JP2008150582A - ソリッドタイヤ用組成物、及びソリッドタイヤ - Google Patents

ソリッドタイヤ用組成物、及びソリッドタイヤ Download PDF

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【課題】トレッド部の緩衝機能を維持しつつ、トレッド部の耐荷重性を高めることのできるソリッドタイヤ用組成物、及びソリッドタイヤ、並びにトレッド部の耐摩耗性を高めることのできるソリッドタイヤ用組成物、及びソリッドタイヤを提供する。
【解決手段】ソリッドタイヤ用組成物は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、p−フェニレンジイソシアネートとの反応生成物であるポリウレタンプレポリマーを含有する。ソリッドタイヤは、ホイールと同ホイールの外周面を被覆するトレッド部とを備え、トレッド部はポリウレタンプレポリマーを含む原料組成物から成形されたものである。このポリウレタンプレポリマーは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、p−フェニレンジイソシアネートとの反応生成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ソリッドタイヤ(中実車輪)のトレッド部を形成するためのソリッドタイヤ用組成物及びソリッドタイヤに関するものである。
従来、この種のソリッドタイヤは、無人搬送車、フォークリフト等の産業車両の車輪、自動倉庫、立体駐車場、各種製造設備等に備えられる搬送用ローラ、ジェットコースターの車輪等の用途に利用されている(例えば、特許文献1参照)。こうしたソリッドタイヤは、ホイールとそのホイールの外周面を被覆するトレッド部とを備え、トレッド部は樹脂、ゴム等の弾性材料から形成されている。
特開2004−161042号公報
近年の物流業界においては、物流の効率化を図るため、荷物を高速かつ大量に輸送・搬送する輸送・搬送装置が要求されている。さらに、荷物の大型化に対応する輸送・搬送装置が要求されている。このような物流の効率化に対応するために、輸送・搬送装置に装着されるソリッドタイヤには、更なる高性能化が所望されている。すなわち、輸送・搬送装置の能力が高まるにつれて、ソリッドタイヤに加わる荷重は増加するため、ソリッドタイヤのトレッド部の変形量が大きくなる。こうしたトレッド部の変形量の増大は、トレッド部におけるクラック等の不具合が発生するまでの走行距離を短縮する要因となる。このようにソリッドタイヤに加わる荷重が増加するに伴って、トレッド部の耐久性を確保することが困難になる。このため、トレッド部に加わる荷重が増大した場合でも、トレッド部の耐久性が維持される性能、すなわちトレッド部の耐荷重性を高めることが所望されている。
トレッド部の耐荷重性を高めるには、トレッド部を硬質化することによって、荷重の増加に伴う変形量を小さくすることが考えられる。ところが、トレッド部を硬質化した場合、輸送・搬送装置の走行時において、路面の凹凸によって発生する衝撃が装置本体に伝わり易くなってしまう。特に、空荷の状態の装置においては、トレッド部の変形量が極めて小さくなるため、衝撃を緩和する緩衝機能が発揮され難くなる。このため、装置本体の振動によって異音が生じたり、フォークリフトにおいて搭乗者の乗り心地を悪化させたりするおそれがある。このようにトレッド部の硬質化を図ることは、耐荷重性を高める一方で、ソリッドタイヤとしての緩衝機能を阻害するといった結果を招くことになる。
一方、例えば搬送設備等において、駆動輪として使用されるソリッドタイヤは、従動輪として使用されるソリッドタイヤよりも摩耗し易い傾向にあり、そうしたソリッドタイヤの耐摩耗性を高めることが所望されている。また一方、例えばクリーンルーム等の浮遊微粒子が管理されている室内等、粉塵の発生を抑制することが所望される環境では、トレッド部の摩耗による粉塵の発生を極力抑えることが所望されている。このように、トレッド部の耐摩耗性は、ソリッドタイヤの耐久性や低発塵性に寄与する重要な要素である。
