JP2016091638A - リチウムイオン二次電池用負極材、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極材、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】入出力特性及びエネルギー密度に優れる負極を形成可能なリチウムイオン二次電池用負極材、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】レーザー回折法によって測定した粒度の体積累積分布(%)において、粒子径の小さい方から10%となるときの粒子径D10(μm)と、粒子径の小さい方から50%となるときの粒子径D50(μm)と、粒子径の小さい方から90%となるときの粒子径D90(μm)とが式(1)及び式(2)を満たし、かつタップ密度T(g/cm)が式(3)を満たす非晶質炭素粒子である、リチウムイオン二次電池用負極材:(1)D90/D10≦10.0、(2)3.0≦D50≦20.0、(3)D50×0.018+0.42≦T。
【選択図】なし

Description

本発明はリチウムイオン二次電池用負極材、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池に関する。
近年、地球環境及び省エネルギーへの意識の高まりを受けて、環境対応自動車としてハイブリッド車(Hybrid Electric Vehicle、HEV)、プラグインハイブリッド車(Plug−in Hybrid Electric Vehicle、PHEV)、電気自動車(Electric Vehicle、EV)の需要が増加している。これらの環境対応自動車に搭載する電池として、鉛蓄電池、ニッケル水素電池等の従来の電池に比べて長寿命かつ高容量であるリチウムイオン二次電池が注目されている。
環境対応自動車の走行距離の向上のためにはリチウムイオン二次電池にはより一層の小型軽量化が求められる。また、発進と停止を繰り返す際に必要となる大きな電力を短時間(秒単位)で発生させ、回収する機構のためには、高入出力特性が要求される。
リチウムイオン二次電池は、正極、負極、セパレータ、電解液等の構成部材から成り立ち、その中でも負極はリチウムイオン二次電池の電池特性を決定づける最も重要な構成部材の一つである。負極の材料としては炭素材料が一般に用いられており、炭素材料は黒鉛系の炭素材料と非晶質系の炭素材料とに大別される。
黒鉛系の炭素材料は炭素原子の六角網面が規則正しく積層した構造を有し、高容量化及び高密度化が達成できるというメリットがある。一方、積層した網面の端部のみからリチウムイオンの挿入脱離が進行して充放電が行われるため、入出力特性が低いという性質がある。また、結晶性が高いため、電解液との反応性が高く、リチウムイオン二次電池の寿命特性が悪化するという問題もある。
一方、非晶質系の炭素材料は結晶性が低いため電池の不可逆容量が大きく、比重が小さいため、電池のエネルギー密度に関しては、黒鉛よりも劣っている。しかし、結晶性が低いために入出力特性が高く、電解液との反応が抑制されるために黒鉛よりも寿命特性に優れるという性質がある。
環境対応自動車の中でも普及率の高いHEV等においては、高エネルギー密度化よりも高入出力化が重視される。このような高入出力化が求められる用途においては、リチウムイオン二次電池の負極材としては黒鉛系の炭素材料よりも非晶質系の炭素材料のほうが有利となる。
非晶質系の炭素材料には、2500℃以上の高温で熱処理を行っても結晶が発達しにくい難黒鉛化炭素(ハードカーボン)と、結晶が発達しやすい易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)の二種類がある。ハードカーボンは原料価格が高い、晶質化防止工程が必要になる等の理由により自動車用途に適用するにはコストがかかるという問題があるため、ソフトカーボンが注目されている。
しかしながら、粒度調整等のために粉砕した直後のソフトカーボンは比表面積が大きく、電解液との反応性が高くなってしまうため、充放電効率及びサイクル特性に向上の余地がある。そのため、等方性ピッチ等を被覆前駆体とした炭素層でソフトカーボンの表面を覆うことで上記の課題を解決する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜5)。
特許第5333963号 特許第5320645号 特開2006−324237 国際公開第2011/105444号 特開2011−175919
特許文献1及び2に記載されている方法によって等方性ピッチ等を前駆体として厚みが50nm以上である被膜炭素層を形成した負極材の評価を行ったところ、低温での抵抗の増大、電極密度の低下による電池のエネルギー密度の低下等の課題があることがわかった。また、電極の作製時に粒子の凝集が発生するという課題があることも明らかになった。一方、特許文献3〜5に記載されているように炭素被覆の割合を低減させると不可逆容量は低下するが、入出力特性を向上させるために小粒径化(平均粒子径20μm以下)を行うとタップ密度が低下し、エネルギー密度(電極密度)が低下するというトレードオフの関係にあることがわかった。
このように、非晶質系の炭素材料を用いるものでありながら入出力特性とエネルギー密度の両方に優れるリチウムイオン二次電池用負極材の開発が求められている。そこで本発明は、入出力特性及びエネルギー密度に優れる負極を形成可能なリチウムイオン二次電池用負極材、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1>レーザー回折法によって測定した粒度の体積累積分布(%)において、粒子径の小さい方から10%となるときの粒子径D10(μm)と、粒子径の小さい方から50%となるときの粒子径D50(μm)と、粒子径の小さい方から90%となるときの粒子径D90(μm)とが下式(1)及び下式(2)を満たし、かつタップ密度T(g/cm)が下式(3)を満たす非晶質炭素粒子である、リチウムイオン二次電池用負極材。
(1)D90/D10≦10.0
(2)3.0≦D50≦20.0
(3)D50×0.018+0.42≦T
<2>前記非晶質炭素粒子がさらに下式(4)を満たす、<1>に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
(4)5.0≦D50≦12.0
<3>前記非晶質炭素粒子のラマンスペクトル測定において求められるR値が0.70以上1.40未満である、<1>又は<2>に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
<4>前記非晶質炭素粒子の77Kでの窒素吸着測定から求められる比表面積が1.0m/g以上7.0m/g未満である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
