JP6146235B2 - 車両用駆動装置 - Google Patents

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本発明は、回転電機と、この回転電機を制御するインバータ装置とを備える車両用駆動装置に関する。
例えばハイブリッド車両において車輪の駆動力源又は運動エネルギー回生装置として駆動装置に備えられる回転電機は、通常、スイッチング素子を主体として構成されるインバータ装置を必要とする。回転電機とインバータ装置とは、配線部材を用いて電気的に接続されるため、互いに別々の位置に配設することもできるが、車載上の便宜性を考慮すれば、これらは1つのケースに一体化されることが望ましい。このような観点から、回転電機〔ジェネレータ1,モータ2〕を制御するインバータ装置〔インバータ41,42〕を、回転電機等を収容するケース〔駆動装置ケース3〕と一体化した車両用駆動装置が、特開2004−343845号公報(特許文献1)に開示されている。
特許文献1の装置において、ケースは、一方の回転電機〔ジェネレータ1〕を収容する第一ケース部〔フロントケース31〕と、他方の回転電機〔モータ2〕及び変速装置〔アンダドライブ装置U〕を収容する第二ケース部〔リヤケース32〕とを含む。第一ケース部と第二ケース部とは、軸方向(回転電機の回転軸心が延びる方向)に互いに接合されている。そして、第一ケース部と第二ケース部とに跨るようにカバー部材〔インバータケース40及びカバー46〕が取り付けられて、その内部に形成される空間にインバータ装置が収容されている。
しかし、特許文献1のように第一ケース部と第二ケース部とに跨るようにカバー部材が設けられる構造では、装置全体の体格が大きくなりやすいという課題がある。また、インバータ装置の収容室に水や油等の液体が混入しないようにするためには、比較的複雑なシール構造を必要とする。例えば特許文献1の図5の構造では、第一ケース部及び第二ケース部毎に、カバー部材との間を密封するためのシール部材〔シール手段52A,52B〕を要する。また、特許文献1の図3の構造では、第一ケース部及び第二ケース部に跨る共通のシール部材〔シール手段52〕を用いているものの、この場合には、段差を吸収し得るシール部材を要するとともに、2つのケース部どうしの合わせ面にも比較的多量のシール部材を要する。
また、特許文献1の装置では、インバータ装置から延びる配線部材は、第一ケース部の外周壁に設けられた貫通孔に挿通されて第一ケース部内で回転電機に接続され、配線部材は第一ケース部の外周側のスペースに配置されている。このため、そのような配線構造の全体を適切にシールするためには、第一ケース部と第二ケース部とに跨るシール部材が必要となっている。ここで、カバー部材を第二ケース部にのみ設けることで、カバー部材に係るシール構造を簡素化することは可能である。しかし、配線部材のシール箇所は、配線部材とカバー部材との間及び配線部材と第一ケース部との間の2ヵ所で必要となってしまうため、結局、全体としては複雑なシール構造を要する。
なお、特開2008−301572号公報(特許文献2)のように、インバータ装置〔PCU300〕からケース〔分割収容ケース13及び分割収容ケース23〕内に導入された配線部材を、ケース内で回転電機〔モータジェネレータMG1〕に接続する構造も知られている。しかし、特許文献2には、シール構造に関する言及はない。
特開2004−343845号公報 特開2008−301572号公報
そこで、インバータ装置を含めた車両用駆動装置の全体を小型化するとともに、インバータ収容室のシール構造を簡素化することが望まれる。
両用駆動装置であって
内燃機関と共に車輪の駆動力源として機能する回転電機と、
前記回転電機に対して当該回転電機の回転軸心が延びる方向である軸方向に並べて配置される変速装置と、
前記回転電機を収容する第一ケース部と前記変速装置を収容する第二ケース部とを含むケースと、
前記回転電機を制御するインバータ装置と、
前記回転電機と前記インバータ装置とを接続する配線部材と、備え、
前記第一ケース部と前記第二ケース部とが連通した油密空間を形成し、前記第一ケース部の前記軸方向の前記内燃機関側とは反対側に前記第二ケース部が接合され、
前記第二ケース部と当該第二ケース部に接合されるカバー部材との間に、前記インバータ装置を収容するインバータ収容室が形成され、
前記油密空間に前記回転電機が収容され、
前記配線部材が、前記インバータ収容室と前記油密空間とに亘るように前記第二ケース部を貫通して設けられ、
前記第二ケース部と前記配線部材との間を密封するシール部材を備える車両用駆動装置が開示される。
本願において、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念である。
この基本構成によれば、ケースとの間にインバータ収容室を形成するためのカバー部材が、第一ケース部と第二ケース部とに跨ることなく第二ケース部が占める範囲だけで収まる。よって、配線部材が第二ケース部を貫通して設けられることと合わせて、インバータ収容室に水や油等の液体が混入しないようにするためのシール構造の簡素化につながる。つまり、カバー部材と第二ケース部との間、及び第二ケース部と配線部材との間をそれぞれ簡易な方法で密封するだけで、適切なシール構造を容易に実現することができる。特に、第一ケース部と第二ケース部とに形成される連通した油密空間に回転電機が配置されているので、配線部材とケースとの間のシールを、配線部材が第二ケース部を貫通する1ヵ所のみとすることができる。よって、インバータ収容室のシール構造及び配線部材のシールの両方を簡素化することができる。
また、第二ケース部が占める範囲だけにカバー部材が収まるため、装置全体の体格を小さくすることもできる。また、車両への搭載状態を考慮した場合、内燃機関からより離間した位置にインバータ装置が配置されるため、内燃機関の近傍に配置される補機類を避けて比較的余裕のある空間にインバータ装置を配置することもできる。よって、インバータ装置も含めて小型化された車両用駆動装置の全体の、車載性を向上させることができる。
