JP2008156562A - プロピレン−エチレンブロック共重合体 - Google Patents

プロピレン−エチレンブロック共重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】高分子量で、かつべたつきやブリードアウトが抑制されたプロピレン−エチレンブロック共重合体を提供する。
【解決手段】結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)を第1工程で、次いで低結晶性または非晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)を第2工程で逐次重合することにより得られ、且つ、下記(i)〜(iv)を満たすことを特徴とするプロピレン−エチレンブロック共重合体などを提供した。
(i)MFR(試験条件:230℃、2.16kg荷重)が0.60g/10分未満である。
(ii)共重合体全量に対する共重合体成分(B)の割合[W(B)]が3〜95質量%である。
(iii)共重合体成分(B)のエチレン含量[E(B)]が3〜90質量%である。
(iv)共重合体成分(A)の昇温溶出分別法(TREF)による−15℃可溶分[S(A)]が0.8質量%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレン−エチレンブロック共重合体に関し、より詳しくは、高分子量で、且つべたつきやブリードアウトが抑制された優れたプロピレン−エチレンブロック共重合体に関する。
多段重合によるプロピレン−エチレンブロック共重合体は、機械的な混合により得られるエラストマーに比べて、広範囲な組成のものとして調製し得ることから、包装材料、自動車材料、建築材料等に供するため、工業的に生産されている。
多段重合によるプロピレン−エチレンブロック共重合体は、一般に、チーグラー・ナッタ系触媒を用いて製造されるが(例えば、特許文献1〜3参照。)、得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体は、分子量と結晶性の分布が広く、べたつきやブリードアウト(低結晶性成分などの表面滲出)が生じるのを免れないという問題を有している。
最近、メタロセン系触媒を用いたプロピレン−エチレンブロック共重合体の製造法が提案され(例えば、特許文献4参照。)、この製法で得られる共重合体は、分子量分布、組成分布が狭いため、べたつき成分となる低分子量ポリマー、高エチレン含量ポリマーの副生が少なく、べたつきやブリードアウトが抑制されるとされている。
しかし、溶融時の共重合体の粘度がさらに高いものが、例えば押出成型を用いたシート製造分野などに求められており、溶融時の粘度を挙げるために、分子量がさらに高いもの(MFRが低いもの)が強く求められてきた。ところが、例えば、特許文献4によれば、得られる共重合体の分子量が低く、MFRも17g/10分程度にとどまっている。
また、特許文献5〜7によれば、得られる共重合体の分子量はやや高く、MFRは0.6〜1.0g/10分程度にまで下がっている。
従来のメタロセン触媒の欠点は、まさにこの高分子量化が困難である点にあった。特にプロピレンとエチレンの共重合を行うと、エチレン含量を増やすとともに分子量が低下し、また、重合中に連鎖移動剤である水素が発生し、これが蓄積するため、分子量が低下するという欠点があった。
特開平6−93061号公報 特開平9−324022号公報 特開2000−63420号公報 特開2005−314621号公報 特開2005−132992号公報 特開2005−132979号公報 特開2006−152068号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、高分子量で、かつべたつきやブリードアウトが抑制されたプロピレン−エチレンブロック共重合体を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、第1工程で高分子量の結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分を、第2工程で低結晶性或いは非晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分を逐次重合して得られる、特定の要件を満たすプロピレン−エチレンブロック共重合体が、溶融粘度が高く、かつべたつき成分の少ない共重合体を与えることを見出し、この知見に基き、本発明を完成するに至った。
また、本発明を成し得た技術的背景には、高分子量かつ高活性な、さらに大粒径である触媒を開発できたことがあり、これによって、重合時のパウダー性状が向上し、付着や塊発生なく安定的に、大量の低結晶、非晶性プロピレン−エチレン共重合体を含有するポリマーを製造できるようになり、本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体を実現できたものである。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)を第1工程で、次いで低結晶性または非晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)を第2工程で逐次重合することにより得られ、且つ、下記(i)〜(iv)を満たすことを特徴とするプロピレン−エチレンブロック共重合体が提供される。
(i)MFR(試験条件:230℃、2.16kg荷重)が0.60g/10分未満である。
(ii)共重合体全量に対する共重合体成分(B)の割合[W(B)]が3〜95質量%である。
(iii)共重合体成分(B)のエチレン含量[E(B)]が3〜90質量%である。
(iv)共重合体成分(A)の昇温溶出分別法(TREF)による−15℃可溶分[S(A)]が0.8質量%以下である。
また、本発明の第2の発明によれば、結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)を第1工程で、次いで低結晶性または非晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)を第2工程で逐次重合することにより得られ、且つ、下記(ii)〜(v)を満たすことを特徴とするプロピレン−エチレンブロック共重合体が提供される。
(ii)共重合体全量に対する共重合体成分(B)の割合[W(B)]が3〜95質量%である。
(iii)共重合体成分(B)のエチレン含量[E(B)]が3〜90質量%である。
(iv)共重合体成分(A)の昇温溶出分別法(TREF)による−15℃可溶分[S(A)]が0.8質量%以下である。
(v)共重合体成分(A)のMFR[MFR(A)](試験条件:230℃、2.16kg荷重)が0.65g/10分未満である。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、共重合体成分(A)のエチレン含量[E(A)]が3〜10質量%であることを特徴とするプロピレン−エチレンブロック共重合体が提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、共重合体全量に対する共重合体成分(B)の割合[W(B)]が15〜70質量%であることを特徴とするプロピレン−エチレンブロック共重合体が提供される。
本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、さらに、重合触媒としてメタロセン系触媒を用いることを特徴とするプロピレン−エチレンブロック共重合体が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、メタロセン系触媒は、アズレン系メタロセン錯体を有するものであることを特徴とするプロピレン−エチレンブロック共重合体が提供される。
さらに、本発明の第7の発明によれば、第5又は6の発明において、メタロセン系触媒は、担体に担持されたものであることを特徴とするプロピレン−エチレンブロック共重合体が提供される。
本発明の第8の発明によれば、第7の発明において、メタロセン系触媒がHf原子を含むものであることを特徴とするプロピレン−エチレンブロック共重合体が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第7の発明において、担体が10〜200μmの平均粒径を有することを特徴とするプロピレン−エチレンブロック共重合体が提供される。
さらに、本発明の第10の発明によれば、第1〜9のいずれかの発明において、第1工程及び第2工程における重合温度が50℃以上であることを特徴とするプロピレン−エチレンブロック共重合体が提供される。
本発明は、上記した如く、結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)を第1工程で、次いで低結晶性または非晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)を第2工程で逐次重合することにより得られ、特定の要件を満たすことを特徴とするプロピレン−エチレンブロック共重合体などに係るものであるが、その好ましい態様としては、次のものが包含される。
(1)アズレン系メタロセン錯体を有し、Hf原子を含むメタロセン系触媒で重合することを特徴とする、上記のプロピレン−エチレンブロック共重合体の製造方法。
(2)メタロセン系触媒は、(A)ハフニウムを含むアズレン系メタロセン錯体、(B)イオン交換性層状珪酸塩及び(C)有機アルミニウム化合物を、接触させて得られる触媒であることを特徴とする上記のプロピレン−エチレンブロック共重合体の製造方法。
(3)結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)の昇温溶出分別法(TREF)による−15℃可溶分[S(A)]が0.3質量%以下であることを特徴とする上記のプロピレン−エチレンブロック共重合体。
(4)結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)の融点[Tm(A)]が90〜160℃であることを特徴とする上記のプロピレン−エチレンブロック共重合体。
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体は、べたつきやブリードアウトが抑制され、かつ柔軟性に優れているので、フィルム、シート、各種容器、各種成形品、各種被覆材などとして好適に用いられ、特に、冷凍状態での保存に耐え、さらに、ブリードアウトによる内容物汚染が非常に小さいことから、食品や医療分野に有利に用いられる。また、成型加工時において、高い溶融粘度が求められるシート等の押出成形分野に、好適に用いられる。
さらに、本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体は、融点が低いので、空冷インフレーション成形、水冷インフレーション成形、Tダイによる無延伸成形、一軸延伸成形、二軸延伸成形、カレンダー成形、熱板成形、圧空成形、真空成形、真空圧空成形、ブロー成形、延伸ブロー成形、射出成形、インサート成形等を、通常より低い温度で行うことができる。
