JP4183018B2 - 画像形成方法 - Google Patents
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Description
トナーを構成する樹脂としては、ポリエステル樹脂が広く用いられている。ポリエステル樹脂は、最終的に得られるトナーの弾性率、帯電性等の特性を制御し易いという特徴を有している。
しかしながら、このようなジオール成分で構成されたポリエステルは、摩擦係数が比較的大きく、また、機械的ストレスに弱いため、現像機内等において粒子破壊を起こし易く、帯電不良、機内汚染、定着性低下等の問題を発生する場合があった。
粉砕法は、主成分である樹脂(以下、単に「樹脂」ともいう。)と、着色剤とを含む原料を、樹脂の軟化点以上の温度で混練して混練物を得、その後、前記混練物を冷却、粉砕する方法である。このような粉砕法は、原料の選択の幅が広く、比較的容易にトナーを製造することができる点で優れている。しかしながら、粉砕法で得られるトナーは、各粒子間での形状のバラツキが大きく、その粒径分布も広くなりやすいという欠点を有している。その結果、各トナー粒子間での帯電特性、定着特性等のバラツキが大きくなり、トナー全体としての信頼性が低下する。
(1) トナーが担持された記録媒体を、定着ローラと加圧ローラとの接触部で形成される定着ニップ部を通過させる工程と、
剥離部材により、前記定着ローラから前記記録媒体を剥離する工程とを有し、
前記トナーは、主としてブロック共重合体で構成されたブロックポリエステルと、前記ブロックポリエステルより結晶性の低い非晶性ポリエステルとを含むものであり、
前記ブロックポリエステルが、ジオール成分とジカルボン酸成分とを縮合してなる結晶性ブロックと、前記結晶性ブロックより結晶性の低い非晶性ブロックとを有するものであることを特徴とする画像形成方法。
前記分散液の前記微細化は、ガス流で平滑面に押し付けて薄く引き伸ばして薄層流とし、当該薄層流を前記平滑面から離して微粒子として噴射することにより行われるものである上記(1)に記載の画像形成方法。
前記分散液は、複数個の噴射部から微粒子化されて噴射されるものであり、複数個の前記噴射部のうち、少なくとも隣り合う2つからの噴射タイミングがずれるようにして噴射されたものである上記(1)または(2)に記載の画像形成方法。
前記分散液は、前記固化部に、前記分散液と同じ極性の電圧を印加した状態で、噴射されたものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の画像形成方法。
(6) 前記剥離部材は、前記定着ローラおよび/または前記加圧ローラに近接して配設されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の画像形成方法。
(7) 前記剥離部材は、前記定着ローラの軸方向に沿って配設されたものであり、かつ、前記定着ニップ部の出口の形状に沿う形状を有するものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の画像形成方法。
(9) 前記定着ローラおよび前記加圧ローラの軸方向に延在し、前記定着ニップ部の記録媒体搬送方向下流側に、前記定着ローラおよび前記加圧ローラに近接して配設される前記剥離部材を備え、前記定着ローラ側の前記剥離部材の位置決めを前記定着ローラ表面で行い、前記加圧ローラ側の前記剥離部材の位置決めを前記加圧ローラの軸受表面で行う上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の画像形成方法。
(10) 前記定着ローラの軸方向の端部付近における、前記定着ローラと前記剥離部材とのギャップG2[μm]が、前記定着ローラの軸方向の中央部付近における、前記定着ローラと前記剥離部材とのギャップG1[μm]より大きい上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の画像形成方法。
図1は、分散液の調製に用いる混練物を製造するための混練機、冷却機の構成の一例を模式的に示す縦断面図、図2は、ブロックポリエステルについて示差走査熱量分析を行ったときに得られる、ブロックポリエステルの融点付近での示差走査熱量分析曲線のモデル図、図3は、軟化点解析用フローチャート、図4は、トナーの製造に用いられるトナー製造装置の好適な実施形態を模式的に示す縦断面図、図5は、分散液を微粒子として噴射するノズルの好適な実施形態を示す断面図、図6、図7および図8は、分散液を微粒子として噴射するノズルの他の実施形態を示す断面図、図9は、図8に示すノズルの要部拡大断面図、図10は、図9に示すノズルの内側中間リング先端部分を示す拡大断面図、図11は、分散液を微粒子として噴射するノズルの他の実施形態を示す断面図、図12は、図11に示すノズルの要部拡大断面図、図13は、図11に示すノズルの内側中間リング先端部分を示す拡大断面図、図14は、分散液を微粒子として噴射するノズルの他の実施形態を示す断面図、図15は、図14に示すガス剥離凹部の平面図、図16は、分散液を微粒子として噴射するノズルの他の実施形態を示す断面図、図17は、トナー中に含まれるトナー粒子から遊離したルチルアナターゼ型の酸化チタンの量を測定する方法を説明するための図である。以下、図1中、左側を「基端」、右側を「先端」として説明する。
まず、分散液3について説明する。トナーは、分散液3を用いて製造されるものである。分散液3は、分散媒中に分散質(分散相)が微分散した構成となっている。
<分散媒>
分散媒は、後述する分散質を分散可能なものであればいかなるものであってもよいが、主として、一般に溶媒として用いられているような材料で構成されたものであるのが好ましい。
なお、分散媒中には、上述した材料以外の成分が含まれていてもよい。例えば、分散媒中には、後に分散質の構成成分として例示する材料や、シリカ、酸化チタン、酸化鉄等の無機系微粉末、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の有機系微粉末等の各種添加剤等が含まれていてもよい。
分散質は、通常、少なくとも、主成分としての樹脂を含む材料で構成されている。
以下、分散質の構成材料について説明する。
1.樹脂(バインダー樹脂)
樹脂(バインダー樹脂)は、主として、ポリエステル系樹脂で構成されたものである。樹脂中におけるポリエステル系樹脂の含有量は、50wt%以上であるのが好ましく、80wt%以上であるのがより好ましい。
ブロックポリエステルは、ジオール成分とジカルボン酸成分とを縮合してなる結晶性ブロックと、前記結晶性ブロックより結晶性の低い非晶性ブロックとを有するブロック共重合体で構成されたものである。
<1>結晶性ブロック
結晶性ブロックは、非晶性ブロックや非晶性ポリエステルに比べて、高い結晶性を有している。すなわち、分子配列構造が、非晶性ブロックや非晶性ポリエステルに比べて強固で安定したものである。このため、結晶性ブロックは、トナー全体としての強度を向上させるのに寄与する。その結果、最終的に得られるトナーは、機械的ストレスに強く、耐久性、保存性に優れたものとなる。
一方、結晶性ブロックは、上述したように、結晶性の高いものである。したがって、結晶性ブロックは、ブロックポリエステルにシャープメルト性を付与する機能を有する。このため、トナーは、後述する非晶性ポリエステルが十分に軟化するような、比較的高い温度(ブロックポリエステルの融点付近の温度)においても、優れた形状の安定性を保持することができる。したがって、トナーは、幅広い温度領域で十分な定着性(定着強度)を発揮することができる。
結晶性ブロックを構成するジオール成分としては、水酸基を2個有するものであればよいが、例えば、芳香環構造を有する芳香族ジオールや、芳香環構造を有さない脂肪族ジオール等が挙げられる。芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられ、また、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状ジオール類、または2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の環状ジオール類等が挙げられる。
結晶性ブロックを構成するジカルボン酸成分としては、2価のカルボン酸またはその誘導体(例えば、酸無水物、低級アルキルエステル等)等を用いることができ、例えば、o−フタル酸(フタル酸)、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸およびこれらの誘導体(例えば、無水物、低級アルキルエステル等)等が挙げられる。
なお、結晶性ブロックは、上記のようなジオール成分、ジカルボン酸成分以外の成分(例えば3価以上のアルコール成分や3価以上のカルボン酸成分等)を含むものであってもよい。
非晶性ブロックは、前述した結晶性ブロックに比べて結晶性が低い。また、後述する非晶性ポリエステルも、結晶性ブロックに比べて結晶性が低い。すなわち、非晶性ブロックは、後述する非晶性ポリエステルと同様に、結晶性ブロックに比べて結晶性が低い。
