JP2008147709A - Lcフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 製造工程が簡易であり、かつ、大きなインダクタンスを有するLCフィルタを提供する。
【解決手段】 (a)複数のセラミック層と複数のコイル電極とを積層してなる積層体と、(b)前記コイル電極を螺旋状に接続してなる、コイル軸方向が同一でかつコイル軸方向に沿って配列された少なくとも2つのコイルと、(c)前記積層体の両端面に形成された、前記配列方向の両外側に位置するコイル端部と電気的に接続する外部電極と、を備え、(d)前記配列方向の両外側に位置しないコイル端部を含むコイル電極が、セラミック層を介して互いに対向していることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 (a)複数のセラミック層と複数のコイル電極とを積層してなる積層体と、(b)前記コイル電極を螺旋状に接続してなる、コイル軸方向が同一でかつコイル軸方向に沿って配列された少なくとも2つのコイルと、(c)前記積層体の両端面に形成された、前記配列方向の両外側に位置するコイル端部と電気的に接続する外部電極と、を備え、(d)前記配列方向の両外側に位置しないコイル端部を含むコイル電極が、セラミック層を介して互いに対向していることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、LCフィルタに関し、より詳しくは、コイルとコンデンサを直列に接続したLCフィルタに関する。
LCフィルタの一つとして、例えば特許文献1に記載されているように、コイルとコンデンサを直列に接続したLCフィルタがある。このようなLCフィルタは、図10に示すように、コイル電極61とは別に、コンデンサ電極63が設けられている。
特開平11−284470号公報
ところで、上述のLCフィルタにおいて、コイル電極61とコンデンサ電極63はそれぞれの特性を考慮して設計されている。すなわち、コイル電極61は螺旋状に形成されているし、コンデンサ電極63は幅広く形成されている。このため、LCフィルタを製造するには、コイル電極61とコンデンサ電極63をそれぞれに形成して、所定の位置に配設することが必要なので、製造工程が複雑かつ困難であった。
また、幅広く形成されたコンデンサ電極63がコイル電極61の磁束が周回する領域に配設されているので、磁束がコンデンサ電極63を通過してコンデンサ電極63に渦電流が発生した。そして、この渦電流損によってインダクタンスが減少してしまった。
本発明は上記問題点を解決するものであり、製造工程が簡易であり、かつ、大きなインダクタンスが得られるLCフィルタを提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために、本発明のLCフィルタは、(a)複数のセラミック層と複数のコイル電極とを積層してなる積層体と、(b)前記コイル電極を螺旋状に接続してなる、コイル軸方向が同一でかつコイル軸方向に沿って配列された少なくとも2つのコイルと、(c)前記積層体の両端面に形成された、前記配列方向の両外側に位置するコイル端部と電気的に接続する外部電極と、を備え、(d)前記配列方向の両外側に位置しないコイル端部を含むコイル電極が、セラミック層を介して互いに対向していることを特徴とする。
コイル電極を互いに対向させてコンデンサを形成することにより、コイル電極とは別にコンデンサ電極を形成する必要がなくなる。また、LCフィルタをコイルと同様の構造で製造することができる。その結果、LCフィルタの製造工程が簡易となる。
また、幅の広いコンデンサ電極でコイルの磁束を遮ることがなく、渦電流損によるインダクタンスの低下を防止することが可能となる。その結果、大きなインダクタンスを得ることができる。
また、本発明のLCフィルタは、(a)複数のセラミック層と複数のコイル電極とを積層してなる積層体と、(b)前記コイル電極を螺旋状に接続してなる、コイル軸方向が同一でかつコイル軸方向に沿って配列された2つのコイルと、(c)前記積層体の両端面に形成された、前記配列方向の両外側に位置するコイル端部と電気的に接続する外部電極と、を備え、(d)前記2つのコイルのうち一方のコイルの複数のコイル電極が、他方のコイルの複数のコイル電極とセラミック層を介して互いに対向していることを特徴とする。
