JP4334872B2 - ビタミンe誘導体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗酸化活性と優れた保湿性を兼ね備えたビタミンE誘導体及びその塩に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、活性酸素と皮膚の老化との関係が明らかになるにつれて、皮膚の老化防止のため抗酸化生理活性機能を有するビタミンE,C,B2,カロチノイド等の抗酸化剤が注目を集めている。しかしながら、これらは抗酸化作用を有するものの、化粧品や皮膚外用軟膏等に必要な乾燥からの防御において有効ではない。ビタミンEの保湿性を改善した、ポリエトキシ化ビタミンE誘導体が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、その保湿性はα-トコフェロールと比べると僅かながら良い程度であり、更なる改善が望まれている。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第5235073号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、抗酸化活性と優れた保湿性を兼ね備えたビタミンE誘導体を提供するべく鋭意検討した。その結果、ビタミンEのクロマン骨格の6位置換基に疎水性のプロピレンオキシ基が存在するビタミンE誘導体が抗酸化活性と優れた保湿性を備えていることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
下記一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】
[式中、R1,R2,R3は互いに独立に水素原子又はメチル基を示し、R4は、SO3H基、P(O)(OH)2基、CH 2 COOH基又はCOCH 2 CH(SO 3 H)COOH基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、l、nは互いに独立に0乃至30を示し、mは1乃至30を示す。]を有するビタミンE誘導体又はその塩である。
【0008】
また、本発明は上記ビタミンE誘導体又はその塩を含有する医薬、化粧品又は食品である。
【0009】
また、本発明は上記ビタミンE誘導体又はその塩を含有する医薬用添加物、化粧品用添加物又は食品用添加物である。
【0010】
本発明の一般式(I)における、
R1、R2、R3の好適な組み合わせとしては、R1、R2及びR3がメチル基(原料のビタミンEが、α-トコフェロールである場合)、R1及びR2がメチル基であり、R3が水素原子(原料のビタミンEが、β-トコフェロールである場合)、R2及びR3がメチル基であり、R1が水素原子(原料のビタミンEが、γ-トコフェロールである場合)、又は、R1、R2及びR3が水素原子(原料のビタミンEが、δ-トコフェロールである場合)が挙げられる。
【0011】
本発明の一般式(I)における、
R4の炭素数1乃至6個を有するアルカノイル基とは、炭素数1乃至6個を有する直鎖状又は分岐状のアルカノイル基であり、例えば、アセチル、プロパノイル、ブチリル、イソブチリル又はピバロイル基が挙げられ、好適にはアセチル、プロパノイル又はピバロイル基が挙げられ、特に好適にはアセチル基が挙げられる。
【0012】
R4の炭素数1乃至6個を有するアルキル基とは、炭素数1乃至6個を有する直鎖状又は分岐状のアルカノイル基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル又はヘキシル基が挙げられ、好適にはメチル、エチル、プロピル又はブチル基が挙げられ、特に好適にはメチル又はエチル基が挙げられる。
【0013】
好適なR4としては、SO3H基、P(O)(OH)2基、CH2COOH基又はCOCH2CH(SO3H)COOH基が挙げられる。
【0014】
本発明の一般式(I)における、
l、nは互いに独立に0乃至30であり、好適には0乃至25であり、特に好適には0乃至20である。
【0015】
本発明の一般式(I)における、
mは1乃至30であり、好適には1乃至10であり、特に好適には1乃至5である。
【0016】
特に好適なl、m、nの組み合わせとしては、l、nは0乃至20であり、mは1乃至5である組み合わせがあげられる。
【0017】
R4のSO3H基、P(O)(OH)2基、CH2COOH基又はCOCH2CH(SO3H)COOH基は、塩基と結合して塩を形成することができる。塩基としては、毒性が低く、化合物(1)の抗酸化活性及び保湿性等に影響を与えなければ、特に限定されない。そのような塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t-オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N-メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N-ベンジル-フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩が挙げられ、好適にはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム塩であり、好適にはナトリウム、カリウム、1/2マグネシウム、1/2カルシウム又はアンモニウム塩が挙げられ、特に好適にはナトリウム又はアンモニウム塩が挙げられる。
【0018】
本発明の一般式(I)で示される化合物は、分子内に不斉炭素を有しており、D体、L体である立体異性体が存在するが、その各々、またはそれらが任意の割合で混ざった混合物のいずれも本発明に包含される。
【0019】
また、本発明の化合物(I)は、大気中に放置しておくことにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となる場合があり、そのような塩も本発明に包含される。
【0020】