本発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、トレッド部の緩衝機能を維持しつつトレッド部の耐荷重性を高めることのできるソリッドタイヤ用組成物、及びソリッドタイヤを提供することにある。また、第2の目的は、トレッド部の耐摩耗性を高めることのできるソリッドタイヤ用組成物、及びソリッドタイヤを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明のソリッドタイヤ用組成物は、ホイールと同ホイールの外周面を被覆するトレッド部とを備えるソリッドタイヤの前記トレッド部を成形するためのソリッドタイヤ用組成物であって、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、p−フェニレンジイソシアネートとの反応生成物であるポリウレタンプレポリマーを含むことを要旨とする。
請求項2に記載の発明のソリッドタイヤは、ホイールと同ホイールの外周面を被覆するトレッド部とを備えるソリッドタイヤであって、前記トレッド部はポリウレタンプレポリマーを含む原料組成物から成形されてなり、前記ポリウレタンプレポリマーは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、p−フェニレンジイソシアネートとの反応生成物であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のソリッドタイヤにおいて、前記原料組成物がジオール類及びジアミン類から選ばれる少なくとも一種の鎖延長剤を含むことを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のソリッドタイヤにおいて、前記ジオール類として、1,4−ブタンジオール又はヒドロキノンジオキシエチルエーテルを用いたことを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載のソリッドタイヤにおいて、前記ジアミン類として、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタンを用いたことを要旨とする。
本発明によれば、トレッド部の緩衝機能を維持しつつ、トレッド部の耐荷重性を高めることができる。また、トレッド部の耐摩耗性を高めることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を詳細に説明する。
ソリッドタイヤ用組成物は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、p−フェニレンジイソシアネートとの反応生成物であるポリウレタンプレポリマーを含む。このソリッドタイヤ用組成物は、ホイールと同ホイールの外周面を被覆するトレッド部とを備えるソリッドタイヤにおいて、そのトレッド部を成形するためのものである。
ポリウレタンプレポリマーは、ポリオールであるポリテトラメチレンエーテルグリコールを主鎖として、そのポリテトラメチレンエーテルグリコールの少なくとも両末端に、イソシアネートであるp−フェニレンジイソシアネートが反応したポリマーである。ポリテトラメチレンエーテルグリコールのグリコールとしては、エーテル鎖に付加重合可能なグリコールであれば、特に限定されず、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
そして、このポリウレタンプレポリマーは、主としてポリテトラメチレンエーテルグリコールの分子量の調整によって、成形金型への注入に適した粘度に設定されている。ポリウレタンプレポリマーを構成するポリテトラメチレンエーテルグリコールの重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、例えば200〜10000の範囲が挙げられ、その重量平均分子量は1000〜3000の範囲が好適である。この重量平均分子量が1000未満であると、所望とする物性が得られ難くなるおそれがある。一方、3000を超えると、組成物の流動性が低下することで、生産効率を高めることが困難になるおそれがある。このポリウレタンプレポリマーが、加熱や別途配合される鎖延長剤(硬化剤)の作用によって硬化されることにより、ポリウレタン樹脂を母材とするトレッド部が成形される。
ソリッドタイヤ用組成物には、必要に応じて各種安定剤、粘度調整剤、消泡剤、反応促進剤、反応遅延剤等の成分を別途含有させてもよい。なお、ポリウレタンプレポリマー以外の成分の含有量は特に限定されないが、トレッド部の物性を考慮するとソリッドタイヤ用組成物中において10質量%未満であることが好適である。
