JP3640178B2 - 鋳造品の成形方法と鋳造品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸方向に長尺な通路を有する鋳造品の成形方法と、この成形方法により成形された鋳造品に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、最近のオイルパンは、車両の軽量化等の要請からアルミニウムあるいはアルミニウム合金製の鋳造品であるが、このオイルパンの中には、オイル溜りとオイルポンプが離れているものがある。この場合、オイル溜りとオイルポンプを連通する長尺なオイル通路をオイルパンの内部に形成している。外部にパイプを配置すると、部品点数の増加等を来たすからである。
【0003】
このようなオイルパンを鋳造成形するには、長尺なオイル通路の形成が問題となるが、従来から行なわれている成形方法では、まず、同じ長さ同じ先端断面積を有し、抜き勾配が形成された鋳抜きピンを鋳型の両側からそれぞれ挿入し、鋳型のほぼ中央部分で各先端面が突き合わされるように設置し、注湯後、型開きする際にこれを引抜き、鋳造品に長尺な鋳抜き孔を形成する。1本の鋳抜きピンを使用すると、鋳抜きピン自体が長尺になり、精度上あるいは耐久性等の点で問題があるからである。
【0004】
そして、鋳抜き孔に対し機械加工を施し、オイル通路を形成する。ただし、鋳抜きピンの先端面が常に完全に密着した状態でない場合、例えば、両鋳抜きピンの先端面が注湯時に離間したり、鋳抜きピンの設置作業時に先端面相互間でズレを生じた場合には、両先端面の隙間やズレ部分に湯が入り込み、鋳抜き孔には、薄膜の仕切り壁や段差などが生じるので、オイル通路を形成するには、鋳抜き孔にドリルなどを通して機械加工を行ない、仕切り壁や段差を除くと共に所定内径のオイル通路に仕上げている。
【0005】
前記段差などの発生は、鋳抜きピンの長さが長いほど顕著であるが、これは、軸角度の誤差が先端面での中心のズレ量に大きく影響するからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記薄膜からなる仕切り壁は、前記機械加工により簡単に除去できるが、段差やあるいは変形仕切り壁等の場合は、機械加工時にドリルが片当りしたり、刃先がスラスト方向の反力を受けることになり、ドリルの摩耗が早まり、場合によっては損傷の虞もある。
【0007】
例えば、図7に示すように、突き合わされた両鋳抜きピンの先端面相互にズレがあるために、一方の鋳抜きピンにより形成された鋳抜き孔T1と他方の鋳抜きピンにより形成された鋳抜き孔T2の軸線がズレ量xを有し、ここに段差Kが生じているとき、ドリル等の刃物Cにより機械加工を施すと、刃物Cは、図上先端右肩部分(斜線部分)のみが片当りし、また、図中矢印で示すスラスト荷重を受けることになり、摩耗が早く、損傷の虞がある。
【0008】
また、鋳抜きピン先端面のズレ量xを小さくするため、慎重に鋳型製作し鋳抜きピンを突き合わせると、鋳型の製作精度は高まるが、鋳型製作時間が長く掛かり、コスト的には好ましくない。
【0009】
さらに、前記オイル通路は、所定量のオイルが流れるならば、外径の大きな鋳抜きピンを使用してもよいが、オイル通路の外径あるいは外部形状が大きくなると、周辺の部品、例えば、クランクシャフトのカウンターウェイトなどの周辺部品との間の隙間乃至離間距離が小さくなり、該周辺部品の配置の自由度が狭められるという問題も生じる。
【0010】
本発明は、上述した従来の課題を解決し、2本の鋳抜きピンを用いて鋳抜き孔を形成しても、後の機械加工が容易で、刃物の損傷などもなく簡単に所定の内径を有する通路を形成でき、鋳型製作も短時間にでき、コスト的にも有利で、しかも周辺部品の配置の自由度を損なうことなく、内部を流通する流体の抵抗も最小限にできる鋳造品の成形方法と鋳造品を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記する手段により達成される。
【0012】
