JP2008152306A - トナーの製造方法およびトナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のトナーの製造方法は、トナー製造用の原料を含む分散質が、分散媒中に微分散した分散液を、微粒子化して噴射し、固化部内を搬送させつつ固化させて粒状とするものである。本発明においては、前記分散媒は、少なくとも、共沸混合物を形成し得る2種以上の成分を含むものであり、前記分散液の微粒子が固化部内において固化する際に、外添剤を付与することを特徴とする。外添剤は、固化部内における分散液の微粒子の搬送方向とほぼ対向する方向に移動するガス流中に含まれるものである。微粒子化された分散液の平均粒径をDd[μm]、分散液中における分散質の平均粒径をDm[μm]としたとき、Dm/Dd<0.5の関係を満足するのが好ましい。
【選択図】なし
Description
このような電子写真法で用いられるトナーの製造方法としては、粉砕法、重合法が用いられている。
前記分散媒は、少なくとも、共沸混合物を形成し得る2種以上の成分を含むものであり、
前記分散液の微粒子が前記固化部内において固化する際に、外添剤を付与することを特徴とするトナーの製造方法に関する。
これにより、均一な形状を有し、粒度分布の幅の小さいトナーを提供することができる。
前記分散媒は、少なくとも、共沸混合物を形成し得る2種以上の成分を含むものであり、
前記分散液を噴射する際に、微粒子化された前記分散液に外添剤を付与することを特徴とするトナーの製造方法に関する。
これにより、均一な形状を有し、粒度分布の幅の小さいトナーを提供することができる。
前記分散媒は、少なくとも、共沸混合物を形成し得る2種以上の成分を含むものであり、
前記分散液が前記固化部内において固化することにより形成されたトナー母粒子に、外添剤を付与することを特徴とするトナーの製造方法に関する。
これにより、均一な形状を有し、粒度分布の幅の小さいトナーを提供することができる。
これにより、固化部内において、微粒子状の分散液(トナー母粒子)を効率良く搬送することができ、トナーの生産性が向上する。また、微粒子状の分散液から、分散媒を効率良く除去することができる。
これにより、トナーの生産性が向上する。
また、前記外添剤は、前記固化部内における前記分散液の微粒子の搬送方向とほぼ等しい方向に移動するガス流中に含まれるものであるのが好ましい。
これにより、形成されるトナー母粒子内への外添剤の埋没を十分に防止しつつ、トナー母粒子の表面付近に外添剤をより確実に担持させることができる。
また、前記外添剤は、前記固化部内における前記分散液の微粒子の搬送方向とほぼ対向する方向に移動するガス流中に含まれるものであるのが好ましい。
これにより、形成されるトナー母粒子に外添剤をより確実に担持させることができる。
これにより、噴射される分散液の微粒子を、より小さくかつ粒径のばらつきの小さいものとすることができる。その結果、均一な形状を有し、かつ、粒径の小さいトナー粒子を得ることができる。
これにより、噴射される分散液の微粒子を、より小さくかつ粒径のばらつきの小さいものとすることができる。その結果、均一な形状を有し、かつ、粒径の小さいトナー粒子を得ることができる。
また、前記平滑面は傾斜面であるのが好ましい。
これにより、噴射される分散液の微粒子を、より小さくかつ粒径のばらつきの小さいものとすることができる。その結果、均一な形状を有し、かつ、粒径の小さいトナー粒子を得ることができる。
これにより、噴射される分散液の微粒子を、より小さくかつ粒径のばらつきの小さいものとすることができる。その結果、均一な形状を有し、かつ、粒径の小さいトナー粒子を得ることができる。
これにより、得られるトナーは、各粒子間での大きさのばらつきが特に小さなものとなる。
また、複数個の噴射部から、前記微粒子化された前記分散液を噴射するのが好ましい。
これにより、トナーの生産性が向上する。
これにより、隣接する噴射部から吐出された分散液の微粒子同士が、固化する前に衝突し、凝集するのをより効果的に防止することができる。
また、前記分散液を加温した状態で噴射するのが好ましい。
これにより、固化部において分散媒を効率良く除去することができるとともに、分散液の微粒子に含まれる分散質の凝集(融合)を円滑に進行させることができる。
これにより、固化部において分散媒を効率良く除去することができるとともに、分散液の微粒子に含まれる分散質の凝集(融合)を円滑に進行させることができる。
また、前記固化部に、前記分散液と同じ極性の電圧を印加した状態で、前記分散液を噴射するのが好ましい。
これにより、固化部の内面に、分散液、トナー粒子、トナー母粒子等が、付着するのを効果的に防止することができる。
これにより、得られるトナー粒子の円形度(真球度)を十分に高いものとしつつ、トナーの生産性を高めることができる。
また、前記分散液の粘度は、5〜3000[m・Pa・s]であるのが好ましい。
これにより、噴射される分散液の微粒子を、より小さくかつ粒径のばらつきの小さいものとすることができる。その結果、均一な形状を有し、かつ、粒径の小さいトナー粒子を得ることができる。また、これにより、トナーの生産性も向上する。
これにより、得られるトナーは、各粒子間での形状・大きさのばらつきが特に小さいものとなる。
また、前記固化部内の圧力は、0.15MPa以下であるのが好ましい。
これにより、分散液の微粒子から分散媒をより効率良く除去することができる。
これにより、外添剤をトナー母粒子の表面付近に、より確実に担持させることができる。
また、前記分散媒は、水とアルコール系物質とを含むものであるのが好ましい。
これにより、分散液の微粒子から分散媒をより効率良く除去することができるとともに、分散媒の回収性にも優れる。
これにより、分散媒の除去の効率が特に優れたものとなるとともに、除去された分散媒を好適に再利用することができる。
また、前記分散液は、乳化分散剤を含むものであるのが好ましい。
これにより、分散液中における分散質の分散性を向上させることができ、その結果、得られるトナーは、各粒子間での形状・大きさのばらつきが特に小さいものとなる。
これにより、得られるトナー粒子内部に分散媒が残留するのを効果的に防止することができ、結果として、トナーの保存性等が向上し、また定着後の異臭の発生等も好適に防止することができる。
また、前記分散液は、少なくとも樹脂と着色剤とを含む材料を混練して得られた混練物を、前記分散媒中に分散して得られたものであるのが好ましい。
これにより、分散液中における分散質の分散性を特に優れたものとすることができ、結果として、最終的に得られるトナーは、各粒子間で、組成、特性のばらつきが特に小さいものとなる。
これにより、最終的に得られるトナー(トナー粒子)は、円形度が十分に高く、かつ、各粒子間での特性、形状の均一性が特に優れたものとなる。
また、前記分散液中における前記分散質の平均粒径をDm[μm]、製造されるトナー粒子の平均粒径をDt[μm]としたとき、0.005≦Dm/Dt≦0.5の関係を満足するのが好ましい。
これにより、各粒子間での形状、大きさのばらつきが特に小さいトナーを得ることができる。
これにより、トナーの生産性を十分に保持しつつ、得られるトナーの形状、大きさのばらつきを十分に小さいものとすることができる。
また、前記微粒子化された前記分散液の一滴分の容積が0.05〜500plであるのが好ましい。
これにより、適度な粒径のトナー粒子を得ることができる。
これにより、得られるトナー粒子の粒径のバラツキを特に小さいものとすることができる。
これにより、十分に微細で、かつ、円形度が大きく、粒度分布がシャープなトナー粒子を容易に得ることができる。
これにより、分散液中における分散質の分散性をさらに向上させ、かつ、分散質の円形度を高めることができる。その結果、得られるトナー粒子は、円形度が十分に高く、各粒子間での形状、大きさのバラツキが特に小さいものとなる。
これにより、分散液中における分散質の分散性をさらに向上させ、かつ、分散質の円形度を高めることができる。その結果、得られるトナー粒子は、円形度が十分に高く、各粒子間での形状、大きさのバラツキが特に小さいものとなる。
また、前記樹脂液と前記水性液との混合は、前記水性液中に、前記樹脂液の液滴を滴下することにより行うのが好ましい。
これにより、得られるトナー粒子は、円形度が十分に高く、各粒子間での形状、大きさのバラツキが特に小さいものとなる。
これにより、固化部における分散媒の除去をより効率良く行うことができるとともに、回収された分散媒を好適に再利用することができる。
また、前記溶媒の除去は、加熱により行うのが好ましい。
これにより、溶媒を容易かつ効率良く除去することができる。
前記ブロックポリエステルは、ジオール成分とジカルボン酸成分とを縮合してなる結晶性ブロックと、前記結晶性ブロックより結晶性の低い非晶性ブロックとを有するものであるのが好ましい。
これにより、得られるトナーは、特に機械的ストレスに強く、かつ、幅広い温度領域で十分な定着性(定着強度)を示すものとなる。
これにより、トナー粒子の定着性を十分に確保しつつ、外添剤としての機能をより効果的に発揮させることができる。
また、前記外添剤は、疎水化処理が施されたものであるのが好ましい。
これにより、得られるトナー粒子は、幅広い湿度領域において、特に安定した帯電特性を発揮することができる。また、外添剤がトナー母粒子中に埋没するのをより効果的に防止することができる。
また、前記外添剤の疎水化度は、30〜80[%]であるのが好ましい。
これにより、得られるトナー粒子は、幅広い湿度領域において、特に安定した帯電特性を発揮することができる。また、外添剤がトナー母粒子中に埋没するのをより効果的に防止することができる。
これにより、均一な形状を有し、粒度分布の幅の小さいトナーが得られる。
また、本発明のトナーは、平均粒径が1〜20μmであるのが好ましい。
これにより、トナーの各粒子間での帯電特性などのばらつきを十分に小さいものとしつつ、トナーにより形成される画像の解像度を十分に高いものとすることができる。
これにより、各粒子間での帯電特性、定着特性等のバラツキが特に小さくなり、トナー全体としての、信頼性がさらに向上する。
また、本発明のトナーは、下記式(I)で表される平均円形度Rが0.91〜0.98であるのが好ましい。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
これにより、トナー粒子の粒径を十分に小さいものとしつつ、トナー粒子の転写効率、機械的強度を特に優れたものとすることができる。
これにより、トナー粒子間での帯電特性、定着特性等のバラツキが特に小さくなり、トナー全体としての、信頼性がさらに向上する。
また、本発明のトナーは、主として、前記分散質が凝集した凝集体で構成されるのが好ましい。
これにより、比較的円形度の大きいトナー粒子を容易に得ることができる。
前記ブロックポリエステルは、ジオール成分とジカルボン酸成分とを縮合してなる結晶性ブロックと、前記結晶性ブロックより結晶性の低い非晶性ブロックとを有するものであるのが好ましい。
これにより、トナーは、特に機械的ストレスに強く、かつ、幅広い温度領域で十分な定着性(定着強度)を示すものとなる。
これにより、トナーの物理的安定性が特に優れたものになる。また、これにより、外添剤をトナー母粒子の表面付近に確実に担持することができるため、外添剤の含有量が比較的少ない場合であっても、外添剤としての機能を十分に発揮させることができる。
また、前記結晶の平均長さが10〜1000nmであるのが好ましい。
これにより、トナーの物理的安定性が特に優れたものになるとともに、外添剤をトナー母粒子の表面付近により確実に担持することが可能となる。
また、本発明のトナーは、前記外添剤の含有量が0.1〜5.0wt%であるのが好ましい。
これにより、トナー母粒子の機能を損なうことなく、外添剤の機能を十分に発揮させることができる。
図1は、分散液の調製に用いる混練物を製造するための混練機、冷却機の構成の一例を模式的に示す縦断面図、図2は、ブロックポリエステルについて示差走査熱量分析を行ったときに得られる、ブロックポリエステルの融点付近での示差走査熱量分析曲線のモデル図、図3は、軟化点解析用フローチャート、図4は、本発明のトナーの製造に用いられるトナー製造装置の第1実施形態を模式的に示す縦断面図、図5は、微粒子として噴射された分散液とトナー母粒子と、トナー粒子との大きさの関係を模式的に示す図、図6は、分散液を微粒子として噴射するノズルの好適な実施形態を示す断面図、図7、図8および図9は、分散液を微粒子として噴射するノズルの他の実施形態を示す断面図、図10は、図9に示すノズルの要部拡大断面図、図11は、図10に示すノズルの内側中間リング先端部分を示す拡大断面図、図12は、分散液を微粒子として噴射するノズルの他の実施形態を示す断面図、図13は、図12に示すノズルの要部拡大断面図、図14は、図12に示すノズルの内側中間リング先端部分を示す拡大断面図、図15は、分散液を微粒子として噴射するノズルの他の実施形態を示す断面図、図16は、図15に示すガス剥離凹部の平面図、図17は、分散液を微粒子として噴射するノズルの他の実施形態を示す断面図、図18は、トナー中に含まれるトナー粒子から遊離した酸化チタンの量を測定する方法を説明するための図である。以下、図1中、左側を「基端」、右側を「先端」として説明する。
まず、本発明で用いる分散液3について説明する。本発明のトナーは、分散液3を用いて製造されるものである。分散液3は、分散媒32中に分散質(分散相)31が微分散した構成となっている。
分散媒32は、後述する分散質31を分散可能なものである。