本発明に係る車両用駆動装置の第1の特徴構成は、
内燃機関と共に車輪の駆動力源として機能する回転電機と、
前記回転電機に対して当該回転電機の回転軸心が延びる方向である軸方向に並べて配置される変速装置と、
前記回転電機を収容する第一ケース部と、前記第一ケース部とは別部材で構成されて前記変速装置を収容する第二ケース部と、を含むケースと、
前記回転電機を制御するインバータ装置と、
前記回転電機と前記インバータ装置とを接続する配線部材と、を備え、
前記第一ケース部と前記第二ケース部とが連通した油密空間を形成し、前記第一ケース部の前記軸方向の前記内燃機関側とは反対側に前記第二ケース部が接合され、
前記第二ケース部の外周壁に沿って、前記インバータ装置を収容するインバータ収容室が形成され、
前記油密空間に前記回転電機が収容され、
前記配線部材が、前記インバータ収容室と前記油密空間とに亘るように前記第二ケース部を貫通して設けられ、
前記第二ケース部と前記配線部材との間を密封するシール部材を備え、
前記ケースは、前記軸方向における前記回転電機と前記変速装置との間に配置される中間壁をさらに含み、
前記配線部材が、前記油密空間において、前記中間壁に形成された貫通孔を通って設けられている点にある。
この構成によれば、上記と同様に、インバータ収容室のシール構造及び配線部材のシールの両方を簡素化することができる。また、インバータ装置も含めて小型化された車両用駆動装置の全体の、車載性を向上させることができる。また、回転電機と変速装置との間に中間壁が存在する場合であっても、その中間壁に形成される貫通孔を通るように配線部材を設けることで、配線部材の経路長を短く抑えることができる。
1つの態様として、前記貫通孔が、前記軸方向に見て前記回転電機と重複する位置に形成されていると好適である。
本願において、2つの部材の配置に関して、「ある方向に見て重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを意味する。
この構成によれば、貫通孔が軸方向に見て回転電機と重複するので、配線部材を軸方向に沿って直線状に配置することができ、配線部材の経路長を極力短く抑えることができる。また、回転電機の径方向外側端部よりも径方向内側で配線部材を第一ケース部内に導入することができるので、第一ケース部の径方向への拡大が抑制される。よって、車載状態で、捕機類を配置するためのスペースを確保しやすい。また、車両用駆動装置と内燃機関とをボルトで締結する際のツールクリアランスも確保しやすい。
本発明に係る車両用駆動装置の第2の特徴構成は、
内燃機関と共に車輪の駆動力源として機能する回転電機と、
前記回転電機に対して当該回転電機の回転軸心が延びる方向である軸方向に並べて配置される変速装置と、
前記回転電機を収容する第一ケース部と、前記第一ケース部とは別部材で構成されて前記変速装置を収容する第二ケース部と、を含むケースと、
前記回転電機を制御するインバータ装置と、
前記回転電機と前記インバータ装置とを接続する配線部材と、を備え、
前記第一ケース部と前記第二ケース部とが連通した油密空間を形成し、前記第一ケース部の前記軸方向の前記内燃機関側とは反対側に前記第二ケース部が接合され、
前記第二ケース部の外周壁に沿って、前記インバータ装置を収容するインバータ収容室が形成され、
前記油密空間に前記回転電機が収容され、
前記配線部材が、前記インバータ収容室と前記油密空間とに亘るように前記第二ケース部を貫通して設けられ、
前記第二ケース部と前記配線部材との間を密封するシール部材を備え、
前記回転電機は、ステータコアと当該ステータコアに配置されたコイルとを含むステータを有し、
前記コイルは、前記ステータコアから前記軸方向の両側にそれぞれ突出する2つのコイルエンド部を有し、
前記コイルの前記配線部材との接続端子が、2つの前記コイルエンド部のうちの前記軸方向で前記変速装置側のコイルエンド部に設けられている点にある。
この構成によれば、上記と同様に、インバータ収容室のシール構造及び配線部材のシールの両方を簡素化することができる。また、インバータ装置も含めて小型化された車両用駆動装置の全体の、車載性を向上させることができる。また、回転電機に対して変速装置側に配置された第二ケース部の内部空間から延びる配線部材を、短い配線長でコイルの接続端子に接続することができる。
本発明に係る車両用駆動装置の第3の特徴構成は、
内燃機関と共に車輪の駆動力源として機能する回転電機と、
前記回転電機に対して当該回転電機の回転軸心が延びる方向である軸方向に並べて配置される変速装置と、
前記回転電機を収容する第一ケース部と、前記第一ケース部とは別部材で構成されて前記変速装置を収容する第二ケース部と、を含むケースと、
前記回転電機を制御するインバータ装置と、
前記回転電機と前記インバータ装置とを接続する配線部材と、を備え、
前記第一ケース部と前記第二ケース部とが連通した油密空間を形成し、前記第一ケース部の前記軸方向の前記内燃機関側とは反対側に前記第二ケース部が接合され、
前記第二ケース部の外周壁に沿って、前記インバータ装置を収容するインバータ収容室が形成され、
前記油密空間に前記回転電機が収容され、
前記配線部材が、前記インバータ収容室と前記油密空間とに亘るように前記第二ケース部を貫通し、かつ、前記油密空間内で前記回転電機に接続するように設けられ、
前記第一ケース部と前記第二ケース部との間を密封するシール手段と、前記第二ケース部と前記配線部材との間を密封するシール部材と、を備える点にある。
この構成によれば、上記と同様に、インバータ収容室のシール構造及び配線部材のシールの両方を簡素化することができる。また、インバータ装置も含めて小型化された車両用駆動装置の全体の、車載性を向上させることができる。
車両用駆動装置の概略構成を示す模式図 車両用駆動装置を軸方向に見た図 車両用駆動装置を上下方向に見た図 車両用駆動装置の分解斜視図 各構成部品を水平方向に見た配置関係を示す模式図 図5の部分拡大図