また、本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体は、フィルムやシートとして使用する場合、優れた柔軟性を持つ中間層として供与し得るものであり、また、表面層として供与すると、べたつきやブリードアウトが抑制されるなど、多面的に適所に用いられる。
さらに、本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体は、生産性よく、低コストで、製造し得るものである。
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体について、項目毎に詳細に説明する。
1.プロピレン−エチレンブロック共重合体
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体(以下、本共重合体ともいう。)は、結晶性のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)と、低結晶性又は非晶性のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)を、逐次重合(通常は多段重合、中でも二段重合)することより、得られるブロック共重合体である。
本共重合体は、逐次製造される共重合体の混合物であるが、各重合体を別々の反応器で、各重合体を共存させずに重合してから、後で機械的に混合した組成物よりは、ミクロな相分離構造、或いは、共連続構造をとるものである。ここで共重合体成分(A)の結晶性とは、共重合体において立体規則性が高く比較的エチレン含量が少ないことでラメラを形成することができることを意味し、共重合体成分(B)の低結晶性又は非晶性とは、昇温溶出分別法(Temperature Rising Elution Fractionation)(以下、TREFともいう。)等の結晶性を評価する各種の手法において、共重合体成分(A)に比べ結晶性が低いか、或いは結晶性が観測できないことを意味し、また、各重合段階で製造されるプロピレン−エチレンランダム共重合体は、各々エチレン含量が異なる、プロピレンとエチレンがランダムに共重合されたポリマーになっている。
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体の各構成成分について、詳述する。
(1)第1工程で得られるプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)
プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)[以下、共重合体成分(A)ともいう。]は、結晶性のものであって、耐熱性を発揮させ、べたつきやブリードアウトを抑制するための成分である。また、高分子量でありMFRが低く、溶融時の粘度が低くなる効果を与える成分である。
また、上記プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)は、TREFによる−15℃可溶分が0.8質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.3質量%以下であることが肝要である。この可溶分が多すぎると、べたつきやブリードアウトが発現しやすくなり、製品の品質に悪影響を与えるし、また、粒子凝集や反応器付着により粒子性状や粒子の流れ性が悪化し、ポリマーが生産できなくなる。
本発明において、TREF測定方法について具体的には、以下のようにして行われる。
試料を140℃でo−ジクロロベンゼン(0.5mg/mlBHT入り)に溶解し、溶液とする。これを140℃のTREFカラムに導入した後に、8℃/分の降温速度で100℃まで冷却し、引き続き4℃/分の降温速度で−15℃まで冷却し、60分間保持する。その後に、溶媒である−15℃のo−ジクロロベンゼン(0.5mg/mlBHT入り)を、1ml/分の流速でカラムに流し、TREFカラム中で−15℃のo−ジクロロベンゼンに溶解している成分を、10分間溶出させ、TREFによる−15℃可溶分を測定し、次に、昇温速度100℃/時間にて、カラムを140℃までリニアに昇温し、溶出曲線を得る。すなわち、−15℃まで冷却し、ポリマー成分を結晶化させ、保持し、次に、TREFカラム温度をリニアに昇温すると、まず、低温で結晶化度の低い成分が溶出して検出器に到達し、高温になるにつれ、結晶化度の高い成分が順番に溶出して行き、結晶化度の大小による分離が行われることになる。
また、上記プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)は、そのエチレン含有量[E(A)]が0.2〜15質量%、好ましくは1〜12質量%、より好ましくは1.5〜10質量%、特に好ましくは3質量%より高く10質量%以下(3〜10質量%)であるのがよい。
E(A)が上記範囲の上限を超した場合には、耐熱性が低下し、べたつきやブリードアウトを抑制しにくくなるし、また、第1工程の途中で、粒子性状が悪化し重合できなくなる。一方、エチレン含有量が少なすぎると、耐衝撃性が低下する。また、エチレン含量を増加させると、耐衝撃性が向上するとともに、製造時の重合活性が著しく増加し生産コストが低下する。さらに、特殊なメタロセン錯体(アズレンを配位子に含む錯体)を使用して重合する場合、分子量も向上し、通常、メタロセン触媒では製造できない高分子量体も製造が可能になる。
エチレン含有量[E(A)]は、第1工程終了時に、少量の共重合体を抜き出し、これを分析することで求めることができる。
分析は、プロトン完全デカップリング法による13C−NMRスペクトルを測定する。スペクトルの帰属は、例えば、Macromolecules 17 1950 (1984)などを参考に行えばよい。また、予め数種類のエチレン含量が異なる共重合体の標準サンプルを用意し、この13C−NMRスペクトル、赤外吸収スペクトルを測定し、それからエチレン含量を求める検量線を作成しておき、これを用いて換算してもよい。また、同様にCFC−IR(クロス分別装置とフーリエ変換型赤外線吸収スペクトル分析を組み合わせたもの)における検量線を作成しておき、これを用いてもよい。
共重合体成分(A)は、結晶性の尺度である示差走査型熱量計(DSC)による融解ピーク温度Tm(A)については、特に制限は無いが、好ましくは90〜160℃の範囲にあることが必要である。
この融解ピーク温度Tm(A)の下限温度は、好ましくは100℃、より好ましくは110℃、特に好ましくは115℃であり、一方、Tm(A)の上限温度は、好ましくは150℃、より好ましくは140℃、特に好ましくは130℃、さらに好ましくは120℃である。
Tm(A)は、第1工程終了後に、少量サンプリングした共重合体成分(A)に対し、常法で、示差走査型熱量計(DSC)により得られる融解ピーク温度として測定される。
Tm(A)が低くなりすぎると、耐熱性が悪化し、結晶化も遅くなって、射出成形では成形サイクルが長くなり、また、シートやフィルム成形ではロールへ取られやすくなるなどの問題を生じる。逆に高くなりすぎると製品の剛性が高すぎるという欠点が現れる。
(2)第2工程で得られるプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)
プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)[以下、共重合体成分(B)ともいう。]は、低結晶性或いは非晶性のものであって、本共重合体の柔軟性と耐衝撃性に寄与する成分である。
共重合体成分(B)は、そのエチレン含有量[E(B)]が3〜90質量%、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜60質量%、特に好ましくは30〜55質量%であるものである。
エチレン含有量[E(B)]が上記範囲の上限を超した場合には、プロピレン−エチレンブロック共重合体の耐衝撃性が低下し、特に低温時の耐衝撃性が低下する。また、E(B)が上記範囲の下限未満の場合にも、耐衝撃性が低下する。
また、共重合体成分(B)については、ブロック共重合体全量中に占める割合W(B)が3〜95質量%である。W(B)の下限は、好ましくは10質量%、より好ましくは15質量%、さらに好ましくは20質量%、特に好ましくは30質量%であり、一方、W(B)の上限は、好ましくは70質量%、より好ましくは65質量%、特に好ましくは60質量%である。
割合W(B)が上記範囲の上限を超した場合には、ポリマー粒子の凝集が増大し、ブロック共重合体の耐熱性が低下し、べたつきやブリードアウトを抑制しにくくなるし、また、割合W(B)が上記範囲の下限未満の場合には、柔軟性と耐衝撃性に寄与する共重合体成分(B)の量が不十分となり、柔軟性や耐衝撃性が低下する。
共重合体成分(B)の共重合体全量に対する割合W(B)は、第2工程における重合量を共重合体全体の重合量で除すことで得られる。具体的には、第2工程における重合量は、モノマー消費量、反応熱、反応器自体の増加重量、などから算出できるので、これを共重合体全体の重合量で割ればよい。また、反応器を直列に繋いだ連続重合の場合は、第1、第2工程における時間あたりの生産量から計算できる。
また簡便な方法として、第1工程で得られた共重合体と第2工程で得られた共重合体とを溶媒分別(例えば冷キシレン可溶分分別法)で分別し、それぞれの重量から計算することもできる。さらに、TREFやCFC(クロス分別)−IR等の機器分析によって、第1工程で得られた共重合体と第2工程で得られた共重合体の重量比を求めることもできる。
プロピレン−エチレンランダム共重合体の結晶性分布を温度昇温溶離分別法(昇温溶出分別法)(TREF)により評価する手法は、当業者によく知られているものであり、例えば、次の文献などに詳細な測定法が示されている。
G.Glockner,J.Appl.Polym.Sci.:Appl.Polym.Symp.;45,1−24(1990)
L.Wild,Adv.Polym.Sci.;98,1−47(1990)
J.B.P.Soares,A.E.Hamielec,Polymer;36,8,1639−1654(1995)
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体は、共重合体成分(A)と(B)各々の結晶性に大きな違いがあり、また、メタロセン触媒を用いて製造されることで、各々の結晶性分布が狭くなっていることから、双方の中間的な成分は極めて少なく、双方をTREFにより、精度良く分別することが可能である。
W(B)は、共重合体成分(A)を製造する第一工程の製造量と、共重合体成分(B)を製造する第二工程の製造量の比を変化させることにより、制御することができる。例えば、W(A)を増やしてW(B)を減らすためには、第一工程の製造量を維持したまま第二工程の製造量を減らせばよく、それは、第二工程の滞留時間を短くしたり、重合温度を下げたり、重合抑制剤の量を増やしたりすることにより容易に制御することができる。逆も又同様である。
プロピレン−エチレンブロック共重合体全体のエチレン含量[E(AB)]は、プロトン完全デカップリング法による13C−NMRスペクトルから求めることができる。スペクトルの帰属は、例えば、Macromolecules 17 1950 (1984)などを参考に行えばよい。また、予め数種類のエチレン含量が異なる共重合体の標準サンプルを用意し、その13C−NMRスペクトル、赤外吸収スペクトルを測定し、それからエチレン含量を求める検量線を作成しておき、これを用いて換算してもよい。また、CFC−IR(クロス分別装置とフーリエ変換型赤外線吸収スペクトル分析を組み合わせたもの)における検量線を作成しておき、これを用いてもよい。