<5>前記非晶質炭素粒子の真密度が2.00g/cm以上2.24g/cm未満である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
<6>前記非晶質炭素粒子の表面の少なくとも一部に炭素層を有する<1>〜<5>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
<7>前記炭素層の厚みが1nm以上50nm未満である<6>に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
<8><1>〜<7>のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材を含む、リチウムイオン二次電池用負極。
<9><8>に記載のリチウムイオン二次電池用負極と、正極と、電解質とを含むリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、入出力特性及びエネルギー密度に優れる負極を形成可能なリチウムイオン二次電池用負極材、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池が提供される。
負極材の粒子径D50(μm)とタップ密度T(g/cm)との関係を示す図である。 実施例及び比較例の負極材の粒子径D50(μm)とタップ密度T(g/cm)との関係を示す図である。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。本明細書において「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構成に加え、一部に形成されている形状の構成も包含される。
<リチウムイオン二次電池用負極材>
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材(以下、単に「負極材」ともいう)は、レーザー回折法によって測定した粒度の体積累積分布(%)において、粒子径の小さい方から10%となるときの粒子径D10(μm)と、粒子径の小さい方から50%となるときの粒子径D50(μm)(以下、D50は平均粒子径ともいう)と、粒子径の小さい方から90%となるときの粒子径D90(μm)とが下式(1)及び下式(2)を満たし、かつタップ密度T(g/cm)が下式(3)を満たす非晶質炭素粒子である。
(1)D90/D10≦10.0
(2)3.0≦D50≦20.0
(3)D50×0.018+0.42≦T
本発明において非晶質炭素とは、X線回折装置(XRD)で測定される炭素002面の面間隔d002が3.40Å以上である炭素を意味する。炭素002面の面間隔d002は、X線(CuKα線)を試料に照射し、回折線をゴニオメーターにより測定して得た回折プロファイルより回折角2θ=24°〜26°付近に現れる炭素002面に対応した回折ピークより、ブラッグの式を用いて算出することができる。また、上記炭素002面の面間隔d002はX線回折装置に付属の解析ソフトによって自動的に算出することもできる。炭素002面の面間隔d002は、例えば、負極材への熱処理温度を調整することにより調節することができる。
本発明の負極材は、非晶質炭素材料でありながら、入出力特性とエネルギー密度の両方に優れる負極を形成することができる。その理由は明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。すなわち、本発明の負極材は、例えば、非晶質炭素粒子の性状(表面の状態等)により、負極材の粒子径を小さくしてもタップ密度の低下が抑制され、電極密度を高くすることができ、これまでの非晶質炭素材料を用いた負極材では達成できなかった入出力特性とエネルギー密度の両方に優れる負極を形成可能なリチウムイオン二次電池用負極材が得られると考えられる。
本発明の負極材である非晶質炭素粒子は、レーザー回折法によって測定した粒度の体積累積分布(%)において、粒子径の小さい方から10%となるときの粒子径D10(μm)と、粒子径の小さい方から90%となるときの粒子径D90(μm)とが下式(1)を満たす。
(1)D90/D10≦10.0
非晶質炭素粒子のD90/D10の値が10.0を超えていると、粒度分布が広すぎて比表面積が大きすぎ、充放電効率が低下する傾向にある。また、充分に高いタップ密度が得られず、電極密度が不充分となりエネルギー密度が低下する傾向にある。
90/D10の値は、例えば、解砕、粉砕、分級、篩分け等の処理により、微粉及び粗大粉の存在割合を調整することで制御することができる。なお、これらの処理は、負極材として作製された非晶質炭素粒子に対して施してもよく、非晶質炭素粒子の作製過程において、原料に対して施してもよい。
非晶質炭素粒子のD90/D10の値は2.0以上であることが好ましい。D90/D10の値が2.0以上であると、過度な分級によるコスト増大を有効に抑制することができる。非晶質炭素粒子のD90/D10の値は2.5〜8.0であることがより好ましく、3.0〜7.0であることがさらに好ましい。非晶質炭素粒子のD90/D10が2.5以上であると、粒子と粒子との間の接触点の低下による抵抗の増大を有効に抑制でき、8.0以下であると比表面積の増大に伴う充放電効率の低下を有効に抑制できる。
本発明の負極材である非晶質炭素粒子は、レーザー回折法によって測定した粒度の体積累積分布(%)において、粒子径の小さい方から50%となるときの粒子径D50(μm)が下式(2)を満たす。
(2)3.0≦D50≦20.0
非晶質炭素粒子のD50が3.0μm未満であると、充分なタップ密度の低下抑制効果が得られない。また、粒子が細かすぎて、集電体との密着性が不充分となる場合がある。D50が20.0μmを超えると、充分な入出力特性の向上効果が得られない。また、低温(例えば、0℃以下)での抵抗が増大する場合がある。入出力特性とエネルギー密度のバランスにより優れる負極材を得るという観点からは、D50は4.0μm〜15.0μmであることが好ましく、5.0μm〜12.0μmであることがより好ましい。
50の値は、例えば、解砕、粉砕、分級、篩分け等により制御することができる。
負極材の体積粒度分布(D10、D50及びD90)は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−3000J、株式会社島津製作所)等を用いて測定することができる。
本発明の負極材である非晶質炭素粒子は、タップ密度T(g/cm)が下式(3)を満たす。
(3)D50×0.018+0.42≦T