(1)第1鋳抜きピンと第2鋳抜きピンを、各先端面が突き合わされた状態で型内に設け、鋳造成形後型開きの際に前記各鋳抜きピンを引抜くことにより形成され鋳抜き孔を通路として使用する鋳造品の成形方法において、前記第1鋳抜きピンと第2鋳抜きピンの内、いずれか一方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔が、いずれか他方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔を内包する大きさとなるように成形した後、機械工具を前記他方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔側から挿入し、該鋳抜き孔よりも大きな内径の前記一方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔側に進出させて両鋳抜き孔を貫通させることを特徴とする鋳造品の成形方法。
【0013】
(2)前記一方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔の大きさは、前記一方の鋳抜きピンと他方の鋳抜きピンとの誤差による位置ズレ量分だけ他方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔よりも大きく形成した前記(1)の鋳造品の成形方法。
【0015】
(3)第1鋳抜きピンと第2鋳抜きピンを突き合わせて鋳造を行ない、前記各鋳抜きピンを引抜き各鋳抜きピンによりそれぞれ形成された鋳抜き孔を貫通させた状態で通路として使用する鋳造品において、前記第1鋳抜きピンと第2鋳抜きピンの内、いずれか一方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔が、いずれか他方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔を内包するよう大きく形成し、前記他方の鋳抜きピンにより形成された鋳抜き孔側から、該鋳抜き孔よりも大きな内径の前記一方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔側に向けて両鋳抜き孔を貫通させたことを特徴とする鋳造品。
【0016】
)前記鋳抜き孔を、流体通路として使用するとき、前記他方の鋳抜き孔側から流体を供給し、該鋳抜き孔よりも内径の大きな前記一方の鋳抜き孔側に流出させるようにしたことを特徴とする鋳造品。
【0017】
請求項1,の発明では、一方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔が他方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔を内包する大きさに成形したので、仮に両鋳抜きピンの先端面間で壁等が生じても、この壁等を除去する機械加工の刃物を細い通路に沿って送りを掛けると、片当りや損傷を受けることなく、必要な断面積を有する通路を形成できる。
【0018】
また、一方の鋳抜きピンの大きな先端面に他方の鋳抜きピンを突き当てればよいので、鋳抜きピンの設置が迅速かつ容易となり、鋳型製作も短時間にでき、コスト的にも有利となる。
【0019】
しかも、通路外形が大きくなるのは一方の鋳抜きピン側のみであり、周辺部品を近接配置する場合でもその自由度が大きく狭められる虞が少ない。
特に、機械工具を小さな鋳抜き孔側から挿入し、大きな内径の鋳抜き孔側に進出して貫通するので、仮に両鋳抜きピンの先端面間で壁や段差が生じても、刃物を通路の細い側から入れ、当該鋳抜き孔の軸線に沿って移動しつつ細い通路に沿って送りを掛けると、片当りや損傷を受けることなく、確実に壁や段差を除去でき、必要な断面積を有する通路を形成できる。加えて、孔加工作業が短くて済む
【0020】
請求項2の発明では、一方の鋳抜き孔の大きさを他方の鋳抜き孔よりも両鋳抜きピンのズレ量を加味した大きさとしたので、鋳抜きピンの設置が迅速かつ容易にでき、鋳型製作も短時間にでき、コスト的にも有利となる。
【0022】