更に、本発明の化合物(I)は、他のある種の溶媒を吸収し、溶媒和物となる場合があるが、そのような塩も本発明に包含される。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の一般式(I)で示される化合物は、下記式(式中、R1乃至R4は、前述したのと同意義を示す。)で示す様に、ビタミンEに、塩基性触媒の存在下、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加させてアルコール体を製造し(工程1)、所望に応じて低級アルカノイル基、低級アルキル基、SO3H基、P(O)(OH)2基、CH2COOH基又はCOCH2CH(SO3H)COOH基を導入し製造する(工程2)。
【0022】
【化3】
【0023】
(工程1)
工程1は、市販されている天然ビタミンE(例えば、D-α-トコフェロール、シグマアルドリッチジャパン(株)製)又は合成ビタミンE(例えば、DL-α-トコフェロール、和光純薬(株)製)に、塩基性触媒の存在下、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを、溶媒の存在下又は非存在下、付加させてアルコール体を製造する工程である。
【0024】
付加反応の際に用いられる塩基性触媒としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、カリウムt-ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化アルミニウムようなの金属水素化物、第4級トリメチルアンモニウムヒドロキシドのような第4級アンモニウム水酸化物があげられる。触媒の量は反応条件により異なり、特に制限はないが、副反応を押さえるため原料のビタミンEに対し重量比で通常0.05%乃至10%用いるのが好適であり、特に好適には0.05%乃至5%である。
【0025】
用いられる溶媒は反応に関与しなければ、特に制限はないが、トルエン、キシレン、ベンゼンのような芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタンのような脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類が好適であり、トルエン、キシレン、ベンゼンのような芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類が特に好適である。
【0026】
エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドは、通常圧入する。
【0027】
圧入温度及び反応温度(熟成温度)は通常室温乃至200℃であり、好適には50乃至200℃であり、特に好適には80乃至180℃である。反応時間は反応温度によって異なるが、通常1乃至24時間であり、好適には1乃至12時間、特に好適には1乃至10時間である。
【0028】
反応後、反応液を冷却し、用いた塩基を酸で中和する。用いられる酸は、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸のような鉱酸、メタンスルホン酸、エタンスルフォン酸、酢酸、p-トルエンスルホン酸のような有機酸が挙げられ、好適には塩酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸であり、特に好適には塩酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸が挙げられる。
【0029】
中和後、常法の処理、例えば水及び水に不溶の有機溶剤を加え、抽出、乾燥、溶剤を留去し、目的物を得る。また、塩が不溶の場合、濾過し、溶剤を留去し、目的物を得ることも出来る。得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱又はシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で分離、精製することができる。
(工程2)
このようにして得られた目的化合物は、所望に応じて低級アルカノイル基、低級アルキル基、SO3H基、P(O)(OH)2基、CH2COOH基又はCOCH2CH(SO3H)COOH基を導入した誘導体に通常知られている技術を用いて変換することができる。
(1)低級アルカノイル基は、塩基の存在下、溶媒の存在下又は非存在下、酸塩化物又は酸無水物を反応させ導入する。
【0030】
用いる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、1-メチルピペラジン、4-メチルモルホリン、1,4-ジメチルピペラジン又は1-メチルピロリジンのような有機塩基の単独若しくは混合物が挙げられる。
【0031】
用いる溶媒は反応に関与しなければ、特に制限はないが、トルエン、キシレンもしくはベンゼンのような芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタンもしくはオクタンのような脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンもしくはシクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフランもしくはジオキサンのような環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルアセトアミドのようなアミド類又はジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類が挙げられ、トルエン、キシレンもしくはベンゼンのような芳香族炭化水素類、シクロヘキサンもしくはシクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフランもしくはジオキサンのような環状エーテル類、又は、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類が好適である。
【0032】
反応温度は酸塩化物及び酸無水物の種類によって異なるが、通常、-20乃至100℃であり、好適には0乃至100℃であり、特に好適には0乃至50℃である。