第2工程のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)中のエチレン含有量[E(B)]は、共重合体全体のエチレン含量[E(AB)]と上述のE(A)、割合W(B)から下記(式2)にて計算できる。
(式2):E(B)=[E(AB)−E(A)×(1−E(B))]/W(B)
ブロック共重合体のMFR(試験条件:230℃、2.16kg荷重)は、0.0001g/10分以上0.60g/10分未満であるのが望ましい。下限のMFRを下回ると、製品のブロック共重合体の溶融時の粘度が高すぎて、成形性が悪化するので好ましくない。また、上限のMFRを上回ると、溶融時の溶融張力が低下して、成形性が悪化するため、好ましくない。この範囲の好ましい下限は、0.001g/10分、より好ましい下限は0.01g/10分である。この範囲の好ましい上限は、0.5g/10分、より好ましい上限は0.3g/10分である。
また、ブロック共重合体中の共重合体成分(B)の重量平均分子量は、10,000以上5,000,000以下であるのが好ましい。下限以下の重量分子量では、ブロック共重合体を成形した製品の耐衝撃性が低下するため、好ましくない。また、上限以上の分子量の場合、溶融混練しても、共重合体中で成分(B)がうまく分散せず、塊状になって存在し、製品の外観が悪化するため、好ましくない。この範囲の好ましい下限は50,000、より好ましい下限は100,000である。この範囲の好ましい上限は3,000,000、より好ましい上限は1,000,000である。測定は、CFC−IRによる。
2.プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造方法
(1)重合触媒
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造するに当っては、通常、改良された或いは新世代の重合触媒、中でもメタロセン系触媒、特にハフニウムを含む触媒を用いるのが好ましい。
旧来のチーグラー・ナッタ系触媒では、触媒反応の活性点の種類が複数あるため、生成したプロピレン−エチレンブロック共重合体の結晶性及び分子量分布が広く、低結晶・低分子量成分を多く生成することで、製品のべたつきやブリードアウトが強く見られ、ブリードアウトや外観不良などの問題が発生しやすいという欠点を有しており、また、分子量を増加させても、低結晶性成分の生成は、抑制され難いため、べたつきやブリードアウトの低減が未だに不充分であって、エラストマーの分子量が高いことで、ブツやフィッシュアイなどと称される外観不良が発生しやすくなり、押出成形性が悪化するため、造粒工程で有機過酸化物を用いなくては、ならないなどの多くの問題を有している。
一方、メタロセン触媒などのシングルサイト触媒は、チーグラー系触媒に比して、触媒活性が高く、生成重合体の分子量分布が狭く、共重合体では組成分布が均一となるなど、プロピレン−エチレンブロック共重合体を製造するには、チーグラー系触媒より、優れた触媒である。したがって、本発明では、チーグラー・ナッタ系触媒による上記の諸欠点を解消するために、シングルサイト触媒としてのメタロセン系触媒による重合方法を選択するのが好ましい。
(2)重合方法
本共重合体の製造に当っては、第1工程として、結晶性のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)を製造し、次いで、第2工程として、第1工程で得られた重合反応混合物の存在下、さらに低結晶性或いは非晶性のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)の製造を、連続して行う。
これに対し、結晶性のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)と、低結晶性或いは非晶性のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)を、別々に製造して機械的に混合する場合には、共重合体成分(B)の割合が比較的多い領域において、共重合体成分(B)が充分に分散せず、大きな連続相を形成することで、製品の表面に現れやすく、さらに溶融混練時には、共重合体成分(B)が先に溶融し、マトリクスを形成する場合が多いため、べたつきやブリードアウトが発現しやすいばかりでなく、耐熱性が低下する。
重合方法としては、溶液重合、スラリー重合、気相重合、バルク重合が可能である。
第1工程の重合は、結晶性のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)の重合であり、通常、スラリー重合法、または実質的に液体溶媒を用いず、各モノマーをガス状に保つ気相重合法が採用される。また、第1工程の重合の様式は、触媒成分と各モノマーが効率よく接触するならば、不活性溶媒を実質的に用いず、プロピレンを溶媒として用いるバルク重合も採用できる。重合方法には、特に制限はないが、好ましいのは気相重合である。好ましい気相重合様式は、媒質を使わずにガス状の単量体中で重合を行なう方法、たとえば生成ポリマー粒子をモノマー気流で流動させて、流動床を形成させる方式或いは生成ポリマー粒子を撹拌機により反応槽において撹拌する方式である。気相重合が好ましいのは、系内に液体が存在しないため、ポリマー粒子の溶解、融着による凝集が生じにくいからである。
第2工程の重合工程は、第1工程の重合で得られる触媒含有のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)の存在下で、エチレン含量の高いプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)を重合する工程である。重合方法に、特に制限はないが、好ましいのは気相重合である。気相重合が好ましいのは、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)のエチレン含量が高いため、気相プロセス以外の重合プロセスでは、重合系内に存在する液体(溶媒もしくは液体プロピレン)に、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)が溶解しやすくなり、ポリマー粒子間のべたつきを生じやすくなるからである。これは、さらに本共重合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)の含量割合W(B)が高い場合、より一層助長される。
したがって、連続法を用いて、まず結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)を、バルク法もしくは気相法にて重合し、引き続き低結晶性或いは非晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)を、気相法にて重合するのが特に好ましい。
(3)重合条件
(i)重合温度
重合温度は、通常0〜150℃であり、その下限は、好ましくは50℃、より好ましくは60℃であり、その上限は、好ましくは90℃、より好ましくは80℃である。下限未満の温度では、重合活性が低下し、反応熱の除熱効率が悪化するという問題が生じるし、また、上限を超える温度では、生成するポリマーがべたつくという問題が生じる。この上限温度は、共重合体成分(A)の融点Tm(A)にも関係し、特にTm(A)−40℃の温度以下、中でもTm(A)−50℃の温度以下であるのが好ましい。
(ii)重合圧力
重合圧力は、一般に、0kg/cmGより大きく、2,000kg/cmG好ましくは60kg/cmG以下である。圧力の下限は、好ましくは5kg/cmG、より好ましくは10kg/cmG、特に好ましくは15kg/cmGである。好ましい下限以下であると、重合活性が低下し、あるいは分子量が低下するなどの問題が生じる。
気相重合は、プロピレン又はプロピレンとエチレンとの混合モノマーを導入して、気相状態を維持できる温度、圧力条件下で行われる。バルク重合は、プロピレン又はプロピレンとエチレンの混合モノマーを液状に保ちうる温度及び圧力条件下で行うのが好ましい。
重合時間は、通常、5分〜10時間、好ましくは1〜5時間である。
(iii)モノマーの比率
連続共重合の場合、反応系中の各モノマーの量比は、経時的に一定である必要はなく、各モノマーを一定の混合比で供給することも便利であるし、供給するモノマーの混合比を経時的に変化させることも可能である。また、生成ポリマーの分子量調節剤として、補助的に水素を用いることができる。
本発明においては、第1工程の重合における反応系内のプロピレン/エチレンのモル比[以下、モノマーモル比(A)ともいう]が99.9/0.1ないし40/60にて、共重合を行うのが望ましい。下限モル比の40/60を下回ると、剛性が低下するため、好ましくない。逆に、上限のモル比99/1を超えると、耐衝撃性が低下するという不都合が生じる。モノマーモル比(A)の下限は、好ましくは50/50、より好ましくは60/40、特に好ましくは70/30であり、また、モノマーモル比(A)の上限は、好ましくは95/5、より好ましくは90/10、特に好ましくは85/15である。これらの値は、ガスクロマトグラフで測定される。
第2工程の重合における反応系内のプロピレン/エチレンのモル比[以下、モノマーモル比(B)ともいう]が5/95ないし95/5にて、共重合を行うのが望ましい。下限モル比の5/95を下回ると、耐衝撃性が低下するため好ましくない。逆に上限のモル比95/5を超えても、同様の不都合が生じる。モノマーモル比(B)の下限は、好ましくは15/85、より好ましくは20/80、特に好ましくは30/70であり、また、モノマーモル比(B)の上限は、好ましくは80/20、より好ましくは70/30、特に好ましくは60/40である。これらの値は、ガスクロマトグラフで測定される。
また、重合系内に窒素、プロパン、イソブタンなどの不活性ガスを共存させることもできるが、大量に存在させると、モノマー分圧が低下して、低活性となるため好ましくない。これら不活性ガスの割合は、20モル%以下、好ましくは10モル%以下とするのがよい。ただしイソブタン等のように液体として重合槽に導入し、系内では気化して気体として存在する方法であれば、系内の冷却を補助できるため、共存させることは好ましい。
(iv)多段重合
第1工程、第2工程は、それぞれを数段階に分けて行ってもよい。具体的には、複数の反応器を直列に繋いで各工程を数段階に分けて実施する方法、一つの反応器を用いて各工程を複数回のバッチで実施する方法が挙げられる。
重合反応は、多段重合で行うのが好ましい。多段重合の例の一つとしては、直列につないだ複数の反応器の最上流の反応器に触媒を連続的に供給しポリマーを連続的に抜き出しつつ後段の重合槽に移送する様式がある。また、別の例としては、一つの重合槽に触媒を連続的に供給して第一段の重合を行った後でモノマーをパージし、当該重合槽内に存在する触媒を失活させることなく、第二段目の重合をおこなう方法も例示できる。いずれにおいても、前の工程、前の重合から持ち込むモノマー、水素などが次の工程に与える影響を少なくするため、工程を移す前にモノマー等のパージ量を増やしたり、窒素などの不活性ガスで希釈もしくは置換することも可能であり、むしろそうするのが好ましい。