本発明者らは、非晶質炭素粒子のタップ密度TとD50の相関関係を検証した結果、タップ密度TとD50が式(3)の条件を満たす非晶質炭素粒子が高入出力化と高エネルギー密度化をともに実現するものであることを見出した。すなわち、非晶質炭素粒子のD50の値を小さくするほど入出力特性は向上する傾向にあるが、その一方でタップ密度Tが低下する傾向にある。このため、負極材としての入出力特性の向上と、エネルギー密度の向上と、はトレードオフの関係にある。非晶質炭素粒子のタップ密度TとD50の相関関係を特定の領域に調整する(非晶質炭素粒子のタップ密度TとD50が式(3)を満たすようにする)ことにより、このようなトレードオフの関係においても、負極材としての入出力特性とエネルギー密度とのバランスが優れていることを見出した。
非晶質炭素粒子のタップ密度TとD50が式(3)の条件を満たさない(図1の「1」で示す領域にある)ことは、負極材としての入出力特性とエネルギー密度のバランスがとれていないことを意味し、非晶質炭素粒子のタップ密度TとD50が式(3)の条件を満たす(図1の「2」で示す領域にある)ことは、負極材としての入出力特性とエネルギー密度のバランスがとれていることを意味する。入出力特性とエネルギー密度のバランスにより優れる負極材を得るという観点からは、非晶質炭素粒子のタップ密度TとD50が下式(4)の条件を満たすことが好ましい。
(4)D50×0.018+0.45≦T
高いエネルギー密度が得られる観点からは、非晶質炭素粒子のタップ密度Tは0.45g/cm以上であることが好ましく、0.50g/cm以上であることがより好ましい。また、非晶質炭素粒子のタップ密度Tは1.20g/cm以下であることが好ましく、1.00g/cm以下であることがより好ましい。
本発明における非晶質炭素粒子のタップ密度Tは、150mlのシリンダーに負極材をゆっくり100ml±1ml充填し、質量を測定した後、シリンダーを5cmの高さから250回落下させた後に測定した体積から算出した値(g/cm)である。タップ密度Tは、非晶質炭素粒子の作製において必要に応じて行われる核材への炭素層形成、複合化、造粒、解砕、分級、篩い分け等の条件を変更することで制御することができる。
非晶質炭素粒子のラマンスペクトル測定において求められるR値は、0.70以上1.40未満であることが好ましい。R値が0.70以上であると、結晶性が高すぎず入出力特性の低下が有効に抑制される傾向にある。R値が1.40未満であると、結晶性が低すぎずに粒子が硬くなりすぎず、電極密度の低下によるエネルギー密度の低下が有効に抑制される傾向にある。R値は0.75以上1.20未満であることがより好ましい。R値が0.75以上であると充電時のリチウムイオンの挿入による電極の膨張の増大が有効に抑制される傾向にある。R値が1.20未満であると、不可逆容量の増大によるエネルギー密度の低下が有効に抑制される傾向にある。
非晶質炭素粒子のR値は、例えば、顕微レーザーラマン分光装置(DXR Raman microscope、Thermo Fisher Scientific社)等で測定することができる。測定条件としては、レーザー波長を532nm、レーザー出力を2mW、露光時間を2秒、露光回数を4回とすることができる。R値はラマン測定によって得られたスペクトルから、1570cm−1〜1620cm−1の範囲に検出されたピークIgと、1330cm−1〜1360cm−1の範囲に検出されたピークIdの強度比から算出される(R値=Id/Ig)。本明細書に記載のR値は、多点測定によって25点測定して得られた各々のR値の平均値である。非晶質炭素粒子のR値は非晶質炭素粒子の原料の選択、後述する炭素層の形成条件、炭素層の前駆体の選択、炭素層の厚みの調整等によって制御することができる。
非晶質炭素粒子の77Kでの窒素吸着測定から求められる比表面積は、1.0m/g以上7.0m/g未満であることが好ましい。比表面積が1.0m/g以上であると低温時の抵抗の増大を有効に抑制でき、7.0m/g未満であると粒子と電解液との反応による不可逆容量の増大がより抑制される傾向にある。非晶質炭素粒子の比表面積は、1.2m/g以上5.5m/g未満であることがより好ましい。比表面積が1.2m/g以上であると低温時の抵抗の増大がより抑制される傾向にあり、5.5m/g未満であると高温保存時の容量の低下がより抑制される傾向にある。本発明における非晶質炭素粒子の比表面積は、77Kでの窒素吸着測定から得た吸着等温線からBET法を用いて求めた値である。
非晶質炭素粒子の真密度は、2.00g/cm以上2.24g/cm未満であることが好ましい。真密度が2.00g/cm以上であると、不可逆容量が増大してエネルギー密度が低下するのが有効に抑制される傾向にあり、2.24g/cm未満であると入出力特性の低下が有効に抑制される傾向にある。本発明における非晶質炭素粒子の真密度は、ブタノールを用いたピクノメーター法により求めた値である。
非晶質炭素粒子は、核となる非晶質炭素粒子と、核となる非晶質炭素粒子の表面の少なくとも一部に存在し、核となる非晶質炭素粒子とは結晶性が異なる炭素(以下、炭素層とも称する)を有する構造を有していることが好ましい。非晶質炭素粒子が表面の少なくとも一部に炭素層を有していることで、電解液との反応が抑制され、充放電効率及びサイクル特性が向上する傾向にある。
非晶質炭素粒子が炭素層を有している場合、非晶質炭素粒子の結晶性よりも炭素層の結晶性の方が低いことが好ましい。炭素層の結晶性が非晶質炭素粒子の結晶性よりも低いことで、リチウムイオンの挿入及び脱離が容易になり、入出力特性が向上する傾向にある。
非晶質炭素粒子が炭素層を有している場合、炭素層の厚みは1nm以上50nm未満であることが好ましい。炭素層の厚みが1nm以上であると、核となる非晶質炭素粒子の表面を充分に被覆することができ、非晶質炭素粒子の表面の炭素層が存在しない部分と電解液との反応による不可逆容量の増大が充分に抑制される傾向にある。炭素層の厚みが50nm未満であると、結晶性の低い炭素層が表面に多すぎることによる低温での抵抗の増大が充分に抑制される傾向にある。炭素層の厚みは2nm以上35nm未満であることがより好ましい。炭素層の厚みが2nm以上であると、核となる非晶質炭素粒子の結晶性の影響を受けにくく、電解質との反応が充分に抑制され、充放電効率及びサイクル特性が向上する傾向にある。また、炭素層の厚みが35nm未満であると、結晶性の低い炭素層が多すぎて粒子が硬くなることにより電極密度が多少低下し、エネルギー密度が低下するのが充分に抑制される傾向にある。
非晶質炭素粒子が炭素層を有している場合の炭素層の厚みは、例えば、透過型電子顕微鏡により粒子を観察することにより測定することができる。透過型電子顕微鏡としては、具体的には、走査透過電子顕微鏡(HD−2700、株式会社日立ハイテクノロジーズ)、電界放出形透過電子顕微鏡(JEM−2100F、日本電子株式会社)等が挙げられる。なお、透過型電子顕微鏡で観察する場合は、FIB(集束イオンビーム、Focused Ion Beam)加工等により得られる非晶質炭素粒子の断面を観察してもよい。本明細書では、非晶質炭素粒子の内部に浸透した炭素部分、及び非晶質炭素粒子を造粒又は複合化する場合に生じる粒子の接合部分に存在する炭素部分を除き、非晶質炭素粒子の表面に位置する炭素部分の厚さを任意の5点で測定して得た平均値を炭素層の厚さとする。