請求項の発明では、鋳抜き孔を流体通路として使用するとき、流体の流れ方向の上流側部分の軸直角断面積が下流側部分より小さくすれば、断面積の変化による流れ抵抗を最小限にでき、また、機械加工工具を上流側部分となる鋳抜き孔の端部から挿入しかつ当該鋳抜き孔の軸線に沿って移動しつつ機械加工すれば、簡単にかつ短い孔加工作業で所定の軸直角断面積を有する通路を形成できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
図1は本発明の実施形態により成形される鋳造品を示す概略平面図、図2は図1の2−2線に沿う断面図、図3は第1鋳抜きピンと第2鋳抜きピンの側面図である。
【0025】
本実施形態に係る成形方法の鋳造品としては、図1,2に示すようなオイルパン1がある。このオイルパン1は、シリンダブロック(図示せず)の下部に設けられるが、ここでは、上部部材2と下部部材3とから構成され、両者をボルトなどにより締結している。
【0026】
上部部材2は、環状周壁4の上面にシリンダブロックと連結するためのねじ孔5及びシール溝(図示せず)が設けられ、該環状周壁4の直状部に沿ってオイル通路6が設けられている。
【0027】
このオイル通路6は、一側の環状周壁4から他側の環状周壁4に向けて貫通して設けられ、両端は開放端とされているが、この開放端は、図2に示すように、後に栓体7,8により封止される。
【0028】
このオイル通路6の内部は、大径通路9と小径通路10が形成されているが、大径通路9の長さは、周辺部品との間の隙間を確保する点から決定される。
【0029】
ここにおいて、オイルパン1は、エンジンのシリンダブロックと連結されたとき、オイル通路6の直上部にクランクシャフトが位置することになるが、オイル通路6とクランクシャフトのカウンターウェイトとの間は僅かな隙間が存在しているのみであるため、オイル通路6の外形は、この隙間が極力小さくならないようにしなければならない。したがって、大径通路9の長さは、周辺部品との関係から決定される。
【0030】
この大径通路9の左端部位には、パイプ部12が、小径通路10の右端部位には、パイプ部17がそれぞれオイル通路6と一体に設けられている。前記パイプ部12はオイルポンプ11と連通され、パイプ部17は前記下部部材3内のオイル溜り15に浸漬されたストレーナ16と連設される。
【0031】
なお、このオイルポンプ11は、オイル溜り15内のオイルを、ストレーナ16を介してエンジンEに供給するが、エンジンEを潤滑したオイルは、前記上部部材2の傾斜底部2a上に落下し、オイル溜り15に戻される。
【0032】
このように構成されたオイル通路6を有する部品を鋳造により成形するには、まず下孔を形成した後に、これに機械加工を施すことにより所定断面積の通路とする。この通路形成には、通路内側は流量を確保する点から、通路外側は周辺部品との関係注意して行なう必要がある
【0033】
オイル通路用の下孔を形成するには、図3に示す2本の鋳抜きピンP1,P2を使用する。これを鋳型(図示せず)内に設置し、注湯した後、型開きするときに引抜き、鋳抜き孔を形成する。
【0034】
第1鋳抜きピンP1及び第2鋳抜きピンP2は、基端部から先端部に向かって軸直角断面積S1,S2が次第に小さくなるように先細形状とされ、いわゆる抜き勾配が形成されている。
【0035】
特に、本実施形態では、両鋳抜きピンP1,P2の先端面21,22の大きさA1,A2は、両先端面21,22が突き合わされた場合に、第1鋳抜きピンP1の先端面21が第2鋳抜きピンP2の先端面22を内包する大きさ、つまり、太い第1鋳抜きピンP1により形成される鋳抜き孔T1が細い第2鋳抜きピンP2により形成される鋳抜き孔T2を内包する大きさとする。
【0036】
この内包する大きさは、第1鋳抜きピンP1の先端面21の直径D1は、第2鋳抜きピンP2の先端面22の直径D2と、この第2鋳抜きピンP2のズレ量x分を考慮して決定する。つまり、第2鋳抜きピンP2を鋳型に設置する場合に多少のズレがあっても、第1鋳抜きピンP1の先端面21の範囲内に存在し、第2鋳抜きピンP2の先端面22が確実に第1鋳抜きピンP1の先端面に当接するようにする。