本発明における第2工程の重合反応とは、少なくとも1つの条件の重合反応後に行う重合反応を指し、例えば、共重合体成分(A)の重合を多工程で行った後に行う共重合体成分(B)の重合も含まれる。共重合体成分(B)の重合は、多工程に分けて行ってもよい。
(v)キラー化合物
多段の連続重合においては、キラー化合物をいずれかの重合反応器に供給してもよい。好ましくは第2工程を行う反応器に供給する。第2工程を複数の反応器で実施する場合は、最上流の反応器に供給するのが好ましい。
キラー化合物とは、重合触媒の活性(特に第2工程の活性)を低下、失活させる化合物である。キラー化合物は、正常な触媒粒子よりも、小さいショートパス粒子を選択的に捕捉し失活させる。これにより、共重合体成分(B)の含量割合[W(B)]が過剰である粒子の生成を抑制する。W(B)が過剰である粒子が存在すると、共重合体の溶融、成形時に、共重合体成分(B)の成形体中への分散が不充分となり、輝点、ゲル等の発生による外観不良を生じるとともに、共重合体の耐衝撃性の低下を招く。また、反応器内のポリマー粒子の表面に多くのキラー化合物が作用することから、表面の活性点だけが選択的に失活し、表面のべたつき成分の量が減少し粒子間のべたつき、反応器壁への付着も抑制される。さらに、キラー化合物の添加は、第2工程の重合活性の制御の手段としても、用いられる。これにより、共重合体全量に対する共重合体成分(B)の量[W(B)]が制御可能となる。
キラー化合物として、通常は酸素、エタノール、アセトン等の極性を持った化合物が使用される。また、メタロセン触媒を使用する場合は、アルミニウム化合物(スカベンジャー)と反応、相互作用する活性水素を持たず、一方、メタロセン触媒のシングルサイト活性点へは相互作用する極性基を持っている化合物であってもよい。このような化合物としては、ハロゲン化アルキルやエーテル、ビニルエーテル類が挙げられる。
(vi)第1工程終了後のポリマー粒子の粒径
本発明においては、第1工程終了後に第2工程を実施するが、エチレン含量が高く、べたつきやすい共重合体成分(B)を、第2工程において、いかに安定的に生産するかがポイントとなる。安定生産のためには、べたつきやすいポリマー粒子の付着を防止することが必要である。
そのためには、第1工程終了後のポリマー粒子粒径、すなわち第2工程開始前のポリマー粒子粒径を大きくすることが重要である。ポリマー粒子の粒径が大きいと、上述のとおりキラー化合物の効果が発揮されやすくなるとともに、ポリマー粒子の比表面積が小さくなるため、単位重量あたりのポリマー粒子の接触面積が小さくなるとともに、べたつきやすい共重合体成分(B)が表面にブリードアウトする(ポリマー粒子表面へ移動する)速度を遅くできる。
従って、第1工程終了後のポリマー粒子の平均粒径には、好ましい範囲が存在し、その下限は、通常800μm、好ましくは1000μm、より好ましくは1100μm、さらに好ましくは1200μm、さらに一層好ましくは1300μm、きわめて好ましくは1400μm、特に好ましくは1500μm、中でも1600μmである。
(vii)第1工程終了後のポリマー粒子の微粉量
ポリマー粒子の微粉も、また運転安定性に影響する。この量が多いと、反応器壁への付着、移送配管での詰まり、ガス配管への飛散、フィルターの詰まり、など運転安定性に悪影響が出てくる。
微粉の量は、粒径分布測定における粒径212μm以下の量で表され、目開き212μmの篩で、ポリマー粒子を篩い、これを通過した割合で定量できる。微粉量は、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下、中でも0.1質量%以下である。
3.プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造に用いる成分
(1)メタロセン系触媒
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造するには、メタロセン系触媒を使用するのが好ましい。
プロピレン−エチレンブロック共重合体において、分子量及び結晶性分布が広いと、べたつきやブリードアウトが悪化することは、当業者に広く知られるところであるが、本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体についても、べたつき及びブリードアウトを抑制するために、分子量及び結晶性分布を狭くできるメタロセン系触媒を用いて、重合させて製造するのが望ましい。
従来のチーグラー・ナッタ系触媒では、べたつきおよびブリードアウト成分となり得る、TREFにおける−15℃可溶分が0.8質量%以下を満たすような、本発明の優れたプロピレン−エチレンブロック共重合体が得られないのは、後記の実施例と比較例との対比からも明らかである。
メタロセン系触媒は、一般に、(A)共役五員環配位子を有する周期律表(短周期型)第4〜6族の遷移金属化合物からなるメタロセン錯体と、それを活性化させる(B)助触媒、並びに必要に応じて使用される(C)有機アルミニウム化合物から構成される。
オレフィン重合プロセスの特性によっては、粒子化が必須とされるため、さらには(D)担体を構成要素とする場合がある。
(A)メタロセン錯体
本発明において用いられるメタロセン錯体としては、代表的なものとして共役五員環配位子を有する周期律表第4〜6族の遷移金属化合物のメタロセン架橋錯体が挙げられ、これらのうち、下記一般式で表されるもの、中でもアズレン系、特にハフニウムを含むものが好ましい。
通常、ハフニウムを含む錯体を使用すると、分子量は向上するものの、重合活性が低下するため、パウダー粒子の粒径が小さくなり粒子性状が悪化するが、本発明においては、高活性、大粒径のハフニウム触媒を開発することにより、この問題を解決した。
Figure 2008156562
(式中、Mは、ZrまたはHfである。XおよびYは、補助配位子であり、成分(B)の助触媒と反応してオレフィン重合能を有する活性なメタロセンを生成させるものである。AおよびA’は、置換基を有していてもよいインデニル基、フルオレニル基またはアズレニル基である。Qは、AとA’を架橋する基である。AおよびA´は、さらに副環上に置換基を有していてもよい。)
AおよびA´としては、インデニル基またはアズレニル基、特にアズレニル基が好ましい。
Qは、二つの共役五員環などの配位子間を任意の位置で架橋する結合性基を表し、具体的にはアルキレン基、シリレン基或いはゲルミレン基であるのが好ましい。
Mは、周期律表第4〜6族から選ばれる遷移金属の金属原子、好ましくは、チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどである。特にジルコニウムまたはハフニウムが好ましい。もっとも好ましいのはハフニウムである。
XおよびYは、補助配位子であり、成分(B)の助触媒と反応して、オレフィン重合能を有する活性なメタロセンを生成させる。したがって、この目的が達成される限りX,Yは、配位子の種類が制限されるものではなく、各々水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、或いはヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基などが例示できる。これらのうち好ましいものは炭素数1〜10の炭化水素基、或いはハロゲン原子である。
メタロセン錯体の具体的化合物として、以下のものを例示することができる。
置換基が環を構成しているシクロペンタジエニル配位子を2個有し、それらが架橋されている構造のメタロセン錯体において、アズレン系のものとしては、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−イソプロピル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4,6−ジイソプロピル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(1−アントラセニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(2−アントラセニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(9−フェナンスリル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルメチレンビス[1−{2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス[1−{2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4―(3,5−ジメチル−4−トリメチルシリルフェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、などが挙げられる。
アズレン系であって他の共役多員環配位子が異なるものとしては、ジメチルシリレ2ン[1−{2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル}][1−{2−メチル−4−(4−ビフェニリル)インデニル}]ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレン{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ハフニウムジクロリドなどが挙げられる。
インデニル配位子を2個有し、それらが架橋されている構造のメタロセン錯体としては、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}〕ハフニウムジクロリド、などが挙げられる。
これら具体例の化合物のシリレン基をゲルミレン基に、またはその逆に置き換えた化合物も、好適なものとして例示される。ハフニウムをジルコニウムに置き換えた化合物も、使用できる。所望の共重合体の分子量が高い場合は、ハフニウム化合物が好ましい。
上記成分(A)として好ましいのは、炭化水素置換基を有するシリレン基、ゲルミレン基或いはアルキレン基で架橋された置換シクロペンタジエニル基、置換インデニル基、置換フルオレニル基、置換アズレニル基を有する配位子からなる遷移金属化合物、中でも炭化水素置換基を有するシリレン基、或いはゲルミレン基で架橋されたものや、また置換インデニル基、置換アズレニル基を有する配位子からなるものが好ましく、特に2位または4位、若しくは2位および4位に置換基を有するものが好ましい。
(B)助触媒(活性化剤成分)
助触媒は、メタロセン錯体を活性化する成分で、メタロセン錯体の補助配位子と反応して当該錯体を、オレフィン重合能を有する活性種に変換させ得る化合物であり、具体的には、下記(B−1)〜(B−4)のものが挙げられる。
(B−1)アルミニウムオキシ化合物
(B−2)成分(A)と反応して、成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸
(B−3)固体酸
(B−4)イオン交換性層状珪酸塩
(B−1)のアルミニウムオキシ化合物がメタロセン錯体を活性化できることは、周知であり、そのような化合物としては、具体的には次の各一般式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008156562