ところで、ブレンド樹脂においては、一般に、結晶性が大きく異なる樹脂同士は相溶し難く、結晶性の差が小さい樹脂同士は相溶し易い。したがって、ブロックポリエステルが非晶性ブロックを有することにより、ブロックポリエステルと、後述する非晶性ポリエステルとの相溶性(分散性)が高まる。その結果、最終的に得られるトナーにおいて、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとが、相分離(特に、マクロ相分離)するのを効果的に防止することができ、ブロックポリエステルの利点と非晶性ポリエステルの利点とを十分かつ安定的に発揮させることができる。
非晶性ブロックを構成するジオール成分としては、水酸基を2個有するものであればよいが、例えば、芳香環構造を有する芳香族ジオールや、芳香環構造を有さない脂肪族ジオール等が挙げられる。芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられ、また、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状ジオール類、または2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の環状ジオール類等が挙げられる。
また、非晶性ブロックを構成するジオール成分は、少なくともその一部が分岐鎖(側鎖)を有するものであるのが好ましく、その30mol%以上が分岐鎖を有するものであるのがより好ましい。これにより、規則配列を抑制し、結晶性を低下させ、透明性も向上するという効果が得られる。
なお、非晶性ブロックは、上記のようなジオール成分、ジカルボン酸成分以外の成分(例えば3価以上のアルコール成分や3価以上のカルボン酸成分等)を含むものであってもよい。
ところで、前述したように、本発明で用いるブロックポリエステルは、結晶性の高い結晶性ブロックを有しているため、比較的結晶性の低い樹脂材料(例えば、後述する非晶性ポリエステル等)に比べて、いわゆるシャープメルト性を有している。
ブロックポリエステルのΔT値は、50℃以下であるのが好ましく、20℃以下であるのがより好ましい。Tmp[℃]、Tms[℃]の測定条件は特に限定されないが、例えば、試料となるブロックポリエステルを、昇温速度:10℃/分で200℃まで昇温し、さらに、降温速度:10℃/分で降温した後、昇温速度:10℃/分で昇温して測定することができる。
また、ブロックポリエステルは、後述する非晶性ポリエステルより結晶性が高い。したがって、非晶性ポリエステルのΔT値をΔTA[℃]、ブロックポリエステルのΔT値をΔTB[℃]としたとき、ΔTA>ΔTBの関係を満足する。特に、本発明では、ΔTA−ΔTB>10の関係を満足するのが好ましく、ΔTA−ΔTB>30の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、上述した効果はより顕著なものとなる。ただし、非晶性ポリエステルの結晶性が特に低い場合、TmpまたはTmsの少なくとも一方が測定困難(判別困難)であることがある。このような場合、ΔTAは∞[℃]とする。
なお、ブロックポリエステルは、前述した結晶性ブロック、非晶性ブロック以外のブロックを有するものであってもよい。
非晶性ポリエステルは、前述したブロックポリエステルより低い結晶性を有するものである。
非晶性ポリエステルは、主として、トナーを構成する各成分(例えば、後述するような着色剤、ワックス、帯電防止剤等)の分散性や、分散液3の微粒子(液滴9)を固化する際における分散質の凝集性(結合力)、トナーの定着性(特に、低温定着性)、透明性、機械的特性(例えば、弾性、機械的強度等)、帯電性、耐湿性等の機能を向上させるのに寄与する成分である。言い換えると、以下で詳述するような非晶性ポリエステルがトナー中に含まれないと、前記のようなトナーとして求められる特性を十分に発揮するのが困難となる。
非晶性ポリエステルを構成するジオール成分としては、水酸基を2個有するものであればよいが、例えば、芳香環構造を有する芳香族ジオールや、芳香環構造を有さない脂肪族ジオール等が挙げられる。芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられ、また、脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の鎖状ジオール類、または2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の環状ジオール類等が挙げられる。
非晶性ポリエステルの平均分子量(重量平均分子量)Mwは、特に限定されないが、5×103〜4×104であるのが好ましく、8×103〜2.5×104であるのがより好ましい。平均分子量Mwが前記下限値未満であると、最終的に得られるトナーの機械的強度が低下し、十分な耐久性(保存性)が得られない可能性がある。また、平均分子量Mwが小さすぎると、トナーの定着時に凝集破壊を起こし易くなり、耐オフセット性が低下する傾向を示す。一方、平均分子量Mwが前記上限値を超えると、トナーの定着時に粒界破壊を起こし易くなり、紙等の転写材(記録媒体)への濡れ性も低下し、定着に要する熱量も大きくなる。
なお、軟化点T1/2は、例えば、フローテスタを用い、サンプル量:1g、ダイ孔径:1mm、ダイ長さ:1mm、荷重:20kgf、予熱時間:300秒、測定開始温度:50℃、昇温速度:5℃/分という条件で測定したときに得られる、図3に示すような解析用フローチャートのh/2に相当するフロー曲線上の点の温度として求めることができる。
また、非晶性ポリエステルは、リニア型ポリマー(架橋構造を有さないポリマー)であるのが好ましい。リニア型ポリマーは、架橋型のものに比べて、摩擦係数が小さい。これにより、特に優れた離型性が得られ、トナーの転写効率がさらに向上する。
すなわち、ブロックポリエステルのみを用いた場合(トナー中に非晶性ポリエステルを含まない場合)には、トナーの定着性(特に、低温領域での定着性)が低下する。また、ブロックポリエステルのみを用いた場合(トナー中に非晶性ポリエステルを含まない場合)には、トナーの透明性等の機能も低下し、さらに、トナーを構成する各成分(例えば、後述するような着色剤、ワックス、帯電防止剤等)の分散性や、分散液3の微粒子(液滴9)を固化する際における分散質の凝集性(結合力)も低下する。
また、非晶性ポリエステルのみを用いた場合(トナー中にブロックポリエステルを含まない場合)には、最終的に得られるトナーは、機械的ストレスに弱いものとなり、十分な耐久性、保存性が得られない。また、非晶性ポリエステルのみを用いた場合(トナー中にブロックポリエステルを含まない場合)には、シャープメルト性が得られないため、幅広い温度領域(特に高温領域)で十分な定着性(定着強度)を確保するのが困難となる。
分散質中におけるポリエステル系樹脂の含有量は、特に限定されないが、2〜98wt%であるのが好ましく、5〜95wt%であるのがより好ましい。
また、樹脂(バインダー樹脂)は、前述したブロックポリエステルおよび非晶性ポリエステル以外の成分(第3の樹脂成分)を含むものであってもよい。
分散質中には、その成分の少なくとも一部を溶解する溶媒が含まれていてもよい。これにより、例えば、分散液3(液滴9)中における分散質の流動性を高めることができ、分散液3中における分散質を、粒径が比較的小さく、かつ、大きさのバラツキの少ないものとすることができる。その結果、最終的に得られるトナー粒子4は、粒子間での大きさ、形状のバラツキが小さく、円形度が比較的大きいものとなる。
また、溶媒は、前述した分散媒との相溶性が低いもの(例えば、25℃における分散媒100gに対する溶解度が30g以下のもの)であるのが好ましい。これにより、分散液3(液滴9)中において、分散質を安定した状態で微分散させることができる。
また、溶媒の組成は、例えば、前述した樹脂の組成(例えば、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとの配合比率、ブロックポリエステルおよび非晶性ポリエステルの平均分子量、構成モノマー等)や、着色剤の組成、分散媒の組成等に応じて適宜選択することができる。
ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セルシン、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トロプシュワックス等の炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、キャンデリラワックス、綿ロウ、木ロウ、ミツロウ、ラノリン、モンタンワックス、脂肪酸エステル等のエステル系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等のオレフィン系ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド等のアミド系ワックス、ラウロン、ステアロン等のケトン系ワックス、エーテル系ワックス等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
エステル系ワックスは、前述したポリエステル系樹脂と同様に、分子内にエステル構造を有しており、ポリエステル系樹脂との相溶性に優れる。このため、最終的に得られるトナー粒子中における遊離ワックスの発生、粗大化を防止することができる(トナー中でのワックスの微分散やミクロ相分離を容易に達成できる)。その結果、最終的に得られるトナーは、定着ローラとの離型性が特に優れたものとなる。
また、分散助剤としては、例えば、アニオン、カチオン、非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
