JP2004256745A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴム組成物の氷上摩擦力を改良する。
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部、ブロックイソシアネート1〜20重量部及び一分子中に水酸基又はアミン基を少なくとも1個有する有機配合剤を含んでなるゴム組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部、ブロックイソシアネート1〜20重量部及び一分子中に水酸基又はアミン基を少なくとも1個有する有機配合剤を含んでなるゴム組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はゴム組成物に関し、更に詳しくは氷上摩擦力が改良された、タイヤ用として有用なゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴムの氷上摩擦力を改善するために、従来微細粉末を添加混合したり(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)、発泡剤を配合したり(例えば、特許文献4参照)、中空微粒子を配合したり(例えば、特許文献5参照)してタイヤ表面にミクロな凹凸を作ることによって、氷の表面に発生する水膜を除去して、氷上摩擦を向上させる方法が種々提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭60−25823号公報
【特許文献2】
特開平2−274740号公報
【特許文献3】
特開平2−281052号公報
【特許文献4】
特開昭62−283001号公報
【特許文献5】
特開平11−35736号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば微粉末を添加混合する方法では、混合中に粉末物が分散しすぎて、加硫後に所定の微細ドメインを形成させるに至らないという問題があり、これを解決するために、ゴムの初期加工工程では変化せず、最終の加硫工程にて異物ドメインがゴム内に形成される方法が好ましいと思われる。
【0005】
従って、本発明の目的は、ゴム組成物の氷上摩擦力を改良して、例えばスタッドレスタイヤのトレッドとして好適に使用することができるゴム組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に従えば、ジエン系ゴム100重量部、ブロックイソシアネート1〜20重量部及び一分子中に水酸基又はアミン基を少なくとも1個有する有機配合剤を含んでなるゴム組成物が提供される。
【0007】
本発明に従えば、また、上記必須成分に加えて、ジエン系ゴム100重量部に対し、熱膨張性マイクロカプセル、膨張黒鉛及び化学発泡剤含有オレフィン樹脂から選ばれた少なくとも一種の膨張性材料1〜20重量部を更に含むゴム組成物が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に従えば、ジエン系ゴムに、ブロックイソシアネートおよび、一分子中に水酸基又はアミン基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する有機配合剤を配合する。
【0009】
本発明で使用するブロックイソシアネートとしては、例えばTDI(トリレンジイソシアネート)、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、水添MDI等のジイソシアネートの両末端にブロック剤としてフェノールやε−カプロラクタム等のアルコールやアミン化合物、オキシム、活性メチレンなどが結合している物質で、これらのブロック剤は所定の解離温度(130〜160℃)以下では安定で未反応であり、加硫段階などの解離温度以上の温度で始めてイソシアネート基が反応性となる。この加硫中に活性になったイソシアネート基がゴム中のポリアルコールやポリアミンと反応してポリウレタンやポリウレア構造が形成され、加硫中のみの重合反応により不純物ドメインが効率よく形成される。
【0010】
本発明に従ったゴム組成物に配合されるブロックイソシアネートは、ジエン系ゴム100重量部に対し、1〜20重量部、好ましくは4〜8重量部配合される。この配合量が少な過ぎると、氷上摩擦性能の改善効果が不十分なので好ましくなく、逆に多過ぎると耐摩耗性能が低下するので好ましくない。
【0011】
本発明に従ったゴム組成物に配合される有機配合剤は、一分子中に水酸基又はアミンを少なくとも1個、好ましくは2個以上有する物質で具体的にはグアニジン系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤、アミン−ケトン系老化防止剤の重合体、フェニレンジアミン系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、シランカップリング剤、ポリシロキサン化合物及びグリコール化合物などの1種又は2種以上の任意の混合物を用いることができる。
【0012】
前記有機配合剤はジエン系ゴム100重量部に対し、好ましくは0.5〜5.0重量部、更に好ましくは1〜2重量部配合される。この配合量が少な過ぎると加硫中にポリウレタンやポリウレアが生じられず、所望の改善効果が得られないので好ましくなく、逆に多過ぎると加硫ゴムの物性バランスが悪くなるおそれがあるので好ましくない。
【0013】
本発明に従えば、ゴム混合時に添加されたブロックイソシアネートは、混合中及び押出し加工中は未反応のままで加硫工程へ進む。加硫温度にてブロック剤が解離して活性となったイソシアネート基はゴム配合中の有機配合剤に含まれるポリアルコールやポリアミンと反応してポリウレタンやポリウレアを形成する。加硫後の製品使用時にゴム表面にてこのポリウレタン、ポリウレアの部分が摩耗脱落をして表面凹凸を形成し、これが氷上の水膜を効率よく除去することによってゴムの氷上摩擦力が改善される。
【0014】
本発明のゴム組成物中に、例えばポリウレタンやポリウレアを配合した場合には、ポリウレタンやポリウレアがゴム混合時に微細化し、所望の効果は得られない。このため、本発明ではブロックイソシアネートを配合し、ゴムの加硫工程において加硫温度によりブロックイソシアネートを以下の通り解離させる。
【0015】
【化1】
【0016】
以上のようにして、加硫工程でブロックイソシアネートから解離したイソシアネート(R1 −N=C=O)は本発明のゴム組成物中に配合される有機配合剤中のアルコール部分、アミン部分及び水と以下の通り反応する。
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】
