JP2008155693A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハンドル角に応じて目標副操舵角が設定され、目標副操舵角に従って副操舵角重畳機構を駆動制御する車両の操舵装置において、副操舵角の制御性を向上させる。
【解決手段】ハンドル角検出手段6の出力と、伝達特性設定手段8の伝達特性f(θ)から、目標副操舵角設定手段7によって目標副操舵角θSREFが設定され、目標副操舵角と副操舵角検出手段10の出力θから、目標電流設定手段11によって目標電流IREFが設定される。電流制御手段12は、目標電流IREFと、電流検出手段1203の電流
が一致するよう、副操舵角重畳機構2の電動モータ212に流れる電流を制御する。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両の操舵装置に関し、特に、運転者のハンドル操舵角に、副操舵機構により電気的に制御可能な副操舵角を機械的に加算して、車輪を転舵するようにした車両用操舵装置に関するものである。
従来から、ハンドルと操向車輪の間に副操舵角重畳機構を搭載し、運転者のハンドル操舵角に対する操向車輪の転舵角の伝達特性を、車両の走行状態に応じて変化させる操舵装置が多数知られている。(例えば、特開2005−41363号公報(以下、特許文献1と称す。)参照。)
この特許文献1の操舵装置においては、副操舵角重畳機構を駆動する電動モータの目標回転角と、検出した回転角の偏差より、PWMデューティを演算して電動モータを駆動制御することが開示されている。
また、特開平11−208499号公報(以下、特許文献2と称す。)には、ハンドル角と伝達特性によって演算された、操向車輪の目標操向角と、検出された操向角の偏差から、副操舵角重畳機構の追従遅れを検出し、前記偏差が小さくなるように、前記伝達特性の補正や、前記目標操向角を補正することが開示されている。
特開2005−41363号公報 特開平11−208499号公報
上記特許文献1の操舵装置では、副操舵角重畳機構を駆動する電動モータの目標回転角と、検出した回転角の偏差から、PWMデューティ(DUTY)を演算して、電動モータの回転角をフィードバック制御しているが、電動モータの回転に起因する誘導電圧等によって、PWMデューティと電動モータに流れる電流は一意には決まらないため、回転角の偏差から求めた必要トルク通りのトルクを電動モータで発生させることが困難である。
即ち、回転角の偏差からPWMデューティを求める演算に用いる制御定数の設定を行うのは、困難であるという問題点があった。
また、特許文献2においては、副操舵角重畳機構の追従遅れを目標操向角と検出操向角の偏差で検出しているので、検出した段階では既に追従遅れが生じているという問題点があった。
この発明は、以上のような従来装置の問題点を解決するために成されたもので、角度偏差より目標電流を求める演算式の制御定数の設定が容易となり、ひいては、副操舵角あるいは操向角の角度制御を高精度に行うことができる車両用操舵装置を得ることを目的とする。
この発明に係わる車両用操舵装置は、運転者が操作するハンドルと、電動モータによって制御自在な副操舵角重畳機構により操向車輪を操舵する操舵機構を備えた車両の操舵装置において、車両の走行状態に応じて、前記ハンドルの操舵角と前記操向車輪の操向角の伝達特性を設定する伝達特性設定手段と、前記運転者のハンドル操舵角を検出するハンドル角検出手段と、前記副操舵角重畳機構により操舵される副操舵角を検出する副操舵角検出手段と、前記ハンドル角検出手段の出力と前記伝達特性設定手段によって設定された伝達特性から、前記副操舵角重畳機構により付加される目標副操舵角を生成し、前記目標副操舵角と前記副操舵角検出手段の出力が一致するよう、前記副操舵角重畳機構を駆動制御する駆動制御手段を備え、前記駆動制御手段は、前記目標副操舵角と前記副操舵角検出手段の出力との角度偏差から、前記電動モータへの目標駆動電流を設定する目標電流設定手段と、前記電動モータに流れる電流を検出する電流検出手段を有し該電流検出手段の出力が前記目標電流設定手段の設定電流と一致するよう、電動モータへの電流を制御する電流制御手段とを具備したものである。
また、運転者が操作するハンドルと、電動モータによって制御自在な副操舵角重畳機構により操向輪を操舵する操舵機構を有する車両の操舵装置において、車両の走行状態に応じて、前記ハンドルの操舵角と前記操向車輪の操向角の伝達特性を設定する伝達特性設定手段と、前記運転者のハンドル操舵角を検出するハンドル角検出手段と、前記操向車輪の操向角を検出する操向角検出手段と、前記ハンドル角検出手段の出力と前記伝達特性設定手段によって設定された伝達特性から、前記副操舵角重畳機構により付加される目標操向角を生成し、前記目標操向角と前記操向角検出手段の出力が一致するよう、前記副操舵角重畳機構を駆動制御する駆動制御手段を備え、前記駆動制御手段は、前記目標操向角と前記操向角検出手段の出力との角度偏差から、前記電動モータへの目標駆動電流を設定する目標電流設定手段と、前記電動モータに流れる電流を検出する電流検出手段を有し該電流検出手段の出力が前記目標電流設定手段の設定電流と一致するよう、電動モータへの電流を制御する電流制御手段とを具備したものである。
この発明の車両用操舵装置によれば、電流制御手段によって、目標電流IREFと検出電流Isが一致するように、フィードバック制御しているので、電動モータが回転することにより生じる逆起電圧等の外乱が抑制され、角度偏差から目標電流を求める演算式の制御定数の設定が容易となり、ひいては、副操舵角あるいは操向角の角度制御を高精度に行うことができる車両用操舵装置を得ることができる。
上述した、またその他の、この発明の目的、特徴、効果は、以下の実施の形態における詳細な説明および図面の記載からより明らかとなるであろう。
以下この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一符号は、同一または相当部分を示すものとする。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の車両用操舵装置の全体構成を示す概略図である。
図1において、1は運転者が操舵するハンドル、2は副操舵角重畳機構であり、2つの遊星歯車機構より構成されている。第1の遊星歯車機構は、ハンドル1が接続されているサンギア201、キャリア203にて支持されている遊星ギア202a、202b、リングギア204、及びリングギアを回転させるためのウオームホイール205より構成されている。211は、ウォームギアであり、モータ212により駆動される。
第2の遊星歯車機構は、サンギア206、キャリア208にて支持されている遊星ギア207a、207b、及び固定されたリングギア209にて構成される。
また、第1の遊星歯車機構のキャリア203と、第2の遊星歯車機構のキャリア208はシャフト210にて連結されている。
3は、ラックアンドピニオン方式の操舵機構であり、ピニオンギア301とラックギア302によって構成されている。4a、4bは、ナックルアームであり、5a、5bは、操向車輪である。ピニオンギア301の回転は、ラックギア302の直動に変換され、さらに、直動は、ナックルアーム4a、4bにより、操向車輪5a、5bの操舵角に変換される。6は、運転者が操舵するハンドル1の操舵ハンドル角を検出するハンドル角検出手段であり、その検出出力は目標副操舵角設定手段7に入力される。8は伝達特性設定手段であり、車両走行状態9が入力されている。10は、副操舵角検出手段であり、この実施の形態1では、実質的に副操舵角に相当する電動モータ212の回転角度を検出する。
11は、目標電流設定手段であり、目標副操舵角設定手段7の出力と、副操舵角検出手段10の出力が入力され、電動モータ212を駆動するための目標電流が演算される。
12は、電流制御手段であり、電動モータ212に流れる電流を検出する電流検出手段1203と、目標電流設定手段11の出力と電流検出手段1203の出力によってデューティー比を演算するデューティー比設定手段1201と、デューティー比設定手段1201の出力に基づいて、電動モータ212を駆動する駆動手段1202より構成されている。
次に、装置の動作について説明する。
始めに、副操舵角重畳機構2のウォームギア211を回転させない状態について説明する。ウォームギア211を回転させない場合、第1の遊星歯車機構のリングギア204が固定されることになる。この状態で、運転者がハンドル1を操舵すると、その回転は第1の遊星歯車機構のサンギア201に伝達される。サンギア201の回転は、遊星ギア202a、202bに伝えられるが、リングギア204が先に説明したように固定されているので、遊星ギア202a、202bを支持しているキャリア203の公転となり、第2の遊星歯車機構へ回転を伝達するシャフト210を回転させる。即ち、遊星歯車方式の減速機として第1の遊星歯車機構は動作することになる。
シャフト210の回転は、第2の遊星歯車機構のキャリア208に回転を伝達する。
キャリア208が回転するので、遊星ギア207a、207bは、サンギア206の周りを公転する。第2の遊星歯車機構では、リングギア209が固定されているので、遊星ギア207a、207bの公転はサンギア201の回転となり、操舵機構3のピニオンギア301を回転させることとなる。ここで、第2の遊星歯車機構は、シャフト210からみて増速機として動作することになる。従って、ハンドル1の回転は、ピニオンギア301に機械的に伝達されることになり、またその伝達比も1対1となる。(第1の遊星歯車機構の減速比と第2の遊星歯車機構の増速比を掛け合わせた値。双方の構成が同じであれば、全体として伝達比は1となる。)即ち、この実施の形態1の機構で、ウォームギア211の回転を停止すれば、ハンドル角とピニオン角が1対1の通常の操舵系となることがわかる。
次に、ハンドル1を固定してウォームギア211を電動モータ212を用いて回転させた場合について説明する。
ウォームギア211が回転すると、ウォームホィール205を介して、リングギア204が回転する。リングギア204の回転は遊星ギア202a、202bに伝達されるが、サンギア201がハンドル1により固定されているので、リングギア204の回転は、遊星ギア202a、202bの公転として伝達され、キャリア203を介してシャフト210へ伝達される。シャフト210が回転すると、先に説明したように、第2の操舵機構を介して操舵機構3が駆動され、操舵輪5a、5bが転舵される。
次に、ハンドル1を操舵しながら、電動モータ212を用いてウォームギア211を回転させた場合について説明する。ここで、ハンドル1のハンドル角をθ、電動モータ212の回転角をθ、ピニオンギア301の回転角をθとし、ウォームギア211からピニオンギア301の速度比をGとすると、上述したように、以下の式(1)が成り立ち、電気的に制御自在な副操舵角重畳機構が構成される。

