JP2008151298A - 遊星ローラ機構 - Google Patents

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Sachihiro Mizuno
祥宏 水野
Kisaburo Hayakawa
喜三郎 早川
Hiroyuki Nishizawa
博幸 西澤
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Abstract

【課題】トルク伝達容量の低下を招くことなく、正逆両方向の伝達トルクに対してローラ同士の接触部に作用させる法線力を変化させることができる遊星ローラ機構を提供する。
【解決手段】アウターピニオンローラ33−1は、リングローラ22の他に、サンローラ21の周方向に隣接する2つのインナーピニオンローラ23−1,23−6と接触する。アウターピニオンローラ33−1においては、インナーピニオンローラ23−6との接触部53の接線方向、及びインナーピニオンローラ23−1との接触部63の接線方向が、リングローラ22との接触部43の接線方向に対して傾斜している。インナーピニオンローラ23−1〜23−6のサンローラ21まわりの回転が拘束されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、サンローラとリングローラとの間にピニオンローラが挟持された遊星ローラ機構に関する。
遊星ローラ機構は、回転するローラ同士の油膜を介した接触部に押圧力(法線方向の力)を作用させることで生じる油膜のせん断力(接線方向のトラクション力)によって動力伝達を行うトラクションドライブ機構である。こうしたトラクションドライブ機構では、各接触部において過大滑り(グロススリップ)が生じないように、動力伝達に必要な押付力(法線力)を各接触部に作用させる必要がある。さらに、動力伝達を効率よく行うためには必要な法線力は、ローラに作用するトルクに応じて変化する。そのため、接触部に作用させる法線力をローラのトルクに応じて変化させることが望ましい。
例えばウェッジローラ型の遊星ローラ機構では、ピニオンローラ(ウェッジローラ)が伝達トルクに応じた分、サンローラとリングローラとの間のくさびに入り込むことで、接触部に作用させる法線力を伝達トルクに応じて変化させている。しかし、伝達トルクが逆方向である場合は、ピニオンローラがくさびから外れるため、接触部に法線力を作用させることができず、トルク伝達を行うことができなくなる。
下記特許文献1には、伝達トルクが正方向である場合にサンローラとリングローラとの間のくさびに入り込む第1のピニオンローラ(ウェッジローラ)と、伝達トルクが逆方向である場合にサンローラとリングローラとの間のくさびに入り込む第2のピニオンローラ(ウェッジローラ)と、を備えるウェッジローラ型の遊星ローラ機構が開示されている。特許文献1によれば、正逆両方向の伝達トルクに対して接触部に作用させる法線力を変化させることが可能である。
その他にも、下記特許文献2〜4による遊星ローラ機構が開示されている。
特開昭52−114851号公報 特開昭47−43863号公報 特開昭51−71461号公報 特開昭54−33953号公報
特許文献1によるウェッジローラ型の遊星ローラ機構では、伝達トルクが正方向である場合は、第2のピニオンローラがくさびから外れることでトルク伝達に寄与しなくなる。そして、伝達トルクが逆方向である場合は、第1のピニオンローラがくさびから外れることでトルク伝達に寄与しなくなる。そのため、特許文献1では、正逆両方向の伝達トルクに対して接触部に作用させる法線力を変化させることが可能であるものの、トルク伝達容量が低下する。
本発明は、トルク伝達容量の低下を招くことなく、正逆両方向の伝達トルクに対してローラ同士の接触部に作用させる法線力を変化させることができる遊星ローラ機構を提供することを目的とする。
本発明に係る遊星ローラ機構は、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る遊星ローラ機構は、リングローラと、リングローラの内側に配置されたサンローラと、サンローラの周方向に沿って並べられた複数のインナーピニオンローラであって、その各々がサンローラと接触する複数のインナーピニオンローラと、サンローラの周方向に隣接する2つのインナーピニオンローラ及びリングローラと接触するアウターピニオンローラと、を備え、アウターピニオンローラにおいては、前記2つのインナーピニオンローラの一方との接触部の接線方向、及び前記2つのインナーピニオンローラの他方との接触部の接線方向が、いずれもリングローラとの接触部の接線方向に対し傾斜しており、複数のインナーピニオンローラのサンローラまわりの回転が拘束されていることを要旨とする。
また、本発明に係る遊星ローラ機構は、リングローラと、リングローラの内側に配置されたサンローラと、リングローラの周方向に沿って並べられた複数のアウターピニオンローラであって、その各々がリングローラと接触する複数のアウターピニオンローラと、リングローラの周方向に隣接する2つのアウターピニオンローラ及びサンローラと接触するインナーピニオンローラと、を備え、インナーピニオンローラにおいては、前記2つのアウターピニオンローラの一方との接触部の接線方向、及び前記2つのアウターピニオンローラの他方との接触部の接線方向が、いずれもサンローラとの接触部の接線方向に対し傾斜しており、複数のアウターピニオンローラのサンローラまわりの回転が拘束されていることを要旨とする。
また、本発明に係る遊星ローラ機構は、リングローラと、リングローラの内側に配置されたサンローラと、サンローラの周方向に沿って並べられた複数のインナーピニオンローラであって、その各々がサンローラと接触する複数のインナーピニオンローラと、各インナーピニオンローラをその中心軸まわりに回転自在に支持するインナーキャリアと、サンローラの周方向に沿って並べられた複数のアウターピニオンローラであって、その各々がリングローラと接触する複数のアウターピニオンローラと、各アウターピニオンローラをその中心軸まわりに回転自在に支持するアウターキャリアと、を備え、各インナーピニオンローラがサンローラの周方向に隣接する2つのアウターピニオンローラと接触するとともに、各アウターピニオンローラがサンローラの周方向に隣接する2つのインナーピニオンローラと接触し、各インナーピニオンローラにおいては、前記2つのアウターピニオンローラの一方との接触部の接線方向、及び前記2つのアウターピニオンローラの他方との接触部の接線方向が、いずれもサンローラとの接触部の接線方向に対し傾斜しており、各アウターピニオンローラにおいては、前記2つのインナーピニオンローラの一方との接触部の接線方向、及び前記2つのインナーピニオンローラの他方との接触部の接線方向が、いずれもリングローラとの接触部の接線方向に対し傾斜していることを要旨とする。
本発明によれば、トルク伝達容量の低下を招くことなく、正逆両方向の伝達トルクに対してローラ同士の接触部に作用させる法線力を変化させることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
「実施形態1」
図1〜3は、本発明の実施形態1に係る遊星ローラ機構12の概略構成を示す図であり、図1,3はサンローラ21の回転中心軸に平行な方向から見た図を示し、図2は斜視図を示す。本実施形態に係る遊星ローラ機構12は、リングローラ22と、リングローラ22の内側(径方向内側)に配置されたサンローラ21と、複数のインナーピニオンローラ23−1〜23−6と、各インナーピニオンローラ23−1〜23−6をその中心軸(自軸)まわりに回転自在に支持するインナーキャリア24と、複数のアウターピニオンローラ33−1〜33−6と、を有する。ただし、図2,3では、インナーピニオンローラ23−2〜23−5及びアウターピニオンローラ33−2〜33−6の図示を省略している。