特に、本発明では、分散媒として、少なくとも、共沸混合物(最低沸点共沸混合物)を形成し得る2種以上の成分を含むものを用いる点に特徴を有する。これにより、後述するトナー製造装置の固化部等において、分散媒32を効率良く除去することが可能となる。また、後述するトナー製造装置の固化部等において、比較的低い温度で分散媒32を除去することが可能となり、得られるトナー粒子4の特性の劣化をより効果的に防止できる。
水系の共沸混合物において、水と共沸混合物を形成し得る成分としては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、シクロヘキサノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン系物質、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−メトキシエタノール、アリルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール等のアルコール系物質、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,4−ジオキサン、アニソール、2−メトキシエタノール等のエーテル系物質、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、四塩化炭素、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸ブチル、クロロ酢酸イソブチル等のハロゲン化物、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン、フルフリルアルコール、クロロベンゼン、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、アニリン、フェノール、アニソール、安息香酸エチル等の芳香族系物質、アセチルアセトン、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソペンチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸ブチル、クロロ酢酸イソブチル、ギ酸エチル、ギ酸イソブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、酪酸メチル等のエステル系物質、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、トリメチルアミン、ヘキシルアミン、トリエチルアミン、アニリン等のアミン系物質、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ジデカン、メチルシクロヘキセン、イソプレン等の炭化水素系物質、メチルシクロヘキセン、イソプレン、アリルアルコール、アクリロニトリル等のアルケン系(オレフィン)物質、アクリロニトリル、アセトニトリル等のニトリル系物質、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系物質、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、アクリルアルデヒド等のアクリル系物質や二硫化炭素等が挙げられる。
ところで、共沸混合物としては、2種の成分からなる(2種の成分のみの組合せで共沸混合物を形成し得る)2成分系の共沸混合物と、3種以上の成分からなる(2種の成分のみの組合せでは共沸混合物を形成し得ない)多成分系の共沸混合物とが挙げられる。
上記の「水と共沸混合物を形成し得る成分」の中でも、特に、水との間で2成分系の共沸混合物を形成し得る成分としては、例えば、アクリルアルデヒド、アクリル酸エチル、アクリロニトリル、アセチルアセトン、アニソール、アニリン、安息香酸エチル、エタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、オクタン、ギ酸、クロロベンゼン、クロロホルム、酢酸エチル、酢酸メチル、四塩化炭素、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、ジデカン、トリメチルアミン、トルエン、ナフタレン、ニトロエタン、ピリジン、フェノール、1−ブタノール、2−ブタノール、フルフリルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ヘキサノール、ヘキサン、ヘキシルアミン、1−ヘプタノール、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ベンゼン、1−ペンタノール、2−ペンタノール、メタクリル酸メチル、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、酪酸メチル等が挙げられる。
また、水との間で3成分系の共沸混合物を形成し得る成分としては、例えば、アセトン、イソプレン、二硫化炭素、アセトニトリル、ベンゼン、アリルアルコール、ヘキサン、イソブチルアルコール、ギ酸イソブチル、クロロ酢酸イソブチル、酢酸イソブチル、ジブチルエーテル、エタノール、クロロ酢酸エチル、酢酸エチル、トリエチルアミン、メチルシクロヘキサン、エチルメチルケトン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、ニトロメタン、オクタン、1−ブタノール、クロロ酢酸ブチル、2−ブタノール、へプタン、t−ブチルアルコール、シクロヘキサン、1−プロパノール、ジプロピルエーテル、2−プロパノール、酢酸イソプロピル、3−メチル−1−ブタノール、酢酸イソペンチル、2−メトキシエタノール、エチルベンゼン等が挙げられる。
特に、本発明においては、分散媒32は、上記のような共沸混合物の中でも、水系の共沸混合物の構成成分を含むものであるのが好ましい。
分散質31は、通常、少なくとも、主成分としての樹脂(または樹脂の前駆体)を含む材料で構成されている。
以下、分散質31の構成材料について説明する。
樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、樹脂としては、ポリエステル系樹脂を含むものが特に好ましい。これにより、最終的に得られるトナーの弾性率、帯電性等の特性を、比較的容易に制御することができる。
アルコール成分としては、2個以上の水酸基を有するものを用いることができ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状ジオール類、またはポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の環状ジオール類、またはソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の水酸基を3個以上有する多価アルコール類等が挙げられる。
なお、ポリエステル系樹脂は、上記のようなアルコール成分、カルボン酸成分以外の成分を含むものであってもよい。
非架橋型ポリエステルは、前述したモノマー成分の中でも、アルコール成分として水酸基を2個有するジオール成分を用い、カルボン酸成分として2価のジカルボン酸成分を用いることにより容易に得ることができる。
1−1.架橋型ポリエステルと非架橋型ポリエステル
1−1−1.架橋型ポリエステル
架橋型ポリエステルは、架橋構造を有している。このため、架橋型ポリエステルは、一般に、三次元の架橋構造を有するため、応力に対する安定性に優れている。このため、架橋型ポリエステルは、トナー全体としての強度を向上させるのに寄与する。したがって、架橋型ポリエステルが含まれることにより、トナーは、機械的ストレスに強く、耐久性、耐オフセット性に優れたものとなる。
架橋型ポリエステルを構成するアルコール成分としては、2個以上の水酸基を有するものを用いることができ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状ジオール類、またはポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の環状ジオール類、またはソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の水酸基を3個以上有する多価アルコール類等が挙げられる。
なお、架橋型ポリエステルは、上記のようなアルコール成分、カルボン酸成分以外の成分を含むものであってもよい。
非架橋型ポリエステルは、一般に摩擦係数が小さい。したがって、非架橋型ポリエステルを用いることにより、特に優れた離型性、転写効率のトナーを得ることができる。
前述したように、非架橋型ポリエステルは、前述したモノマー成分の中でも、アルコール成分として水酸基を2個有するジオール成分を用い、カルボン酸成分として2価のジカルボン酸成分を用いることにより好適に得ることができる。
非架橋型ポリエステルを構成する2個の水酸基を有するジオール成分としては、例えば、芳香環構造を有する芳香族ジオールや、芳香環構造を有さない脂肪族ジオール等が挙げられる。芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等)等が挙げられ、また、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状ジオール類、または2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の環状ジオール類等が挙げられる。
なお、非架橋型ポリエステルは、上記のようなアルコール成分、カルボン酸成分以外の成分を含むものであってもよい。
なお、軟化点T1/2は、例えば、前述したような方法により求めることができる。
また、上述した架橋型ポリエステルと非架橋型ポリエステルとを組み合わせて用いる場合であっても、さらに、樹脂成分(バインダー樹脂)として、これら以外の成分(第3の樹脂成分)を併用してもよい。
1−2−1.ブロックポリエステル
ブロックポリエステルは、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮合してなる結晶性ブロックと、前記結晶性ブロックより結晶性の低い非晶性ブロックとを有するブロック共重合体で構成されたものである。
結晶性ブロックは、非晶性ブロックや非晶性ポリエステルに比べて、高い結晶性を有している。すなわち、分子配列構造が、非晶性ブロックや非晶性ポリエステルに比べて強固で安定したものである。このため、結晶性ブロックは、トナー全体としての強度を向上させるのに寄与する。その結果、最終的に得られるトナーは、機械的ストレスに強く、耐久性、保存性に優れたものとなる。
一方、結晶性ブロックは、上述したように、結晶性の高いものである。したがって、結晶性ブロックは、ブロックポリエステルにシャープメルト性を付与する機能を有する。このため、最終的に得られるトナーは、後述する非晶性ポリエステルが十分に軟化するような、比較的高い温度(ブロックポリエステルの融点付近の温度)においても、優れた形状の安定性を保持することができる。したがって、このようなブロックポリエステルを用いた場合には、幅広い温度領域で十分な定着性(定着強度)を発揮することができる。
また、このような結晶性ブロックを有することにより、トナー中に、高硬度で適度な大きさの結晶を析出させることができる。このような結晶が存在すると、トナーの形状の安定性が特に優れたものとなり、機械的ストレスに対し、特に優れた安定性を示すものとなる。また、このような結晶がトナー中に存在すると、後述するような外添剤2が、トナー粒子(トナー母粒子)の表面付近に、より確実に保持されることとなり(外添剤2がトナー母粒子中に埋没するのを効果的に防止することができ)、外添剤が有する機能(例えば、優れた流動性、帯電性の付与等の効果)を十分に発揮させることができる。
結晶性ブロックを構成するアルコール成分としては、2個以上の水酸基を有するものを用いることができ、中でも水酸基を2個有するジオール成分であるのが好ましい。このような水酸基を2個有するジオール成分としては、例えば、芳香環構造を有する芳香族ジオールや、芳香環構造を有さない脂肪族ジオール等が挙げられ、芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールAや、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等)等が挙げられ、また、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状ジオール類、または2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の環状ジオール類等が挙げられる。
結晶性ブロックを構成するジオール成分として1,4−ブタンジオールを含む場合、結晶性ブロックを構成するジオールの50mol%以上が1,4−ブタンジオールであるのがより好ましく、その80mol%以上が1,4−ブタンジオールであるのがさらに好ましい。これにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。
なお、結晶ブロックは、上記のようなアルコール成分、カルボン酸成分以外の成分を含むものであってもよい。
非晶性ブロックは、前述した結晶性ブロックに比べて結晶性が低い。また、後述する非晶性ポリエステルも、結晶性ブロックに比べて結晶性が低い。すなわち、非晶性ブロックは、後述する非晶性ポリエステルと同様に、結晶性ブロックに比べて結晶性が低い。
