JP2008147024A - 電極材料の複合化方法及び電極並びにリチウムイオン電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極活物質と、導電助剤と、溶媒とを湿式法により混合粉砕し、優れた導電性をもつ均質な電極材料を得ることが可能な電極材料の複合化方法、およびこの複合化方法によって得られる電極材料を用いた電極およびリチウムイオン電池を提供する。
【解決手段】本発明の電極材料の複合化方法は、LiFeMe1−yPO(但し、MeはCu、Ce、Mn、Co、Ni、Cr、Mo、Nb、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Yおよび希土類元素から選択された少なくとも1種、0<X<2、0<y<1)で表される電極活物質と、導電助剤と、溶媒とを媒体攪拌型分散装置により混合粉砕し、この混合粉砕物から溶媒を除去する。
【選択図】なし

Description

本発明は、電極材料の複合化方法及び電極並びにリチウムイオン電池に関するものである。
近年、携帯用電子機器やハイブリッド自動車等に用いるための電池として二次電池の開発が進められている。現在用いられている代表的な二次電池としては、例えば、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池、リチウムイオン電池等が知られている。特に、リチウムイオン電池は、小型化、軽量化、高容量化が可能であり、しかも、高出力、高エネルギー密度であるという優れた特性から、更なる性能向上のために様々な研究が進められている。
リチウムイオン電池は、リチウムイオンを可逆的に脱挿入可能な活物質を有する正電極と、負電極と非水系の電解質として構成されている。リチウムイオン電池の正電極は、正極活物質、導電助剤およびバインダーを含む電極材料より構成され、この電極材料を集電体と呼ばれる金属箔の表面に塗布することにより正電極を形成することができる。
この正極活物質を構成する材料としては、金属酸化物、金属硫化物、あるいはポリマー等が挙げられる。具体的には、例えば、硫化チタン(TiS)、硫化モリブデン(MoS)、セレン化ニオブ(NbSe)、酸化バナジウム(V)等のリチウム非含有化合物、あるいはLiMO(M=Co、Ni,Mn,Feなど)、LiMn等のリチウム複合酸化物等が知られている。
このようなリチウムイオン電池の正極活物質の中でも、特にコバルト酸リチウム(LiCoO)は、高エネルギー密度で高電圧の電池を構成することが可能であるために、リチウムイオン電池の正極活物質として広く用いられている。しかしながら、Coは地球の地殻上に偏って存在し、かつ産出量も少ない希少な資源であるために、調達コストが高く、安定供給も難しいという課題がある。そこで、Co化合物に代わる正極活物質の材料として、地球の地殻上に豊富に、かつ広範囲に存在するために、調達コストが安く、安定供給も可能なNiやMnを用いた正極活物質、例えば、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)等を正極活物質に用いた正電極が実用に供されつつある。
しかしながら、LiNiOを正極活物質に用いた正電極は、理論容量が大きく、かつ高放電電位を有するという特徴があるものの、充放電サイクルを繰り返すことによって、LiNiOの結晶構造が崩壊してしまい、その結果、放電容量の低下、熱安定性の劣化等の課題がある。一方、LiMnは、正スピネル型構造を有し、かつ空間群Fd3mを有することから、リチウム電極に対し4Vクラスの高い電位を有し、しかも合成が容易で、かつ高い電池容量等の優れた特徴を有するために、非常に有望な正極活物質として注目され、実用化がなされている。
このようにLiMnは正極活物質として優れた材料ではあるが、その一方で、高温保存時における容量劣化が大きく、Mnが電解液に溶解してしまい、安定性や充放電サイクル特性が十分でないという課題が残されていた。また、Mn3+のヤーン・テラー歪みにより充放電サイクル特性が劣化するという課題も指摘されている。
そこで、オリビン構造を有する遷移金属、例えばFe、Mn、Co、Niのリン酸化合物を正極活物質として用いたリチウムイオン電池が提案され、特に、資源的に豊富で安価な金属であるFeを用いたLiFePOを正極活物質として用いたリチウムイオン電池が提案されている。このLiFePOは、金属リチウムに対して3.4V程度の電位を示し、充放電可能な正極材料として用いることが考えられている。しかしながら、一方でこのLiFePOを正極活物質として用いたリチウムイオン電池は、充放電時に流せる電流密度が低く、高出力化が困難な点がその実用化を妨げている。