各インナーピニオンローラ23−1〜23−6の外径は等しく設定されており、各アウターピニオンローラ33−1〜33−6の外径も等しく設定されている。そして、アウターピニオンローラ33−1〜33−6の外径がインナーピニオンローラ23−1〜23−6の外径よりも大きく設定されている。複数のインナーピニオンローラ23−1〜23−6は、サンローラ21の周方向(リングローラ22の周方向と一致する)に沿って等間隔で(60°おきに)並べられており、その各々がサンローラ21と接触している。複数のアウターピニオンローラ33−1〜33−6は、サンローラ21の周方向に沿って等間隔で(60°おきに)並べられており、その各々がリングローラ22と接触している。このように、図1に示す例では、インナーピニオンローラ23−1〜23−6と同数(6つ)のアウターピニオンローラ33−1〜33−6がサンローラ21の周方向(リングローラ22の周方向)に沿って並べられている。ただし、サンローラ21の周方向に沿って並べられるインナーピニオンローラ及びアウターピニオンローラの個数については、任意に設定することが可能である。
図3に示すように、アウターピニオンローラ33−1の回転中心軸(自転の中心軸)33−1aは、サンローラ21の回転中心軸21a及びインナーピニオンローラ23−1の回転中心軸(自転の中心軸)23−1aと直交する直線L1に対してオフセットしている。そして、アウターピニオンローラ33−1は、リングローラ22の他に、サンローラ21の周方向に隣接する2つのインナーピニオンローラ23−1,23−6と接触しており、リングローラ22とインナーピニオンローラ23−1,23−6との間に挟持(挟圧保持)されている。そのため、アウターピニオンローラ33−1とインナーピニオンローラ23−6との接触部53の接線方向が、アウターピニオンローラ33−1とリングローラ22との接触部43の接線方向に対して傾斜している。さらに、アウターピニオンローラ33−1とインナーピニオンローラ23−1との接触部63の接線方向も、アウターピニオンローラ33−1とリングローラ22との接触部43の接線方向に対して傾斜している。ここで、図3に示すように、アウターピニオンローラ33−1において、接触部43の接線方向に対する接触部53の接線方向の傾斜角度をくさび角α1とし、接触部43の接線方向に対する接触部63の接線方向の傾斜角度をくさび角α2とする。そして、接触部43の接線方向と接触部53の接線方向との交点をくさびの頂点P1とし、接触部43の接線方向と接触部63の接線方向との交点をくさびの頂点P2とする。なお、くさび角α1,α2に関して、α1=α2が成立する。
同様に、アウターピニオンローラ33−j(jは2以上且つ6以下の整数)の回転中心軸は、サンローラ21の回転中心軸21a及びインナーピニオンローラ23−jの回転中心軸と直交する直線に対してオフセットしており、各アウターピニオンローラ33−1〜33−6においてオフセット量が等しく設定されている。そして、アウターピニオンローラ33−jは、リングローラ22の他に、サンローラ21の周方向に隣接する2つのインナーピニオンローラ23−(j−1),23−jと接触しており、リングローラ22とインナーピニオンローラ23−(j−1),23−jとの間に挟持されている。そのため、アウターピニオンローラ33−jとインナーピニオンローラ23−(j−1)との接触部の接線方向は、アウターピニオンローラ33−jとリングローラ22との接触部の接線方向に対して傾斜している。さらに、アウターピニオンローラ33−jとインナーピニオンローラ23−jとの接触部の接線方向も、アウターピニオンローラ33−jとリングローラ22との接触部の接線方向に対して傾斜している。アウターピニオンローラ33−jにおいて、リングローラ22との接触部の接線方向に対するインナーピニオンローラ23−(j−1)との接触部の接線方向の傾斜角度は、前述のくさび角α1に等しく、リングローラ22との接触部の接線方向に対するインナーピニオンローラ23−jとの接触部の接線方向の傾斜角度は、前述のくさび角α2に等しい。このように、本実施形態では、各アウターピニオンローラ33−1〜33−6の回転中心軸は、サンローラ21の回転中心軸21a及びインナーピニオンローラの回転中心軸と直交する直線に対してオフセットしており、各アウターピニオンローラ33−1〜33−6は、サンローラ21の周方向に隣接する2つのインナーピニオンローラ及びリングローラ22と接触する。そのため、各アウターピニオンローラ33−1〜33−6においては、接触する2つのインナーピニオンローラの一方との接触部の接線方向、及び接触する2つのインナーピニオンローラの他方との接触部の接線方向が、いずれもリングローラ22との接触部の接線方向に対して傾斜している。
本実施形態では、遊星ローラ機構12を変速機構として用いるために、インナーキャリア24が図示しないケーシングに固定されていることで、その回転が拘束されている。つまり、複数のインナーピニオンローラ23−1〜23−6のサンローラ21まわりの回転(公転)が拘束されている。これによって、サンローラ21とリングローラ22との間で動力を変速して伝達することができる。サンローラ21からリングローラ22へ動力を伝達する場合は、遊星ローラ機構12は、サンローラ21からリングローラ22へ動力を減速して伝達する減速機構として機能する。一方、リングローラ22からサンローラ21へ動力を伝達する場合は、遊星ローラ機構12は、リングローラ22からサンローラ21へ動力を増速して伝達する増速機構として機能する。なお、各アウターピニオンローラ33−1〜33−6については、サンローラ21まわりの回転(公転)が拘束されておらず、接触するインナーピニオンローラとリングローラ22との間に挟持される範囲で若干の移動(公転)が可能である。
次に、本実施形態に係る遊星ローラ機構12の動作について説明する。ただし、以下の説明においては、サンローラ21に入力されたトルクをリングローラ22へ伝達する場合について説明し、サンローラ21及びリングローラ22に作用するトルクの方向については、図1,3の反時計まわりの方向を正転方向とし、図1,3の時計まわりの方向を逆転方向(正転方向と反対方向)とする。
サンローラ21に正転方向のトルクT1が入力されたときは、図4に示すように、アウターピニオンローラ33−1は、接触部53にてインナーピニオンローラ23−6から接線力(接線方向の力)F1及び法線力(法線方向の力)N1を受けるとともに、接触部43にてリングローラ22から接線力F1及び法線力N1を受ける。接触部53にてアウターピニオンローラ33−1に作用する接線力F1の方向は、接触部53からくさびの頂点P1へ向かう方向であり、接触部43にてアウターピニオンローラ33−1に作用する接線力F1の方向は、接触部43からくさびの頂点P1へ向かう方向である。そのため、アウターピニオンローラ33−1は、くさびの頂点P1へ向かう方向の力2・F1・cos(α1/2)によって、くさびの頂点P1へ向かって移動する(くさびに食い込む)。そして、サンローラ21への正転方向の入力トルクT1が増大するほど、接触部43,53にてアウターピニオンローラ33−1に作用する接線力F1が増大し、くさびの頂点P1側へのアウターピニオンローラ33−1の移動量(くさびへの食い込み量)も増大する。これによって、接触部43,53にてアウターピニオンローラ33−1に作用する法線力(押付力)N1も増大する。その結果、図5に示すように、接触部43,53に作用する法線力N1が、サンローラ21への入力トルクT1に応じて変化し、正転方向の入力トルクT1の増大に対して増大する。なお、接触部43,53にてアウターピニオンローラ33−1に作用する接線力F1と法線力N1との釣り合いに関して、以下の(1)式が成立する。
2・F1・cos(α1/2)=2・N1・sin(α1/2) (1)