本発明に係る車両用駆動装置の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係る車両用駆動装置1は、車輪Wの駆動力源として内燃機関E及び回転電機MGの両方を備えた車両(ハイブリッド車両)を駆動するための車両用駆動装置(ハイブリッド車両用駆動装置)である。具体的には、車両用駆動装置1は、1モータパラレル方式のハイブリッド車両用の駆動装置として構成されている。なお、以下の説明では、各部材についての方向や位置等に関する用語は、製造上許容され得る誤差による差異を有する状態をも含む概念である。また、各部材についての方向は、それらが車両用駆動装置1に組み付けられた状態での方向を表す。
図1に示すように、車両用駆動装置1は、内燃機関Eに駆動連結される入力軸Iと、複数(本例では2つ)の車輪Wのそれぞれに駆動連結される複数(本例では2つ)の出力軸Oと、回転電機MGと、変速装置TMとを備えている。なお、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力(トルクと同義)を伝達可能に連結された状態を意味する。この概念には、2つの回転要素が一体回転するように連結された状態や、1つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態が含まれる。本実施形態では、車両用駆動装置1は、係合装置CLと、カウンタギヤ機構Cと、差動歯車装置DFとをさらに備えている。係合装置CL、回転電機MG、変速装置TM、カウンタギヤ機構C、及び差動歯車装置DFは、入力軸Iと出力軸Oとを結ぶ動力伝達経路に設けられている。これらは、入力軸Iの側から記載の順に設けられている。また、これらは、ケース(駆動装置ケース)2内に収容されている。
回転電機MGは、入力軸Iと同軸に配置されている。変速装置TMは、回転電機MGと、入力軸I及び回転電機MGの回転軸心の方向に並べて配置されている。本実施形態では、変速装置TMは、入力軸I及び回転電機MGと同軸に配置されている。入力軸I、回転電機MG、及び変速装置TMは、内燃機関Eの側から記載の順に配置されている。カウンタギヤ機構Cは、入力軸I等と回転軸心が平行状であって別軸に配置されている。さらに、差動歯車装置DFは、入力軸I等及びカウンタギヤ機構Cと回転軸心が平行状であって別軸に配置されている。なお、「平行状」とは、平行な状態、又は実質的に平行とみなせる状態(例えば5°以下の角度で交差する状態)を意味する。
本実施形態では、入力軸I、回転電機MG、及び変速装置TMに共通の回転軸心を“第一軸心X1”と称する。また、カウンタギヤ機構Cの回転軸心を“第二軸心X2”と称し、差動歯車装置DFの回転軸心を“第三軸心X3”と称する。図2に示すように、第一軸心X1、第二軸心X2、及び第三軸心X3は、これらに平行な軸方向Lに見て、三角形(本例では鈍角三角形)の頂点に位置するように配置されている。このような複軸構成(本例では三軸構成)は、例えば車両用駆動装置1がFF(Front Engine Front Drive)車両に搭載される場合の構成として適している。
なお、本実施形態では、軸方向Lにおける、回転電機MGから見て内燃機関E側(図1の右側)へ向かう方向を「軸第一方向L1」と定義する。また、回転電機MGから見て変速装置TM側(図1の左側)へ向かう方向を「軸第二方向L2」と定義する。
図1に示すように、入力部材としての入力軸Iは、内燃機関Eに駆動連結される。内燃機関Eは、機関内部における燃料の燃焼により駆動されて動力を取り出す原動機(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等)である。内燃機関Eは、回転電機MGと共に車輪Wの駆動力源として機能する。本実施形態では、内燃機関Eの出力軸(クランクシャフト等)に、入力軸Iが駆動連結される。内燃機関Eの出力軸と入力軸Iとは、ダンパ等を介して駆動連結されても良い。
係合装置CLは、入力軸Iと回転電機MGとを結ぶ動力伝達経路に設けられている。係合装置CLは、入力軸I(内燃機関E)と回転電機MGとを選択的に駆動連結する。この係合装置CLは、車輪Wから内燃機関Eを切り離す内燃機関切離用係合装置として機能する。本実施形態では、係合装置CLは、油圧駆動式の摩擦係合装置として構成されている。なお、電磁駆動式の摩擦係合装置や噛み合い式の係合装置等であっても良い。
回転電機MGは、内燃機関Eと共に車輪Wの駆動力源として機能する。回転電機MGは、ケース2に固定されたステータStと、当該ステータStの径方向内側に回転自在に支持されたロータRoとを有する。ステータStは、ステータコアScと当該ステータコアScに配置されたコイルCoとを含む(図5を参照)。また、コイルCoは、ステータコアScから軸方向Lの両側にそれぞれ突出する2つのコイルエンド部Ceを含む。
回転電機MGは、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能とを果たすことが可能である。図1に示すように、回転電機MGは、インバータ装置3を介して直流電源としての蓄電装置B(バッテリやキャパシタ等)に電気的に接続されている。回転電機MGは、蓄電装置Bから電力の供給を受けて力行し、又は、内燃機関Eのトルクや車両の慣性力により発電した電力を蓄電装置Bに供給して蓄電させる。回転電機MGのロータRoは、中間軸Mと一体回転するように駆動連結されている。この中間軸Mは、変速装置TMの入力軸(変速入力軸)でもある。
本実施形態では、変速装置TMは、複数の歯車機構と複数の変速用係合装置とを備え、変速比の異なる複数の変速段を切替可能な自動有段変速装置である。なお、変速装置TMとして、変速比を無段階に変更可能な自動無段変速装置や、変速比の異なる複数の変速段をドライバの手動により切替可能に備えた手動式有段変速装置、固定変速比の単一変速段を備えた定変速装置等を用いても良い。変速装置TMは、中間軸Mに入力される回転及びトルクを、各時点における変速比に応じて変速するとともにトルク変換して、当該変速装置TMの出力部材(変速出力部材)である変速出力ギヤGoに伝達する。