また、本発明のLCフィルタは、(a)複数のセラミック層と複数のコイル電極とを積層してなる積層体と、(b)前記コイル電極を螺旋状に接続してなる、コイル軸方向が同一でかつコイル軸方向に沿って配列された3つのコイルと、(c)前記積層体の両端面に形成された、前記配列方向の両外側に位置するコイル端部と電気的に接続する外部電極と、を備え、(d)前記配列方向の上部に位置するコイルの複数のコイル電極が、配列方向の中央に位置するコイルの複数のコイル電極とセラミック層を介して互いに対向し、(e)前記配列方向の下部に位置するコイルの複数のコイル電極が、配列方向の中央に位置するコイルの複数のコイル電極とセラミック層を介して互いに対向していることを特徴とする。
製造工程が簡易となって大きなインダクタンスが得られることに加え、一つのコイルの複数のコイル電極が、他のコイルの複数のコイル電極と互いに対向しているので、大きな容量を得ることができる。
また、本発明のLCフィルタは、前記対向しているコイル電極が、コイル軸方向からみて略同一の形状であることを特徴とする。
これにより、対向しているコイル電極間で容量が得られやすくなる。
また、本発明のLCフィルタは、前記外部電極が、コイル軸方向と直交する、積層体の両端面に形成されていることを特徴とする。
これにより、コイル電極と外部電極との間に発生する浮遊容量を抑制することができる。
また、本発明のLCフィルタは、前記対向しているコイル電極間のセラミック層が高誘電率材料で形成されていることを特徴とする。
これにより、対向しているコイル電極間で大きな容量を得ることができる。
また、本発明のLCフィルタは、前記それぞれのコイルのうち、他のコイルのコイル電極と対向しているコイル電極が同一の電極幅であり、前記互いに対向しているコイル電極の電極幅が異なることを特徴とする。
互いに対向しているコイル電極の電極幅が異なるので、積層ずれによってコイル導体の位置がずれても幅の広いコイル電極内で幅の狭いコイル電極が移動し、容量の変動を抑制することができる。
以上のように、本発明に係るLCフィルタによれば、コイル電極を対向させてコンデンサを形成するので、製造工程が簡易であり、かつ、大きなインダクタンスを有するLCフィルタを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を示して、その特徴とするところを詳しく説明する。
図1は本発明の第1の実施例に係るLCフィルタの分解斜視図であり、図2は等価回路図である。また、図3は外観斜視図である。
図1に示すように、本実施例に係るLCフィルタは、積層体の内部に2つのコイルL1、L2が形成され、コイル軸方向が同一でかつコイル軸方向に沿って配列されている。そして、配列方向の両外側に位置しないコイル端部を含むコイル電極1d、1eが、セラミック層を介して互いに対向している。なお、コイル電極1d、1eはコイル軸方向から見て同一の形状に形成されている。そして、本実施例に係るLCフィルタは、図2の等価回路図に示すように磁気結合した2つのコイルL1、L2の中間にコンデンサCが形成される形となる。
本実施例に係るLCフィルタは、図1に示すように、コイル電極1a〜1hを印刷したセラミックシート3、コイル電極を印刷しない、コイル電極1a〜1dとコイル電極1e〜1hとの間に配置されるセラミックシート5、およびコイル電極を印刷しない外層用のセラミックシート7を積層することにより形成する。
セラミックシート3、5、7は、比誘電率が15の誘電体材料により形成する。そして、セラミックシート3上にAgペーストでコイル電極1a〜1hおよびビアホール9を形成し、コイル電極1a〜1d、1e〜1hを、ビアホール9で所定箇所を結合して、螺旋状に接続するように積層することにより、4.25ターンの2つのコイルL1、L2を形成する。その後、コイル軸方向が同一であってかつコイル軸方向に沿って配列するように、2つのコイルL1、L2をセラミックシート5を介して積層し、上下に外層用のセラミックシート7、7を積層して焼成することにより、図3に示す積層体11を形成する。