ゴム組成物中に配合されるアルコールとしてはポリフェノール系老化防止剤、シランカップリング剤(水和物)、ポリシロキサン化合物(水和物)、グリコール類(DPG等)、シリカなどがあり、アミンとしてはグアニジン系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤、アミン−ケトン系老化防止剤、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤などがある。
このようにしてアルコール部分及びアミン部分との反応によって生成したポリウレタン及びポリウレアはイソシアネートとゴム組成物中に存在する水との反応で発生したCO2 によって膨張することがあるが、これは本発明のより好ましい実施形態である。
【0020】
本発明において使用するジエン系ゴムとしては、従来よりタイヤ用として使用されている任意のジエン系ゴム、例えば天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどをあげることができ、これらは単独又は任意のブレンドとして使用することができる。また、本発明で使用するジエン系ゴムはガラス転移温度(Tg)が−55℃以下、好ましくは−90℃〜−60℃(すなわち冬用タイヤに使用するのに好適なもの)であるのが好ましい。
【0021】
本発明のゴム組成物には、ゴム補強剤として、通常ゴム組成物に配合される任意のカーボンブラックを配合することができる。また、シリカで表面処理を施したカーボンブラックも使用することができる。また必要に応じ、シリカも使用することもできる。カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対し、好ましくは20〜80重量部、更に好ましくは30〜60重量部である。この配合量が少な過ぎるとゴムを十分に補強できないため、例えば耐摩擦性が悪化するおそれがあるので好ましくはなく、逆に多過ぎると硬度が高くなり過ぎたり、加工性が低下したりするおそれがあるので好ましくはない。また沈降性又は乾式シリカは、ゴム成分100重量部に対し、好ましくは0〜50重量部、更に好ましくは0〜20重量部配合する。シリカは使用しなくてもよく、使用する場合はtanδなどの加硫ゴムの粘弾性特性が改良される範囲の配合量で用いるのがよく、これが多過ぎると電気伝導度が低下し、また補強剤の凝集力が強くなり、混練中の分散が不充分となるので好ましくない。
【0022】
本発明において使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2 SA)が好ましくは70m2 /g以上、更に好ましくは80〜200m2 /gであり、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が好ましくは95ml/100g以上、更に好ましくは105〜140ml/100gである。
【0023】
本発明において使用する熱膨張性マイクロカプセルは、ジエン系ゴム100重量部に対し、1〜20重量部、好ましくは、3〜10重量部配合される。この配合量が少な過ぎると本発明の所望の効果が得られず、逆にこの配合量が多過ぎるとゴム組成物の耐摩耗性の低下が著しくなるので好ましくない。
【0024】
本発明で使用する熱膨張性マイクロカプセルは熱により気化して気体を発生する液体を熱可塑性樹脂に内包した熱膨張性熱可塑性樹脂粒子であり、この粒子をその膨張開始温度以上の温度、通常140〜190℃の温度で加熱して膨張させることによってその熱可塑性樹脂からなる外殻中に気体を封入した気体封入熱可塑性樹脂粒子となる。この熱膨張性マイクロカプセルの粒子径は、特に限定されないが、膨張前で5〜300μmであるものが好ましく、さらに好ましくは粒径10〜200μmのものである。
【0025】
このような熱膨張性マイクロカプセルとしては、例えば、現在、スウェーデンのEXPANCEL社より商品名「エクスパンセル091DU−80」または「エクスパンセル092DU−120」等として、又は松本油脂(株)より商品名「マツモトマイクロスフェアーF−85」又は「マツモトマイクロスフェアーF−100」等として入手可能である。
【0026】
前記熱膨張性熱可塑性樹脂粒子は、その膨張開始温度が好ましくは100℃以上、更に好ましくは120℃以上で、最大膨張温度が好ましくは150℃以上、更に好ましくは160℃以上のものが用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば(メタ)アクリロニトリルの重合体、また(メタ)アクリロニトリル含有量の高い共重合体が好適に用いられる。その共重合体の場合の他のモノマー(コモノマー)としては、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、スチレン系モノマー、(メタ)アクリレート系モノマー、酢酸ビニル、ブタジエン、ビニルピリジン、クロロプレン等のモノマーが用いられる。なお、上記の熱可塑性樹脂は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアヌレート等の架橋剤で架橋可能にされていてもよい。架橋形態については、未架橋が好ましいが、熱可塑性樹脂としての性質を損わない程度に部分的に架橋していてもかまわない。
【0027】
前記の熱により気化して気体を発生する液体としては、例えば、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタン、ヘキサン、石油エーテルのような炭化水素類、塩化メチル、塩化エチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロルエチレンのような塩素化炭化水素のような液体が挙げられる。
【0028】
本発明において使用する膨張黒鉛は、ジエン系ゴム100重量部に対し、1〜20重量部、好ましくは2〜8重量部配合され、上記の熱膨張性マイクロカプセルと併用することもできる。この配合量が少な過ぎると所望の効果が得られないので好ましくなく、逆に多過ぎるとゴム表面と氷結路面間のミクロレベルにおける接触面積が低下するために、氷上摩擦力が低下するので好ましくない。また配合量が多すぎる場合にはゴム組成物の耐摩耗性及び機械的強度が低下するので好ましくない。
【0029】
膨張黒鉛(Expandable)は黒鉛粒子の層間に熱により気化する物質を内包する粒子サイズ30〜600μm、好ましくは100〜350μmの粉体物質であり、加硫時の熱によって膨張して黒鉛膨張体(Expanded Graphite)となることが好ましい。
【0030】
膨張黒鉛は炭素原子から形成されたシートが層状に重なった構造をしており、硫酸や硝酸などとともに酸処理(インターカレーション処理)することによって得られる。この膨張黒鉛は例えば加熱によりその層間物質の気化によって高膨張させて黒鉛膨張体(又は発泡黒鉛)とすることができる。膨張処理前は材質が硬いために混合による品質低下が起りにくく、また一定温度にて不可逆的に膨張するため、タイヤの加硫によってゴムマトリックス内部に空間を伴う異物を容易に形成させることができる。このようなゴムを用いたタイヤのトレッド部は摩耗時に表面凹凸が適度に形成され、氷とタイヤの接触面上の水膜を効率よく除去することによって氷上摩擦力の向上に働く。
