JP2008148409A - 回転電機用の電力接続部構造およびその製造方法 - Google Patents

回転電機用の電力接続部構造およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】十分なシール性が確保される回転電機用の電力接続部構造およびその製造方法、を提供する。
【解決手段】回転電機用の電力接続部構造は、モータジェネレータ10を収容し、貫通孔22が形成されたモータケース21と、貫通孔22に挿入され、モータケース21の内外を導通させる端子台31と、端子台31の貫通孔22に挿入された部位の近傍に設けられ、加熱されることにより発泡する発泡性樹脂26とを備える。
【選択図】図2

Description

この発明は、一般的には、回転電機用の電力接続部構造およびその製造方法に関し、より特定的には、車両を駆動させるモータに適用される回転電機用の電力接続部構造およびその製造方法に関する。
従来の回転電機用の電力接続部構造に関して、たとえば、特開2004−153891号公報には、回転電機への装着性を向上させるとともに、固定子からの熱の影響を回避するように出力ハーネスを配線することを目的とした回転電機が開示されている(特許文献1)。特許文献1では、回転電機のケース体を構成するリヤブラケットに、貫通孔が形成されている。貫通孔には、ボルトが挿入されている。ボルトは、ケース体の内側で回転電機の固定子コイルに接続され、ケース体の外側で出力端子台のターミナルに接続されている。
また、特開2006−166680号公報には、端子台がモールド樹脂から引き抜かれることを防止する回転電機のステータ構造が開示されている(特許文献2)。特許文献2では、インナーバスバーを介してコイルに電気的に接続される端子台が設けられている。端子台は、樹脂モールドによりステータに固定されている。
また、特開平1−135965号公報には、塵埃および水の浸入を防止するとともに、シール部分の錆の発生を防止することを目的とした発泡シーラが開示されている(特許文献3)。また、特開平1−170683号公報には、発泡倍率が大きく、かつ垂直面への使用を可能とすることを目的とした熱硬化性高発泡シール材が開示されている(特許文献4)。
また、特開平7−154945号公報には、経済的に製造され、かつ簡単に組み立てされることを目的とした、導体部分を電気的かつ機械的に結合し、かつ冷却液体を供給または排出する装置が開示されている(特許文献5)。特許文献5に開示された電気機械にあっては、冷却液体が、リング状の集合導管から絶縁ホースを介して水チャンバに供給される。絶縁ホースは、スペーサ部材に形成された溝に配置されている。絶縁ホースと溝の壁面との間が、たとえばメラミンをベースにした発泡材料により充填されている。
特開2004−153891号公報 特開2006−166680号公報 特開平1−135965号公報 特開平1−170683号公報 特開平7−154945号公報
上述の特許文献1では、回転電機のケース体の内外を導通させるため、ケース体に形成された貫通孔にボルトが挿入されている。しかしながら、ボルトと貫通孔の内壁との間のシール性が十分に確保されていない場合、ケース体内に浸入する水分等によって回転電機が悪影響を受けるおそれがある。一方、ボルトと貫通孔の内壁との間のシール性を高める方策も考えられるが、この場合、部品の形状が複雑になったり、要求される部品の加工精度が高くなったりし、製造コストが増大するおそれがある。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、十分なシール性が確保される回転電機用の電力接続部構造およびその製造方法を提供することである。
この発明に従った回転電機用の電力接続部構造は、回転電機を収容し、貫通孔が形成されたケース体と、貫通孔に挿入され、ケース体の内外を導通させる導通部材と、導通部材の貫通孔に挿入された部位の近傍に設けられ、加熱されることにより発泡する発泡性樹脂とを備える。
このように構成された回転電機用の電力接続部構造によれば、導通部材の貫通孔に挿入された部位の近傍に発泡性樹脂を設けることによって、貫通孔と導通部材との間の密着性を向上させることができる。これにより、ケース体に設けられた回転電機の電力接続部において十分なシール性を確保し、ケース体内部への水分等の浸入を防ぐことができる。