分散助剤は、分散剤と併用するものであるのが好ましい。分散液3が分散剤を含むものである場合、分散液3中における分散助剤の含有量は、特に限定されないが、2.0wt%以下であるのが好ましく、0.005〜0.5wt%であるのがより好ましい。
前記磁性粉末としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料で構成されたもの等が挙げられる。
また、分散液3中には、分散質以外の成分が、不溶分として分散していてもよい。例えば、分散液3中には、シリカ、酸化チタン、酸化鉄等の無機系微粉末、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の有機系微粉末等が分散していてもよい。
分散液3中における分散質の平均粒径は、特に限定されないが、0.05〜10μmであるのが好ましく、0.1〜1.0μmであるのがより好ましい。分散質の平均粒径がこのような範囲の値であると、最終的に得られるトナー粒子4は、十分に円形度が高く、各粒子間での特性、形状の均一性に優れたものとなる。
このような分散液3は、分散質が固体、すなわち、サスペンションであるのが好ましい。これにより、分散質内部(トナー粒子内部)に分散媒が残留するのを効果的に防止することができ、結果として、トナーの保存性等が向上し、また定着後の異臭等の発生も防止できる。
これに対し、前記のような分散液を液滴(微粒子)として噴射し、これを固化させることにより、得られるトナーは、各成分が十分均一に相溶、分散したものとなる。
まず、水または水との相溶性に優れる液体に、必要に応じて分散剤および/または分散媒を添加した水性溶液を用意する。
一方、トナーの主成分となる樹脂またはその前駆体(以下、これらを総称して、「樹脂材料」とも言う)を含む樹脂液を調整する。樹脂液の調製には、例えば、樹脂材料に加えて前述した溶媒を用いてもよい。また、樹脂液は、樹脂材料を加熱することにより得られる溶融した液体であってもよい。
まず、水または水との相溶性に優れる液体に、必要に応じて分散剤および/または分散媒を添加した水性溶液を用意する。
一方、樹脂材料を含む、粉末状または粒状の材料を用意する。
次に、この粉末状または粒状の材料を、攪拌した状態の水性溶液中に、徐々に投入していくことにより、水性の分散媒中に、樹脂材料を含む分散質が分散した分散液3が得られる。このような方法で、分散液3を調製した場合、後述するようなトナー製造装置の固化部等において、実質的に有機溶媒を揮発しないようにすることができる。その結果、環境に対して悪影響を極めて与えにくい方法でトナーを製造することができる。なお、前記材料を投入する際、例えば、水性溶液を加熱しておいてもよい。
まず、少なくとも樹脂材料を分散してなる樹脂分散液と、少なくとも着色剤を分散してなる着色剤分散液とを調整する。
次に、樹脂分散液と、着色剤分散液とを混合・攪拌する。このとき、必要に応じて、攪拌しながら無機金属塩等の凝集剤を加えてもよい。
所定時間、攪拌することにより、樹脂材料、着色剤等が適度な大きさに凝集した凝集体が形成される。その結果、前記凝集体が分散質として分散した分散液3が得られる。
混練物K7は、例えば、図1に示すような装置を用いて製造することができる。
[混練工程]
混練に供される原料K5は、前述した各成分が予め混合されたものであるのが好ましい。
混練機K1は、原料K5を搬送しつつ混練するプロセス部K2と、混練された原料(混練物K7)を所定の断面形状に形成して押し出すヘッド部K3と、プロセス部K2内に原料K5を供給するフィーダーK4とを有している。
プロセス部K2は、バレルK21と、バレルK21内に挿入されたスクリューK22、スクリューK23と、バレルK21の先端にヘッド部K3を固定するための固定部材K24とを有している。
プロセス部K2では、スクリューK22、スクリューK23が、回転することにより、フィーダーK4から供給された原料K5に剪断力が加えられ、均一な混練物K7、特に、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとが十分に相溶化した混練物K7が得られる。
第1の領域K25の内部温度は、第2の領域K26より高く設定されている。すなわち、言い換えると、プロセス部K2の内部を搬送される原料K5は、第1の領域K25を通過するときの温度のほうが、第2の領域K26を通過するときの温度よりも高くなっている。
このように、第1の領域K25において、比較的高い温度で原料K5を混練することにより、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとを十分に相溶化させることができる。
また、第1の領域K25内で、原料温度T1は、均一であっても、部位により異なるものであってもよい。後者の場合、第1の領域K25における原料K5の最高温度が、前記下限値よりも高いことが好ましく、さらに、第1の領域K25における原料K5の最低温度と最高温度とが、上記範囲内にあることがより好ましい。
また、特に、第1の領域K25と第2の領域K26とを上述のように設けることにより、第2の領域K26において、相分離を十分防止しつつ、ブロックポリエステルの結晶化を効率よく進行させることができるので、最終的に得られるトナーは、機械的ストレスに強いものとなる。
また、第2の領域K26内で、原料温度T2は、均一であっても、部位により異なるものであってもよい。後者の場合、第1の領域K25における原料K5の最低温度が、上記範囲内にあることが好ましい。
また、原料K5の第2の領域K26での滞留時間は、0.5〜12分であるのが好ましく、1〜7分であるのがより好ましい。第2の領域K26での滞留時間が、前記下限値未満であると、第2の領域K26を設けることによる前述の効果が十分に得られない場合がある。一方、第2の領域K26での滞留時間が、前記上限値を超えると、生産効率が低下し、また、プロセス部K2内の温度、スクリューK22、スクリューK23の回転数等によっては、熱による原料K5の変性が起こり易くなり、最終的に得られるトナーの物性を十分に制御するのが困難になる可能性がある。
第3の領域K27内での原料温度T3[℃]は、第2の領域K26内での原料温度T2との間で、(T2−40)≦T3≦(T2+40)の関係を満足するのが好ましく、(T2−20)≦T3≦(T2+20)の関係を満足するのがより好ましい。原料温度T3が、前記下限値未満であると樹脂が溶融され難く、混練トルクが高くなりすぎる場合がある。一方、原料温度T3が、前記上限値を超えると、原料投入口の温度が高くなりフィーダーK4も加熱され、樹脂がフィーダーK4に溶融固着してしまう場合がある。
また、図示の構成では、第1の領域K25と、第2の領域K26と、第3の領域K27とが設けられている構成について説明したが、これ以外の領域が設けられている構成であってもよい。例えば、このような領域は、第1の領域K25と第2の領域K26との間にあってもよいし、第2の領域K26よりもヘッド部K3側にあってもよい。
プロセス部K2で混練された混練物K7は、スクリューK22とスクリューK23との回転により、ヘッド部K3を介して、混練機K1の外部に押し出される。
ヘッド部K3は、プロセス部K2から混練物K7が送り込まれる内部空間K31と、混練物K7が押し出される押出口K32とを有している。
図示の構成では、内部空間K31は、押出口K32の方向に向って、その横断面積が漸減する横断面積漸減部K33を有している。
このような横断面積漸減部K33を有することにより、押出口K32から押し出される混練物K7の押出量が安定し、また、後述する冷却工程における混練物K7の冷却速度が安定する。その結果、これを用いて製造されるトナーは、各トナー粒子間での特性のバラツキが小さいものとなり、全体としての特性に優れたものになる。
ヘッド部K3の押出口K32から押し出された軟化した状態の混練物K7は、冷却機K6により冷却され、固化する。
冷却機K6は、ロールK61、K62、K63、K64と、ベルトK65、66とを有している。
ロールK61、62、63、64は、それぞれ、回転軸K611、K621、K631、K641を中心として、図中e、f、g、hで示す方向に回転する。これにより、混練機K1の押出口K32から押し出された混練物K7は、ベルトK65−ベルトK66間に導入される。ベルトK65−ベルトK66間に導入された混練物K7は、ほぼ均一な厚さの板状となるように成形されつつ、冷却される。冷却された混練物K7は、排出部K67から排出される。ベルトK65、K66は、例えば、水冷、空冷等の方法により、冷却されている。冷却機として、このようなベルト式のものを用いると、混練機から押し出された混練物と、冷却体(ベルト)との接触時間を長くすることができ、混練物の冷却の効率を特に優れたものとすることができる。
また、図示の構成では、スクリューを2本有する構成の混練機について説明したが、スクリューは1本であってもよいし、3本以上であってもよい。また、混練装置にディスク(ニーディングディスク)部があってもよい。
また、前述した実施形態では、冷却機として、ベルト式のものを用いた構成について説明したが、例えば、ロール式(冷却ロール式)の冷却機を用いてもよい。また、混練機の押出口K32から押し出された混練物の冷却は、前記のような冷却機を用いたものに限定されず、例えば、空冷等により行うものであってもよい。