【0033】
反応時間は反応温度によって異なるが、通常1乃至24時間であり、好適には1乃至8時間、特に好適には1乃至4時間である。
【0034】
反応終了後、常法の処理、例えば水及び水に不溶の有機溶剤を加え、必要に応じて中和し、その後抽出、乾燥、溶剤を留去し、目的物を得る。また、生成した塩が不溶の場合、濾過し、溶剤を留去し、目的物を得ることも出来る。得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱又はシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で分離、精製することができる。
(2)低級アルキル基は、塩基の存在下、溶媒の存在下又は非存在下、アルキルハライドを反応させ導入される。
【0035】
用いられる塩基は、例えば、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物、ナトリウムメトキシドもしくはカリウムt-ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウムもしくは水素化アルミニウムような金属水素化物、又は、第4級トリメチルアンモニウムヒドロキシドのような第4級アンモニウム水酸化物があげられる。
【0036】
用いる溶媒は反応に関与しなければ、特に制限はないが、トルエン、キシレンもしくはベンゼンのような芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタンもしくはオクタンのような脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンもしくはシクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフランもしくはジオキサンのような環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルアセトアミドのようなアミド類又はジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類が挙げられ、トルエン、キシレンもしくはベンゼンのような芳香族炭化水素類、シクロヘキサンもしくはシクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフランもしくはジオキサンのような環状エーテル類、又は、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類が好適である。
【0037】
反応温度は酸塩化物及び酸無水物の種類によって異なるが、通常、-20乃至100℃であり、好適には0乃至100℃であり、特に好適には0乃至50℃である。
【0038】
反応時間は反応温度によって異なるが、通常1乃至24時間であり、好適には1乃至8時間、特に好適には1乃至4時間である。
【0039】
反応終了後、常法の処理、例えば水及び水に不溶の有機溶剤を加え、必要に応じて中和して、抽出、乾燥、溶剤を留去し、目的物を得る。また、生成した塩が不溶の場合、濾過し、溶剤を留去し、目的物を得ることも出来る。得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱又はシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で分離、精製することができる。
(3)SO3H基は、溶媒の存在下又は非存在下、尿素の存在下、スルファミン酸又は無水硫酸を反応させて導入する。
【0040】
まず、溶媒の存在下又は非存在下、尿素の存在下、スルファミン酸又は無水硫酸を反応させ、SO3H基を導入する。
【0041】
用いる溶媒は反応に関与しなければ、特に制限はないが、トルエン、キシレンもしくはベンゼンのような芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタンもしくはオクタンのような脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンもしくはシクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフランもしくはジオキサンのような環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルアセトアミドのようなアミド類又はジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類が挙げられ、トルエン、キシレンもしくはベンゼンのような芳香族炭化水素類、シクロヘキサンもしくはシクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフランもしくはジオキサンのような環状エーテル類、又は、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類が好適である。
【0042】
反応温度は酸塩化物及び酸無水物の種類によって異なるが、通常、-20乃至100℃であり、好適には0乃至100℃であり、特に好適には0乃至50℃である。
【0043】
反応時間は反応温度によって異なるが、通常1乃至24時間であり、好適には1乃至8時間、特に好適には1乃至4時間である。
得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱又はシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で分離、精製することができる。
(4)P(O)(OH)2基は溶媒の存在下又は非存在下、五酸化リン又はポリリン酸を反応させて導入する。
【0044】
用いる溶媒は反応に関与しなければ、特に制限はないが、トルエン、キシレン、ベンゼンのような芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタンのような脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類が好適であり、トルエン、キシレン、ベンゼンのような芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類が特に好適である。反応温度は特に制限はないが、通常、室温乃至200℃であり、好適には室温乃至150℃であり、特に好適には室温乃至100℃である。