また好ましくは、ケース体は、貫通孔を規定する内周面を含む。導通部材は、内周面と向い合う外周面を含む。内周面と外周面との間が発泡性樹脂により充填される。このように構成された回転電機用の電力接続部構造によれば、発泡性樹脂により、内周面と外周面との間の密着性を向上させることができる。
また好ましくは、内周面および外周面は、円形の断面形状を有する。このように構成された回転電機用の電力接続部構造によれば、発泡性樹脂の加熱時、発泡性樹脂を内周面と外周面との間の隅々まで行き渡らせ、両者の間に隙間が形成されることを抑制できる。
また好ましくは、内周面および外周面の少なくともいずれか一方に、周方向に延びる溝部が形成されている。このように構成された回転電機用の電力接続部構造によれば、発泡性樹脂の加熱時、発泡性樹脂を溝部に噛み込ませることで、導通部材をケース体に対してより強固に固定することができる。
また好ましくは、回転電機は、車両を駆動させるモータである。モータは、駆動電流が導入される端子を含む。回転電機用の電力接続部構造は、端子と導通部材とに接続され、モータの駆動電流が流れるバスバーをさらに備える。このように構成された回転電機用の電力接続部構造によれば、モータに大電流を供給する必要があるため、端子と導通部材との間の接続にバスバーが用いられる。この際、端子位置のばらつきに起因して、導通部材が貫通孔内で傾いて位置決めされたとしても、発泡性樹脂を導通部材の姿勢に応じて膨張させることができる。これにより、貫通孔と導通部材との間の密着性を向上させることができる。
この発明に従った回転電機用の電力接続部構造の製造方法は、ケース体内に回転電機を配置するとともに、ケース体に形成された貫通孔にケース体の内外を導通させる導通部材を挿入する工程と、導通部材の貫通孔に挿入された部位の近傍に、発泡性樹脂を配置する工程と、回転電機に対する導通部材の接続部分の周囲を高温に保つことにより、発泡性樹脂を発泡させる工程とを備える。
このように構成された回転電機用の電力接続部構造の製造方法によれば、ケース体に設けられた回転電機の電力接続部において十分なシール性を確保し、ケース体内部への水分等の浸入を防ぐことができる。
また好ましくは、回転電機用の電力接続部構造の製造方法は、樹脂モールドにより、回転電機をケース体に固定する工程をさらに備える。発泡性樹脂を発泡させる工程と、回転電機をケース体に固定する工程とを同時に実施する。このように構成された回転電機用の電力接続部構造の製造方法によれば、工程の簡略化を通じて、製造コストの削減を図ることができる。
以上説明したように、この発明に従えば、十分なシール性が確保される回転電機用の電力接続部構造およびその製造方法を提供することができる。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
図1は、この発明の実施の形態における回転電機用の電力接続部構造が適用された車両を示す断面図である。図中には、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関と、モータとを動力源とするハイブリッド車両が示されている。車両の駆動方式は、FR(front engine rear wheel drive)である。
図1を参照して、ハイブリッド車両は、エンジン110と、バッテリ120と、HVトランスミッション150とを備える。エンジン110は、車両前方のエンジンルームに配置されている。バッテリ120は、車両後方のラゲージルームに配置されている。バッテリ120は、ラゲージルームに限られず、たとえば車両室内に設置されたシート下等に配置されてもよい。バッテリ120は、たとえばリチウムイオン電池やニッケル水素電池から構成されている。HVトランスミッション150は、エンジン110に接続されている。エンジン110とHVトランスミッション150とは、車両の前後方向に並んで配置されている。HVトランスミッション150は、車両のフロアパネル下のセンタートンネルに配置されている。
HVトランスミッション150は、回転電機としてのモータジェネレータ10および20を含む。モータジェネレータ20とモータジェネレータ10とは、車両の前後方向に間隔を設けて配置されている。モータジェネレータ20とモータジェネレータ10との間には、動力分割機構400が配置されている。