同様に、アウターピニオンローラ33−j(jは2以上且つ6以下の整数)についても、サンローラ21への正転方向の入力トルクT1が増大するほど、インナーピニオンローラ23−(j−1)及びリングローラ22から受ける接線力F1が増大し、くさびへの食い込み量が増大する。そのため、図5に示すように、インナーピニオンローラ23−(j−1)との接触部及びリングローラ22との接触部に作用する法線力N1が、正転方向の入力トルクT1の増大に対して増大する。
一方、サンローラ21に逆転方向のトルクT2が入力されたときは、図6に示すように、アウターピニオンローラ33−1は、接触部63にてインナーピニオンローラ23−1から接線力F2及び法線力N2を受けるとともに、接触部43にてリングローラ22から接線力F2及び法線力N2を受ける。接触部63にてアウターピニオンローラ33−1に作用する接線力F2の方向は、接触部63からくさびの頂点P2へ向かう方向であり、接触部43にてアウターピニオンローラ33−1に作用する接線力F2の方向は、接触部43からくさびの頂点P2へ向かう方向である。そのため、アウターピニオンローラ33−1は、くさびの頂点P2へ向かう方向の力2・F2・cos(α2/2)によって、くさびの頂点P2へ向かって移動する(くさびに食い込む)。そして、サンローラ21への逆転方向の入力トルクT2が増大するほど、接触部43,63にてアウターピニオンローラ33−1に作用する接線力F2が増大し、くさびの頂点P2側へのアウターピニオンローラ33−1の移動量(くさびへの食い込み量)も増大する。これによって、接触部43,63にてアウターピニオンローラ33−1に作用する法線力(押付力)N2も増大する。その結果、図5に示すように、接触部43,63に作用する法線力N2が、サンローラ21への入力トルクT2に応じて変化し、逆転方向の入力トルクT2の増大に対して増大する。なお、接触部43,63にてアウターピニオンローラ33−1に作用する接線力F2と法線力N2との釣り合いに関して、以下の(2)式が成立する。
2・F2・cos(α2/2)=2・N2・sin(α2/2) (2)
同様に、アウターピニオンローラ33−j(jは2以上且つ6以下の整数)についても、サンローラ21への逆転方向の入力トルクT2が増大するほど、インナーピニオンローラ23−j及びリングローラ22から受ける接線力F2が増大し、くさびへの食い込み量が増大する。そのため、図5に示すように、インナーピニオンローラ23−jとの接触部及びリングローラ22との接触部に作用する法線力N2が、逆転方向の入力トルクT2の増大に対して増大する。
なお、アウターピニオンローラ33−1において、接触部43,53,63のトラクション係数をμとすると、サンローラ21に正転方向のトルクT1が入力されたときに接触部43,53に生じる接線方向のトラクション力FT1は、FT1=μ・N1である。正転方向の入力トルクT1に対してサンローラ21からリングローラ22への伝達力を発生するためには、F1≦FT1が成立することが必要であり、くさび角α1とトラクション係数μとに関して以下の(3)式が成立することが必要である。
tan(α1/2)≦μ
α1≦2・tan-1μ (3)
そして、アウターピニオンローラ33−1において、サンローラ21に逆転方向のトルクT2が入力されたときに接触部43,63に生じる接線方向のトラクション力FT2は、FT2=μ・N2である。逆転方向の入力トルクT2に対してサンローラ21からリングローラ22への伝達力を発生するためには、F2≦FT2が成立することが必要であり、くさび角α2とトラクション係数μとに関して以下の(4)式が成立することが必要である。
tan(α2/2)≦μ
α2≦2・tan-1μ (4)
同様に、アウターピニオンローラ33−j(jは2以上且つ6以下の整数)においても、正転方向の入力トルクT1に対してサンローラ21からリングローラ22への伝達力を発生するためには、インナーピニオンローラ23−(j−1),23−j及びリングローラ22との接触部のトラクション係数μとくさび角α1とに関して(3)式が成立することが必要である。そして、アウターピニオンローラ33−jにおいても、逆転方向の入力トルクT2に対してサンローラ21からリングローラ22への伝達力を発生するためには、トラクション係数μとくさび角α2とに関して(4)式が成立することが必要である。本実施形態では、各アウターピニオンローラ33−1〜33−6において、(3)式及び(4)式を満たすようにくさび角α1,α2が設定されている。なお、(3)、(4)式でのトラクション係数μとしては、例えば、サンローラ21とリングローラ22との間で伝達されるトルクが最大となるときのトラクション係数、つまり最大トラクション係数を用いることができる。
以上説明した本実施形態では、正転方向のトルクT1が入力された場合と逆転方向のトルクT2が入力された場合との両方において、入力トルクの増大に対して各アウターピニオンローラ33−1〜33−6のくさびへの食い込み量を増大させることができ、各アウターピニオンローラ33−1〜33−6に作用する法線力を増大させることができる。このように、くさび効果を利用して法線力をトルクに応じて可変化しているため、遊星ローラ機構12の大型化を抑えることができる。さらに、正転方向のトルクT1が入力された場合と逆転方向のトルクT2が入力された場合との両方において、すべてのアウターピニオンローラ33−1〜33−6及びインナーピニオンローラ23−1〜23−6がトルク伝達に寄与するため、トルク伝達容量の低下を招くこともない。したがって、本実施形態によれば、トルク伝達容量の低下や体格の大型化を招くことなく、正転方向及び逆転方向の両方向の伝達トルクに対してローラ同士の接触部に作用させる法線力を変化させることができる。その結果、正転方向のトルクT1が入力された場合と逆転方向のトルクT2が入力された場合との両方において、過剰な法線力による損失を低減してトルク伝達を効率よく行うことができるとともに、ローラ同士の接触部において過大滑りが生じるのを適切に防止することができる。さらに、遊星ローラ機構12の転動疲労寿命も向上させることができる。
また、本実施形態では、アウターピニオンローラ33−1〜33−6の外径をインナーピニオンローラ23−1〜23−6の外径よりも大きく設定することで、くさび角α1,α2を小さくすることができる。そのため、トラクション係数μが低い場合でも、サンローラ21とリングローラ22との間で伝達力を安定して発生することができる。
なお、リングローラ22に入力されたトルクをサンローラ21へ伝達する場合においても、リングローラ22への入力トルクの方向に関係なく、入力トルクの増大に対して各アウターピニオンローラ33−1〜33−6に作用する法線力を増大させることができる。さらに、入力トルクの方向に関係なく、すべてのアウターピニオンローラ33−1〜33−6及びインナーピニオンローラ23−1〜23−6がトルク伝達に寄与する。
本実施形態では、図7に示すように、各アウターピニオンローラ33−1〜33−6をその中心軸(自軸)まわりに回転自在に支持するアウターキャリア34を設けることもできる。ただし、図7では、インナーピニオンローラ23−2〜23−5及びアウターピニオンローラ33−2〜33−6の図示を省略している。そして、アウターキャリア34にアクチュエータを連結することもできる。ここでのアクチュエータは、アウターキャリア34に両方向(正転方向及び逆転方向)のトルクを選択的に作用させることができ、アクチュエータの駆動制御については、制御装置により行うことができる。他の構成は、図1〜3に示す構成例と同様である。