変速出力ギヤGoは、カウンタギヤ機構Cに駆動連結されている。カウンタギヤ機構Cは、共通の軸部材にそれぞれ形成された第一ギヤG1と第二ギヤG2とを有する。第一ギヤG1は、変速装置TMの変速出力ギヤGoに噛み合っている。第二ギヤG2は、差動歯車装置DFの差動入力ギヤGiに噛み合っている。本実施形態では、第二ギヤG2は、第一ギヤG1に対して軸第一方向L1側(内燃機関E側)に配置されている。第二ギヤG2は、第一ギヤG1よりも小径に(歯数が少なく)形成されている。
差動歯車装置(出力用差動歯車装置)DFは、出力部材としての出力軸Oを介して車輪Wに駆動連結されている。差動歯車装置DFは、差動入力ギヤGiと、当該差動入力ギヤGiに連結された差動本体部(差動歯車装置DFの本体部)とを有する。差動本体部は、互いに噛合する複数の傘歯車とそれらを収容する差動ケースとを含んで構成され、差動機構の中心的役割を果たす。差動歯車装置DFは、回転電機MGの側から変速装置TM及びカウンタギヤ機構Cを介して差動入力ギヤGiに入力される回転及びトルクを、差動本体部にて左右2つの出力軸O(すなわち、左右2つの車輪W)に分配して伝達する。これにより、車両用駆動装置1は、内燃機関E及び回転電機MGの少なくとも一方のトルクを車輪Wに伝達させて車両を走行させることができる。
図3に示すように、回転電機MG及び変速装置TM等を収容するケース2は、軸方向Lに分割形成された第一ケース部21と第二ケース部23とを含む。第一ケース部21は、主に回転電機MG及び係合装置CLの収容空間を形成する。第二ケース部23は、主に変速装置TM及びカウンタギヤ機構Cの収容空間を形成する。本実施形態では、第一ケース部21と第二ケース部23とに跨って、差動歯車装置DFの収容空間が形成されている(図4も参照)。なお、第二ケース部23は、第一ケース部21に対して軸方向Lの内燃機関E側とは反対側(軸第二方向L2側)から接合されている。第一ケース部21と第二ケース部23との合わせ面には、FIPG(Formed In Place Gaskets)等の液体ガスケット(シール手段の一例)が配置されている。
図5に示すように、本実施形態では、ケース2は、軸方向Lにおける回転電機MGと変速装置TMとの間に配置される中間壁22をさらに含む。中間壁22は、径方向及び周方向に延在する壁部として形成されている。中間壁22は、第一ケース部21における変速装置TM側(軸第二方向L2側)の端部に設けられている。中間壁22には、当該中間壁22を軸方向Lに貫通する複数の貫通孔(中間軸Mが配置される貫通孔や、後述する接続ケーブル48が配置される貫通孔22a)が形成されている。これらの貫通孔を介して、回転電機MG及び係合装置CLの収容空間、変速装置TM及びカウンタギヤ機構Cの収容空間、並びに差動歯車装置DFの収容空間は、互いに連通している。また、これらの互いに連通する共通の空間は、油密状(その内部に油が密封された状態)に形成されている。すなわち、第一ケース部21と第二ケース部23とが接合された状態で、上記の各空間が合わさって、共通の油密連通空間Qが形成されている。なお、この油密連通空間Qは、回転電機MG、係合装置CL、変速装置TM、カウンタギヤ機構C、及び差動歯車装置DF等、車両用駆動装置1の主要な駆動要素を収容する“駆動要素収容室”を構成している。本実施形態では、油密連通空間Qが本発明における「連通した油密空間」に相当する。
また、本例では車両用駆動装置1がダンパを備える場合の構成を例示しており、ダンパの収容空間を形成する第三ケース部29が、第一ケース部21に対して内燃機関E側(軸第一方向L1側)から接合されている。このように、第三ケース部29、第一ケース部21、及び第二ケース部23は、内燃機関Eからの軸方向Lに沿った離間長さが記載の順に大きくなるように配置されている。
図2に示すように、回転電機MGを制御するインバータ装置3は、ケース2に一体化されている。インバータ装置3は、当該インバータ装置3を収容するインバータケース等を介することなく、直接的にケース2に固定されて一体化されている。すなわち、本実施形態に係る車両用駆動装置1では、インバータケースレス構造が採用されている。このようなインバータケースレス構造では、専用のインバータケースを設ける必要がないことはもちろんのこと、当該インバータケースをケース2に固定するための固定座を設ける必要もない。よって、部品点数の低減により低コスト化を図ることができる。また、装置全体の小型化を図ることもできる。
図3に良く示されているように、本実施形態では、インバータ装置3は、回転電機MG等を収容する第一ケース部21ではなく、変速装置TM等を収容する第二ケース部23に固定されている。本実施形態では、装置全体の軸方向Lの長さを短く抑えるべく、大径かつ薄型の回転電機MGが用いられている(図5を参照)。このため、変速装置TMは回転電機MGに比べて小径となっており、変速装置TMの径方向外側には、回転電機MGの外径と変速装置TMの外径との差異によって生じる環状空間が形成されている。そこで、この環状空間の少なくとも一部を有効利用してインバータ装置3を配置することで、一体化されるインバータ装置3を含めた車両用駆動装置1の全体を小型化している。
また、インバータ装置3は、第一ケース部21に対して内燃機関Eとは反対側に配置された第二ケース部23だけに固定されている。このような構成は、ケース2との間にインバータ収容室P(第一収容部P1)を形成するための第一カバー部材51が、第二ケース部23が占める軸方向Lの範囲だけで収まる点で有利である。すなわち、例えば第一ケース部21と第二ケース部23とに跨って第一カバー部材51が配置される場合に比べて、装置全体の体格を小さくすることができる。また、インバータ装置3を内燃機関Eからより離間して配置することで、内燃機関Eの近傍に配置される補機類を避けて比較的余裕のある空間にインバータ装置3を配置することができる。このため、インバータ装置3が変速装置TM及び回転電機MGよりも径方向外側(本例では上方)に多少突出しても、車載上の不都合はほとんど生じない。また、内燃機関Eの熱による影響がインバータ装置3に及ぶのを抑制することもできる。
