JP4804778B2 - ポリウレタン組成物及びソリッドタイヤ - Google Patents

ポリウレタン組成物及びソリッドタイヤ Download PDF

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本発明は、ソリッドタイヤのトレッド部を形成するためのポリウレタン組成物及びそのポリウレタン組成物から成形されたトレッド部を有するソリッドタイヤに関するものである。
従来、この種のソリッドタイヤは、無人搬送車、フォークリフト等の産業車両の車輪、自動倉庫、立体駐車場、各種製造設備等に備えられる搬送用ローラ、ジェットコースターの車輪等の用途に利用されている(例えば、特許文献1参照)。ソリッドタイヤは、ホイールとそのホイールの外周面を被覆するトレッド部とを備えている。このトレッド部の材質としては、トレッド部の耐久性(耐摩耗性)が良好であるという点から、ポリウレタン樹脂が広く使用されている。一般に、ポリウレタン樹脂製のトレッド部を有するソリッドタイヤでは、ポリウレタン樹脂の摩擦係数が低いため、そうしたソリッドタイヤのトレッド面と、例えば水や油で覆われた路面上との間でスリップが発生し易い。そこで、従来ではポリウレタン樹脂にアミを埋設したアミ入りのソリッドタイヤが提案されていた。このソリッドタイヤでは、トレッド面から露出するアミの一部がスパイクタイヤにおけるスパイクの役割を果たすことで、路面上におけるスリップが抑制されている。
特開2004−161042号公報
ところで、上記従来のアミ入りのソリッドタイヤでは、水や油により滑り易くなった路面に対するスリップ抑制効果が優れる一方、アミ自体の損傷や、そのアミを保持するポリウレタン樹脂に応力が集中することによって耐久性が十分に得られなくなる。すなわち、従来のソリッドタイヤでは、水や油で覆われた路面(低摩擦係数の路面)に対するスリップを抑制する構成にした場合、ポリウレタン樹脂が本来有する耐久性等の物性が損なわれることになる。
本発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポリウレタン樹脂の物性を十分に発揮させつつ、低摩擦係数の路面におけるスリップを抑制することができるポリウレタン組成物及びソリッドタイヤを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明のポリウレタン組成物は、ホイールと同ホイールの外周面を被覆するトレッド部とを備えるソリッドタイヤの前記トレッド部を成形するためのポリウレタン組成物であって、母材となるポリウレタンプレポリマーに対して、25℃における動粘度が0.5〜500(mm/s)のシリコーンオイル類としてジメチルポリシロキサンを配合するとともに、前記ポリウレタンプレポリマー100質量部に対して前記シリコーンオイル類を1〜10質量部配合したことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のポリウレタン組成物において、前記ポリウレタンプレポリマーは、エーテル系ポリオールとイソシアネートとから構成されることを要旨とする
請求項に記載のソリッドタイヤは、請求項1又は請求項に記載のポリウレタン組成物を硬化して成形された前記トレッド部を有することを要旨とする。
本発明によれば、ポリウレタン樹脂の物性を十分に発揮させつつ、低摩擦係数の路面におけるスリップを抑制することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を詳細に説明する。
ポリウレタン組成物は、母材となるポリウレタンプレポリマーに対し、シリコーンオイル類を配合して構成される。シリコーンオイル類は、ジメチルシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン、及びジメチルシロキサンに有機基を導入した変性シロキサンから選ばれる少なくとも一種である。このポリウレタン組成物は、ホイールと同ホイールの外周面を被覆するトレッド部とを備えるソリッドタイヤにおいて、そのトレッド部を成形するための原料となる組成物である。