【0031】
膨張黒鉛は既に知られた材料であり、公知の製法によって製造される。一般的には強酸物質と酸化剤との混合液に黒鉛粒子を浸漬し、インターカレーション処理により黒鉛粒子の層間に酸を挿入させて製造する。例えば強酸物質としては濃硫酸、酸化剤として硝酸が使われ、これにより粒子の層間に硫酸が挿入された膨張黒鉛が得られる。膨張黒鉛は熱処理によって層間化合物が揮発することによって層間が開き、膨張する。層間物質に硫酸が用いられる膨張黒鉛は通常300℃以上での熱処理によって膨張するが、層間物質の改質や他の低沸点酸化合物(例えば硝酸)の使用又は併用によって、膨張開始温度を300℃以下に下げた膨張黒鉛が製造、市販されている。本発明で対象となるジエン系ゴムを主成分としたゴム組成物の加工温度は200℃以下であり、本発明では膨張開始温度が190℃以下の膨張黒鉛を用いることによって所定の効果が発揮される。
【0032】
このような膨張開始温度が190℃以下の膨張黒鉛としては、例えば巴工業(株)より米国のUCAR Graphtech社製の「グラフガード160−50」又は「グラフガード160−80」等が市販されており、入手可能である。
【0033】
膨張黒鉛は用語的には酸処理を行った直後の未膨張品(Expandable)を示すが、熱処理後の既膨張品(Expanded)のことを呼ぶ場合もある。本発明にてゴム組成物として配合される膨張黒鉛は熱処理前の未膨張品である。
【0034】
本発明においては、膨張黒鉛はゴム組成物の混練工程、押出し成形工程で膨張せず、加硫工程にて膨張させることが望ましく、膨張開始温度が、好ましくは120〜190℃、更に好ましくは140〜170℃のものを用いる。膨張開始温度が120℃未満であると、膨張黒鉛が混練り時、又は押出し加工時に膨張し、ゴム比重が工程途中で変化することにより加工性が損なわれるおそれがある。また、膨張開始温度が190℃を超える場合には加硫工程での加工温度を190℃以上に設定しなければならず、ゴム組成物の主成分であるジエン系ゴム分子の熱劣化が著しくなる傾向にある。
【0035】
一方、膨張黒鉛は炭素原子からなる骨格構造をとっているためにゴムマトリックスやカーボンブラックとの親和性が良好であり、ゴムの配合添加しても加硫ゴムの耐摩耗性能の低下が少ないという利点がある。
【0036】
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、上記の熱膨張性マイクロカプセルや膨張黒鉛の他に、ジエン系ゴム100重量部に対し、化学発泡剤を含むオレフィン樹脂(化学発泡剤含有オレフィン樹脂)1〜20重量部、好ましくは2〜6重量部を配合するのが、タイヤ用ゴム組成物の氷上摩擦性能をさらに向上させることができるので好ましい。この配合量が少なすぎると、空隙形成効果が不充分となり添加効果が小さくなり、逆に多すぎると加硫ゴムの形状安定性を損ね、かつゴムの耐摩耗性を著しく損ねるので好ましくない。
【0037】
この化学発泡剤含有オレフィン樹脂を配合することによって、ゴムの加硫後の硬度を大きく低下させることなく、ゴム内部にマイクロカプセル状の樹脂被覆気泡を形成させ、摩耗後のゴム表面に出現する表面凹凸によるゴム/氷間のミクロな水膜除去と気泡とともに表面に露出した樹脂成分による氷表面への引っ掻き効果を同時に得ることによってゴム/氷間の摩擦力を大きく向上させることができる。オレフィン樹脂によって予め被覆された化学発泡剤を配合するため、化学発泡剤の分解温度以下であれば樹脂の軟化点に関係なく加工温度を選ぶことができ、気泡周囲の樹脂による被覆層は効率よく確実に形成される。また、オレフィン樹脂がジエン系ゴムと共架橋性を有しないために、樹脂層が高温の加工時または加硫時にゴム相に不必要に拡散することがなく、ゴム相と樹脂部分が明確に分離したマイクロカプセル状の樹脂被覆気泡が得られるのが特徴である。さらに、樹脂被覆によって気密性の改善された気泡では、加硫時のモールド接触面におけるガス抜けが起こりにくく、その結果、加硫ゴムは表層部から中心部までマイクロカプセル状気泡がより均一に分散した性状となる。このようなゴム組成物を用いた氷雪路面用タイヤは、使用初期から高い氷上摩擦力が発揮できるという特徴を持つ。
【0038】
本発明において、化学発泡剤含有オレフィン樹脂を構成する樹脂成分はジエン系ゴムとは共架橋性を有しないものでなければならず、具体的にはポリオレフィン系樹脂を主成分としたものが用いられる。なお、ここで主成分とはポリオレフィン系樹脂が全樹脂成分の75重量%以上、好ましくは85重量%以上のものをいい、他の成分としては、例えば、オレフィンモノマーの未反応残基、重合開始剤や触媒等の残査、加工助剤、ポリオレフィン系樹脂以外のポリマー状樹脂等が挙げられる。この樹脂成分は、ジエン系ゴムとの共架橋を防ぐため分子の主鎖中に二重結合が残っていないものが好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリブチレン−1等の中から選ばれる少なくとも1種を用いることができ、これらの混合物や共重合体も使用することができる。
【0039】
本発明の化学発泡剤含有オレフィン樹脂の中の化学発泡剤の含有率は5〜65重量%、好ましくは15〜50重量%である。この配合量が少なすぎると空隙の形成効果が不充分となるおそれがあり、逆に多すぎると形成される殻の厚みが薄くなり、マイクロカプセルとしての引っ掻き効果が不充分になるおそれがある。
【0040】
本発明の化学発泡剤の分解温度は120〜180℃、好ましくは140〜160℃であるのが好ましい。この温度が低すぎると混合、押出加工中に十分な大きさの樹脂被覆気泡を形成させることができない。なお、この分解温度が高すぎる場合には尿素等の発泡助剤との併用によって分解温度を120〜180℃に調整することもできる。発泡助剤は、例えば永和化成工業(株)の「セルペースト」として入手可能である。
【0041】
本発明に使用する化学発泡剤成分は、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、アゾ化合物、重炭酸塩の中から選ばれる少なくとも1種を用いることができ、具体的にはアゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)、バリウムアゾシカルボキシレート(Ba/AC)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3 )等が挙げられ、これらは永和化成工業(株)の「ビニルホール」(ADCA)、「セルラー」(DPT)、「ネオセルボン」(OBSH)、「エクセラー」(DPT/ADCA)、「スパンセル」(ADCA/OBSH)、「セルボン」(NaHCO3 )等が市販されている。
【0042】