ところで、ブレンド樹脂においては、一般に、結晶性が大きく異なる樹脂同士は相溶し難く、結晶性の差が小さい樹脂同士は相溶し易い。したがって、ブロックポリエステルが非晶性ブロックを有することにより、ブロックポリエステルと、後述する非晶性ポリエステルとの相溶性(分散性)が高まる。その結果、最終的に得られるトナーにおいて、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとが、相分離(特に、マクロ相分離)するのを効果的に防止することができ、ブロックポリエステルの利点と非晶性ポリエステルの利点とを十分かつ安定的に発揮させることができる。
非晶性ブロックを構成するアルコール成分としては、2個以上の水酸基を有するものを用いることができ、中でも水酸基を2個有するジオールであるのが好ましい。このような水酸基を2個有するジオール成分としては、例えば、芳香環構造を有する芳香族ジオールや、芳香環構造を有さない脂肪族ジオール等が挙げられ、芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等)等が挙げられ、また、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状ジオール類、または2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の環状ジオール類等が挙げられる。
また、非晶性ブロックを構成するジオール成分は、少なくともその一部が分岐鎖(側鎖)を有するものであるのが好ましく、その30mol%以上が分岐鎖を有するものであるのがよりに好ましい。これにより、規則配列を抑制し、結晶性を低下させ、透明性も向上するという効果が得られる。
なお、非晶性ブロックは、上記のようなアルコール成分、カルボン酸成分以外の成分を含むものであってもよい。
また、ブロックポリエステルの融点は、後述する非晶性ポリエステルの軟化点より高いのが好ましい。これにより、最終的に得られるトナーの形状の安定性が向上し、機械的ストレスに対し、特に優れた安定性を示すものとなる。
結晶性を表す指標としては、例えば、示差走査熱量分析(DSC)による融点の吸熱ピークの測定を行ったときのピークの中心値をTmp[℃]、ショルダーピーク値をTms[℃]としたときに、ΔT=Tmp−Tmsで表されるΔT値等が挙げられる(図2参照)。このΔT値が小さいほど結晶性が高い。
ブロックポリエステルのΔT値は、50℃以下であるのが好ましく、20℃以下であるのがより好ましい。Tmp[℃]、Tms[℃]の測定条件は特に限定されないが、例えば、試料となるブロックポリエステルを、昇温速度:10℃/分で200℃まで昇温し、さらに、降温速度:10℃/分で降温した後、昇温速度:10℃/分で昇温して測定することができる。
また、ブロックポリエステルは、後述する非晶性ポリエステルより結晶性が高い。したがって、非晶性ポリエステルのΔT値をΔTA[℃]、ブロックポリエステルのΔT値をΔTB[℃]としたとき、ΔTA>ΔTBの関係を満足する。特に、本発明では、ΔTA−ΔTB>10の関係を満足するのが好ましく、ΔTA−ΔTB>30の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、上述した効果はより顕著なものとなる。ただし、非晶性ポリエステルの結晶性が特に低い場合、TmpまたはTmsの少なくとも一方が測定困難(判別困難)であることがある。このような場合、ΔTAは∞[℃]とする。
なお、ブロックポリエステルは、前述した結晶性ブロック、非晶性ブロック以外のブロックを有するものであってもよい。
非晶性ポリエステルは、前述したブロックポリエステルより低い結晶性を有するものである。
非晶性ポリエステルは、主として、トナーを構成する各成分(例えば、後述するような着色剤、ワックス、帯電防止剤等)の分散性や、トナー製造時における混練物の粉砕性、トナーの定着性(特に、低温定着性)、透明性、機械的特性(例えば、弾性、機械的強度等)、帯電性、耐湿性等の機能を向上させるのに寄与する成分である。言い換えると、以下で詳述するような非晶性ポリエステルがトナー中に含まれないと、前記のようなトナーとして求められる特性を十分に発揮するのが困難となる場合がある。
非晶性ポリエステルを構成するアルコール成分としては、2個以上の水酸基を有するものを用いることができ、中でも水酸基を2個有するジオールであるのが好ましい。このような水酸基を2個有するジオール成分としては、例えば、芳香環構造を有する芳香族ジオールや、芳香環構造を有さない脂肪族ジオール等が挙げられる。芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等)等が挙げられ、また、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状ジオール類、または2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の環状ジオール類等が挙げられる。
なお、非晶性ポリエステルは、上記のようなジオール成分、ジカルボン酸成分以外の成分を含むものであってもよい。
なお、軟化点T1/2は、例えば、前述したような方法により求めることができる。
また、非晶性ポリエステルは、非架橋型ポリマー(架橋構造を有さないポリマー)であるのが好ましい。非架橋型ポリマーは、架橋型のものに比べて、摩擦係数が小さい。これにより、特に優れた離型性が得られ、トナーの転写効率がさらに向上する。
また、上述したブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを組み合わせて用いる場合であっても、さらに、樹脂成分(バインダー樹脂)として、これら以外の成分(第3の樹脂成分)を併用してもよい。
分散質31中には、その成分の少なくとも一部を溶解する溶媒が含まれていてもよい。これにより、例えば、分散液3(液滴9)中における分散質31の流動性を高めることができ、分散液3中における分散質31を、粒径が比較的小さく、かつ、大きさのバラツキの小さいものとすることができる。その結果、最終的に得られるトナー粒子4は、粒子間での大きさ、形状のバラツキが小さく、円形度が比較的大きいものとなる。
溶媒としては、分散質31を構成する成分の少なくとも一部を溶解するものであればいかなるものであってもよいが、後述するようなトナー製造装置の固化部等において、容易に除去されるものであるのが好ましい。
また、溶媒の組成は、例えば、前述した樹脂の組成(例えば、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとの配合比率、ブロックポリエステルおよび非晶性ポリエステルの平均分子量、構成モノマー等)や、着色剤の組成、分散媒の組成等に応じて適宜選択することができる。
ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セルシン、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トロプシュワックス等の炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、キャンデリラワックス、綿ロウ、木ロウ、ミツロウ、ラノリン、モンタンワックス、脂肪酸エステル等のエステル系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等のオレフィン系ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド等のアミド系ワックス、ラウロン、ステアロン等のケトン系ワックス、エーテル系ワックス等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
エステル系ワックスは、ポリエステル樹脂と同様に、分子内にエステル構造を有しており、ポリエステル樹脂との相溶性に優れる。このため、最終的に得られるトナー粒子中における遊離ワックスの発生、粗大化を防止することができる(トナー中でのワックスの微分散やミクロ相分離を容易に達成できる)。その結果、最終的に得られるトナーは、定着ローラとの離型性が特に優れたものとなる。
分散液3中における分散剤の含有量は、特に限定されないが、3.0wt%以下であるのが好ましく、0.01〜1.0wt%であるのがより好ましい。
分散助剤は、分散剤と併用するものであるのが好ましい。分散液3が分散剤を含むものである場合、分散液3中における分散助剤の含有量は、特に限定されないが、2.0wt%以下であるのが好ましく、0.005〜0.5wt%であるのがより好ましい。
前記磁性粉末としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料で構成されたもの等が挙げられる。
また、分散液3中には、分散質31以外の成分が、不溶分として分散していてもよい。例えば、分散液3中には、シリカ、酸化チタン、酸化鉄等の無機系微粉末、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の有機系微粉末等が分散していてもよい。
分散液3中における分散質31の平均粒径は、特に限定されないが、0.05〜10μmであるのが好ましく、0.1〜1.0μmであるのがより好ましい。分散質31の平均粒径がこのような範囲の値であると、最終的に得られるトナー粒子4は、十分に円形度が高く、各粒子間での特性、形状の均一性に優れたものとなる。なお、本明細書では、「平均粒径」とは、体積基準の平均粒径のことを指すものとする。
また、分散液3中における分散質31の平均粒径をDm[μm]、トナー粒子4の平均粒径をDt[μm]としたとき、0.005≦Dm/Dt≦0.5の関係を満足するのが好ましく、0.01≦Dm/Dt≦0.2の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、各粒子間での、形状、大きさのバラツキが特に小さいトナーを得ることができる。
これに対し、本発明では、前記のような分散液(均一性の高い分散液)を液滴(微粒子)として噴射し、これを固化させる点に特徴を有する。これにより、得られるトナーは、各粒子間での組成・特性のバラツキが小さく、全体としての信頼性に優れたものとなる。
まず、水および、水との間で共沸混合物を形成し得る成分を含む液体に、必要に応じて分散剤および/または分散媒を添加した水性溶液を用意する。
一方、トナーの主成分となる樹脂またはその前駆体(以下、これらを総称して、「樹脂材料」とも言う)を含む樹脂液を調整する。樹脂液の調製には、例えば、樹脂材料に加えて前述した溶媒を用いてもよい。また、樹脂液は、樹脂材料を加熱することにより得られる溶融した液体であってもよい。
まず、水および、水との間で共沸混合物を形成し得る成分を含む液体に、必要に応じて分散剤および/または分散媒を添加した水性溶液を用意する。
一方、樹脂材料を含む、粉末状または粒状の材料を用意する。
次に、この粉末状または粒状の材料を、攪拌した状態の水性溶液中に、徐々に投入していくことにより、水性の分散媒32中に、樹脂材料を含む分散質31が分散した分散液3が得られる。なお、前記材料を投入する際、例えば、水性溶液を加熱しておいてもよい。
まず、少なくとも樹脂材料を分散してなる樹脂分散液と、少なくとも着色剤を分散してなる着色剤分散液とを調整する。
次に、樹脂分散液と、着色剤分散液とを混合・攪拌する。このとき、必要に応じて、攪拌しながら無機金属塩等の凝集剤を加えてもよい。
所定時間、攪拌することにより、樹脂材料、着色剤等が適度な大きさに凝集した凝集体が形成される。その結果、前記凝集体が分散質31として分散した分散液3が得られる。
混練物K7は、例えば、図1に示すような装置を用いて製造することができる。
[混練工程]
混練に供される原料K5は、前述した各成分が予め混合されたものであるのが好ましい。
本実施形態では、混練機として、2軸混練押出機を用いる構成について説明する。
プロセス部K2は、バレルK21と、バレルK21内に挿入されたスクリューK22、スクリューK23と、バレルK21の先端にヘッド部K3を固定するための固定部材K24とを有している。
プロセス部K2では、スクリューK22、スクリューK23が回転することにより、フィーダーK4から供給された原料K5に剪断力が加えられ、均一な混練物K7が得られる。
また、プロセス部K2は、長手方向に所定の長さを有する第1の領域K25と、該第1の領域K25よりヘッド部K3側に設けられた第2の領域K26とを有する。すなわち、原料K5は、第1の領域K25を通過した後に、第2の領域K26に送り込まれる。
このように、第1の領域K25において、比較的高い温度で原料K5を混練することにより、例えば、バインダー樹脂として2種以上の成分を含むもの(例えば、前述した架橋型ポリエステルと非架橋型ポリエステルとを含むものや、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを含むもの)を用いた場合においても、各成分を十分に相溶化させることができる。
また、第1の領域K25内で、原料温度T1は、均一であっても、部位により異なるものであってもよい。後者の場合、第1の領域K25における原料K5の最高温度が、前記下限値よりも高いことが好ましく、さらに、第1の領域K25における原料K5の最低温度と最高温度とが、上記範囲内にあることがより好ましい。