アウターキャリア34にアクチュエータを連結した構成例において、サンローラ21に入力されたトルクをリングローラ22へ伝達する場合に、サンローラ21に正転方向(図1,3の反時計まわり)のトルクT1が入力されたときは、制御装置は、アウターキャリア34に逆転方向(図1,3の時計まわり)のトルクを作用させるようにアクチュエータのトルクを制御する。このアクチュエータのトルクによって、アウターピニオンローラ33−1にくさびの頂点P1へ向かう方向の力を作用させることができ、アウターピニオンローラ33−1の接触部43,53に法線力N1が作用する。同様に、アウターピニオンローラ33−j(jは2以上且つ6以下の整数)についても、インナーピニオンローラ23−(j−1)との接触部及びリングローラ22との接触部に法線力N1が作用する。さらに、制御装置は、サンローラ21への入力トルクT1に基づいてアクチュエータのトルクを制御する、例えば正転方向の入力トルクT1の増大に対してアウターキャリア34に作用させる逆転方向のトルクを増大させることで、法線力N1を、サンローラ21への入力トルクT1に応じて変化させることができ、正転方向の入力トルクT1の増大に対して増大させることができる。
一方、サンローラ21に逆転方向のトルクT2が入力されたときは、制御装置は、アウターキャリア34に正転方向(図1,3の反時計まわり)のトルクを作用させるようにアクチュエータのトルクを制御する。このアクチュエータのトルクによって、アウターピニオンローラ33−1にくさびの頂点P2へ向かう方向の力を作用させることができ、アウターピニオンローラ33−1の接触部43,63に法線力N2が作用する。同様に、アウターピニオンローラ33−jについても、インナーピニオンローラ23−jとの接触部及びリングローラ22との接触部に法線力N2が作用する。さらに、制御装置は、逆転方向の入力トルクT2の増大に対してアウターキャリア34に作用させる正転方向のトルクを増大させるようにアクチュエータのトルクを制御することで、逆転方向の入力トルクT2の増大に対して法線力N2を増大させることができる。
なお、アウターキャリア34にアクチュエータを連結した構成例では、トラクション係数μとくさび角α1とに関して前述の(3)式が成立しない場合でも、サンローラ21とリングローラ22との間で正転方向の入力トルクに対して伝達力を発生することができる。そして、トラクション係数μとくさび角α2とに関して前述の(4)式が成立しない場合でも、サンローラ21とリングローラ22との間で逆転方向の入力トルクに対して伝達力を発生することができる。
また、リングローラ22に入力されたトルクをサンローラ21へ伝達する場合においても、入力トルクの増大に対して各アウターピニオンローラ33−1〜33−6に作用する法線力を増大させるように、アクチュエータのトルクを制御することができる。
「実施形態2」
図8,9は、本発明の実施形態2に係る遊星ローラ機構12の概略構成を示す図であり、サンローラ21の回転中心軸に平行な方向から見た図を示す。以下の実施形態2の説明では、実施形態1と同様の構成または対応する構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態では、実施形態1(図1〜3に示す構成例)と比較して、インナーキャリア24の代わりに、各アウターピニオンローラ33−1〜33−6をその中心軸(自軸)まわりに回転自在に支持するアウターキャリア34が設けられている。そして、実施形態1と同様に、アウターピニオンローラ33−1〜33−6の外径がインナーピニオンローラ23−1〜23−6の外径よりも大きく設定されている。
図9に示すように、インナーピニオンローラ23−6の回転中心軸(自転の中心軸)23−6aは、サンローラ21の回転中心軸21a及びアウターピニオンローラ33−6の回転中心軸(自転の中心軸)33−6aと直交する直線L6に対してオフセットしている。そして、インナーピニオンローラ23−6は、サンローラ21の他に、サンローラ21の周方向(リングローラ22の周方向)に隣接する2つのアウターピニオンローラ33−1,33−6と接触しており、サンローラ21とアウターピニオンローラ33−1,33−6との間に挟持(挟圧保持)されている。そのため、インナーピニオンローラ23−6とアウターピニオンローラ33−1との接触部53の接線方向が、インナーピニオンローラ23−6とサンローラ21との接触部83の接線方向に対して傾斜している。さらに、インナーピニオンローラ23−6とアウターピニオンローラ33−6との接触部73の接線方向も、インナーピニオンローラ23−6とサンローラ21との接触部83の接線方向に対して傾斜している。ここで、図9に示すように、インナーピニオンローラ23−6において、接触部83の接線方向に対する接触部53の接線方向の傾斜角度をくさび角β1とし、接触部83の接線方向に対する接触部73の接線方向の傾斜角度をくさび角β2とする。そして、接触部83の接線方向と接触部53の接線方向との交点をくさびの頂点P3とし、接触部83の接線方向と接触部73の接線方向との交点をくさびの頂点P4とする。なお、くさび角β1,β2に関して、β1=β2が成立する。
同様に、インナーピニオンローラ23−k(kは1以上且つ5以下の整数)の回転中心軸は、サンローラ21の回転中心軸21a及びアウターピニオンローラ33−kの回転中心軸と直交する直線に対してオフセットしており、各インナーピニオンローラ23−1〜23−6においてオフセット量が等しく設定されている。そして、インナーピニオンローラ23−kは、サンローラ21の他に、リングローラ22の周方向に隣接する2つのアウターピニオンローラ33−k,33−(k+1)と接触しており、サンローラ21とアウターピニオンローラ33−k,33−(k+1)との間に挟持されている。そのため、インナーピニオンローラ23−kとアウターピニオンローラ33−(k+1)との接触部の接線方向は、インナーピニオンローラ23−kとサンローラ21との接触部の接線方向に対して傾斜している。さらに、インナーピニオンローラ23−kとアウターピニオンローラ33−kとの接触部の接線方向も、インナーピニオンローラ23−kとサンローラ21との接触部の接線方向に対して傾斜している。インナーピニオンローラ23−kにおいて、サンローラ21との接触部の接線方向に対するアウターピニオンローラ33−(k+1)との接触部の接線方向の傾斜角度は、前述のくさび角β1に等しく、サンローラ21との接触部の接線方向に対するアウターピニオンローラ33−kとの接触部の接線方向の傾斜角度は、前述のくさび角β2に等しい。このように、本実施形態では、各インナーピニオンローラ23−1〜23−6の回転中心軸は、サンローラ21の回転中心軸21a及びアウターピニオンローラの回転中心軸と直交する直線に対してオフセットしており、各インナーピニオンローラ23−1〜23−6は、リングローラ22の周方向に隣接する2つのアウターピニオンローラ及びサンローラ21と接触する。そのため、各インナーピニオンローラ23−1〜23−6においては、接触する2つのアウターピニオンローラの一方との接触部の接線方向、及び接触する2つのアウターピニオンローラの他方との接触部の接線方向が、いずれもサンローラ21との接触部の接線方向に対して傾斜している。
本実施形態では、遊星ローラ機構12を変速機構として用いるために、アウターキャリア34が図示しないケーシングに固定されていることで、その回転が拘束されている。つまり、複数のアウターピニオンローラ33−1〜33−6のサンローラ21まわりの回転(公転)が拘束されている。これによって、サンローラ21とリングローラ22との間で動力を変速して伝達することができる。遊星ローラ機構12は、サンローラ21からリングローラ22へ動力を伝達する場合は減速機構として機能し、リングローラ22からサンローラ21へ動力を伝達する場合は増速機構として機能する。なお、各インナーピニオンローラ23−1〜23−6については、サンローラ21まわりの回転(公転)が拘束されておらず、接触するアウターピニオンローラとサンローラ21との間に挟持される範囲で若干の移動(公転)が可能である。