エンジン110で発生した動力は、まず動力分割機構400に伝達され、そこで2経路に分割される。一方は、リヤドライブシャフト105を回転させ、車両を駆動させる経路であり、他方は、モータジェネレータ20のロータを回転させ、発電を行なう経路である。
モータジェネレータ20は、エンジン110の動力により発電した電力を、車両の走行状況に合わせて、バッテリ120に充電したり、モータジェネレータ10に供給したりする。また、エンジン110の始動時には、モータジェネレータ20は、スタータ、つまり電動機として機能し、エンジン110の出力軸を回転させてクランキングを行なう。モータジェネレータ20は、主にジェネレータとして機能する。
モータジェネレータ10は、バッテリ120に蓄えられた電力およびモータジェネレータ20により発電された電力の少なくともいずれか一方の電力により駆動する。モータジェネレータ10で発生した駆動力は、リヤドライブシャフト105に伝達される。これにより、モータジェネレータ10は、エンジン110の駆動力をアシストしたり、モータジェネレータ20からの電力供給により車両を走行させたりする。モータジェネレータ20は、主にモータとして機能する。
ハイブリッド車両は、インバータ130を備える。インバータ130は、車両前方のエンジンルームに配置されている。インバータ130は、バッテリ120からの直流電流をモータ駆動用の交流電流に変換するとともに、回生ブレーキにより発電された交流電流を、バッテリ120に充電するための直流電流に変換する。モータジェネレータ10とインバータ130との間が、パワーケーブル51によって電気的に接続されている。パワーケーブル51には、モータジェネレータ10の駆動電流が流れる。
図2は、図1中のモータジェネレータの電力接続部を示す断面図である。図中には、図1中の2点鎖線IIで囲まれた範囲が示されている。
図2を参照して、モータジェネレータ10は、ロータ18とステータ12とを含む。ステータ12は、ロータ18の外周上を取り囲むように設けられている。ステータ12は、たとえば積層鋼板からなるステータコアと、ステータコアのティース部分に巻回されたコイルとしてのU相,V相,W相コイルとを含む。ステータコアの端面から突出するコイル部分により、コイルエンド部13が形成されている。
モータジェネレータ10は、駆動電流が導入される端子14を含む。図示されていないが、モータジェネレータ10には、U相,V相,W相コイルの各コイルから延出する3つの端子14が設けられている。
HVトランスミッション150は、モータケース21を含む。モータジェネレータ10は、モータケース21に収容されている。モータジェネレータ10は、モータケース21に固定されている。ステータ12は、モータケース21に固定されている。モータケース21は、筒形状を有する。モータケース21は、モータジェネレータ10の回転軸方向に円筒状に延びる。モータケース21には、貫通孔22が形成されている。貫通孔22は、モータケース21の内外を連通させる。貫通孔22は、モータケース21の外側からモータジェネレータ10の回転中心に向かって延びる。
図3は、図2中の貫通孔に配置された端子台を示す斜視図である。図2および図3を参照して、貫通孔22には、導通部材としての端子台31が配置されている。端子台31は、モータケース21に設けられている。端子台31は、モータケース21の内外を導通させるために設けられている。端子台31は、モータケース21の外側に配置されたパワーケーブル51と、モータケース21の内側に配置されたモータジェネレータ10とを電気的に接続するために設けられている。
端子台31は、通電部としての金属部32と、非通電部としての樹脂部34とを含む。金属部32は、金属から形成され、樹脂部34は、樹脂から形成されている。樹脂部34は、金属部32の外周上を覆うように設けられている。たとえばインサート樹脂成形により、金属部32と樹脂部34とは一体に設けられている。
金属部32は、U相金属部32U、V相金属部32VおよびW相金属部32Wを含む。樹脂部34は、これらの各金属部32を別々に覆うように設けられている。樹脂部34は、取り付け部36を含む。取り付け部36は、モータケース21に固定されている。取り付け部36は、固定手段としてのボルト84によりモータケース21に締結されている。