(負極材の製造方法)
本発明の負極材の製造方法は、D10、D50及びD90とタップ密度Tが上述の式(1)〜(3)を満たす非晶質炭素粒子を得られるものであれば特に制限されない。式(1)〜(3)を満たす非晶質炭素粒子の製造方法としては、非晶質炭素粒子にせん断力等の力を加える工程を含む方法を挙げることができる。非晶質炭素粒子にせん断力等の力を加える工程として具体的には、非晶質炭素粒子同士をすり合わせる工程等を挙げることができる。非晶質炭素粒子同士をすり合わせる方法として具体的には、非晶質炭素粒子と必要に応じて含まれるその他の材料との混合物を回転翼を配置したシリンダー内に投入し、シリンダーの内壁と回転翼との間で混合物をすり合わせる方法、加熱ニーダーを用いて混合物を撹拌及び混練する方法、流動層中にて混合物を衝突させすり合わせる方法等を挙げることができる。
非晶質炭素粒子同士をすり合わせる方法を備えた装置の例としては、高速せん断型複合機(ホソカワミクロン株式会社)、乾式粒子複合化装置(ホソカワミクロン株式会社)、高速パドルミキサー(MIX s.r.l社)、流動層造粒装置(株式会社パウレック)等が挙げられる。
非晶質炭素粒子の表面の少なくとも一部に炭素層を形成する場合、非晶質炭素粒子にせん断力等の力を加える工程は、非晶質炭素粒子の表面に炭素前駆体としての有機化合物を付着させる工程と一括して行ってもよい。具体的には、例えば、非晶質炭素粒子と有機化合物とを含む混合物を回転翼を配置したシリンダー、加熱ニーダー等の装置内に投入し、複合化処理を行うことで、非晶質炭素粒子にせん断力等の力を加えつつ、非晶質炭素粒子の表面に有機化合物を付着させることができる。
非晶質炭素粒子を作製する方法は特に制限されない。例えば、熱可塑性樹脂、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、コールタール、タールピッチ等の原料を800℃以上の不活性雰囲気でカ焼し、次いでこれをハンマーミル、ピンミル、振動ミル、ジェットミル等を用いて粉砕し、所望の平均粒子径を有するように調整することで作製することができる。また、カ焼する前の原料に対して予め熱処理を施してもよい。熱処理を施す場合は、例えば、オートクレーブ等の機器により予め原料に対して熱処理を行い、既知の方法にて粗粉砕した後、上記と同様に800℃以上の不活性雰囲気中でカ焼し、その後粉砕して粒度を調整することで非晶質炭素粒子を得ることができる。非晶質炭素粒子は、ソフトカーボンであってもハードカーボンであってもよい。コストの観点からは、ソフトカーボンであることが好ましい。
非晶質炭素粒子が表面の少なくとも一部に炭素層を有する場合、炭素層を形成する方法は特に制限されない。例えば、熱処理により炭素質を残す有機化合物(炭素前駆体)を非晶質炭素粒子の表面に付着させた後、不活性雰囲気中で熱処理して有機化合物を炭素化することにより、非晶質炭素粒子の表面の少なくとも一部に炭素層を形成することができる。
熱処理により炭素質を残す有機化合物(炭素前駆体)は特に制限されない。例えば、エチレンヘビーエンドピッチ、原油ピッチ、コールタールピッチ、アスファルト分解ピッチ、ポリ塩化ビニル等を熱分解して生成するピッチ;ナフタレン等を超強酸存在下で重合させて作製される合成ピッチなどを使用できる。また、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール等の熱可塑性の材料;フェノール樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性の材料なども用いることができる。
有機化合物と接触させた非晶質炭素粒子の熱処理条件は、有機化合物の炭素化率を考慮して適宜決定すればよく、特に制限されない。例えば、不活性雰囲気下で800℃〜1300℃の範囲で熱処理を行うことが好ましい。熱処理の温度が800℃以上であると、有機物の焼成が充分進み、比表面積が増加しすぎることによる初回の不可逆容量の増大を抑制できる傾向にある。熱処理の温度が1300℃以下であると、比表面積が過剰に低下することによる抵抗の上昇を抑制できる傾向にある。不活性雰囲気としては、窒素、アルゴン、ヘリウム等の雰囲気が挙げられる。
非晶質炭素粒子の表面の少なくとも一部に炭素層を形成する方法として具体的には、有機化合物を溶媒に溶解又は分散させた中に非晶質炭素粒子を添加した後、得られた混合液を加熱して溶媒を除去する方法(湿式法)、非晶質炭素粒子と有機化合物とをそれぞれ固体の状態で混合し、得られた混合物にせん断力を加えながら混練する方法(乾式法)、CVD法等の気相中で炭素層を形成する方法(気相法)などが挙げられる。タップ密度向上及び粒度分布調整の観点からは、湿式法又は乾式法が好ましい。
上記の方法の中でもコスト及び製造プロセス低減の観点からは、乾式法が好ましい。さらに、乾式法によれば、非晶質炭素粒子の表面の少なくとも一部に有機化合物を付着させる工程と、非晶質炭素粒子にせん断力等の力を加える工程とを一括して行うことができるという点でも有利である。
上記工程を経て得られた非晶質炭素粒子は、必要に応じて、解砕処理、分級処理、篩い分け処理等を行い、最適な粒度分布に調整される。これにより、本発明の負極材を得ることができる。
<リチウムイオン二次電池用負極>
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、本発明の負極材と、必要に応じてその他の成分と、を含む。その他の成分としては、結着剤、添加剤等を挙げることができる。添加剤としては増粘剤、導電補助剤等を挙げることができる。
結着剤としては、スチレン−ブタジエン共重合体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸をモノマーとして得られるアクリル系重合体;ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリエピクロロヒドリン、ポリフォスファゼン、ポリアクリロニトリル等のイオン導電性の大きい高分子化合物などが挙げられる。結着剤は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。結着剤の量は特に制限されないが、負極材と結着剤の合計100質量部に対して1質量部〜20質量部であることが好ましい。上記(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロニトリルはアクリロニトリル又はメタクリロニトリルを意味する。