【0045】
反応温度は酸塩化物及び酸無水物の種類によって異なるが、通常、室温乃至200℃であり、好適には室温乃至150℃であり、特に好適には室温乃至100℃である。
【0046】
反応時間は反応温度によって異なるが、通常1乃至24時間であり、好適には1乃至8時間、特に好適には1乃至4時間である。
【0047】
得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱又はシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で分離、精製することができる。
(5)CH2COOH基は塩基の存在下、モノクロル酢酸アルキルエステル若しくはモノブロム酢酸アルキルエステルと反応させ、次いでエステル基をアルカリ加水分解して導入する。
【0048】
用いられる塩基は、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物、水素化ナトリウム若しくは水素化アルミニウムのような金属水酸化物があげられ、特に好適にはアルカリ金属アルコキシドがあげられる。用いられる有機溶剤は反応に関与しなければ、特に制限はないが、トルエン、キシレン、ベンゼンのような芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタンのような脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類が好適であり、トルエン、キシレン、ベンゼンのような芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタンのような脂環式炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような環状エーテル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類が特に好適である。反応温度は特に制限はないが、通常、室温乃至200℃であり、好適には室温乃至150℃であり、特に好適には室温乃至120℃である。
【0049】
反応時間は反応温度によって異なるが、通常1乃至24時間であり、特に好適には1乃至12時間であり、特に好適には1乃至8時間である。
【0050】
得られた目的化合物はそのまま次の工程に使用することができるが、必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈殿又はシリカゲルカラムクロマトグラフィー等で分離、精製することができる。
【0051】
エステル基をアルカリ加水分解してカルボン酸若しくはカルボン酸塩にする工程は水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物の水溶液を用いて達成される。
【0052】
用いられる溶媒は反応に関与しなければ、特に制限はないが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのような環状エーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類が好適であり、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類が特に好適である。
【0053】
反応温度は特に制限はないが、通常、室温乃至100℃であり、好適には室温乃至80℃であり、特に好適には室温乃至50℃である。
【0054】
反応時間は反応温度によって異なるが、通常1乃至24時間であり、特に好適には1乃至12時間であり、特に好適には1乃至6時間である。
【0055】
反応後、塩酸、硫酸、リン酸等の酸を用いて、pH2乃至4に調節し、溶媒を用いて抽出し、乾燥、溶媒を留去してカルボン酸を得ることができる。
【0056】
抽出に用いる溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム等のようなハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、ベンゼンのような芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸メチルのようなエステル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルのようなエーテル類が好適であり、塩化メチレン、クロロホルム等のようなハロゲン化炭化水素類が特に好適である。
【0057】
得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈殿又はカラムクロマトグラフィー等で分離、精製することができる。
(6)COCH2CH(SO3H)COOH基は触媒量の酢酸ナトリウムの存在下、無水マレイン酸とエステル化反応し、次いで亜硫酸ナトリウム水溶液と反応して得ることができる。
【0058】
エステル化の反応温度は、通常、50℃乃至200℃であり、好適には60℃乃至150℃であり、特に好適には70℃乃至100℃である。
【0059】
亜硫酸ナトリウム水溶液との反応温度は、通常、50℃乃至200℃であり、好適には60℃乃至150℃であり、特に好適には70℃乃至100℃である。
【0060】
上記(3)、(4)、(5)及び(6)で得られた化合物は、必要に応じて、常法により、塩基を作用させ所望の塩とすることが出来る。
【0061】
本発明のビタミンE誘導体は、ビタミンE又はポリエトキシ化ビタミンEに比べ保湿性に優れており、しかも抗酸化作用を有するので、単独又は混合物として化粧品や皮膚外用軟膏等の基剤として有用である。更に、本発明のビタミンE誘導体は、乳化剤又は可溶化剤等の界面活性剤としての性質も兼備えているため、医薬品、食品や化粧品等の乳化剤としても用いることが出来る。