従来より、リチウムイオン電池は正極活物質の電子導電性及びイオン導電性が低いために、電極活物質の電子導電性を向上させることを目的として、電極活物質に導電助剤を添加することが行なわれている。電極活物質に導電助剤を添加する工程では、電極活物質と導電助剤との混合に乾式のボールミル、攪拌翼型混合機などの混合機を用いてきたが、これらの混合機では、導電助剤の分散が十分に行なわれず、電極活物質の導電性の改善が不十分なため、電池の高速充放電時に容量低下を引き起こすという課題があった。
従来の電極活物質と導電助剤との混合方法においては、LiFeMe1−yPO(但し、MeはCu、Ce、Mn、Co、Ni、Cr、Mo、Nb、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Yおよび希土類元素から選択された少なくとも1種、0<X<2、0<y<1)で表される電極活物質と導電助剤との混合(以下、複合化と称する)は、材料合成時に原料を炭化して用いたり、溶媒を使用せず導電助剤と複合化することが一般的であった。
しかしながら、材料合成時に原料を炭化して用いる方法では、導電助剤の状態制御が困難であった。また、溶媒を使用せず導電助剤と複合化を行う方法では、ナノスケールでの均一な複合化を行うことができず十分な効果は得られない。例えば、乾式ボールミルを用いミリング処理を行う方法が挙げられるが(非特許文献1、特許文献1、特許文献2を参照)、乾式による複合化のため、電極活物質と導電助剤とを均一に混合、複合化を行うことは困難である。
特に、特許文献1に記載された炭素複合化方法では、熱分解法を用い炭素複合を行っているが、LiFePOの分解を防止するためには焼成条件や温度条件が限定され、優れた導電性を得ることは困難であった。また、熱分解による炭素複合化ではLiFePO粒子全面が炭素で被覆されるため、抵抗が増加して高出力特性を得ることは困難であった。
このような課題を解決するために、本発明者等は、サンドミルを用いたリチウムイオン電池の電極形成スラリーの製造方法を提案した(特許文献3)。この発明では、電極活物質、導電助剤、バインダーおよび溶媒を、メディアとともに撹拌させてスラリーにする際に、メディアの個数をスラリー1ml中に3500個以上としている。
N. Ravet, J.B. Goodenough, S. Besner, M. Simoneau, P, Hovington, M.Armand, 196th ECS, Honolulu, Hawaii, October 17-22 (1999). 特開2002−75364号公報 特開2001−15111号公報 特開2006−309958号公報
しかしながら、本発明者等が提案した製造方法では、粘結剤であるPVdFが分散を阻害するため、PVdFの高分子鎖が切断され結着力、接着力が低下したり、ビーズの分散性のため高固形分濃度の電極形成スラリーを作製することが困難であったり、粘結剤を添加しているために溶媒を蒸発させて粉末状態にできないなどの課題が残っている。このような課題により、電極材料の均一な複合化は不十分であり、導電性をさらに向上させた電極材料が望まれていた。
本発明は、電極活物質と、導電助剤と、溶媒とを湿式法により混合粉砕し、優れた導電性をもつ均一な電極材料を得ることが可能な電極材料の複合化方法、およびこの複合化方法によって得られる電極材料を用いた電極およびリチウムイオン電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、次の様な電極材料の複合化方法及び電極並びにリチウムイオン電池を提供した。
すなわち、本発明の電極材料の複合化方法は、LiFeMe1−yPO(但し、MeはCu、Ce、Mn、Co、Ni、Cr、Mo、Nb、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Yおよび希土類元素から選択された少なくとも1種、0<X<2、0<y<1)で表される電極活物質と、導電助剤と、溶媒とを湿式法により混合粉砕し、その後、前記溶媒を除去することを特徴とする。
前記電極活物質は、平均粒径が0.03μm以上かつ10μm以下であり、前記導電助剤は、平均粒径が0.001μm以上かつ0.1μm以下であることが好ましい。
前記導電助剤は炭素系導電材を含み、この前記導電助剤の含有率は、前記電極活物質100重量部に対して30重量部以下であることが好ましい。