ソリッドタイヤ用組成物中に含まれる気泡は、トレッド部の物性を安定させるという観点から、ポリウレタンプレポリマーの硬化反応開始前に、十分に除去しておくことが好ましい。そうした気泡の除去、すなわち脱泡には、遠心分離の原理を利用した脱泡・混合装置や、真空中にて攪拌が可能な真空・攪拌装置を使用することができる。
トレッド部は、上述したポリウレタンプレポリマーを含む原料組成物から成形される。この原料組成物には、トレッド部の物性を制御し易いという観点から、ジオール類及びジアミン類から選ばれる少なくとも一種の鎖延長剤を含有させることが好ましい。ジオール類としては、例えば1,1,1−トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヒドロキノンジオキシエチルエーテル等が挙げられる。ジアミン類としては、例えば2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ジメチルチオトルエンジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、1,4−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。上述したポリウレタンプレポリマーとの反応性に優れるため、トレッド部の物性を一層制御し易いという観点から、ジオール類としては1,4−ブタンジオール又はヒドロキノンジオキシエチルエーテルが好適であり、ジアミン類としては3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタンが好適である。これらの鎖延長剤の中でも、上述した理由から1,4−ブタンジオールが最適である。原料組成物中における鎖延長剤の含有量は、p−フェニレンジイソシアネートが有するイソシアネート基(NCO基)と、鎖延長剤が有するヒドロキシル基(OH基)又はアミノ基(NH)との当量比(当量比=[OH]/[NCO]、又は[NH]/[NCO])において、0.9〜1の範囲が好適である。なお、ポリウレタンプレポリマーと鎖延長剤との混合には、周知の攪拌機を用いることができる。
原料組成物には、必要に応じて各種安定剤、粘度調整剤、消泡剤、反応促進剤、反応遅延剤等の成分を別途含有させてもよい。なお、ポリウレタンプレポリマー以外の成分の含有量は特に限定されないが、トレッド部の物性を考慮するとソリッドタイヤ用組成物中において10質量%未満であることが好適である。
原料組成物を用いてソリッドタイヤを製造するには、ソリッドタイヤのホイールとなる芯金を金型のキャビティに挿入し、そのキャビティ内に原料組成物を注入する。なお、芯金の材質は特に限定されず、例えば鉄、アルミニウム、ステンレス鋼等が挙げられる。続いて、その金型を所定時間加熱することにより、原料組成物を硬化させる。すると、原料組成物の硬化物であるポリウレタン樹脂からトレッド部が成形されるとともに、成形されたトレッド部が芯金(ホイール)と一体化されることにより、ソリッドタイヤが得られる。このようにして得られたソリッドタイヤにおけるトレッド部の硬度は、路面の凹凸に対する緩衝機能を発揮させるという観点から、トレッド部のJIS K 6253に規定されるShoreAにおいて、好ましくは100未満、より好ましくは98未満である。一方、この硬度は、優れた耐荷重性を発揮させるという観点から、好ましくは90以上、より好ましくは93以上である。
このソリッドタイヤは、円筒状のホイールと、そのホイールの外周面を被覆するトレッド部を備えて構成され、無人搬送車、フォークリフト等の産業車両の車輪、自動倉庫、立体駐車場、各種製造設備等に備えられる搬送用ローラ、ジェットコースターの車輪等の用途に利用される。そしてソリッドタイヤの走行時において、トレッド部はソリッドタイヤに加わる荷重による圧縮変形と、その荷重の解放による復元とを繰り返すことで、路面の凹凸によって発生する衝撃を緩和する機能を発揮する。こうしたトレッド部においては、例えば搬送物や輸送物の重量が増加するに伴って、変形量が増大するため、一般にトレッド部の機能が低下し易くなる。本実施形態のトレッド部は、上記ポリウレタンプレポリマーを含む原料組成物から成形されている。このようなトレッド部では、ソリッドタイヤに加わる荷重の増加に伴って、トレッド部の変形量が増大した場合であっても、トレッド部の変形に伴って発生する熱による劣化や、変形及び復元の繰り返しによる弾性力の低下等が抑制されると推測される。