化学発泡剤含有オレフィン樹脂の粒子径は、10〜200μmであるのが好ましい。これより小さいとゴム表面に十分な大きさの凹凸を形成できず、大きすぎるとゴムの機械的強度の低下が著しくなってしまう。このような化学発泡剤含有オレフィン樹脂としては、例えば永和化成工業(株)から「セルパウダー」として市販されている。また、加硫ゴム組成物内に形成されるマイクロカプセル状気泡は球形であるが、原料段階での化学発泡剤含有オレフィン樹脂の形状は球形である必要はない。
【0043】
本発明の第二の態様に従ってゴム組成物に前記膨張性材料を配合した場合には、加硫工程でブロックイソシアネートが解離して活性なイソシアネート基が生成し、この加硫中に活性になったイソシアネートがゴム中の有機配合剤中のポリアルコールやポリアミンと反応してポリウレタンやポリウレア構造が形成される。このポリウレタンやポリウレアのゴムマトリックス中でのドメインは高温時に柔らかいため、膨張性材料はその部分にてよく膨張する。このため、熱膨張性マイクロカプセル、膨張黒鉛、化学発泡剤含有オレフィン樹脂などの膨張性材料の膨張性が改善され、結果としてゴム表面でのミクロ排水効果が高まり氷上摩擦力が改善されることになる。
【0044】
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、さらに、通常の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、充填剤、可塑化剤、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0045】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
【0046】
実施例1〜3及び比較例1〜2
1.7リットル密閉式バンバリーミキサーを用いて、表Iに示すゴム、カーボンブラック、有機物質等の配合剤(重量部)を5分間混合し、ゴムを混合機外に放出させて室温冷却させた後、同じバンバリーミキサーにて、加硫促進剤、硫黄、熱膨張性マイクロカプセル、膨張黒鉛、化学発泡剤含有オレフィン樹脂、ブロックイソシアネートを配合して100℃で3分間混合した。
【0047】
上で得られた各コンパウンドを170℃で15分間加硫し、加硫したシート状ゴム片を偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて氷上摩擦係数を測定した。なお、測定条件は−3.0℃及び−1.5℃、荷重5.5kg/cm3 、ドラム回転速度は25km/hとした。
結果は表Iに示した通りである。
【0048】
【表1】
【0049】
表I脚注
RSS#3:天然ゴム
NIPOL 1220:日本ゼオン(株)製ブタジエンゴム ガラス転移温度=−101℃
SHOBLACK N220:昭和キャボット(株)製カーボンブラック(N2 SA:111m2 /g、DBP吸油量:111ml/100g)
SANTOFLEX 6PPD:FLEXSYS製
酸化亜鉛3種:正同化学工業(株)製
ステアリン酸:日本油脂(株)製
ジエチレングリコール:日本触媒(株)製
アロマオイル:富士興産(株)製
SANTOCURE NS:FLEXSYS製加硫促進剤 TBBS
PERKACIT DPG:FLEXSYS製加硫促進剤 DPG
【0050】
ε−カプロラクタムBL−TDI:以下の方法で合成した。
ε−カブロラクタム(関東化学株式会社製)226gとTDI(三井武田ケミカル株式会社製・コスモネートTDI80/20)174gとn−へキサン1000gを反応容器に入れ68℃で加熱還流攪拌した。4時間後、残NCOの消失を確認した後、n−へキサンを濾別、乾燥させて、ε−カプロラクタムBL−TDI(400g)を得た。
【0051】
フェノールBL−MDI:以下の方法で合成した。
フェノール(関東化学株式会社製)188gとMDI(三井武田ケミカル株式会社製・コスモネートPH)250gとn−へキサン1000gを反応容器に入れ、68℃で加熱還流攪拌した。24時間後、残NCOの消失を確認し、n−へキサンを濾別、乾燥させて、フェノールBL−MDI(348g)を得た。
【0052】
実施例4〜7及び比較例3〜5
1.7リットル密閉式バンバリーミキサーを用いて、表IIに示すゴム、カーボンブラック、有機配合剤等の配合剤(重量部)を5分間混合し、ゴムを混合機外に放出させて室温冷却させた後、同じバンバリーミキサーにて、加硫促進剤、硫黄、熱膨張性マイクロカプセル、膨張黒鉛、化学発泡剤含有オレフィン樹脂、ブロックイソシアネートを配合し、100℃で3分間混合した。
【0053】
上で得られた各コンパウンドを170℃で15分間加硫し、加硫したシート状ゴム片を偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて氷上摩擦係数を測定した。なお、測定条件は−3.0℃及び−1.5℃、荷重5.5kg/cm3 、ドラム回転速度は25km/hとした。
結果は表IIに示した通りである。
【0054】
【表2】
【0055】
表 II 脚注
表Iの脚注に記載した成分以外の成分は以下の通りである。
マイクロスフェアF100D:松本油脂(株)製熱膨張性マイクロカプセル
グラフガード 160−50N:巴工業(株)製膨張黒鉛
セルパウダーF35:永和化成工業(株)製化学発泡剤含有オレフィン樹脂
【0056】
【発明の効果】
ゴム混合時に添加されたブロックイソシアネートはゴムの混合及び押出し加工中は未反応のままで、加硫工程の加硫温度でブロック剤が解離して活性化され、活性となったイソシアネート基はゴム配合中のポリアルコールやポリアミンと反応してポリウレタンやポリウレアを形成する。そして加硫後の製品使用時(タイヤ走行時)に、ゴム表面のポリウレタン、ポリウレアの部分が摩耗脱落してタイヤ表面に表面凹凸を形成し、これが氷上の水膜を効率よく除去することによってゴムの氷上摩擦力の改善がなされる。
一方、本発明の第二の態様に従って膨張性材料を更に配合した場合にはゴム組成物中に配合した熱膨張性材料は、ブロックイソシアネートから解離されたイソシアネートとゴム中のポリアルコールやポリアミンとの反応によって生成するポリウレタン又はポリウレアが高温で柔らかいため、非常に効果的に膨張する。
【発明の属する技術分野】
本発明はゴム組成物に関し、更に詳しくは氷上摩擦力が改良された、タイヤ用として有用なゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴムの氷上摩擦力を改善するために、従来微細粉末を添加混合したり(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)、発泡剤を配合したり(例えば、特許文献4参照)、中空微粒子を配合したり(例えば、特許文献5参照)してタイヤ表面にミクロな凹凸を作ることによって、氷の表面に発生する水膜を除去して、氷上摩擦を向上させる方法が種々提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭60−25823号公報
