JP2008156303A - 両親媒性ビタミンe誘導体 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗酸化活性と優れた保湿性・乳化力を兼ね備え、更に油性溶媒及び水性溶媒の両方に親和性のあるビタミンE誘導体を提供することにある。
【解決手段】下記一般式(I)
【化1】


[式中、R、R、Rは互いに独立に水素原子若しくはメチル基を示し、Rは水素原子、低級アルカノイル基、低級アルキル基、SOH基、P(O)(OH)基、CHCOOH基又はCOCHCH(SOH)COOH基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、BOはブチレンオキシ基を示し、l、nは互に独立に0乃30を示し、mは1乃至30を示す。]を有する両親媒性ビタミンE誘導体及びその塩である。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗酸化活性と優れた保湿性・乳化力を兼ね備えた両親媒性ビタミンE誘導体及びその塩に関する。
近年、活性酸素と皮膚の老化との関係が明らかになるにつれて、皮膚の老化防止のため抗酸化活性機能を有するビタミンE、C、B、カロチノイド等の抗酸化剤が注目を集めている。しかしながら、これらは抗酸化作用を有するものの、化粧品や皮膚外用軟膏等に必要な乾燥からの防衛において有効ではない。例えば、特許文献1ではビタミンE誘導体が知られている。しかしながら、その保湿性はα−トコフェロールと比べると僅かながら良い程度である。
特許文献2では表面張力に優れ、細胞保護効果のあるポリエトキシ化ビタミンEが開示されているが、保湿性は充分ではない。
特許文献3ではポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を導入した非イオン性のビタミンE誘導体が開示されており、さらに特許文献4ではポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシエチレン基を導入したビタミンE誘導体が開示されているが、ポリエトキシ化ビタミンEに比べ保湿性は改善されているものの、まだ乳化力が充分ではなく、更なる改善が望まれている。
米国特許第5235073号 特開平05−194474号公報 特許第3547399号 特開2003−277392号公報
本発明の目的は、抗酸化活性と優れた保湿性・乳化力を兼ね備え、更に油性溶媒及び水性溶媒の両方に親和性のあるビタミンE誘導体を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決し得るビタミンEのアルキレンオキシド付加物を見出すべく鋭意検討を重ねた結果、ビタミンEのクロマン骨格の6位置換基に親水性のブチレンオキシ基とエチレンオキシ基が混在し、2位置換基に疎水性の長いアルキル基を有する両親媒性新規ビタミンE誘導体が抗酸化活性と優れた保湿性・乳化力を備えていることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)下記一般式(I)を有する両親媒性ビタミンE誘導体及びその塩である。

式中、R、R、Rは互いに独立に水素原子若しくはメチル基を示し、Rは水素原子、低級アルカノイル基、低級アルキル基、SOH基、P(O)(OH)基、CHCOOH基又はCOCHCH(SOH)COOH基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、BOはブチレンオキシ基を示し、l、nは互に独立に0乃30を示し、mは1乃至30を示す。
好ましくは、
(2)一般式(I)のR、R及びRがメチル基である、上記(1)記載のビタミンE誘導体又はその塩、
(3)一般式(I)のR及びRがメチル基であり、Rが水素原子である、上記(1)記載のビタミンE誘導体又はその塩、
(4)一般式(I)のR及びRがメチル基であり、Rが水素原子である、上記(1)記載のビタミンE誘導体又はその塩、
(5)一般式(I)のR、R及びRが水素原子である、上記(1)記載のビタミンE誘導体又はその塩、
(6)一般式(I)のRが水素原子、SOH基、P(O)(OH)基、又はCHCOOH基である、上記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載のビタミンE誘導体又はその塩、
(7)一般式(I)のRが水素原子又はSOH基である、上記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載のビタミンE誘導体又はその塩、又は、
(8)一般式(I)のlが0乃至20であり、mが1乃至5であり、nが0乃至20である、上記(1)乃至(7)のいずれか一項に記載のビタミンE誘導体又はその塩
である。
本発明の一般式(I)における、R、R、Rの好適な組み合わせとしては、R、R及びRがメチル基(原料のビタミンEが、α-トコフェロールである場合)、R及びRがメチル基であり、Rが水素原子(原料のビタミンEが、β-トコフェロールである場合)、R及びRがメチル基であり、R1が水素原子(原料のビタミンEが、γ-トコフェロールである場合)、又は、R、R及びRが水素原子(原料のビタミンEが、δ-トコフェロールである場合)が挙げられる。
本発明の一般式(I)における、Rの炭素数1乃至6個を有するアルカノイル基とは、炭素数1乃至6個を有する直鎖状又は分岐状のアルカノイル基であり、例えば、アセチル、プロパノイル、ブチリル、イソブチリル又はピバロイル基が挙げられ、好適にはアセチル、プロパノイル又はピバロイル基が挙げられ、特に好適にはアセチル基が挙げられる。