ポリウレタンプレポリマーは、ポリウレタン組成物の母材(マトリックス)として含有される。このポリウレタンプレポリマーは、ポリオールとイソシアネートとを主成分とし、ポリウレタン樹脂からなる成形体を成形する際の原料となるポリマーである。詳述すると、ポリウレタンプレポリマーは、ポリオールとイソシアネートとの重合反応が所定の段階まで進行したポリマーであり、成形金型への注入に適した粘度に設定されている。このポリウレタンプレポリマーは、加熱や別途配合される鎖延長剤(硬化剤)の作用によって硬化されることにより、ポリウレタン樹脂成形体となる。
ポリウレタンプレポリマーを構成するポリオールとしては、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)等のエーテル系ポリオール、アジペート系ポリオール、ポリカプロラクトン系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等のエステル系ポリオール等が挙げられる。ポリウレタンプレポリマーを構成するイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)等が挙げられる。これらポリオール及びイソシアネートから構成されるポリウレタンプレポリマーは、単独種を使用してもよく、複数種のポリウレタンプレポリマーをブレンドして使用してもよい。なお、得られるポリウレタン樹脂の耐久性が優れるという観点から、ポリウレタンプレポリマーのポリオールはエーテル系ポリオールであることが好ましく、PTMG及びTDIから構成されるポリウレタンプレポリマーが好適である。
シリコーンオイル類は、ポリウレタン組成物から成形されるトレッド部の表面を改質する成分であり、具体的には低摩擦係数の路面に対するトレッド部のスリップを抑制するために配合される成分である。このシリコーンオイル類には、シロキサン構造を有する化合物であって、ジメチルシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン、及び変性シロキサンを含む。このジメチルシロキサンには、シロキサン構造の繰り返し単位を有するジメチルポリシロキサンが含まれる。メチルハイドロジェンシロキサンには、シロキサン構造の繰り返し単位を有するジメチルハイドロジェンポリシロキサンが含まれる。変性シロキサンは、ジメチルシロキサンの側鎖、片末端、両末端、又は側鎖と両末端の両方に有機基が導入され、その有機基によって変性されたジメチルシロキサンを示す。なお、変性シロキサンには、ジメチルポリシロキサンが有機基によって変性された変性ポリシロキサンも含まれる。変性シロキサンが有する有機基は、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、カルビノール基、メタクリル基、メルカプト基、フェノール基、ポリエーテル基、メチルスチリル基、アルキル基(但しメチル基を除く)、又はフッ素基を含む。
これらのシリコーンオイル類は、単独で配合してもよいし、複数種を組み合わせて配合してもよい。シリコーンオイル類の中でも、水等で覆われたウエットの路面に加え、乾燥したドライの路面に対する摩擦係数を高めるという観点から、シロキサン構造の繰り返し単位を有するジメチルポリシロキサンを少なくとも配合することが好ましく、このジメチルポリシロキサンのみを配合することが一層好ましい。
シリコーンオイル類の25℃における動粘度は、好ましくは0.5〜3000(mm/s)、より好ましくは0.5〜1000(mm/s)、さらに好ましくは0.5〜500(mm/s)である。この動粘度が0.5(mm/s)未満であると、ポリウレタン組成物を加熱しつつ、ポリウレタンプレポリマーを硬化させるに際し、シリコーンオイル類が揮発し易くなり、配合量に見合った性能が得られにくくなるおそれがある。一方、3000(mm/s)を超えると、乾燥路面に対する摩擦係数が十分に得られにくくなるおそれがある。なお、この動粘度は、異なる動粘度のシリコーンオイル類をブレンドすることにより調整してもよい。
シリコーンオイル類の配合量は、ポリウレタンプレポリマー100質量部に対する配合量に換算して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは1〜10質量部、さらに好ましくは3〜8質量部である。この配合量が、10質量部を超えると、得られるポリウレタン樹脂の物性、特に耐久性が十分に得られにくくなるおそれがある。一方、0.1質量部未満であると、スリップ抑制効果が十分に得られにくくなるおそれがある。