増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸のナトリウム塩、アルギン酸、アルギン酸のナトリウム塩、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。増粘剤は1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電補助剤としては、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック(アセチレンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック等)、導電性を示す酸化物、導電性を示す窒化物などが挙げられる。導電補助剤を含むことで、電極としての導電性をより向上させることができる。導電補助剤は1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
増粘剤、導電補助剤等の添加剤の使用量は、リチウムイオン二次電池の特性を低下させない範囲であれば特に限定されないが、負極材と添加剤の総量に対して0.1質量%以上10.0質量%未満であること好ましい。
リチウムイオン二次電池負極の作製方法は特に制限されない。例えば、負極材と、結着剤と、必要に応じて添加される各種添加剤と、溶剤とを含むペースト状の負極材スラリーを作製し、得られた負極材スラリーを集電体の上に塗布し、乾燥し、必要に応じてロールプレス等の成形法により圧縮成形することで作製することができる。その他、ペースト状の負極材スラリーをシート状、ペレット状等に成形し、これをロールプレス等の成形法により集電体と一体化することで作製することもできる。
負極材スラリーは、例えば負極材スラリーを構成する成分を、撹拌機、ボールミル、スーパーサンドミル、加圧ニーダー等を用いて撹拌して混練し、さらに必要に応じて粘度を調整することで調製することができる。
負極材スラリーの調製に用いられる溶剤は、結着剤を溶解又は分散可能な溶剤であれば特に制限されない。例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン等の有機溶媒を例示することができる。溶剤の使用量は、負極材スラリーをペースト等の所望の状態にできれば特に制限されない。例えば、負極材100質量部に対して60質量部以上150質量部未満とすることができる。
集電体の種類、形状等は特に制限されず、目的に応じて選択することができる。例えば、アルミニウム箔、ニッケル箔、銅箔、アルミニウムメッシュ、ニッケルメッシュ、銅メッシュ等を挙げることができる。
負極材スラリーを集電体に塗布する方法は特に制限されず、公知の方法を適宜選択することができる。具体的には、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。負極材ペーストの塗布量は特に制限されず、目的に応じて選択することができる。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池は、本発明のリチウムイオン二次電池用負極と、正極と、電解質(好ましくは電解液)とを含む。リチウムイオン二次電池は、負極と正極とをセパレータを介して対向するように配置し、電解液を注入することにより得ることができる。
正極は、負極と同様にして、集電体の表面上に正極活物質及び必要に応じて含まれる増粘剤、導電補助剤等の添加剤を含む正極材層を形成することで作製される。
正極活物質は特に制限されず、必要に応じて適宜選択することができる。例えば、リチウムと、鉄、コバルト、ニッケル及びマンガンからなる群より選ばれる1種以上の金属と、を少なくとも含有するリチウム含有金属複合酸化物が好ましい。リチウム含有金属複合酸化物として具体的には、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物等が挙げられる。
リチウム含有金属複合酸化物としては、さらに、Al、V、Cr、Fe、Co、Sr、Mo、W、Mn、B及びMgからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属で、リチウムサイト、又は、マンガン、コバルト、ニッケル等のサイトを置換したリチウム含有金属複合体も使用することができる。正極活物質は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正極は、正極活物質と、結着剤と、結着剤を溶解または分散可能な溶剤と、必要に応じて添加される添加剤とを含む正極材スラリーを集電体の少なくとも一方の面に塗布し、次いで溶剤を乾燥して除去し、必要に応じて圧延して作製することができる。
結着剤、溶剤、添加剤及び集電体としては、リチウムイオン二次電池用負極の項で例示したものを同様に用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池に用いられる電解質は特に制限されず、公知のものを用いることができる。例えば、電解質を有機溶剤に溶解させた電解液を用いることにより、非水系リチウムイオン二次電池を製造することができる。
電解質としては、LiPF、LiClO、LiBF、LiClF、LiAsF、LiSbF、LiAlO、LiAlCl、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO、LiCl、LiI等を挙げることができる。
有機溶剤としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶剤;γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤;1,2−ジメトキシエタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等の鎖状エーテル系溶剤;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン等の環状エーテル系溶剤;スルホラン等のスルホラン系溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤;ジエチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール系溶剤などが挙げられる。有機溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
セパレータとしては、公知の各種セパレータを用いることができる。例えば、紙製、ポリプロピレン製、ポリエチレン製、ガラス繊維製、セラミック製等のセパレータが挙げられる。