【0037】
さらに詳述する。図4は両鋳抜きピンP1,P2の先端面21,22を突き合わせた状態の説明図で、(A)は両鋳抜きピンP1,P2の先端面21,22の中心O1,O2が一致している状態を、(B)は第2鋳抜きピンP2の先端面22の中心O2が第1鋳抜きピンP1の先端面21の中心O1と不一致である状態をそれぞれ示しており、図5は鋳造品Wの機械加工状態を示す断面図で、(A)は中心O1,O2が一致している場合の鋳造品Wを、(B)は中心O1,O2が不一致の鋳造品Wの要部を示している。
【0038】
図4(A)に示すように、両鋳抜きピンP1,P2の先端面21,22の中心O1,O2が一致していると、仮に両鋳抜きピンP1,P2の先端面21,22間が離間しても、鋳造品Wの鋳抜き孔T1,T2間には仕切り壁Kが生じるのみである。
【0039】
この仕切り壁Kは、図5(A)に示すように、小径の鋳抜き孔T2側から機械加工の刃物Cを入れ、鋳抜き孔の軸線に沿って送りを掛けると、刃物Cは、片当りや損傷を受けることなく、必要な断面積を有する小径の鋳抜き孔孔T2を形成することができる。
【0040】
また、図4(B)に示すように、両鋳抜きピンP1,P2の先端面21,22の中心O1,O2が不一致で、両中心O1,O2にズレ量xがあると、鋳抜き孔T1,T2間に段差あるいは変形壁Kが生じる。しかし、第2鋳抜きピンP2の先端面22が第1鋳抜きピンP1の先端面21に内包されていると、鋳抜き孔T1,T2間での段差あるいは変形壁Kは、図5(B)に示すように、刃物Cを、細い鋳抜き孔T2側から入れ、当該鋳抜き孔T2の軸線に沿って送りを掛け、太い鋳抜き孔T1側に進出させて両鋳抜き孔孔T1,T2を貫通させると、片当りや損傷を受けることはなく確実に除去でき、必要な断面積を有する小径の鋳抜き孔孔T2を形成することができる。
【0041】
図4(B)は、第1鋳抜きピンP1の先端面21の範囲内でズレの限界状態を示している。破線部分は、第2鋳抜きピンP2の中心O2の限界的ズレ範囲であるが、このような限界的ズレ範囲内であれば、前述の確実に太い鋳抜き孔T1側と連通する状態になる。
【0042】
ここに、第2鋳抜きピンP2のズレ量xは、実験によれば、正常な製品を得るためには、大きくても第2鋳抜きピンP2の軸方向長さL2の±1.0%程度であることが判明している。例えば、第2鋳抜きピンP2の軸方向長さL2が300mmの場合、±2mm程度の芯ズレ量であれば、十分許容できる精度である。
【0043】
したがって、第1鋳抜きピンP1の先端面21の大きさA1は、第2鋳抜きピンP2の先端面22の軸直角断面積をA2とした場合、第2鋳抜きピンP2の先端の最大ズレ量を加味し、A1=A2+π(D2±0.01×L22/4
程度とすることが好ましい。
【0044】
なお、第1鋳抜きピンP1は、前記大径の鋳抜き孔T1を形成し、第2鋳抜きピンP2は、前記小径の鋳抜き孔T2を形成することになるが、この各鋳抜きピンP1,P2の軸方向長さL1,L2は、前記周辺部品であるカウンターウェイトとの間の隙間が所定値確保できるように決定されている。ただし、各鋳抜きピンP1,P2の軸方向長さL1,L2を加えた長さ(L1+L2)は、オイル通路6の全長Lであるが、引抜き時の作業性を考慮して全長Lより多少長くしてもよい。
【0045】
このようにして前記オイル通路6を有する鋳造品Wを形成することができるが、所定流量のオイルを確保するには、最も小さな軸直角断面積を有する第2鋳抜きピンP2の先端部分に対応する部分の軸直角断面積を、機械加工により所定流量に必要とされる最小限の面積以上に仕上げる。
【0046】
また、オイル通路においては、管路の損失抵抗が通路径の変化により異なることから、この点を考慮することも重要である。つまり、オイルの流れ方向に対し、例えば小径の通路10が上流側に位置する拡大管路か下流側に位置する縮小管路かによりオイル通路の損失抵抗が異なることから、大径又は小径の通路9,10がオイルの流れ方向の上流側又は下流側のいずれに位置するかという位置関係も重要となる。結論的には、小径通路10が、オイルの流れ方向において上流側に位置することが好ましい。