θ=θ+θ/G・・・・・(1)

以下θ/Gを副操舵角θと表すと、式(1)は、以下の式(2)のように変形できる。

θ=θ+θ・・・・・・(2)
次に、実施の形態1の具体的動作の一例について、車両の走行状態9によって、ハンドル1の操舵角と、操向輪5a、5bの転舵角との比率を変化させる可変ギアレシオ機構を例にして説明する。
図2(a)は、車速に応じた、ハンドル角θに対する、目標操向角θPREFの伝達特性f(θ)の一例を示している。また、図2(b)は、ハンドル角θに対する目標副操舵角θSREFを、伝達特性f(θ)と、機構の特性を表している式(2)から、以下の式(3)、(4)によって求めた結果を示している。

θPREF=θ+θSREF ・・・・・・・・(3)

∴θSREF=θPREF―θ ・・・・・・・(4)
この実施の形態1においては、車両の走行状態9の一つとしての車両速度に応じて、伝達特性f(θ)が、伝達特性設定手段8によって設定され、ハンドル角検出手段6の出力θと伝達特性f(θ)から、目標副操舵角設定手段7により目標副操舵角θSREFが設定される。一方、副操舵角検出手段10により、副操舵角θが検出され、目標電流設定手段11には、目標副操舵角θSREFと検出副操舵角θが入力されて、目標電流
REFが算出される。この目標電流IREFの算出方法について、図3を用いて説明する。図3は、目標電流設定手段11とデュ−ティ比設定手段1201の構成の一例を示すブロック図である。
まず、目標副操舵角θSREFと検出副操舵角θの偏差Δθが演算器1101で演算される。さらに、偏差Δθに、乗算器1102で比例ゲインKPpが乗じられる。また、偏差Δθは微分器1103aで微分されて、乗算器1103bで微分ゲインKDpが乗じられ、さらに、偏差Δθは積分器1104aで積分されて、乗算器1104bで積分ゲインKIpが乗じられる。加算器1105で、これら3つの乗算結果が加算されて目標トルクTREFが求められる。
なお、3つのゲインである、比例ゲインKPp、微分ゲインKDp、積分ゲインKIpは、副操舵角重畳機構2において、電動モータ212が発生するトルクを入力、副操舵角を出力とした時の周波数特性に応じて最適に設定される。ここで、電動モータ212の駆動電流Iに対して発生するトルクTの関係を表すトルク定数をKtとすると、トルクTは、以下の式(5)のように表される。

=Kt×I ・・・・・(5)