【0062】
【実施例】
以下に本発明の実施例等を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール(l+n=28(l=14、n=14)、m=2)
オートクレーブにDL−α―トコフェロール(和光純薬(株)製)を60.5g、アルカリ触媒として水酸化カリウム0.24gを仕込む。缶内を窒素ガスで置換後、100〜110℃まで昇温させ、0.5時間脱水を行なう。その後130〜140℃まで昇温させ、エチレンオキサイド86.5g(日本触媒(株))を1.5時間かけて圧入する。同温度を保ちながら1.0時間熟成させる。次にプロピレンオキサイド(日本触媒(株))16.3gを0.5時間かけて圧入後、2.0時間熟成させる。最後にエチレンオキサイド86.3gを1.0時間かけて圧入後、1.0時間熟成させる。熟成終了後冷却し、生成物をリン酸水溶液にて中和精製を行い、生成された塩を濾過し、目的物210.0g(収率84.0%)を得た。赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2868.0,1458.1,1349.2,1253.2,1105.9,1043.1,995.2,941.7,869.1,854.2。核磁気共鳴スペクトル(400MHz,CDCl3)δppm:0.83〜0.87(12H,m),1.05〜1.83(32H,m),2.07(3H,s),2.13(3H,s),2.17(3H,s),2.56(1H,t,J=6.7Hz),3.38〜3.81(120H,m)。
参考例2 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール(l+n=18(l=9、n=9),m=2)
オートクレーブにDL−α―トコフェロールを65.0g、アルカリ触媒として水酸化カリウム0.26gを仕込む。缶内を窒素ガスで置換後、100〜110℃まで昇温させ、0.5時間脱水を行なう。その後130〜140℃まで昇温させ、エチレンオキサイド59.8gを1.0時間かけて圧入する。同温度を保ちながら1.0時間熟成させる。次にプロピレンオキサイド17.5gを0.5時間かけて圧入後、2.0時間熟成させる。最後にエチレンオキサイド59.8gを1.0時間かけて圧入後、2.0時間熟成させる。熟成終了後冷却し、生成物をリン酸水溶液にて中和精製を行なう。生成された塩を濾過し、目的物171.0g(収率84.5%)を得た。赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2919.8,2869.7,1460.4,1348.8,1257.3,1105.6,951.4,924.9。
参考例3 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール(l+n=18(l=18、n=0)、m=2)
オートクレーブにDL−α―トコフェロールを96.9g、アルカリ触媒として水酸化カリウム0.39gを仕込む。缶内を窒素ガスで置換後、100〜110℃まで昇温させ、0.5時間脱水を行なう。その後130〜140℃まで昇温させ、プロピレンオキサイド26.1gを0.5時間かけて圧入する。同温度を保ちながら2.5時間熟成させる。次にエチレンオキサイド178.2gを2.5時間かけて圧入後、2.0時間熟成させる。熟成終了後冷却し、生成物をリン酸水溶液にて中和精製を行なう。生成された塩を濾過し、目的物256.5g(収率85.0%)を得た。赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2864.2,1461.3,1347.7,1250.1,1105.5,944.5。
参考例4 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール(l+n=16(l=16、n=0)、m=4)
オートクレーブにDL−α―トコフェロールを94.5g、アルカリ触媒として水酸化カリウム0.38gを仕込む。缶内を窒素ガスで置換後、100〜110℃まで昇温させ、0.5時間脱水を行なう。その後130〜140℃まで昇温させ、プロピレンオキサイド50.9gを1.5時間かけて圧入する。同温度を保ちながら2.0時間熟成させる。次にエチレンオキサイド154.5gを1.5時間かけて圧入後、2.0時間熟成させる。熟成終了後冷却し、生成物をリン酸水溶液にて中和精製を行なう。生成された塩を濾過し、目的物246.5g(収率82.1%)を得た。赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2866.6,1458.2,1375.8,1254.9,1108.9,938.5。
参考例5 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール(l+n=30(l=16、n=14)、m=2)
オートクレーブにDL−α―トコフェロールを46.4g、アルカリ触媒として水酸化カリウム0.18gを仕込む。缶内を窒素ガスで置換後、100〜110℃まで昇温させ、0.5時間脱水を行なう。その後130〜140℃まで昇温させ、エチレンオキサイド66.4gを1.5時間かけて圧入する。同温度を保ちながら2.0時間熟成させる。次にプロピレンオキサイド12.5gを0.5時間かけて圧入後、1.5時間熟成させる。最後にエチレンオキサイド75.8gを1.0時間かけて圧入後、2.0時間熟成させる。熟成終了後冷却し、生成物をリン酸水溶液にて中和精製を行なう。生成された塩を濾過し、目的物161.0g(収率80.0%)を得た。赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2868.6,1462.9,1350.0,1252.8,1101.8,942.6,873.6。
参考例6 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−D−α―トコフェロール(l+n=30(l=16、n=14)、m=2)