ポリウレタンプレポリマーに対してシリコーンオイル類を配合する際には、そのポリウレタンプレポリマーに対してシリコーンオイル類を十分に混合・分散することが好ましい。こうしたシリコーンオイル類の混合・分散には、羽根によって攪拌する攪拌装置(アジター)に代表される周知の攪拌装置を使用することができる。また、ポリウレタン組成物中に含まれる気泡は、ポリウレタン組成物の硬化反応以前に十分に除去しておくことが好ましい。そうした気泡の除去、すなわち脱泡には、遠心分離の原理を利用した脱泡・混合装置や、真空中にて攪拌が可能な真空・攪拌装置を使用することができる。
得られたポリウレタン組成物には、ポリウレタンプレポリマーを硬化反応を促進するとともに得られるポリウレタン樹脂の物性を制御するために、鎖延長剤(硬化剤)を配合することが好ましい。この鎖延長剤は、ポリウレタンプレポリマーの重合反応を促進し、そのポリマー鎖を延長する役割を果たす。鎖延長剤の種類及び配合量は、ポリウレタンプレポリマーの種類に応じて設定すればよい。鎖延長剤としては、例えば3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)等のジアミン類、1,4−ブタンジオール(1,4BD)、ハイドロキノンジオキシエチルエーテル(HQEE)等のジオール類等が挙げられる。なお、この鎖延長剤は、ポリウレタンプレポリマーにシリコーンオイル類を配合する以前に、ポリウレタンプレポリマーに配合することも可能である。ここで、鎖延長剤を配合した後にシリコーンオイル類を配合する場合、ポリウレタンプレポリマーに対してシリコーンオイル類を混合・分散するに際し、ポリウレタンプレポリマーの硬化反応が進行することになる。すなわち、ポリウレタンプレポリマーの粘度が上昇することになり、ポリウレタンプレポリマーに対するシリコーンオイル類の混合・分散を十分に行うことが困難となるおそれがある。この点、ポリウレタンプレポリマーに対してシリコーンオイル類を配合した後、鎖延長剤を配合すれば、ポリウレタンプレポリマーに対してシリコーンオイル類を十分に混合・分散することができるようになる。
ポリウレタン組成物を原料として、ソリッドタイヤを製造するには、ソリッドタイヤのホイールとなる芯金を金型のキャビティに挿入し、そのキャビティ内にポリウレタン組成物を注入する。なお、芯金の材質は特に限定されず、例えば鉄、アルミニウム、ステンレス鋼等が挙げられる。続いて、その金型を所定時間加熱することにより、ポリウレタン組成物を硬化させる。すると、ポリウレタン組成物の硬化物であるポリウレタン樹脂が得られるとともに、そのポリウレタン樹脂からなるトレッド部が成形される。このとき、トレッド部はキャビティに挿入されていた芯金(ホイール)と一体に成形される。最後に、キャビティからトレッド部及び芯金(ホイール)を脱型することにより、トレッド部が芯金(ホイール)と一体となったソリッドタイヤが得られる。
このソリッドタイヤは、円筒状のホイールと、そのホイールの外周面を被覆するトレッド部を備えて構成され、無人搬送車、フォークリフト等の産業車両の車輪、自動倉庫、立体駐車場、各種製造設備等に備えられる搬送用ローラ、ジェットコースターの車輪等の用途に利用される。このとき、このソリッドタイヤのトレッド部は、上記ポリウレタン組成物から成形されているため、ポリウレタン樹脂製のトレッド部の表面は、シリコーンオイル類によって改質されている。このシリコーンオイル類は、ポリウレタン樹脂が本来有する物性を十分に発揮させつつ、トレッド部の表面を改質する作用に優れる成分である。こうしたシリコーンオイル類によって改質されたトレッド部は、低摩擦係数の路面、例えば水や油で覆われた路面に対する摩擦係数が高められている。特に、このトレッド部は、水によって覆われた路面や、冷凍庫内における氷の路面に対する摩擦係数を高める作用に優れている。この作用は、路面を覆う水に対してシリコーンオイル類の撥水性が関与することによって、ポリウレタン樹脂と路面との密着性が向上すると推測される。
なお、トレッド部において、路面と接触する面となるトレッド面には、溝状のトレッドパターンが形成されていてもよいが、本実施形態のポリウレタン組成物はポリウレタン樹脂が本来有する耐久性等を十分に発揮させる点において、トレッドパターンが形成されていないトレッド部に適用することが有効である。すなわち、トレッドパターンを有しないソリッドタイヤに適用することにより、走行時間によって減少する溝の影響を受けずに、スリップ抑制効果を持続的に発揮させることができるようになる。