上記の各一般式中、Rは、水素原子または炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10、中でも炭素数1〜6の炭化水素基を示す。また、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。また、pは0〜40、好ましくは2〜30の整数を示す。
上記一般式のうち、一番目及び二番目の式で表される化合物は、アルミノキサンとも称される化合物であって、これらの中では、メチルアルミノキサン又はメチルイソブチルアルミノキサンが好ましい。上記のアルミノキサンは、各群内および各群間で複数種併用することも可能である。そして、上記のアルミノキサンは、公知の様々な条件下に調製することができる。
上記一般式の三番目で表される化合物は、一種類のトリアルキルアルミニウム又は二種類以上のトリアルキルアルミニウムと、一般式:RB(OH)で表されるアルキルボロン酸との10:1〜1:1(モル比)の反応により得ることができる。
一般式中、R及びRは、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基を示す。
(B−2)の化合物は、成分(A)と反応して、成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸であり、このようなイオン性化合物としては、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどの陽イオンと、トリフェニルホウ素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素などの有機ホウ素化合物との錯化物などが挙げられる。また、上記のようなルイス酸としては、種々の有機ホウ素化合物、例えば、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素などが例示される。或いは、塩化アルミニウム、塩化マグネシウムなどの金属ハロゲン化物などが例示される。
なお、上記のルイス酸のある種のものは、成分(A)と反応して、成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物として把握することもできる。
ここで、成分(B−1)、成分(B−2)を担持する微粒子状担体としては、シリカ、アルミナ、マグネシア、シリカアルミナ、シリカマグネシアなどの無機酸化物、塩化マグネシウム、オキシ塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化ランタンなどの無機ハロゲン化物、さらには、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンジビニルベンセン共重合体、アクリル酸系共重合体などの多孔質の有機担体を挙げることができる。
(B−3)の固体酸としては、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシアなどが挙げられる。
(B−4)のイオン交換性層状化合物は、粘土鉱物の大部分を占めるものであり、好ましくはイオン交換性層状珪酸塩である。
イオン交換性層状珪酸塩(以下、単に「珪酸塩」と略記する場合がある。)は、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、かつ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物をいう。大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英、クリストバライトなど)が含まれることが多いが、それらを含んでいてもよい。
珪酸塩は、各種公知のものが使用できる。具体的には、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている次のような層状珪酸塩が挙げられる。
(i)2:1型鉱物類:
モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイトなどのスメクタイト族;バーミキュライトなどのバーミキュライト族;雲母、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母族;パイロフィライト、タルクなどのパイロフィライト−タルク族;Mg緑泥石などの緑泥石族
(ii)2:1リボン型鉱物類:
セピオライト、パリゴルスカイトなど
珪酸塩は、上記の混合層を形成した層状珪酸塩であってもよい。主成分の珪酸塩が2:1型構造を有する珪酸塩であるのが好ましく、スメクタイト族であることがより好ましく、モンモリロナイトが特に好ましい。珪酸塩については、天然品または工業原料として入手したものは、特に処理を行うことなくそのまま用いることができるが、化学処理を施すのが好ましい。具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。これらの処理を互いに組み合わせて用いてもよい。これらの処理条件には特に制限はなく、公知の条件が使用できる。
また、これらイオン交換性層状珪酸塩には、通常、吸着水および層間水が含まれるため、不活性ガス流通下で加熱脱水処理するなどして、水分を除去してから使用するのが好ましい。なおこれらの化学処理の程度によってはイオン交換性が小さくなっている場合があるが、化学処理前の原料がイオン交換性層状珪酸塩であれば、特に問題ない。
(C)有機アルミニウム化合物
メタロセン触媒系に、必用に応じて使用される有機アルミニウム化合物としては、ハロゲンを含有しないものが使用され、具体的には一般式:
AlR3−i
(式中、RはC1〜20の炭化水素基、Xは水素、アルコキシ基、iは0≦i≦3の数を示す。但し、Xが水素の場合は、iは0≦i<3とする。)
で示される化合物が使用される。
具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、またはジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムメトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシド、ジイソブチルアルミニウムエトキシドなどのアルコキシ含有アルキルアルミニウム、さらにはジエチルアルミニウムハライドなどのハライド含有アルキルアルミニウムが挙げられる。
これらのうち、特にトリアルキルアルミニウム、中でもトリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムが好ましい。
(D)担体
メタロセン触媒系において、必要に応じ適宜用いられる担体としては、各種公知の無機或いは有機の微粒子状固体を挙げることができる。担体の平均粒径は、通常5〜300μm、好ましくは10〜200μm、より好ましくは10〜100μmである。
また、担体の比表面積は、通常50〜1,000m/g、好ましくは100〜500m/gであり、担体の細孔容積は、通常0.1〜2.5cm/g、好ましくは0.2〜0.5cm/gである。
無機固体の例示としては、多孔質酸化物が挙げられ、必要に応じて100〜1,000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して用いられる。
具体的には、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThOなど、またはこれらの混合物、たとえばSiO−MgO、SiO−Al、SiO−TiO、SiO−V、SiO−Cr、SiO−TiO−MgOなどが挙げられる。これらのうち、SiOまたはAlを主成分とするものが好ましい。
また、上記(B)助触媒のうち固体のものであれば、担体兼助触媒として使用することが可能であり、かつ好ましい。具体例としては、(B−3)固体酸や(B−4)イオン交換性層状珪酸塩などが挙げられる。ブロック共重合体の粒子性状を向上させるためには、各種公知の造粒を行うのが好ましい。
有機固体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体或いはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される重合体もしくは共重合体の固体を例示することができる。
上記触媒の各成分(A)〜(D)の例示においては、触媒各成分が本発明の本質をなすものではないので、煩雑で冗長な列挙を避けて、簡潔に代表的な例示にとどめている。本発明においては、例示された以外の同等の成分も内包されることは当然のことであり、これらが排除される理由は何もない。
[触媒成分の接触]
成分(A)と成分(B)、及び必要に応じて成分(C)を接触させて触媒とする。その接触方法は、特に限定されないが、以下のような順序で接触させることができる。また、この接触は、触媒調製時だけでなく、オレフィンによる予備重合時またはオレフィンの重合時に行ってもよい。
(i)成分(A)と成分(B)を接触させる。
(ii)成分(A)と成分(B)を接触させた後に、成分(C)を添加する。
(iii)成分(A)と成分(C)を接触させた後に、成分(B)を添加する。
(iv)成分(B)と成分(C)を接触させた後に、成分(A)を添加する。
(v)その他、三成分を同時に接触させてもよい。
好ましい接触方法は、成分(B)と成分(C)を接触させた後、未反応の成分(C)を洗浄等で除去し、その後、再度必要最小限の成分(C)を成分(B)に接触させ、その後成分(A)を接触させる方法である。この場合のAl/遷移金属のモル比は、0.1〜1,000、好ましくは2〜10、より好ましくは4〜6の範囲である。
成分(A)と成分(C)を接触させる(その場合成分(B)が存在していてもよい)温度は、好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜80℃、特に好ましくは30〜60℃である。この温度範囲より低い場合は、反応が遅くなるし、また、高い場合は、成分(A)の分解反応が進行する。
また、成分(A)と成分(C)を接触させる(その場合成分(B)が存在していてもよい)場合には、有機溶媒を溶媒として存在させるのが好ましい。この場合の成分(A)の有機溶媒中での濃度は、高い方が良く、好ましくは3mM以上,より好ましくは4mM以上、特に好ましくは6mM以上である。
上記の触媒成分のうち成分(A)と成分(B)の使用量は、それぞれの組み合わせの中で最適な量比で用いられる。
成分(B)がアルミニウムオキシ化合物の場合は、Al/遷移金属のモル比は、通常10以上100,000以下、さらに100以上20,000以下、特に100以上10,000以下の範囲が適する。一方、成分(B)としてイオン性化合物或いはルイス酸を用いた場合は、対遷移金属のモル比は、0.1〜1,000、好ましくは1〜100、より好ましくは2〜10の範囲である。
成分(B)として、固体酸或いはイオン交換性層状珪酸塩を用いる場合は、成分(B)1gにつき、遷移金属錯体0.001〜10ミリモル、好ましくは0.001〜1ミリモルの範囲である。また、その場合成分(B)は、酸点を持つのが好ましい。酸点の量の下限については、成分(B)1gにつきpKa<−8.2以下の強酸点において、好ましくは30μモル、より好ましくは50μモル、特に好ましくは100μモルである。酸点の量は、特開2000−158707号公報の記載に従い、測定される。