従って、この関係を用い、乗算器1107にて目標トルクTREFを目標電流IREFへ変換する。また、以上の処理は、所定時間毎(角度制御周期)に、繰り返し演算されて目標電流IREFが順次更新されて、電流制御手段12に入力される。
次に、電流制御手段12の動作について説明する。
電流制御手段12は、デューティー比設定手段1201と、駆動手段1202と、電流検出手段1203より構成されている。
まず、駆動手段1202と、電流検出手段1203について図4を用いて説明する。
図4は、駆動手段1202と、電流検出手段1203の一例を示しており、デューティー比設定手段1201から出力されるデューティーは、FETドライバー1202Drに入力され、FETドライバーは、デューティーに従いHブリッジを構成する4つのFET(電界効果トランジスタ)FET1〜FET4をON−OFF制御することにより、電動モータ212に印加する電圧をPWM制御する。また、電動モータ212の配線上にある抵抗Rの両端に発生する電圧を、差動増幅器(電流検出手段)1203で検出することにより電流Isが検出される。
デューティー比設定手段1201の動作について、図3を用いて説明する。
デューティー比設定手段1201には、目標電流設定手段11より目標電流IREFが入力され、電流検出手段1203より検出電流Isが入力されており、演算器1201aにて偏差が演算される。この偏差に、乗算器1201bで比例ゲインKPiが乗じられ、また、偏差を積分器1201cで積分した結果に、乗算器1201dで積分ゲインKIiが乗じられ、2つの乗算結果は、加算器1201eにて加算されて、目標印加電圧算出手段1201fで電動モータ212への目標印加電圧Vが演算される。デューティー比算出手段1201gは、設定したデューティー比を元に駆動手段1202で電動モータ212を駆動した結果、電動モータ212への印加電圧が目標印加電圧Vと略等しくなるようなデューティー比を、駆動手段1202へ入力されている駆動用電源電圧等を用いて算出する。また、上記比例ゲインKPi及び積分ゲインKIiは、電動モータ212の電気的特性を元に、電流制御特性が上記の副操舵角を制御するのに適した特性となるように設定される。
電流制御手段12は、上記した手順を所定時間毎(電流制御周期)に繰り返すことにより、目標電流設定手段11により角度制御周期にて順次更新される目標電流IREF通りに電動モータ212に流れる電流を制御する。
ここで、前記したように、目標電流設定手段11が出力する目標電流IREFは、角度制御周期毎に更新されるので、電流制御手段12による電流の制御は、目標電流IREFが更新されてから、次回の更新までの間に、電動モータ212を流れる電流を、目標電流IREFと一致するよう制御する必要がある。したがって、電流制御周期は、角度制御周期よりも短くした方が望ましい。このとき、2つの制御周期は、同期させたほうが望ましいが、それぞれの制御を非同期に動作させても良い。
また、図5は、デューティー比設定手段1201の変形例を示すもので、図3に示したデューティー比設定手段1201に、電動モータ212の回転に伴う誘起電圧を考慮してデューティー比を設定するように補償手段を追加したものである。
即ち、電動モータ212の逆起電圧定数をKe、回転数をωMとすると、逆起電力Vは、次の式(6)によって演算される。

=Ke×ωM・・・・・・(6)