そして、図3に示すように、コイル軸方向と並行な、積層体11の両端面に外部電極13a、13bを形成する。外部電極13a、13bは、配列方向の両外側に位置するコイル端部、すなわち図1に示すコイル電極1a、1hの端部と電気的に接続している。これにより、第1の実施例のLCフィルタを得る。なお、本実施例のLCフィルタのサイズは1.0mm(L)×0.5mm(W)×0.5mm(T)であり、コイル電極はLW面に形成されていることになる。
このように、本実施例に係るLCフィルタは、コイル電極1d、1eを対向させてコンデンサを形成しているので、コンデンサ電極を別途形成する必要がない。また、LCフィルタをコイルと同様の構造で製造することができる。これにより、LCフィルタを簡易に製造することができる。
また、コイル電極1d、1eを対向させてコンデンサを形成しているので、幅の広いコンデンサ電極でコイルの磁束を遮ることがなく、渦電流損によるインダクタンスの低下を防止することが可能となる。これにより、大きなインダクタンスを得ることができる。そして、大きなインダクタンスが得られることから、低い周波数で共振を得ることができるので、設計できる共振周波数の範囲を広げることができる。
図4は本発明の第2の実施例に係るLCフィルタの分解斜視図であり、図5は外観斜視図である。
図4に示すように、本実施例に係るLCフィルタは、積層体の内部に2つのコイルL21、L22が形成され、コイルL21、L22はコイル軸方向が同一でかつコイル軸方向に沿って配列されている。そして、配列方向の両外側に位置しないコイル端部を含むコイル電極21f、21gが、セラミック層を介して互いに対向している。なお、コイル電極21f、21gはコイル軸方向から見て同一の形状に形成されている。
そして、図5に示すように、本実施例においては、外部電極33a、33bがコイル軸方向と直交する、積層体31の両端面に形成されている。
本実施例に係るLCフィルタは、図4に示すように、コイル電極21a〜21lを印刷したセラミックシート23、コイル電極を印刷しない、コイル電極21a〜21fとコイル電極21g〜21lとの間に配置されるセラミックシート25、およびコイル電極を印刷しない外層用のセラミックシート27を積層することにより形成する。
セラミックシート23、25、27は、比誘電率が15の誘電体材料により形成する。そして、セラミックシート23上にAgペーストでコイル電極21a〜21lおよびビアホール29を形成し、コイル電極21a〜21f、21g〜21lを、ビアホール29で所定箇所を結合して、螺旋状に接続するように積層することにより、15ターンの2つのコイルL21、L22を形成する。また、外層用のセラミックシート27にもビアホール29を形成した。
ここで、第1の実施例とコイルのターン数を異ならせたのは、直列共振周波数をほぼ等しくするためである。すなわち、図5に示すように、本実施例に係るLCフィルタは、第1の実施例と異なり、コイル軸方向と直交する、積層体31の両端面に外部電極33a、33bを設けている。そのため、第1の実施例では積層体のLW面にコイル電極を形成したのに対して、本実施例ではWT面にコイル電極を形成しているので、コイル電極の大きさが異なる。そして、コイル電極の大きさの違いにより、インダクタンスおよび容量が異なって直列共振周波数が異なるので、コイルのターン数を変えることにより、直列共振周波数がほぼ等しくなるように調整しているのである。
そして、コイル軸方向が同一であってかつコイル軸方向に沿って配列するように、2つのコイルL21、L22をセラミックシート25を介して積層し、上下に外層用のセラミックシート27、27を積層して焼成することにより、図5に示す積層体31を形成する。
そして、図5に示すように、コイル軸方向と直交する、積層体31の両端面に外部電極33a、33bを形成する。外部電極33a、33bは、配列方向の両外側に位置するコイル端部、すなわち図4に示すコイル電極21a、21lの端部と電気的に接続している。これにより、第2の実施例のLCフィルタを得る。なお、本実施例のLCフィルタのサイズは第1の実施例と同様に、1.0mm(L)×0.5mm(W)×0.5mm(T)である。
このように本実施例に係るLCフィルタは、コイル電極21f、21gを対向させてコンデンサを形成しているので、コンデンサ電極を別途形成する必要がない。また、LCフィルタをコイルと同様の構造で製造することができる。これにより、LCフィルタを簡易に製造することができる。