の炭素数1乃至6個を有するアルキル基とは、炭素数1乃至6個を有する直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル又はヘキシル基が挙げられ、好適にはメチル、エチル、プロピル又はブチル基が挙げられ、特に好適にはメチル又はエチル基が挙げられる。
好適なRとしては、水素原子、アセチル基、メチル基、エチル基、SOH基、P(O)(OH)基、CHCOOH基又はCOCHCH(SOH)COOH基が挙げられるが、特に好適には水素原子が挙げられる。
本発明の一般式(I)における、l、nは互いに独立に0乃至30であり、好適には0乃至25であり、特に好適には0乃至20である。
本発明の一般式(I)における、mは1乃至30であり、好適には1乃至10であり、特に好適には1乃至5である。
特に好適なl、m、nの組み合わせとしては、l、nは0乃至20であり、mは1乃至5である組み合わせがあげられる。
のSOH基、P(O)(OH)基、CHCOOH基又はCOCHCH(SOH)COOH基は、塩基と結合して塩を形成することができる。塩基としては、毒性が低く、化合物(1)の抗酸化活性及び保湿性等に影響を与えなければ、特に限定されない。そのような塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t-オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N-メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N-ベンジル-フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩が挙げられ、好適にはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム塩であり、好適にはナトリウム、カリウム、1/2マグネシウム、1/2カルシウム又はアンモニウム塩が挙げられ、特に好適にはナトリウム又はアンモニウム塩が挙げられる。
本発明の一般式(I)で示される化合物は、分子内に不斉炭素を有しており、D体、L体である立体異性体が存在するが、その各々、またはそれらが任意の割合で混ざった混合物のいずれも本発明に包含される。
また、本発明の化合物(I)は、大気中に放置しておくことにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となる場合があり、そのような塩も本発明に包含される。
更に、本発明の化合物(I)は、他のある種の溶媒を吸収し、溶媒和物となる場合があるが、そのような塩も本発明に包含される。
本発明の両親媒性ビタミンE誘導体は、ビタミンE又はポリエトキシ化ビタミンEに比べ保湿性に優れており、ポリエトキシプロポキシ化ビタミンEに比べ保湿性・乳化性に優れており、しかも抗酸化作用を有するので、単独又は混合物として皮膚外用軟膏等の基剤として有用である。更に、本発明の両親媒性ビタミンE誘導体は、乳化剤又は可溶化剤等の界面活性剤としての性質も兼備えているため、医薬品、食品等の乳化剤としても用いることが出来る。
本発明の一般式(I)で示される化合物は、下記式(式中、R乃至Rは、前述したのと同意義を示す。)で示す様に、ビタミンEに、塩基性触媒の存在下、エチレンオキシド及び/又はブチレンレンオキシドを付加させてアルコール体を製造し(工程1)、所望に応じて低級アルカノイル基、低級アルキル基、SOH基、P(O)(OH)基、CHCOOH基又はCOCHCH(SOH)COOH基を導入し製造する(工程2)。

式中、Xは、ハロゲン原子を表す。好適には、塩素原子である。
(工程1)工程1は、市販されている天然ビタミンE(例えば、D-α-トコフェロール、シグマアルドリッチジャパン(株)製)又は合成ビタミンE(例えば、DL-α-トコフェロール、和光純薬(株)製)に、塩基性触媒の存在下、エチレンオキシド及び/又はブチレンオキシドを、溶媒の存在下又は非存在下、付加させてアルコール体を製造する工程である。
付加反応の際に用いられる塩基性触媒としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、カリウムt-ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化アルミニウムようなの金属水素化物、第4級トリメチルアンモニウムヒドロキシドのような第4級アンモニウム水酸化物があげられる。触媒の量は反応条件により異なり、特に制限はないが、副反応を押さえるため原料のビタミンEに対し重量比で通常0.05%乃至10%用いるのが好適であり、特に好適には0.05%乃至5%である。
用いられる溶媒は反応に関与しなければ、特に制限はないが、トルエン、キシレン、ベンゼンのような芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタンのような脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類が好適であり、トルエン、キシレン、ベンゼンのような芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類が特に好適である。
エチレンオキシド及び/又はブチレンオキシドは、通常圧入する。ブチレンオキシドは1,2−ブチレンオキシド及び2,3−ブチレンオキシドが上げられるが、特に好適には1,2−ブチレンオキシドである。
圧入温度及び反応温度(熟成温度)は通常室温乃至200℃であり、好適には50乃至る200℃であり、特に好適には80乃至180℃である。反応時間は反応温度によって異なるが、通常1乃至24時間であり、好適には1乃至12時間、特に好適には1乃至10時間である。