次に、上述したような冷却工程を経た混練物K7を粉砕する。このように、混練物K7を粉砕することにより、分散液3(液滴9)における分散質の分散性を特に優れたものとすることができる。したがって、最終的に得られるトナーにおいても、各粒子間での組成、特性のバラツキが小さくなる。その結果、得られるトナーは、全体としての特性が特に優れたものとなる。
粉砕の工程は、複数回(例えば、粗粉砕工程と微粉砕工程との2段階)に分けて行ってもよい。
また、このような粉砕工程の後、必要に応じて、分級処理等の処理を行ってもよい。
分級処理には、例えば、ふるい、気流式分級機等を用いることができる。
[トナー製造装置]
図4に示すように、トナー製造装置M1は、上述したような分散液3(液滴9)を吐出するノズルM2と、ノズルM2に分散液3を供給する分散液供給部M4と、ノズルM2から吐出された液滴状(微粒子状)の分散液3(液滴9)が搬送される固化部M3と、製造されたトナー粒子4を回収する回収部M5とを有している。
ノズルM2は、分散液3を微細な液滴(微粒子)9として、噴射する機能を有するものである。ノズルM2については、後に詳述する。
ガス流供給手段M10には、バルブM11が取り付けられている。これにより、分散液3(液滴9)の噴射に利用されるガスの圧力を調節することができる。
各ノズルM2は、ほぼ同時に液滴9を吐出するものであってもよいが、少なくとも隣り合う2つのノズルで、液滴9の吐出タイミングが異なるように制御されたものであるのが好ましい。これにより、隣接するノズルM2から吐出された液滴9が固化する前に、液滴9同士が衝突し、凝集するのをより効果的に防止することができる。
ノズルM2から吐出された液滴(微粒子)9は、固化部M3を搬送されつつ固化することにより、トナー粒子4となる。
トナーの製造時において、ハウジングM31内は、所定範囲の温度に保たれているのが好ましい。これにより、製造条件の差による各トナー粒子4間での特性のバラツキを少なくすることができ、トナー全体としての信頼性が向上する。
このように、ハウジングM31内の温度を所定の範囲に保つ目的で、例えば、ハウジングM31の内側または外側に熱源、冷却源を設置したり、ハウジングM31を、熱媒体または冷却媒体の流路が形成されたジャケットとしてもよい。
分散液3(液滴9)中に含まれる分散質の粒径は、通常、得られるトナー粒子4(液滴9)に比べて、十分に小さいものである。したがって、分散質の凝集体として得られるトナー粒子4は、十分に円形度の大きいものとなる。
このように、吐出液として分散液を用いることにより、製造するトナー粒子4の粒径が十分に小さい場合であっても、容易に、その円形度を十分に高いものとし、かつ、粒度分布がシャープなものとすることができる。これにより、得られるトナーは、各粒子間での帯電が均一で、かつ、トナーを印刷に用いたときに、現像ローラ上に形成されるトナーの薄層が平準化、高密度化したものとなる。その結果、カブリ等の欠陥を生じ難く、よりシャープな画像を形成することができる。また、トナー粒子4の形状、粒径が揃っているため、トナー全体(トナー粒子4の集合体)としての嵩密度を大きくすることができる。その結果、同一容積のカートリッジ内へのトナーの充填量をより多くしたり、カートリッジの小型化を図る上でも有利である。
また、ハウジングM31には、電圧を印加するための電圧印加手段M8が接続されている。電圧印加手段M8で、ハウジングM31の内面側に、液滴9(トナー粒子4)と同じ極性の電圧を印加することにより、以下のような効果が得られる。
液滴9を固化することにより得られたトナー粒子4は、回収部M5に回収される。
本実施形態では、独特の状態で分散液を微粒子にして噴射する。すなわち、本実施形態では、図5に示すように、傾斜面7に沿って流動するガス流で、傾斜面7に送り出された分散液3を薄く引き伸ばして薄層流8とする。傾斜面7に沿って流動する薄層流8は、傾斜面7を離れるときに薄すぎて層の状態(膜状態)ではいられなくなり、表面張力で粉々にちぎれて微粒子の液滴9となる。特に、薄層流が、分散液で構成されているため、均一な液体(例えば、実質的に純物質からなる液体や溶液等)を用いた場合に比べて、薄層流から液滴が微分割され易い。したがって、本実施形態では、微粒子状の分散液を特に効率良く噴射することができる。また、液滴が尾を引いて突起を形成することが防止される。また、本実施形態は、ガス流で分散液3を薄層流8として微粒子として噴射する。このため、分散液の液滴を円形の超微粒子にできる特長がある。このことは、分散液3の供給口5の詰まりを有効に防止でき、さらに、供給口5の加工を簡単にする。
さらに、本実施形態で用いるノズルM2は、傾斜面7の先端にリング状のエッジ7Aを設け、このエッジ7Aから分散液(液滴9)を噴射させる構造として、ホロコーン状態で液滴を微粒子に噴射できる。ホロコーンで噴射される液滴からは、効率よく分散媒が除去される。
この図に示すノズルM2は、内側リング(筒体)11と、中間リング(筒体)12と、外側リング(筒体)13を備える。内側リング11と中間リング12の間に供給口5を設け、内側リング11の中心にアトマイズガスの流路14を設け、中間リング12と外側リング13の間にスプレッディングガスの供給路15を設けている。
供給口5の直径は、噴射する分散液の流量、スリット幅の寸法等を考慮して最適値に設計される。供給口5の直径は、たとえば、1000g/分の分散液(液滴9)を噴射するノズルにおいて、約50mmφに設計される。流量が大きくなると、供給口5は直径を大きく、流量が少なくなると直径を小さく設計する。
図5に示すノズルは、例えば、下記の状態で分散液を微粒子として噴射することができる。
<2> 傾斜面7に供給された分散液は、傾斜面7に沿って流動するアトマイズガスで薄く引き伸ばされて薄層流8となる。たとえば、傾斜面7に沿ってアトマイズガスをマッハ1.5の流速で流動させて供給口5に分散液を送り出し、薄層流8の先端部での流速をアトマイズガスの1/20とすれば、25.5m/sとなる。傾斜面7の先端に設けたエッジ7Aの直径を50mmとすれば、分散液を1リットル/分で供給して薄層流8の膜圧は4μmとなる。
<4> 微粒子の液滴9は、エッジ7Aでアトマイズガスとスプレッディングガスが衝突し、摩擦して振動して液滴9をさらに小さい微粒子とする。
<5> 微粒子の液滴9は、アトマイズガスとスプレッディングガスによって放射状に運ばれる。この状態をホロコーンという。ホロコーンのコーン角度は傾斜面7の角度で決定されるが、アトマイズガスとスプレッディングガスの噴射圧でも調整できる。
図6は、A液とB液を混合して分散液の微粒子(液滴9)とするノズルを示す。この図に示すノズルは、図5に示すノズルの中間リング12を、内側中間リング(筒体)12Aと外側中間リング(筒体)12Bの二重管構造としている。内側中間リング12Aと外側中間リング12Bの間にB液の供給口5を設けている。リング状の内側中間リング12Aは、内側面と外側面にテーパー状の傾斜面7を設けてその先端を尖鋭なエッジ7Aとしている。外側中間リング12Bの先端面もテーパー状に加工して傾斜面7としている。外側中間リング12Bの傾斜面7は、内側中間リング12Aの傾斜面7と同一平面に連結している。
このような構造のノズルM2を用いることにより、分散性、相溶性の悪い成分を用いる場合であっても、均一性(分散性)の高いトナーを得ることができる。また、このような構造のノズルM2を用いることにより、多層(多相)構造のトナー等も、比較的容易に得ることができる。
この図に示すノズルは、外側中間リング12Bと、内側中間リング12Aと、内側リング11先端の角度を図に示すように設計すると、液体(分散液)をホロコーンで噴射できる。
さらに、図14に示すノズルは、通気性部材を使用しないで、ミストの付着を防止する独特の構造をしている。この図のノズルは、中心リング16の先端面にガス剥離凹部19を設けて、供給口5の内側であってノズルの先端面にガス剥離凹部19を設けている。ガス剥離凹部19は、中心リング16に設けた貫通孔20を介して、内側リング11と中心リング16との間の流路1に連結されている。貫通孔20は、図15に示すように、噴射されるガスをガス剥離凹部19で回転させる方向、すなわち、半径方向から接線方向に傾斜して開口されている。ガス剥離凹部19の表面は、ガス流を乱すことなく層流状態で流動できる平滑面としている。さらに、ガス剥離凹部19の外周部分は、飛行機の翼と同じような流線形となって、ガス口10に向かって滑らかに湾曲している。
さらに、図16に示すノズルは、ガス口10と供給口5から、ガスと液体を均一に噴射するノズルを示す。この図のノズルは、流路1と液体流路21にヘリカルリブ22を配設している。流路1や液体流路21には、各リングを組み立てる時の芯出のため、すなわち、全てのリングの中心を正確に一致させるために、各リングの間にリブを設けている。リブの先端を接触させることにより、各リングは芯出しして正確に組み立られる。
・分散液を極めて小さい微粒子に噴射できると共に、目詰まりを十分効果的に防止しつつ、長時間連続噴射できる。また、分散液を薄層流に引き伸ばして微粒子の液滴とするので、平滑面に沿って流動させるガスの流速で、液滴を極めて小さい微粒子として噴射できる。
・単位時間当りの噴射量を多くして、しかも微細な液滴に噴射できる。
また、分散液3の一滴分の吐出量(液滴91個分の体積)は、分散液3中に占める分散質の含有率等により若干異なるが、0.05〜500plであるのが好ましく、0.5〜5plであるのがより好ましい。分散液3の一滴分の吐出量をこのような範囲の値にすることにより、トナー粒子4を適度な粒径のものにすることができる。