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1) ソリッドタイヤ用組成物は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、p−フェニレンジイソシアネートとの反応生成物であるポリウレタンプレポリマーを含む。こうしたソリッドタイヤ用組成物から成形されたトレッド部では、荷重の増加に伴ってトレッド部の変形量が増大した場合であっても、トレッド部の耐久性が確保される。このため、トレッド部の緩衝機能を維持しつつ、トレッド部の耐荷重性を高めることができる。従って、このソリッドタイヤを、例えば荷物を高速かつ大量に輸送・搬送する輸送・搬送装置、荷物の大型化に対応する輸送・搬送装置等に装着して使用すれば、トレッド部の耐久性が十分に発揮される。また、そうした使用において、輸送・搬送装置が空荷の状態であっても、トレッド部の緩衝機能が十分に発揮される。このように、本実施形態のソリッドタイヤは物流の効率化に大きく貢献することができる。
(2) 例えば搬送設備等において、駆動輪として使用されるソリッドタイヤは、従動輪として使用されるソリッドタイヤよりも摩耗し易い傾向にあり、そうしたソリッドタイヤの耐摩耗性を高めることが所望されている。また例えばクリーンルーム等の浮遊微粒子が管理されている室内等、粉塵の発生を抑制することが所望される環境において使用されるソリッドタイヤには、耐摩耗性が要求される。このように、トレッド部の耐摩耗性は、ソリッドタイヤの耐久性や低発塵性に寄与する重要な要素である。本実施形態のソリッドタイヤでは、上述したポリウレタンプレポリマーから成形されたトレッド部を有しているため、耐摩耗性についても高められている。このため、トレッド部の耐摩耗性の点においてもソリッドタイヤの耐久性が改善されるとともに、トレッド部の摩耗に伴う発塵を抑制することができる。
(3) 特にクリーンルームの床面には、グレーチング(パンチングメタル、エキスパンドメタル等)が設置され、床面を空気通路等として利用することが多い。そして、こうしたグレーチング上におけるソリッドタイヤの走行は、トレッド部の摩耗を促進してしまうという問題があった。さらにグレーチング上における走行は、トレッド部において部分的に衝撃が加わること等が要因となって、トレッド部におけるクラックの発生を促進してしまうという問題があった。こうした実情から、ソリッドタイヤには、耐摩耗性の向上及び耐クラック性の向上が所望されている。特に、クリーンルーム内で、グレーチング上を走行するソリッドタイヤにおいては、耐摩耗性についての対策が極めて重要である。本実施形態のソリッドタイヤでは、上述したポリウレタンプレポリマーから成形されたトレッド部を有しているため、グレーチング上の走行における耐摩耗性及び耐クラック性が向上されている。このため、本実施形態のソリッドタイヤは、クリーンルーム内で、グレーチング上を走行する用途に最適である。
(4) トレッド部は、ポリウレタンプレポリマーと、ジオール類及びジアミン類から選ばれる鎖延長剤の少なくとも一種とを含む原料組成物から成形することが好ましい。この場合、トレッド部の物性の制御が容易になる。
(5) ジオール類として1,4−ブタンジオール又はヒドロキノンジオキシエチルエーテル、及びジアミン類として3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタンを鎖延長剤として使用した場合、トレッド部の物性を容易に制御することができる。このため、トレッド部の物性(硬度、強度、反撥弾性等)の最適化を図ることができる。特に、鎖延長剤として1,4−ブタンジオールを用いたトレッド部は、緩衝性能に優れるとともに耐荷重性に優れる。
(6) 本実施形態のソリッドタイヤを成形するための原料組成物には、ポリテトラメチレンエーテルグリコールとp−フェニレンジイソシアネートとの反応生成物であるポリウレタンプレポリマーが含まれている。このため、ポリウレタンプレポリマーとして、例えばポリテトラメチレンエーテルグリコールとトリレンジイソシアネートとの反応生成物を用いた場合よりも、転がり抵抗の小さいソリッドタイヤが得られるようになる。従って、ソリッドタイヤの走行に際して、省エネルギー化を図ることができる。その結果、産業車両、搬送用設備等のランニングコストを低減させることができる。例えば、バッテリー式のフォークリフトに上記ソリッドタイヤを装着することにより、バッテリーの消費電力が低減されるようになる結果、バッテリーの寿命を延ばすことができる。