一方、近年では水産加工品等の食品に対する衛生面について関心が高まる中、そうした食品を扱う工場や倉庫における食品衛生についての対策が必要となっている。従来のアミ入りソリッドタイヤでは、アミが路面を削ることによる粉塵の発生や、脱落したアミの一部により、そうした食品衛生について影響を与えることが懸念されている。この点、本実施形態のソリッドタイヤによれば、ポリウレタン樹脂が本来有する耐久性が維持されるため、衛生面に対する影響を極力低減することができるようになる。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1) ポリウレタン組成物には、シリコーンオイル類が配合されているため、低摩擦係数の路面(例えば水や油で覆われた路面)に対する摩擦係数が高められたトレッド部を得ることができるようになる。また、シリコーンオイル類は、ポリウレタン組成物から得られるポリウレタン樹脂が本来有する物性(耐久性等)に対して影響を与えにくい。従って、ポリウレタン樹脂の物性を十分に発揮させつつ、低摩擦係数の路面におけるスリップを抑制することができる。
(2) シリコーンオイル類として、少なくともジメチルポリシロキサンを配合することにより、水等で覆われたウエットの路面に加え、乾燥したドライの路面に対する摩擦係数を高めることができるようになる。このため、スリップ抑制効果において一層有効なポリウレタン組成物を提供することができる。
(3) ポリウレタンプレポリマー100質量部に対してシリコーンオイル類を0.1〜10質量部配合することにより、耐久性の維持とスリップ抑制効果とをバランスよく発揮するポリウレタン組成物を提供することができる。
(4) 前記ポリウレタン組成物を硬化して成形されたソリッドタイヤは、様々な用途において、耐久性及びスリップ抑制効果を発揮することができる。特に、このソリッドタイヤは、衛生面に対する影響を極力低減することができるようになるため、水産加工品等の食品を扱う工場や倉庫等の衛生面が懸念される環境において、その利用価値は極めて高い。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜3)
ポリウレタンプレポリマー(PTMG及びTDIから構成)に対してジメチルポリシロキサン(25℃における動粘度5mm/s)を配合し、ポリウレタンプレポリマー中にジメチルポリシロキサンを混合・分散させることにより、ポリウレタン組成物を調製した。各成分の配合量は表1に示すとおりである。なお、表1には、ジメチルポリシロキサンを(A)で示している。
各実施例のポリウレタン組成物に対して鎖延長剤(MOCA)を12.6質量部配合し、ポリウレタン組成物を加熱硬化させることにより、ポリウレタン樹脂成形体を得た。各実施例の成形体における静的物性を表1に示す。
さらに、各実施例の成形体から試験片を作製し、それら試験片について摩耗試験を行った。この摩耗試験は、JIS K 6264に記載のアクロン摩耗試験を以下の条件で行った結果を表1に示す。
試験方法:A−1法
負荷荷重:4.5kgf
試験片と摩耗輪との傾角:30°
試験片の回転速度:250rpm
加えて、各実施例の成形体から試験片を作製し、それらの試験片について(株)東洋精機製作所製、摩擦測定機(TR型)を用いて、静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。なお、各摩擦係数は鉄(ドライ面及びウエット面)及びコンクリート(ドライ面及びウエット面)に対して測定した。その測定結果を表1に示す。
(比較例1)
ジメチルポリシロキサンを配合しない以外は、実施例1〜3と同様にして、ポリウレタン樹脂成形体を作製した。この成形体から作製した試験片について、実施例1〜3と同じ条件で静的物性の測定、摩耗試験、及び摩擦係数の測定を行った結果を表1に併記する。
Figure 0004804778
