JP2008150426A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】硬度の温度依存性を小さくして、氷上摩擦力を改善したタイヤ用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】平均ガラス転移温度(Tg)が−50℃以下のジエン系ゴム100重量部に対して、(A)アロマオイル2〜18重量部及び(B)トール油脂肪酸エステル2〜18重量部を配合してなるタイヤ用ゴム組成物。
【選択図】なし
【解決手段】平均ガラス転移温度(Tg)が−50℃以下のジエン系ゴム100重量部に対して、(A)アロマオイル2〜18重量部及び(B)トール油脂肪酸エステル2〜18重量部を配合してなるタイヤ用ゴム組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、タイヤ用ゴム組成物に関し、更に詳しくは、ゴム物性(硬度)の温度依存性を小さくし、低温特性での氷上摩擦力を改善したタイヤ用ゴム組成物に関する。
スタッドレスタイヤは、接雪・非接雪路と幅広い温度域で使われるため、そのトレッドコンパウンドに求められる性能として、例えば、硬度の温度依存性が小さいことが挙げられ、特に低温域でもしなやかさを保つことが重要である。そのため、使用するポリマーは、Tgの低いNR/BRの組合せが一般的に使用されている。加えて、低温での硬度を下げるためにアロマオイルが多く配合されているが、そのTgはおよそ−40℃とポリマーより高く、ゴムの温度依存性に影響を及ぼしており、低温特性が十分でなかった。
従来技術として、タイヤのトレッド用ゴム組成物に、加工助剤として高分子量脂肪酸エステルを配合して、加工性、加硫速度及び加硫後の物性を改良する技術が以下の特許文献1に記載され、また、タイヤ用ゴム組成物に、共役リノール酸含量が40重量%以上の脂肪酸とアルコール類とのエステル化合物を配合して、加工性、発熱性及びスチールとの接着性を改良する技術が以下の特許文献2に記載され、また、タイヤのトレッド用シリカ配合ゴム組成物に、耐摩耗性を落とさずに加工性を上げる技術として、多価アルコールと高位脂肪酸のアルコールエステルを配合することが以下の特許文献3に記載され、更に、タイヤトレッド用ゴム組成物に、アイス路面、ウェット路面、及びスノー路面における制動性及び操作性を改良する技術として、高級脂肪酸エステルなどの高級脂肪酸系化合物と界面活性剤とを併用配合することが以下の特許文献4に記載されている。しかしながら、これらいずれの従来技術も、タイヤトレッド用ゴム組成物の硬度における温度依存性を小さくして、低温特性での氷上摩擦力を向上させることを目的として、アロマオイルとトール油脂肪酸エステルとを併用配合する技術を開示していない。
本発明では、ガラス転移温度(Tg)がアロマオイルよりも低い脂肪酸エステルをアロマオイルと併用することにより、タイヤ用ゴム組成物における硬度の温度依存性を小さくして、氷上摩擦力を改善したタイヤ用ゴム組成物を提供することを目的とする。
よって、本発明によれば、平均Tgが−50℃以下のジエン系ゴム100重量部に対して、(A)アロマオイル2〜18重量部及び(B)トール油脂肪酸エステル2〜18重量部を配合してなるタイヤ用ゴム組成物が提供される。
また、本発明によれば、熱膨張性マイクロカプセル、熱膨張性黒鉛及び発泡剤含有樹脂から選ばれる少なくとも一種1〜15重量部を更に配合してなる、氷上摩擦力をより向上させたタイヤ用ゴム組成物が提供される。
本発明では、冬季、夏季を通じて使用するアロマオイル含有のスタッドレスタイヤ用のゴム組成物において、特に、厳寒での冬季の氷上摩擦力をより向上させるには、当該ゴムコンパウンド物性の硬度の温度依存性をより小さくすればよいとの着眼に基づき、そのため、アロマオイルのTg(−40℃付近)よりも低いTgを有する特定のトール油脂肪酸エステルをアロマオイルと併用配合することに想い到ったものである。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に用いられるジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、各種ブタジエンゴム(BR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。これらのジエン系ゴムは単独で、あるいは二種以上のブレンドゴムとして使われる。かかるジエン系ゴムは、本発明のタイヤ用ゴム組成物では、その低転動抵抗と耐摩耗性、低温性能を両立させるために、そのTgが平均値で−50℃以下のものが使用される。なお、ここで、平均ガラス転移温度(平均Tg)としては、ゴムの種類をn、各ゴムのガラス転移温度Ti(℃)、各ゴムの配合量(全ゴムポリマー100重量部に対する重量部)をQiとすると、下記式によって算出すればよい。
