粒は、多角形状の砥粒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多孔平板体の表面処理方法。
  5. 前記第一及び第二のブラスト処理工程を、大気雰囲気下若しくは不活性雰囲気下で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多孔平板体の表面処理方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法によって製造された多孔平板体を備えた燃料電池であって、前記多孔平板体は、電解質膜の両面に触媒層が形成された膜電極接合体の両側から、ガス拡散層を積層した積層体と、該積層体を挟持する一対のセパレータとの間に配置されていることを特徴とする燃料電池。
  7. 前記多孔平板体が前記積層体及びセパレータに接触する前記多孔平板体の表面から、該多孔平板体の内部に向かって、表面粗さが傾斜的に小さくなっていることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池。
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