また、コイル電極21f、21gを対向させてコンデンサを形成しているので、幅の広いコンデンサ電極でコイルの磁束を遮ることがなく、渦電流損によるインダクタンスの低下を防止することが可能となる。これにより、大きなインダクタンスを得ることができる。そして、大きなインダクタンスが得られることから、低い周波数で共振を得ることができるので、設計できる共振周波数の範囲を広げることができる。
さらに、本実施例に係るLCフィルタでは、外部電極33a、33bをコイル軸方向と直交する、積層体31の両端面に設けていることにより、コイル電極21a〜21lと外部電極33a、33bとの間に発生する浮遊容量を抑制することができる。
本発明の第3の実施例に係るLCフィルタについて、第1の実施例における図1および図2を援用して説明する。なお、実施例1と共通あるいは対応する部分については適宜説明を省略する。
図1に示すように、本実施例に係るLCフィルタは、コイル電極1a〜1hを印刷したセラミックシート3、コイル電極を印刷しない、コイル電極1a〜1dとコイル電極1e〜1hとの間に配置されるコイル電極間のセラミックシート5、およびコイル電極を印刷しない外層用のセラミックシート7を積層することにより形成するが、本実施例では、対向するコイル電極1d、1e間におけるセラミックシート5を比誘電率が100の高誘電率材料で形成している。高誘電率材料としては、例えば酸化チタン系のセラミックを用いることができる。
なお、本実施例についても、図3に示すように、コイル軸方向と並行な、積層体11の両端面に外部電極13a、13bが形成されている。
このように、本実施例に係るLCフィルタでは、互いに対向するコイル電極間1d、1eにおけるセラミックシート5の誘電率を高くしていることにより、浮遊容量の増加を抑制しながら、大きな容量を得ることができる。そして、大きな容量が得られることから、低い周波数で共振を得ることができるので、設計できる共振周波数の範囲を広げることができる。
本発明の第4の実施例に係るLCフィルタについて、第2の実施例における図4および図5を援用して説明する。なお、実施例2と共通あるいは対応する部分については適宜説明を省略する。
図4に示すように、本実施例に係るLCフィルタは、コイル電極21a〜21lを印刷したセラミックシート23、コイル電極を印刷しない、コイル電極21a〜21hとコイル電極21g〜21lとの間に配置されるセラミックシート25、およびコイル電極を印刷しない外層用のセラミックシート27を積層することにより形成するが、本実施例では、対向するコイル電極23f、23g間におけるセラミックシート25を比誘電率が100の高誘電率材料で形成している。
なお、本実施例についても、図5に示すように、コイル軸方向と直交する、積層体31の両端面に外部電極33a、33bが形成されている。
このように、本実施例に係るLCフィルタでは、互いに対向するコイル電極間23f、23gにおけるセラミックシート25の誘電率を高くしていることにより、浮遊容量の増加を抑制しながら、大きな容量を得ることができる。そして、大きな容量が得られることから、低い周波数で共振を得ることができるので、設計できる共振周波数の範囲を広げることができる。
上記の実施例1〜4におけるLCフィルタのSパラメータをネットワークアナライザHP8720Dにて測定した。図6〜図9に実施例1〜4のS11、S21をそれぞれ示す。S11における反射ピークは直列共振によるもので、S21の通過ピークは並列共振によるものである。なお、実施例1〜4のLCフィルタでは、コンデンサ電極による渦電流損が発生しないので、抵抗成分により共振が抑制されにくい。よって、図6〜図9に示されているのように、急峻な減衰を得ることができる。
図6は第1の実施例に係るLCフィルタのSパラメータであるが、直列共振周波数が約820MHzであり、並列共振周波数は約1.04GHzであった。
また、図7は第2の実施例に係るLCフィルタのSパラメータであるが、直列共振周波数が約920MHzであり、並列共振周波数は約2.28GHzであった。コイル軸方向と直交する、積層体の両端面に外部電極を形成することにより、コイル電極と外部電極との間に発生する浮遊容量を抑制することができ、第1の実施例と比べて並列共振周波数を高くすることができる。これにより、直列共振周波数と並列共振周波数の差を大きくできるので、不要な共振を抑えることができ、良好な共振特性を得ることができる。
