JP2008144902A - リニアガイドの転動体位置の保持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた拘持効果を有するかぎつめ部と、潤滑効果が向上した離型方向と平行する直立部と、を備えることにより、容易に離型作業ができるリニアガイドの転動体位置の保持構造を提供する。
【解決手段】第1連結部材と、該第1連結部材と平行に並設される第2連結部材と、長手方向に沿って所定の間隔で該第1連結部材と第2連結部材との間に設けられる複数の仕切り部とを備え、前記各仕切り部同士の間における、第1連結部材と第2連結部材との間に収納孔が形成され、該各仕切り部の前記収納孔側の側面における、第1連結部材と第2連結部材との間にそれぞれ、互いに隣接し合う第1拘束面及び第2拘束面が設けられ、前記各第1拘束面は、上方に第1直立部が、下方に第1かぎつめ部が設けられ、該各第2拘束面は、上方に第2かぎつめ部が、下方に第2直立部が設けられることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、特にプラスチック成形によりなるリニアガイドの転動体位置の保持構造(リニアガイドの転動体の保持装置)に関するものである。
従来のリニアガイドの転動体位置の保持構造は、リニアガイドの転動体位置を保持することにより、隣り合う転動体の衝突を防止するのみならず、グリースなど潤滑油を入れる空間をも提供できる。
従来のリニアガイドの転動体位置の保持構造としては、例えば、米国特許第6,155,718号「SLIDE GUIDE AND ITS ROLLER CHAIN WITH ENDS」の特許文献1が案出されており、この発明は、互いに平行に並設される2つの連結部材の長手方向に沿って、所定の間隔で複数の仕切り部が設けられ、該各仕切り部の間に転動体となるボールを装着するための円形穴が設けられる構造である。この発明の構造によれば、転動体の側面を円形穴に入れることにより、転動体を拘持することができる。
更に、台湾実用新案登録第M243590号に係る「改良式消音型リニアガイドの構造」の特許文献2では、仕切り部の側面に、転動体を拘持する収納溝が設けられ、該収納溝を仕切り部の周縁と連通させることにより、プラスチック成形する時、該収納溝に沿って容易に離型することができるので、製造上の利便性を高めることができる。
米国特許第6155718号 台湾実用新案登録第M243590号
しかしながら、前記従来の装置には、以下のような欠点がある。
前記特許文献1のリニアガイドの転動体位置の保持構造は、仕切り部と転動体との接触面積が大きいことから、摩擦力も大きいので、該転動体の転動に悪い影響を与えるだけでなく、潤滑油も無駄に取り除かれてしまうので、潤滑効果を低下させてしまう。また、プラスチック成形する時には、前記円形穴の形成方向が鋳型の離型方向と垂直するので、鋳型からの離型作業がし難い。
更に、前記特許文献2のリニアガイドの転動体位置の保持構造は、拘持溝と、該拘持溝を仕切りする間隔部材と、該拘持溝における間隔部材の間に別々に設置される転動体とを有し、該転動体が拘持溝に沿って連結部材から脱落し易いと共に、該拘持溝は潤滑油を滞留させ難いので、潤滑効果が低下してしまう。
そこで出願されたのが本発明であって、より小さな接触面と、拘持効果を増進する設計により、拘持効果及び潤滑効果に優れるリニアガイドの転動体位置の保持構造を提供することを目的としている。
本願の第1発明は、第1連結部材と、該第1連結部材と平行に並設される第2連結部材と、長手方向に沿って所定の間隔で該第1連結部材と第2連結部材との間に設けられる複数の仕切り部とを備え、前記各仕切り部同士の間における、第1連結部材と第2連結部材との間に収納孔が形成され、該各仕切り部の前記収納孔側の側面における、第1連結部材と第2連結部材との間にそれぞれ、互いに隣接し合う第1拘束面及び第2拘束面が設けられ、前記各第1拘束面は、上方に第1直立部が、下方に第1かぎつめ部が設けられ、該各第2拘束面は、上方に第2かぎつめ部が、下方に第2直立部が設けられ、隣の拘束面同士の直立部とかぎつめ部が交錯に配置されることを特徴とする、リニアガイドの転動体位置の保持構造を提供する。
本願の第2発明は、前記収納孔は円形を呈し、前記仕切り部の収納孔側における、該第1拘束面の第1かぎつめ部は、円弧形を呈する第1縁端部を有し、該第2拘束面の第2かぎつめ部は、円弧形を呈する第2縁端部を有し、該第1縁端部の外側は内側より収納孔側に突出すると共に、該第2縁端部の外側は内側より収納孔側に突出することを特徴とする、第1発明のリニアガイドの転動体位置の保持構造を提供する。