すなわち、第1の領域K25と第2の領域K26とを上述のように設けることにより、第2の領域K26において、相分離を十分防止しつつ、ブロックポリエステルの結晶化を効率よく進行させることができる。その結果、最終的に得られるトナーは、機械的ストレスに強いものとなる。
また、第2の領域K26内で、原料温度T2は、均一であっても、部位により異なるものであってもよい。後者の場合、第2の領域K26における原料K5の最低温度が、上記範囲内にあることが好ましい。
なお、図示の構成では、第1の領域K25と第2の領域K26との間に、原料温度がT1からT2へ移行する温度移行領域K28が設けられている。
第3の領域K27内での原料温度T3[℃]は、原料中の主たる樹脂の軟化温度(以下、単に「樹脂の軟化温度」ともいう。)未満であることが好ましい。一方、原料温度T3が、樹脂の軟化温度を超えると、原料投入口の温度が高くなり、軟化した樹脂がブリッジをおこし、フィーダーK4も加熱され樹脂がフィーダーK4の出口付近から投入口K41に溶融固着してしまう場合がある。
また、図示の構成では、第1の領域K25と、第2の領域K26と、第3の領域K27とが設けられている構成について説明したが、これ以外の領域が設けられている構成であってもよい。例えば、そのような領域は、第1の領域K25と第2の領域K26との間にあってもよいし、第2の領域K26よりもヘッド部K3側にあってもよい。
プロセス部K2で混練された混練物K7は、スクリューK22とスクリューK23との回転により、ヘッド部K3を介して、混練機K1の外部に押し出される。
ヘッド部K3は、プロセス部K2から混練物K7が送り込まれる内部空間K31と、混練物K7が押し出される押出口K32とを有している。
内部空間K31内での混練物K7の温度(少なくとも押出口K32付近での温度)T4[℃]は、T2より10℃程度、高い温度であるのが好ましい。混練物K7の温度T4が、このような温度であると、混練物K7が内部空間K31で固化せず、押出口K32から押し出しやすくなる。
このような横断面積漸減部K33を有することにより、押出口K32から押し出される混練物K7の押出量が安定し、また、後述する冷却工程における混練物K7の冷却速度が安定する。その結果、これを用いて製造されるトナーは、各トナー粒子間での特性のバラツキが小さいものとなり、全体としての特性に優れたものになる。
ヘッド部K3の押出口K32から押し出された軟化した状態の混練物K7は、冷却機K6により冷却され、固化する。
冷却機K6は、ロールK61、K62、K63、K64と、ベルトK65、66とを有している。
ロールK61、62、63、64は、それぞれ、回転軸K611、K621、K631、K641を中心として、図中e、f、g、hで示す方向に回転する。これにより、混練機K1の押出口K32から押し出された混練物K7は、ベルトK65−ベルトK66間に導入される。ベルトK65−ベルトK66間に導入された混練物K7は、ほぼ均一な厚さの板状となるように成形されつつ、冷却される。冷却された混練物K7は、排出部K67から排出される。ベルトK65、K66は、例えば、水冷、空冷等の方法により、冷却されている。冷却機として、このようなベルト式のものを用いると、混練機から押し出された混練物と、冷却体(ベルト)との接触時間を長くすることができ、混練物の冷却の効率を特に優れたものとすることができる。
また、図示の構成では、スクリューを2本有する構成の混練機について説明したが、スクリューは1本であってもよいし、3本以上であってもよい。また、混練装置にディスク(ニーディングディスク)部があってもよい。
また、前述した実施形態では、冷却機として、ベルト式のものを用いた構成について説明したが、例えば、ロール式(冷却ロール式)の冷却機を用いてもよい。また、混練機の押出口K32から押し出された混練物の冷却は、前記のような冷却機を用いたものに限定されず、例えば、空冷等により行うものであってもよい。
次に、上述したような冷却工程を経た混練物K7を粉砕してもよい。このように、混練物K7を粉砕することにより、取扱いがよくなる。また、分散液の調製に、混練物を溶融させた樹脂液を用いる場合には、当該混練物として粉砕されたものを用いることにより、混練物をより速やかに溶融させることができ生産性が上がる。また、溶媒を用いる場合には、溶媒に溶けやすくなる。このように、樹脂液が均一に速くできるので、分散液3(液滴9)における分散質31の分散性を特に優れたものとすることができる。したがって、最終的に得られるトナーにおいても、各粒子間での組成、特性のバラツキが小さくなる。その結果、得られるトナーは、全体としての特性が特に優れたものとなる。
粉砕の工程は、複数回(例えば、粗粉砕工程と微粉砕工程との2段階)に分けて行ってもよい。また、混練物の粉砕は、例えば、分散液中で(混練物に分散媒を付与した状態で)、行ってもよい。
また、このような粉砕工程の後、必要に応じて、分級処理等の処理を行ってもよい。
分級処理には、例えば、ふるい、気流式分級機等を用いることができる。
[トナー製造装置]
図4に示すように、トナー製造装置M1は、上述したような分散液3(液滴9)を吐出するノズルM2と、ノズルM2に分散液3を供給する分散液供給部M4と、ノズルM2から吐出された液滴状(微粒子状)の分散液3(液滴9)が搬送される固化部M3と、外添剤2を供給する外添剤供給手段M13と、製造されたトナー粒子4を回収する回収部M5とを有している。
ノズルM2は、分散液3を微細な液滴(微粒子)9として噴射する機能を有するものである。ノズルM2については、後に詳述する。
各ノズルM2は、ほぼ同時に液滴9を吐出するものであってもよいが、少なくとも隣り合う2つのノズルで、液滴9の吐出タイミングが異なるように制御されたものであるのが好ましい。これにより、隣接するノズルM2から吐出された液滴9が固化する前に、液滴9同士が衝突し、凝集するのをより効果的に防止することができる。
また、ガス噴射口M7からガスが噴射されることにより、各ノズルM2から吐出される液滴9の間に気流カーテンが形成され、例えば、隣り合うノズルから吐出された各液滴間での衝突、凝集をより効果的に防止することが可能となる。
また、このようなガス流供給手段M10を有すると、ガス流の供給量を調整すること等により、ノズルM2から吐出された液滴9の固化速度等を容易にコントロールすることも可能となる。
トナー母粒子6は、例えば、吐出された液滴9から分散媒32が除去されることにより得られる。このような場合、吐出された液滴9中の分散媒32が除去されるのに伴い、液滴9中に含まれる分散質31が凝集する。その結果、トナー母粒子6は、分散質31の凝集体(図5(b)参照)として得られる。なお、分散質31中に前述したような溶媒が含まれる場合には、当該溶媒は、例えば、固化部M3において除去されるものであってもよいし、後に詳述するノズルM2から噴射する際に除去されるものであってもよい。
また、分散媒32を除去してトナー母粒子6(トナー粒子4)を得る場合、通常、ノズルM2から吐出される液滴9に比べて、得られるトナー母粒子6(トナー粒子4)は小さいものとなる。このため、ノズル(噴射部)M2から噴射される分散液の液滴が比較的大きい場合であっても、分散質31の濃度(含有率)を調整することにより得られるトナー母粒子6の大きさを比較的小さいものとすることができる。したがって、本発明では、特に平均粒径の小さいトナー粒子4を容易に得ることができる。
また、本発明では、後に詳述するように、各ノズルM2から吐出される液滴9を、十分に小さく、かつ粒度分布が十分にシャープなものとすることができる。その結果、トナー母粒子6(トナー粒子4)も、粒径のバラツキの小さいもの、すなわち、粒度分布がシャープなものとなる。
トナーの製造時において、ハウジングM31内は、所定範囲の温度に保たれているのが好ましい。これにより、製造条件の差による各トナー粒子4間での特性のバラツキを小さくすることができ、トナー全体としての信頼性が向上する。
このように、ハウジングM31内の温度を所定の範囲に保つ目的で、例えば、ハウジングM31の内側または外側に熱源、冷却源を設置したり、ハウジングM31を、熱媒体または冷却媒体の流路が形成されたジャケットとしてもよい。
なお、図示の構成では、圧力調整手段M12は、接続管M121でハウジングM31に接続されている。また、接続管M121のハウジングM31と接続する端部付近には、その内径が拡大した拡径部M122が形成されており、さらに、トナー粒子4等の吸い込みを防止するためのフィルターM123が設けられている。
また、トナー製造装置M1は、固化部M3内に外添剤2を供給する外添剤供給手段M13を有している。外添剤供給手段M13により、固化部M3内に供給された外添剤2は、トナー母粒子6に付与され、トナー粒子4が得られる(図5(c)参照)。外添剤2については、後に詳述する。
また、図示の構成では、外添剤2は、液滴9の搬送方向にほぼ対向する方向に移動するものである。このように外添剤2を供給することにより、トナー母粒子6と外添剤2とを、より効率良く衝突させることができる。その結果、形成されるトナー粒子4は、トナー母粒子6に外添剤2をより確実に担持させることができる。
通常、トナー母粒子は、正または負に帯電している。このため、トナー母粒子と異なる極性に帯電した帯電物があると、当該帯電物にトナー母粒子が静電的に引き付けられ付着するという現象が起こる。一方、トナー母粒子と同じ極性に帯電した帯電物があると、当該帯電物とトナー粒子とは、互いに反発しあい、前記帯電物表面にトナーが付着するという現象を効果的に防止することができる。したがって、ハウジングM31の内面側に、液滴9(トナー母粒子6)と同じ極性の電圧を印加することにより、ハウジングM31の内面に液滴9(トナー母粒子6)が付着するのを効果的に防止することができる。これにより、異形状のトナー粉末の発生をより効果的に防止することができるとともに、トナー粒子4の回収効率も向上する。
なお、上記の説明では、液滴9が固化し、その結果形成されたトナー母粒子6に外添剤2が付与されるものとして説明したが、例えば、外添剤2が付着する際に分散媒32の少なくとも一部が残存していてもよい。すなわち、外添剤2は、液滴9に付与されるものであってもよい。
また、図示のトナー製造装置M1は、外添剤2を噴射する噴射口M131を1個有する構成であるが、このような噴射口は、複数個設けられていてもよい。これにより、トナー母粒子6への外添剤2の付与の効率が向上する。
<ノズル>
本実施形態では、独特の状態で分散液を微粒子にして噴射する。すなわち、本実施形態では、図6に示すように、傾斜面7に沿って流動するガス流で、傾斜面7に送り出された分散液3を薄く引き伸ばして薄層流8とする。傾斜面7に沿って流動する薄層流8は、傾斜面7を離れるときに薄すぎて層の状態(膜状態)ではいられなくなり、表面張力で粉々にちぎれて微粒子の液滴9となる。特に、本発明では、薄層流が、分散液で構成されているため、均一な液体(例えば、実質的に純物質からなる液体や溶液等)を用いた場合に比べて、薄層流から液滴が微分割され易い。したがって、本実施形態では、微粒子状の分散液を特に効率良く噴射することができる。また、液滴が尾を引いて突起を形成することが防止される。また、本実施形態では、ガス流で分散液3を薄層流8とし、該薄層流8を微粒子として噴射し、分散液の液滴を球形の超微粒子にできる特長がある。このことは、液滴のサイズは薄層流の厚み等に大きく依存し、供給口5のサイズの影響は小さいことを意味する。また、分散液3を一定に供給できるよう、供給口5のサイズを設計できるので、分散液3の供給口5の詰まりを有効に防止でき、さらに、供給口5の加工を簡単にする。
さらに、本実施形態で用いるノズルM2は、傾斜面7の先端にリング状のエッジ7Aを設け、このエッジ7Aから分散液(液滴9)を噴射させる構造として、ホロコーン状態で液滴を微粒子に噴射できる。ホロコーンで噴射される液滴からは、効率よく分散媒が除去される。
この図に示すノズルM2は、内側リング(筒体)11と、中間リング(筒体)12と、外側リング(筒体)13を備える。内側リング11と中間リング12の間に供給口5を設け、内側リング11の中心にアトマイズガスの流路14を設け、中間リング12と外側リング13の間にスプレッディングガスの供給路15を設けている。
供給口5の直径は、噴射する分散液の流量、スリット幅の寸法等を考慮して最適値に設計される。供給口5の直径は、たとえば、1000g/分の分散液(液滴9)を噴射するノズルにおいて、約50mmφに設計される。流量が大きくなると、供給口5は直径を大きく、流量が少なくなると直径を小さく設計する。
(1) 内側リング11の中心に設けた流路14に加圧したアトマイズガスを供給し、中間リング12と外側リング13の間のスプレッディングガス噴射口17にスプレッディングガスを供給して、供給口5から分散液を傾斜面7に送り出す。
(2) 傾斜面7に供給された分散液は、傾斜面7に沿って流動するアトマイズガスで薄く引き伸ばされて薄層流8となる。たとえば、傾斜面7に沿ってアトマイズガスをマッハ1.5の流速で流動させて供給口5に分散液を送り出し、薄層流8の先端部での流速をアトマイズガスの1/20とすれば、25.5m/sとなる。傾斜面7の先端に設けたエッジ7Aの直径を50mmとすれば、分散液を1リットル/分で供給して薄層流8の膜圧は4μmとなる。
(3) 4μmの薄層流8は、傾斜面7のエッジ7Aを過ぎると薄すぎて膜状態でいられなくなり、表面張力で粉々にちぎられて微粒子の液滴9となる。
(4) 微粒子の液滴9は、エッジ7Aでアトマイズガスとスプレッディングガスが衝突し、摩擦して振動して液滴9をさらに小さい微粒子とする。
(5) 微粒子の液滴9は、アトマイズガスとスプレッディングガスによって放射状に運ばれる。この状態をホロコーンという。ホロコーンのコーン角度は傾斜面7の角度で決定されるが、アトマイズガスとスプレッディングガスの噴射圧でも調整できる。