また、図8は第3の実施例に係るLCフィルタのSパラメータであるが、直列共振周波数が約410MHzであり、並列共振周波数は約940MHzであった。コンデンサを形成するコイル電極間のセラミック層を高誘電率の材料で形成することにより、浮遊容量の増加を抑制しながら大きな容量を得ることができる。これにより、第1の実施例に比べ、並列共振周波数は大きく変化させることなく、直列共振周波数のみを低周波領域まで変化させることができる。
また、図9は第4の実施例に係るLCフィルタのSパラメータであるが、直列共振周波数が約380MHzであり、並列共振周波数は約2.26GHzであった。互いに対向するコイル電極間におけるセラミックシートの誘電率を高くすることにより、浮遊容量の増加を抑制しながら大きな容量を得ることができる。これにより、第2の実施例に比べ、並列共振周波数は大きく変化させることなく、直列共振周波数のみを低周波領域まで変化させることができる。
なお、本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、コイルのターン数またはコイル径を変更することが可能であるし、コイルのターン数は2つのコイルで異なってもよい。また、対向するコイル電極間のセラミック層の誘電率を適宜変更することのみならず、対向するコイル電極間のセラミック層の積層枚数を変更することにより、直列共振周波数を変更することも可能である。さらに、実施例では2つのコイルを配列したLCフィルタを示したが、3つまたはそれ以上のコイルを配列してもよい。
図11は本発明の第5の実施例に係るLCフィルタの分解斜視図であり、図12は外観斜視図である。
図11に示すように、本実施例に係るLCフィルタは、積層体の内部に2つのコイルL81、L82が形成され、コイルL81、L82はコイル軸方向が同一でかつコイル軸方向に沿って配列されている。そして、コイルL81の複数のコイル電極81d〜81gが、コイルL82の複数のコイル電極82a〜82dとセラミック層を介して互いに対向している。なお、コイル電極81a〜81およびコイル電極82a〜82gはそれぞれ同一の電極幅で形成されているが、コイル電極81a〜81gの電極幅はコイル電極82a〜82gの電極幅より広い。
本実施例に係るLCフィルタは、図11に示すように、コイル電極81a〜81gを印刷したセラミックシート83、コイル電極82a〜82gを印刷したセラミックシート85、およびコイル電極を印刷しない外層用のセラミックシート87、87を積層することにより形成する。
セラミックシート83、85、87は、比誘電率が15の誘電体材料により形成する。そして、セラミックシート83上にAgペーストでコイル電極81a〜81gおよびビアホール89を、セラミックシート85上にAgペーストでコイル電極82a〜82gおよびビアホール89を形成する。ここで、コイル電極81a〜81gは電極幅が85μmとなるように、コイル電極82a〜82gは電極幅が45μmとなるように形成した。コイル電極81a〜81gおよびコイル電極82a〜82gの所定箇所をそれぞれビアホール89で結合して螺旋状に接続すると、それぞれ9ターンのコイルL81、L82となる。なお、コイル電極81e〜81gが形成されたセラミックシート83およびコイル電極82a〜82cが形成されたセラミックシート85には、コイル電極81e〜81g、82a〜82c上ではない所定の箇所にもビアホール89を形成した。また、外層用のセラミックシート87にもビアホール89を形成した。
そして、コイル軸方向が同一であってかつコイル軸方向に沿って配列するように、また、2ターン分のコイル電極が互いに対向するように、すなわちコイルL81のコイル電極81d〜81gとコイルL82のコイル電極82a〜82dが対向するように、セラミックシート83、85を積層する。そして、上下に外層用のセラミックシート87、87を積層して焼成することにより、図12に示す積層体91を形成する。
それから、図12に示すように、コイル軸方向と直交する、積層体91の両端面に外部電極93a、93bを形成する。外部電極93a、93bは、配列方向の両外側に位置するコイル端部、すなわち図11に示すコイル電極81a、82gの端部と電気的に接続している。これにより、第5の実施例のLCフィルタを得る。