よって、図5に示すように、電動モータ212の回転数ωMに、乗算器1201hで逆起電圧定数Keを乗じ、この乗算結果を、目標電流IREFと検出電流Isの偏差より演算された結果と加算器1201eで加算することによって、逆起電圧の補償ができる。
このようにして、電流を制御することにより、図3で示したような電流制御系の最大外乱である逆起電圧を補償できるので、逆起電圧に依存する外乱が抑制でき、ひいては、精度良く電流を制御することができる。
以上説明したように、この発明の実施の形態1によれば、電流制御手段12によって、目標電流IREFと検出電流Isが一致するように、フィードバック制御しているので、電動モータが回転することにより生じる逆起電圧等の外乱が抑制され、角度偏差から目標電流を求める演算式の制御定数の設定が容易となり、ひいては、精度良く副操舵角を目標副操舵角通りに制御することが出来る。
また、目標電流設定手段11は、少なくとも目標副操舵角と副操舵角検出手段の出力との偏差に所定のゲインを乗じる比例制御手段と、前記偏差を微分した値に所定のゲインを乗じる微分制御手段を含み、比例制御手段と微分制御手段の出力の加算により目標駆動電流を算出し、電流制御手段12によって目標駆動電流通りに電動モータが駆動されるように構成したので、前記2つのゲインは、電動モータの特性に依存することなく、目標副操舵角の変化に対する副操舵角重畳機構の副操舵角の応答性が最適となるように設定することができ、制御の応答性を向上させることができる。
さらに、目標電流設定手段には、上記比例制御手段および微分制御手段に加えて、目標副操舵角と副操舵角検出手段の出力との偏差の積分値に所定のゲインを乗じる積分制御手段を内在させ、比例制御手段と、微分制御手段と、積分制御手段の出力の加算により目標駆動電流を算出し、電流制御手段により目標駆動電流通りに電動モータが駆動されるように構成することによって、応答性に加え制御性も向上させることができ、より精度良く副操舵角の制御が可能となる。
さらにまた、目標副操舵角と検出副操舵角によって目標電流を演算する目標電流設定手段の制御周期より、目標電流に検出電流を一致させる電流制御手段の制御周期を短く設定することによって、目標電流に遅れることなく電動モータへ駆動電流を流すことができ、副操舵角重畳機構を精度良く制御することができる。
なお、上記の説明では、電動モータ212を、2入力のDCモータ(ブラシ付き)を用いて説明したが、3相のDCブラシレスモータでも良く、この場合、DCブラシレスモータの制御方式に合わせた目標電流の設定と、電流の制御方式が採用される。
また、副操舵角度重畳機構2として、2つの遊星歯車装置を組み合わせた物で説明しているが、ハンドルの操舵に対して、副操舵角を重畳できる機構であれば、どのような機構を用いても良い。
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2における車両用操舵装置の全体構成を示す概略図である。
この実施の形態2が前述の実施の形態1と異なる点は、実施の形態1においては、伝達特性設定手段8の出力と、ハンドル角検出手段6の出力から、目標副操舵角設定手段7によって目標副操舵角を算出するのに対して、この実施の形態2では、目標副操舵角設定手段7の代わりに、目標操向角設定手段13を備えている。即ち、図6に示すように、目標操向角設定手段13では、ハンドル角検出手段6の出力と、図2(a)に示したような伝達特性設定手段8により設定された伝達特性に基づいて、目標操向角θPREFが設定される。さらに、実施の形態1が、角度制御対象が副操舵角であるのに対し、実施の形態2では車輪の操向角を角度制御対象としており、操向角θを検出する操向角検出手段14を備えている。従って、この実施の形態2の目標電流設定手段11は、目標操向角θPREFと検出操向角θが一致するように目標電流IREFを電流制御手段12に出力する。
その他の構成および動作は実施の形態1と同様であり、説明は省略する。
なお、ここでいう操向角は、操向車輪5a、5bの操向角に相当する角度であれば、どれでも良く、例えばラックアンドピニオン機構3のピニオンギア301の回転角度や、ラック301の直動位置でも良い。
このように、実施の形態2の構成によっても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができ、角度偏差から目標電流を求める演算式の制御定数の設定が容易となり、操向角の角度制御を高精度に行うことができるものである。
実施の形態3.
図7は、この発明の実施の形態3の車両用操舵装置の全体構成を示す概略図である。
実施の形態3は、図1に示した実施の形態1の車両用操舵装置において、目標副操舵角補正手段15が追加された物であって、目標副操舵角補正手段15は、目標電流設定手段11から目標電流IREFが、電流制御手段12から検出電流Isが入力され、これら2つの電流の偏差に基づいて、目標副操舵角設定手段7からの目標副操舵角を補正し、目標電流設定手段11へ補正した目標副操舵角を出力するものである。
以下、実施の形態3の装置について説明する。
図2に示したように、低車速での伝達特性は、ハンドル1の操舵に対する副操舵角の動きは大きくなる。従って、低車速でハンドル1を早く操舵すると、副操舵角も早く応答しなければならない。即ち、副操舵角重畳機構2の電動モータ212を早く回転させなければならない。しかし、電動モータ212を早く回転させようとしても、電動モータ212の回転に伴う逆起電圧等により、目標副操舵角設定手段7の出力通りに電動モータ212を駆動できないことがある。このような例を、図8に示す。
図8は、ハンドル1を素早くステップ状に操舵したときの目標副操舵角θSREFと、検出された副操舵角θと、目標電流IREFと、検出電流Isの概略を示した図である。
切り始め((a)参照)では、ハンドル1の操舵速度はまだ低いため、目標副操舵角θSREFと検出副操舵角θは一致しており、当然目標電流IREFと検出電流Isも一致している。さらに操舵速度が速くなると、電動モータ212の回転が早くなるため、回転に起因する逆起電圧が大きくなり、目標電流IREF通りに検出電流Isは流れなくなる。即ち、目標副操舵角θSREFと検出副操舵角θに偏差が生じる。((b)参照)
偏差が生じると、目標電流IREFはその偏差により最大電流を目標として出力する。
操舵終了時((c)参照)では、目標副操舵角θSREFと検出副操舵角θの間には偏差が生じているので、電動モータ212の駆動が継続され、操舵が終了しているのにも拘わらず副操舵角の回転は継続され、これが運転者への違和感となる。実施の形態3の装置は、この違和感を解消させるものである。
次に、実施の形態3の動作について、図9を用いて説明する。
図9(b)は、目標副操舵角補正手段15の構成の一例を示すブロック図で、図9(b)において、目標副操舵角補正手段15には、目標電流IREFと検出電流Isが入力され、演算器1501で電流偏差ΔIが演算される。さらに、電流偏差ΔIは、少なくとも運転者の操舵周波数以上の時定数を持つ、ノイズ除去の為のLPF(ローパスフィルタ)1502を介して、積分器1503により積分される。積分された結果には、乗算器1504で所定のゲインGが乗じられ、目標副操舵角補正量θSOFSTが演算される。
さらに、演算器1505で、目標副操舵角θSREFから目標副操舵角補正量θSOFSTを減算し、補正された目標副操舵角θSREF’ が得られる。
この補正された目標副操舵角θSREF’は、目標電流設定手段11に入力され、副操舵角検出手段10からの検出副操舵角θとにより、新たな目標電流IREFが設定される。
即ち、電流偏差ΔIをフィードバックすることにより、電流偏差ΔIを小さくするように目標電流IREFが補正されるわけである。
この様な処理により、図9(a)に示すように、補正された目標副操舵角θSREF’と検出副操舵角θが一致するように副操舵角重畳機構2が制御される。補正量θSOFSTが変化しているのは、操舵速度が速すぎて、副操舵角の制御が追従できない時のみであり、操舵終了に近づくにつれて操舵速度が遅くなると、補正量θSOFSTが変化しなくなる。
よって、操舵終了に近づくにつれて相対的なハンドル操舵に対する副操舵角の動きは通常通りとなるため、運転者への違和感は抑制される。ただし、補正量θSOFSTに相当する分、ハンドルの中立点がずれることになるので、電流偏差ΔIが0になった時点或いは、所定時間経過後から、補正量θSOFSTを0に向けて運転者への違和感が生じない程度に徐々に変化させる。
なお、上記説明では、目標副操舵角を補正した場合について説明したが、検出副操舵角やハンドル角を補正しても良い。また、電流偏差ΔIをそのまま積分したが、積分の際に、正常な電流制御時に生じる電流偏差を見込んだ不感帯を設けて積分しても良い。また、上記説明では、実施の形態1で説明した副操舵角を制御する方法への適用を示したが、実施の形態2で説明したような、操向角を制御する方法へ適用しても良い。この場合、目標副操舵角を目標操向角、検出副操舵角を検出操向角とすれば良い。
以上のように、実施の形態3の車両用操舵装置によれば、目標駆動電流と電流検出手段の出力との偏差により、電動モータの駆動制御状態を検出し、この制御状態に基づいて目標副操舵角を補正するので、目標副操舵角と副操舵角検出手段により検出される副操舵角との偏差が大きくなることなく副操舵角を制御することができる。したがって、操舵が終了しているのにも拘わらず電動モータ212の駆動が継続され、副操舵角の回転が継続されて、これが運転者への違和感となることを防止することができる。
実施の形態4.