ホロコーンの状態で噴射された液滴9からは、分散媒が除去されてトナー粉末が得られる。
このような構造のノズルM2を用いることにより、分散性、相溶性の悪い成分を用いる場合であっても、均一性(分散性)の高いトナーを得ることができる。また、このような構造のノズルM2を用いることにより、多層(多相)構造のトナー等も、比較的容易に得ることができる。
この図に示すノズルは、外側中間リング12Bと、内側中間リング12Aと、内側リング11先端の角度を図に示すように設計すると、液体(分散液)をホロコーンで噴射できる。
さらに、図15に示すノズルは、通気性部材を使用しないで、ミストの付着を防止する独特の構造をしている。この図のノズルは、中心リング16の先端面にガス剥離凹部19を設けて、供給口5の内側であってノズルの先端面にガス剥離凹部19を設けている。ガス剥離凹部19は、中心リング16に設けた貫通孔20を介して、内側リング11と中心リング16との間の流路1に連結されている。貫通孔20は、図16に示すように、噴射されるガスをガス剥離凹部19で回転させる方向、すなわち、半径方向から接線方向に傾斜して開口されている。ガス剥離凹部19の表面は、ガス流を乱すことなく層流状態で流動できる平滑面としている。さらに、ガス剥離凹部19の外周部分は、飛行機の翼と同じような流線形となって、ガス口10に向かって滑らかに湾曲している。
この構造ノズルは、ノズルの前面がガス層で覆われているので、飛来したミストが表面に付着することなく、流動するガス層である流線気流によって吹き飛ばされる。また、この構造のノズルは、前記の通気性部材18によるエアレイションで粉付着を防止する方法よりも、少ないガス量で、同等の効果を得る事ができる。
・分散液を極めて小さい微粒子に噴射できると共に、目詰まりを十分効果的に防止しつつ、長時間連続噴射できる。また、分散液を薄層流に引き伸ばして微粒子の液滴とするので、平滑面に沿って流動させるガスの流速で、液滴を極めて小さい微粒子として噴射できる。
・単位時間当りの噴射量を多くして、しかも微細な液滴に噴射できる。
また、分散液3の一滴分の吐出量(液滴91個分の体積)は、分散液3中に占める分散質31の含有率等により若干異なるが、0.05〜500plであるのが好ましく、0.5〜5plであるのがより好ましい。分散液3の一滴分の吐出量をこのような範囲の値にすることにより、トナー粒子4を適度な粒径のものにすることができる。
また、いわゆるインクジェット法を適用した方法としては、特願2002−169349号明細書に記載された方法等が挙げられる。すなわち、本発明では、液滴状の分散液を形成する方法として、「圧電パルスによりヘッド部から分散液を間欠的に吐出し、気流により固化部内を搬送させつつ、粒状とする方法」を適用することができる。
また、いわゆるバブルジェット法を適用した方法としては、特願2002−169348号明細書に記載された方法等が挙げられる。すなわち、本発明では、液滴状の分散液を形成する方法として、「気体の体積変化によりヘッド部から分散液を間欠的に吐出し、気流により固化部内を搬送させつつ、粒状とする方法」を適用することができる。
すなわち、前述したようなノズルを用いた方法では、一般的なスプレードライ法に比べて、分散液の噴射条件を容易かつ正確に制御することが可能である。このため、例えば、目的とする大きさ、形状のトナー粒子を効率良く製造することができる。特に前述した方法では、形成される微粒子を、大きさのバラツキが極めて小さい(粒度分布の幅が小さい)ものとすることができ、このため、各粒子の移動速度のバラツキも小さくすることができる。したがって、噴射された分散液が固化する前に、噴射された粒子間での衝突、凝集するのを効果的に防止することができ、その結果、異形状の粉末が形成されにくくなる。したがって、最終的に得られるトナー粒子の形状、大きさのバラツキは特に小さいものとなり、最終的に得られるトナーにおいても各粒子間での帯電特性、定着特性等のバラツキが小さく、トナー全体としての信頼性も特に高いものとなる。また、前述した方法では、製造するトナー粒子の大きさを比較的小さいものとした場合においても、トナー粒子の粒度分布をシャープなものとすることができる。
[外添剤]
本発明で用いられる外添剤2は、特に限定されないが、例えば、酸化チタン、シリカ(正帯電性シリカ、負帯電性シリカ等)、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化亜鉛、マグネタイト等の金属酸化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム等のチタン酸塩、窒化珪素等の窒化物、炭化珪素等の炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩等の無機材料で構成された微粒子、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、脂肪族金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等)等の金属塩(これらに疎水化処理等の表面処理を施したもの等を含む)等の有機材料で構成されたものや、これらの複合化合物(例えば、酸化チタンにシリカを複合したような複合化合物)等が挙げられる。
ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、結晶構造がルチル型の酸化チタン(二酸化チタン)と、結晶構造がアナターゼ型の酸化チタン(二酸化チタン)とを同一粒子内に有するものである。すなわち、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、ルチル型の結晶とアナターゼ型の結晶との混晶型の酸化チタン(二酸化チタン)を有するものである。
ルチル型の酸化チタンは、通常、紡錘形状の結晶になり易い性質を有している。また、アナターゼ型の酸化チタンは、微小な結晶を析出し易く、後述するような疎水化処理等に用いられるシランカップリング剤等との親和性に優れるという性質を有している。
すなわち、前述したように、ブロックポリエステルは、結晶性の高い結晶性ブロックを有するものであるため、トナー母粒子中において、主として結晶性ブロックにより形成された所定の大きさの結晶を有するものとすることができる。このような結晶を有することにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、トナー母粒子中に埋没しにくいものとなる。すなわち、前記結晶のような硬い成分を含むことにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、トナー母粒子の表面付近に確実に担持(付着)されたものとなる。特に、比較的大きい機械的ストレスが加わった場合であっても、トナー母粒子中に埋没することが効果的に防止される。これにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタンの機能(特に、優れた流動性、帯電性の付与等の効果)をより効果的に発揮させることができる。このように、前述したブロックポリエステルと併用することにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタンの機能をより効果的に発揮させることができるため、用いる外添剤の量を抑制することができる。その結果、外添剤を多量に添加することによる不都合(例えば、紙等の転写材(記録媒体)への定着性の低下等)の発生を効果的に防止することができる。
また、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、300〜350nmの波長領域の光を吸収するものであるのが好ましい。これにより、トナーは、特に耐光性(特に、記録媒体への定着後における耐光性)に優れたものとなる。
ルチルアナターゼ型の酸化チタンが略紡錘形状を有するものである場合、その平均長軸径は、10〜100nmであるのが好ましく、20〜50nmであるのがより好ましい。平均長軸径がこのような範囲の値であると、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、上述したような機能を十分に発揮することができ、また、トナー母粒子中に埋没し難く、かつ遊離しにくいものとなる。その結果、トナーは、前述した機能を十分に保持し、かつ、機械的ストレスに対する安定性が特に優れたものになる。
なお、結晶の平均長さは、透過型電子顕微鏡(TEM)、小角X線散乱測定等により測定することができる。その結果、トナーの機械的ストレスに対する安定性は、さらに優れたものとなる。
外添剤2として負帯電性シリカを用いた場合、トナー粒子の帯電量(絶対値)を大きくすることができる。その結果、安定した負帯電性トナーが得られ、画像形成装置のトナー制御が容易になるという効果が得られる。
略紡錘形状のルチルアナターゼ型の酸化チタンの平均長軸径をD1[nm]、負帯電性シリカの平均粒径をD2[nm]としたとき、0.2≦D1/D2≦15の関係を満足するのが好ましく、0.4≦D1/D2≦5の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、負帯電性シリカとルチルアナターゼ型の酸化チタンとを併用することによる効果はさらに顕著なものとなる。
正帯電性シリカを含む場合、その平均粒径は、30〜100nmであるのが好ましく、40〜50nmであるのがより好ましい。正帯電性シリカの平均粒径がこのような範囲の値であると、前述した効果はより顕著なものとなる。
・まず、200mlの三角フラスコに、50mlの水を入れ、ここに外添剤:0.4gを投入する。通常、この状態では、外添剤は水面に浮遊しており、水との間で混合状態にならない。
・次に、ビーカー内の水を攪拌した状態で、メタノールを滴下していき、液面上の外添剤がなくなった時点(全ての外添剤が液中に沈んだ時点)で、メタノールの滴下を終了する。このときのメタノール滴下量をV[ml]としたとき、疎水化度[%]は、{V/(V+50)}×100で表される。
また、外添剤2は、トナー中において、実質的に、その全てがトナー粒子4(トナー母粒子6)に付着した状態になっていてもよいし、その一部がトナー粒子4(トナー母粒子6)の表面から遊離していてもよい。すなわち、トナー中には、トナー粒子4から遊離した外添剤2が含まれていてもよい。
まず、トナー母粒子に外添剤(TiO2)が付着したトナー粒子がプラズマに導入すると、母粒子(C)および外添剤(TiO2)が分解し、構成元素であるCおよびTiが、当該元素特有の発光をする。このとき、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とが同時にプラズマに導入されることから、CとTiとは同時に発光が観測される。このように、CとTiとが同時に発光する状態の場合は、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とが同期しているという。換言すれば、CとTiとが同期した状態は、外添剤(TiO2)が母粒子(C)に付着している状態を表すことになる。
このように、CとTiとが互いに異なる時間に発光する状態の場合は、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とが同期していない(つまり、非同期である)という。換言すれば、CとTiとが非同期である状態は、外添剤(TiO2)が母粒子(C)に付着していない状態を表すことになる。
このように母粒子および外添剤の各発光スペクトルによって得られた等価粒子の等価粒径を、トナーの各粒子毎にプロットすると、図18に示すようなトナー粒子の等価粒径分布図が得られる。
また、例えば、トナー回収後に、トナー中に残存する分散媒を除去する乾燥処理や、さらなる外添処理等の各種処理を施してもよい。このような外添処理には、例えば、ヘンシェルミキサー等を用いることができる。
以上のようにして製造される本発明のトナーは、均一な形状を有し、粒度分布のシャープな(幅の小さい)ものである。特に、本発明では、円形度が比較的高い形状のトナー粒子が得られる。
具体的には、本発明のトナー(トナー粒子)は、下記式(I)で表される円形度(平均円形度)Rが0.91〜0.98であるのが好ましく、0.93〜0.98であるのがより好ましい。平均円形度Rが0.91未満であると、個々のトナー粉末間での帯電特性の差を十分に小さくするのが困難となり、感光体上への現像性が低下する傾向を示す。また、平均円形度Rが小さすぎると、感光体上へのトナーの付着(フィルミング)が発生しやすくなり、トナーの転写効率が低下する場合がある。一方、平均円形度Rが0.98を超えると、転写効率や機械的強度は増す反面、造粒(粒子同士の接合)が促進されることで平均粒子径が大きくなる等の問題がある。また、平均円形度Rが0.98を超えると、例えば、感光体等に付着したトナーをクリーニングにより除去するのが困難となる。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円(完全な幾何学的円)の周囲長を表す。)
また、トナーは、各粒子間での平均円形度の標準偏差が0.02以下であるのが好ましく、0.015以下であるのがより好ましく、0.01以下であるのがさらに好ましい。各粒子間での平均円形度の標準偏差が0.02以下であると、帯電特性、定着特性等のバラツキが特に小さくなり、トナー全体としての、信頼性がさらに向上する。