なお、ガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量計)を用いて、昇温速度2℃/分で測定した値をいう。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に用いられるアロマオイルには、従来から、トレッド用ゴム組成物に可塑剤、軟化剤として使われてきたTgが−40℃付近の慣用のアロマオイルが使用される。かかるアロマオイルは、例えば、プロセスX−140(ジャパンエナジー製)などとして市販され、入手可能である。
当該アロマオイルの配合量としては、前記ジエン系ゴム100重量部に対して、2〜18重量部とすることが好ましい。アロマオイルが2重量部未満では、ゴム硬度が十分下げられないので好ましくなく、逆に18重量部を超えると、加工性が悪くなるので好ましくない。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に併用されるトール油脂肪酸エステルとしては、上記アロマオイルよりも−10℃以上Tgの低い液状のトール油脂肪酸エステルを配合することで、低温でのゴム組成物の硬度上昇を抑制することができる。かかるトール油脂肪酸エステルとしては、例えば、トール油脂肪酸のn−ブタノールエステル、n−ペンタノールエステル、n−ヘキサノールエステル、n−ヘプタノールエステル、n−オクタノールエステルなどが挙げられる。また、当該トール油脂肪酸エステルのエステル化に用いられるアルコール成分としては、特に、Tgを低くすることができる第一アルコールであることがより好ましい。よって、本発明で使用する特に好ましいトール油脂肪酸エステルは、トール油脂肪酸のn−ブタノールエステル(Tg=−112℃)及びトール油脂肪酸のn−オクタノールエステル(Tg=−87℃)などである。なお、トール油脂肪酸エステル及びアロマオイルのガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量計)を用いて昇温速度2℃/分で測定した値をいう。
上記トール油脂肪酸エステルは、市販されているトール油脂肪酸、例えば、ハートールFA−1、ハートールFA−1P、ハートールFA−3Sなど(以上、ハリマ化成製)とアルコールとの通常のエステル化反応により得ることができる。当該トール油とアルコールとのエステル化は、公知の方法によって実施することができる。トール油脂肪酸のカルボキシル基に対するアルコールの水酸基の仕込み当量比は任意であるが、一般的に1.0〜2.0であることが好ましい。エステル化は、150〜250℃の温度下で、不活性ガス気流下に、パラトルエンスルホン酸、リン酸、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酢酸カルシウム、ジブチル錫オキシドなどの触媒存在下に、生成する反応水を系外に除去しながら、約5〜20時間かけて行われる。反応終了後に、反応物から未反応物を減圧下に除去する。また、この際に、当該トール油脂肪酸エステル混合物の酸化安定性を改善するために、フェノール系及び亜リン酸エステル系酸化防止剤を添加してもよい。
前記トール油脂肪酸のエステル化に使用されるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコールなどの一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリエタノールアミンなどの三価アルコール等が挙げられるが、本発明に関して好適に用いられるアルコールは、例えば、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノールなどである。
当該トール油脂肪酸エステルの配合量としては、ジエン系ゴム100重量部に対して2〜18重量部とすることが望ましい。トール油脂肪酸エステルの配合量が2重量部未満では、本発明の所期の併用効果が発揮できず、逆に18重量部を超えると、加工性の悪化及びコストの増加により好ましくない。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に、更に熱膨張性マイクロカプセル、熱膨張性黒鉛及び/又は発泡剤含有樹脂を1〜15重量部、より好ましくは3〜10重量部を配合すると、前記添加剤の硬度の温度依存性の低さに加えて、これら添加剤の吸水効果によってより氷上摩擦力が向上するので好ましい。当該添加剤の配合量が1重量部未満では、所期の効果を発揮できず、逆に15重量部を超えると、機械的強度の低下や耐摩耗性の低下が起こるので好ましくない。