次に、本実施形態に係る遊星ローラ機構12の動作について説明する。ただし、以下の説明においては、サンローラ21に入力されたトルクをリングローラ22へ伝達する場合について説明し、サンローラ21及びリングローラ22に作用するトルクの方向については、図8,9の反時計まわりの方向を正転方向とし、図8,9の時計まわりの方向を逆転方向(正転方向と反対方向)とする。
サンローラ21に正転方向のトルクT1が入力されたときは、図10に示すように、インナーピニオンローラ23−6は、接触部53にてアウターピニオンローラ33−1から接線力F1及び法線力N1を受けるとともに、接触部83にてサンローラ21から接線力F1及び法線力N1を受ける。接触部53にてインナーピニオンローラ23−6に作用する接線力F1の方向は、接触部53からくさびの頂点P3へ向かう方向であり、接触部83にてインナーピニオンローラ23−6に作用する接線力F1の方向は、接触部83からくさびの頂点P3へ向かう方向である。そのため、インナーピニオンローラ23−6は、くさびの頂点P3へ向かう方向の力2・F1・cos(β1/2)によって、くさびの頂点P3へ向かって移動する(くさびに食い込む)。そして、サンローラ21への正転方向の入力トルクT1が増大するほど、接触部53,83にてインナーピニオンローラ23−6に作用する接線力F1が増大し、くさびの頂点P3側へのインナーピニオンローラ23−6の移動量(くさびへの食い込み量)も増大する。これによって、接触部53,83にてインナーピニオンローラ23−6に作用する法線力(押付力)N1も増大する。その結果、接触部53,83に作用する法線力N1が、正転方向の入力トルクT1の増大に対して増大する。なお、接触部53,83にてインナーピニオンローラ23−6に作用する接線力F1と法線力N1との釣り合いに関して、以下の(5)式が成立する。
2・F1・cos(β1/2)=2・N1・sin(β1/2) (5)
同様に、インナーピニオンローラ23−k(kは1以上且つ5以下の整数)についても、サンローラ21への正転方向の入力トルクT1が増大するほど、アウターピニオンローラ33−(k+1)及びサンローラ21から受ける接線力F1が増大し、くさびへの食い込み量が増大する。そのため、アウターピニオンローラ33−(k+1)との接触部及びサンローラ21との接触部に作用する法線力N1が、正転方向の入力トルクT1の増大に対して増大する。
一方、サンローラ21に逆転方向のトルクT2が入力されたときは、図11に示すように、インナーピニオンローラ23−6は、接触部73にてアウターピニオンローラ33−6から接線力F2及び法線力N2を受けるとともに、接触部83にてサンローラ21から接線力F2及び法線力N2を受ける。接触部73にてインナーピニオンローラ23−6に作用する接線力F2の方向は、接触部73からくさびの頂点P4へ向かう方向であり、接触部83にてインナーピニオンローラ23−6に作用する接線力F2の方向は、接触部83からくさびの頂点P4へ向かう方向である。そのため、インナーピニオンローラ23−6は、くさびの頂点P4へ向かう方向の力2・F2・cos(β2/2)によって、くさびの頂点P4へ向かって移動する(くさびに食い込む)。そして、サンローラ21への逆転方向の入力トルクT2が増大するほど、接触部73,83にてインナーピニオンローラ23−6に作用する接線力F2が増大し、くさびの頂点P4側へのインナーピニオンローラ23−6の移動量(くさびへの食い込み量)も増大する。これによって、接触部73,83にてインナーピニオンローラ23−6に作用する法線力(押付力)N2も増大する。その結果、接触部73,83に作用する法線力N2が、逆転方向の入力トルクT2の増大に対して増大する。なお、接触部73,83にてインナーピニオンローラ23−6に作用する接線力F2と法線力N2との釣り合いに関して、以下の(6)式が成立する。
2・F2・cos(β2/2)=2・N2・sin(β2/2) (6)
同様に、インナーピニオンローラ23−k(kは1以上且つ5以下の整数)についても、サンローラ21への逆転方向の入力トルクT2が増大するほど、アウターピニオンローラ33−k及びサンローラ21から受ける接線力F2が増大し、くさびへの食い込み量が増大する。そのため、アウターピニオンローラ33−kとの接触部及びサンローラ21との接触部に作用する法線力N2が、逆転方向の入力トルクT2の増大に対して増大する。
なお、インナーピニオンローラ23−6において、接触部53,73,83のトラクション係数をμとすると、サンローラ21に正転方向のトルクT1が入力されたときに接触部53,83に生じる接線方向のトラクション力FT1は、FT1=μ・N1である。正転方向の入力トルクT1に対してサンローラ21からリングローラ22への伝達力を発生するためには、くさび角β1とトラクション係数μとに関して以下の(7)式が成立することが必要である。
tan(β1/2)≦μ
β1≦2・tan-1μ (7)
そして、インナーピニオンローラ23−6において、サンローラ21に逆転方向のトルクT2が入力されたときに接触部73,83に生じる接線方向のトラクション力FT2は、FT2=μ・N2である。逆転方向の入力トルクT2に対してサンローラ21からリングローラ22への伝達力を発生するためには、くさび角β2とトラクション係数μとに関して以下の(8)式が成立することが必要である。
tan(β2/2)≦μ
β2≦2・tan-1μ (8)
同様に、インナーピニオンローラ23−k(kは1以上且つ5以下の整数)においても、正転方向の入力トルクT1に対してサンローラ21からリングローラ22への伝達力を発生するためには、アウターピニオンローラ33−k,33−(k+1)及びサンローラ21との接触部のトラクション係数μとくさび角β1とに関して(7)式が成立することが必要である。そして、インナーピニオンローラ23−kにおいても、逆転方向の入力トルクT2に対してサンローラ21からリングローラ22への伝達力を発生するためには、トラクション係数μとくさび角β2とに関して(8)式が成立することが必要である。本実施形態では、各インナーピニオンローラ23−1〜23−6において、(7)式及び(8)式を満たすようにくさび角β1,β2が設定されている。なお、(7)、(8)式でのトラクション係数μとしては、例えば、サンローラ21とリングローラ22との間で伝達されるトルクが最大となるときのトラクション係数(最大トラクション係数)を用いることができる。
以上説明した本実施形態では、正転方向のトルクT1が入力された場合と逆転方向のトルクT2が入力された場合との両方において、入力トルクの増大に対して各インナーピニオンローラ23−1〜23−6のくさびへの食い込み量を増大させることができ、各インナーピニオンローラ23−1〜23−6に作用する法線力を増大させることができる。さらに、正転方向のトルクT1が入力された場合と逆転方向のトルクT2が入力された場合との両方において、すべてのアウターピニオンローラ33−1〜33−6及びインナーピニオンローラ23−1〜23−6がトルク伝達に寄与するため、トルク伝達容量の低下を招くこともない。したがって、本実施形態でも実施形態1と同様に、トルク伝達容量の低下や体格の大型化を招くことなく、正転方向及び逆転方向の両方向の伝達トルクに対してローラ同士の接触部に作用させる法線力を変化させることができる。
また、本実施形態では、アウターピニオンローラ33−1〜33−6の外径をインナーピニオンローラ23−1〜23−6の外径よりも大きく設定することで、くさび角β1,β2を小さくすることができる。そのため、トラクション係数μが低い場合でも、サンローラ21とリングローラ22との間で伝達力を安定して発生することができる。
なお、リングローラ22に入力されたトルクをサンローラ21へ伝達する場合においても、リングローラ22への入力トルクの方向に関係なく、入力トルクの増大に対して各インナーピニオンローラ23−1〜23−6に作用する法線力を増大させることができる。さらに、入力トルクの方向に関係なく、すべてのアウターピニオンローラ33−1〜33−6及びインナーピニオンローラ23−1〜23−6がトルク伝達に寄与する。