【特許文献2】
特開平2−274740号公報
【特許文献3】
特開平2−281052号公報
【特許文献4】
特開昭62−283001号公報
【特許文献5】
特開平11−35736号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば微粉末を添加混合する方法では、混合中に粉末物が分散しすぎて、加硫後に所定の微細ドメインを形成させるに至らないという問題があり、これを解決するために、ゴムの初期加工工程では変化せず、最終の加硫工程にて異物ドメインがゴム内に形成される方法が好ましいと思われる。
【0005】
従って、本発明の目的は、ゴム組成物の氷上摩擦力を改良して、例えばスタッドレスタイヤのトレッドとして好適に使用することができるゴム組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に従えば、ジエン系ゴム100重量部、ブロックイソシアネート1〜20重量部及び一分子中に水酸基又はアミン基を少なくとも1個有する有機配合剤を含んでなるゴム組成物が提供される。
【0007】
本発明に従えば、また、上記必須成分に加えて、ジエン系ゴム100重量部に対し、熱膨張性マイクロカプセル、膨張黒鉛及び化学発泡剤含有オレフィン樹脂から選ばれた少なくとも一種の膨張性材料1〜20重量部を更に含むゴム組成物が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に従えば、ジエン系ゴムに、ブロックイソシアネートおよび、一分子中に水酸基又はアミン基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する有機配合剤を配合する。
【0009】
本発明で使用するブロックイソシアネートとしては、例えばTDI(トリレンジイソシアネート)、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、水添MDI等のジイソシアネートの両末端にブロック剤としてフェノールやε−カプロラクタム等のアルコールやアミン化合物、オキシム、活性メチレンなどが結合している物質で、これらのブロック剤は所定の解離温度(130〜160℃)以下では安定で未反応であり、加硫段階などの解離温度以上の温度で始めてイソシアネート基が反応性となる。この加硫中に活性になったイソシアネート基がゴム中のポリアルコールやポリアミンと反応してポリウレタンやポリウレア構造が形成され、加硫中のみの重合反応により不純物ドメインが効率よく形成される。
【0010】
本発明に従ったゴム組成物に配合されるブロックイソシアネートは、ジエン系ゴム100重量部に対し、1〜20重量部、好ましくは4〜8重量部配合される。この配合量が少な過ぎると、氷上摩擦性能の改善効果が不十分なので好ましくなく、逆に多過ぎると耐摩耗性能が低下するので好ましくない。
【0011】
本発明に従ったゴム組成物に配合される有機配合剤は、一分子中に水酸基又はアミンを少なくとも1個、好ましくは2個以上有する物質で具体的にはグアニジン系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤、アミン−ケトン系老化防止剤の重合体、フェニレンジアミン系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、シランカップリング剤、ポリシロキサン化合物及びグリコール化合物などの1種又は2種以上の任意の混合物を用いることができる。
【0012】
前記有機配合剤はジエン系ゴム100重量部に対し、好ましくは0.5〜5.0重量部、更に好ましくは1〜2重量部配合される。この配合量が少な過ぎると加硫中にポリウレタンやポリウレアが生じられず、所望の改善効果が得られないので好ましくなく、逆に多過ぎると加硫ゴムの物性バランスが悪くなるおそれがあるので好ましくない。
【0013】
本発明に従えば、ゴム混合時に添加されたブロックイソシアネートは、混合中及び押出し加工中は未反応のままで加硫工程へ進む。加硫温度にてブロック剤が解離して活性となったイソシアネート基はゴム配合中の有機配合剤に含まれるポリアルコールやポリアミンと反応してポリウレタンやポリウレアを形成する。加硫後の製品使用時にゴム表面にてこのポリウレタン、ポリウレアの部分が摩耗脱落をして表面凹凸を形成し、これが氷上の水膜を効率よく除去することによってゴムの氷上摩擦力が改善される。
【0014】
本発明のゴム組成物中に、例えばポリウレタンやポリウレアを配合した場合には、ポリウレタンやポリウレアがゴム混合時に微細化し、所望の効果は得られない。このため、本発明ではブロックイソシアネートを配合し、ゴムの加硫工程において加硫温度によりブロックイソシアネートを以下の通り解離させる。
【0015】
【化1】
【0016】
以上のようにして、加硫工程でブロックイソシアネートから解離したイソシアネート(R1 −N=C=O)は本発明のゴム組成物中に配合される有機配合剤中のアルコール部分、アミン部分及び水と以下の通り反応する。
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】
ゴム組成物中に配合されるアルコールとしてはポリフェノール系老化防止剤、シランカップリング剤(水和物)、ポリシロキサン化合物(水和物)、グリコール類(DPG等)、シリカなどがあり、アミンとしてはグアニジン系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤、アミン−ケトン系老化防止剤、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤などがある。
このようにしてアルコール部分及びアミン部分との反応によって生成したポリウレタン及びポリウレアはイソシアネートとゴム組成物中に存在する水との反応で発生したCO2 によって膨張することがあるが、これは本発明のより好ましい実施形態である。
【0020】
本発明において使用するジエン系ゴムとしては、従来よりタイヤ用として使用されている任意のジエン系ゴム、例えば天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどをあげることができ、これらは単独又は任意のブレンドとして使用することができる。また、本発明で使用するジエン系ゴムはガラス転移温度(Tg)が−55℃以下、好ましくは−90℃〜−60℃(すなわち冬用タイヤに使用するのに好適なもの)であるのが好ましい。
【0021】