また、トナー中の樹脂(バインダー樹脂)の含有量は、50〜98wt%であるのが好ましく、85〜97wt%であるのがより好ましい。
また、トナー中に含まれるバインダー樹脂の組成(各樹脂成分の配合比、構成モノマー等)、平均重量分子量Mw、ガラス転移点、軟化点、融点等は、分散質の構成材料の項目で説明したのと同様の条件、範囲であるのが好ましいが、製造工程中に変化したものであってもよい。
また、本発明のトナーは、後述するようなニップ部を有する定着装置で用いられる場合、トナー粒子の前記ニップ部の通過時間Δt[秒]における、緩和弾性率G(t)の変化量が、500[Pa]以下であるのが好ましく、100[Pa]以下であるのがより好ましい。このような条件を満足することにより、オフセット等の不都合をより生じ難いものとなる。
このような結晶は、その平均長さ(長手方向の平均長さ)が10〜1000nmであるのが好ましく、50〜700nmであるのがより好ましい。結晶の長さがこのような範囲の値であると、トナーの形状の安定性が特に優れたものとなり、機械的ストレスに対し、特に優れた安定性を示すものとなる。特に、トナー粒子の表面付近に、外添剤2がより確実に保持されることとなり(外添剤が母粒子中に埋没するのを効果的に防止することができ)、トナー粒子は、現像装置等における安定性に特に優れたものとなり、また、フィルミング等の発生を生じ難いものとなる。なお、前記結晶の大きさは、例えば、原料成分として用いるブロックポリエステルの製造条件等を制御することによりブロックポリエステルの分子量やランダム性を変更したり、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとの配合比を変更したり、前述した混練工程、冷却工程の条件を変更すること等により、適宜調整することができる。
また、バインダー樹脂として前述したようなブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを含むものを用いた場合、トナー中において、ブロックポリエステルと、非晶性ポリエステルとができるだけ相溶しているのが好ましい。これにより、各トナー粒子間での特性のばらつきが特に小さくなり、トナー全体としての特性がより安定したものとなる。
現像装置60Y、60C、60M、60Kは、いずれも同一の構造を有している。したがって、ここでは現像装置60Yの構造について説明するが、現像装置60C、60M、60Kについても、構造、機能は同様である。
装置本体29の底部には給紙カセット150が配設され、給紙カセット150内の記録媒体は、ピックアップローラ160、記録媒体搬送路170、二次転写ローラ140、定着装置190を経て排紙トレイ200に搬送されるように構成されている。なお、230は両面印刷用搬送路である。
図19において、本発明に係わる定着装置190は、熱源を有する定着ローラ210とこれに圧接される加圧ローラ220とから構成され、定着ローラ210と加圧ローラ220の軸を結ぶ線は水平線からθの角度を有するように配置されている。なお、0°≦θ≦30°である。
図21および図25において、ハウジング240内には定着ローラ210が回動自在に装着され、定着ローラ210の一端には駆動ギヤ28が連結されている。そして、定着ローラ210に対向して加圧ローラ220が回動自在に装着されている。加圧ローラ220の軸方向長さは定着ローラ210のそれよりも短く、その空いたスペースに軸受250が設けられて、加圧ローラ220の両端は軸受250により支持されている。軸受250には加圧レバー260が回動可能に設けられ、加圧レバー260の一端とハウジング240間には加圧スプリング270が配設され、これにより加圧ローラ220と定着ローラ210が加圧されるように構成されている。
図24に示すように、定着ローラ210側の剥離部材310は、そのガイド部310eが、スプリング33によりハウジング240に付勢され、これによりガイド部310eの先端は定着ローラ210に当接されており、その結果、剥離部310aの先端と定着ローラ210表面との間のギャップが常時一定になるように位置決めを行っている。
例えば、定着ローラ210、加圧ローラ220が図27に示すように、逆クラウン形状を有するものである場合、剥離部材310の断面形状は、図28に示すようなものであるのが好ましい。また、定着ローラ210、加圧ローラ220が図29に示すように、クラウン形状を有するものである場合、剥離部材310の断面形状は、図30に示すようなものであるのが好ましい。
また、運転時における、定着設定温度(定着ローラ210表面の設定温度)は、110〜220℃であるのが好ましく、130〜200℃であるのがより好ましい。定着ローラ210の設定温度がこのような範囲の値であると、トナーの定着強度確保と昇温時間(ウォームアップタイム)の短縮が両立できる。
図32は、本発明のトナーの製造に用いられるトナー製造装置の第2実施形態を模式的に示す縦断面図である。図32に示すように、本実施形態のトナー製造装置M1では、外添剤供給手段M13から供給された外添剤2が、ガス流供給手段M10から供給されたガスとともに、ダクトM101を介して、ノズルM2−ノズルM2間に設けられた各ガス噴射口M7から噴射される構成となっている。
このように、外添剤2が、分散媒32を含む液滴9に対して付与されることにより、外添剤2をトナー母粒子の表面付近により確実に付着(担持)させることができる。すなわち、外添剤2が液滴9に衝突する際に、外添剤2の運動エネルギーを液滴9中の分散媒32に吸収されることができるため、外添剤2がトナー母粒子6中に埋没するのをより効果的に防止することができる。
また、本実施形態のような構成にすることにより、トナー粒子4が回収されるまでに、外添剤2と液滴9(または、液滴9が固化することにより形成されるトナー母粒子6、トナー粒子4)とが接触(衝突)する確率が高くなる。その結果、外添剤2をより効率良く付着させることができ、トナー粒子4(トナー母粒子6)に付着していない遊離外添剤の量が必要以上に多くなるのを効果的に防止することができる。
また、本実施形態では、外添剤2の付着の効率が優れているので、トナーの製造に用いる外添剤2の量を比較的少なくすることができる。その結果、例えば、トナー粒子4(トナー母粒子6)に付着しなかった外添剤2(遊離外添剤)を除去、分離する工程を省略または簡略化することができ、トナーの生産性を特に優れたものとすることができる。
これに対し、水とエタノールとを含む共沸混合物を用いた場合、疎水化処理をした外添剤2でも液滴の段階からその表面に付着し効率よく外添することが可能となる。また共沸化合物は蒸発しやすいので、低エネルギーで固化(乾燥固化)をすることができる。
例えば、本発明のトナーの製造に用いるトナー製造装置を構成する各部は、同様の機能を発揮する任意のものと置換、または、その他の構成を追加することもできる。例えば、前述した実施形態では、粒状の分散液3(液滴9)を鉛直下方に向けて吐出する構成について説明したが、分散液3の吐出方向は、鉛直上方、水平方向等、いかなる方向であってもよい。また、分散液3の吐出方向と、ガス噴射口17から噴射されるガスの噴射方向とが、ほぼ垂直となる構成のものであってもよい。この場合、吐出された粒状の分散液3(液滴9)は、ガス流によりその進行方向が変わり、ノズルM2からの吐出方向に対してほぼ直角に搬送されることになる。また、分散液3の搬送方向と、外添剤2の移動方向とが、ほぼ垂直となる構成のものであってもよい。
また、前述した実施形態では、結晶性を示す指標として示差走査熱量分析(DSC)による融点の吸熱ピークの測定で得られるΔTについて説明したが、結晶性を示す指標は、これに限定されない。例えば、結晶性を表す指標としては、密度法、X線法、赤外線法、核磁気共鳴吸収法等により測定される結晶化度等を用いてもよい。
また、前述した実施形態では、混練機として、連続式の2軸スクリュー押出機を用いる構成について説明したが、原料の混練に用いる混練機はこれに限定されない。原料の混練には、例えば、ニーダーやバッチ式の三軸ロール、連続2軸ロール、ホイールミキサー、ブレード型ミキサー等の各種混練機を用いることができる。
また、前述した実施形態では、冷却機として、ベルト式のものを用いた構成について説明したが、例えば、ロール式(冷却ロール式)の冷却機を用いてもよい。また、混練機の押出口から押し出された混練物の冷却は、前記のような冷却機を用いたものに限定されず、例えば、空冷等により行うものであってもよい。
例えば、前述した実施形態では、接触型の定着装置について説明したが、本発明では、このような接触型の定着装置に限定されず、非接触型の定着装置に適用されるものであってもよい。
トナーの製造に先立ち、以下に示す3種のポリエステルA、B、C、Dを製造した。
[1.1]ポリエステルA(非晶性ポリエステル)の製造
まず、ネオペンチルグリコール:36モル部、エチレングリコール:36モル部、1,4−シクロヘキサンジオール:48モル部、テレフタル酸ジメチル:90モル部、無水フタル酸:10モル部の混合物を用意した。
得られたポリエステルAについて、示差走査熱量分析装置による融点の吸熱ピークの測定を試みた。その結果、融点の吸収ピークであると判断できるようなシャープなピークは、確認することができなかった。また、ポリエステルAの軟化点T1/2は、111℃、ガラス転移点Tgは、60℃、重量平均分子量Mwは、1.3×104であった。
2リットル4つ口フラスコに、還流冷却器、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を常法に従い設置し、上記[1.1]で得られたポリエステルA:70モル部とジオール成分としての1,4−ブタンジオール:15モル部とジカルボン酸成分としてのテレフタル酸ジメチル:15モル部との混合物:1000gと、エステル化縮合触媒(チタンテトラブトキシド(PPB)):1gとを、前記2リットル4つ口フラスコ内に入れた。その後、材料温度:200℃で、生成する水、メタノールを蒸留塔より流出させながら、エステル化反応を進行させた。蒸留塔から水、メタノールが流出しなくなった時点で、2リットル4つ口フラスコから蒸留塔を取り外すとともに、真空ポンプに接続した。系内の圧力を5mmHg以下に減圧した状態で、温度を220℃とし、攪拌回転数:150rpm攪拌することにより、縮合反応で発生した遊離ジオールを系外に排出し、その結果得られた反応物をポリエステルB(PES−B)とした。
まず、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:1.5モル部、トリメチロールプロパン:1.5モル部、フマル酸:1.5モル部、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸:1.5モル部の混合物を用意した。
2リットル4つ口フラスコに、還流冷却器、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を常法に従い設置し、前記のアルコール成分とカルボン酸成分との混合物:1187gと、エステル化縮合触媒(ハイドロキノン):0.75gとを、前記2リットル4つ口フラスコ内に入れた。その後、材料温度:220℃で、生成する水、メタノールを蒸留塔より流出させながら、エステル化反応を進行させた。蒸留塔から水、メタノールが流出しなくなった時点で、2リットル4つ口フラスコから蒸留塔を取り外すとともに、真空ポンプに接続した。系内の圧力を5mmHg以下に減圧した状態で、温度を220℃とし、攪拌回転数:150rpm攪拌することにより、縮合反応で発生した遊離ジオールを系外に排出し、その結果得られた反応物をポリエステルC(PES−C)とした。ポリエステルCの軟化点T1/2は、121℃、ガラス転移点Tgは、62℃、重量平均分子量Mwは、1.2×104であった。
まず、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル):3モル部、フマル酸:3モル部の混合物を用意した。
2リットル4つ口フラスコに、還流冷却器、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を常法に従い設置し、前記のジオール成分とジカルボン酸成分との混合物:1398gと、エステル化縮合触媒(ハイドロキノン):0.75gとを、前記2リットル4つ口フラスコ内に入れた。その後、材料温度:220℃で、生成する水、メタノールを蒸留塔より流出させながら、エステル化反応を進行させた。蒸留塔から水、メタノールが流出しなくなった時点で、2リットル4つ口フラスコから蒸留塔を取り外すとともに、真空ポンプに接続した。系内の圧力を5mmHg以下に減圧した状態で、温度を220℃とし、攪拌回転数:150rpm攪拌することにより、縮合反応で発生した遊離ジオールを系外に排出し、その結果得られた反応物をポリエステルD(PES−D)とした。
得られたポリエステルDについて、示差走査熱量分析装置による融点の吸熱ピークの測定を試みた。その結果、融点の吸収ピークであると判断できるようなシャープなピークは、確認することができなかった。また、ポリエステルDの軟化点T1/2は、101℃、ガラス転移点Tgは、61℃、重量平均分子量Mwは、7.8×103であった。
融点Tmの測定は示差走査熱量計DSC(セイコー電子工業社製、DSC220型)を用いて、次のようにして行った。まず、樹脂サンプルを、昇温速度:10℃/分で200℃まで昇温した後、降温速度:10℃/分で0℃まで降温した。その後、昇温速度:10℃/分で昇温し、その際の結晶融解による吸熱の最大ピーク温度(2ndラン時)を、融点Tmとして求めた。