【0047】
以下、理由を説明する。まず、直管の損失抵抗(ΔP)は、一般に次の式で与えられる。
【0048】
ΔP=λ×Lρv2/2d・・・・・・・・(1)
ここに、λ;管摩擦係数、L;管路長さ、ρ;流体密度、v;流速、d;管径であり、v=Q/A=Q/(πd2/4)である。
【0049】
したがって、前記(1)式は
ΔP=λ×8LρQ2/π25・・・・・・・・・・・・・・(1)
となる。
【0050】
次に、D1>D2とし、縮小(直径D1から直径D2)管路内を流れる流体の抵抗は、元の径D1管路の相当長さ(Le)に変換することができるが、この長さの変換は、次の式により算出される。
【0051】
Figure 0003640178
ここに、ζ;損失係数(実験的に0.43)、λ;管摩擦係数(実験的に0.08)である。
【0052】
この管路の長さ(Le)を元の管路の長さ(Lt)に加算することで、管路全体の抵抗を算出できる。
【0053】
一方、拡大(直径D2から直径D1)管路内を流れる流体の抵抗も、元の径D2管路の長さに変換することができ、この長さの変換は、次の式により算出される。
【0054】
Le'={1−(D2/D12}/λ×D1・・・・・・・・・(3)
縮小管路と拡大管路の圧力損失を比較する。
【0055】
ここでは、直径D1;40mm、直径D2;35mm、両管の長さL;200mmとする。
【0056】
<縮小管路の場合>
(2)式より
Figure 0003640178
<拡大管路の場合>(3)式より
Figure 0003640178
これら値をそれぞれ前記(1)式に代入してもよいが、より詳細に管路の入口部分及び出口部分に分けて抵抗を求め、これを合算することにより比較する。
【0057】
a)入口管の抵抗+径変化の抵抗は
<縮小管路の場合>
ΔP1=567/405=5.5×10-6
<拡大管路の場合>
ΔP2=303/355=6.0×10-6
b)出口管路の抵抗は
<縮小管路の場合>
ΔP3=200/355=3.8×10-6
<拡大管路の場合>
ΔP4=200/405=2.0×10-6
c)管路の全抵抗は
<縮小管路の場合>
Figure 0003640178
<拡大管路の場合>
Figure 0003640178
この計算値から明らかなように、拡大管路の方が流れ抵抗が小さくなり(約1/1.2倍程度)、管路の損失抵抗からして、オイルの流れ方向上流側に小径通路10を、下流側に大径通路9となるようにすることが好ましいことが分かる。
【0058】
次に、鋳抜きピンP1,P2を用いてオイルパン1を鋳造成形する工程を示すと、図6に示すようになる。
【0059】
まず、鋳型を作る(S1)。例えば、上型と下型からなる型枠内に木型等をセットし、鋳型砂をある程度入れた後に、第1鋳抜きピンP1と第2鋳抜きピンP2をセットする。この場合、両鋳抜きピンP1,P2の各先端面21,22は突き合せた状態とする。そして、鋳型砂をさらに入れるなどして砂型を作る。
【0060】
鋳型作成後、型寸法の検査を行なう(S2)。型寸法が所定寸法であれば鋳造を開始する(S3)。型寸法が所定寸法でなければ型修正をする(S4)。
【0061】
鋳造後、所定時間経過した後に、型開きを行ない、両鋳抜きピンP1,P2を引抜く。
【0062】
ここで、鋳造品Wの寸法検査を行ない(S5)、所定寸法であれば、ドリルなどの刃物Cを用いてオイル通路6の仕切り壁Kあるいはバリなどを除去する仕上げ加工を行なう(S6)。鋳造品Wが所定寸法でなければ、鋳造品Wを排除し、前記ステップに戻り型修正をする。
【0063】
最後に、製品寸法か否かをチェックし、所定寸法であれば、作業を終了する。製品寸法でなければ、製品を排除し、前記ステップに戻り型修正をする。
【0064】
このように2つの鋳抜きピンP1,P2を突き合せることにより仕切り壁や段差Kが生じる鋳造品Wも、機械加工により仕切り壁等を容易にかつ確実に除去でき、簡単に所定内径の通路を有する鋳造品Wに仕上げることができる。