オートクレーブにD―α―トコフェロールを83.3g、アルカリ触媒として水酸化カリウム0.22gを仕込む。缶内を窒素ガスで置換後、100〜110℃まで昇温させ、0.5時間脱水を行なう。その後130〜140℃まで昇温させ、エチレンオキサイド79.8gを1.0時間かけて圧入する。同温度を保ちながら2.0時間熟成させる。次にプロピレンオキサイド15.0gを0.5時間かけて圧入後、1.5時間熟成させる。最後にエチレンオキサイド91.2gを1.5時間かけて圧入後、2.0時間熟成させる。熟成終了後冷却し、生成物をリン酸水溶液にて中和精製を行なう。生成された塩を濾過し、目的物238.0g(収率88.3%)を得た。赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2862.7,2925.0,1460.3,1254.6,1248.9,1105.7,952.9,846.0。
実施例1 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール(l+n=28(l=14、n=14)、m=2)
硫酸エステルナトリウム塩 四つ口フラスコに参考例1で合成したポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール(l=14、m=2、n=14)を50.4g採取し、100〜110℃に昇温して、脱水を行なう。同温度を保ちながら尿素0.81gとスルファミン酸3.96gを数回に分けて加える。同温度で3時間熟成させた後冷却し、メタノール50gとアンモニア水1.3gを加え、濾過を行なう。得られた液に50%水酸化ナトリウム水溶液を2.5g加え、加熱しメタノールを除去し、目的物49.0g(収率91.8%)を得た。赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2868.2,1459.6,1348.8,1253.6,1105.7,1032.3,859.7,946.8。
参考例7 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−D−α―トコフェロール(l+n=10(l=8、n=2)、m=2)
オートクレーブにDL―α―トコフェロールを142.9g、アルカリ触媒として水酸化カリウム0.57gを仕込む。缶内を窒素ガスで置換後、100〜110℃まで昇温させ、0.5時間脱水を行なう。その後130〜140℃まで昇温させ、エチレンオキサイド29.2gを15分かけて圧入する。同温度を保ちながら1.0時間熟成させる。次にプロピレンオキサイド38.5gを0.5時間かけて圧入後、3.0時間熟成させる。最後にエチレンオキサイド117.2gを1.5時間かけて圧入後、2.0時間熟成させる。熟成終了後冷却し、生成物をリン酸水溶液にて中和精製を行なう。生成された塩を濾過し、目的物245.0g(収率74.6%)を得た。赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2925.3,1459.7,1376.0,1350.4,1256.5,1113.5,943.3。
参考例8 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−D−α―トコフェロール(l+n=12(l=10、n=2)、m=2)
オートクレーブにDL―α―トコフェロールを142.7g、アルカリ触媒として水酸化カリウム0.57gを仕込む。缶内を窒素ガスで置換後、100〜110℃まで昇温させ、0.5時間脱水を行なう。その後130〜140℃まで昇温させ、エチレンオキサイド29.1gを15分かけて圧入する。同温度を保ちながら1.0時間熟成させる。次にプロピレンオキサイド38.4gを0.5時間かけて圧入後、3.0時間熟成させる。最後にエチレンオキサイド146.2gを1.0時間かけて圧入後、2.0時間熟成させる。熟成終了後冷却し、生成物をリン酸水溶液にて中和精製を行なう。生成された塩を濾過し、目的物276.0g(収率77.3%)を得た。赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2925.8,1459.6,1375.9,1350.2,1256.1,1124.0,943.3。
参考例9 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−D−α―トコフェロール(l+n=14(l=12、n=2)、m=2)
オートクレーブにDL―α―トコフェロールを135.4g、アルカリ触媒として水酸化カリウム0.54gを仕込む。缶内を窒素ガスで置換後、100〜110℃まで昇温させ、0.5時間脱水を行なう。その後130〜140℃まで昇温させ、エチレンオキサイド27.7gを15分かけて圧入する。同温度を保ちながら1.0時間熟成させる。次にプロピレンオキサイド36.5gを0.5時間かけて圧入後、3.0時間熟成させる。最後にエチレンオキサイド167.2gを1.5時間かけて圧入後、2.0時間熟成させる。熟成終了後冷却し、生成物をリン酸水溶液にて中和精製を行なう。生成された塩を濾過し、目的物303.0g(収率82.5%)を得た。赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2926.0,1459.3,1413.6,1375.7,1350.0,1297.3,1255.7,1116.6,943.9。
参考例10 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−D−α―トコフェロール(l+n=16(l=14、n=2)、m=2)
オートクレーブにDL―α―トコフェロールを119.5g、アルカリ触媒として水酸化カリウム0.48gを仕込む。缶内を窒素ガスで置換後、100〜110℃まで昇温させ、0.5時間脱水を行なう。その後130〜140℃まで昇温させ、エチレンオキサイド24.4gを15分かけて圧入する。同温度を保ちながら1.0時間熟成させる。次にプロピレンオキサイド32.1gを0.5時間かけて圧入後、3.0時間熟成させる。最後にエチレンオキサイド171.9gを1.5時間かけて圧入後、2.0時間熟成させる。熟成終了後冷却し、生成物をリン酸水溶液にて中和精製を行なう。生成された塩を濾過し、目的物265.6g(収率76.2%)を得た。赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2868.1,1459.6,1413.6,1375.7,1349.8,1297.3,1255.3,1116.4,944.8。