(2)予備重合
本発明に用いられる触媒は、粒子性の改良のために、予めオレフィンを接触させて少量重合されることからなる予備重合処理に付すのが好ましい。
使用するオレフィンは、特に限定はないが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレンなどを使用することが可能であり、特にプロピレンを使用するのが好ましい。
オレフィンの供給方法は、オレフィンを反応槽に定速的に或いは定圧状態になるように維持する供給方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせるなど、任意の方法が可能である。
予備重合時間は、特に限定されないが、5分〜24時間の範囲であるのが好ましい。また、予備重合量は、予備重合ポリマー量が成分(B)1質量部に対し、好ましくは0.01〜100質量部、より好ましくは0.1〜50質量部である。予備重合を終了した後に、触媒の使用形態に応じ、そのまま使用することが可能であるが、必要ならば乾燥を行ってもよい。
予備重合温度は、特に制限されないが、通常0℃〜100℃、好ましくは10〜70℃、より好ましくは20〜60℃、特に好ましくは30〜50℃である。この範囲を下回ると反応速度が低下したり、活性化反応が進行しないという弊害が生じる可能性があり、上回ると予備重合ポリマーが溶解したり、予備重合速度が速すぎて粒子性状が悪化したり、副反応のため活性点が失活するという弊害が生じる可能性がある。
予備重合時には、有機溶媒等の液体中で実施することもでき、むしろそうするのが好ましい。予備重合時の固体触媒の濃度は、特に制限されないが、好ましくは50g/L以上、より好ましくは60g/L以上、特に好ましくは70g/L以上である。濃度が高い方がメタロセンの活性化が進行し、高活性触媒となる。
本発明におけるような高分子量かつ高活性触媒を実現する方法としては、特に制限は無いが、下記の事項を満たすことが好ましい。
(i)成分(B)1gあたりのpKa<−8.2の酸量が30μmol/g以上となるように化学処理されていること。
(ii)成分(B)と成分(C)を接触させた後に、成分(A)を添加すること。
(iii)成分(A)としてハフニウム含有メタロセン錯体を使用すること。
(iv)成分(A)を成分(C)と接触する工程におけるAl/Hfのモル比が4〜6であること。
(v)成分(A)と成分(B)と成分(C)を接触する反応温度が30〜60℃であること。
(vi)成分(A)と成分(B)と成分(C)を接触する反応時、成分(A)の有機溶媒中の濃度が3.7M以上であること。
本発明では、これらの組合せにより、従来高分子量でありながら低活性であったハフニウム触媒の活性を飛躍的に増大させ、高分子量のプロピレン−エチレン共重合体を大粒径パウダーとして、したがって、べたつき無く良好な流動性で製造することができたものである。
さらに、上記各成分の接触の際、もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの重合体やシリカ、チタニアなどの無機酸化物固体を共存させることも可能である。
4.付加的成分
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体においては、必要に応じ、付加的成分(任意成分)を本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合することもできる。
この付加的成分としては、従来ポリオレフィン樹脂用配合剤として通常用いられている添加剤、例えば核剤、フェノール系酸化防止剤、燐系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、金属不活性剤、過酸化物、充填剤、抗菌防黴剤、蛍光増白剤等を挙げることができる。
これら添加剤の配合量は、一般に0.0001〜3質量%、好ましくは0.001〜1質量%である。
核剤の具体例としては、2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸ナトリウム、タルク、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール等のソルビトール系化合物、ヒドロキシ−ジ(t−ブチル安息香酸アルミニウム)、2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸と炭素数8〜20の脂肪族モノカルボン酸リチウム塩混合物(旭電化社製商品名NA21)等を挙げることができる。
フェノール系酸化防止剤の具体例としては、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸等を挙げることができる。
燐系酸化防止剤の具体例としては、トリス(ミックスド、モノ及びジノニルフェニルホスファイト)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、4,4´−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4´−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4´−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト等を挙げることができる。
硫黄系酸化防止剤の具体例としては、ジ−ステアリル−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ミリスチル−チオ−ジ−プロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(3−ラウリル−チオ−プロピオネート)等を挙げることができる。
中和剤の具体例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ハイドロタルサイト、ミズカラック(水沢化学(株)製)等を挙げることができる。
ヒンダードアミン系の安定剤の具体例としては、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル}イミノ]、ポリ[(6−モルホリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]等を挙げることができる。
滑剤の具体例としては、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、エチレンビスステアロイド等の高級脂肪酸アミド、シリコンオイル、高級脂肪酸エステル等を挙げることができる。
帯電防止剤としては、高級脂肪酸グリセリンエステル、アルキルジエタノールアミン、アルキルジエタノールアミド、アルキルジエタノールアミド脂肪酸モノエステル等を挙げることができる。
また、本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体には、必要に応じ、他の樹脂、例えばエチレン−プロピレン系ゴム、エチレン−ブテン系ゴム、エチレン−ヘキセン系ゴム、エチレン−オクテン系ゴム等を、本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合することもできる。本共重合体以外の樹脂は、本共重合体に対し最大30質量%、好ましくは20質量%まで配合することができる。
これらの付加的成分は、本共重合体に、直接添加し溶融混練して使用することも可能であるし、溶融混練中に添加してもよい。さらには、溶融混練後に直接添加、或いは、本発明の目的を損なわない範囲で適宜マスターバッチとして添加することも可能である。また、これらの複合的な手法により添加してもよい。
一般的には、酸化防止剤や中和剤などの添加剤を配合して、混合、溶融、混練された後、製品に成形され使用される。成形時に本発明の効果を著しく損なわない範囲内で他の樹脂、或いは、その他の付加的成分を添加し使用することも可能である。
混合、溶融、混練は、従来公知のあらゆる方法を用いることができるが、通常、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、Vブレンダー、タンブラーミキサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー、一軸又は二軸の混練押出機にて実施することができる。これらの中でも一軸又は二軸の混練押出機により混合或いは溶融混練を行うのが好ましい。
5.プロピレン−エチレンブロック共重合体の用途及び成形方法
(1)用途
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体は、柔軟性に優れ、製品が耐熱性と耐寒性を有するため、広い温度での使用が可能であり、さらに、耐熱性を有しながら比較的低い温度での成形加工が可能であり、べたつきやブリードアウトが抑制されるという特徴を持つため、フィルム、シート、各種容器、各種成形品、各種被覆材などに好適である。
特に、シートにおいては、成形性が優れるとともにブリードアウトが抑制され、べたつき感が顕著に低減されることでブリードアウトが発生しにくいため好適である。
また、各種包装材や容器として用いられる場合には、冷凍状態での保存から沸騰状態での殺菌にも耐え、特に、冷凍保存用に適している。さらに、ブリードアウトによる内容物汚染が非常に小さく、食品や医療及び産業用の各分野に好適である。
成形品としても、同様に使用温度範囲が広く、ブリードアウトによる経時の外観悪化がなく、好適に用いることができる。特に、ヒンジ部を持つキャップや各種の蓋材としての使用は、繰り返しの曲げによる白化や、そこからの疲労破壊の発生が抑制され極めて好適に使用できる。
(2)成形方法
これらの各種製品の成形方法としては、公知の成形法を制限なく用いることができる。
フィルムやシートの成形法の例としては、空冷インフレーション成形、水冷インフレーション成形、Tダイによる無延伸成形、一軸延伸成形、二軸延伸成形、カレンダー成形などを用いることができる。
また、フィルムやシートとして使用する場合に、多層構成中の層としての使用も可能である。その柔軟性を生かし中間層に使用することも可能であるし、べたつきやブリードアウトが抑制され、強度に優れ低温での成形が可能である点を生かし表面層としての使用も可能である。
容器などの成形としては、熱板成形、圧空成形、真空成形、真空圧空成形、ブロー成形、延伸ブロー成形、射出成形、インサート成形等を用いることができる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
以下に、実施例で評価した物性の測定方法などを示す。
(1)第1工程におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)中のエチレン含有量E(A)の算出
特開2003−73426号公報に記載の13C−NMRによるエチレン含量測定法により算出した標準サンプルのエチレン含量を元に、赤外吸収スペクトルでの700−760cm−1の範囲のピークの高さI[absorbance]とエチレン含量E(A)[質量%]との関係式(下記式[1])を算出し、これを用いて算出した。