図2及び図3に示すように、第二ケース部23は、変速装置TM、カウンタギヤ機構C、及び差動歯車装置DFの外形に沿って異形筒状に形成された外周壁24と、この外周壁24から外側に向かって突出するように対向配置された一対の突出壁25とを有する。外周壁24と一対の突出壁25とによって区画された空間はインバータ収容室Pとなっている。このように、インバータ収容室Pが、ケース2(第二ケース部23)の外周壁24に沿って形成されている。そして、このインバータ収容室Pに、インバータ装置3が収容されている。インバータ装置3は、インバータ収容室Pにおいて、ケース2(第二ケース部23)に一体的に固定されている。
インバータ装置3は、変換ユニット31とコンデンサ36とを含む。変換ユニット(直流/交流変換ユニット)31は、直流電力と交流電力とを変換する。図2に示すように、変換ユニット31は、平板状のベースプレート32と、このベースプレート32上に固定された複数のスイッチング素子33とを有する。ベースプレート32は、熱伝導性の高い材料(例えば、銅やアルミニウム等の金属材料)で構成されており、ヒートシンクとしても機能する。スイッチング素子33としては例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等が用いられる。変換ユニット31は、例えばダイオード等からなる整流素子を含み、当該整流素子がスイッチング素子33に対して並列に接続されている。また、ベースプレート32には、スイッチング素子33をスイッチング制御する制御基板34が固定されている。
コンデンサ36は、蓄電装置Bと変換ユニット31との間で受け渡しされる直流電力を平滑化(その変動を抑制)する。コンデンサ36としては、例えば合成樹脂からなるフィルムコンデンサや、無機材料からなるセラミックコンデンサ等を用いることができる。このようなコンデンサ36は、その大きさ及び形状に関する設計自由度が比較的大きく、配置される空間の大きさ及び形状に応じた調整が可能である。なお、インバータ装置3は、昇圧回路を構成するための各種部品をさらに含んでも良い。
図3及び図4に示すように、本実施形態では、ケース2は、一対の突出壁25どうしをつなぐ渡り壁部26を有する。また、ケース2は、外周壁24から渡り壁部26に向かって延びる板状の隔離壁27(図2を参照)を有する。インバータ収容室Pは、隔離壁27によって第一収容部P1と第二収容部P2とに区画されている。第一収容部P1に変換ユニット31が収容され、第二収容部P2にコンデンサ36が収容されている。
図2及び図4に示すように、第一収容部P1と第二収容部P2とは互いに異なる方向に開口している。具体的には、第一収容部P1が上方に向かって開口しているとともに、第二収容部P2が側方に向かって開口している。これにより、変換ユニット31を、上下方向に沿って上方から第一収容部P1に挿入して第二ケース部23に固定することができる。また、コンデンサ36を、水平方向に沿って側方から第二収容部P2に挿入して第二ケース部23に固定することができる。変換ユニット31とコンデンサ36とは、互いに独立した工程によって第二ケース部23に固定することができる。なお、この状態で、第二ケース部23に第一カバー部材51と第二カバー部材52とが接合される。第一カバー部材51はインバータ収容室Pを構成する第一収容部P1を覆い、第二カバー部材52は第二収容部P2を覆う。本実施形態では、第一カバー部材51及び第二カバー部材52がそれぞれ本発明における「カバー部材」に相当する。
図5に示すように、インバータ装置3と回転電機MG(ステータStのコイルCo)とを電気的に接続するために、配線部材40が設けられている。本実施形態では、配線部材40は、インバータ収容室P(第一収容部P1)と油密連通空間Qとに亘るように第二ケース部23を貫通して設けられている。そして、配線部材40は、油密連通空間Qにおいて第二ケース部23と第一ケース部21とに亘るように配置されている。これにより、インバータ収容室P内でインバータ装置3に接続された配線部材40は、第二ケース部23を貫通して油密連通空間Qへと導かれ、油密連通空間Q内で回転電機MGに接続されている。
図6に示すように、配線部材40は、バスバー41と端子ユニット42と接続ケーブル48とを含む。バスバー41は、インバータ装置3(本例では変換ユニット31)と端子ユニット42とを電気的に接続する。バスバー41は、金属製の帯状導体板で構成されている。本実施形態では、回転電機MGは三相交流電力で駆動されるように構成されており、コイルCoの三相に対応するように、各相用のバスバー41が設けられている。バスバー41は、概ね、水平方向に沿って延びるように配置されている。
端子ユニット42は、バスバー41と接続ケーブル48とを電気的に接続する。端子ユニット42は、第一中継端子43と、この第一中継端子43を保持する保持台44とが一体化されたユニットである。第一中継端子43には、ボルト等の締結部材によってバスバー41が固定されている。また、本実施形態では、三相のバスバー41に対応するように、各相用の第一中継端子43が設けられている。そして、各相用の計3つの第一中継端子43が、1つの保持台44によって一括的に保持されている。第一中継端子43は、金属製の棒状導体で構成されている。第一中継端子43は、概ね、上下方向に沿って延びるように配置されている。保持台44は、例えば樹脂等の絶縁性材料で構成されている。
保持台44は、本体部45と脚部46と蓋部47とを有する。本体部45は、第一中継端子43を保持するための中核的役割を担う部分である。本体部45は、ブロック状に形成されているとともに、上下方向に沿って延びる複数(第一中継端子43の個数に対応して3つ)の貫通穴45aを有する。貫通穴45aの内径は第一中継端子43の外径に対応している。この貫通穴45aに第一中継端子43の下端側の部分が挿入されることで、第一中継端子43が、保持台44によって保持されている。