反応後、反応液を冷却し、用いた塩基を酸で中和する。用いられる酸は、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸のような鉱酸、メタンスルホン酸、エタンスルフォン酸、酢酸、p-トルエンスルホン酸のような有機酸が挙げられ、好適には塩酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸であり、特に好適には塩酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸が挙げられる。
中和後、常法の処理、例えば水及び水に不溶の有機溶剤を加え、抽出、乾燥、溶剤を留去し、目的物を得る。また、塩が不溶の場合、濾過し、溶剤を留去し、目的物を得ることも出来る。得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱又はシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で分離、精製することができる。
(工程2)このようにして得られた目的化合物は、所望に応じて低級アルカノイル基、低級アルキル基、SOH基、P(O)(OH)基、CHCOOH基又はCOCHCH(SOH)COOH基を導入した誘導体に通常知られている技術を用いて変換することができる。
(1)低級アルカノイル基は、塩基の存在下、溶媒の存在下又は非存在下、酸塩化物又は酸無水物を反応させ導入する。
用いられる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、1-メチルピペラジン、4-メチルモルホリン、1,4-ジメチルピペラジン又は1-メチルピロリジンのような有機塩基の単独若しくは混合物が挙げられる。
用いられる溶媒は反応に関与しなければ、特に制限はないが、トルエン、キシレンもしくはベンゼンのような芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタンもしくはオクタンのような脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンもしくはシクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフランもしくはジオキサンのような環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルアセトアミドのようなアミド類又はジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類が挙げられ、トルエン、キシレンもしくはベンゼンのような芳香族炭化水素類、シクロヘキサンもしくはシクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフランもしくはジオキサンのような環状エーテル類、又は、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類が好適である。
反応温度は酸塩化物及び酸無水物の種類によって異なるが、通常、-20乃至100℃であり、好適には0乃至100℃であり、特に好適には0乃至50℃である。
反応時間は反応温度によって異なるが、通常1乃至24時間であり、好適には1乃至8時間、特に好適には1乃至4時間である。
反応終了後、常法の処理、例えば水及び水に不溶の有機溶剤を加え、必要に応じて中和し、その後抽出、乾燥、溶剤を留去し、目的物を得る。また、生成した塩が不溶の場合、濾過し、溶剤を留去し、目的物を得ることも出来る。得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱又はシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で分離、精製することができる。
(2)低級アルキル基は、塩基の存在下、溶媒の存在下又は非存在下、アルキルハライドを反応させ導入される。
用いられる塩基は、例えば、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物、ナトリウムメトキシドもしくはカリウムt-ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウムもしくは水素化アルミニウムような金属水素化物、又は、第4級トリメチルアンモニウムヒドロキシドのような第4級アンモニウム水酸化物があげられる。
用いられる溶媒は反応に関与しなければ、特に制限はないが、トルエン、キシレンもしくはベンゼンのような芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタンもしくはオクタンのような脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンもしくはシクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフランもしくはジオキサンのような環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルアセトアミドのようなアミド類又はジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類が挙げられ、トルエン、キシレンもしくはベンゼンのような芳香族炭化水素類、シクロヘキサンもしくはシクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフランもしくはジオキサンのような環状エーテル類、又は、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類が好適である。