本願の第3発明は、前記収納孔が長方形を呈し、前記仕切り部の収納孔側の側面における、前記第1連結部材と第2連結部材との間に第1拘束面と第2拘束面が設けられ、該第2拘束面における前記第1拘束面と隣接する側の反対側に、更に、第3拘束面が設けられ、該第3拘束面は、上方に第3直立部が、下方に第3かぎつめ部が設けられ、該第3拘束面は、上方に第3直立部が、下方に第3かぎつめ部が設けられることを特徴とする、第1発明のリニアガイドの転動体位置の保持構造を提供する。
本願の第4発明は、該第1拘束面の下方に設けられる第1かぎつめ部は前記第1連結部材と及び第2連結部材と平行する直線状を呈する第1縁端部を有し、第2拘束面の上方に設けられる第2かぎつめ部は前記第1連結部材と及び第2連結部材と平行する直線状を呈する第2縁端部を有し、該第3拘束面の下方に設けられる第3かぎつめ部は前記第1連結部材と及び第2連結部材と平行する直線状を呈する第3縁端部を有することを特徴とする、第3発明の記載のリニアガイドの転動体位置の保持構造を提供する。
本願の第5発明は、前記各仕切り部における拘束面の直立部と、相対する仕切り部における拘束面の直立部とが夫々反対方向へ延出していることを特徴とする、第1発明乃至第3発明のいずれかのリニアガイドの転動体位置の保持構造を提供する。
本発明に係るリニアガイドの転動体位置の保持構造は、少なくとも以下の効果を有する。
1.各拘束面のかぎつめ部は、転動体との接触面を縮小することにより、摩擦力を低減すると共に、転動体を落とさないように覆うことから、転動体を所定の位置に拘持するので、優れた拘持効果を齎すのみならず、転動中の転動体の揺れを抑えることができる。
2.各拘束面の直立部は、転動体が転動する時に、潤滑油を互いに対面する2つの拘束面における循環させることにより、潤滑油を確保することができるので、潤滑効果をより向上させると共に磨り減りを低減することができる。
3.各拘束面の直立部は、鋳型の離型方向と平行に設けられるので、鋳型を支障なく離型することができることにより、離型作業が極めて容易であるだけでなく、容易に鋳型を製造することができるため、歩留まりをよくすること及びコストを低減することが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明に係る構造の第1実施例を示す分解斜視図であり、図2は本発明に係る構造の第1実施例を示す他の分解斜視図であり、図3は本発明に係る構造の第1実施例を示す側面断面図であり、図4は本発明に係る構造の第2実施例を示す分解斜視図であり、図5は本発明に係る構造の第3実施例を示す分解斜視図であり、図6は本発明に係る構造の第3実施例を示す他の分解斜視図であり、図7は本発明に係る構造の第4実施例を示す分解斜視図であり、図8は本発明に係る構造の第4実施例を示す他の分解斜視図であり、図9は本発明に係る構造の第4実施例を示す側面断面図であり、図10は本発明に係る構造の第5実施例を示す分解斜視図であり、図11は本発明に係る構造の第5実施例を示す他の分解斜視図である。
図1、図2及び図3に示すように、本発明に係るリニアガイドの転動体位置の保持構造の第1実施例は、第1連結部材(20)と、前記第1連結部材(20)と平行に並設される第2連結部材(21)と、長手方向に沿って所定の間隔で該第1連結部材(20)と第2連結部材(21)との間に設けられる複数の仕切り部(10)とを備え、前記各仕切り部(10)は垂直方向に沿って設置され、各仕切り部(10)同士の間における、第1連結部材(20)と第2連結部材(21)との間に転動体(30)となるボールを収納するためのほぼ円形を呈する収納孔(22A)が形成され、前記各仕切り部(10)の前記収納孔(22A)側における、前記第1連結部材(20)と第2連結部材(21)との間に、互いに隣接し合う第1拘束面(11)と第2拘束面(12)とが設けられ、前記第1拘束面(11)は、上方に第1直立部(111)が、下方に第1かぎつめ部(112)が設けられ、該各第2拘束面(11)は、上方に第2かぎつめ部(121)が、下方に第2直立部(122)が設けられる。
又、前記第1連結部材(20)と第2連結部材(21)の、前記収納孔(22A)側の側面には夫々前記転動体(30)と対応する円弧面(201)(211)を有する。
そして、前記第1直立部(111)と転動体(30)との間、及び前記第2直立部(122)と前記転動体(30)との間に潤滑油が注入されるので、優れた潤滑効果を達成できる。