本発明のゴム組成物には、ゴム補強剤として、通常ゴム組成物に配合される任意のカーボンブラックを配合することができる。また、シリカで表面処理を施したカーボンブラックも使用することができる。また必要に応じ、シリカも使用することもできる。カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対し、好ましくは20〜80重量部、更に好ましくは30〜60重量部である。この配合量が少な過ぎるとゴムを十分に補強できないため、例えば耐摩擦性が悪化するおそれがあるので好ましくはなく、逆に多過ぎると硬度が高くなり過ぎたり、加工性が低下したりするおそれがあるので好ましくはない。また沈降性又は乾式シリカは、ゴム成分100重量部に対し、好ましくは0〜50重量部、更に好ましくは0〜20重量部配合する。シリカは使用しなくてもよく、使用する場合はtanδなどの加硫ゴムの粘弾性特性が改良される範囲の配合量で用いるのがよく、これが多過ぎると電気伝導度が低下し、また補強剤の凝集力が強くなり、混練中の分散が不充分となるので好ましくない。
【0022】
本発明において使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2 SA)が好ましくは70m2 /g以上、更に好ましくは80〜200m2 /gであり、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が好ましくは95ml/100g以上、更に好ましくは105〜140ml/100gである。
【0023】
本発明において使用する熱膨張性マイクロカプセルは、ジエン系ゴム100重量部に対し、1〜20重量部、好ましくは、3〜10重量部配合される。この配合量が少な過ぎると本発明の所望の効果が得られず、逆にこの配合量が多過ぎるとゴム組成物の耐摩耗性の低下が著しくなるので好ましくない。
【0024】
本発明で使用する熱膨張性マイクロカプセルは熱により気化して気体を発生する液体を熱可塑性樹脂に内包した熱膨張性熱可塑性樹脂粒子であり、この粒子をその膨張開始温度以上の温度、通常140〜190℃の温度で加熱して膨張させることによってその熱可塑性樹脂からなる外殻中に気体を封入した気体封入熱可塑性樹脂粒子となる。この熱膨張性マイクロカプセルの粒子径は、特に限定されないが、膨張前で5〜300μmであるものが好ましく、さらに好ましくは粒径10〜200μmのものである。
【0025】
このような熱膨張性マイクロカプセルとしては、例えば、現在、スウェーデンのEXPANCEL社より商品名「エクスパンセル091DU−80」または「エクスパンセル092DU−120」等として、又は松本油脂(株)より商品名「マツモトマイクロスフェアーF−85」又は「マツモトマイクロスフェアーF−100」等として入手可能である。
【0026】
前記熱膨張性熱可塑性樹脂粒子は、その膨張開始温度が好ましくは100℃以上、更に好ましくは120℃以上で、最大膨張温度が好ましくは150℃以上、更に好ましくは160℃以上のものが用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば(メタ)アクリロニトリルの重合体、また(メタ)アクリロニトリル含有量の高い共重合体が好適に用いられる。その共重合体の場合の他のモノマー(コモノマー)としては、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、スチレン系モノマー、(メタ)アクリレート系モノマー、酢酸ビニル、ブタジエン、ビニルピリジン、クロロプレン等のモノマーが用いられる。なお、上記の熱可塑性樹脂は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアヌレート等の架橋剤で架橋可能にされていてもよい。架橋形態については、未架橋が好ましいが、熱可塑性樹脂としての性質を損わない程度に部分的に架橋していてもかまわない。
【0027】
前記の熱により気化して気体を発生する液体としては、例えば、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタン、ヘキサン、石油エーテルのような炭化水素類、塩化メチル、塩化エチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロルエチレンのような塩素化炭化水素のような液体が挙げられる。
【0028】
本発明において使用する膨張黒鉛は、ジエン系ゴム100重量部に対し、1〜20重量部、好ましくは2〜8重量部配合され、上記の熱膨張性マイクロカプセルと併用することもできる。この配合量が少な過ぎると所望の効果が得られないので好ましくなく、逆に多過ぎるとゴム表面と氷結路面間のミクロレベルにおける接触面積が低下するために、氷上摩擦力が低下するので好ましくない。また配合量が多すぎる場合にはゴム組成物の耐摩耗性及び機械的強度が低下するので好ましくない。
【0029】
膨張黒鉛(Expandable)は黒鉛粒子の層間に熱により気化する物質を内包する粒子サイズ30〜600μm、好ましくは100〜350μmの粉体物質であり、加硫時の熱によって膨張して黒鉛膨張体(Expanded Graphite)となることが好ましい。
【0030】
膨張黒鉛は炭素原子から形成されたシートが層状に重なった構造をしており、硫酸や硝酸などとともに酸処理(インターカレーション処理)することによって得られる。この膨張黒鉛は例えば加熱によりその層間物質の気化によって高膨張させて黒鉛膨張体(又は発泡黒鉛)とすることができる。膨張処理前は材質が硬いために混合による品質低下が起りにくく、また一定温度にて不可逆的に膨張するため、タイヤの加硫によってゴムマトリックス内部に空間を伴う異物を容易に形成させることができる。このようなゴムを用いたタイヤのトレッド部は摩耗時に表面凹凸が適度に形成され、氷とタイヤの接触面上の水膜を効率よく除去することによって氷上摩擦力の向上に働く。
【0031】
膨張黒鉛は既に知られた材料であり、公知の製法によって製造される。一般的には強酸物質と酸化剤との混合液に黒鉛粒子を浸漬し、インターカレーション処理により黒鉛粒子の層間に酸を挿入させて製造する。例えば強酸物質としては濃硫酸、酸化剤として硝酸が使われ、これにより粒子の層間に硫酸が挿入された膨張黒鉛が得られる。膨張黒鉛は熱処理によって層間化合物が揮発することによって層間が開き、膨張する。層間物質に硫酸が用いられる膨張黒鉛は通常300℃以上での熱処理によって膨張するが、層間物質の改質や他の低沸点酸化合物(例えば硝酸)の使用又は併用によって、膨張開始温度を300℃以下に下げた膨張黒鉛が製造、市販されている。本発明で対象となるジエン系ゴムを主成分としたゴム組成物の加工温度は200℃以下であり、本発明では膨張開始温度が190℃以下の膨張黒鉛を用いることによって所定の効果が発揮される。
【0032】
このような膨張開始温度が190℃以下の膨張黒鉛としては、例えば巴工業(株)より米国のUCAR Graphtech社製の「グラフガード160−50」又は「グラフガード160−80」等が市販されており、入手可能である。
【0033】
膨張黒鉛は用語的には酸処理を行った直後の未膨張品(Expandable)を示すが、熱処理後の既膨張品(Expanded)のことを呼ぶ場合もある。本発明にてゴム組成物として配合される膨張黒鉛は熱処理前の未膨張品である。