モータケース21は、貫通孔22を規定する内周面22bを含む。端子台31は、内周面22bに対向する外周面31aを含む。外周面31aは、樹脂部34に形成されている。内周面22bと外周面31aとの間には、隙間が形成されている。貫通孔22の貫通方向に直交する平面でモータケース21および端子台31を切断した場合に、内周面22bおよび外周面31aは、貫通孔22の貫通方向に沿って真円の断面形状を有する。これに限らず、内周面22bおよび外周面31aは、楕円や長円等、円形の断面形状を有してもよい。
本実施の形態では、車両の駆動方式がFRである構造上、HVトランスミッション150が、車両のフロアパネル下のセンタートンネルに配置されている。この場合、モータケース21がセンタートンネルの壁面と近接して配置されるため、駆動方式がFF(front engine front wheel drive)の車両と比較して、端子台31を設けるスペースに大きな制約が生じる。このため、図2中に示すHVトランスミッション150では、端子台31が貫通孔22に挿入される構造が採られ、モータケース21からの突出部分が小さく抑えられている。
端子14と端子台31との間が、バスバー71により接続されている。バスバー71は、金属板から形成されている。バスバー71は、ボルト81により端子14に締結されている。バスバー71は、ボルト82により金属部32に締結されている。バスバー71は、L字状に折り曲げられた形状を有する。端子14に対するバスバー71の取り付け方向と、端子台31に対するバスバー71の取り付け方向とが直交する。端子台31に対するバスバー71の取り付け方向は、モータジェネレータ10の回転軸方向であり、端子14に対するバスバー71の取り付け方向は、モータケース21の内側と外側を結ぶ方向である。
モータケース21内には、導通部材用カバーとしての端子台カバー65が設けられている。端子台カバー65は、端子台31およびバスバー71を覆うように設けられている。端子台カバー65は、モータケース21内でモータジェネレータ10の電力接続部の絶縁距離を確保するために設けられている。
パワーケーブル51は、端子52を含む。端子52は、ボルト83により金属部32に締結されている。このような構成により、端子台31およびバスバー71を介在させて、パワーケーブル51とモータジェネレータ10とが電気的に接続されている。
端子台31の貫通孔22に挿入された部位の近傍には、発泡性樹脂26が設けられている。端子台31と貫通孔22の内壁との間に、発泡性樹脂26が介在する。発泡性樹脂26は、貫通孔22の外側にまではみ出すように設けられてもよい。発泡性樹脂26は、U相金属部32U、V相金属部32VおよびW相金属部32Wの各金属部32を覆う樹脂部34の外周面31aをそれぞれ覆うように設けられている。発泡性樹脂26は、内周面22bと外周面31aとの間の隙間を充填するように設けられている。発泡性樹脂26は、加熱されることにより発泡する樹脂である。発泡性樹脂26は、熱硬化性樹脂と発泡剤とを含有する。
モータジェネレータ10は、高圧が負荷される電気機器であるため、モータケース21内に水分が浸入すると絶縁破壊が起こり、モータジェネレータ10が作動しなくなるおそれがある。また、HVトランスミッション150に封入されたATF(automatic transmission fluid)に水が混じると、ATFの劣化が進み、その潤滑油あるいは冷却油としての機能が損なわれる。本実施の形態では、発泡性樹脂26を設けることによって、モータジェネレータ10の電力接続部のシール性を十分に確保し、モータケース21内への水分等の浸入を防ぐ。
この発明の実施の形態における回転電機用の電力接続部構造は、回転電機としてのモータジェネレータ10を収容し、貫通孔22が形成されたケース体としてのモータケース21と、貫通孔22に挿入され、モータケース21の内外を導通させる導通部材としての端子台31と、端子台31の貫通孔22に挿入された部位の近傍に設けられ、加熱されることにより発泡する発泡性樹脂26とを備える。
続いて、図2中のモータジェネレータ10の電力接続部の製造方法について説明を行なう。図4および図5は、図2中のモータジェネレータの電力接続部の製造方法の工程を示す断面図である。