更に、前記第1拘束面(11)の第1かぎつめ部(112)は、円弧形を呈する第1縁端部(1121)を有すると共に、該第2拘束面(12)の第2かぎつめ部(121)は、円弧形を呈する第2縁端部(1211)を有し、該第1縁端部(1121)の外側は内側より収納孔(22A)に突出すると共に、該第2縁端部(1211)の外側は内側より収納孔(22A)側に突出するので、前記転動体(30)をより確実に拘持できる。
又、前記第1実施例の各仕切り部(10)における第1拘束面(11)の第1直立部(111)と、該第1直立部(111)と対面する仕切り部(10)の第1拘束面(11)の第1直立部(111)とがそれぞれ反対方向へ延出していると共に、
該各仕切り部(10)における第2拘束面(12)の第2直立部(122)と、前記第2直立部(122)と対面する仕切り部(10)における第2拘束面(12)の第2直立部(122)とがそれぞれ反対方向へ延出しても良い。
図4に示すように、本発明に係る第2実施例は、前記第1実施例を変形して改良するものであり、前記第1実施例と殆ど等しく、特に異なる部分としては、第2実施例において収納孔(22B)が八角形を呈する点である。
図5及び図6に示すように、本発明に係る第3実施例は、前記第2実施例と殆ど等しく、特に異なる部分としては、各仕切り部(10)における第1拘束面(11)の第1直立部(111)と、該第1直立部(111)と対面する仕切り部(10)の第1拘束面(11)の第1直立部(111)とがそれぞれ反対方向へ延出していると共に、該各仕切り部(10)における第2拘束面(12)の第2直立部(122)と、前記第2直立部(122)と対面する仕切り部(10)における第2拘束面(12)の第2直立部(122)とがそれぞれ反対方向へ延出している点である。
これにより、各互いに対面する第1拘束面(11)同士、及び互いに対面する第2拘束面(12)同士は、転動体(30)を覆うように、優れている拘持効果を齎すことができる。
図7、図8及び図9に示すように、本発明の第4実施例は、第1連結部材(50)と、該第1連結部材(50)と平行に並設される第2連結部材(51)と、長手方向に沿って所定の間隔で第1連結部材(50)と第2連結部材(51)の間に設けられる複数の仕切り部(40)とを備え、
前記各仕切り部(40)同士の間における、前記第1連結部材(50)と第2連結部材(51)の間に、転動体(60)となる円柱体を収納するための、略長方形の収納孔(52)が形成され、
前記各仕切り部(40)の収納孔(52)側の側面における、前記第1連結部材(50)と第2連結部材(51)との間に互いに隣接し合う第1拘束面(41)、第2拘束面(42)、及び第3拘束面(43)が設けられ、該第3拘束面(43)が該第2拘束面(42)における前記第1拘束面(41)と隣接する側の反対側に設けられ、
前記第1拘束面(41)は、上方に第1直立部(411)が、下方に第1かぎつめ部(412)が設けられ、該第2拘束面(42)は、上方に第2かぎつめ部(421)が、下方に第2直立部(422)が設けられ、前記第3拘束面(43)は、上方に第3直立部(431)が、下方に第3かぎつめ部(432)が設けられる。
又、前記第1連結部材(50)と第2連結部材(51)における収納孔(52)側の側面に夫々前記転動体(60)と対応するコ形面(501)(511)を有する。
前記第1拘束面(41)の下方に設けられる第1かぎつめ部(412)は直線状を呈する第1縁端部(4121)を有し、第2拘束面(42)の上方に設けられる第2かぎつめ部(421)は直線状を呈する第2縁端部(4211)を有し、該第3拘束面(43)の下方に設けられる第3かぎつめ部(432)は直線状を呈する第3縁端部(4321)を有する。
又、該第1縁端部(4121)は収納孔(52)に突出し、該第2縁端部(4211)は収納孔(52)側に突出すると共に、該第3縁端部(4321)は収納孔(52)側に突出するので、前記転動体(30)を確実に拘持できる。
図10及び図11に示すように、本発明の第5実施例は、前記第4実施例と殆ど等しく、特に異なる部分としては、各仕切り部(40)における第1拘束面(41)の第1直立部(411)と、該第1直立部(411)と対面する仕切り部(40)の第1拘束面(41)の第1直立部(411)とがそれぞれ反対方向へ延出していて、該各仕切り部(40)における第2拘束面(42)の第2直立部(422)と、前記第2直立部(422)と対面する仕切り部(40)における第2拘束面(42)の第2直立部(422)とがそれぞれ反対方向へ延出していると共に、該各仕切り部(40)における第2拘束面(43)の第3直立部(432)と、前記第3直立部(432)と対面する仕切り部(40)における第3拘束面(43)の第3直立部(432)とがそれぞれ反対方向へ延出している点である。