【0034】
本発明においては、膨張黒鉛はゴム組成物の混練工程、押出し成形工程で膨張せず、加硫工程にて膨張させることが望ましく、膨張開始温度が、好ましくは120〜190℃、更に好ましくは140〜170℃のものを用いる。膨張開始温度が120℃未満であると、膨張黒鉛が混練り時、又は押出し加工時に膨張し、ゴム比重が工程途中で変化することにより加工性が損なわれるおそれがある。また、膨張開始温度が190℃を超える場合には加硫工程での加工温度を190℃以上に設定しなければならず、ゴム組成物の主成分であるジエン系ゴム分子の熱劣化が著しくなる傾向にある。
【0035】
一方、膨張黒鉛は炭素原子からなる骨格構造をとっているためにゴムマトリックスやカーボンブラックとの親和性が良好であり、ゴムの配合添加しても加硫ゴムの耐摩耗性能の低下が少ないという利点がある。
【0036】
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、上記の熱膨張性マイクロカプセルや膨張黒鉛の他に、ジエン系ゴム100重量部に対し、化学発泡剤を含むオレフィン樹脂(化学発泡剤含有オレフィン樹脂)1〜20重量部、好ましくは2〜6重量部を配合するのが、タイヤ用ゴム組成物の氷上摩擦性能をさらに向上させることができるので好ましい。この配合量が少なすぎると、空隙形成効果が不充分となり添加効果が小さくなり、逆に多すぎると加硫ゴムの形状安定性を損ね、かつゴムの耐摩耗性を著しく損ねるので好ましくない。
【0037】
この化学発泡剤含有オレフィン樹脂を配合することによって、ゴムの加硫後の硬度を大きく低下させることなく、ゴム内部にマイクロカプセル状の樹脂被覆気泡を形成させ、摩耗後のゴム表面に出現する表面凹凸によるゴム/氷間のミクロな水膜除去と気泡とともに表面に露出した樹脂成分による氷表面への引っ掻き効果を同時に得ることによってゴム/氷間の摩擦力を大きく向上させることができる。オレフィン樹脂によって予め被覆された化学発泡剤を配合するため、化学発泡剤の分解温度以下であれば樹脂の軟化点に関係なく加工温度を選ぶことができ、気泡周囲の樹脂による被覆層は効率よく確実に形成される。また、オレフィン樹脂がジエン系ゴムと共架橋性を有しないために、樹脂層が高温の加工時または加硫時にゴム相に不必要に拡散することがなく、ゴム相と樹脂部分が明確に分離したマイクロカプセル状の樹脂被覆気泡が得られるのが特徴である。さらに、樹脂被覆によって気密性の改善された気泡では、加硫時のモールド接触面におけるガス抜けが起こりにくく、その結果、加硫ゴムは表層部から中心部までマイクロカプセル状気泡がより均一に分散した性状となる。このようなゴム組成物を用いた氷雪路面用タイヤは、使用初期から高い氷上摩擦力が発揮できるという特徴を持つ。
【0038】
本発明において、化学発泡剤含有オレフィン樹脂を構成する樹脂成分はジエン系ゴムとは共架橋性を有しないものでなければならず、具体的にはポリオレフィン系樹脂を主成分としたものが用いられる。なお、ここで主成分とはポリオレフィン系樹脂が全樹脂成分の75重量%以上、好ましくは85重量%以上のものをいい、他の成分としては、例えば、オレフィンモノマーの未反応残基、重合開始剤や触媒等の残査、加工助剤、ポリオレフィン系樹脂以外のポリマー状樹脂等が挙げられる。この樹脂成分は、ジエン系ゴムとの共架橋を防ぐため分子の主鎖中に二重結合が残っていないものが好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリブチレン−1等の中から選ばれる少なくとも1種を用いることができ、これらの混合物や共重合体も使用することができる。
【0039】
本発明の化学発泡剤含有オレフィン樹脂の中の化学発泡剤の含有率は5〜65重量%、好ましくは15〜50重量%である。この配合量が少なすぎると空隙の形成効果が不充分となるおそれがあり、逆に多すぎると形成される殻の厚みが薄くなり、マイクロカプセルとしての引っ掻き効果が不充分になるおそれがある。
【0040】
本発明の化学発泡剤の分解温度は120〜180℃、好ましくは140〜160℃であるのが好ましい。この温度が低すぎると混合、押出加工中に十分な大きさの樹脂被覆気泡を形成させることができない。なお、この分解温度が高すぎる場合には尿素等の発泡助剤との併用によって分解温度を120〜180℃に調整することもできる。発泡助剤は、例えば永和化成工業(株)の「セルペースト」として入手可能である。
【0041】
本発明に使用する化学発泡剤成分は、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、アゾ化合物、重炭酸塩の中から選ばれる少なくとも1種を用いることができ、具体的にはアゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)、バリウムアゾシカルボキシレート(Ba/AC)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3 )等が挙げられ、これらは永和化成工業(株)の「ビニルホール」(ADCA)、「セルラー」(DPT)、「ネオセルボン」(OBSH)、「エクセラー」(DPT/ADCA)、「スパンセル」(ADCA/OBSH)、「セルボン」(NaHCO3 )等が市販されている。
【0042】
化学発泡剤含有オレフィン樹脂の粒子径は、10〜200μmであるのが好ましい。これより小さいとゴム表面に十分な大きさの凹凸を形成できず、大きすぎるとゴムの機械的強度の低下が著しくなってしまう。このような化学発泡剤含有オレフィン樹脂としては、例えば永和化成工業(株)から「セルパウダー」として市販されている。また、加硫ゴム組成物内に形成されるマイクロカプセル状気泡は球形であるが、原料段階での化学発泡剤含有オレフィン樹脂の形状は球形である必要はない。
【0043】
本発明の第二の態様に従ってゴム組成物に前記膨張性材料を配合した場合には、加硫工程でブロックイソシアネートが解離して活性なイソシアネート基が生成し、この加硫中に活性になったイソシアネートがゴム中の有機配合剤中のポリアルコールやポリアミンと反応してポリウレタンやポリウレア構造が形成される。このポリウレタンやポリウレアのゴムマトリックス中でのドメインは高温時に柔らかいため、膨張性材料はその部分にてよく膨張する。このため、熱膨張性マイクロカプセル、膨張黒鉛、化学発泡剤含有オレフィン樹脂などの膨張性材料の膨張性が改善され、結果としてゴム表面でのミクロ排水効果が高まり氷上摩擦力が改善されることになる。
【0044】
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、さらに、通常の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、充填剤、可塑化剤、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0045】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