実施例2 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール(l+n=14(l=14、n=0)、m=2)
硫酸エステルカリウム塩 オートクレーブにDL―α―トコフェロールを111.0g、アルカリ触媒として水酸化カリウム0.44gを仕込む。缶内を窒素ガスで置換後、100〜110℃まで昇温させ、0.5時間脱水を行なう。その後130〜140℃まで昇温させ、プロピレンオキサイド29.9gを0.5時間かけて圧入後、3.0時間熟成させる。次にエチレンオキサイド158.7gを1.5時間かけて圧入後、2.0時間熟成させる。熟成終了後冷却し、四つ口フラスコに合成したポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール(l=14、m=2、n=0)を280.0g採取し、100〜110℃に昇温して、脱水を行なう。同温度を保ちながら尿素4.41gとスルファミン酸30.9gを数回に分けて加える。同温度で3時間熟成させた後冷却し、メタノール260gとアンモニア水4.3gを加え、濾過を行なう。得られた液に水酸化カリウムを13.8g加え加熱しメタノールを除去し、目的物230g(収率75.8%)を得た。
実施例3 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール(l+n=14(l=14、n=0)、m=2)
リン酸エステルカリウム塩 オートクレーブにDL―α―トコフェロールを96.2g、アルカリ触媒として水酸化カリウム0.38gを仕込む。缶内を窒素ガスで置換後、100〜110℃まで昇温させ、0.5時間脱水を行なう。その後130〜140℃まで昇温させ、プロピレンオキサイド25.9gを0.5時間かけて圧入後、3.0時間熟成させる。次にエチレンオキサイド137.5gを1.5時間かけて圧入後、2.0時間熟成させる。熟成終了後冷却し、ビーカーに合成したポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール(l=14、m=2、n=0)を240.0g採取し、100〜110℃に昇温して、脱水を行なう。脱水後冷却し40℃より温度を80℃まで上げながら無水燐酸を数回に分けて10.21g加える。80℃で4.5時間熟成させた後冷却し、メタノール70gとカリウムメチラート9.71gを加える。得られたメタノール溶液を濾過後、メタノールを除去目的物171.3g(収率68.5%)を得た。
実施例4 モノポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール(l+n=16(l=14、n=2)、m=2)
スルホコハク酸ジナトリウム塩 オートクレーブに参考例10で合成したポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール(l=14、m=2、n=2)を100.0g採取し、無水マレイン酸7.84gと無水酢酸ナトリウム0.50gを仕込む。缶内を窒素ガスで置換後、70〜80℃まで昇温しエステル化反応を3時間行なう。オートクレーブにて反応して得られたマレエート化物106.1gを予め純水174.3gで無水亜硫酸ナトリウム10.1gを40〜50℃で溶解した四つ口フラスコに仕込む。70〜80℃まで昇温しスルホン化及び同温度で3.0時間攪拌した。反応液を冷却および20%水酸化ナトリウム水溶液でpH6.5に調整し、目的物の水溶液290.0g(収率98.0%)を得た。
実施例5 モノポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール(l+n=16(l=14、n=2)、m=2)
酢酸ナトリウム塩 4つ口フラスコに参考例10で合成したポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール(l=14、m=2、n=2)を25.0g採取する。トルエン750mlを加え窒素雰囲気下にて100〜110℃で1時間共沸脱水を行なった後30℃まで放冷する。1.0M−カリウム−tertブトキシド/tertブタノール溶液を32.0ml加え室温にて1時間攪拌する。1時間後ブロモ酢酸エチル18.68gを加え110℃にて攪拌しながら2時間加熱還流し反応させる。反応後30℃まで放冷し、室温にてしながら18時間攪拌を行なう。攪拌終了後、セライト濾過を行ないエバポレーターにてトルエンを除去し、カルボン酸エチルエステル20.5gを得た。次に4つ口フラスコに得られたカルボン酸エチルエステル20.5gおよび1N−NaOH200mlを仕込み室温にて4時間反応させる。反応終了後5℃まで冷却し2N−HClを用いてpHを3に調整する。反応液は塩化メチレン100mlを用いて5回抽出し純水50mlで洗浄した後、溶剤を留去し、カルボン酸20.1gを得た。カルボン酸20.1gをメタノール100mlに溶解しナトリウムメトキシド0.83gのメタノール溶液を加えナトリウム置換をした後、溶剤を留去し、目的物20.2g(収率75.9%)を得た。
比較例 ポリオキシエチレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール(l+n=30(l=30、n=0)、m=0)
オートクレーブにDL−α―トコフェロールを50.7g、アルカリ触媒として水酸化カリウム0.20gを仕込む。缶内を窒素ガスで置換後、100〜110℃まで昇温させ、0.5時間脱水を行なう。その後130〜140℃まで昇温させ、エチレンオキサイド155.3gを4.0時間かけて圧入する。同温度を保ちながら2.0時間熟成させる。熟成終了後冷却し、生成物をリン酸水溶液にて中和精製を行なう。生成された塩を濾過し、標記化合物172.0g(収率83.4%)を得た。赤外吸収スペクトル νcm−1(neat):2865.9、1458.7、1350.7、1252.2、1104.9、946.3.