このように本実施例に係るLCフィルタは、コイル電極81d〜81gとコイル電極82a〜82dを対向させてコンデンサを形成しているので、コンデンサ電極を別途形成する必要がなく、コイルと同様の構造で製造することができる。これにより、簡易に製造することができる。また、幅の広いコンデンサ電極でコイルの磁束を遮ることがなく、大きなインダクタンスを得ることができる。
さらに、複数のコイル電極81d〜81gと複数のコイル電極82a〜82dを互いに対向させてコンデンサを形成しているので、大きな容量を得ることができる。そして、大きなインダクタンスおよび大きな容量が得られることから、低い周波数で共振を得ることができ、設計できる共振周波数の範囲を広げることができる。
また、コイル電極81a〜81gの電極幅がコイル電極82a〜82gの電極幅より広いので、積層ずれが生じても、平面視で、コイル電極81a〜81g内でコイル電極82a〜82gが移動し、コイル電極81d〜81gとコイル電極82a〜82dの対向している面積の変動を抑制することができる。この結果、容量の変動を抑制することができる。
本発明の第6の実施例に係るLCフィルタについて、第5の実施例における図11および図12を援用して説明する。なお、実施例5と共通あるいは対応する部分については適宜説明を省略する。
図11に示すように、本実施例に係るLCフィルタは、コイル電極81a〜81gおよびビアホール89を形成したセラミックシート83、コイル電極82a〜82gおよびビアホール89を形成したセラミックシート85、およびコイル電極を印刷しない外層用のセラミックシート87、87を積層することにより形成する。本実施例では、コイル電極81a〜81gおよびコイル電極82a〜82gの所定箇所をそれぞれビアホール89で結合して螺旋状に接続すると、それぞれ11ターンのコイルL81、L82となる。
そして、本実施例では6ターン分のコイル電極が互いに対向するように、セラミックシート83、85を積層した。
このように、本実施例に係るLCフィルタでは、実施例5よりもさらに多くの複数のコイル電極と複数のコイル電極を対向させてコンデンサを形成しているので、さらに大きな容量を得ることができる。そして、大きな容量が得られることから、低い周波数で共振を得ることができるので、設計できる共振周波数の範囲を広げることができる。
また、コイル電極81a〜81gの電極幅がコイル電極82a〜82gの電極幅より広いので、積層ずれが生じても、平面視で、コイル電極81a〜81g内でコイル電極82a〜82gが移動し、対向しているコイル電極の面積の変動を抑制することができる。この結果、容量の変動を抑制することができる。
上記の実施例5および実施例6におけるLCフィルタのSパラメータをネットワークアナライザHP8720Dにて測定した。図13および図14に実施例5および実施例6のS11、S21をそれぞれ示す。S11における反射ピークは直列共振によるもので、S21の通過ピークは並列共振によるものである。なお、実施例5および実施例6のLCフィルタでは、コンデンサ電極による渦電流損が発生しないので、抵抗成分により共振が抑制されにくい。よって、図13および図14に示されているのように、急峻な減衰を得ることができる。
図13は第5の実施例に係るLCフィルタのSパラメータであるが、直列共振周波数が約770MHzであり、並列共振周波数は約5.9GHzであった。複数のコイル電極を対向させているので、大きな容量を得ることができる。これにより、直列共振周波数を低周波領域まで変化させることができる。
また、図14は第6の実施例に係るLCフィルタのSパラメータであるが、直列共振周波数が約450MHzであり、並列共振周波数は約5.9GHzであった。第5の実施例よりさらに多くのコイル電極を対向させているので、さらに大きな容量を得ることができ、直列共振周波数のみをさらに低周波領域まで変化させることができる。
図15は本発明の第7の実施例に係るLCフィルタの分解斜視図であり、図16は外観斜視図である。