反応温度は、通常、-20乃至100℃であり、好適には0乃至100℃であり、特に好適には0乃至50℃である。
反応時間は反応温度によって異なるが、通常1乃至24時間であり、好適には1乃至8時間、特に好適には1乃至4時間である。
反応終了後、常法の処理、例えば水及び水に不溶の有機溶剤を加え、必要に応じて中和して、抽出、乾燥、溶剤を留去し、目的物を得る。また、生成した塩が不溶の場合、濾過し、溶剤を留去し、目的物を得ることも出来る。得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱又はシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で分離、精製することができる。
(3)SOH基は、溶媒の存在下又は非存在下、尿素の存在下、スルファミン酸又は無水硫酸を反応させて導入する。
用いられる溶媒は反応に関与しなければ、特に制限はないが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール類、これらの含水アルコール類、トルエン、キシレンもしくはベンゼンのような芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタンもしくはオクタンのような脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンもしくはシクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフランもしくはジオキサンのような環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルアセトアミドのようなアミド類又はジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類が挙げられ、スルファミン酸を用いた場合はメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール類、これらの含水アルコール類が好適であり、無水硫酸を用いた場合は、トルエン、キシレンもしくはベンゼンのような芳香族炭化水素類、シクロヘキサンもしくはシクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフランもしくはジオキサンのような環状エーテル類、又は、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類が好適である。
反応温度は、スルファミン酸の場合、通常、80乃至140℃であり、好適には80乃至120℃であり、特に好適には100乃至110℃である。
反応時間は反応温度によって異なるが、スルファミン酸の場合、通常1乃至24時間であり、好適には2乃至8時間、特に好適には2乃至6時間である。
無水硫酸の場合、反応温度は、通常、-20乃至100℃であり、好適には0乃至100℃であり、特に好適には0乃至50℃である。
反応時間は反応温度によって異なるが、無水硫酸の場合、通常1乃至24時間であり、好適には1乃至8時間、特に好適には1乃至4時間である。
得られた目的化合物は、スルファミン酸、無水硫酸のいずれの場合も必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱又はシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で分離、精製することができる。
(4)P(O)(OH)基は、溶媒の存在下又は非存在下、五酸化リン又はポリリン酸を反応させて導入する。
用いられる溶媒は反応に関与しなければ、特に制限はないが、トルエン、キシレン、ベンゼンのような芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタンのような脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類が好適であり、トルエン、キシレン、ベンゼンのような芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類が特に好適である。
反応温度は五酸化リン又はポリリン酸によって異なるが、通常、室温乃至200℃であり、好適には室温乃至150℃であり、特に好適には室温乃至100℃である。
反応時間は反応温度によって異なるが、通常1乃至24時間であり、好適には1乃至8時間、特に好適には1乃至4時間である。
得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱又はシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で分離、精製することができる。
(5)CHCOOH基は、塩基の存在下、モノクロル酢酸アルキルエステル若しくはモノブロム酢酸アルキルエステルと反応させ、次いでエステル基をアルカリ加水分解して導入する。
用いられる塩基は、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物、水素化ナトリウム若しくは水素化アルミニウムのような金属水酸化物があげられ、特に好適にはアルカリ金属アルコキシドがあげられる。用いられる有機溶剤は反応に関与しなければ、特に制限はないが、トルエン、キシレン、ベンゼンのような芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタンのような脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類が好適であり、トルエン、キシレン、ベンゼンのような芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類が特に好適である。