図4を参照して、まず、モータケース21内にモータジェネレータ10を配置するとともに、モータケース21に形成された貫通孔22にモータケース21の内外を導通させる端子台31を挿入する。端子台31の貫通孔22に挿入された部位の近傍に、発泡性の樹脂シート26Aを配置する。詳細には、モータジェネレータ10のアッセンブリを完成させ、これをモータケース21内に配置する。ステータ12をモータケース21に対して固定する。端子台31の外周面31aに樹脂シート26Aを貼り付ける。その端子台31を貫通孔22に挿入する。
図5を参照して、次に、端子台31とモータジェネレータ10とを接続する。端子台31をモータケース21に対して固定する。詳細には、ボルト81および82を用いて、バスバー71と、端子14および金属部32とを締結する。ボルト84を用いて、取り付け部36をモータケース21に締結する。
図2を参照して、次に、モータジェネレータ10に対する端子台31の接続部分の周囲を高温に保つことにより、樹脂シート26Aを発泡させる。たとえば、モータケース21を加熱炉に配置することによって、樹脂シート26Aを発泡させる。端子台31の周囲において、モータケース21に局所的な誘導加熱を行ない、樹脂シート26Aを発泡させてもよい。樹脂シート26Aは、発泡しながら内周面22bと外周面31aとの間の隙間に合わせて膨張し、隙間が発泡性樹脂26によって充填される。
端子台カバー65の取り付け、端子台31に対するパワーケーブル51の接続を実施することにより、図2中のモータジェネレータ10の電力接続部が完成する。
図4に示す工程時、モータジェネレータ10の組み付け誤差や部品精度のばらつき等に起因して、モータジェネレータ10の回転軸方向あるいは回転軸周りの周方向において、端子14の位置にばらつきが生じる。このため、図5に示す工程において、端子台31と端子14とを接続すると、貫通孔22内で端子台31が傾いた姿勢で位置決めされることがある。
特に、本実施の形態では、モータジェネレータ10が車両に駆動力を与えるモータとして用いられるため、端子台31とモータジェネレータ10との間に大電流が流れる。このため、両者の間の電気的な接続にバスバー71が用いられている。線径が小さく、屈曲性のある配線とは異なり、バスバー71はある程度の剛性を備えるため、端子14の位置にばらつきが生じた場合に、このばらつきをバスバー71で吸収することができない。
これに対して、本実施の形態では、まず、端子台31とモータジェネレータ10とを接続する工程を実施することにより、貫通孔22内における端子台31の姿勢を確定させる。その後、樹脂シート26Aを加熱する工程を実施することにより、内周面22bと外周面31aとの隙間を埋めるように、樹脂シート26Aを発泡させる。この際、内周面22bおよび外周面31aが円形の断面形状を有するため、発泡する樹脂シート26Aを円滑に流動させることができる。これにより、発泡性樹脂26を内周面22bと外周面31aとの隙間の隅々まで行き渡らせることができる。結果、発泡性樹脂26によって、貫通孔22と端子台31との間の密着性が充足される。
また、発泡性樹脂26は、端子台31をモータケース21に対して固定する役割も果たす。このため、場合によっては、端子台31をモータケース21に対して固定する固定手段としてのボルト84が省略されてもよい。
このように構成された、この発明の実施の形態における回転電機用の電力接続部構造およびその製造方法によれば、モータジェネレータ10の電力接続部のシール性を十分に確保することにより、HVトランスミッション150の信頼性を向上させることができる。また、発泡性樹脂26を用いることによって、モータケース21等に要求される加工精度が高くなったり、端子台31の形状が複雑化することを回避できる。また、バスバーを廃止して、端子14を端子台31に直接、組み付けることも可能である。
本発明は、車両を駆動させるモータに好適に利用される。本発明は、FR車を駆動させるため、車両のセンタートンネルに配置されたモータに好適に利用される。本発明を、主にジェネレータとしての機能するモータジェネレータ20の電力接続部に適用してもよい。本発明を、電気自動車に搭載されるモータに適用してもよい。本発明を、一般的な産業用モータに適用してもよい。
図6は、図2中のモータジェネレータの電力接続部の変形例を示す断面図である。図6を参照して、本変形例では、内周面22bおよび外周面31aにそれぞれ溝部86および溝部87が形成されている。溝部86および87は、内周面22bおよび外周面31aの表面から凹み、その周方向に沿って延びる。このような構成により、発泡性樹脂26を溝部86および87に噛み込ませるように設け、端子台31をモータケース21に対してより強固に固定することができる。