図10は、この発明の実施の形態4の車両用操舵装置の全体構成を示す概略図である。
実施の形態4は、実施の形態3と比較して、副操舵角補正手段15の構成を変形させたものであって、目的は実施の形態3と同一である。
以下、実施の形態4の装置について、図11を参照して説明する。
図11(b)は、目標副操舵角補正手段15の構成を示すブロック図で、同図において、目標副操舵角補正手段15には、電動モータ212の角速度ω、電動モータ212に印加できる最大印加電圧V及び、目標電流IREFが入力されており、まず、乗算器1507で角速度ωに電動モータ212の逆起電圧定数Keが乗じられて、電動モータ212が発生している逆起電圧Vが演算される。次に、最大印加電圧Vとの差分が演算されてVMAXが演算される。
駆動手段1202の内部抵抗や、電動モータ212の内部抵抗、配線抵抗等の、電流経路の総抵抗をRmとし、除算器1509で前記のVMAXをRmで徐すことにより、電動モータ212へ流すことの出来る最大電流ILIMが演算される。
即ち、ここで演算されたILIM以上に、電動モータ212へは電流が流せないことになる。
次に、目標電流IREFと最大電流ILIMの差が演算器1501で演算される。
ここで、差の演算結果が負のときは、電流制御手段12により目標電流IREF通りに電動モータ212へ電流が流せることを意味している。一方、正の時は、電流制御手段12により目標電流IREF通りには電動モータ212へ電流を流すことができず、目標副操舵角θSREF通りに副操舵角重畳機構2の駆動制御ができないことになる。
1506は、クリップ手段であり、目標電流IREFと最大電流ILIMの差の下限を0にクリップすることにより、電動モータ212へ流すことができない電流成分を取り出す。
クリップ手段1506の出力は、実施の形態3における、目標電流IREFと検出電流Isの差と同等となり、以降の処理は実施の形態3の装置と同等である。
即ち、クリップ手段1506の出力を電流偏差ΔIとして、電流偏差ΔIは、少なくとも運転者の操舵周波数以上の時定数を持つ、ノイズ除去の為のLPF1502を介して、積分器1503により積分される。積分された結果は、乗算器1504で所定のゲインGが乗じられ、目標副操舵角補正量θSOFSTが演算される。さらに、演算器1505で、目標副操舵角θSREFから目標副操舵角補正量θSOFSTが減算され、補正された目標副操舵角θSREF’ が得られる。
この補正された目標副操舵角θSREF’は、目標電流設定手段11に入力され、副操舵角検出手段10からの検出副操舵角θとにより、新たな目標電流IREFが設定される。
即ち、電流偏差ΔIをフィードバックすることにより、電流偏差ΔIを小さくするように目標電流IREFが補正されるわけである。
この様な処理により、図11(a)に示すように、補正された目標副操舵角θSREF’と検出副操舵角θが一致するように副操舵角重畳機構2が制御される。
補正量θSOFSTが変化しているのは、操舵速度が速すぎて、副操舵角の制御が追従できない時のみであり、操舵終了に近づくにつれて操舵速度が遅くなると、補正量θSOFSTが変化しなくなる。よって、操舵終了に近づくにつれて相対的なハンドル操舵に対する副操舵角の動きは通常通りとなるため、運転者への違和感は抑制される。
ただし、補正量θSOFSTに相当する分、ハンドルの中立点がずれることになるので、電流偏差ΔIが0になった時点或いは、所定時間経過後から、補正量θSOFSTを0に向けて運転者への違和感が生じない程度に徐々に変化させる。
なお、上記説明では、目標副操舵角を補正した場合について説明が、検出副操舵角やハンドル角を補正しても良い。また、電流偏差ΔIをそのまま積分したが、積分の際に、正常な電流制御時に生じる電流偏差を見込んだ不感帯を設けて積分しても良い。また、上記説明では、実施の形態1で説明した副操舵角を制御する方法への適用を示したが、実施の形態2で説明したような、操向角を制御する方法へ適用しても良い。この場合、目標副操舵角を目標操向角、検出副操舵角を検出操向角とすれば良い。
以上のように、実施の形態4の車両用操舵装置によれば、電動モータの回転速度を検出する手段と、電動モータへの最大印加電圧を検出する手段を備え、電動モータの回転数と、最大印加電圧を用いて、電動モータに流すことが出来る電流範囲を演算するとともに、目標電流設定手段による目標電流が前記電流範囲内となるよう、目標副操舵角を補正するので、目標副操舵角と副操舵角検出手段により検出される副操舵角の偏差が大きくなることなく副操舵角を制御することができる。
実施の形態5.
図12は、この発明の実施の形態5の車両用操舵装置の全体構成を示す概略図である。
実施の形態5は、実施の形態3、実施の形態4と比較して、目標副操舵角補正手段15の代わりに車両走行状態補正手段16を備えたものである。
以下、実施の形態5の装置について、図13、図14を参照して説明する。
図13は、車両走行状態補正手段16の構成を示すブロック図である。
図13において、まず、絶対値演算手段1601において、目標電流設定手段11より出力される目標電流IREFの絶対値が演算される。
また、目標電流の極性が検出手段1602で検出され、符号調節手段1603で、検出電流Isの符号が調節される。即ち、目標電流IREFが正の場合は、検出電流Isはそのまま符号調節手段1603より出力され、目標電流IREFが負の場合は、検出電流Isは符号調節手段1603により、符号が反転されて出力される。この処理により、電動モータ212の回転方向に寄らず、以降の処理が実行されることになる。
すなわち、目標電流IREFの絶対値と、符号調整された検出電流Isは、演算器1604にて差分が演算され、電流偏差ΔIが得られる。ここで、電流偏差ΔI≒0の時は、電流制御手段12による電流制御が成立していることを意味している。
電流偏差ΔI>0の時は、電動モータ212の回転による逆起電圧等により目標電流通りに電動モータ212へ電流を流せていないことを意味し、そのまま制御を続けると、目標副操舵角と副操舵角重畳機構2の実際の副操舵角に大きな偏差が生じてくる。そこで、この電流偏差ΔIを、少なくとも運転者の操舵周波数以上の時定数を持つノイズ除去の為のLPF1605を介して、ゲート1606に入力する。ゲート1606は、切り増し判定1607が切り増しと判定しているときのみ、LPF1605の出力を通過させ、LPF1605の出力は積分器1608に入力されて積分される。
切り増しの判定は、図示していないが、ハンドル角検出手段6の出力を用い、ハンドル角が右操舵且つハンドル操舵速度が右方向、又は、ハンドル角が左操舵且つハンドル操舵速度が左方向であれば、切り増し方向であると判定される。また、副操舵角検出手段10の出力を用いて同等の処理をして判定しても良い。
積分された結果は、乗算器1609において所定のゲインGが乗じられ、補正車両走行状態Velが演算される。ここでは、車両走行状態は、車速としている。
最大値選択手段1610では、演算された補正車両走行状態Velと車両走行状態9とを比較し、大きい方を伝達特性設定手段8へ出力する。伝達特性設定手段8では、入力された車両走行状態によって伝達特性を設定する。
ここで、伝達特性設定手段8の特性について、改めて説明する。
図2に伝達特性設定手段8による伝達特性例を示している。図に示しているように、車速が高くなると、同じハンドル角に対する副操舵角は小さくなっている。即ち、切り増しながら、伝達特性を車速の高い側に変更すると、副操舵角速度が抑えられることを意味している。
さらに、図14に示したタイムチャートを用いて動作説明をする。
図14(a)において、目標副操舵角θSREFは、この実施の形態5を適用しないとき、即ち、車両走行状態を補正しないときの状態を示している。
一方、目標副操舵角θSREF’ は、この実施の形態5の車両走行状態補正手段16を適用したときの状態を示している。
即ち、目標副操舵角θSREF’は、車両走行状態(速度)として、図13に示したように、目標電流IREFと検出電流Isの電流偏差ΔIから演算した車両状態補正値Vel
を伝達特性設定手段8に入力して得られた伝達特性と、ハンドル角とから目標副操舵角設定手段7によって得られた結果である。
目標電流IREFと検出電流Isの電流偏差ΔIが生じると、車両状態補正値Velが大きくなり、その結果、目標副操舵角θSREF’ は、車両走行状態補正手段16を適用しない場合よりも低く設定されていることが分かる。また、副操舵角検出値θは、目標副操舵角θSREF’に追従する。
図14(b)は、車両状態補正値Velが伝達特性設定手段8に入力されて設定された伝達特性の変化と、目標副操舵角設定手段7によって設定される目標副操舵角θSREF’を示した図である。図14(b)において、A点までは、初期の伝達特性(1)上を目標副操舵角θSREF’はハンドル角の動きに合わせて変化し、車両状態補正値Velの変化と共に、伝達特性が(1)から(2)の方向へ変化しつつ、ハンドル角の動きに合わせて変化する。車両状態補正値Velの変化がしなくなるB点から伝達特性は(2)の特性となり、操舵終了点であるC点まで、ハンドル角の動きに合わせて伝達特性(2)上を変化する。
次に、ハンドルを中点まで戻すと、伝達特性は(2)なので、目標副操舵角θSREF’も中立点に戻る。
電流偏差ΔIが0になった時点或いは、所定時間経過後から、車両状態補正値Velの値は、運転者に違和感を生じないよう、徐々に0になるよう、積分器1608の積分量は変化させられる。さらに、車両走行状態9が、車両走行状態補正量Velより大きくなると、最大値選択手段1610により、伝達特性設定手段8には、車両走行状態9が入力され、通常の状態となる。この時、積分器1608の積分量は0にリセットされる。