また、いわゆるインクジェット法を適用した方法としては、特願2002−169349号明細書に記載された方法等が挙げられる。すなわち、本発明では、液滴状の分散液を形成する方法として、「圧電パルスによりヘッド部から分散液を間欠的に吐出し、気流により固化部内を搬送させつつ、粒状とする方法」を適用することができる。
特に、本発明において、前述したようなノズルを用いた場合には、一般的なスプレードライ法を適用した場合に比べて、以下のような利点が得られる。
また、ガス噴射手段が設けられることにより、固化部M3において、ほぼ一方向(図中、下方向)に流れるガス流を形成することができる。このようなガス流が形成されると、固化部M3内の液滴9(トナー粒子4)をより効率良く搬送することができる。
このようなガス噴射手段を有する場合、噴射されるガスの温度を好ましい値に設定する機能を有する、図示しない熱交換器が取り付けられているのが好ましい。これにより、固化部M3に吐出された液滴9を効率良く固化させることができる。
また、このようなガス噴射手段を有すると、ガス流の供給量を調整すること等により、ノズルM2から吐出された液滴9の固化速度等を容易にコントロールすることも可能となる。
分級処理には、例えば、ふるい、気流式分級機等を用いることができる。
また、外添処理に用いられる外添剤としては、例えば、酸化チタン、シリカ(正帯電性シリカ、負帯電性シリカ等)、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化亜鉛、アルミナ、マグネタイト等の金属酸化物、窒化珪素等の窒化物、炭化珪素等の炭化物、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、脂肪族金属塩等の金属塩等の無機材料で構成された微粒子、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、脂肪族金属塩(例えば、ステアリン酸マグネシウム)等の有機材料で構成されたもの等が挙げられる。
ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、結晶構造がルチル型の酸化チタン(二酸化チタン)と、結晶構造がアナターゼ型の酸化チタン(二酸化チタン)とを同一粒子内に有するものである。すなわち、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、ルチル型の結晶とアナターゼ型の結晶との混晶型の酸化チタン(二酸化チタン)を有するものである。
そして、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、ルチル型の結晶とアナターゼ型の結晶との混晶型の酸化チタンを有するものであるため、ルチル型の酸化チタンの利点と、アナターゼ型の酸化チタンの利点とを併有している。すなわち、ルチルアナターゼ型の酸化チタンでは、ルチル型結晶の間(ルチル型結晶の内部)に、微小なアナターゼ型結晶が混在し、全体としては、略紡錘形状を有するものとなることにより、トナーの母粒子中に埋没し難くなり、また、ルチルアナターゼ型の酸化チタン全体としての、シランカップリング剤等との親和性が優れたものとなるため、ルチルアナターゼ型の酸化チタン粉末の表面に均一で安定した疎水性被膜(シランカップリング被膜)が形成され易くなる。したがって、ルチルアナターゼ型の酸化チタンを含むことにより、得られるトナーは、帯電分布が均一(トナー粒子の帯電分布がシャープ)で、安定した帯電特性を有し、環境特性(特に耐湿性)、流動性、耐ケーキング性等に優れたものとなる。
すなわち、前述したように、本発明では、ポリエステル系樹脂は、結晶性の高い結晶性ブロックを有するブロックポリエステルを含むものであるため、トナー粒子中において、主として結晶性ブロックにより形成された所定の大きさの結晶を有するものとすることができる。このような結晶を有することにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、トナーの母粒子中に埋没しにくいものとなる。すなわち、前記結晶のような硬い成分を含むことにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタンは、トナーの母粒子の表面付近に確実に担持(付着)されたものとなる。これにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタンの機能(特に、優れた流動性、帯電性の付与等の効果)を十分に発揮させることができる。このように、前述したポリエステル系樹脂と併用することにより、ルチルアナターゼ型の酸化チタンの機能を十分に発揮させることができるため、用いる外添剤の量を抑制することができる。その結果、外添剤を多量に添加することによる不都合(例えば、紙等の転写材(記録媒体)への定着性の低下等)の発生を効果的に防止することができる。
本発明で用いられるルチルアナターゼ型の酸化チタンの形状は、特に限定されないが、通常、略紡錘形状である。
外添剤として負帯電性シリカを用いた場合、トナー粒子の帯電量(絶対値)を大きくすることができる。その結果、安定した負帯電性トナーが得られ、画像形成装置のトナー制御が容易になるという効果が得られる。
略紡錘形状のルチルアナターゼ型の酸化チタンの平均長軸径をD1[nm]、負帯電性シリカの平均粒径をD2[nm]としたとき、0.2≦D1/D2≦15の関係を満足するのが好ましく、0.4≦D1/D2≦5の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、負帯電性シリカとルチルアナターゼ型の酸化チタンとを併用することによる効果はさらに顕著なものとなる。なお、本明細書では、「平均粒径」とは、重量基準の平均粒径のことを指すものとする。
正帯電性シリカを含む場合、その平均粒径は、30〜100nmであるのが好ましく、40〜50nmであるのがより好ましい。正帯電性シリカの平均粒径がこのような範囲の値であると、前述した効果はより顕著なものとなる。
このような外添剤は、例えば、ヘンシェルミキサー等を用いて、トナー母粒子と混合すること等により添加することができるが、例えば、前述したようなトナー製造装置M1の固化部M3内に、外添剤を噴射および/または対流させ、当該外添剤を液滴9またはトナーの母粒子に付着させてもよい。
このように、トナー中に、母粒子から遊離した外添剤(以下、「遊離外添剤」とも言う)が含まれると、このような遊離外添剤を、例えば、トナー粒子とは反対の極性に帯電するマイクロキャリアとして機能させることができる。このようなマイクロキャリアとして機能する遊離外添剤がトナー中に含まれると、現像時等に逆帯電性のトナー粒子(トナー粒子が帯電時に本来示すべき極性とは反対の極性に帯電するトナー粒子)が発生するのを効果的に防止、抑制することができる。その結果、トナーは、いわゆるカブリ等の不都合を生じ難いものとなる。
この測定方法は、樹脂(C)からなる母粒子の表面に酸化チタン(TiO2)からなる外添剤を付着させて形成されたトナーTの粒子をプラズマ中に導入することにより、トナー粒子を励起させ、この励起に伴う発光スペクトルを得、元素分析を行うことにより測定する方法である。
このように、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とが互いに異なる時間に発光する状態の場合は、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とが同期していない(つまり、非同期である)という。換言すれば、母粒子(C)と外添剤(TiO2)とが非同期である状態は、外添剤(TiO2)が母粒子(C)に付着していない状態を表すことになる。
このように母粒子および外添剤の各発光スペクトルによって得られた等価粒子の等価粒径を、トナーの各粒子毎にプロットすると、図17に示すようなトナー粒子の等価粒径分布図が得られる。
以上のようにして製造されるトナーは、均一な形状を有し、粒度分布のシャープな(幅の小さい)ものである。特に、上記のような方法では、円形度が比較的高い形状のトナー粒子が得られる。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円(完全な幾何学的円)の周囲長を表す。)
また、トナーの平均粒径は、1〜20μmであるのが好ましく、3〜10μmであるのがより好ましい。トナーの平均粒径が前記下限値未満であると、均一に帯電させるのが困難になるとともに、静電潜像担持体(例えば、感光体等)表面への付着力が大きくなり、結果として、転写残トナーの増加を招く場合がある。一方、トナーの平均粒径が前記上限値を超えると、トナーを用いて形成される画像の輪郭部分、特に文字画像やライトパターンの現像での再現性が低下する。
また、トナー中のポリエステル系樹脂の含有量は、50〜98wt%であるのが好ましく、85〜97wt%であるのがより好ましい。ポリエステル系樹脂の含有量が前記下限値未満であると、本発明の効果が十分に得られない可能性がある。一方、ポリエステル系樹脂の含有量が前記上限値を超えると、着色剤等の成分含有量が相対的に低下し、発色性等の特性発揮が困難となる場合がある。