図7は、図2中のモータジェネレータの電力接続部の製造方法の変形例を示す断面図である。図7を参照して、本変形例では、樹脂モールドにより、モータジェネレータ10がモータケース21に対して固定されている。モータジェネレータ10は、ステータ12の一方の端面から突出するコイルエンド部13Pと、他方の端面から突出するコイルエンド部13Qとを含む。
モータジェネレータ10のアッセンブリをモータケース21内に配置した状態で、モータケース21の内壁とコイルエンド部13Pとの間には、空間97が形成され、モータケース21の内壁とコイルエンド部13Qとの間には、空間96が形成される。モータケース21の開口にインジェクション装置91を位置決めする。インジェクション装置91から空間96および97に向けて、流動性を有する高温の樹脂を充填する。これと同時に、樹脂シート26Aを加熱し、発泡させる。
本変形例では、樹脂モールドにより、モータジェネレータ10をモータケース21に固定する工程と、樹脂シート26Aを発泡させる工程とを同時に実施する。このため、製造工程を簡略し、製造コストを削減することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態における回転電機用の電力接続部構造が適用された車両を示す断面図である。 図1中のモータジェネレータの電力接続部を示す断面図である。 図2中の貫通孔に配置された端子台を示す斜視図である。 図2中のモータジェネレータの電力接続部の製造方法の第1工程を示す断面図である。 図2中のモータジェネレータの電力接続部の製造方法の第2工程を示す断面図である。 図2中のモータジェネレータの電力接続部の変形例を示す断面図である。 図2中のモータジェネレータの電力接続部の製造方法の変形例を示す断面図である。
符号の説明
10 モータジェネレータ、14 端子、21 モータケース、22 貫通孔、22b 内周面、26 発泡性樹脂、31 端子台、31a 外周面、71 バスバー、86,87 溝部。

Claims (7)

  1. 回転電機を収容し、貫通孔が形成されたケース体と、
    前記貫通孔に挿入され、前記ケース体の内外を導通させる導通部材と、
    前記導通部材の前記貫通孔に挿入された部位の近傍に設けられ、加熱されることにより発泡する発泡性樹脂とを備える、回転電機用の電力接続部構造。
  2. 前記ケース体は、前記貫通孔を規定する内周面を含み、
    前記導通部材は、前記内周面と向い合う外周面を含み、
    前記内周面と前記外周面との間が前記発泡性樹脂により充填される、請求項1に記載の回転電機用の電力接続部構造。
  3. 前記内周面および前記外周面は、円形の断面形状を有する、請求項2に記載の回転電機用の電力接続部構造。
  4. 前記内周面および前記外周面の少なくともいずれか一方に、周方向に延びる溝部が形成されている、請求項2または3に記載の回転電機用の電力接続部構造。
  5. 前記回転電機は、車両を駆動させるモータであり、
    前記モータは、駆動電流が導入される端子を含み、
    前記端子と前記導通部材とに接続され、前記モータの駆動電流が流れるバスバーをさらに備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の回転電機用の電力接続部構造。
  6. ケース体内に回転電機を配置するとともに、前記ケース体に形成された貫通孔に前記ケース体の内外を導通させる導通部材を挿入する工程と、
    前記導通部材の前記貫通孔に挿入された部位の近傍に、発泡性樹脂を配置する工程と、
    前記回転電機に対する前記導通部材の接続部分の周囲を高温に保つことにより、前記発泡性樹脂を発泡させる工程とを備える、回転電機用の電力接続部構造の製造方法。
  7. 樹脂モールドにより、前記回転電機を前記ケース体に固定する工程をさらに備え、
    前記発泡性樹脂を発泡させる工程と、前記回転電機をケース体に固定する工程とを同時に実施する、請求項6に記載の回転電機用の電力接続部構造の製造方法。
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