前記溶媒は、ハンセンの溶解パラメーターにおけるδの値が12.5未満であり、かつ沸点が150℃以下であることが好ましい。
また、本発明の電極は、前記電極材料の複合化方法によって製造された電極材料を用いてなることを特徴とする。
さらに、本発明のリチウムイオン電池は、前記電極を正電極として備えてなることを特徴とする。
本発明の電極材料の複合化方法によれば、LiFeMe1−yPOで表される電極活物質と、導電助剤と、溶媒とを湿式法により混合粉砕し、その後、前記溶媒を除去するので、大電流密度による充放電を実現できるリチウムイオン電池に好適な電極材料ならびにリチウムイオン電池を実現することができる。
また、本発明の電極材料によれば、電極活物質と導電助剤とは、溶媒中で均一に複合化されているので、この電極材料を電極の形成に用いることによって、優れた導電性を有する電極を得ることが可能になる。
さらに、本発明のリチウムイオン電池によれば、電極活物質と導電助剤とが均一に複合化された電極を正電極に用いているので、放電電流が大きくなっても、放電容量を良好に保つことが可能な高性能なリチウムイオン電池を実現することができる。
以下、本発明に係る電極材料の複合化方法、電極およびリチウムイオン電池の最良の形態について説明する。なお、本実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
すなわち、本発明は、
LiFeMe1−yPO(但し、MeはCu、Ce、Mn、Co、Ni、Cr、Mo、Nb、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Yおよび希土類元素から選択された少なくとも1種、0<X<2、0<y<1)で表される電極活物質と、導電助剤と、溶媒とを湿式法により混合粉砕し、その後、前記溶媒を除去する方法である。
本願発明に用いる電極活物質としては、上述したLiFeMe1−yPO(但し、MeはCu、Ce、Mn、Co、Ni、Cr、Mo、Nb、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Yおよび希土類元素から選択された少なくとも1種、0<X<2、0<y<1)で表される組成を持つ物質で、固相法、液相法、気相法などの方法により製造したものが用いられる。電極活物質の形状や大きさに特に制限はないが、電極活物質の粒径が0.03μm以上で、かつ10μm以下が好ましい。
電極活物質の粒径が0.03μm未満では、導電助剤に対する粒径の差が小さくなるので、後述する湿式法による粉砕混合で用いるメディアであるボールまたはビーズを用いて、溶媒中で複合化処理で均一に複合を行うことが困難となる。一方、電極活物質の粒径が10μmを超えると、電極活物質と導電助剤を均一に複合化しても大電流密度による充放電が困難となる。なお、ここで粒径とは、透過型電子顕微鏡、反射型電子顕微鏡、光学顕微鏡などを用いて画像解析法などで測定される平均粒径のことであり、より具体的には、1個の粒子において最小部と最大部の平均値で表される大きさのことである。
導電助剤は、リチウムイオン電池を高出力化するために用いられるもので、炭素系導電助剤が好適に用いられ、この炭素系導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛等が挙げられる。導電助剤の形状や大きさに特に制限はないが、導電助剤の粒径は0.001μm以上、かつ0.1μm以下であることが好ましい。
導電助剤は、電極活物質100重量部に対して30重量部以下の割合で含まれることが好ましい。ここで、導電助剤の割合を30重量部以下とした理由は、導電助剤が30重量部を超えると電極活物質の比率が小さくなり、リチウムイオン電池の容量が小さくなってしまうためである。
なお、導電助剤の粒径を小さくするために、例えば、アミノ基含有有機酸、アミノ基含有有機酸塩、イミノ基含有有機酸、イミノ基含有有機酸塩などからなる分散改良剤を加えても良い。
溶媒としては、ハンセンの溶解パラメーターにおけるδの値が12.5未満のものが好ましく、更に好ましくは12未満である。ここで、ハンセン(Hansen)の溶解度パラメータとは、ヒルデブランド(Hildebrand)によって導入された溶解度パラメータを分散項δd、極性項δp、水素結合項δhの3成分に分割し、3次元空間に表したものであり、以下の式1によって求めることができる。
δ=δd+δp+δh ・・・・(式1)
分散項δdは無極性相互作用を、極性項δpは相極子間力を、水素結合項δhは水素結合力をそれぞれ示す。また、ハンセンの溶解度パラメータのδが12.5以上のものに関しては界面活性剤などの分散改良剤を用いることで、複合化の溶媒として好ましく使用できる。