反応温度は特に制限はないが、通常、室温乃至200℃であり、好適には室温乃至150℃であり、特に好適には室温乃至120℃である。
反応時間は反応温度によって異なるが、通常1乃至24時間であり、特に好適には1乃至12時間であり、特に好適には1乃至8時間である。
得られた目的化合物はそのまま次の工程に使用することができるが、必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈殿又はシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で分離、精製することができる。
エステル基をアルカリ加水分解してカルボン酸若しくはカルボン酸塩にする工程は、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物の水溶液を用いて達成される。
用いられる溶媒は、反応に関与しなければ特に制限はないが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような環状エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類が好適であり、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類が特に好適である。
反応温度は特に制限はないが、通常、室温乃至100℃であり、好適には室温乃至80℃であり、特に好適には室温乃至50℃である。
反応時間は反応温度によって異なるが、通常1乃至24時間であり、特に好適には1乃至12時間であり、特に好適には1乃至6時間である。
反応後、塩酸、硫酸、リン酸等の酸を用いて、pH2乃至4に調節し、溶媒を用いて抽出し、乾燥、溶媒を留去してカルボン酸を得ることができる。
抽出に用いられる溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム等のようなハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、ベンゼンのような芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸メチルのようなエステル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルのようなエーテル類が好適であり、塩化メチレン、クロロホルム等のようなハロゲン化炭化水素類が特に好適である。
得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈殿又はカラムクロマトグラフィー等で分離、精製することができる。
(6)COCHCH(SOH)COOH基は、触媒量の酢酸ナトリウムの存在下、無水マレイン酸とエステル化反応し、次いで亜硫酸ナトリウム水溶液と反応して得ることができる。
エステル化の反応温度は、通常、50℃乃至200℃であり、好適には60℃乃至150℃であり、特に好適には70℃乃至100℃である。
亜硫酸ナトリウム水溶液との反応温度は、通常、50℃乃至200℃であり、好適には60℃乃至150℃であり、特に好適には70℃乃至100℃である。
上記(3)、(4)、(5)及び(6)で得られた化合物は、必要に応じて、常法により、塩基を作用させ所望の塩とすることが出来る。
以下に本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
又本実施例中のエチレンオキシド及びブチレンオキシドの付加モル数は平均付加モル数を示す。
(実施例1)DL−α−トコフェロールのエチレンオキシド・ブチレンオキシド・エチレンオキシド付加物(l=5、m=2、n=1、block)
オートクレーブにDL−α−トコフェロールを205.1g、アルカリ触媒として水酸化カリウム0.61g(DL−α−トコフェロールに対し重量比で0.30%)を仕込んだ。缶内を窒素ガスで置換後、100〜110℃まで昇温させ、0.5時間脱水を行った。その後130〜140℃まで昇温させ、エチレンオキシド21.0gを0.5時間かけて圧入後、2.0時間熟成させた。次に140〜150℃でブチレンオキシド68.6gを0.5時間かけて圧入後、4.0時間熟成させた。最後に130〜140℃でエチレンオキシド104.8gを1.5時間かけて圧入後、2.0時間熟成させた。熟成終了後冷却し、目的物366.2gを得た。
赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2922,2868,1462,1414,1378,1257,1091,988,942,920,910,875,853。
(実施例2)DL−α−トコフェロールのエチレンオキシド・ブチレンオキシド・エチレンオキシド付加体(l=5,m=2,n=1,block)の硫酸エステルカリウム塩
四つ口フラスコに、実施例1で合成したDL−α−トコフェロールエチレンオキシド・ブチレンオキシド・エチレンオキシド付加物(l=5、m=2、n=1、block)を366.2g加え、100〜110℃に昇温した。リン酸一ナトリウム0.22gを加え同温度を保ちながら尿素2.17gとスルファミン酸41.2gを加えた。スルファミン酸を追加しながら同温度で6時間熟成させた後冷却し、メタノール500gとアンモニア水6.0gを加え、濾過を行なった。得られた液に水酸化カリウム20.8gを加え加熱しメタノールを除去し、エタノールを240g加え濾過を行った。ろ液を加熱し過剰なエタノールを除去し、目的物370g(エタノール残分10%品)を得た。
赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2926,2870,1461,1415,1377,1255,1090,1025,948,922,861。
このもの5gを減圧下、80℃で5時間乾燥し、目的物4.5g(乾燥品)を得た。
赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2922,2867,1461,1414,1377,1253,1090,1027,996,948,924,899,856。
(実施例3)DL−α−トコフェロールのブチレンオキシド・エチレンオキシド付加物(l=16、m=2、n=0、block)
オートクレーブにDL−α−トコフェロールを134.6g、アルカリ触媒として水酸化カリウム0.40g(DL−α−トコフェロールに対し重量比で0.30%)を仕込んだ。缶内を窒素ガスで置換後、100〜110℃まで昇温させ、0.5時間脱水を行なった。その後140〜150℃まで昇温させ、ブチレンオキシド45.0gを0.5時間かけて圧入した。同温度を保ちながら4.0時間熟成させた。次にエチレンオキシド220.0gを2.5時間かけて圧入後、2.0時間熟成させた。熟成終了後冷却し、生成物をリン酸水溶液にて中和精製を行なった。生成された塩を濾過し、目的物347.2g(収率86.8%)を得た。
赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2868,1462,1377,1350,1294,1252,1102,946,873,865。
(実施例4)DL−α―トコフェロールのエチレンオキシド・ブチレンオキシド・エチレンオキシド付加物(l=6、m=2、n=3、block)
オートクレーブにDL―α―トコフェロールを177.2g、アルカリ触媒として水酸化カリウム0.53g(DL−α−トコフェロールに対し重量比で0.30%)を仕込んだ。缶内を窒素ガスで置換後、100〜110℃まで昇温させ、0.5時間脱水を行った。その後130〜140℃まで昇温させ、エチレンオキシド54.3gを0.5時間かけて圧入後、2.0時間熟成させた。次に140〜150℃でブチレンオキシド59.3gを0.5時間かけて圧入後、4.0時間熟成させた。最後に130〜140℃でエチレンオキシド108.6gを1.0時間かけて圧入後、2.0時間熟成させた。熟成終了後冷却し、目的物360.0gを得た。
赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2926,2868,1460,1377,1350,1252,996,945,914。
(実施例5)DL−α−トコフェロールのエチレンオキシド・ブチレンオキシド・エチレンオキシド付加物(l=6,m=2,n=3、block)硫酸エステルカリウム塩
四つ口フラスコに、実施例4で合成したDL−α−トコフェロールのエチレンオキシド・ブチレンオキシド・エチレンオキシド付加物(l=6、m=2、n=3)360.0g採取し、100〜110℃に昇温した。リン酸一ナトリウム0.19gを加え同温度を保ちながら尿素1.86gとスルファミン酸37.2gを加えた。スルファミン酸を追加しながら同温度で6時間熟成させた後冷却し、メタノール500gとアンモニア水6.0gを加え、濾過を行った。得られた液に水酸化カリウム19.9gを加え加熱しメタノールを除去し、エタノールを240g加え濾過を行った。ろ液を加熱し過剰なエタノールを除去し、目的物354g(エタノール残分10%品)を得た。
赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2923,2869,1456,1417,1376,1254,1089,1032,949,927,893,879,853。
(比較例1)DL−α−トコフェロールのエチレンオキシド・プロピレンオキシド・エチレンオキシド付加物(x=5、y=2、z=1、block)

オートクレーブにDL−α−トコフェロールを212.2g、アルカリ触媒として水酸化カリウム0.64gを仕込んだ。缶内を窒素ガスで置換後、100〜110℃まで昇温させ、0.5時間脱水を行った。その後130〜140℃まで昇温させ、エチレンオキシド21.7gを0.5時間かけて圧入後、2.0時間熟成させる。次に130〜140℃でプロピレンオキシド57.1gを0.5時間かけて圧入後、3.0時間熟成させる。最後に130〜140℃でエチレンオキサイド108.4gを1.5時間かけて圧入後、2.0時間熟成させる。熟成終了後冷却し、DL−α−トコフェロールのエチレンオキシド・プロピレンオキシド・エチレンオキシド付加物343g(x=5、y=2、z=1、block)を得た。
赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2924,2865,1460,1415,1376,1257,1090,1008,987,929,886,853。
(比較例2)DL−α−トコフェロールのエチレンオキシド・プロピレンオキシド・エチレンオキシド付加物(x=5、y=2、Z=1、block)の硫酸エステルカリウム塩