保持台44における本体部45よりも上側に、上下方向に沿って延びる脚部46が設けられている。脚部46は、上下方向の長さに比べてその厚みが薄い薄板状に形成されている。また、脚部46は、上下方向に見た場合の本体部45の外縁部分に配置されている。本実施形態では、本体部45は上下方向に見て略矩形状に形成されており(図示せず)、これに対応して本体部45の四方を取り囲むように、4つの脚部46がそれぞれ配置されている。本体部45と4つの脚部46とは、一体的に形成されている。また、これらの本体部45と4つの脚部46とにより、保持台44は、上方に向かって開放された槽状に形成されている。また、それぞれの脚部46の上端部には、水平方向に沿って外側に向かって延びる鍔状の係止片46aが設けられている。脚部46と係止片46aとは一体的に形成されている。
本実施形態では、第二ケース部23の外周壁24には、インバータ収容室P(第一収容部P1)と油密連通空間Qとを連通させる貫通孔24aが形成されている。そして、この貫通孔24aに端子ユニット42が配置されることで、配線部材40が第二ケース部23を貫通して設けられている。外周壁24のインバータ収容室P側の面における貫通孔24aの周囲には、当該貫通孔24aの中心側に向かう断面L字状の受け部24bが設けられている。この受け部24bに係止片46aが係合することで、保持台44が安定的に固定されている。
第一中継端子43の下端部には、接続ケーブル48と一体的に設けられた第二中継端子49が接続されている。本実施形態では、三相の第一中継端子43に対応するように、各相用の第二中継端子49が設けられている。第二中継端子49は、金属製の帯状導体板で構成されている。また、第一中継端子43と第二中継端子49との接続箇所を覆うように、本体部45に対して下方から、蓋部47が取り付けられている。
接続ケーブル48は、端子ユニット42と回転電機MG(ステータStのコイルCo)とを電気的に接続する。接続ケーブル48は、金属製の導体線とその周囲を覆う絶縁性の被覆材とで構成されている。一体化された第二中継端子49と接続ケーブル48とは、概ね、軸方向Lに沿って直線状に延びるように配置されている。接続ケーブル48は、変速装置TMの径方向外側であって、軸方向Lに見て回転電機MGのステータStと重複する位置に配置されている。接続ケーブル48は、ロータRoの径方向外側で軸方向Lに見て当該ロータRoとは重複することなく、ステータStのみと重複する位置に配置されている。なお、軸方向Lにおける変速装置TMと回転電機MGとの間には中間壁22が存在しているが、この中間壁22における軸方向Lに見て接続ケーブル48及びステータStと重複する位置には、軸方向Lに貫通する貫通孔22aが形成されている。そして、配線部材40を構成する接続ケーブル48は、油密連通空間Qにおいて、中間壁22に形成された貫通孔22aを通って設けられている。
接続ケーブル48は、コイルCoに設けられた接続端子71に接続されている。各相用の接続ケーブル48は、各相用のコイルCoの接続端子71に接続されている。このような接続端子71は、コイルCoにおけるステータコアScから軸方向Lに突出するコイルエンド部Ceに設けられている。本実施形態では、接続端子71は、軸方向Lの両側の2つのコイルエンド部Ceのうち、軸方向Lで変速装置TM側(軸第二方向L2側)のコイルエンド部Ceに設けられている。これにより、回転電機MGに対して軸第二方向L2側に配置された第二ケース部23の内部空間から軸第一方向L1側に向かって軸方向Lに延びる接続ケーブル48を、最短距離で接続端子71に接続することができる。
ところで、互いに接合される第一ケース部21と第二ケース部23との間に形成される油密連通空間Qには、回転電機MGや変速装置TM等の冷却や潤滑等を適切に行うため、所定量の油が貯留されている。この油は、車両の走行時には、例えば差動歯車装置DFの差動入力ギヤGiによって掻き上げられる等して、油密連通空間Q内を飛散する。一方、互いに接合される第二ケース部23と第一カバー部材51及び第二カバー部材52との間に形成されるインバータ収容室Pは、スイッチング素子33等の電子部品が配置されるため、水や油等の液体が混入しないようにする必要がある。そこで、本実施形態に係る車両用駆動装置1は、第二ケース部23と当該第二ケース部23を貫通する配線部材40との間を密封するための第一シール部材61及び第二シール部材62を備えている。本実施形態では、第一シール部材61及び第二シール部材62がそれぞれ本発明における「シール部材」に相当する。また、車両用駆動装置1は、第二ケース部23と当該第二ケース部23に接合される第一カバー部材51及び第二カバー部材52との間をそれぞれ密封するための第三シール部材63及び第四シール部材64を備えている(図2を参照)。
図6に示すように、第一シール部材61は、第一中継端子43と保持台44の本体部45の貫通穴45aとの間に配置されている。本実施形態では、三相の第一中継端子43に対応するように、各相用の第一シール部材61が設けられている。第一シール部材61としては、ニトリルゴム、スチロールゴム、シリコーンゴム、及びフッ素ゴム等のゴム材料により構成されたOリングやXリング等を用いることができる。また、FIPG等の液体ガスケットを用いることもできる。これにより、第一中継端子43と保持台44(本体部45)との間の僅かな隙間を通って、油密連通空間Q内の油がインバータ収容室Pに浸入することを有効に抑制することができる。
図6に示すように、第二シール部材62は、第二ケース部23の外周壁24と保持台44の脚部46の係止片46aとの間に配置されている。本実施形態では、三相の第一中継端子43を一括的に保持する1つの保持台44に対応するように、1つの第二シール部材62が設けられている。第二シール部材62としては、ニトリルゴム、スチロールゴム、シリコーンゴム、及びフッ素ゴム等のゴム材料により構成されたOリングやXリング等を用いることができる。また、FIPG等の液体ガスケットを用いることもできる。これにより、外周壁24と保持台44(脚部46)との間の僅かな隙間を通って、油密連通空間Q内の油がインバータ収容室Pに浸入することを有効に抑制することができる。