まず、樹脂サンプル1gをTHF(テトラヒドロフラン)に溶解させ、1mlのTHF溶液(不溶分を含む)を得た。このTHF溶液を遠心分離専用のサンプル瓶に注入し、遠心分離機で、2000rpm、5分間の条件で遠心分離を行い、その上澄み液をサンプレップLCR13−LH(孔径:0.5μm)でろ過し、ろ液を得た。
このようにして得られたろ液を、カラム:TSKgel SuperHZ4000+SuperHZ4000(東ソー社製)、流速:0.5mL/分、温度:25℃、溶媒:THFという条件で、ゲル浸透クロマトグラフィーGPC(東ソー社製、HLC−8220型)を用いて分離し、その結果として得られたチャートに基づき、樹脂サンプルの重量平均分子量Mwを求めた。なお、標準試料としては、単分散ポリスチレンを用いた。
以下のようにして、トナーを製造した。
(実施例1)
まず、非晶性ポリエステルとしてポリエステルA:80重量部、ブロックポリエステルとしてポリエステルB:20重量部、着色剤としてキナクリドン(P.R.122):6重量部、帯電制御剤としてサリチル酸クロム錯体(ボントロンE−81):1重量部、ワックスとしてカルナウバワックス:2重量部を用意した。
これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
2軸混練押出機のプロセス部の全長(L[m])と、スクリューの径を(D[m])との比L/Dが40、第1の領域の長さ(L1[m])と、スクリューの径を(D[m])との比L1/Dが12、第2の領域の長さ(L2[m])と、スクリューの径を(D[m])との比L2/Dが20、第3の領域の長さ(L3[m])と、スクリューの径を(D[m])との比L3/Dが4となるようにした。
また、スクリューの回転速度は120rpmとし、原料の投入速度は20kg/時間とした。
このような条件から求められる、原料が第1の領域を通過するのに要する時間は約1.5分間、第2の領域を通過するのに要する時間は約3分間である。
プロセス部で混練された原料(混練物)は、ヘッド部を介して2軸混練押出機の外部に押し出した。ヘッド部内における混練物の温度は、110℃となるように調節した。
このようにして2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を、図1中に示すような冷却機を用いて、冷却した。冷却工程直後の混練物の温度は、約46℃であった。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.5mmの粉末とした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
粉末状の混練物200gをトルエン800gに添加し、超音波ホモジナイザー(出力:400μA)を用いて、1時間処理することにより、混練物の各成分が分散・溶解した樹脂液を得た。
樹脂液の滴下完了からさらに10分間攪拌して、乳化液を得た。その後、温度、55〜58℃、雰囲気圧力:80〜150mmHgの条件下で、乳化液中のトルエンを除去し、さらに、室温まで冷却することにより、固形微粒子が分散した水系サスペンションを得た。このサスペンションの25℃における粘度は12[m・Pa・s]、固形分(分散質)濃度は31[wt%]であった。また、サスペンション中に分散している分散質(固形微粒子)の平均粒径は0.4μmであった。なお、分散質の平均粒径の測定は、レーザ回折/産卵式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920)を用いて行った。
分散液の吐出は、毎分20mLの分散液を圧力0.7MPaの圧縮エアとともに噴霧することにより行った。
また、分散液の吐出時には、各ノズル間に設けられた図示しないガス噴射口から温度:115℃、湿度:30%RH、流量:0.9m3/分の空気を鉛直下方に噴射し、また、ハウジング内の圧力は、0.109〜0.110Paとなるように調節した。また、固化部のハウジングには、その内表面側の電位が−200Vとなるように電圧を印加し、内壁に分散液(トナー母粒子、トナー粒子)が付着するのを防止するようにした。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象の粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象の粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
また、上記のようなトナーの製造は、製造前後での、各樹脂材料の重量平均分子量の変化率が±10%以内、融点、軟化点、ガラス転移点の変化量が±10℃以内となるような条件で行った。
水性溶液の調製に用いるエタノール溶液の濃度を96wt%から80wt%に変更し、ノズルの構造を図7に示すようなものに変更した以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(実施例3〜5)
水性溶液の調製に用いるエタノール溶液の濃度および外添剤の組成(各成分の配合比)を表1に示すように変更した以外は、前記実施例2と同様にしてトナーを製造した。
水性溶液の調製にエタノール溶液の代わりに、表1に示すような溶液を用いた以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(実施例9、10)
混練工程に供する原料中におけるポリエステルAの含有量、ポリエステルBの含有量を表1に示すようにし、かつ、ノズルの構造を図8に示すようなものに変更した以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
トナー製造装置の全体構成を図32に示すようなものに変更した以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(実施例12)
ノズルの構造を図9〜図11に示すようなものに変更した以外は、前記実施例11と同様にしてトナーを製造した。
ノズルの構造を図12〜図14に示すようなものに変更し、外添剤の組成(各成分の配合比)を表1に示すように変更した以外は、前記実施例11と同様にしてトナーを製造した。なお、正帯電性シリカとしては、アミノ基を有するシランカップリング剤(アミノシラン)を用いて負帯電性シリカに表面処理(疎水化処理)を施すことにより得られたもの(平均粒径:40nm)を用いた。
混練工程に供する原料中に、前記ワックスの代わりに、低融点ポリエステル:2重量部を添加した以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。なお、用いた低融点ポリエステルは、1,6−ヘキサンジオールとヘキサンジカルボン酸との重合体で、その重量平均分子量Mwは4.8×103、融点Tmは79℃、ガラス転移点Tgは57℃であった。
混練物の調製において、ポリエステルA、ポリエステルBの代わりに、それぞれ、ポリエステルC、ポリエステルDを用いた以外は、前記実施例1〜3と同様にしてトナーを製造した。
(実施例18)
混練物の調製において、ポリエステルA、ポリエステルBの代わりに、それぞれ、ポリエステルC、ポリエステルDを用いた以外は、前記実施例6と同様にしてトナーを製造した。
(実施例19〜23)
混練物の調製において、ポリエステルA、ポリエステルBの代わりに、それぞれ、ポリエステルC、ポリエステルDを用いた以外は、前記実施例10〜14と同様にしてトナーを製造した。
まず、前記実施例15と同様にして粗粉砕された混練物を得た。
次に、この粗粉砕された混練物を微粉砕した。混練物の微粉砕にはジェットミル(ホソカワミクロン社製、200AFG)を用いた。なお、微粉砕は、粉砕エア圧:500[kPa]、ロータ回転数:7000[rpm]で行った。
このようにして得られた粉砕物を気流分流機(ホソカワミクロン社製、100ATP)で分級した。
その後、熱球形化処理を施した粉末100重量部に、外添剤:2.5重量部を添加し、最終的なトナーを得た。外添剤の付与は、20L型のヘンシェルミキサーを用いて行った。外添剤としては、負帯電性小粒径シリカ(平均粒径:12nm):1重量部と、負帯電性大粒径シリカ(平均粒径:40nm):0.5重量部と、ルチルアナターゼ型の酸化チタン(略紡錘形状、平均長軸径:30nm):1重量部とを用いた。なお、負帯電性シリカ(負帯電性小粒径シリカ、負帯電性大粒径シリカ)としては、ヘキサメチルジシラザンで表面処理(疎水化処理)を施したものを用いた。また、ルチルアナターゼ型の酸化チタンとしては、結晶構造がルチル型の酸化チタンと、結晶構造がアナターゼ型の酸化チタンとの比率が、90:10で、300〜350nmの波長領域の光を吸収するものを用いた。最終的に得られたトナーの体積基準の平均粒径は、7.2μmであった。
まず、前記実施例1と同様にして粗粉砕された混練物を得た。
この粉末状の混練物200gをトルエン800gに添加し、超音波ホモジナイザー(出力:400μA)を用いて、1時間処理することにより、混練物の各成分が分散・溶解した樹脂液を得た。
一方、分散剤としてのポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬社製、平均重合度n=2700〜7500):5重量部を水:995重量部に溶解させ、その後、この水溶液に分散助剤としてのアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(和光純薬社製):0.5重量部を加え、均一に混合することにより、水性溶液を得た。
樹脂液の滴下完了からさらに10分間攪拌して、乳化液を得た。その後、温度、55〜58℃、雰囲気圧力:80〜150mmHgの条件下で、乳化液中のトルエンを除去し、さらに、室温まで冷却することにより、固形微粒子が分散した水系サスペンションを得た。このサスペンションの25℃における粘度は15[m・Pa・s]、固形分(分散質)濃度は30.2[wt%]であった。また、サスペンション中に分散している分散質(固形微粒子)の平均粒径は0.4μmであった。なお、分散質の平均粒径の測定は、レーザ回折/産卵式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−920)を用いて行った。
分散液の吐出は、毎分20mLの分散液を圧力0.7MPaの圧縮エアとともに噴霧することにより行った。
ノズルから吐出される分散液の初速度は4.1m/秒、ノズルから吐出される分散液の一滴分の平均吐出量は0.5pl(粒径Dd:10.1μm)であった。また、分散液の吐出は、複数個のノズルのうち少なくとも隣接しあうノズルで、分散液の吐出タイミングがずれるようにして行った。
まず、トナー約1gをパラレルプレートにはさみ、過熱溶融させ、高さ1.0〜2.0mmに調製した。このようにして得られたサンプルを、ARES粘弾性測定装置(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)を用いて、応力緩和測定モードにより、下記測定条件で粘弾性測定を行った。
・測定温度:150℃、
・歪印加量:線径領域における最大歪み
・ジオメトリー:パラレルプレート(25mm径)
[3]評価
以上のようにして得られた各トナーについて、嵩密度、定着良好域、現像耐久性、保存性の評価を行った。
[3.1]嵩密度
前記各実施例および前記各比較例で製造したトナーについて、パウダーテスタ(ホソカワミクロン社製)を用いて、嵩密度を測定した。測定時における温度は20℃、湿度は58%RHであった。
まず、前述した図21〜図28、図31に示すような定着装置を作製した。この定着装置では、トナーがニップ部を通過するのに要する時間Δtを0.05秒に設定した。この定着装置を用いて図19、図20に示すような画像形成装置(カラープリンタ)を作製した。この画像形成装置を用いて、未定着の画像サンプルを採取し、当該画像形成装置の定着装置で、以下のような試験を実施した。なお、採取するサンプルのベタは付着量を0.40〜0.50mg/cm2に調整した。
同様に、定着ローラの表面の設定温度を100〜250℃の範囲で順次変更していき、各温度でのオフセットの発生の有無を確認し、オフセットが発生しなかった温度範囲を、「定着良好域」として求め、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:定着良好域の幅が60℃以上である。
○:定着良好域の幅が45℃以上60℃未満である。
△:定着良好域の幅が30℃以上45℃未満である。
×:定着良好域の幅が30℃未満である。
前記[3.2]で用いた画像形成装置の現像装置にトナーを30gセットした後、無補給でエージングを行い、現像ローラへのフィルミングが発生するまでの時間を測定し、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:エージング開始後、120分以上経過しても、フィルミングの発生は
認められなかった。
○:エージング開始後、80〜120分でフィルミングが発生。
△:エージング開始後、50〜80分でフィルミングが発生。
×:エージング開始後、50分未満でフィルミングが発生。
各実施例および各比較例のトナーを、それぞれ10gずつサンプル瓶に入れ、50℃の恒温槽内に48時間放置した後、固まり(凝集)の有無を目視で確認し、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:固まり(凝集)の存在が全く認められなかった。
○:小さい固まり(凝集)がわずかに認められた。
△:小さい固まり(凝集)が相当数認められた。