なお、上記説明では、電流偏差ΔIをそのまま積分しているが、積分の際に、正常な電流制御時に生じる電流偏差を見込んだ不感帯を設けて積分しても良い。また、電動モータの回転に伴う逆起電圧により、目標電流通りに電流を流せない状態の時のみ積分されるよう、目標電流が所定電流以上の時のみ積分するようにしても良い。また、上記説明では、実施の形態1で説明した副操舵角を制御する方法への適用を示したが、実施の形態2で説明したような、操向角を制御する方法へ適用しても良い。この場合、伝達特性として操向角を出力する様にし、さらに、目標副操舵角を目標操向角、検出副操舵角を検出操向角とすれば良い。
以上のようにこの発明の実施の形態5によれば、ハンドルが切り増し方向に操舵されている状態において、目標駆動電流と電流検出手段の出力との偏差より車両走行状態を補正し、補正された車両走行状態を用いて伝達特性が設定される。そして設定された伝達特性と、ハンドル角より目標副操舵角あるいは、目標操向角が設定され、目標副操舵角と検出副操舵角の偏差、或いは、目標操向角と検出操向角の偏差より、目標駆動電流が設定され、電流制御手段は、この目標駆動電流に基づいて電流を制御するので、実施の形態3、4と同様に運転者の違和感を抑制することができる。
実施の形態6.
図15は、この発明の実施の形態6の車両用操舵装置の全体構成を示す概略図である。
この実施の形態6は、実施の形態5と比較して、車両走行状態補正手段16の構成を変形したものであって、目的は実施の形態5と同様のものである。
以下、実施の形態6の装置について、図16、図17を参照して説明する。
図16は、車両走行状態補正手段16の構成を示すブロック図である。
図16において、車両走行状態補正手段16には、電動モータ212の角速度ω、電動モータ212に印加できる最大印加電圧V及び、目標電流IREFが入力されており、まず、絶対値演算手段1612において角速度ωの絶対値が演算され、乗算器1613で電動モータ212の逆起電圧定数Keを乗じることにより、電動モータ212が発生している逆起電圧Vが演算される。
続いて、この逆起電圧VEと最大印加電圧Vとの差分VMAXが演算器1614で演算される。駆動手段1202の内部抵抗や、電動モータ212の内部抵抗、配線抵抗等の、電流経路の総抵抗をRmとした時、演算器1615で、差分VMAXを総抵抗Rmで徐することにより、電動モータ212へ流すことの出来る最大電流ILIMが演算される。即ち、ここで演算されたILIM以上には、電動モータ212へは電流が流せないことになる。
次に、絶対値演算手段1601において、目標電流設定手段11から出力される目標電流IREFの絶対値が演算され、この目標電流IREFの絶対値と最大電流ILIMとの差が演算器1604で演算される。
ここで、差の演算結果が負のときは、電流制御手段12により目標電流IREF通りに電動モータ212へ電流が流せることを意味している。
一方、差が正の時は、電流制御手段12により目標電流IREF通りに電動モータ212へ電流が流せず、目標副操舵角θSREF通りに副操舵角重畳機構2の駆動制御ができないことになる。1611は、クリップ手段であり、目標電流IREFと最大電流ILIMの差の下限を0にクリップすることにより、電動モータ212へ流すことができない電流成分を取り出す。クリップ手段1611の出力は、実施の形態5における、目標電流IREFと検出電流Isの差と同等となり、以降の処理は実施の形態5と同等である。
即ち、電流偏差ΔI>0の時は、電動モータ212の回転による逆起電圧等により目標電流通りに電動モータ212へ電流を流せていないことを意味し、そのまま制御を続けると、目標副操舵角と副操舵角重畳機構2の実際の副操舵角に大きな偏差が生じてくる。
そこで、この電流偏差ΔIを、少なくとも運転者の操舵周波数以上の時定数を持つノイズ除去の為のLPF1605を介して、ゲート1606に入力する。
ゲート1606の開閉は、切り増し判定1607が切り増しと判定しているときのみ、LPF1605の出力は、積分器1608に入力されて積分される。切り増しの判定は、図示していないが、ハンドル角検出手段6の出力を用い、ハンドル角が右操舵且つハンドル操舵速度が右方向、又は、ハンドル角が左操舵且つハンドル操舵速度が左方向であれば、切り増し方向であると判定される。また、副操舵角検出手段10の出力を用いて同等の処理をして判定しても良い。
積分器1608で積分された結果は、乗算器1609において所定のゲインGが乗じられ、補正車両走行状態Velが演算される。ここでは、車両走行状態は、車速としている。
最大値選択手段1610では、演算された補正車両走行状態Velと車両走行状態9とを比較し、大きい方を伝達特性設定手段8へ出力する。伝達特性設定手段8では、入力された車両走行状態に応じて伝達特性を設定する。
実施の形態5で述べたように、伝達特性設定手段8の伝達特性は、図2に示されるように、車速が高くなると、同じハンドル角に対する副操舵角は小さくなる。即ち、切り増しながら、前記伝達特性を車速の高い側に変更すると、副操舵角速度が抑えられることを意味している。
さらに、図17に示したタイムチャートを用いて動作説明をする。
図17(a)において、目標副操舵角θSREFは、この実施の形態6を適用しないとき、即ち、車両走行状態を補正しないときの状態を示している。
一方、目標副操舵角θSREF’ は、この実施の形態6の車両走行状態補正手段16を適用したときの状態を示している。
即ち、目標副操舵角θSREF’は、車両走行状態(速度)として、図16に示したように、目標電流IREFと検出電流Isの電流偏差ΔIから演算した車両状態補正値Velを伝達特性設定手段8に入力して得られた伝達特性と、ハンドル角とから目標副操舵角設定手段7によって得られた結果である。
図に示したように、目標電流IREFと検出電流Isの電流偏差ΔIが生じると、車両状態補正値Velが大きくなり、その結果、目標副操舵角θSREF’ は、車両走行状態補正手段16を適用しない場合よりも低く設定されていることが分かる。また、副操舵角検出値θは、目標副操舵角θSREF’に追従する。
図17(b)は、車両状態補正値Velが伝達特性設定手段8に入力されて設定された伝達特性の変化と、目標副操舵角設定手段7によって設定される目標副操舵角θSREF’を示した図である。図は、A点までは、初期の伝達特性(1)上を目標副操舵角θSREF’はハンドル角の動きに合わせて変化し、車両状態補正値Velの変化と共に、伝達特性が(1)から(2)の方向へ変化しつつ、ハンドル角の動きに合わせて変化する。
車両状態補正値Velの変化がしなくなるB点から伝達特性は(2)の特性となり、操舵終了点であるC点まで、ハンドル角の動きに合わせて伝達特性(2)上を変化する。
次に、ハンドル1を中点まで戻すと、伝達特性は(2)なので、目標副操舵角θSREF’も中立点に戻る。
電流偏差ΔIが0になった時点或いは、所定時間経過後から、車両状態補正値Velの値は、運転者に違和感を生じないよう、徐々に0になるよう、積分器1608の積分量は変化させられる。さらに、車両走行状態9が、車両走行状態補正量Velより大きくなると、最大値選択手段1610により、伝達特性設定手段8には、車両走行状態9が入力され、通常の状態となる。この時、積分器1608の積分量は0にリセットされる。
なお、上記の説明では、実施の形態1で説明した副操舵角を制御する方法への適用を示したが、実施の形態2で説明したような、操向角を制御する方法へ適用しても良い。
この場合、伝達特性は操向角を出力する様にし、さらに、目標副操舵角を目標操向角、検出副操舵角を検出操向角とすれば良い。
以上のようにこの発明の実施の形態6によれば、ハンドルが切り増し方向に操舵されている状態において、電動モータの回転速度を検出する手段と、電動モータへの最大印加電圧を検出する手段を備え、電動モータの回転数と、最大印加電圧を用いて、車両走行状態を補正し、補正された車両走行状態を用いて伝達特性が設定される。そして設定された伝達特性と、ハンドル角より目標副操舵角あるいは、目標操向角が設定され、目標副操舵角と検出副操舵角の偏差、或いは、目標操向角と検出操向角の偏差より、目標駆動電流が設定され、電流制御手段は、この目標駆動電流に基づいて電流を制御するので、実施の形態5と同様に運転者の違和感を抑制することができる。
実施の形態7.
図18は、この発明の実施の形態7の車両用操舵装置の全体構成を示す概略図である。
この実施の形態7は、実施の形態1の装置に、電流制御監視手段17を追加したものである。実施の形態1で説明したように、電流制御手段12は目標電流設定手段11で設定した目標電流通りに、電動モータ212へ電流を供給するように構成されている。
ここで、電流制御手段12中の、駆動手段1202や、電流検出手段1203の故障等により、目標電流設定手段11で設定した目標電流通りに、電動モータ212へ電流が供給できなくなると、目標副操舵角設定手段7で設定された目標副操舵角通りに、副操舵角重畳機構2の副操舵角が制御できず、振動等が生じる。この実施の形態7は、このような電流制御手段12が正常であるか否かを検出するものである。
以下、電流制御監視手段17の動作について説明する。
目標電流設定手段11によって設定された目標電流IREFと、電流検出手段1203によって検出された検出電流Isは、電流制御手段12が正常であれば、電動モータ212の回転に伴う逆起電圧によって電流が流せなくなる場合を除いて、基本的に、以下の式(7)が成立している。