また、本実施形態のソリッドタイヤは、転がり抵抗が小さいことから、例えば自動倉庫、有人又は無人搬送車等のソリッドタイヤに適用した場合、それら自動倉庫、搬送車等を駆動する駆動源としてのモータを小型化することも可能である。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、「PTMEG」という。)と、p−フェニレンジイソシアネート(以下、「PPDI」という。)との反応生成物であるポリウレタンプレポリマー(アジプレン(商品名)、LFP−950A、クロンプトン社製)に対して鎖延長剤として1,4−ブタンジオール(以下、「1,4−BD」という。)を混合することによって原料組成物を調製した。なお、ポリウレタンプレポリマーに対する鎖延長剤の配合量は、ポリウレタンプレポリマーが有するNCO基に対する鎖延長剤が有するOH基の当量比(当量比=[OH]/[NCO])で0.95とした。
この原料組成物を金型に注入し、加熱することによって、ソリッドタイヤ及び物性評価用の試験片を成形した。
(比較例1)
カプロラクトン系ポリエステルグリコール(以下、「PCL」という。)とPPDIとの反応生成物であるポリウレタンプレポリマーを使用した以外は、実施例1と同様にしてソリッドタイヤ及び物性評価用の試験片を成形した。
(比較例2)
PTMEGと、トリレンジイソシアネート(以下、「TDI」という。)との反応生成物であるポリウレタンプレポリマーを使用し、鎖延長剤として3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン(以下、「MOCA」という。)を使用した以外は、実施例1と同様にしてソリッドタイヤ及び物性評価用の試験片を成形した。
<耐荷重性の評価>
図1に示すように、ソリッドタイヤ11に所定の荷重W(w1)を負荷させるとともに、ソリッドタイヤ11のトレッド部を荷重W(w1)によって回転ドラム12に押圧させた状態に配置する。ソリッドタイヤ11の走行速度が4km/hとなるように回転ドラム12を回転させるとともに、その走行速度にてソリッドタイヤ11を2.5時間走行させる。2.5時間走行後、ソリッドタイヤ11のトレッド部の状態を検査員が目視にて検査する。検査の結果、クラック、溶融等の不具合がトレッド部に確認された場合には、荷重W(w1)を検査結果として記録する。検査の結果、トレッド部に不具合が確認されない場合には、荷重W(w1)に50kgを加えた荷重W(w2=w1+50kg)をソリッドタイヤ11に負荷させて、荷重W(w1)のときと同様にして、ソリッドタイヤ11を再度走行させる。このような走行試験を、トレッド部に不具合が確認されるまで繰り返し、不具合が確認されたときの荷重を検査結果として記録する。
各例のソリッドタイヤ11の検査結果のうち、最小の荷重を示した例を100%(基準)として、その他の例では最小の荷重を示した例に対する比率(%)で耐荷重性を評価した。耐荷重性の評価結果を表1に示す。
<グレーチング上の走行における耐久性評価>
図2及び図3に示すように耐久性試験装置は、支持台21と同支持台21に回転駆動可能に設けられたターンテーブル22とを備えている。ターンテーブル22の上面には、グレーチング23(直径6mmの円孔を有するパンチングメタル)が固定されている。グレーチング23の上方には、ソリッドタイヤ11を回転可能に支持する荷台24が設置されている。この荷台24の底部には一対のソリッドタイヤ11が回転可能に支持されるとともに、荷台24上には一対のソリッドタイヤ11に対応して重り25が載置される。なお、この荷台24は、図示しない固定具によって回転不能かつ、重り25の荷重によってソリッドタイヤ11がグレーチング23に押圧された状態となるように設置されている。このように構成された耐久性試験装置によれば、ターンテーブル22を回転駆動させることにより、ソリッドタイヤ11がグレーチング23上を走行する走行試験を行うことができる。
この耐久性試験装置を用いて、各例のソリッドタイヤについての走行試験を以下の条件で実施した。
ソリッドタイヤの寸法:φ60mm×24mm
重りの重さ:90kg(ソリッドタイヤ1輪当たり)
走行速度:120m/min
この走行試験において約24時間毎に、トレッド部の摩耗量とトレッド部の外観の検査を行い、トレッド部に、(a)著しい摩耗、(b)偏摩耗、及び(c)クラックのいずれかの現象が発生したとき、走行試験を完了した。表1には、走行時間及び摩耗量を示すとともに、走行試験を完了した際に発生した現象を発生現象欄に示した。摩耗量は、予め測定したトレッド部の重量及び比重と、走行試験完了後のトレッド部の重量とから体積(cm)に換算した。