また、複合化完了後に溶媒を蒸発させるため、使用する溶媒の沸点は150℃以下であることが好ましい。具体的な溶媒の種類としては、例えば、ヘキサン、ベンゼン、キシレン、トルエン、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、ペンタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、アセトニトリル、メチルエチルケトンなどが好ましく挙げられる。このような溶媒と、電極活物質および導電助剤からなる粉末との混合比率は、スラリーの分散状態よりスラリーの固形分濃度が20重量%から70重量%の間となるような比率にすることが好ましい。
本願発明においては、電極活物質と導電助剤とを均一に複合化するために、ハンセン溶解度パラメータδの値が12.5未満の溶媒を用いている。これは、ハンセン溶解度パラメータδの値が12.5を超えた溶媒を使用した場合、電極活物質と導電助剤の混ざりが悪く、複合化が困難となるためである。また、溶媒の沸点は150℃以下が好ましいとしているが、溶媒の沸点が150℃を超えると溶媒の除去が困難となるためである。一方、ハンセン溶解度パラメータのδが12.5以上の溶媒、例えば、水やエタノールなどの溶媒に対しては、界面活性剤などの分散改良剤を含有させることで、電極活物質と導電助剤との混合状態がよく、均一に複合化を行うことができる。
この複合化には、湿式法にて混合粉砕する媒体攪拌型分散装置が用いられる。この媒体攪拌型分散装置は容器内に、前述した電極活物質、導電助剤、溶媒、および複合化の際のメディアとなるボールやビーズを投入し、その後、所定時間稼動させることで、電極活物質及び導電助剤を混合粉砕するが、媒体粒子どうしが衝突する際に、媒体粒子間に電極活物質、導電助剤が捕捉され、衝突による衝撃、せん断作用を受けることにより混合分散するとともに、これら電極活物質及び導電助剤を均一に複合化するものである。
この媒体攪拌型分散装置の例としては、サンドミル、ペイントシェーカー、アトライタ、遊星ボールミル、振動ボールミル、転動ボールミル等が挙げられる。メディアとしては、ガラスビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビーズ、ジルコンビーズ、チタニアビーズなどを好ましく挙げることができる。媒体粒子の直径は、用いる媒体攪拌型分散装置の種類にもよるが、概ね10μm以上、かつ10mm以下であることが好ましい。
このようにして複合化された混合物から溶媒を蒸発させて除去すれば、均一に複合化された電極材料を得ることができる。そして、得られた電極材料を用いて、更に、バインダーや溶剤と混合して、ペーストを作製する。得られたペーストを集電材、例えばアルミニウム(Al)箔に塗布し、乾燥、圧着等を行なうことによって、リチウムイオン電池の正電極として用いることができる。なお、バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の有機バインダーが好適に用いられる。
本発明の電極の拡大模式図を図1(a)に、従来の電極の拡大模式図を図1(b)にそれぞれ示す。従来の電極20では、LiFePOなどの電極活物質粒子21に対してカーボンブラックなどの導電助剤粒子22が凝集して付着し、不均一に複合化された電極材料として集電体23に形成されている。一方で、本発明の電極10では、電極活物質粒子11に対して導電助剤粒子12が凝集せずに均一に分散し、均一に複合化された電極材料として集電体13に形成されている。
本発明の電極10によれば、電極活物質粒子11と導電助剤粒子12とが均一に複合化されているので、リチウムイオン電池の正電極として用いた場合に、優れた導電性によって電流密度が高く高出力が可能なリチウムイオン電池を実現することができる。
以下、実施例1〜5及び比較例1〜4により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
LiFePO(住友大阪セメント社製)を14.25g、平均一次粒径11nmのカーボンブラック(デグサ社製)を0.75g、直径5mmのアルミナボールを50g、溶媒としてトルエンを22.5g混合し、12時間ボールミル処理を行った後、溶媒を蒸発させ、電極材料を得た。
(実施例2)
溶媒にアセトンを用い、実施例1と同様に作製した。
(実施例3)
溶媒にアセトニトリルを用い、実施例1と同様に作製した。
(実施例4)