四つ口フラスコに、比較例1で合成したDL−α―トコフェロールエチレンオキシド・プロピレンオキシド・エチレンオキシド付加物(x=5,y=2,z=1 ,block)343gを加え、100〜110℃に昇温した。リン酸一ナトリウム0.21gを加え同温度を保ちながら尿素2.09gとスルファミン酸41.7gを加えた。スルファミン酸を追加しながら同温度で6時間熟成させた後冷却し、メタノール400gとアンモニア水6.0gを加え、濾過を行った。得られた液に水酸化カリウム21.0gを加え加熱しメタノールを除去し、エタノールを240g加え濾過を行った。ろ液を加熱し過剰なエタノールを除去し、目的物385g(エタノール残分10%品)を得た。
赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2923,1458,1417,1376,1256,1089,1027,942,922,883,861。
このもの5gを減圧下、80℃で5時間乾燥し、目的物4.5g(乾燥品)を得た。
赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2925,2870,1458,1414,1375,1255,1088,1028,944,903,871。
(試験例1)保湿性試験
実施例2の化合物(乾燥品)、実施例3の化合物、比較例2の化合物(乾燥品)及びDL−α―トコフェロールを試料として、デシケーター内にて乾燥させ、それぞれ約0.2gずつシャーレに採取する。採取した試料は予め湿度を調整したデシケーター内に放置し、時間経過とともに試料の保湿性を求める。なお測定は湿度75%のデシケーター内に放置後24時間、48時間、72時間後に行なった。
なお、保湿性は以下の式で求めた。
試料採取量(g)
保湿性試験の結果を表1.に示す。
実施例2のDL−α―トコフェロールのブチレンオキシド・エチレンオキシド付加物の硫酸エステルカリウム塩と実施例3のDL−α−トコフェロールのブチレンオキシド・エチレンオキシド付加物は、DL−α―トコフェロールに比べ高い保湿性を示した。
実施例2及び実施例3の化合物は、比較例2のDL−α−トコフェロールのエチレンオキシド・プロピレンオキシド・エチレンオキシド付加物の硫酸エステルカリウム塩と比べても良い保湿性を示した。
(試験例2)可溶化力試験(1)
実施例2で合成したDL−α−トコフェロールのエチレンオキシド・ブチレンオキシド・エチレンオキシド付加体(l=5、m=2、n=1、block)の硫酸エステルカリウム塩(エタノール残分10%品)にイオン交換水を1重量%濃度となるように加えた。この水溶液に酢酸ベンジル(和光純薬株式会社)を少量ずつ加え、常温にて可溶化力を調べた。なお、可溶化力は目視にて確認した。この実施例2の化合物の1%水溶液100gは酢酸ベンジル0.40gを可溶化させた。一方、比較例2の化合物の1%水溶液100gは酢酸ベンジル0.35gを可溶化させたが、DL−α―トコフェロール1%水溶液100gは酢酸ベンジル0.05gを可溶化しなかった。
従って、実施例2の化合物は比較例2の化合物に比べて優れた可溶化力を有しており、DL−α―トコフェロールにない界面活性剤としての特徴も有している。
(試験例3)可溶化力試験(2)
実施例2のDL−α−トコフェロールのエチレンオキシド・ブチレンオキシド・エチレンオキシド付加体(l=5,m=2,n=1,block)の硫酸エステルカリウム塩(エタノール残分10%品)、比較例2で合成したDL−α−トコフェロールのエチレンオキシド・プロピレンオキシド・エチレンオキシド付加物の硫酸エステルカリウム塩(エタノール残分10%品)をそれぞれ0.20g、0.15gずつサンプル瓶に採取し、酢酸トコフェロール0.10g(和光純薬株式会社)を加えエタノールに溶解した。溶解したエタノール溶液を純水150mlに撹拌しながら加え、さらに純水50mlでサンプル瓶を洗浄しその液も加え可溶化力試験を行なった。可溶化の確認は目視にて行なった。これらの可溶化力を硬化ひまし油のエチレンオキシド20モル付加品の0.20gと比較した。
結果を表2に示す。

Claims (8)

  1. 下記一般式(I)I:

    [式中、R、R、Rは互いに独立に水素原子若しくはメチル基を示し、Rは水素原子、低級アルカノイル基、低級アルキル基、SOH基、P(O)(OH)基、CHCOOH基又はCOCHCH(SOH)COOH基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、BOはブチレンオキシ基を示し、l、nは互に独立に0乃30を示し、mは1乃至30を示す。]を有する両親媒性ビタミンE誘導体及びその塩。
  2. 一般式(I)のR、R及びRがメチル基である、請求項1記載のビタミンE誘導体又はその塩。
  3. 一般式(I)のR及びRがメチル基であり、Rが水素原子である、請求項1記載のビタミンE誘導体又はその塩。
  4. 一般式(I)のR及びRがメチル基であり、Rが水素原子である、請求項1記載のビタミンE誘導体又はその塩。
  5. 一般式(I)のR、R及びRが水素原子である、請求項1記載のビタミンE誘導体又はその塩。
  6. 一般式(I)のRが水素原子、SOH基、P(O)(OH)基、又はCHCOOH基である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のビタミンE誘導体又はその塩。
  7. 一般式(I)のRが水素原子又はSOH基である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のビタミンE誘導体又はその塩。
  8. lが0乃至20であり、mが1乃至5であり、nが0乃至20である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のビタミンE誘導体又はその塩。
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