図6に示すように、第三シール部材63は、第二ケース部23の突出壁25と第一カバー部材51との合わせ面に配置されている。本実施形態では、第一カバー部材51は、第一ケース部21と第二ケース部23とに跨ることなく、第二ケース部23だけに接合されている。このため、例えば第一ケース部21と第二ケース部23との合わせ面の箇所に製造上不可避的に生じ得る、段差を考慮せずに済む。よって、第三シール部材63として、そのような段差を吸収することが可能なコルクガスケット、発泡ゴム、及びグロメット等を用いることなく、FIPG等の液体ガスケットを用いることができる。もちろん、ゴム材料により構成されたOリングやXリング等を用いても良いし、コルクガスケット、発泡ゴム、及びグロメット等を用いることも可能である。これにより、第二ケース部23と第一カバー部材51と間の僅かな隙間を通って、外気中の水蒸気等がインバータ収容室Pに浸入することを有効に抑制することができる。
図2に示すように、第四シール部材64は、第二ケース部23の外周壁24及び渡り壁部26と第二カバー部材52との合わせ面に配置されている。本実施形態では、第二カバー部材52は、第二ケース部23だけに接合されている。第四シール部材64として、FIPG等の液体ガスケットを用いることができる。もちろん、ゴム材料により構成されたOリングやXリング等を用いても良いし、コルクガスケット、発泡ゴム、及びグロメット等を用いることも可能である。これにより、第二ケース部23と第二カバー部材52と間の僅かな隙間を通って、外気中の水蒸気等がインバータ収容室Pに浸入することを有効に抑制することができる。
このように、本実施形態では、OリングやXリング等からなる第一シール部材61を用いて、簡易な方法で、配線部材40自体(広い意味では、第二ケース部23と配線部材40との間)に存在する僅かな隙間を適切に密封することができる。また、OリングやXリング等からなる第二シール部材62を用いて、簡易な方法で、第二ケース部23と配線部材40との間の僅かな隙間を適切に密封することができる。さらに、第二ケース部23と第一カバー部材51及び第二カバー部材52との間の、段差のない僅かな隙間を、液体ガスケット等からなる第三シール部材63及び第四シール部材64を用いて適切に密封することができる。よって、インバータ収容室Pのシール構造を簡素化することができる。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係る車両用駆動装置の、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態では、貫通孔22aが、中間壁22における軸方向Lに見て回転電機MG(具体的には、ステータSt)と重複する位置に形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、貫通孔22aが、軸方向Lに見てステータStと重複することなく、ロータRoと重複する位置に形成されていても良い。また、貫通孔22aが、回転電機MGよりも径方向外側であって軸方向Lに見て回転電機MGとは重複しない位置に形成されていても良い。
(2)上記の実施形態では、中間壁22が、第一ケース部21における変速装置TM側(軸第二方向L2側)の端部に設けられている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、中間壁22が、第二ケース部23における回転電機MG側(軸第一方向L1側)の端部に設けられていても良い。また、中間壁22が、第一ケース部21又は第二ケース部23における、軸方向Lの任意の位置に設けられていても良い。
(3)上記の実施形態では、コイルCoの接続端子71が、軸方向Lの両側の2つのコイルエンド部Ceのうち、変速装置TM側のコイルエンド部Ceに設けられている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、接続端子71が、内燃機関E側のコイルエンド部Ceに設けられていても良い。
(4)上記の実施形態では、端子ユニット42を含む配線部材40について、具体的構造を例示しながら説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。配線部材40(特に端子ユニット42)に関しては、任意の具体的構造を採用することができる。上記の実施形態では、各相用の第一中継端子43が1つの保持台44によって一括的に保持された例を示したが、例えば各相用の第一中継端子43が、各相に対応する保持台44によって個別に保持されても良い。この場合、言い換えれば、各相用の端子ユニット42が個別に設けられることになる。また、例えば、インバータ装置3と端子ユニット42との接続のために接続ケーブル等を用いても良い。また、端子ユニット42と回転電機MGとの接続のためにバスバー等を用いても良い。
(5)上記の実施形態では、第二ケース部23に第一カバー部材51と第二カバー部材52とが接合されて、インバータ収容室Pが構成される例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、第二カバー部材52に対応する壁部が第二ケース部23と一体的に形成され、第二ケース部23に第一カバー部材51のみが接合されてインバータ収容室Pが構成されても良い。このようにすれば、第四シール部材64の設置を省略することができるので、インバータ収容室Pの密封性の観点からは好都合である。但し、コンデンサ36及び変換ユニット31を、上下方向に沿って上方から順次挿入する必要があるので、隔離壁27を脱着可能に構成するか、その設置自体を省略する必要がある。