また、トナーは、後述するようなニップ部を有する定着装置で用いられる際、トナー粒子の前記ニップ部の通過時間Δt[秒]における、緩和弾性率G(t)の変化量が、500[Pa]以下であるのが好ましく、100[Pa]以下であるのがより好ましい。このような条件を満足することにより、オフセット等の不都合をより生じ難いものとなる。
このような結晶は、その平均長さ(長手方向の平均長さ)が10〜1000nmであるのが好ましく、50〜700nmであるのがより好ましい。結晶の長さがこのような範囲の値であると、トナーの形状の安定性が特に優れたものとなり、機械的ストレスに対し、特に優れた安定性を示すものとなる。特に、トナー粒子の表面付近に、外添剤がより確実に保持されることとなり(外添剤が母粒子中に埋没するのを効果的に防止することができ)、トナー粒子は、現像装置等における安定性に特に優れたものとなり、また、フィルミング等の発生を生じ難いものとなる。なお、前記結晶の大きさは、例えば、原料成分として用いるブロックポリエステルの製造条件等を制御することによりブロックポリエステルの分子量やランダム性を変更したり、ブロックポリエステルと非晶性ポリエステルとの配合比を変更したり、前述した混練工程、冷却工程の条件を変更すること等により、適宜調整することができる。
また、トナーは、ブロックポリエステルと、非晶性ポリエステルとができるだけ相溶しているものであるのが好ましい。これにより、各トナー粒子間での特性のばらつきが小さく、トナー全体としての特性がより安定したものとなり、本発明の効果がより顕著なものとなる。
また、上記のようなトナーが用いられる本発明の定着装置は、後述するような接触型の定着装置である。これにより、ブロックポリエステルの結晶による定着ローラとの高い離型性と、低粘度の非晶性ポリエステルによる定着性(定着強度)向上効果の、双方の利点が十分に発揮され、幅広い定着良好域が確保される。
図18は、本発明の画像形成装置の好適な実施形態を示す全体構成図、図19は、図18の画像形成装置が有する現像装置の断面図、図20は、図18の画像形成装置に用いられる本発明の定着装置の詳細構造を示し、一部破断面を示す斜視図、図21は、図20の定着装置の要部断面図、図22は、図20の定着装置を構成する剥離部材の斜視図、図23は、図20の定着装置を構成する剥離部材の取付状態を示す側面図、図24は、図20の定着装置を上面から見た正面図、図25は、ニップ部の出口における接線に対する、剥離部材の配置角度を説明するための模式図、図26は、定着ローラ、加圧ローラの形状と、ニップ部の形状を模式的に示す図、図27は、図26(a)のX−X線における断面図、図28は、定着ローラ、加圧ローラの形状と、ニップ部の形状を模式的に示す図、図29は、図28(a)のY−Y線における断面図、図30は、定着ローラと、剥離部材とのギャップを説明するための断面図である。
現像装置60Y、60C、60M、60Kは、いずれも同一の構造を有している。したがって、ここでは現像装置60Yの構造について説明するが、現像装置60C、60M、60Kについても、構造、機能は同様である。
装置本体29の底部には給紙カセット150が配設され、給紙カセット150内の記録媒体は、ピックアップローラ160、記録媒体搬送路170、二次転写ローラ140、定着装置190を経て排紙トレイ200に搬送されるように構成されている。なお、230は両面印刷用搬送路である。
なお、両面印刷の場合には、定着装置190を出た記録媒体は、その後端が先端となるようにスイッチバックされ、両面印刷用搬送路230を経て、二次転写ローラ140に供給され、中間転写ベルト110上のフルカラートナー像が記録媒体上に転写され、再び定着装置190により加熱加圧され定着される。
図18において、本発明に係わる定着装置190は、熱源を有する定着ローラ210とこれに圧接される加圧ローラ220とから構成され、定着ローラ210と加圧ローラ220の軸を結ぶ線は水平線からθの角度を有するように配置されている。なお、0°≦θ≦30°である。
図20および図24において、ハウジング240内には定着ローラ210が回動自在に装着され、定着ローラ210の一端には駆動ギヤ28が連結されている。そして、定着ローラ210に対向して加圧ローラ220が回動自在に装着されている。加圧ローラ220の軸方向長さは定着ローラ210のそれよりも短く、その空いたスペースに軸受250が設けられて、加圧ローラ220の両端は軸受250により支持されている。軸受250には加圧レバー260が回動可能に設けられ、加圧レバー260の一端とハウジング240間には加圧スプリング270が配設され、これにより加圧ローラ220と定着ローラ210が加圧されるように構成されている。
加圧ローラ220側の剥離部材320は、定着ローラ210側の剥離部材と同様の形状であり、図20および図21に示すように、剥離部320aの先端は剥離部310aの先端よりも記録媒体搬送方向下流側に配置され、また、ガイド部320eの先端は加圧ローラ220の軸受250の表面にP点で当接されており、これにより剥離部320aの先端と加圧ローラ220表面との間のギャップが常時一定になるように位置決めを行っている。そのために、図24に示すように、加圧ローラ220の軸方向長さは定着ローラ210のそれよりも短く、その空いたスペースに軸受250が設けられ、加圧ローラ220の両端は軸受250により支持されている。
例えば、定着ローラ210、加圧ローラ220が図26に示すように、逆クラウン形状を有するものである場合、剥離部材310の断面形状は、図27に示すようなものであるのが好ましい。また、定着ローラ210、加圧ローラ220が図28に示すように、クラウン形状を有するものである場合、剥離部材310の断面形状は、図29に示すようなものであるのが好ましい。
また、運転時における、定着設定温度(定着ローラ210表面の設定温度)は、110〜220℃であるのが好ましく、130〜200℃であるのがより好ましい。定着ローラ210の設定温度がこのような範囲の値であると、トナーの定着強度確保と昇温時間(ウォームアップタイム)の短縮が両立できる。
例えば、本発明では、トナーの製造に用いるトナー製造装置を構成する各部は、同様の機能を発揮する任意のものと置換、または、その他の構成を追加することもできる。例えば、前述した実施形態では、粒状の分散液(液滴9)を鉛直下方に向けて吐出する構成について説明したが、分散液の吐出方向は、鉛直上方、水平方向等、いかなる方向であってもよい。また、分散液3の吐出方向と、ガス噴射口17から噴射されるガスの噴射方向とが、ほぼ垂直となる構成のものであってもよい。この場合、吐出された粒状の分散液3(液滴9)は、ガス流によりその進行方向が変わり、吐出部からの吐出方向に対してほぼ直角に搬送されることになる。
また、前述した実施形態では、ルチルアナターゼ型酸化チタンは、外添剤として添加されるものとして説明したが、例えば、ルチルアナターゼ型酸化チタンを混練工程に供される原料の一成分として用いることにより、トナーの内部に含まれるものとしてもよい。
また、前述した実施形態では、結晶性を示す指標として示差走査熱量分析(DSC)による融点の吸熱ピークの測定で得られるΔTについて説明したが、結晶性を示す指標は、これに限定されない。例えば、結晶性を表す指標としては、密度法、X線法、赤外線法、核磁気共鳴吸収法等により測定される結晶化度等を用いてもよい。
また、図示の構成では、スクリューを2本有する構成の混練機について説明したが、スクリューは1本であってもよいし、3本以上であってもよい。
また、本発明の定着装置、画像形成装置は、前述した実施形態のようなものに限定されず、定着装置、画像形成装置を構成する各部は、同様の機能を発揮しうる任意の構成のものと置換することができる。
[1]ポリエステルの製造
トナーの製造に先立ち、以下に示す3種のポリエステルA、A’、B、C、Dを製造した。
まず、ネオペンチルグリコール:36モル部、エチレングリコール:36モル部、1,4−シクロヘキサンジオール:48モル部、テレフタル酸ジメチル:90モル部、無水フタル酸:10モル部の混合物を用意した。
2リットル4つ口フラスコに、還流冷却器、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を常法に従い設置し、前記のジオール成分とジカルボン酸成分との混合物:1000gと、エステル化縮合触媒(チタンテトラブトキシド(PPB)):1gとを、前記2リットル4つ口フラスコ内に入れた。その後、材料温度:180℃で、生成する水、メタノールを蒸留塔より流出させながら、エステル化反応を進行させた。蒸留塔から水、メタノールが流出しなくなった時点で、2リットル4つ口フラスコから蒸留塔を取り外すとともに、真空ポンプに接続した。系内の圧力を5mmHg以下に減圧した状態で、温度を200℃とし、攪拌回転数:150rpm攪拌することにより、縮合反応で発生した遊離ジオールを系外に排出し、その結果得られた反応物をポリエステルA(PES−A)とした。
得られたポリエステルAについて、示差走査熱量分析装置による融点の吸熱ピークの測定を試みた。その結果、融点の吸収ピークであると判断できるようなシャープなピークは、確認することができなかった。また、ポリエステルAの軟化点T1/2は、111℃、ガラス転移点Tgは、60℃、重量平均分子量Mwは、1.3×104であった。
まず、ネオペンチルグリコール:96モル部、エチレングリコール:12モル部、1,4−シクロヘキサンジオール:12モル部、テレフタル酸ジメチル:100モル部の混合物を用意した。