本発明のリチウムイオン二次電池の作製方法は、本発明のリチウムイオン二次電池用負極を用いること以外は特に制限はなく、公知の正極、リチウムイオン二次電池用電解液、セパレータ等の材料を用いて、公知の方法により作製することができる。
リチウムイオン二次電池の構造は特に制限されず、用途に応じて選択することができる。例えば、正極、負極及びセパレータを積層して扁平渦巻状に巻回した構造、正極、負極及びセパレータの平板状の積層体を外装体中に封入した構造等が一般的である。
本発明のリチウムイオン二次電池は特に限定されないが、ペーパー型電池、ボタン型電池、コイン型電池、積層型電池、円筒型電池、角型電池等として使用される。
本発明のリチウムイオン二次電池は入出力特性及びエネルギー密度に優れるため、高入出力特性が要求される電気自動車、ハイブリッド自動車、パワーツール、産業用蓄電池等にも好適に使用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材は、リチウムイオン二次電池以外の用途にも適用することができる。すなわち、リチウムイオンを挿入脱離することを充放電機構とする電気化学装置(例えば、ハイブリッドキャパシタ)等にも適用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。実施例及び参考例で用いた材料は、以下に記載される方法で作製又は以下に記載される入手先より入手したものである。また、「%」は質量基準である。
<実施例1>
(1)負極材の作製及び各種特性の測定
(1−1)負極材の作製
石炭系コールタールを、オートクレーブを用いて400℃で熱処理し、生コークスを得た。この生コークスを粉砕した後、1200℃の不活性雰囲気中でカ焼し、コークス塊を得た。このコークス塊を分級機付きの衝撃粉砕機を用いて、粉砕及び分級後のコークス塊の平均粒子径(D50)が7μm付近となるように粉砕及び分級を行った。次いで、D90/D10の値が2〜10の範囲に収まるように微紛を除去し、粉砕及び分級後のコークス塊の体積粒度分布を調整した。その後、300メッシュの篩にて粗粉を除去して非晶質炭素粒子(核材)を作製した。
上記工程で得た非晶質炭素粒子100質量部と、コールタールピッチ(軟化点98℃、残炭率50%)9質量部を混合して混合物を得た。この混合物を、シリンダー内に回転翼が配置され、シリンダーの内壁と回転翼の間で混合物をすり合わせることによって複合化を行う装置(乾式粒子複合化装置)に投入し、密閉した。次いで、24kWの負荷で20分間混合物をすり合わせる処理を行うことで、コールタールピッチが表面に付着した炭素複合体を作製した。
次に窒素雰囲気下、20℃/時間の昇温速度で900℃まで加熱し、900℃で1時間保持することでコールタールピッチを炭素化し、炭素層が表面に形成された非晶質炭素粒子を得た。この非晶質炭素粒子をカッターミルで解砕し、300メッシュの標準篩を通して負極材を作製した。得られた負極材の体積累積分布(D10、D50及びD90)、タップ密度、炭素002面の面間隔d002、結晶性(R値)、炭素層の厚さ、比表面積及び真密度を、後述の方法でそれぞれ測定した。結果を表1に示す。あわせて、D50とタップ密度Tとの関係を図2に示す。図2中の直線は、T=D50×0.018+0.42である。
(1−2)体積累積分布(D10、D50及びD90
体積累積分布は以下の方法によって測定した。
測定試料(5mg)を界面活性剤(エソミンT/15、ライオン株式会社)0.01質量%水溶液中に入れ、振動撹拌機で分散した。得られた分散液をレーザー回折式粒度分布測定装置(SALD3000J、株式会社島津製作所)の試料水槽に入れ、超音波をかけながらポンプで循環させ、レーザー回折式で測定した。測定条件は下記のとおりとした。得られた体積累積分布の粒子径の小さい方から10%になるとき(体積累積10%粒径)をD10(μm)とし、体積累積分布の粒子径の小さい方から50%になるとき(体積累積50%粒子径)をD50(μm)とし、体積累積分布の粒子径の小さい方から90%になるとき(体積累積90%粒子径)をD90(μm)とした。以下、実施例及び比較例において、体積累積分布の測定は同様にして行った。
・光源:赤色半導体レーザー(690nm)
・吸光度:0.10〜0.15
・屈折率:2.00−0.20i
なお、非晶質炭素粒子のD90/D10の値は、上記測定にてD90及びD10をそれぞれ個々に、小数点以下第2位までの値(小数点以下第三位を四捨五入した値)として求め、これらの値からD90/D10を計算して得られる小数点以下第1位までの値(小数点以下第二位を四捨五入した値)とした。
(1−3)タップ密度
150mlのシリンダーに試料をゆっくり100ml±1mlとなるように充填し、質量を測定した。その後、シリンダーを5cmの高さから250回落下させた後に測定した体積からタップ密度T(g/cm)を算出した。
(1−4)炭素002面の面間隔d002
炭素002面の面間隔d002は以下の方法によって測定した。
試料を石英製の試料ホルダーの凹部分に充填し、測定ステージにセットした。以下の測定条件においてX線回折装置(MultiFlex(2kW)、株式会社リガク)で測定を行った。なお、炭素002面の面間隔d002は、上記X線回折装置に付属の解析ソフトを用いて算出した。
・線源:CuKα線(波長=0.15418nm)
・出力:40kV、20mA
・サンプリング幅:0.010°
・走査範囲:10°〜35°
・スキャンスピード:0.5°/min
(1−5)結晶性(R値)
結晶性(R値)は、以下の方法によって測定したラマンスペクトルから算出した。
測定装置には、顕微レーザーラマン分光装置(DXR Raman microscope、Thermo Fisher Scientific社)を用いた。測定条件は下記のとおりとした。
・レーザー波長:532nm
・レーザー出力:2mW
・露光時間:2秒
・露光回数:4回
なお、得られたスペクトルの波数は、基準物質インデン(和光一級、和光純薬工業株式会社)を前記と同一条件で測定して得られる各ピークの波数と、インデンの各ピークの波数理論値との差から求めた検量線を用いて補正した。
補正後に得られたラマンスペクトルから、1570cm−1〜1620cm−1の範囲に検出されたピークIgと、1330cm−1〜1360cm−1の範囲に検出されたピークIdの強度比からR値を算出した(R値=Id/Ig)。
(1−5)炭素層の厚さ
炭素層の厚さは以下の方法により測定した。
測定試料を走査透過電子顕微鏡(HD−2700、株式会社日立ハイテクノロジーズ)にて観察し、得られた試料の画像から炭素層の厚さを測定した。測定においては、非晶質炭素粒子の内部に浸透した炭素部分、及び非晶質炭素粒子を造粒又は複合化した際に生じた粒子の接合部分に存在する炭素部分を除き、非晶質炭素粒子の表面に位置する炭素部分の厚さを任意の5点で測定して得た平均値を炭素層の厚さとした。
(1−6)比表面積
比表面積は以下の方法によって測定した。