図15に示すように、本実施例に係るLCフィルタは、積層体の内部に3つのコイルL101、L102、L103が形成され、コイルL101、L102、L103はコイル軸方向が同一でかつコイル軸方向に沿って配列されている。そして、配列方向の上部に位置するコイルL101の複数のコイル電極101c、101dが、配列方向の中央に位置するコイルL102の複数のコイル電極102a、102bとセラミック層を介して互いに対向し、配列方向の下部に位置するコイルL103の複数のコイル電極103a、103bが、配列方向の中央に位置するコイルL102の複数のコイル電極102c、102dとセラミック層を介して互いに対向している。なお、コイル電極101a〜101d、コイル電極102a〜102e、およびコイル電極103a〜103dはそれぞれ同一の電極幅で形成されているが、コイル電極101a〜101d、103a〜103dの電極幅はコイル電極102a〜102eの電極幅より広い。
本実施例に係るLCフィルタは、図15に示すように、コイル電極101a、〜101dを印刷したセラミックシート103、コイル電極102a〜102eを印刷したセラミックシート105、コイル電極103a〜103dを印刷したセラミックシート106、およびコイル電極を印刷しない外層用のセラミックシート107、107を積層することにより形成する。
セラミックシート103、105、106、107は、比誘電率が15の誘電体材料により形成する。そして、セラミックシート103上にAgペーストでコイル電極101a〜101dおよびビアホール109を、セラミックシート105上にAgペーストでコイル電極102a〜102beおよびビアホール109を、セラミックシート106上にAgペーストでコイル電極103a〜103dおよびビアホール109を形成する。コイル電極101a〜101d、コイル電極102a〜102e、コイル電極103a〜103dの所定箇所をそれぞれビアホールで結合して螺旋状に接続すると、3つのコイルL101、L102、L103となる。また、外層用のセラミックシート107にもビアホール109を形成した。
そして、コイル軸方向が同一であってかつコイル軸方向に沿って配列するように、また、コイルL101のコイル電極101c、101dとコイルL102のコイル電極102a、102b、コイルL102のコイル電極102d、102eとコイルL103のコイル電極103a、103bが互いに対向するようにセラミックシート103、105、106を積層する。そして、上下に外層用のセラミックシート107、107を積層して焼成することにより、図16に示す積層体111を形成する。
それから、図16に示すように、コイル軸方向と直交する、積層111の両端面に外部電極113a、113bを形成する。外部電極113a、113bは、配列方向の両外側に位置するコイル端部、すなわち図15に示すコイル電極101a、103dの端部と電気的に接続している。これにより、第7の実施例のLCフィルタを得る。
このように本実施例に係るLCフィルタは、コイル電極101c、101dとコイル電極102a、102b、コイル電極102d、102eとコイル電極103a、103bを対向させてコンデンサを形成しているので、コンデンサ電極を別途形成する必要がなくコイルと同様の構造で製造することができるので、簡易に製造することができる。また、幅の広いコンデンサ電極でコイルの磁束を遮ることがなく、大きなインダクタンスを得ることができる。
さらに、複数のコイル電極81c、81dと複数のコイル電極82a、82b、複数のコイル電極82d、82eと複数のコイル電極83a、83bを対向させてコンデンサを形成しているので、大きな容量を得ることができる。そして、大きなインダクタンスおよび大きな容量が得られることから、低い周波数で共振を得ることができるので、設計できる共振周波数の範囲を広げることができる。
また、コイル電極101a〜101d、103a〜103dの電極幅がコイル電極102a〜102eの電極幅より広いので、積層ずれが生じても、平面視で、コイル電極101a〜101d、103a〜103d内でコイル電極102a〜102eが移動し、対向しているコイル電極の面積の変動を抑制することができる。この結果、容量の変動を抑制することができる。