【0065】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変使用することができる。例えば、上記した実施形態では、鋳造品の例をオイルパンとしたため、オイル、つまり流体を流すもののみについての説明であるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、流体が流れない単に通路のみを有する鋳造品に対しても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態により成形される鋳造品を示す概略平面図である。
【図2】 図1の2−2線に沿う断面図である。
【図3】 第1鋳抜きピンと第2鋳抜きピンの側面図である。
【図4】 両鋳抜きピンの先端面を突き合せた状態の説明図で、(A)は両鋳抜きピンの中心が一致している状態を、(B)は中心が不一致の状態を示す。
【図5】 鋳造品のオイル通路内に仕切り壁が生じた状態の鋳造品の断面図で、(A)は中心一致時の鋳造品を、(B)は中心不一致時の鋳造品の要部を示す。
【図6】 本発明による鋳造成形工程を示すフローチャートである。
【図7】 従来の鋳造品を機械加工している状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
21…第1鋳抜きピンの先端面、
22…第2鋳抜きピンの先端面、
1…第1鋳抜きピン、
2…第2鋳抜きピン、
1,T2 …鋳抜き孔、
W…鋳造品、
x…ズレ量。

Claims (4)

  1. 第1鋳抜きピンと第2鋳抜きピンを、各先端面が突き合わされた状態で型内に設け、鋳造成形後型開きの際に前記各鋳抜きピンを引抜くことにより形成され鋳抜き孔を通路として使用する鋳造品の成形方法において、
    前記第1鋳抜きピンと第2鋳抜きピンの内、いずれか一方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔が、いずれか他方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔を内包する大きさとなるように成形した後、機械工具を前記他方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔側から挿入し、該鋳抜き孔よりも大きな内径の前記一方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔側に進出させて両鋳抜き孔を貫通させることを特徴とする鋳造品の成形方法。
  2. 前記一方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔の大きさは、前記一方の鋳抜きピンと他方の鋳抜きピンとの誤差による位置ズレ量分だけ他方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔よりも大きく形成した請求項1に記載の鋳造品の成形方法。
  3. 第1鋳抜きピンと第2鋳抜きピンを突き合わせて鋳造を行ない、前記各鋳抜きピンを引抜き各鋳抜きピンによりそれぞれ形成された鋳抜き孔を貫通させた状態で通路として使用する鋳造品において、
    前記第1鋳抜きピンと第2鋳抜きピンの内、いずれか一方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔が、いずれか他方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔を内包するよう大きく形成し、前記他方の鋳抜きピンにより形成された鋳抜き孔側から、該鋳抜き孔よりも大きな内径の前記一方の鋳抜きピンにより形成される鋳抜き孔側に向けて両鋳抜き孔を貫通させたことを特徴とする鋳造品。
  4. 前記鋳抜き孔を、流体通路として使用するとき、前記他方の鋳抜き孔側から流体を供給し、該鋳抜き孔よりも内径の大きな前記一方の鋳抜き孔側に流出させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の鋳造品。
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