【0046】
実施例1〜3及び比較例1〜2
1.7リットル密閉式バンバリーミキサーを用いて、表Iに示すゴム、カーボンブラック、有機物質等の配合剤(重量部)を5分間混合し、ゴムを混合機外に放出させて室温冷却させた後、同じバンバリーミキサーにて、加硫促進剤、硫黄、熱膨張性マイクロカプセル、膨張黒鉛、化学発泡剤含有オレフィン樹脂、ブロックイソシアネートを配合して100℃で3分間混合した。
【0047】
上で得られた各コンパウンドを170℃で15分間加硫し、加硫したシート状ゴム片を偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて氷上摩擦係数を測定した。なお、測定条件は−3.0℃及び−1.5℃、荷重5.5kg/cm3 、ドラム回転速度は25km/hとした。
結果は表Iに示した通りである。
【0048】
【表1】
【0049】
表I脚注
RSS#3:天然ゴム
NIPOL 1220:日本ゼオン(株)製ブタジエンゴム ガラス転移温度=−101℃
SHOBLACK N220:昭和キャボット(株)製カーボンブラック(N2 SA:111m2 /g、DBP吸油量:111ml/100g)
SANTOFLEX 6PPD:FLEXSYS製
酸化亜鉛3種:正同化学工業(株)製
ステアリン酸:日本油脂(株)製
ジエチレングリコール:日本触媒(株)製
アロマオイル:富士興産(株)製
SANTOCURE NS:FLEXSYS製加硫促進剤 TBBS
PERKACIT DPG:FLEXSYS製加硫促進剤 DPG
【0050】
ε−カプロラクタムBL−TDI:以下の方法で合成した。
ε−カブロラクタム(関東化学株式会社製)226gとTDI(三井武田ケミカル株式会社製・コスモネートTDI80/20)174gとn−へキサン1000gを反応容器に入れ68℃で加熱還流攪拌した。4時間後、残NCOの消失を確認した後、n−へキサンを濾別、乾燥させて、ε−カプロラクタムBL−TDI(400g)を得た。
【0051】
フェノールBL−MDI:以下の方法で合成した。
フェノール(関東化学株式会社製)188gとMDI(三井武田ケミカル株式会社製・コスモネートPH)250gとn−へキサン1000gを反応容器に入れ、68℃で加熱還流攪拌した。24時間後、残NCOの消失を確認し、n−へキサンを濾別、乾燥させて、フェノールBL−MDI(348g)を得た。
【0052】
実施例4〜7及び比較例3〜5
1.7リットル密閉式バンバリーミキサーを用いて、表IIに示すゴム、カーボンブラック、有機配合剤等の配合剤(重量部)を5分間混合し、ゴムを混合機外に放出させて室温冷却させた後、同じバンバリーミキサーにて、加硫促進剤、硫黄、熱膨張性マイクロカプセル、膨張黒鉛、化学発泡剤含有オレフィン樹脂、ブロックイソシアネートを配合し、100℃で3分間混合した。
【0053】
上で得られた各コンパウンドを170℃で15分間加硫し、加硫したシート状ゴム片を偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて氷上摩擦係数を測定した。なお、測定条件は−3.0℃及び−1.5℃、荷重5.5kg/cm3 、ドラム回転速度は25km/hとした。
結果は表IIに示した通りである。
【0054】
【表2】
【0055】
表 II 脚注
表Iの脚注に記載した成分以外の成分は以下の通りである。
マイクロスフェアF100D:松本油脂(株)製熱膨張性マイクロカプセル
グラフガード 160−50N:巴工業(株)製膨張黒鉛
セルパウダーF35:永和化成工業(株)製化学発泡剤含有オレフィン樹脂
【0056】
【発明の効果】
ゴム混合時に添加されたブロックイソシアネートはゴムの混合及び押出し加工中は未反応のままで、加硫工程の加硫温度でブロック剤が解離して活性化され、活性となったイソシアネート基はゴム配合中のポリアルコールやポリアミンと反応してポリウレタンやポリウレアを形成する。そして加硫後の製品使用時(タイヤ走行時)に、ゴム表面のポリウレタン、ポリウレアの部分が摩耗脱落してタイヤ表面に表面凹凸を形成し、これが氷上の水膜を効率よく除去することによってゴムの氷上摩擦力の改善がなされる。
一方、本発明の第二の態様に従って膨張性材料を更に配合した場合にはゴム組成物中に配合した熱膨張性材料は、ブロックイソシアネートから解離されたイソシアネートとゴム中のポリアルコールやポリアミンとの反応によって生成するポリウレタン又はポリウレアが高温で柔らかいため、非常に効果的に膨張する。
Claims (6)
- ジエン系ゴム100重量部、ブロックイソシアネート1〜20重量部及び一分子中に水酸基又はアミン基を少なくとも1個有する有機配合剤を含んでなるゴム組成物。
- ジエン系ゴム100重量部に対し、熱膨張性マイクロカプセル、膨張黒鉛及び化学発泡剤含有オレフィン樹脂から選ばれた少なくとも一種の膨張性材料1〜20重量部を更に含む請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記ブロックイソシアネートのブロック部分がフェノール、カプロラクタム、オキシム及び活性メチレンの中から選ばれる少なくとも1種の有機構造である請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 前記ブロックイソシアネートのイソシアネートがジフェニルメタンジイソシアネート(MDI),トリレンジイソシアネート(TDI),ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水添MDI及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)の中から選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートである請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
- 前記有機配合剤がグアニジン系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤、アミン−ケトン系老化防止剤の重合体、フェニレンジアミン系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、シランカップリング剤、ポリシロキサン化合物及びグリコール化合物の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
- ジエン系ゴムのガラス転移温度が−55℃以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物。
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