本実施形態では、図12に示すように、各インナーピニオンローラ23−1〜23−6をその中心軸(自軸)まわりに回転自在に支持するインナーキャリア24を設けることもできる。そして、インナーキャリア24にアクチュエータを連結することもできる。ここでのアクチュエータは、インナーキャリア24に両方向(正転方向及び逆転方向)のトルクを選択的に作用させることができ、アクチュエータの駆動制御については、制御装置により行うことができる。
インナーキャリア24にアクチュエータを連結した構成例において、サンローラ21に入力されたトルクをリングローラ22へ伝達する場合に、サンローラ21に正転方向(図12の反時計まわり)のトルクT1が入力されたときは、制御装置は、インナーキャリア24に正転方向のトルクを作用させるようにアクチュエータのトルクを制御する。このアクチュエータのトルクによって、インナーピニオンローラ23−6にくさびの頂点P3へ向かう方向の力を作用させることができ、インナーピニオンローラ23−6の接触部53,83に法線力N1が作用する。同様に、インナーピニオンローラ23−k(kは1以上且つ5以下の整数)についても、アウターピニオンローラ33−(k+1)との接触部及びサンローラ21との接触部に法線力N1が作用する。さらに、制御装置は、正転方向の入力トルクT1の増大に対してインナーキャリア24に作用させる正転方向のトルクを増大させるようにアクチュエータのトルクを制御することで、正転方向の入力トルクT1の増大に対して法線力N1を増大させることができる。
一方、サンローラ21に逆転方向(図12の時計まわり)のトルクT2が入力されたときは、制御装置は、インナーキャリア24に逆転方向のトルクを作用させるようにアクチュエータのトルクを制御する。このアクチュエータのトルクによって、インナーピニオンローラ23−6にくさびの頂点P4へ向かう方向の力を作用させることができ、インナーピニオンローラ23−6の接触部73,83に法線力N2が作用する。同様に、インナーピニオンローラ23−kについても、アウターピニオンローラ33−kとの接触部及びサンローラ21との接触部に法線力N2が作用する。さらに、制御装置は、逆転方向の入力トルクT2の増大に対してインナーキャリア24に作用させる逆転方向のトルクを増大させるようにアクチュエータのトルクを制御することで、逆転方向の入力トルクT2の増大に対して法線力N2を増大させることができる。
なお、インナーキャリア24にアクチュエータを連結した構成例では、トラクション係数μとくさび角β1とに関して前述の(7)式が成立しない場合でも、サンローラ21とリングローラ22との間で正転方向の入力トルクに対して伝達力を発生することができる。そして、トラクション係数μとくさび角β2とに関して前述の(8)式が成立しない場合でも、サンローラ21とリングローラ22との間で逆転方向の入力トルクに対して伝達力を発生することができる。
また、リングローラ22に入力されたトルクをサンローラ21へ伝達する場合においても、入力トルクの増大に対して各インナーピニオンローラ23−1〜23−6に作用する法線力を増大させるように、アクチュエータのトルクを制御することができる。
「実施形態3」
図13は、本発明の実施形態3に係る遊星ローラ機構12の概略構成を示す図であり、サンローラ21の回転中心軸に平行な方向から見た図を示す。以下の実施形態3の説明では、実施形態1,2と同様の構成または対応する構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態に係る遊星ローラ機構12において、サンローラ21、リングローラ22、インナーピニオンローラ23−1〜23−6、アウターピニオンローラ33−1〜33−6、インナーキャリア24、及びアウターキャリア34の構成は、図12に示す構成例と同様である。つまり、インナーキャリア24により各インナーピニオンローラ23−1〜23−6がその中心軸まわりに回転自在に支持されており、アウターキャリア34により各アウターピニオンローラ23−1〜23−6がその中心軸まわりに回転自在に支持されている。実施形態1と同様に、各アウターピニオンローラ33−1〜33−6は、サンローラ21の周方向に隣接する2つのインナーピニオンローラ及びリングローラ22と接触する。そのため、各アウターピニオンローラ33−1〜33−6においては、接触する2つのインナーピニオンローラの一方との接触部の接線方向、及び接触する2つのインナーピニオンローラの他方との接触部の接線方向が、いずれもリングローラ22との接触部の接線方向に対して傾斜している。そして、実施形態1と同様に、各アウターピニオンローラ33−1〜33−6において、リングローラ22との接触部の接線方向に対する上記2つのインナーピニオンローラの一方との接触部の接線方向の傾斜角度をくさび角α1とし、これらの接線方向の交点をくさびの頂点P1とする。例えば図13に示すように、アウターピニオンローラ33−1において、リングローラ22との接触部43の接線方向に対するインナーピニオンローラ23−6との接触部53の接線方向の傾斜角度がくさび角α1であり、接触部43の接線方向と接触部53の接線方向との交点がくさびの頂点P1である。そして、各アウターピニオンローラ33−1〜33−6において、リングローラ22との接触部の接線方向に対する上記2つのインナーピニオンローラの他方との接触部の接線方向の傾斜角度をくさび角α2とし、これらの接線方向の交点をくさびの頂点P2とする。例えば図13に示すように、アウターピニオンローラ33−1において、リングローラ22との接触部43の接線方向に対するインナーピニオンローラ23−1との接触部63の接線方向の傾斜角度がくさび角α2であり、接触部43の接線方向と接触部63の接線方向との交点がくさびの頂点P2である。
さらに、実施形態2と同様に、各インナーピニオンローラ23−1〜23−6は、サンローラ21の周方向に隣接する2つのアウターピニオンローラ及びサンローラ21と接触する。そのため、各インナーピニオンローラ23−1〜23−6においては、接触する2つのアウターピニオンローラの一方との接触部の接線方向、及び接触する2つのアウターピニオンローラの他方との接触部の接線方向が、いずれもサンローラ21との接触部の接線方向に対して傾斜している。そして、実施形態2と同様に、各インナーピニオンローラ23−1〜23−6において、サンローラ21との接触部の接線方向に対する上記2つのアウターピニオンローラの一方との接触部の接線方向の傾斜角度をくさび角β1とし、これらの接線方向の交点をくさびの頂点P3とする。例えば図13に示すように、インナーピニオンローラ23−6において、サンローラ21との接触部83の接線方向に対するアウターピニオンローラ33−1との接触部53の接線方向の傾斜角度がくさび角β1であり、接触部83の接線方向と接触部53の接線方向との交点がくさびの頂点P3である。そして、各インナーピニオンローラ23−1〜23−6において、サンローラ21との接触部の接線方向に対する上記2つのアウターピニオンローラの他方との接触部の接線方向の傾斜角度をくさび角β2とし、これらの接線方向の交点をくさびの頂点P4とする。例えば図13に示すように、インナーピニオンローラ23−1において、サンローラ21との接触部93の接線方向に対するアウターピニオンローラ33−1との接触部63の接線方向の傾斜角度がくさび角β2であり、接触部93の接線方向と接触部63の接線方向との交点がくさびの頂点P4である。本実施形態でも、くさび角α1,α2,β1,β2を小さくするために、アウターピニオンローラ33−1〜33−6の外径がインナーピニオンローラ23−1〜23−6の外径よりも大きく設定されている。