これにより、相対する拘束面(41)(42)(43)同士は、転動体(60)を覆うように、優れている拘持効果を齎すことができる。
本発明に係るリニアガイドの転動体位置の保持構造は、各拘束面のかぎつめ部により、優れた拘持効果を齎すと共に、各拘束面の直立部は潤滑油を確保することができるので、潤滑効果をより向上させることができる。更に、各拘束面の直立部は、鋳型の離型方向と平行に設けられるので、離型作業が極めて容易である。
本発明に係る構造の第1実施例を示す分解斜視図である。 本発明に係る構造の第1実施例を示す他の分解斜視図である。 本発明に係る構造の第1実施例を示す側面断面図である。 本発明に係る構造の第2実施例を示す分解斜視図である。 本発明に係る構造の第3実施例を示す分解斜視図である。 本発明に係る構造の第3実施例を示す他の分解斜視図である。 本発明に係る構造の第4実施例を示す分解斜視図である。 本発明に係る構造の第4実施例を示す他の分解斜視図である。 本発明に係る構造の第4実施例を示す側面断面図である。 本発明に係る構造の第5実施例を示す分解斜視図である。 本発明に係る構造の第5実施例を示す他の分解斜視図である。
符号の説明
10 仕切り部 11 第1拘束面
111 第1直立部 112 第1かぎつめ部
1121 第1縁端部 12 第2拘束面
121 第2かぎつめ部 1211 第2縁端部
122 第2直立部 20 第1連結部材
201 円弧面 21 第2連結部材
211 円弧面 22A 収納孔
22B 収納孔 30 転動体
40 仕切り部 41 第1拘束面
411 第1直立部 412 第1かぎつめ部
4121 第1縁端部 42 第2拘束面
421 第2かぎつめ部 4211 第2縁端部
422 第2直立部 43 第3拘束面
431 第3直立部 432 第3かぎつめ部
4321 第3縁端部 50 第1連結部材
501 コ形面 51 第2連結部材
511 コ形面 52 収納孔
60 転動体

Claims (5)

  1. 第1連結部材と、該第1連結部材と平行に並設される第2連結部材と、長手方向に沿って所定の間隔で該第1連結部材と第2連結部材との間に設けられる複数の仕切り部とを備え、
    前記各仕切り部同士の間における、第1連結部材と第2連結部材との間に収納孔が形成され、該各仕切り部の前記収納孔側の側面における、第1連結部材と第2連結部材との間にそれぞれ、互いに隣接し合う第1拘束面及び第2拘束面が設けられ、
    前記各第1拘束面は、上方に第1直立部が、下方に第1かぎつめ部が設けられ、該各第2拘束面は、上方に第2かぎつめ部が、下方に第2直立部が設けられ、隣の拘束面同士の直立部とかぎつめ部が交錯に配置されることを特徴とする、リニアガイドの転動体位置の保持構造。
  2. 前記収納孔は円形を呈し、前記仕切り部の収納孔側における、該第1拘束面の第1かぎつめ部は、円弧形を呈する第1縁端部を有し、該第2拘束面の第2かぎつめ部は、円弧形を呈する第2縁端部を有し、該第1縁端部の外側は内側より収納孔側に突出すると共に、該第2縁端部の外側は内側より収納孔側に突出することを特徴とする、請求項1に記載のリニアガイドの転動体位置の保持構造。
  3. 前記収納孔が長方形を呈し、前記仕切り部の収納孔側の側面における、前記第1連結部材と第2連結部材との間に第1拘束面と第2拘束面が設けられ、該第2拘束面における前記第1拘束面と隣接する側の反対側に、第3拘束面が設けられ、該第3拘束面は、上方に第3直立部が、下方に第3かぎつめ部が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のリニアガイドの転動体位置の保持構造。
  4. 該第1拘束面の下方に設けられる第1かぎつめ部は前記第1連結部材と及び第2連結部材と平行する直線状を呈する第1縁端部を有し、第2拘束面の上方に設けられる第2かぎつめ部は前記第1連結部材と及び第2連結部材と平行する直線状を呈する第2縁端部を有し、該第3拘束面の下方に設けられる第3かぎつめ部は前記第1連結部材と及び第2連結部材と平行する直線状を呈する第3縁端部を有することを特徴とする、請求項3に記載のリニアガイドの転動体位置の保持構造。
  5. 前記各仕切り部における拘束面の直立部と、相対する仕切り部における拘束面の直立部とが夫々反対方向へ延出していることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のリニアガイドの転動体位置の保持構造。
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