2リットル4つ口フラスコに、還流冷却器、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を常法に従い設置し、前記のジオール成分とジカルボン酸成分との混合物:1000gと、エステル化縮合触媒(チタンテトラブトキシド(PPB)):1gとを、前記2リットル4つ口フラスコ内に入れた。その後、材料温度:180℃で、生成する水、メタノールを蒸留塔より流出させながら、エステル化反応を進行させた。蒸留塔から水、メタノールが流出しなくなった時点で、2リットル4つ口フラスコから蒸留塔を取り外すとともに、真空ポンプに接続した。系内の圧力を5mmHg以下に減圧した状態で、温度を200℃とし、攪拌回転数:150rpm攪拌することにより、縮合反応で発生した遊離ジオールを系外に排出し、その結果得られた反応物をポリエステルA’(PES−A’)とした。
得られたポリエステルA’について、示差走査熱量分析装置による融点の吸熱ピークの測定を試みた。その結果、融点の吸収ピークであると判断できるようなシャープなピークは、確認することができなかった。また、ポリエステルA’の軟化点T1/2は、106℃、ガラス転移点Tgは、58℃、重量平均分子量Mwは、1.5×104であった。
2リットル4つ口フラスコに、還流冷却器、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を常法に従い設置し、上記[1.1]で得られたポリエステルA:70モル部とジオール成分としての1,4−ブタンジオール:15モル部とジカルボン酸成分としてのテレフタル酸ジメチル:15モル部との混合物:1000gと、エステル化縮合触媒(チタンテトラブトキシド(PPB)):1gとを、前記2リットル4つ口フラスコ内に入れた。その後、材料温度:200℃で、生成する水、メタノールを蒸留塔より流出させながら、エステル化反応を進行させた。蒸留塔から水、メタノールが流出しなくなった時点で、2リットル4つ口フラスコから蒸留塔を取り外すとともに、真空ポンプに接続した。系内の圧力を5mmHg以下に減圧した状態で、温度を220℃とし、攪拌回転数:150rpm攪拌することにより、縮合反応で発生した遊離ジオールを系外に排出し、その結果得られた反応物をポリエステルB(PES−B)とした。
示差走査熱量分析装置を用いた測定での、ポリエステルBの融点の吸熱ピークの中心値Tmpは、218℃、ショルダーピーク値Tmsは、205℃であった。また、測定で得られた示差走査熱量分析曲線から、求められたポリエステルBの融解熱Efは、18mJ/mgであった。また、ポリエステルBの軟化点T1/2は、149℃、ガラス転移点Tgは、64℃、重量平均分子量Mwは、2.8×104であった。
2リットル4つ口フラスコに、還流冷却器、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計、攪拌装置を常法に従い設置し、上記[1.1]で得られたポリエステルA:90モル部とジオール成分としての1,4−ブタンジオール:5モル部とジカルボン酸成分としてのテレフタル酸ジメチル:5モル部との混合物:1000gと、エステル化縮合触媒(チタンテトラブトキシド(PPB)):1gとを、前記2リットル4つ口フラスコ内に入れた。その後、材料温度:180℃で、生成する水、メタノールを蒸留塔より流出させながら、エステル化反応を進行させた。蒸留塔から水、メタノールが流出しなくなった時点で、2リットル4つ口フラスコから蒸留塔を取り外すとともに、真空ポンプに接続した。系内の圧力を5mmHg以下に減圧した状態で、温度を200℃とし、攪拌回転数:150rpm攪拌することにより、縮合反応で発生した遊離ジオールを系外に排出し、その結果得られた反応物をポリエステルC(PES−C)とした。
以下のようにして、トナーを製造した。
(実施例1)
まず、非晶性ポリエステルとしてポリエステルA:80重量部、ブロックポリエステルとしてポリエステルB:20重量部、着色剤としてキナクリドン(P.R.122):6重量部、帯電制御剤としてサリチル酸クロム錯体(ボントロンE−81):1重量部、ワックスとしてカルナウバワックス:2重量部を用意した。
これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
2軸混練押出機のプロセス部の全長は160cm、第1の領域の長さは32cm、第2の領域の長さは80cm、第3の領域の長さは16cmとした。
また、プロセス部における原料の温度が、第1の領域において240℃、第2の領域において100℃、第3の領域において100℃となるように設定した。
このような条件から求められる、原料が第1の領域を通過するのに要する時間は約1.5分間、第2の領域を通過するのに要する時間は約3分間である。
プロセス部で混練された原料(混練物)は、ヘッド部を介して2軸混練押出機の外部に押し出した。ヘッド部内における混練物の温度は、110℃となるように調節した。
このようにして2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を、図1中に示すような冷却機を用いて、冷却した。冷却工程直後の混練物の温度は、約46℃であった。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.5mmの粉末とした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
粉末状の混練物200gをトルエン800gに添加し、超音波ホモジナイザー(出力:400μA)を用いて、1時間処理することにより、混練物の各成分が分散・溶解した樹脂液を得た。
前記水性溶液:1000gを3リットルの丸底ステンレス容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化工社製)を用いて、回転数:4000rpmで攪拌しながら、前記樹脂液を400g/10分の速度で徐々に滴下した。
分散液の吐出は、毎分20mLの分散液を圧力0.7MPaの圧縮エアーとともに噴霧することにより行った。
また、分散液の吐出時には、各ノズル間に設けられた図示しないガス噴射口から温度:130℃、湿度:30%RH、流量:0.9m3/分の空気を鉛直下方に噴射し、また、ハウジング内の圧力は、0.109〜0.110Paとなるように調節した。また、固化部のハウジングには、その内表面側の電位が−200Vとなるように電圧を印加し、内壁に分散液(トナー粒子)が付着するのを防止するようにした。
固化部で形成された粒子をサイクロンにて回収した。回収した粒子は、平均円形度Rが0.974、円形度標準偏差が0.026であった。重量基準の平均粒径Dtは、5.8μmであった。重量基準の粒径標準偏差は1.12であった。なお、円形度の測定は、フロー式粒子像解析装置(東亜医用電子社製、FPIA−2000)を用いて、水分散系で行った。ただし、円形度Rは、下記式(I)で表されるものとする。
R=L0/L1・・・(I)
(ただし、式中、L1[μm]は、測定対象の粒子の投影像の周囲長、L0[μm]は、測定対象の粒子の投影像の面積に等しい面積の真円の周囲長を表す。)
最終的に得られたトナーの酸価は、0.8mgKOH/gであった。また、トナー中における結晶の平均長さは、400nmであった。また、得られたトナーにおける外添剤の被覆率は、160%であった。また、トナー中に含まれるルチルアナターゼ型の酸化チタンの内、遊離外添剤として存在しているものの割合(遊離率)は、1.2%であった。
なお、トナー中における結晶の平均長さは、透過型電子顕微鏡(TEM)による測定の結果から求めた。
ブロックポリエステルとしてポリエステルCを用いた以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(実施例3)
ノズルの構造を図6に示すようなものに変更し、外添剤として加えるルチルアナターゼ型の酸化チタンの添加量を0.2重量部とした以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
ノズルの構造を図7に示すようなものに変更し、外添剤として加えるルチルアナターゼ型の酸化チタンの添加量を2重量部とした以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(実施例5〜7)
混練工程に供する原料中におけるポリエステルAの含有量、ポリエステルBの含有量を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして、トナーを製造した。
ポリエステルAの代わりに、ポリエステルA’を用い、混練工程に供する原料中におけるポリエステルA’の含有量、ポリエステルBの含有量を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして、トナーを製造した。
(実施例11)
ノズルの構造を図8〜図10に示すようなものに変更し、外添剤としての負帯電性大粒径シリカ(平均粒径:40nm)を用いなかった以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
ノズルの構造を図11〜図13に示すようなものに変更し、外添剤として、さらに正帯電性シリカ(平均粒径:40nm):1重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。なお、正帯電性シリカとしては、アミノ基を有するシランカップリング剤(アミノシラン)を用いて負帯電性シリカに表面処理(疎水化処理)を施すことにより得られたものを用いた。