試験例1.保湿性試験
参考例1、参考例2、実施例1、比較例及びDL−α―トコフェロールを試料として、デシケーター内にて乾燥させ、それぞれ約0.2gずつシャーレに採取する。採取した試料は予め湿度を調整したデシケーター内に放置し、時間経過とともに試料の保湿性を求める。なお測定は湿度75%のデシケーター内に放置後24時間、48時間、72時間後に行なった。
【0063】
なお、保湿性は以下の式で求めた。
【0064】
【式1】
【0065】
保湿性試験の結果を表1に示した。
【0066】
【表1】
【0067】
参考例1,参考例2及び実施例1のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール誘導体はDL−α―トコフェロールや比較例のポリエチレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロールに比べ高い保湿性を示した。
試験例2.可溶化力試験(1)
DL−α―トコフェロールと参考例1で合成したポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール(l+n=28(l=14、n=14)、m=2)にイオン交換水を1重量%濃度となるように加えた。この水溶液に酢酸ベンジル(和光純薬株式会社)を少量ずつ加え、常温にて可溶化力を調べた。なお、可溶化力は目視にて確認した。DL−α―トコフェロールは1重量%濃度で水に溶解しなかったため、DL−α―トコフェロール1%水溶液100gは酢酸ベンジル0.05gを可溶化しなかった。しかし、参考例1で合成したポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロール1%水溶液100gは酢酸ベンジル0.35gを可溶化させた。従って、参考例1の化合物は優れた可溶化力を有しており、界面活性剤としての特徴も有している。
試験例3.可溶化力試験(2)
参考例7から10で合成したポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール−モノ−DL−α―トコフェロールおよび実施例2、実施例3で合成した硫酸エステルカリウム塩、リン酸エステルカリウム塩をそれぞれ0.20gずつサンプル瓶に採取し、酢酸トコフェロール0.10g(和光純薬株式会社)を加えエタノールに溶解する。溶解したエタノール溶液を純水150mlに撹拌しながら加え、さらに純水50mlでサンプル瓶を洗浄した後の液も加え可溶化力試験を行なう。可溶化の確認は目視にて行なった。これらの可溶化力を硬化ひまし油EO20モル品と比較した。結果を表2に示す。
【0068】
【表2】
【0069】
硬化ひまし油EO20モル品は試料量0.20g、酢酸トコフェロール0.10gでは可溶化せず溶液が白色になった。しかし、参考例7〜10および実施例2、3全ての試料において試料量0.20gで酢酸トコフェロール0.10gを可溶化した。特に参考例7では試料量0.15gにおいても酢酸トコフェロール0.10gを可溶化した。従って、参考例7〜10および実施例2、3の化合物は硬化ひまし油のEO20モル付加物に比べ優れた可溶化力を有しており、界面活性剤として優れた特徴を有している。
【0070】
【発明の効果】
本発明のビタミンE誘導体は、ビタミンE又はポリエトキシ化ビタミンEに比べ保湿性に優れており、しかも抗酸化作用を有するので化粧品や皮膚外用軟膏等の基剤として実用上極めて有用である。また、本発明のビタミンE誘導体は、乳化剤又は可溶化剤等の界面活性剤としての性質も兼備えているため、医薬品、食品や化粧品等の乳化剤としても用いることが出来る。
Claims (14)
- 一般式(I)のR1,R2及びR3がメチル基である、請求項1記載のビタミンE誘導体又はその塩。
- 一般式(I)のR1及びR2がメチル基であり、R3が水素原子である、請求項1記載のビタミンE誘導体又はその塩。
- 一般式(I)のR2及びR3がメチル基であり、R1が水素原子である、請求項1記載のビタミンE誘導体又はその塩。
- 一般式(I)のR1、R2及びR3が水素原子である、請求項1記載のビタミンE誘導体又はその塩。
- 一般式(I)のR4 が、SO3H基またはP(O)(OH) 2 基である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のビタミンE誘導体又はその塩。
- lが0乃至20であり、mが1乃至5であり、nが0乃至20である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のビタミンE誘導体又はその塩。
- lが8乃至30であり、mが1乃至30であり、nが2乃至30である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のビタミンE誘導体又はその塩。
- lが8乃至20であり、mが1乃至5であり、nが2乃至20である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のビタミンE誘導体又はその塩。
- その塩が、ナトリウム塩またはカリウム塩である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のビタミンE誘導体。
- 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のビタミンE誘導体又はその塩を含有する化粧品。
- 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のビタミンE誘導体又はその塩を含有する食品。
- 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のビタミンE誘導体又はその塩を含有する化粧品用添加物。
- 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のビタミンE誘導体又はその塩を含有する食品用添加物。
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