REF−Is=0 ・・・・・・・(7)

従って、電流検出手段1203が正しい電流の検出が出来ない場合や、駆動手段1202等の故障により、期待される電流を流すことが出来ない場合、IREF−Is≠0となる。よって、所定の閾値ITHを用いて、目標電流IREFと検出電流Isの偏差より、
IREF−Is|>ITH により、異常が検出される。
ただし、上記したように、電動モータ212の逆起電圧による電流偏差と区別するため、目標電流IREFと検出電流Isが同極性、且つ、|IREF|>|Is|の場合は、異常と判定しない。また、上記異常判定を確定する場合は、異常判定の状態が所定時間継続した場合とした方がよい。ここで、上記閾値ITHや所定時間は、本装置が異常時の挙動により、適切に決められるものである。
さらに、別の電流制御監視手段17の動作について説明する。電動モータ212の回転に伴う逆起電圧をV、電動モータ212へ印加される電圧をV、流れている電流をI、配線や電動モータ212の巻き線等の電流経路の総インピーダンスをRとすると、これらの間には、以下の式(8)が成立する。

×R=V−V ・・・・・・(8)

従って、電流検出手段1203が正しい電流の検出が出来ない場合や、駆動手段1202等の故障により、期待される電流を流すことが出来ない場合、電流検出手段1203による電流検出値Isを用いて計算すると、 Is×R≠V−V となる。
よって、例えば所定の閾値ITH2を用いて、 Is>(V−V)/R+ITH2
又は、 Is<(V−V)/R−ITH2 により、異常が検出される。
また、上記異常判定を確定する場合は、異常判定の状態が所定時間継続した場合とした方がよい。ここで、上記閾値ITH2や所定時間は、本装置の異常時における挙動により、適切に決められるものである。また、電動モータ212へ印加される電圧Vは、実際に電動モータ212へ印加されている電圧を検出したものや、デューティー比設定手段1202で演算された目標印加電圧を用いても良い。
また、逆起電圧Vは、実施の形態1で説明したように、電動モータ212の回転数ωM
と、逆起弾圧定数Keより演算される。
なお、上記説明では、 I=(V−V)/R を中心とした片幅ITH2を正常エリアとして説明したが、図19に示すように、(V−V)対Is平面上で、異常判定領域を指定しても良い。この異常判定領域も、本装置の異常時における挙動により、適切に決められるものである。
以上のように、この発明の実施の形態7によれば、目標駆動電流と電流検出手段の検出電流との偏差により電流制御系の故障を判定することができる。
あるいはまた、電動モータへ印加している電圧から電動モータの誘起電圧の影響を差し引いた電動モータの駆動電圧を演算し、この駆動電圧と、電流検出手段の出力の相関関係から電流制御系の故障を検出することができる。
この発明の実施の形態1に係る車両用操舵装置の全体構成を示す概要図である。 この発明の実施の形態1におけるハンドル角−目標転舵角を決定するのに用いる伝達特性の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1における目標電流設定手段とデューティー比設定手段の構成の一例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1における駆動手段と電流検出手段の説明図である。 この発明の実施の形態1におけるデューティー比設定手段の変形例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る車両用操舵装置の全体構成を示す概要図である。 この発明の実施の形態3に係る車両用操舵装置の全体構成を示す概要図である。 この発明の実施の形態3における目標副舵角の変化量が、電動モータの能力を超えた時の装置の動きを示すタイムチャート図である。 この発明の実施の形態3における電流偏差により目標副舵角を補正する方法の説明図である。 この発明の実施の形態4に係る車両用操舵装置の全体構成を示す概要図である。 この発明の実施の形態4における誘起電圧と目標電流より目標副舵角を補正する方法の説明図である。 この発明の実施の形態5に係る車両用操舵装置の全体構成を示す概要図である。 この発明の実施の形態5における車両走行状態補正手段の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態5における目標副操舵角の設定に用いる車両走行状態を補正する方法の説明図である。 この発明の実施の形態6に係る車両用操舵装置の全体構成を示す概要図である。 この発明の実施の形態6における車両走行状態補正手段の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態6における目標副操舵角の設定に用いる車両走行状態を補正する方法の説明図である。 この発明の実施の形態7に係る車両用操舵装置の全体構成を示す概要図である。 この発明の実施の形態7における電流制御手段の故障を検出する方法の説明図である。
符号の説明
1 ハンドル
2 電気的制御自在な副操舵角重畳機構
3 操向車輪の転舵機構
5 操向車輪
6 ハンドル角検出手段
7 目標副舵角設定手段
8 伝達特性設定手段
9 車両走行状態」
10 副操舵角検出手段
11 目標電流設定手段
12 電流制御手段
1203 電流検出手段
13 目標操向角設定手段
14 操向角検出手段
15 目標副操舵角補正手段
16 車両走行状態補正手段