本実施形態では、遊星ローラ機構12を変速機構として用いるために、リングローラ22が図示しないケーシングに固定されていることで、その回転が拘束されている。これによって、サンローラ21とインナーキャリア24(またはアウターキャリア34)との間で動力を変速して伝達することができる。あるいは、サンローラ21を図示しないケーシングに固定することで、その回転を拘束することもできる。これによって、リングローラ22とインナーキャリア24(またはアウターキャリア34)との間で動力を変速して伝達することができる。
次に、本実施形態に係る遊星ローラ機構12の動作について説明する。ただし、以下の説明においては、リングローラ22の回転を拘束してサンローラ21に入力されたトルクをインナーキャリア24(またはアウターキャリア34)へ伝達する場合について説明し、サンローラ21に作用するトルクの方向については、図12,13の反時計まわりの方向を正転方向とし、図12,13の時計まわりの方向を逆転方向(正転方向と反対方向)とする。
サンローラ21に正転方向のトルクT1が入力されたときは、各アウターピニオンローラ33−1〜33−6は、実施形態1と同様に、接線力F1によってくさびの頂点P1へ向かって移動してくさびに食い込む。そして、各インナーピニオンローラ23−1〜23−6は、実施形態2と同様に、接線力F1によってくさびの頂点P3へ向かって移動してくさびに食い込む。サンローラ21への正転方向の入力トルクT1が増大するほど、アウターピニオンローラ33−1〜33−6及びインナーピニオンローラ23−1〜23−6に作用する接線力F1が増大し、くさびの頂点P1側へのアウターピニオンローラ33−1〜33−6の移動量、及びくさびの頂点P3側へのインナーピニオンローラ23−1〜23−6の移動量も増大する。これによって、アウターピニオンローラ33−1〜33−6及びインナーピニオンローラ23−1〜23−6に作用する法線力(押付力)N1も増大する。その結果、アウターピニオンローラ33−1〜33−6及びインナーピニオンローラ23−1〜23−6に作用する法線力N1が、正転方向の入力トルクT1の増大に対して増大する。
一方、サンローラ21に逆転方向のトルクT2が入力されたときは、各アウターピニオンローラ33−1〜33−6は、実施形態1と同様に、接線力F2によってくさびの頂点P2へ向かって移動してくさびに食い込む。そして、各インナーピニオンローラ23−1〜23−6は、実施形態2と同様に、接線力F2によってくさびの頂点P4へ向かって移動してくさびに食い込む。サンローラ21への逆転方向の入力トルクT2が増大するほど、アウターピニオンローラ33−1〜33−6及びインナーピニオンローラ23−1〜23−6に作用する接線力F2が増大し、くさびの頂点P2側へのアウターピニオンローラ33−1〜33−6の移動量、及びくさびの頂点P4側へのインナーピニオンローラ23−1〜23−6の移動量も増大する。これによって、アウターピニオンローラ33−1〜33−6及びインナーピニオンローラ23−1〜23−6に作用する法線力(押付力)N2も増大する。その結果、アウターピニオンローラ33−1〜33−6及びインナーピニオンローラ23−1〜23−6に作用する法線力N2が、逆転方向の入力トルクT2の増大に対して増大する。
なお、アウターピニオンローラ33−1〜33−6とリングローラ22との接触部、アウターピニオンローラ33−1〜33−6とインナーピニオンローラ23−1〜23−6との接触部、及びインナーピニオンローラ23−1〜23−6とサンローラ21との接触部のトラクション係数をμとすると、正転方向の入力トルクT1に対してサンローラ21からインナーキャリア24(またはアウターキャリア34)への伝達力を発生するためには、前述の(3)、(7)式が成立することが必要である。そして、逆転方向の入力トルクT2に対してサンローラ21からインナーキャリア24(またはアウターキャリア34)への伝達力を発生するためには、前述の(4)、(8)式が成立することが必要である。本実施形態では、各アウターピニオンローラ33−1〜33−6において前述の(3)式及び(4)式を満たすようにくさび角α1,α2が設定されており、各インナーピニオンローラ23−1〜23−6において前述の(7)式及び(8)式を満たすようにくさび角β1,β2が設定されている。なお、(3)、(4)、(7)、(8)式でのトラクション係数μとしては、例えば、伝達トルクが最大となるときのトラクション係数(最大トラクション係数)を用いることができる。
以上説明した本実施形態では、正転方向のトルクT1が入力された場合と逆転方向のトルクT2が入力された場合との両方において、入力トルクの増大に対して各インナーピニオンローラ23−1〜23−6及び各アウターピニオンローラ33−1〜33−6のくさびへの食い込み量を増大させることができ、各インナーピニオンローラ23−1〜23−6及び各アウターピニオンローラ33−1〜33−6に作用する法線力を増大させることができる。さらに、正転方向のトルクT1が入力された場合と逆転方向のトルクT2が入力された場合との両方において、すべてのアウターピニオンローラ33−1〜33−6及びインナーピニオンローラ23−1〜23−6がトルク伝達に寄与するため、トルク伝達容量の低下を招くこともない。したがって、本実施形態でも実施形態1,2と同様に、トルク伝達容量の低下や体格の大型化を招くことなく、正転方向及び逆転方向の両方向の伝達トルクに対してローラ同士の接触部に作用させる法線力を変化させることができる。
なお、リングローラ22に入力されたトルクをサンローラ21へ伝達する場合においても、リングローラ22への入力トルクの方向に関係なく、入力トルクの増大に対して各インナーピニオンローラ23−1〜23−6に作用する法線力を増大させることができる。さらに、入力トルクの方向に関係なく、すべてのアウターピニオンローラ33−1〜33−6及びインナーピニオンローラ23−1〜23−6がトルク伝達に寄与する。
また、サンローラ21の回転を拘束してリングローラ22とインナーキャリア24(またはアウターキャリア34)との間でトルク伝達を行う場合においても、入力トルクの方向に関係なく、入力トルクの増大に対して各インナーピニオンローラ23−1〜23−6に作用する法線力を増大させることができる。さらに、入力トルクの方向に関係なく、すべてのアウターピニオンローラ33−1〜33−6及びインナーピニオンローラ23−1〜23−6がトルク伝達に寄与する。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の実施形態1に係る遊星ローラ機構の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態1に係る遊星ローラ機構の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態1に係る遊星ローラ機構の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態1に係る遊星ローラ機構の動作を説明する図である。 本発明の実施形態1に係る遊星ローラ機構において、入力トルクに対する押付力の関係を示す図である。 本発明の実施形態1に係る遊星ローラ機構の動作を説明する図である。 本発明の実施形態1に係る遊星ローラ機構の他の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態2に係る遊星ローラ機構の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態2に係る遊星ローラ機構の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態2に係る遊星ローラ機構の動作を説明する図である。 本発明の実施形態2に係る遊星ローラ機構の動作を説明する図である。 本発明の実施形態2に係る遊星ローラ機構の他の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態3に係る遊星ローラ機構の概略構成を示す図である。