混練工程に供する原料中に、低融点ポリエステル:2重量部を添加した以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。なお、用いた低融点ポリエステルは、1,6−ヘキサンジオールとヘキサンジカルボン酸との重合体で、その重量平均分子量Mwは4.8×103、融点Tmは79℃、軟化点T1/2は82℃、ガラス転移点Tgは57℃であった。
ポリエステルA:80重量部、ポリエステルB:20重量部の代わりに、ポリエステルA:100重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(比較例2)
ポリエステルA:80重量部、ポリエステルB:20重量部の代わりに、ポリエステルC:100重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にしてトナーを製造した。
前記各実施例および各比較例のトナーについて、構成成分を表1に示し、トナー製造装置を用いて製造された粒子(シリカを添加する前のトナー粒子)の平均円形度R、円形度標準偏差、重量基準の平均粒径Dt、粒径標準偏差および最終的に得られたトナーの平均粒径を、トナーの製造に用いた分散液の条件とともに表2に示し、トナーの酸価、トナー中における結晶の平均長さ、外添剤の被覆率、およびルチルアナターゼ型の酸化チタンの遊離率を表3にまとめて示した。なお、表中、ポリエステルA、ポリエステルA’、ポリエステルB、ポリエステルC、ポリエステルDは、それぞれ、PES−A、PES−A’、PES−B、PES−C、PES−Dで示し、帯電制御剤は、CCAで示した。
まず、トナー約1gをパラレルプレートにはさみ、過熱溶融させ、高さ1.0〜2.0mmに調製した。このようにして得られたサンプルを、ARES粘弾性測定装置(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)を用いて、応力緩和測定モードにより、下記測定条件で粘弾性測定を行った。
・測定温度:150℃、
・歪印加量:線径領域における最大歪み
・ジオメトリー:パラレルプレート(25mm径)
上記のような測定により、初期緩和弾性率(0.01秒での緩和弾性率):G(0.01)[Pa]、Δt=0.05秒での緩和弾性率:G(Δt)[Pa]を求めた。これらの結果から得られるG(0.01)/G(Δt)の値を表3にあわせて示す。
以上のようにして得られた各トナーについて、嵩密度、定着良好域、現像耐久性、保存性の評価を行った。
[3.1]定着良好域
前記各実施例および前記各比較例で製造したトナーについて、パウダーテスタ(ホソカワミクロン社製)を用いて、嵩密度を測定した。測定時における温度は20℃、湿度は58%RHであった。
まず、前述した図20〜図27、図30に示すような定着装置を作製した。この定着装置では、トナーがニップ部を通過するのに要する時間Δtを0.05秒に設定した。この定着装置を用いて図18、図19に示すような画像形成装置(カラープリンタ)を作製した。この画像形成装置を用いて、未定着の画像サンプルを採取し、当該画像形成装置の定着装置で、以下のような試験を実施した。なお、採取するサンプルのベタは付着量を0.40〜0.50mg/cm2に調整した。
画像形成装置を構成する定着装置の定着ローラの表面温度を所定温度に設定した状態で、未定着のトナー像が転写された用紙(セイコーエプソン社製、上質普通紙)を、定着装置の内部に導入することにより、トナー像を用紙に定着させ、定着後におけるオフセットの発生の有無を目視で確認した。
◎:定着良好域の幅が60℃以上である。
○:定着良好域の幅が45℃以上60℃未満である。
△:定着良好域の幅が30℃以上45℃未満である。
×:定着良好域の幅が30℃未満である。
前記[3.2]で用いた画像形成装置の現像装置にトナーを30gセットした後、無補給でエージングを行い、現像ローラへのフィルミングが発生するまでの時間を測定し、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:エージング開始後、120分以上経過しても、フィルミングの発生は
認められなかった。
○:エージング開始後、80〜120分でフィルミングが発生。
△:エージング開始後、50〜80分でフィルミングが発生。
×:エージング開始後、50分未満でフィルミングが発生。
各実施例および各比較例のトナーを、それぞれ10gずつサンプル瓶に入れ、50℃の恒温槽内に48時間放置した後、固まり(凝集)の有無を目視で確認し、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:固まり(凝集)の存在が全く認められなかった。
○:小さい固まり(凝集)がわずかに認められた。
△:小さい固まり(凝集)が相当数認められた。
×:固まり(凝集)がはっきりと認められた。
これらの結果を表4にまとめて示した。
これに対して、比較例のトナーでは、十分な特性が得られなかった。
また、比較例2では、定着強度が弱く、定着性に劣っていた。
また、前記各トナーについて、上記の定着装置のニップ部を通過させ、トナー粒子の前記ニップ部の通過時間Δt[秒]における、緩和弾性率G(t)の変化量を測定したところ、実施例1〜13の各トナーでは、緩和弾性率G(t)の変化量は、いずれも100[Pa]以下であった。なお、トナー粒子が通過する際における、ニップ部の温度は、180℃であった。
Claims (10)
- トナーが担持された記録媒体を、定着ローラと加圧ローラとの接触部で形成される定着ニップ部を通過させる工程と、
剥離部材により、前記定着ローラから前記記録媒体を剥離する工程とを有し、
前記トナーは、主としてブロック共重合体で構成されたブロックポリエステルと、前記ブロックポリエステルより結晶性の低い非晶性ポリエステルとを含むものであり、
前記ブロックポリエステルが、ジオール成分とジカルボン酸成分とを縮合してなる結晶性ブロックと、前記結晶性ブロックより結晶性の低い非晶性ブロックとを有するものであることを特徴とする画像形成方法。 - 前記トナーは、前記ブロックポリエステルと前記非晶性ポリエステルとを含む分散質が分散媒中に分散した分散液を、微粒子化して噴射し、固化部内を搬送させつつ固化させて粒状とする方法により製造されたものであり、
前記分散液の前記微細化は、ガス流で平滑面に押し付けて薄く引き伸ばして薄層流とし、当該薄層流を前記平滑面から離して微粒子として噴射することにより行われるものである請求項1に記載の画像形成方法。 - 前記トナーは、前記ブロックポリエステルと前記非晶性ポリエステルとを含む分散質が分散媒中に分散した分散液を、微粒子化して噴射し、固化部内を搬送させつつ固化させて粒状とする方法により製造されたものであり、
前記分散液は、複数個の噴射部から微粒子化されて噴射されるものであり、複数個の前記噴射部のうち、少なくとも隣り合う2つからの噴射タイミングがずれるようにして噴射されたものである請求項1または2に記載の画像形成方法。 - 前記トナーは、前記ブロックポリエステルと前記非晶性ポリエステルとを含む分散質が分散媒中に分散した分散液を、微粒子化して噴射し、固化部内を搬送させつつ固化させて粒状とする方法により製造されたものであり、
前記分散液は、前記固化部に、前記分散液と同じ極性の電圧を印加した状態で、噴射されたものである請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成方法。 - 前記記録媒体の送り速度が0.05〜1.0m/秒である請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記剥離部材は、前記定着ローラおよび/または前記加圧ローラに近接して配設されている請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記剥離部材は、前記定着ローラの軸方向に沿って配設されたものであり、かつ、前記定着ニップ部の出口の形状に沿う形状を有するものである請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記定着ニップ部の出口の接線に対する、前記剥離部材の配置角度θAは、前記定着ローラ側を+の角度、前記加圧ローラ側を−の角度としたとき、−5〜+25°である請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記定着ローラおよび前記加圧ローラの軸方向に延在し、前記定着ニップ部の記録媒体搬送方向下流側に、前記定着ローラおよび前記加圧ローラに近接して配設される前記剥離部材を備え、前記定着ローラ側の前記剥離部材の位置決めを前記定着ローラ表面で行い、前記加圧ローラ側の前記剥離部材の位置決めを前記加圧ローラの軸受表面で行う請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成方法。
- 前記定着ローラの軸方向の端部付近における、前記定着ローラと前記剥離部材とのギャップG2[μm]が、前記定着ローラの軸方向の中央部付近における、前記定着ローラと前記剥離部材とのギャップG1[μm]より大きい請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成方法。
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