Claims (16)

  1. 運転者が操作するハンドルと、電動モータによって制御自在な副操舵角重畳機構により操向車輪を操舵する操舵機構を備えた車両の操舵装置において、
    車両の走行状態に応じて、前記ハンドルの操舵角と前記操向車輪の操向角の伝達特性を設定する伝達特性設定手段と、前記運転者のハンドル操舵角を検出するハンドル角検出手段と、前記副操舵角重畳機構により操舵される副操舵角を検出する副操舵角検出手段と、前記ハンドル角検出手段の出力と前記伝達特性設定手段によって設定された伝達特性から、前記副操舵角重畳機構により付加される目標副操舵角を生成し、前記目標副操舵角と前記副操舵角検出手段の出力が一致するよう、前記副操舵角重畳機構を駆動制御する駆動制御手段を備え、
    前記駆動制御手段は、前記目標副操舵角と前記副操舵角検出手段の出力との角度偏差から、前記電動モータへの目標駆動電流を設定する目標電流設定手段と、
    前記電動モータに流れる電流を検出する電流検出手段を有し、該電流検出手段の出力が前記目標電流設定手段の設定電流と一致するよう電動モータへの電流を制御する電流制御手段とを具備したことを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 前記目標電流設定手段は、少なくとも前記目標副操舵角と前記副操舵角検出手段の出力との偏差に所定のゲインを乗じる比例制御手段と、前記偏差を微分した値に所定のゲインを乗じる微分制御手段とを含み、前記比例制御手段と前記微分制御手段の出力によって前記目標駆動電流を算出することを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵装置。
  3. 前記目標電流設定手段は、さらに前記目標副操舵角と前記副操舵角検出手段の出力との偏差を積分した値に所定のゲインを乗じる積分制御手段を含み、前記比例制御手段と、前記微分制御手段と、前記積分制御手段の出力によって前記目標駆動電流を算出することを特徴とする請求項2に記載の車両用操舵装置。
  4. 前記目標駆動電流と前記電流検出手段の出力との偏差に基づいて、前記目標副操舵角を補正する目標副操舵角補正手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の操舵装置。
  5. 前記電動モータの回転速度を検出する速度検出手段と、前記電動モータへの最大印加電圧を検出する手段を具備し、前記電動モータの回転数と前記最大印加電圧に基づいて、前記目標副操舵角を補正する目標副操舵角補正手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の操舵装置。
    車両用操舵装置。
  6. 運転者が操作するハンドルと、電動モータによって制御自在な副操舵角重畳機構により操向輪を操舵する操舵機構を備えた車両の操舵装置において、
    車両の走行状態に応じて、前記ハンドルの操舵角と前記操向車輪の操向角の伝達特性を設定する伝達特性設定手段と、前記運転者のハンドル操舵角を検出するハンドル角検出手段と、前記操向車輪の操向角を検出する操向角検出手段と、前記ハンドル角検出手段の出力と前記伝達特性設定手段によって設定された伝達特性から、前記副操舵角重畳機構により付加される目標操向角を生成し、前記目標操向角と前記操向角検出手段の出力が一致するよう、前記副操舵角重畳機構を駆動制御する駆動制御手段を備え、
    前記駆動制御手段は、前記目標操向角と前記操向角検出手段の出力との角度偏差から、前記電動モータへの目標駆動電流を設定する目標電流設定手段と、
    前記電動モータに流れる電流を検出する電流検出手段を有し、該電流検出手段の出力が前記目標電流設定手段の設定電流と一致するよう電動モータへの電流を制御する電流制御手段とを具備したことを特徴とする車両用操舵装置。
  7. 前記目標電流設定手段は、少なくとも前記目標操向角と前記操向角検出手段の出力との偏差に所定のゲインを乗じる比例制御手段と、前記偏差を微分した値に所定のゲインを乗じる微分制御手段とを含み、前記比例制御手段と前記微分制御手段の出力によって前記目標駆動電流を算出することを特徴とする請求項6に記載の車両用操舵装置。
  8. 前記目標電流制御手段は、さらに前記目標操向角と前記操向角検出手段の出力との偏差を積分した値に所定のゲインを乗じる積分制御手段を含み、前記比例制御手段と、前記微分制御手段と、前記積分制御手段の出力によって前記目標駆動電流を算出することを特徴とする請求項7に記載の車両用操舵装置。
  9. 前記目標駆動電流と前記電流検出手段の出力との偏差に基づいて、前記目標操向角を補正する目標操向角補正手段を備えたことを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
  10. 前記電動モータの回転速度を検出する速度検出手段と、前記電動モータへの最大印加電圧を検出する手段を具備し、前記電動モータの回転数と、前記最大印加電圧に基づいて、前記目標操向角を補正する目標操向角補正手段を備えたことを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
  11. 前記ハンドルが切り増し方向に操舵されている状態において、前記目標駆動電流と前記電流検出手段の出力との偏差が小となるよう、車両の走行状態を補正する車両走行状態補正手段を備え、前記車両走行状態補正手段によって補正された車両走行状態を用いて、前記伝達特性を設定することを特徴とする請求項1〜請求項3及び請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
  12. 前記ハンドルが切り増し方向に操舵されている状態において、前記電動モータの回転速度を検出する手段と、前記電動モータへの最大印加電圧を検出する手段とを具備し、前記電動モータの回転数と、前記最大印加電圧を用いて、車両の走行状態を補正する車両走行状態補正手段を備え、前記車両走行状態補正手段によって補正された車両走行状態を用いて、前記伝達特性を設定することを特徴とする請求項1〜請求項3及び請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
  13. 前記電流制御手段は、前記電動モータの回転に伴う逆起電圧を推定する逆起電圧推定手段を備え、前記電動モータへの駆動電圧を前記逆起電圧推定手段の出力を用いて補償することを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
  14. 前記目標駆動電流と前記電流検出手段の検出電流との偏差により電流制御系の故障を判定する電流制御監視手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
  15. 前記電動モータへ印加している電圧から該電動モータの逆起電圧の影響を差し引いた電動モータの駆動電圧を演算し、この駆動電圧と、前記電流検出手段の出力との相関関係から電流制御系の故障を判定する電流制御監視手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
  16. 前記電流制御手段の制御周期が、前記目標駆動電流設定手段の制御周期より短い事を特徴とする請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
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