表1の結果から明らかなように、実施例1〜3のウエット面に対する摩擦係数は、比較例1のウエット面に対する摩擦係数よりも高い値を示していることから、水で覆われた路面(低摩擦係数の路面)におけるスリップを抑制することができることがわかる。また、実施例1〜3のドライ面に対する摩擦係数は、比較例1のドライ面に対する摩擦係数と同等又は高い値を示していることから、ドライの路面においてもスリップ抑制効果が十分に発揮されることがわかる。さらに、鉄及びコンクリートのいずれにおいても、実施例1〜3の摩擦係数は、比較例1の摩擦係数よりも高まることから、実施例1〜3では路面状況の異なる場合(摩擦係数の異なる路面)でも、スリップ抑制効果が発揮されることがわかる。
一方、各実施例における静的物性の測定結果は、比較例1における静的物性の測定結果と同等であることから、ポリウレタン樹脂が本来有する物性は、十分に維持されていることがわかる。また、各例における摩耗試験の結果によれば、各実施例の値は、比較例1の値よりも低い値を示していることから、各実施例の耐摩耗性は比較例1よりも優れることがわかる。
(比較例2)
ポリウレタンプレポリマーに金属製のアミを埋設した以外は、比較例1と同様にして、ポリウレタン樹脂成形体を作製した。この成形体から作製した試験片について、氷面に対する静摩擦係数及び動摩擦係数を実施例1〜3に記載の方法と同様にして測定した。また、上記実施例1及び比較例1における成形体についても、氷面に対する静摩擦係数及び動摩擦係数の測定を行った。これらの結果を表2に示す。
Figure 0004804778
表2の結果から明らかなように、実施例1の摩擦係数は、比較例1の摩擦係数よりも高い値を示している。これらの結果から、実施例1では、氷面においてもスリップ抑制効果が発揮されることがわかる。また、実施例1の摩擦係数は、比較例2の摩擦係数と同等の値を示している。これらの結果から、実施例1ではアミを埋設しなくても、比較例1と同等のスリップ抑制効果を奏するため、アミの埋設を要因とする衛生面に対する影響を防止することもできる。
参考例4〜7)
シリコーンオイル類として、表3に(B)で示すジメチルポリシロキサン(25℃における動粘度:1000mm/s)、(C)で示すメチルハイドロジェンポリシロキサン(25℃における動粘度:20mm/s)、(D)で示す変性シロキサンとしてのヘプタデカフルオロデシルトリイソプロポキシシラン[側鎖及び両末端に有機基を含むもの。化学式:CF(CFCHCHSi(OCH(CH、分子量:652]、及び(E)で示すフッ素変性ジメチルポリシロキサン(側鎖の一部に−CHCHCFを導入したもの。25℃における動粘度:100mm/s)を使用した以外は、実施例1と同様にしてウレタン樹脂成形体を作製した。各例の成形体における静的物性を表3に示す。さらに、各例の成形体から試験片を作製し、それらの試験片について(株)東洋精機製作所製、摩擦測定機(TR型)を用いて、静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。なお、各摩擦係数は鉄(ドライ面及びウエット面)に対して測定した。その測定結果を表3に示す。
Figure 0004804778
表3の結果に示すように、各例のウエット面における摩擦係数は、表1に示す比較例1のウエット面における摩擦係数よりも高い値を示していることから、水で覆われた路面(低摩擦係数の路面)におけるスリップを抑制することができることがわかる。さらに、各例における静的物性の測定結果は、比較例1における静的物性の測定結果と同等であることから、ポリウレタン樹脂が本来有する物性は、十分に維持されていることがわかる。

Claims (3)

  1. ホイールと同ホイールの外周面を被覆するトレッド部とを備えるソリッドタイヤの前記トレッド部を成形するためのポリウレタン組成物であって、
    母材となるポリウレタンプレポリマーに対して、25℃における動粘度が0.5〜500(mm/s)のシリコーンオイル類としてジメチルポリシロキサンを配合するとともに、前記ポリウレタンプレポリマー100質量部に対して前記シリコーンオイル類を1〜10質量部配合したことを特徴とするポリウレタン組成物。
  2. 前記ポリウレタンプレポリマーは、エーテル系ポリオールとイソシアネートとから構成されることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン組成物。
  3. 請求項1又は請求項に記載のポリウレタン組成物を硬化して成形された前記トレッド部を有するソリッドタイヤ。
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