溶媒に37.5mgのアデカカチオエース(株式会社ADEKA製)を界面活性剤として加えた22.5gのエタノールを用い、実施例1と同様に作製した。
(実施例5)
溶媒に37.5mgのアデカカチオエース(株式会社ADEKA製)を界面活性剤として加えた22.5gの水を用い、実施例1と同様に作製した。
(比較例1)
14.25gのLiFePOと0.75gのカーボンブラックを混合し、電極材料を得た。
(比較例2)
14.25gのLiFePOと0.75gのカーボンブラック、直径5mmのアルミナボールを50g混合し、乾式で12時間ボールミル処理を行い電極材料を得た。
(比較例3)
溶媒にエタノールを用い、実施例1と同様に作製した。
(比較例4)
溶媒に水を用い、実施例1と同様に作製した。
「リチウムイオン電池の作製」
実施例1にて得られた正極活物質スラリーを、厚みが30μmのアルミニウム(Al)箔上に塗布し、その後、真空乾燥機を用いて真空乾燥し、その後、圧着し、正極(正の電極)とした。次いで、乾燥Ar雰囲気下にてステンレススチール(SUS)製の2016コイン型セルを用いて、実施例1のリチウムイオン電池を作製した。
なお、負極には金属Liを、セパレーターには多孔質ボリプロピレン膜を、電解質溶液には1mol/LのLiPF6溶液を、それぞれ用いた。このLiPF6溶液の溶媒としては、炭酸エチレンと炭酸ジエチルとの比が1:1のものを用いた。
また、実施例2〜5及び比較例1〜4それぞれの電極材料を用い、実施例1のリチウムイオン電池と全く同様にして、実施例2〜5及び比較例1〜4のそれぞれのリチウムイオン電池を作製した。
そして、それぞれのリチウムイオン電池の放電レートを0.1C,1C,2C,3C,5Cおよび8Cに設定した時の放電容量を測定した。このような実施例1〜5および比較例1〜4の測定結果を表1および図2に示す。
Figure 2008147024
表1および図2に示す測定結果によれば、比較例1〜4では、放電レートが高まるにつれて、放電容量が大幅に低下していくが、実施例1〜5では、放電レートが高まっても放電容量の低下は緩やかであり、本発明の電極材料の複合化方法によって形成された電極を用いれば、電流密度が高く、高出力が可能なリチウムイオン電池を実現することが可能になることが確認された。
例えば、本実施例では、電極材料自体の挙動をデータに反映させるため、負極に金属Liを用いたが、炭素材料、Li合金、LiTi12等の負極材料を用いてもかまわない。また電解液とセパレータの代わりに固体電解質を用いても良い。
本発明、および従来の電極を概念的に示す拡大模式図である。 本発明の検証結果を示すグラフである。
符号の説明
10 電極、11 電極活物質粒子、12 導電助剤粒子、13 集電体、20 電極、21 電極活物質粒子、22 導電助剤粒子、23 集電体。

Claims (6)

  1. LiFeMe1−yPO(但し、MeはCu、Ce、Mn、Co、Ni、Cr、Mo、Nb、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Yおよび希土類元素から選択された少なくとも1種、0<X<2、0<y<1)で表される電極活物質と、導電助剤と、溶媒とを湿式法により混合粉砕し、その後、前記溶媒を除去することを特徴とする電極材料の複合化方法。
  2. 前記電極活物質は、平均粒径が0.03μm以上かつ10μm以下であり、前記導電助剤は、平均粒径が0.001μm以上かつ0.1μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電極材料の複合化方法。
  3. 前記導電助剤は炭素系導電材を含み、この前記導電助剤の含有率は、前記電極活物質100重量部に対して30重量部以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電極材料の複合化方法。
  4. 前記溶媒は、ハンセンの溶解パラメーターにおけるδの値が12.5未満であり、かつ沸点が150℃以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電極材料の複合化方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電極材料の複合化方法によって製造された電極材料を用いてなることを特徴とする電極。
  6. 請求項5に記載の電極を正電極として備えてなることを特徴とするリチウムイオン電池。

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