測定装置には、窒素吸着測定装置(AUTOSORB−1、QUANTACHROME社)を用いた。測定を行う際には、後述する試料の前処理を行った後、測定温度を77Kとし、測定圧力範囲を相対圧(飽和蒸気圧に対する平衡圧力)にて1未満とした。
前処理として、0.05gの試料を投入した測定用セルに、真空ポンプで脱気及び加熱を自動制御で行った。この処理の詳細条件は、10Pa以下に減圧した後、110℃で加熱し、3時間以上保持した後、減圧した状態を保ったまま常温(25℃)まで自然冷却するという設定とした。
(1−7)真密度
真密度は、真密度計装置(マイクロメリティックスアキュピック 1330、株式会社島津製作所)を用いて測定した。
(2)負極の作製
前記(1)で作製した負極材92質量部に対し、固形分が8質量部となるように5質量%のポリフッ化ビニリデン(PVDF)のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液を添加した。次いで、総固形分質量が46質量部になるようにさらにNMPで希釈し、混練してスラリーを作製した。
このスラリーを、塗工機を用いて単位面積当たりの塗布量が6.7mg/cmとなるようにクリアランスを調整したコンマコーターで圧延銅箔上に塗布し、90℃、10分の条件で一次乾燥させた。次いで、105℃、1時間の条件で真空乾燥してNMP及び水分を充分に除去し、電極を作製した。その後、ロールプレス機で負極密度が1.05g/cmとなるように圧縮し、試験負極を作製した。
(3)電池の作製
電池は、下記のとおり、2010型コインセルを作製した。
前記(2)に記載の試験負極を直径14mmの円形に打ち抜いて負極を作製した。
対極としては金属リチウムを用いた。電解液としては、エチレンカーボネート(EC)及びメチルエチルカーボネート(MEC)を体積比3対7の割合で混合した混合溶媒に、LiPFを1mol/Lの濃度となるように溶解させ、これにビニルカーボネートを濃度が0.5質量%となるように添加したものを使用した。セパレータとしては、厚さ20μmのポリエチレン微孔膜を用いた。
(4)評価
(4−1)凝集粒子の評価
前記(2)に記載の負極スラリーをグラインドゲージ(BYK、Gardner社)の深い溝に滴下し、スクレーパーを深さ0μmの方向へ等速度で移動させて、線状痕が最初に発生した位置の目盛りを読み取った。試験数5回の内、目盛りの値が50μm以上となったものが2回以上発生した場合を不良(不良あり、表1中ではYと表示)とし、2回未満を良好(不良なし、表1中ではNと表示)と判断した。
(4−2)電極密度の測定
前記(2)に記載の負極の内、ロールプレス機にて圧縮する前の負極を直径16mmの大きさに打ち抜き、ミニプレス(理研精機株式会社)にて5MPaの圧力で圧縮した。圧縮された電極の質量と厚さを測定し、銅箔の質量と厚さを差し引いた値から電極密度を算出した。試験数3回の平均値をその負極の電極密度とした。本測定においては、電極密度の数値が高いほど、単位体積あたりにより多くの負極材を導入可能であることを示し、エネルギー密度が高いことを示す。
(4−3)初回効率の評価
前記(3)に記載の電池を用いて0.1Cに相当する定電流密度で電池電圧が0V(V vs. Li/Li)になるまで充電を行った後、0Vの定電圧で電流密度が0.01Cに相当する値に減衰するまで充電して、充電時の容量を算出した。充電が完了してから30分間の休止を入れた後、0.1Cに相当する定電流密度で1.5Vまで放電し、放電時の容量を算出した。また、充電時と放電時の容量の比から初回効率(放電容量/充電容量×100、%)を算出した。結果を表1に示す。なお、上記xCは、1/x時間(xは任意の数値)で充電または放電が完了する電流値を意味する。つまり、例えば、上記の「0.1Cに相当する定電流密度」とは(1/0.1)時間で放電が完了する電流値を意味する。
(4−4)充電負荷特性の評価(入出力特性の評価)
前記(3)に記載の電池を用いて0.1Cに相当する定電流密度で電池電圧が0V(V vs. Li/Li)になるまで充電を行った後、0Vの定電圧で電流密度が0.01Cに相当する値に減衰するまで充電した。充電が完了してから30分間の休止を入れた後、0.1Cに相当する定電流密度で1.5Vまで放電した。その後、0.1C、0.5C、1C、3C及び5Cに相当する電流での充電と、0.1Cに相当する電流での放電とを繰り返し、各々のレートでの充電容量を0.1Cにおける充電容量に対する比を算出し、これを入出力特性とした。表1には5Cにて充電した充電容量の0.1Cにおける充電容量に対する比率(%)を入出力特性として示す。
<実施例2>
実施例1の(1)に記載のコールタールピッチをポリビニルアルコール(炭化率14%)32質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして負極材、スラリー、電極及び電池を作製し、同様の測定及び評価を行った。その結果を表1及び図2に示す。
<実施例3>
実施例1の(1)に記載のコークス塊を分級機付きの衝撃粉砕機を用いて、粉砕及び分級後のコークス塊の平均粒子径(D50)が10μm付近となるように粉砕したこと以外は実施例1と同様にして負極材、スラリー、電極及び電池を作製し、同様の測定及び評価を行った。その結果を表1及び図2に示す。
<実施例4>
実施例1の(1)に記載のコールタールピッチを高軟化点のコールタールピッチ(軟化点150℃、残炭率65%)6.9質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして負極材、スラリー、電極及び電池を作製し、同様の測定及び評価を行った。その結果を表1及び図2に示す。
<実施例5>
実施例1の(1)に記載のコールタールピッチを粉末状フェノール樹脂(残炭率61%)7.4質量部に変更したことと、加熱ニーダーを用いて200℃で1時間撹拌、混練して炭素複合体を作製したこと以外は実施例1と同様にして負極材、スラリー、電極及び電池を作製し、同様の測定及び評価を行った。その結果を表1及び図2に示す。
<実施例6>
実施例1の(1)に記載のコークス塊を分級機付きの衝撃粉砕機を用いて、粉砕及び分級後のコークス塊の平均粒子径(D50)が15μm付近となるように粉砕したこと以外は実施例1と同様にして負極材、スラリー、電極及び電池を作製し、同様の測定及び評価を行った。その結果を表1及び図2に示す。
<実施例7>
実施例1の(1)に記載のコークス塊を分級機付きの衝撃粉砕機を用いて、粉砕及び分級後のコークス塊の平均粒子径(D50)が15μm付近となるように粉砕したことと、コールタールピッチをポリビニルアルコール(炭化率14%)32質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして負極材、スラリー、電極及び電池を作製し、同様の測定及び評価を行った。その結果を表1及び図2に示す。
