JP2008153585A - 固体電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ニオブ金属により構成される陽極リードと、前記陽極リードに接続された弁作用を有する金属の多孔質体とによって構成される陽極と、前記陽極表面上に設けられた誘電体層とを備える固体電解コンデンサであって、前記陽極リードはシリコンを含有し、その含有量が40ppm以下であることを特徴とする固体電解コンデンサ。
【選択図】図1
Description
図1は本発明の一実施形態による固体電解コンデンサの断面構造図である。図1を参照して、以下に、本発明の一実施形態による固体電解コンデンサの構造について説明する。
ここで、多孔質焼結体1bを構成する弁作用を有する金属としては、絶縁性の酸化膜を形成できる金属材料であり、チタン、タンタル、アルミニウム、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン等を使用することができ、これらの金属粒子を焼結させることによって、多孔質焼結体1bを得ることができる。この中でも、材料としては、酸化物の誘電率が高く、原料の入手が容易なチタン、タンタル、アルミニウム、ニオブが好ましい。特に、酸化物の誘電率が、タンタルの1.5倍程度であるニオブ、あるいはタンタルの2〜3倍程度であるチタンが好ましい。また、陽極リード1aがニオブ製の場合、多孔質焼結体1bとの密着性が向上する点において、陽極リード1aと同一金属であるニオブを用いることが好ましい。
また、多孔質焼結体1bを構成する弁作用を有する金属として、上述の弁作用を有する金属同士の合金を用いることもできる。合金としては、弁作用を有する金属と他の金属等との合金も用いることができるが、その場合には弁作用を有する金属の割合が50%以上であることが望ましい。
なお、前記多孔質焼結体1bは、弁作用を有する金属の多孔質体として用いているものであって、これに代えて、焼結プロセスに寄らないポーラス金属材、三元網状金属材などの多孔質体を用いて本発明を実施することもできる。
次に陽極リード1aと多孔質焼結体1bから構成される陽極1の表面に、弁作用を有する金属の酸化物からなる誘電体層2が形成されている。例えば、弁作用を有する金属が、ニオブ金属から構成される場合には、誘電体層2は酸化ニオブとなる。
誘電体層2は、陽極1をリン酸などの水溶液中において陽極酸化を行うことにより形成する。これにより、陽極1を構成する多孔質焼結体1bの多くの孔の内部においても、弁作用を有する金属表面上に誘電体層2が形成される。誘電体層2の膜厚としては、10nm〜500nmの範囲が好ましい。誘電体層2の膜厚が500nmよりも厚いと、静電容量が低下すると共に、陽極1からの剥離が起こりやすくなる等の不都合が生じる恐れがある。反対に誘電体層2の膜厚が10nmよりも薄いと、耐電圧が低下すると共に、漏れ電流の増大を招く恐れがある。
誘電体層2上には、電解質層として作用するポリピロール等からなる導電性高分子層3が形成され、多孔質焼結体1bの多数の孔の内部にまで導電性高分子層3で充填される。導電性高分子層3の材料としては、導電性を有する高分子材料であれば特に限定されないが、特に導電性に優れたポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン等の材料を用いることができる。
導電性高分子層3上に、カーボンペーストを塗布、乾燥することによりカーボン粒子を含む層からなる第1導電層4と、第1導電層4上に銀ペーストを塗布、乾燥することにより銀粒子を含む層からなる第2導電層5とが形成される。
本方法によれば、シリコンを完全に除去することまでは困難であるが、精錬回数を増やすことで陽極リード1a中のシリコン含有量を20ppm以下にまで低減させることができる。
精錬後、鍛造、線引きを行い直径0.5mmのニオブ製の陽極リード1aを作製する。なお、ニオブ製の陽極リード1aの太さは、実質的にコンデンサの多孔質焼結体が作製でき、多孔質焼結体を機械的に保持できる強度を確保することが必要であり、断面が円形の場合は直径が0.2〜0.8mmであることが望ましく、断面が矩形の場合には断面の対角線の長さが0.2〜0.8mmであることが望ましい。
(実施例1)
ニオブ製陽極リード1aのシリコン含有量の調整は以下のように実施した。まず、純度99.9%、直径0.5mmのニオブ製ワイヤ(スタルク社製:シリコン含有量は600ppm)を連続電子ビーム溶解により精錬した。シリコン含有量は、精錬回数により調整した。
(実施例2)
実施例2では、実施例1のニオブ製の陽極リード1aとして、精錬回数が4回(シリコン含有量は20ppm)の陽極リード1aを用いる以外は、実施例1と同様の固体電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
比較例1では、実施例1のニオブ製の陽極リード1aとして、連続電子ビーム溶解で精錬する前の陽極リード1a(シリコン含有量は600ppm)を用いる以外は、実施例1と同様の固体電解コンデンサを作製した。
(比較例2)
比較例2では、実施例1のニオブ製の陽極リード1aとして、精錬回数が1回(シリコン含有量は100ppm)の陽極リード1aを用いる以外は、実施例1と同様の固体電解コンデンサを作製した。
(比較例3)
比較例3では、実施例1のニオブ製の陽極リード1aとして、精錬回数が2回(シリコン含有量は60ppm)の陽極リード1aを用いる以外は、実施例1と同様の固体電解コンデンサを作製した。
次に、実施例および比較例の各固体電解コンデンサについて、直流電源を用いて漏れ電流を測定することによって、その信頼性を評価した。具体的には、3Vの直流電圧を各コンデンサに印加して、5分後の電流値を漏れ電流値とした。これらの結果を表1に示す。なお、表1においては、漏れ電流をCV値で規格化している。CV値とは、コンデンサの静電容量をC、印加電圧をVとした場合にC×Vで与えられる値に対する漏れ電流の値の比である。
表1に示すように、実施例1及び2の固体電解コンデンサの漏れ電流は、CV値で0.1以下となっているが、比較例1〜3の固体電解コンデンサでは、CV値で0.1より大きくなっている。CV値を0.1以下とすることで、ニオブを用いた高容量の固体電解コンデンサにおいても、従来市場に流通している固体電解コンデンサと同等程度の漏れ電流に抑制することができ、信頼性の向上を図ることが可能となる。
さらに、CV値を0.06以下とすることで漏れ電流による悪影響がほとんど発生しない良好なレベルにまでの高い信頼性を得ることができる。
1a 陽極リード
1b 多孔質焼結体
2 誘電体層
3 導電性高分子層
4 第1導電層
5 第2導電層
6 導電性接着剤
7 陰極端子
8 陽極端子
9 モールド外装樹脂
Claims (5)
- ニオブ金属により構成される陽極リードと、
前記陽極リードに接続された弁作用を有する金属の多孔質体とによって構成される陽極と、
前記陽極表面上に設けられた誘電体層とを備える固体電解コンデンサであって、
前記陽極リードはシリコンを含有し、その含有量が40ppm以下であることを特徴とする固体電解コンデンサ。 - 前記陽極リードのシリコン含有量が、20ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記弁作用を有する金属として、ニオブを用いることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記陽極リードの太さが、0.2〜0.8mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の固体電解コンデンサ。
- ニオブを主成分とする基材を精錬して、前記精錬後の基材からシリコン含有量を40ppm以下の陽極リードを形成する工程と、
前記陽極リードと接続するように多孔質体を形成する工程と、
前記陽極リード及び前記多孔質体を陽極酸化して、該表面に誘電体層を形成する工程と、
前記誘電体層上に導電性高分子層を形成する工程と、
を含む固体電解コンデンサの製造方法。
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- 2006-12-20 JP JP2006342577A patent/JP4969233B2/ja not_active Expired - Fee Related
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