上記熱膨張性マイクロカプセルは、熱により気化して気体を発生する液体を熱可塑性樹脂に内包した熱膨張性熱可塑性樹脂粒子を、その膨張開始温度以上の温度で加熱して膨張させて、その熱可塑性樹脂からなる外殻中に気体を封じ込めたもので、その気体封入熱可塑性樹脂粒子の真比重が0.1以下でかつ粒径が5〜300μmであるものが好ましく用いられる。このような熱膨張性熱可塑性樹脂粒子(未膨張粒子)としては、スェーデンのエクスパンセル社製の商品名「EXPANCEL 091DU−80」または「EXPANCEL 092DU−120」等として、あるいは、松本油脂製薬製の商品名「マツモトマイクロスフェアー F−85D」または「マツモトマイクロスフェアー F−100D」等として入手可能である。
前記気体封入熱可塑性樹脂の外殻成分を構成する熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリロニトリルの重合体又は(メタ)アクリロニトリル含有量の高い重合体が好適に用いられる。その共重合体の場合の相手側モノマー(コモノマー)としては、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、スチレン系モノマー、(メタ)アクリレート系モノマー、酢酸ビニル、ブタジエン、ビニルピリジン、クロロプレン等のモノマーが用いられる。なお、上記の熱可塑性樹脂は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアネート等の架橋剤で架橋可能にされていてもよい。架橋形態については未架橋が好ましいが、熱可塑性樹脂としての性質を損なわない程度に架橋していてもかまわない。
また、前記熱により気化して気体を発生する液体としては、例えば、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタン、ヘキサン、石油エーテルの如き炭化水素類、塩化メチル、塩化メチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロルエチレンの如き塩素化炭化水素のような液体等が挙げられる。
上記熱膨張性黒鉛は、層間に熱により気化する物質を内包する粒子サイズ30〜600μm、好ましくは100〜300μmの粉体粒子であり、加硫時の熱によって膨張して黒鉛膨張体となるものである。熱膨張性黒鉛は、炭素原子から形成されたシートが層状となった構造をしており、その層間物質の気化によって膨張させることができる。材質が硬いために混合による品質低下が起こりにくく、また一定温度で不可逆的に膨張するため、ゴムマトリクス内部に空間を伴う異物を容易に形成させることができる。このようなゴム組成を用いたタイヤのトレッド部は、摩耗時に表面凹凸が適度に形成されて表面上の水膜を効率よく除去することによって氷上摩擦力の向上をもたらす。また、熱膨張性黒鉛は、炭素原子からなる骨格構造を有しているためにゴムマトリクスやカーボンブラックとの親和性が良好であり、ゴムに配合添加しても加硫ゴムの耐摩耗性を低下させないという利点もある。
当該熱膨張性黒鉛は、従来から公知のものを使用することができる。例えば、天然の鱗片状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等を無機酸である濃硫酸又は硝酸等と強酸化剤である濃硝酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩又は重クロム酸塩等で処理してグラファイト層間化合物を生成させた炭素の層状構造を維持したままの結晶質化合物を挙げることができる。更に、酸処理した熱膨張性黒鉛を塩基性化合物で中和したものを使用することが好ましい。ここで、塩基性化合物としては、例えばアンモニア、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物または脂肪族低級アミン等を挙げることができる。この脂肪族低級アミンとしては、アルキルアミン類、例えばモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等を挙げることができる。アルカリ金属化合物又はアルカリ土類化合物としては、例えばカリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウムまたはマグネシウム等の水酸化物、酸化物(複酸化物及び錯酸化物を含む)、炭酸塩、炭酸水素塩(重炭酸塩)又は有機酸塩を挙げることができ、有機酸塩としては、例えばギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、シュー酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩又はクエン酸塩を挙げることができる。