本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、コイルのターン数またはコイル径を変更することが可能であるし、コイルのターン数は複数のコイルで異なってもよい。また、対向するコイル電極間のセラミック層の誘電率を適宜変更することのみならず、対向するコイル電極間のセラミック層の積層枚数を変更することにより、直列共振周波数を変更することも可能である。実施例1〜4では2つのコイルを配列したLCフィルタを示したが、3つまたはそれ以上のコイルを配列してもよい。また、実施例5〜7ではセラミックシートに1/2ターンのコイル電極を形成したが、3/4ターンのコイル電極を形成してもよいし、対向するコイル電極のみの電極幅を異ならせてもよい。さらに、実施例7では配列方向の中央に位置するコイルのみならず、上部に位置するコイルのコイル電極と下部に位置するコイルのコイル電極とを対向させてもよい。
1a〜1h、21a〜21l コイル電極
3、5、7、23、25、27 セラミックシート
9、29 ビアホール
11、31 積層体
13a、13b、33a、33b 外部電極
L1、L2、L21、L22 コイル
3、5、7、23、25、27 セラミックシート
9、29 ビアホール
11、31 積層体
13a、13b、33a、33b 外部電極
L1、L2、L21、L22 コイル
Claims (7)
- 複数のセラミック層と複数のコイル電極とを積層してなる積層体と、
前記コイル電極を螺旋状に接続してなる、コイル軸方向が同一でかつコイル軸方向に沿って配列された少なくとも2つのコイルと、
前記積層体の両端面に形成された、前記配列方向の両外側に位置するコイル端部と電気的に接続する外部電極と、を備え、
前記配列方向の両外側に位置しないコイル端部を含むコイル電極が、セラミック層を介して互いに対向していることを特徴とするLCフィルタ。 - 複数のセラミック層と複数のコイル電極とを積層してなる積層体と、
前記コイル電極を螺旋状に接続してなる、コイル軸方向が同一でかつコイル軸方向に沿って配列された2つのコイルと、
前記積層体の両端面に形成された、前記配列方向の両外側に位置するコイル端部と電気的に接続する外部電極と、を備え、
前記2つのコイルのうち一方のコイルの複数のコイル電極が、他方のコイルの複数のコイル電極とセラミック層を介して互いに対向していることを特徴とするLCフィルタ。 - 複数のセラミック層と複数のコイル電極とを積層してなる積層体と、
前記コイル電極を螺旋状に接続してなる、コイル軸方向が同一でかつコイル軸方向に沿って配列された3つのコイルと、
前記積層体の両端面に形成された、前記配列方向の両外側に位置するコイル端部と電気的に接続する外部電極と、を備え、
前記配列方向の上部に位置するコイルの複数のコイル電極が、配列方向の中央に位置するコイルの複数のコイル電極とセラミック層を介して互いに対向し、
前記配列方向の下部に位置するコイルの複数のコイル電極が、配列方向の中央に位置するコイルの複数のコイル電極とセラミック層を介して互いに対向していることを特徴とするLCフィルタ。 - 前記互いに対向しているコイル電極は、コイル軸方向から見て略同一の形状であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のLCフィルタ。
- 前記外部電極は、コイル軸方向と直交する、積層体の両端面に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のLCフィルタ。
- 前記互いに対向しているコイル電極間のセラミック層が高誘電率材料で形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のLCフィルタ。
- 前記それぞれのコイルのうち、他のコイルのコイル電極と対向しているコイル電極は同一の電極幅であり、前記互いに対向しているコイル電極の電極幅が異なることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のLCフィルタ。
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- 2005-08-11 JP JP2005233506A patent/JP2008147709A/ja active Pending
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