第1工程終了時に、予め5gの共重合体成分(A)抜き出しておき、190℃プレス成形にて、これの0.5mmのシートを作成し、これの赤外吸収スペクトルを測定した。下記式[1]中のD[mm]は、シート厚みであり、10μm単位まで正確に測定した数値を用いた。
式[1]:E(A)=5×I/D+0.0613
(2)プロピレン−エチレン系ブロック共重合体中のゴム(すなわち、第2工程のエチレン−プロピレンランダム共重合体成分:EPR)含量[=W(B)]、EPR中のエチレン含量[E(B)]及びEPRの重量平均分子量(MwEPR)の測定
クロス分別装置(ダイヤインスツルメンツ社製CFC T−100)、フーリエ変換型赤外線吸収スペクトル分析(FT−IR パーキンエルマー社製 1760X)、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を、特開2005−220235号公報と同様の方法で組合せ(これをCFC−IRと略す)、同様に測定、解析した。CFC−IRの−15℃可溶分の量からW(B)を、CFC−IRの−15℃可溶分中のエチレン含量からE(B)を求めた。
(3)融解ピーク温度Tm(A)の測定
プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)を190℃でプレスして、シートを作成し、これを5mgとなるように秤量した。これをアルミパンにいれ、ふたをしてからDSC測定装置(セイコー電子工業製DSC−6200)にセットした。室温から200℃まで100℃/分の速度で昇温し、そのまま5分間保持し、230℃から40℃まで5℃/分の速度での降温によって結晶化温度を求めた。さらに融点と結晶融解熱は、40℃から200℃まで10℃/分の速度での昇温によって求めた。
(4)TREFによる測定
試料を140℃でo−ジクロロベンゼン(0.5mg/mlBHT入り)に溶解し溶液とする。これを140℃のTREFカラムに導入した後に、8℃/分の降温速度で100℃まで冷却し、引き続き4℃/分の降温速度で−15℃まで冷却し、60分間保持する。その後に、溶媒である−15℃のo−ジクロロベンゼン(0.5mg/mlBHT入り)を1ml/分の流速でカラムに流し、TREFカラム中で−15℃のo−ジクロロベンゼンに溶解している成分を10分間溶出させ、次に昇温速度100℃/時間にてカラムを140℃までリニアに昇温し、溶出曲線を得る。
(5)水分含量の測定
ダイヤインスツルメンツ社製CA−07および水分気化装置ダイヤインスツルメンツ社製VA−21を用い、電気炉温度200℃、液滴終点0.4μg/sの条件で測定した。
(6)粒径分布の測定
堀場製作所社製レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置LA−920を用い、分散溶媒を蒸留水、屈折率1.0、形状係数1.0の条件で測定した。
(7)ポリマー粒子の平均粒径の測定
レッチェテクノロジー社製、粒度分布測定装置カムサイザーを使用してサンプルポリマー粒子20gの粒子径を求めた。DIN66141のQ3(0.5)(質量基準による累積分布Q3(x)のX=0.5の値)の粒子径を平均粒径とした。
(8)ポリマー嵩密度の測定
ASTM D1895−69に準拠し、測定した。
(9)MFR(メルトマスフローレート)の測定
測定する時間を10分間にした以外は、JIS K7210A法 条件Mに従い、以下の条件で測定した。
試験温度:230℃
荷重:2.16kg
ダイ形状:直径2.095mm、長さ8.00mm
[実施例1]
(1)触媒合成
a.イオン交換性層状珪酸塩の化学処理
撹拌翼と還流装置を取り付けた3Lセパラブルフラスコに、純水2250gを投入し、98%硫酸670gを滴下し、内部温度を90℃にした。そこへ、さらに市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製、ベンクレイSL、平均粒径:51.0μm)を400g添加後、撹拌した。その後、90℃で3.5時間反応させた。このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過し、2Lの純水で5回洗浄した。
このようにして回収されたケーキは、5Lビーカー内において硫酸亜鉛7水和物423gを純水1500mlに溶解させた水溶液に加えて室温で2時間反応させた。このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過し、2Lの純水で5回洗浄してケーキを回収し、これを120℃で終夜乾燥して300gの化学処理モンモリロナイトを得た。これを目開き74μmの篩にて篩い分けし篩上分を除去したところ、篩通過分は全体の重量の92%であった。これの平均粒径をレーザー回折・散乱式で測定したところ48μmであった。
b.乾燥工程
上記aで得た化学処理モンモリロナイトを容積1Lのフラスコに入れ、200℃で3時間減圧乾燥させたところ、ガスの発生が収まった。その後さらに2.5時間減圧乾燥して被処理モンモリロナイトを得た。その水分含量を測定したところ、水分値は1.1質量%であった。
c.被処理モンモリロナイトの有機アルミニウム処理
内容積1Lのフラスコに、上記bで得た被処理モンモリロナイト19.9gを秤量し、ヘプタン72ml、トリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液128.0ml(50.1mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、ヘプタンで残液率1/100まで洗浄したのち、100ml量に調整されたスラリーを得た。
d.プロピレンによる予備重合
上記cで得たスラリーに、トリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液6.13ml(2400μmol)を加えた。ここに、別のフラスコ(容積200ml)中で、(r)−ジクロロ[1,1´−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウム490mg(602.7μmol)にヘプタン(60ml)を加えたスラリーを加えて、60℃で60分間撹拌した。
このようにして得られたスラリーに、さらにヘプタン340mlを追加して全量を500mlに調整し、十分に窒素置換を行った内容積1Lの撹拌式オートクレーブに導入した。オートクレーブ内の温度が40℃に安定したところでプロピレンを20g/時間の速度で供給し、温度を維持した。2時間後プロピレンの供給を停止し、さらに2時間40℃を維持した。
その後、残存モノマーをパージして予備重合触媒スラリーをオートクレーブより回収した。回収した予備重合触媒スラリーを静置し、上澄み液を370ml抜き出した。続いてトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液16.72ml(12.01mmol)を室温にて加え、その後、減圧乾燥して固体触媒を65.0g回収した。
予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は、2.16であった。
(2)重合
第1工程:プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)のバルク重合法による製造
内容積3Lの撹拌機付オートクレーブ内をプロピレンで充分置換した後に、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(140mg/ml)2.86mlを加え、水素を標準状態の体積で70ml、エチレン36g、続いて液体プロピレン750gを導入し、60℃に昇温した。上記(1)で得られた予備重合触媒をヘプタンにスラリー化し、固体触媒として10mg(予備重合ポリマーを除く正味の固体触媒の量;以下同様)をヘプタン5mlと共に圧入して重合を開始した。
触媒投入後、10分間槽内温度を60℃に維持した。残モノマーのパージを行い、アルゴンにて槽内を5回置換した。撹拌を停止させ、アルゴンをフローさせながら、テフロン(登録商標)管を槽内に差し込み、ポリプロピレンを少量抜き出した。抜き出し量は18.4gであった。
第2工程:プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)の気相重合法による製造
重合槽の撹拌を再開後にエチレンとプロピレンを71:29のモル比で圧力2.0MPaまで供給した。その後90分間、内温を65℃に保持し、圧力を2.0MPaに保つようにエチレンとプロピレンを50:58のモル割合で供給し、気相共重合を実施した。重合終了後、回収したポリマーを75℃、減圧下で60分間乾燥した。
得られたポリマーの嵩密度は、0.419g/ccであり、良好な流れ性を示した。ポリマー物性は、表1にまとめた。
[比較例1]
(1)プロピレンによる予備重合
実施例1のcで得たスラリーに、トリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液6.13ml(2400μmol)を加えた。ここに、別のフラスコ(容積200ml)中で、(r)−ジクロロ[1,1´−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム439mg(600.7μmol)にヘプタン(60ml)を加えたスラリーを加えて、60℃で60分間撹拌した。
このようにして得られたスラリーに、さらにヘプタン340mlを追加して全量を500mlに調整し、十分に窒素置換を行った内容積1Lの撹拌式オートクレーブに導入した。オートクレーブ内の温度が40℃に安定したところでプロピレンを10g/時間の速度で供給し、温度を維持した。4時間後プロピレンの供給を停止し、さらに2時間40℃を維持した。
その後、残存モノマーをパージして予備重合触媒スラリーをオートクレーブより回収した。回収した予備重合触媒スラリーを静置し、上澄み液を400ml抜き出した。続いてトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液16.72ml(12.01mmol)を室温にて加え、その後、減圧乾燥して固体触媒を62.60g回収した。
予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は2.06であった。
(2)重合
第1工程:プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)のバルク重合法による製造
エチレン量を24gとし、固体触媒も上記のものにした以外は、実施例1の第1工程と同様に実施した。第1工程終了後のポリマー抜き出し量は14.4gであった。
第2工程:プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)の気相重合法による製造
重合槽の撹拌を再開後にエチレンとプロピレンを58:42のモル比で圧力2.0MPaまで供給した。その後90分間、内温を65℃に保持し、圧力を2.0MPaに保つようにエチレンとプロピレンを49:59のモル割合で供給し気相共重合を実施した。