<実施例8>
実施例1の(1)に記載のコークス塊を分級機付きの衝撃粉砕機を用いて、粉砕及び分級後のコークス塊の平均粒子径(D50)が15μm付近となるように粉砕したことと、コールタールピッチを高軟化点のコールタールピッチ(軟化点150℃、残炭率65%)6.9質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして負極材、スラリー、電極及び電池を作製し、同様の測定及び評価を行った。その結果を表1及び図2に示す。
<実施例9>
実施例1の(1)に記載のコークス塊を分級機付きの衝撃粉砕機を用いて、粉砕及び分級後のコークス塊の平均粒子径(D50)が15μm付近となるように粉砕したことと、コールタールピッチを粉末状フェノール樹脂(残炭率61%)7.4質量部に変更したことと、加熱ニーダーを用いて200℃で1時間撹拌、混練して炭素複合体を作製したこと以外は実施例1と同様にして負極材、スラリー、電極及び電池を作製し、同様の測定及び評価を行った。その結果を表1及び図2に示す。
<実施例10>
実施例1の(1)に記載のコークス塊を分級機付きの衝撃粉砕機を用いて、粉砕及び分級後のコークス塊の平均粒子径(D50)が15μm付近となるように粉砕したことと、コールタールピッチの質量を4質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして負極材、スラリー、電極、電池を作製し、同様の測定及び評価を行った。その結果を表1及び図2に示す。
<参考例1>
実施例1の(1)に記載の複合化条件を24kWの負荷で2分とすること以外は実施例1と同様にして負極材、スラリー、電極及び電池を作製し、同様の測定及び評価を行った。その結果を表1及び図2に示す。
<参考例2>
実施例1の(1)に記載のコークス塊を粉砕した後の分級処理を、D90/D10の値が2〜10の範囲となるまで微粉を除去する操作を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして負極材、スラリー、電極及び電池を作製し、同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
<参考例3>
実施例1の(1)に記載のコークス塊を分級機付きの衝撃粉砕機を用いて、粉砕及び分級後のコークス塊の平均粒子径(D50)が15μm付近となるよう粉砕したことと、コールタールピッチの質量を18質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして負極材、スラリー、電極、電池を作製し、同様の測定及び評価を行った。その結果を表1及び図2に示す。
<参考例4>
実施例1の(1)に記載の非晶質炭素粒子(核材)の代わりに平均粒子径(D50)が6.2μmの天然黒鉛粒子(TIMREX KS10、TIMCAL Ltd.)を使用したこと以外は実施例1と同様にして負極材、スラリー、電極及び電池を作製し、同様の測定及び評価を行った。その結果を表1及び図2に示す。
表1及び図2に示されるように、本発明によれば充放電効率及び充放電入出力特性に優れ、かつ非晶質炭素材料の課題であるエネルギー密度(電極密度)も向上したリチウムイオン二次電池用負極材及びリチウムイオン二次電池用負極を提供することができることがわかった。また、本発明の負極材を用いることで、凝集粒子のない外観が良好な負極の作製が可能であることがわかった。
さらに、実施例1〜10の中でも平均粒径D50が小さい実施例1〜5に記載の負極材は、高い充放電効率及び高いエネルギー密度を維持しながら、HEV用のリチウムイオン二次電池に強く求められる充放電入出力特性の向上が可能であることがわかった。
複合化の時間を短縮した参考例1に記載の負極材は、充分に複合化処理がされていないためにタップ密度が式(3)を満たさず、電極の電極密度が低下していると考えられる。
90/D10の値が10.0より大きい参考例2の負極材は、粒度分布が広く、比表面積が大きすぎるために充放電効率が悪化していると考えられる。また、タップ密度が式(3)を満たさず、電極密度が低下していると考えられる。
炭素層が厚く、タップ密度が低い参考例3に記載の負極材は、タップ密度が式(3)を満たさず、電極密度が低下していると考えられる。また、電極塗工時に凝集粒子が多発する外観不良の課題が生じることが明らかになった。
非晶質炭素粒子の代わりに天然黒鉛粒子を核材として用いた参考例4は、R値が0.70未満であり結晶性が高いため、入出力特性が著しく低下していると考えられる。

Claims (9)

  1. レーザー回折法によって測定した粒度の体積累積分布(%)において、粒子径の小さい方から10%となるときの粒子径D10(μm)と、粒子径の小さい方から50%となるときの粒子径D50(μm)と、粒子径の小さい方から90%となるときの粒子径D90(μm)とが下式(1)及び下式(2)を満たし、かつタップ密度T(g/cm)が下式(3)を満たす非晶質炭素粒子である、リチウムイオン二次電池用負極材。
    (1)D90/D10≦10.0
    (2)3.0≦D50≦20.0
    (3)D50×0.018+0.42≦T
  2. 前記非晶質炭素粒子がさらに下式(4)を満たす、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
    (4)5.0≦D50≦12.0
  3. 前記非晶質炭素粒子のラマンスペクトル測定において求められるR値が0.70以上1.40未満である、請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  4. 前記非晶質炭素粒子の77Kでの窒素吸着測定から求められる比表面積が1.0m/g以上7.0m/g未満である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  5. 前記非晶質炭素粒子の真密度が2.00g/cm以上2.24g/cm未満である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  6. 前記非晶質炭素粒子の表面の少なくとも一部に炭素層を有する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  7. 前記炭素層の厚みが1nm以上50nm未満である請求項6に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材を含む、リチウムイオン二次電池用負極。
  9. 請求項8に記載のリチウムイオン二次電池用負極と、正極と、電解質とを含むリチウムイオン二次電池。
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