<物性測定>
各例の試験片について、表1に示す各物性を測定した。その測定結果を表1に併記する。なお、表1に示した摩耗試験は、JIS K 6264に記載のアクロン摩耗試験を以下の条件で行ったときの測定結果である。
試験方法:A−1法
負荷荷重:4.5kgf
試験片と摩耗輪との傾角:30°
試験片の回転速度:250rpm
Figure 2008150582
表1の結果から明らかなように、実施例1における耐荷重性の評価結果は、比較例2の評価結果に対して30%向上していることから、実施例1ではトレッド部の耐荷重性を高めることができる。さらに、実施例1の硬度は比較例1の硬度と同等であることから、実施例1のソリッドタイヤでは、緩衝機能が維持されている。これに対して、各比較例では、ポリウレタンプレポリマーにおいて、ポリオール成分及びイソシアネート成分の少なくとも一方が実施例1と異なるため、実施例1よりも耐荷重性が劣っている。
さらに、実施例1における耐久性の評価結果を参照すると、走行時間が各比較例よりも格段に延長されていることがわかる。この結果から、実施例1のソリッドタイヤは、グレーチング上の走行においても、優れた耐久性が発揮されることがわかる。加えて、実施例1では、走行時間当たりの摩耗量についても、各比較例よりも少ないとともに、摩耗試験の結果を参照しても、耐摩耗性について改善されていることがわかる。この結果から、実施例1のソリッドタイヤでは、トレッド部の摩耗による粉塵の発生を抑制することができる。
<消費電力の測定>
実施例1のソリッドタイヤを走行させたときの省エネルギー効果について、消費電力を測定することにより評価した。図1に示すように、ソリッドタイヤ11に所定の荷重を負荷させることによって、ソリッドタイヤ11のトレッド部を回転ドラム12に押圧させた状態で配置する。そして、ソリッドタイヤ11を5km/hで走行させるとともに、回転ドラム12に接続されているモータ(図示せず)の消費電力を測定する。なお、ソリッドタイヤ11の寸法はφ200mm×60mmであり、トレッド部の厚みは10mmである。また、回転ドラム12は円周1mである。ソリッドタイヤ11に負荷した荷重は1100kgfである。同様に、比較例2のソリッドタイヤについて、消費電力を測定した。各例のソリッドタイヤ11について消費電力の測定結果を表2に示す。
Figure 2008150582
表2の結果から明らかなように、実施例1における消費電力は、比較例2における消費電力よりも低くなっている。この結果から、実施例1のソリッドタイヤでは、省エネルギー化においても、有利であることがわかる。
耐荷重性の評価方法及び消費電力の測定方法を示す概略斜視図。 耐久性試験装置を示す概略側面図。 耐久性試験装置の一部を切り欠いた状態を示す概略平面図。

Claims (5)

  1. ホイールと同ホイールの外周面を被覆するトレッド部とを備えるソリッドタイヤの前記トレッド部を成形するためのソリッドタイヤ用組成物であって、
    ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、p−フェニレンジイソシアネートとの反応生成物であるポリウレタンプレポリマーを含むことを特徴とするソリッドタイヤ用組成物。
  2. ホイールと同ホイールの外周面を被覆するトレッド部とを備えるソリッドタイヤであって、前記トレッド部はポリウレタンプレポリマーを含む原料組成物から成形されてなり、
    前記ポリウレタンプレポリマーは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、p−フェニレンジイソシアネートとの反応生成物であることを特徴とするソリッドタイヤ。
  3. 前記原料組成物がジオール類及びジアミン類から選ばれる少なくとも一種の鎖延長剤を含む請求項2に記載のソリッドタイヤ。
  4. 前記ジオール類として、1,4−ブタンジオール又はヒドロキノンジオキシエチルエーテルを用いた請求項3に記載のソリッドタイヤ。
  5. 前記ジアミン類として、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタンを用いた請求項3又は請求項4に記載のソリッドタイヤ。
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