得られたポリマーの嵩密度は、0.409g/ccであり良好な流れ性を示した。ポリマーのMFRは、0.78dg/minであり、分子量が低かった。ガスの消費量から算出したW(B)は、62.5質量%であった。また、第1工程終了後のポリマー抜き出し品を分析した結果、MFRは2.91dg/min、Tm(A)は123.0℃、、E(A)は3.03質量%、であった。これらから計算したE(B)の値は、26.0質量%であった。ポリマー物性は、表1にまとめた。
[比較例2]
(1)固体触媒成分の調製
室温で、精製したトルエン(2L)、Mg(OEt)(200g)、TiCl(1L)を、窒素置換した10Lのオートクレーブに導入した。温度を90℃に上げて、フタル酸ジ−n−ブチルを50ml導入した。その後、温度を110℃に上げて3時間反応を行い、その後トルエンで洗浄した。トルエンで全体の液量を2Lに調整した後、室温でTiClを1L添加し、温度を110℃に上げて2時間反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで充分に洗浄した。更に、精製したn−ヘプタンを用いて、トルエンをn−ヘプタンで置換し、固体触媒成分のスラリーを得た。
(2)予備重合
上記固体触媒成分のスラリーに精製したn−ヘキサンを導入して、固体触媒成分の濃度を20g/Lとした。スラリーを室温で、AlEt(10g)、iPrSi(Me)(2.3g)を添加し、200gのプロピレンを4時間かけて供給した。プロピレンの供給が終わった後、更に30分反応を継続した。次いで、気相部を窒素で充分に置換し、固体触媒を得た。
(3)重合
第1工程:プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)のバルク重合法による製造
3Lオートクレーブに上記固体触媒を2mg、トリイソブチルアルミニウムの代わりにトリエチルアルミニウムを91mg、シクロヘキシルメチルジメトキシシランを30mg、水素を標準状態体積で6000ml、エチレンを18g入れたこと以外は、実施例1と同様に第1工程の重合を実施した。
第2工程:プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)の気相重合法による製造
重合槽の撹拌を再開後にエチレンとプロピレンと水素を35:73:2のモル比で圧力2.0MPaまで供給した。その後30分間、内温を65℃に保持し、圧力を2.0MPaに保つようにエチレンとプロピレンと水素を43:55:2のモル割合で供給し気相共重合を実施した。重合終了後、回収したポリマーは75℃減圧下で60分間乾燥した。
ポリマー物性は、表1にまとめた。
[比較例3]
3Lオートクレーブに比較例2の固体触媒を2mg、トリイソブチルアルミニウムの代わりにトリエチルアルミニウムを91mg、シクロヘキシルメチルジメトキシシランを30mg、水素を標準状態体積で6000ml、エチレンを10g入れたこと以外は、実施例1と同様に、第1工程の重合を実施した。残モノマーのパージを行い、アルゴンにて槽内を5回置換した。撹拌を停止させ、アルゴンをフローさせながら、テフロン(登録商標)管を槽内に差し込み、ポリプロピレンを少量抜き出そうとしたが、抜き出せなかった。そのため重合をこの段階で中断しオートクレーブを開放したところ、ポリマー粒子が凝集していた。また、重合層内の器壁には、べたつき成分が付着していた。
ポリマー粒子の嵩密度(BD)は測定不能であり、ポリマー粒子の流れ性は不良であった。Tm(A)は133.2℃、E(A)は5.5質量%であった。
[実施例2]
(1)重合
第1工程:プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)のバルク重合法による製造
水素の量を標準状態の体積で70ml、エチレン量を48g、固体触媒量を10mg、重合時間を10分とした以外は、実施例1の第1工程と同様に実施した。第1工程終了後のポリマー抜き出し量は6.7gであった。
第2工程:プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)の気相重合法による製造
重合槽の撹拌を再開後にエチレンとプロピレンを92:8のモル比で圧力2.0MPaまで供給した。その後90分間、内温を65℃に保持し、圧力を2.0MPaに保つようにエチレンとプロピレンを94:18のモル割合で供給し気相共重合を実施した。
得られたポリマーの嵩密度は、0.395g/ccであり、良好な流れ性を示した。ポリマーのMFRは、0.055dg/min、エチレン含量は12.9質量%であった。ガスの消費量から算出したW(B)は12.8質量%であった。また、第1工程終了後のポリマー抜き出し品を分析した結果、MFR(A)は0.074dg/min、Tm(A)は116.7℃、、E(A)は4.49質量%、であった。これらから計算したE(B)の値は70.1質量%であった。
[実施例3]
(1)重合
第1工程:プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)のバルク重合法による製造
エチレン量を60g、重合温度を50℃、重合時間を5分とした以外は実施例1の第1工程と同様に実施した。第1工程終了後のポリマー抜き出し量は14.6gであった。
第2工程:プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)の気相重合法による製造
重合槽の撹拌を再開後にエチレンとプロピレンを80:20のモル比で圧力2.0MPaまで供給した。その後60分間、内温を70℃に保持し、圧力を2.0MPaに保つようにエチレンとプロピレンと水素の比を50:50:0.01のモル割合で供給し気相共重合を実施した。
得られたポリマーの嵩密度は、0.417g/ccであり、良好な流れ性を示した。ポリマーのMFRは0.037dg/min、エチレン含量は13.3質量%であった。ガスの消費量から算出したW(B)は15.4質量%であった。また、第1工程終了後のポリマー抜き出し品を分析した結果、MFR(A)は0.058dg/min、Tm(A)は106.5℃、E(A)は5.49質量%、であった。これらから計算したE(B)の値は56.2質量%であった。
Figure 2008156562
表1に示すように、比較例1と実施例1を比較すると、ほぼ同一のTm(A)を製造しているが、比較例1の触媒では、MFR(A)が高く、高分子量の共重合体(A)を製造できないことが分かる。また、MFR(A)を、MFRと比較すると分かるように、成分(B)の方が、分子量が高い。比較例1の方が成分(B)の含有量(=W(B))が多いにもかかわらず、MFRは高く、全体としても実施例1ほどの高分子量のポリマーを製造できていない。
従って、本発明で使用した実施例1の触媒を使用することで、高分子量の共重合体が製造可能となったことが分かる。
また、比較例2,3と実施例1〜3を比較すると分かるように、べたつき成分の含有量の指標であるS(A)が高い場合、粒子性状が悪化し、生成したポリマーも、べたついており、成形体にしてもべたついたりブリードアウトが多かったりすることは明らかである。
このように、本発明によって、初めて高分子量でかつ良好なポリマー粒子の流れ性、嵩密度(BD)を持つ共重合体が得られたことが分かる。
本発明のプロピレン−エチレンブロック共重合体は、べたつきやブリードアウトが抑制され、かつ柔軟性に優れているので、フィルム、シート、各種容器、各種成形品、各種被覆材などとして好適に用いられ、特に、シートにおいては、成形性が優れるとともにブリードアウトが抑制され、べたつき感が顕著に低減されることでブリードアウトが発生しにくいために好適である。また、融点が低いので、空冷インフレーション成形、水冷インフレーション成形、Tダイによる無延伸成形、一軸延伸成形、二軸延伸成形、カレンダー成形、熱板成形、圧空成形、真空成形、真空圧空成形、ブロー成形、延伸ブロー成形、射出成形、インサート成形等を、通常より低い温度で行うことができ、産業上利用可能性が高いものである。

Claims (10)

  1. 結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)を第1工程で、次いで低結晶性または非晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)を第2工程で逐次重合することにより得られ、且つ、
    下記(i)〜(iv)を満たすことを特徴とするプロピレン−エチレンブロック共重合体。
    (i)MFR(試験条件:230℃、2.16kg荷重)が0.60g/10分未満である。
    (ii)共重合体全量に対する共重合体成分(B)の割合[W(B)]が3〜95質量%である。
    (iii)共重合体成分(B)のエチレン含量[E(B)]が3〜90質量%である。
    (iv)共重合体成分(A)の昇温溶出分別法(TREF)による−15℃可溶分[S(A)]が0.8質量%以下である。
  2. 結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A)を第1工程で、次いで低結晶性または非晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)を第2工程で逐次重合することにより得られ、且つ、
    下記(ii)〜(v)を満たすことを特徴とするプロピレン−エチレンブロック共重合体。
    (ii)共重合体全量に対する共重合体成分(B)の割合[W(B)]が3〜95質量%である。
    (iii)共重合体成分(B)のエチレン含量[E(B)]が3〜90質量%である。
    (iv)共重合体成分(A)の昇温溶出分別法(TREF)による−15℃可溶分[S(A)]が0.8質量%以下である。
    (v)共重合体成分(A)のMFR[MFR(A)](試験条件:230℃、2.16kg荷重)が0.65g/10分未満である。
  3. 共重合体成分(A)のエチレン含量[E(A)]が3〜10質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプロピレン−エチレンブロック共重合体。
  4. 共重合体全量に対する共重合体成分(B)の割合[W(B)]が15〜70質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプロピレン−エチレンブロック共重合体。
  5. さらに、重合触媒としてメタロセン系触媒を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプロピレン−エチレンブロック共重合体。
  6. メタロセン系触媒は、アズレン系メタロセン錯体を有するものであることを特徴とする請求項5に記載のプロピレン−エチレンブロック共重合体。
  7. メタロセン系触媒は、担体に担持されたものであることを特徴とする請求項5又は6に記載のプロピレン−エチレンブロック共重合体。
  8. メタロセン系触媒がHf原子を含むものであることを特徴とする請求項7に記載のプロピレン−エチレンブロック共重合体。
  9. 担体が10〜200μmの平均粒径を有することを特徴とする請求項7に記載のプロピレン−エチレンブロック共重合体。
  10. 第1工程及び第2工程における重合温度が50℃以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のプロピレン−エチレンブロック共重合体。
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