また、上記発泡剤含有樹脂は、ジエン系ゴムに配合し加硫することによって、ゴムの加硫後の硬度を大きく低下させることなく、ゴム内部にマイクロカプセル状の樹脂被覆気泡を形成させ、摩耗後のゴム表面に出現する表面凹凸によるゴム/氷間のミクロな水膜除去と、気泡と共に表面に露出した樹脂成分による氷表面への引掻き効果を同時に得ることによって、ゴム/氷間の摩擦力を大きく向上させることができるものである。ポリオレフィン樹脂によって予め被覆された発泡剤を配合するため、発泡剤の分解温度以上であれば、樹脂の軟化点に関係なく加工温度を選ぶことができ、気泡周囲の樹脂による被覆層は効率よく確実に形成される。また、ポリオレフィン樹脂がジエン系ゴムと共架橋性を有しないために、樹脂層が高温の加工時または加硫時にゴム相に不必要に拡散することがなく、ゴム相と樹脂部分が明確に分離したマイクロカプセル状の樹脂被覆気泡が得られるのが特徴である。更に、樹脂被覆によって気密性が改善された気泡では、加硫時のモールド接触面におけるガス抜けが起こりにくく、その結果、加硫ゴムは、表層部から中心部までマイクロカプセル状気泡がより均一に分散した性状となる。このようなゴム組成物を用いた氷雪路面用タイヤでは、使用初期から高い氷上摩擦力が発揮できるという特徴をもつ。
当該発泡剤含有樹脂を構成する樹脂成分は、ジエン系ゴムと共架橋性を有しないものでなければならず、具体的には、ポリオレフィン系樹脂を主成分としたものが用いられる。なお、ここで主成分とは、ポリオレフィン系樹脂が全樹脂成分の75重量%以上、好ましくは85重量%以上のものをいい、他の成分としては、例えば、オレフィンモノマーの未反応残基、重合開始剤や触媒等の残渣、加工助剤、ポリオレフィン系樹脂以外のポリマー状樹脂成分等が挙げられる。この樹脂成分は、ジエン系ゴムとの共架橋を防ぐため、分子の主鎖中に二重結合が残っていないものが好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ-4-メチルペンテン-1、ポリブチレン-1等の中から選ばれる少なくとも一種を用いることができ、これらの混合物や共重合体も使用することができる。
当該発泡剤含有樹脂中の化学発泡剤の分解温度は、120〜180℃、好ましくは140〜160℃であるのが好ましい。この温度が低すぎると、混合、押出加工中に発泡が開始してしまい、加硫ゴム中で十分な大きさの樹脂被覆気泡を形成させることができない。なお、この分解温度が高過ぎる場合には、尿素等の発泡助剤との併用によって分解温度を120〜180℃に調整することもできる。発泡助剤は、例えば、永和化成工業社の「セルペースト」として入手可能である。
当該発泡剤含有樹脂の化学発泡剤成分は、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、アゾ化合物、重炭酸塩の中から選ばれる少なくとも一種を用いることができ、具体的には、アゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)、バリウムアゾジカルボキシレート(Ba/AC)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)等が挙げられ、これらは、永和化成工業社の「ビニルホール」(ADCA)、「セルラー」(DPT)、「ネオセルボン」(OBSH)、「エクセラー」(DPT/ADCA)、「スパンセル」(ADCA/OBSH)、「セルボン」(NaHCO3)等が市販されている。