(6)上記の実施形態では、変速入力軸としての中間軸Mと変速出力部材としての変速出力ギヤGoとが同軸に配置された、一軸構成の変速装置TMを念頭に置いて説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、変速入力軸と変速出力部材とが別軸に配置された複軸構成の変速装置TMを用いても良い。この場合であっても、その変速装置TMの回転軸心(第一軸心X1)は、当該変速装置TMの入力軸(変速入力軸)の回転軸心に基づいて規定されるものとする。この場合、“変速装置TMが回転電機MGと同軸に配置される”とは、変速入力軸の回転軸心と回転電機MG(ロータRo)の回転軸心とが一致することを意味し、変速出力部材の回転軸心と回転電機MG(ロータRo)の回転軸心とは不一致であっても良い。
(7)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、例えばハイブリッド車両用の駆動装置に利用することができる。
1 :車両用駆動装置
2 :ケース
3 :インバータ装置
21 :第一ケース部
22 :中間壁
22a :貫通孔
23 :第二ケース部
40 :配線部材
51 :第一カバー部材(カバー部材)
52 :第二カバー部材(カバー部材)
61 :第一シール部材(シール部材)
62 :第二シール部材(シール部材)
63 :第三シール部材
64 :第四シール部材
71 :接続端子
E :内燃機関
MG :回転電機
St :ステータ
Sc :ステータコア
Co :コイル
Ce :コイルエンド部
TM :変速装置
W :車輪
X1 :第一軸心(回転電機の回転軸心)
L :軸方向
P :インバータ収容室
Q :油密連通空間(連通した油密空間)

Claims (4)

  1. 内燃機関と共に車輪の駆動力源として機能する回転電機と、
    前記回転電機に対して当該回転電機の回転軸心が延びる方向である軸方向に並べて配置される変速装置と、
    前記回転電機を収容する第一ケース部と、前記第一ケース部とは別部材で構成されて前記変速装置を収容する第二ケース部とを含むケースと、
    前記回転電機を制御するインバータ装置と、
    前記回転電機と前記インバータ装置とを接続する配線部材と、備え、
    前記第一ケース部と前記第二ケース部とが連通した油密空間を形成し、前記第一ケース部の前記軸方向の前記内燃機関側とは反対側に前記第二ケース部が接合され、
    前記第二ケース部の外周壁に沿って、前記インバータ装置を収容するインバータ収容室が形成され、
    前記油密空間に前記回転電機が収容され、
    前記配線部材が、前記インバータ収容室と前記油密空間とに亘るように前記第二ケース部を貫通して設けられ、
    前記第二ケース部と前記配線部材との間を密封するシール部材を備え
    前記ケースは、前記軸方向における前記回転電機と前記変速装置との間に配置される中間壁をさらに含み、
    前記配線部材が、前記油密空間において、前記中間壁に形成された貫通孔を通って設けられている車両用駆動装置。
  2. 記貫通孔が、前記軸方向に見て前記回転電機と重複する位置に形成されている請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 内燃機関と共に車輪の駆動力源として機能する回転電機と、
    前記回転電機に対して当該回転電機の回転軸心が延びる方向である軸方向に並べて配置される変速装置と、
    前記回転電機を収容する第一ケース部と、前記第一ケース部とは別部材で構成されて前記変速装置を収容する第二ケース部と、を含むケースと、
    前記回転電機を制御するインバータ装置と、
    前記回転電機と前記インバータ装置とを接続する配線部材と、を備え、
    前記第一ケース部と前記第二ケース部とが連通した油密空間を形成し、前記第一ケース部の前記軸方向の前記内燃機関側とは反対側に前記第二ケース部が接合され、
    前記第二ケース部の外周壁に沿って、前記インバータ装置を収容するインバータ収容室が形成され、
    前記油密空間に前記回転電機が収容され、
    前記配線部材が、前記インバータ収容室と前記油密空間とに亘るように前記第二ケース部を貫通して設けられ、
    前記第二ケース部と前記配線部材との間を密封するシール部材を備え、
    前記回転電機は、ステータコアと当該ステータコアに配置されたコイルとを含むステータを有し、
    前記コイルは、前記ステータコアから前記軸方向の両側にそれぞれ突出する2つのコイルエンド部を有し、
    前記コイルの前記配線部材との接続端子が、2つの前記コイルエンド部のうちの前記軸方向で前記変速装置側のコイルエンド部に設けられている車両用駆動装置。
  4. 内燃機関と共に車輪の駆動力源として機能する回転電機と、
    前記回転電機に対して当該回転電機の回転軸心が延びる方向である軸方向に並べて配置される変速装置と、
    前記回転電機を収容する第一ケース部と、前記第一ケース部とは別部材で構成されて前記変速装置を収容する第二ケース部と、を含むケースと、
    前記回転電機を制御するインバータ装置と、
    前記回転電機と前記インバータ装置とを接続する配線部材と、を備え、
    前記第一ケース部と前記第二ケース部とが連通した油密空間を形成し、前記第一ケース部の前記軸方向の前記内燃機関側とは反対側に前記第二ケース部が接合され、
    前記第二ケース部の外周壁に沿って、前記インバータ装置を収容するインバータ収容室が形成され、
    前記油密空間に前記回転電機が収容され、
    前記配線部材が、前記インバータ収容室と前記油密空間とに亘るように前記第二ケース部を貫通し、かつ、前記油密空間内で前記回転電機に接続するように設けられ、
    前記第一ケース部と前記第二ケース部との間を密封するシール手段と、前記第二ケース部と前記配線部材との間を密封するシール部材と、を備える車両用駆動装置。
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