符号の説明
12 遊星ローラ機構、21 サンローラ、22 リングローラ、23−1〜23−6 インナーピニオンローラ、24 インナーキャリア、33−1〜33−6 アウターピニオンローラ、34 アウターキャリア、43,53,63,73,83,93 接触部。

Claims (14)

  1. リングローラと、
    リングローラの内側に配置されたサンローラと、
    サンローラの周方向に沿って並べられた複数のインナーピニオンローラであって、その各々がサンローラと接触する複数のインナーピニオンローラと、
    サンローラの周方向に隣接する2つのインナーピニオンローラ及びリングローラと接触するアウターピニオンローラと、
    を備え、
    アウターピニオンローラにおいては、前記2つのインナーピニオンローラの一方との接触部の接線方向、及び前記2つのインナーピニオンローラの他方との接触部の接線方向が、いずれもリングローラとの接触部の接線方向に対し傾斜しており、
    複数のインナーピニオンローラのサンローラまわりの回転が拘束されている、遊星ローラ機構。
  2. 請求項1に記載の遊星ローラ機構であって、
    前記アウターピニオンローラにおいて、リングローラとの接触部の接線方向に対する前記2つのインナーピニオンローラの一方との接触部の接線方向の傾斜角度をα1、リングローラとの接触部の接線方向に対する前記2つのインナーピニオンローラの他方との接触部の接線方向の傾斜角度をα2、前記2つのインナーピニオンローラ及びリングローラとの接触部のトラクション係数をμとすると、
    tan(α1/2)≦μ、且つtan(α2/2)≦μ
    が成立する、遊星ローラ機構。
  3. 請求項1に記載の遊星ローラ機構であって、
    前記アウターピニオンローラをその中心軸まわりに回転自在に支持するアウターキャリアを備え、
    アウターキャリアに両方向のトルクを選択的に作用させることが可能なアクチュエータが設けられている、遊星ローラ機構。
  4. 請求項1〜3のいずれか1に記載の遊星ローラ機構であって、
    前記アウターピニオンローラの外径が複数のインナーピニオンローラの外径よりも大きい、遊星ローラ機構。
  5. 請求項1〜4のいずれか1に記載の遊星ローラ機構であって、
    前記アウターピニオンローラがサンローラの周方向に沿って複数並べられている、遊星ローラ機構。
  6. 請求項5に記載の遊星ローラ機構であって、
    前記アウターピニオンローラがサンローラの周方向に沿ってインナーピニオンローラと同数並べられている、遊星ローラ機構。
  7. リングローラと、
    リングローラの内側に配置されたサンローラと、
    リングローラの周方向に沿って並べられた複数のアウターピニオンローラであって、その各々がリングローラと接触する複数のアウターピニオンローラと、
    リングローラの周方向に隣接する2つのアウターピニオンローラ及びサンローラと接触するインナーピニオンローラと、
    を備え、
    インナーピニオンローラにおいては、前記2つのアウターピニオンローラの一方との接触部の接線方向、及び前記2つのアウターピニオンローラの他方との接触部の接線方向が、いずれもサンローラとの接触部の接線方向に対し傾斜しており、
    複数のアウターピニオンローラのサンローラまわりの回転が拘束されている、遊星ローラ機構。
  8. 請求項7に記載の遊星ローラ機構であって、
    前記インナーピニオンローラにおいて、サンローラとの接触部の接線方向に対する前記2つのアウターピニオンローラの一方との接触部の接線方向の傾斜角度をβ1、サンローラとの接触部の接線方向に対する前記2つのアウターピニオンローラの他方との接触部の接線方向の傾斜角度をβ2、前記2つのアウターピニオンローラ及びサンローラとの接触部のトラクション係数をμとすると、
    tan(β1/2)≦μ、且つtan(β2/2)≦μ
    が成立する、遊星ローラ機構。
  9. 請求項7に記載の遊星ローラ機構であって、
    前記インナーピニオンローラをその中心軸まわりに回転自在に支持するインナーキャリアを備え、
    インナーキャリアに両方向のトルクを選択的に作用させることが可能なアクチュエータが設けられている、遊星ローラ機構。
  10. 請求項7〜9のいずれか1に記載の遊星ローラ機構であって、
    複数のアウターピニオンローラの外径が前記インナーピニオンローラの外径よりも大きい、遊星ローラ機構。
  11. 請求項7〜10のいずれか1に記載の遊星ローラ機構であって、
    前記インナーピニオンローラがリングローラの周方向に沿って複数並べられている、遊星ローラ機構。
  12. 請求項11に記載の遊星ローラ機構であって、
    前記インナーピニオンローラがリングローラの周方向に沿ってアウターピニオンローラと同数並べられている、遊星ローラ機構。
  13. リングローラと、
    リングローラの内側に配置されたサンローラと、
    サンローラの周方向に沿って並べられた複数のインナーピニオンローラであって、その各々がサンローラと接触する複数のインナーピニオンローラと、
    各インナーピニオンローラをその中心軸まわりに回転自在に支持するインナーキャリアと、
    サンローラの周方向に沿って並べられた複数のアウターピニオンローラであって、その各々がリングローラと接触する複数のアウターピニオンローラと、
    各アウターピニオンローラをその中心軸まわりに回転自在に支持するアウターキャリアと、
    を備え、
    各インナーピニオンローラがサンローラの周方向に隣接する2つのアウターピニオンローラと接触するとともに、各アウターピニオンローラがサンローラの周方向に隣接する2つのインナーピニオンローラと接触し、
    各インナーピニオンローラにおいては、前記2つのアウターピニオンローラの一方との接触部の接線方向、及び前記2つのアウターピニオンローラの他方との接触部の接線方向が、いずれもサンローラとの接触部の接線方向に対し傾斜しており、
    各アウターピニオンローラにおいては、前記2つのインナーピニオンローラの一方との接触部の接線方向、及び前記2つのインナーピニオンローラの他方との接触部の接線方向が、いずれもリングローラとの接触部の接線方向に対し傾斜している、遊星ローラ機構。
  14. 請求項13に記載の遊星ローラ機構であって、
    各アウターピニオンローラにおいて、リングローラとの接触部の接線方向に対する前記2つのインナーピニオンローラの一方との接触部の接線方向の傾斜角度をα1、リングローラとの接触部の接線方向に対する前記2つのインナーピニオンローラの他方との接触部の接線方向の傾斜角度をα2とし、
    各インナーピニオンローラにおいて、サンローラとの接触部の接線方向に対する前記2つのアウターピニオンローラの一方との接触部の接線方向の傾斜角度をβ1、サンローラとの接触部の接線方向に対する前記2つのアウターピニオンローラの他方との接触部の接線方向の傾斜角度をβ2とし、
    アウターピニオンローラとリングローラとの接触部、アウターピニオンローラとインナーピニオンローラとの接触部、及びインナーピニオンローラとサンローラとの接触部のトラクション係数をμとすると、
    tan(α1/2)≦μ、tan(α2/2)≦μ、
    tan(β1/2)≦μ、及びtan(β2/2)≦μ
    が成立する、遊星ローラ機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014029213A (ja) * 2009-10-20 2014-02-13 Koji Kashiyama ワンウェイクラッチ

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