当該発泡剤含有樹脂の粒子径は、10〜200μmであるのが好ましい。これより小さいと、ゴム表面に十分な大きさの凹凸が形成できず、大き過ぎると、ゴムの機械的強度の低下が著しくなってしまう。このような発泡剤含有樹脂としては、例えば、永和化成工業社から「セルパウダー」として市販されている。また、加硫ゴム組成物内に形成されるマイクロカプセル状気泡は球形であるが、原料段階での発泡剤含有樹脂の形状は球形である必要はない。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物には、更に、カーボンブラック、シリカなどの補強剤、シランカップリング剤、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、老化防止剤、充填材、その他タイヤゴム用に配合されている各種配合剤を配合することができ、かかる配合剤は、一般的な方法で混練、加硫してゴム組成物とし、加硫または架橋することができる。これら配合剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例および比較例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことは言うまでもない。
サンプルの調製
表1に示す配合(重量部)に従って、1.7Lの密閉式バンバリーミキサーを用いて、加硫促進剤、硫黄、熱膨張性マイクロカプセル、熱膨張性黒鉛、発泡剤含有樹脂などを除く各配合剤を5分間混合し、150℃に達したときにゴムを混合機外に放出して室温まで冷却した後、同バンバリーミキサーにて、加硫促進剤、硫黄、熱膨張性マイクロカプセル、熱膨張性黒鉛、発泡剤含有樹脂などを配合、混合した。
表1に示す配合(重量部)に従って、1.7Lの密閉式バンバリーミキサーを用いて、加硫促進剤、硫黄、熱膨張性マイクロカプセル、熱膨張性黒鉛、発泡剤含有樹脂などを除く各配合剤を5分間混合し、150℃に達したときにゴムを混合機外に放出して室温まで冷却した後、同バンバリーミキサーにて、加硫促進剤、硫黄、熱膨張性マイクロカプセル、熱膨張性黒鉛、発泡剤含有樹脂などを配合、混合した。
試験方法
1)硬度差(−10℃−20℃の硬度差): 各コンパウンドを加硫したシート状ゴム片について、JIS K6253に準拠して、タイプAデュロメータを用いて−10℃と20℃での硬度を測定し、それらの硬度差(−10℃−20℃の硬度差)を算定した。比較例1を100として、結果を指数で表示した。数値が小さい程、硬度差が小さく、温度依存性が抑制されていることを示す。
2)氷上摩擦力: 各コンパウンドを加硫したシート状ゴム片を、扁平円柱状の台ゴムに貼り付け、インサイドドラム型氷上摩擦試験機を用いて氷上摩擦係数を測定した。測定温度は、−1.5℃、荷重0.54MPa、ドラム回転速度は25km/時間であった。比較例1を100として、結果を指数で表示した。数値が大きい程、氷上摩擦力に優れていることを示す。
1)硬度差(−10℃−20℃の硬度差): 各コンパウンドを加硫したシート状ゴム片について、JIS K6253に準拠して、タイプAデュロメータを用いて−10℃と20℃での硬度を測定し、それらの硬度差(−10℃−20℃の硬度差)を算定した。比較例1を100として、結果を指数で表示した。数値が小さい程、硬度差が小さく、温度依存性が抑制されていることを示す。
2)氷上摩擦力: 各コンパウンドを加硫したシート状ゴム片を、扁平円柱状の台ゴムに貼り付け、インサイドドラム型氷上摩擦試験機を用いて氷上摩擦係数を測定した。測定温度は、−1.5℃、荷重0.54MPa、ドラム回転速度は25km/時間であった。比較例1を100として、結果を指数で表示した。数値が大きい程、氷上摩擦力に優れていることを示す。
表1によれば、所要のアロマオイル及びトール油脂肪酸エステルの所定量を併用配合した本発明のタイヤ用ゴム組成物では、所定の硬度差が小さくて、氷上摩擦力が向上し、また、更に熱膨張性マイクロカプセル、熱膨張性黒鉛及び/又は発泡剤含有樹脂を配合すると、顕著に氷上摩擦力が向上していることが判る。
Claims (3)
- 平均ガラス転移温度(Tg)が−50℃以下のジエン系ゴム100重量部に対して、(A)アロマオイル2〜18重量部及び(B)トール油脂肪酸エステル2〜18重量部を配合してなるタイヤ用ゴム組成物。
- 前記トール油脂肪酸エステルが、トール油脂肪酸のブタノールエステル又はトール油脂肪酸のオクタノールエステルである、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1又は2に記載のゴム組成物に、熱膨張性マイクロカプセル、熱膨張性黒鉛及び発泡剤含有樹脂から選ばれる少なくとも一種1〜15重量部を更に配合してなる、請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
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