×:固まり(凝集)がはっきりと認められた。
これらの結果を表4にまとめて示した。
特に、混練法により製造された(トナーの構成成分を含む分散液を用いないで製造された)比較例1のトナーでは、耐久性、定着良好域および保存性が特に劣っていた。
また、分散液の分散媒として水のみを用いた(共沸混合物を形成し得る成分を用いなかった)比較例2のトナーでは、特に、帯電特性、流動性が劣っていた。これは、固化部内において、分散媒である水を十分に除去することができなかったためであると考えられる。
また、各粒子間での組成、特性のバラツキが小さく、トナー全体としての信頼性が向上する。
このような効果は、トナーの製造に用いる分散液の組成(分散媒の構成成分)、分散液の固化条件(分散媒の除去条件)、樹脂の組成(例えば、ブロックポリエステルの構成モノマー、平均分子量、結晶性ブロックの存在比、非晶性ポリエステルの構成モノマー、平均分子量や、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとの配合比等)や、分散液の噴射条件(噴射される分散液の温度・粘度、分散液中における分散質の含有量・平均粒径、噴射された分散液の平均粒径、固化部内の圧力・温度等)、外添剤の種類、含有量等を調整することにより、さらに優れたものとすることができる。
Claims (52)
- トナー製造用の原料を含む分散質が、分散媒中に微分散した分散液を、微粒子化して噴射し、固化部内を搬送させつつ、前記分散媒を除去することにより、固化させて粒状とする、トナーの製造方法であって、
前記分散媒は、少なくとも、共沸混合物を形成し得る2種以上の成分を含むものであり、
前記分散液の微粒子が前記固化部内において固化する際に、外添剤を付与することを特徴とするトナーの製造方法。 - トナー製造用の原料を含む分散質が、分散媒中に微分散した分散液を、微粒子化して噴射し、固化部内を搬送させつつ、前記分散媒を除去することにより、固化させて粒状とする、トナーの製造方法であって、
前記分散媒は、少なくとも、共沸混合物を形成し得る2種以上の成分を含むものであり、
前記分散液を噴射する際に、微粒子化された前記分散液に外添剤を付与することを特徴とするトナーの製造方法。 - トナー製造用の原料を含む分散質が、分散媒中に微分散した分散液を、微粒子化して噴射し、固化部内を搬送させつつ、前記分散媒を除去することにより、固化させて粒状とする、トナーの製造方法であって、
前記分散媒は、少なくとも、共沸混合物を形成し得る2種以上の成分を含むものであり、
前記分散液が前記固化部内において固化することにより形成されたトナー母粒子に、外添剤を付与することを特徴とするトナーの製造方法。 - 噴射される前記分散液を、ほぼ一方向に流れるガス流中に放出する請求項1ないし3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記ガス流中に前記外添剤が含まれる請求項4に記載のトナーの製造方法。
- 前記外添剤は、前記固化部内における前記分散液の微粒子の搬送方向とほぼ等しい方向に移動するガス流中に含まれるものである請求項1ないし5のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記外添剤は、前記固化部内における前記分散液の微粒子の搬送方向とほぼ対向する方向に移動するガス流中に含まれるものである請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記分散液の前記微細化は、ガス流で平滑面に押し付けて薄く引き伸ばして薄層流とし、当該薄層流を前記平滑面端から離して微粒子として噴射することにより行われる請求項1ないし7のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 加圧されたガスを、ガス口から開放された空間に噴射してガス流とすると共に、前記ガス口から噴射されるガスを、前記分散液の流動方向に平滑な前記平滑面に向けて噴射して、前記平滑面に接触しながら前記平滑面と平行に一定の方向に流動するガス流とし、当該ガス流を流動させている前記平滑面の途中に、前記ガス流の流動方向に交差するように、しかも、前記ガス流と前記平滑面との間に前記分散液を供給することにより、前記分散液を、前記ガス流で前記平滑面に押し付けて薄く引き伸ばして前記薄層流とする請求項8に記載のトナーの製造方法。
- 前記平滑面が傾斜面である請求項8または9に記載のトナーの製造方法。
- 尖鋭なエッジを境界としてその両面に設けられた2つの傾斜面に沿ってガスを流動させ、前記エッジで両面の前記傾斜面に沿って流動するガスを衝突させて空気振動を発生させ、さらに、前記傾斜面の途中に前記分散液を供給し、前記傾斜面に供給された前記分散液を、前記傾斜面に沿って流動させるガス流で薄く引き伸ばして前記薄層流として前記エッジまで移送し、前記エッジから気体中に噴射される粒子を、前記エッジ先端の空気振動で粉砕して前記分散液を微粒子として噴射する、請求項8ないし10のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記固化部を通過する際に、前記平滑面から引き離された前記微粒子中の前記分散質を凝集させる請求項1ないし11のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 複数個の噴射部から、前記微粒子化された前記分散液を噴射する請求項1ないし12のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 複数個の前記噴射部のうち、少なくとも隣り合う2つからの前記分散液の噴射タイミングをずらす請求項13に記載のトナーの製造方法。
- 前記分散液を加温した状態で噴射する請求項1ないし14のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 噴射された前記分散液を、前記固化部で加温する請求項1ないし15のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記固化部に、前記分散液と同じ極性の電圧を印加した状態で、前記分散液を噴射する請求項1ないし16のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 微粒子化されて噴射された前記分散液の初速度は、0.1〜10m/秒である請求項1ないし17のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記分散液の粘度は、5〜3000[m・Pa・s]である請求項1ないし18のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記固化部において、前記分散媒を除去する請求項1ないし19のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記固化部内の圧力は、0.15MPa以下である請求項1ないし20のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記共沸混合物は、少なくとも水を含む、水系の共沸混合物である請求項1ないし21のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記分散媒は、水とアルコール系物質とを含むものである請求項1ないし22のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記分散媒中における、前記水と前記アルコール系物質との含有量の比率は、重量比で、3:97〜95:5である請求項1ないし23のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記分散液は、乳化分散剤を含むものである請求項1ないし24のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記分散液は、サスペンションである請求項1ないし25のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記分散液は、少なくとも樹脂と着色剤とを含む材料を混練して得られた混練物を、前記分散媒中に分散して得られたものである請求項1ないし26のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記分散液中における前記分散質の平均粒径は、0.05〜10μmである請求項1ないし27のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記分散液中における前記分散質の平均粒径をDm[μm]、製造されるトナー粒子の平均粒径をDt[μm]としたとき、0.005≦Dm/Dt≦0.5の関係を満足する請求項1ないし28のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記分散液中における前記分散質の含有量は、1〜99wt%である請求項1ないし29のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記微粒子化された前記分散液の一滴分の容積が0.05〜500plである請求項1ないし30のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記微粒子化された前記分散液の平均粒径をDd[μm]、前記分散液中における前記分散質の平均粒径をDm[μm]としたとき、Dm/Dd<0.5の関係を満足する請求項1ないし31のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記微粒子化された前記分散液の平均粒径をDd[μm]、製造されるトナー粒子の平均粒径をDt[μm]としたとき、0.05≦Dt/Dd≦1.0の関係を満足する請求項1ないし32のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記分散液は、樹脂またはその前駆体を含む材料を、少なくとも水を含む液体中に投入することにより調製したものである請求項1ないし33のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記分散液は、少なくとも樹脂またはその前駆体とその少なくとも一部を溶解する溶媒とを含む樹脂液と、少なくとも水を含む水性液とを混合する混合工程を経て調製されたものである請求項1ないし34のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記樹脂液と前記水性液との混合は、前記水性液中に、前記樹脂液の液滴を滴下することにより行う請求項35に記載のトナーの製造方法。
- 前記分散液は、前記混合工程の後、前記溶媒の少なくとも一部を除去することにより調製したものである請求項35または36に記載のトナーの製造方法。
- 前記溶媒の除去は、加熱により行う請求項37に記載のトナーの製造方法。
- 前記分散液は、主としてブロック共重合体で構成されたブロックポリエステルと、前記ブロックポリエステルより結晶性の低い非晶性ポリエステルとを含み、
前記ブロックポリエステルは、ジオール成分とジカルボン酸成分とを縮合してなる結晶性ブロックと、前記結晶性ブロックより結晶性の低い非晶性ブロックとを有するものである請求項1ないし38のいずれかに記載のトナーの製造方法。 - 前記外添剤の平均粒径は、0.01〜5.0μmである請求項1ないし39のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記外添剤は、疎水化処理が施されたものである請求項1ないし40のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記外添剤の疎水化度は、30〜80[%]である請求項1ないし41のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 請求項1ないし42のいずれかに記載の方法により製造されたことを特徴とするトナー。
- 平均粒径が1〜20μmである請求項43に記載のトナー。
- 各粒子間での粒径の標準偏差が1.5μm以下である請求項43または44に記載のトナー。
- 下記式(I)で表される平均円形度Rが0.91〜0.98である請求項43ないし45のいずれかに記載のトナー。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。) - 各粒子間での平均円形度の標準偏差が0.04以下である請求項43ないし46のいずれかに記載のトナー。
- 主として、前記分散質が凝集した凝集体で構成される請求項43ないし47のいずれかに記載のトナー。
- 主としてブロック共重合体で構成されたブロックポリエステルと、前記ブロックポリエステルより結晶性の低い非晶性ポリエステルとを含み、
前記ブロックポリエステルは、ジオール成分とジカルボン酸成分とを縮合してなる結晶性ブロックと、前記結晶性ブロックより結晶性の低い非晶性ブロックとを有するものである請求項43ないし48のいずれかに記載のトナー。 - トナー中に、主として前記結晶性ブロックにより形成された結晶を有するものである請求項49に記載のトナー。
- 前記結晶の平均長さが10〜1000nmである請求項50に記載のトナー。
- 前記外添剤の含有量が0.1〜5.0wt%である請求項43ないし51のいずれかに記載のトナー。
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