JP2008144242A - シリンダブロックの焼入装置、シリンダブロックの製造方法 - Google Patents

シリンダブロックの焼入装置、シリンダブロックの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高周波誘導焼入を行うシリンダブロックの焼入装置を改良するものであり、誘導加熱コイルを回転方向に円滑に動かすことができるシリンダブロックの焼入装置の開発を課題とする。
【解決手段】シリンダブロックの焼入装置1は、昇降テーブル5にトランス6、固定側コイル7、可動側コイル8が取り付けられ、さらに可動側コイル8に誘導加熱コイル10が取り付けられたものである。昇降テーブル5には、誘導加熱コイル8を回転させるためのモータ(コイル操作手段)11が設けられている。可動側コイル8のコイル本体部42は、固定側コイル7に対して軸方向には一体的であるが、回転方向には自由度を持っている。モータ(コイル操作手段)11を回転すると可動側コイル8が全体的に回転して誘導加熱コイル10が回転する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリンダブロックの開口に誘導加熱コイルを挿入し、開口の内壁に誘導電流を発生させて加熱し、焼入を行うシリンダブロックの焼入装置及びシリンダブロックの製造方法に関するものである。
高周波誘導焼入を応用したシリンダブロックの焼入装置が知られている。
例えば特許文献1には、内燃機関のシリンダブロックの開口の内壁(以下、単にシリンダ内壁という)を高周波誘導焼入する焼入装置が開示されている。
特許文献1に開示されたシリンダブロックの焼入装置は、シリンダ内壁を斑点状に焼入するものである。特許文献1に開示されたシリンダブロックの焼入装置は、誘導加熱コイルを上下方向と回転方向に移動させる機能を備えている。
具体的には、特許文献1に開示されたシリンダブロックの焼入装置は昇降台を備え、当該昇降台に円盤が回転可能に取り付けられている。そして前記した円盤にトランスが搭載されている。
またトランスから誘導加熱コイルが垂下されている。誘導加熱コイルは、シリンダ内壁の特定の高さ部分を破線状に加熱するものである。
特許文献1に開示されたシリンダブロックの焼入装置では、昇降台を降下させて誘導加熱コイルをシリンダの開口内に挿入し、誘導加熱コイルに高周波電流を供給してシリンダ内壁の特定の高さの内周を破線状に加熱する。そして誘導加熱コイルへの電流供給を停止した後に急冷し、シリンダ内壁を斑点状に焼き入れする。そして昇降台を昇降させ、さらに昇降台上の円盤を回転させて誘導加熱コイルを僅かに回転させる。その後、再度誘導加熱コイルに高周波電流を供給してシリンダ内壁の一部を加熱し、急冷する。この作業を繰り返し、シリンダ内壁に斑点状の焼入部を面状であって千鳥状に分布させる。
特開平9−3531号公報
従来技術のシリンダブロックの焼入装置は、誘導加熱コイルを昇降させ、さらにこれを回転することができるので、シリンダの内壁に焼入部を千鳥状に分布させることができる。
ところで従来技術におけるシリンダの焼入パターンは、前記した様に斑点状の焼入部を面状に分布させたものであったが、本発明者らは、シリンダ内壁を焼入する際の焼入パターンとして、螺旋状の焼入パターンを発明した。
即ち従来技術においては、シリンダ内壁の焼入パターンは、斑点状の焼入部を行方向と列方向に並べて分布させたり、これを千鳥状に配列するものであり、いずれも焼入部が細かく分断されていた。これに対して本発明者らは、焼入部を螺旋状に連続させた焼入パターンとする構造を発明した。
焼入部を螺旋状に連続させたシリンダは、螺旋部分に微小な油溜まりができ、シリンダ内壁の油膜を強化することができ、シリンダの磨耗や焼きつきを防止する効果があった。
しかしながら、上記した焼入パターンの焼入を量産しようとしたとき、新たな問題に直面した。具体的には、既存のシリンダブロックの焼入装置を用いて上記した焼入パターンを実現することは困難であった。
特許文献1に開示されたシリンダブロックの焼入装置は、昇降台上の円盤にトランスを搭載し、円盤を回転させて誘導加熱コイルを僅かに回転させる。即ち従来技術のシリンダブロックの焼入装置は、誘導加熱コイルをトランスごと回転させるものである。そのため従来技術のシリンダブロックの焼入装置は、回転の際にトランスへの給電線がからまる。
またトランスは相当の重量があるので、これを円滑に回転させることは困難であった。即ち正確な螺旋軌跡の焼入パターンを形成させるには、誘導加熱コイルを等速で回転させることが望ましい。また誘導加熱コイルの振動は抑制されるべきである。
これに対して従来技術のシリンダブロックの焼入装置は、回転させようとする部位の重量が大きいので、回転開始時の角速度の立ち上がりが鈍い。また誘導加熱コイルの回転は円滑さを欠く傾向となり、誘導加熱コイルが振動することがあった。
即ち従来の様な斑点状の焼入パターンを形成させる場合には、誘導加熱コイルへの通電を停止した状態で誘導加熱コイルを移動させれば良いが、連続的な螺旋パターンを描かせる場合には、誘導加熱コイルに通電した状態で誘導加熱コイルを回転させなければならない。そのため連続的な螺旋パターンを描かせるためには、従来に増して回転の円滑性と振動抑制が要求される。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、誘導加熱コイルを回転方向や揺動方向に円滑に動かすことができるシリンダブロックの焼入装置の開発を課題とするものである。
そして上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、シリンダブロックの開口内壁を焼入するシリンダブロックの焼入装置において、交流電流が供給される固定側コイルと、前記固定側コイルの近傍に配置され固定側コイルと電磁的に結合されていて誘導電流を発生させる可動側コイルと、シリンダブロックの開口内に挿入可能な誘導加熱コイルと、誘導加熱コイルをシリンダブロックに対して相対的に軸方向に移動させる軸方向移動手段と、誘導加熱コイルをシリンダブロックの開口内で回転させるコイル操作手段とを有し、誘導加熱コイルは可動側コイルに接続され、前記可動側コイルは固定側コイルに対して回転可能であり、コイル操作手段が誘導加熱コイルを回転させる際に可動側コイルが追従可能であることを特徴とするシリンダブロックの焼入装置である。
ここで「コイル操作手段が誘導加熱コイルを回転させる際に可動側コイルが追従可能である」とは、「誘導加熱コイルを回転させる際に可動側コイルが動くことができ、可動側コイルが誘導加熱コイルを動作させることの障害にならない」という意味である。従ってコイル操作手段が誘導加熱コイルを回転し、誘導加熱コイルの動きに可動側コイルが追従する場合の他、コイル操作手段が可動側コイルを回転させることによって間接的に誘導加熱コイルが回転又は姿勢変更する様な場合も含む。
また「誘導加熱コイルをシリンダブロックに対して相対的に軸方向に移動させる」とは、誘導加熱コイルだけが軸方向に移動する場合と、シリンダブロックだけが軸方向に移動する場合と、誘導加熱コイルとシリンダブロックの双方が軸方向に移動する場合を含む趣旨である。
本発明のシリンダブロックの焼入装置では、誘導加熱コイルをシリンダブロックの開口内に挿入して内壁を焼き入れする。
本発明のシリンダブロックの焼入装置では、固定側コイルと可動側コイルを持ち、固定側コイルに交流電流を供給して可動側コイルに誘導電流を発生させる。この誘導電流は固定側コイルと同様に交流である。そして本発明では、可動側コイルに発生した誘導電流を誘導加熱コイルに流してシリンダブロックの内壁を加熱する。
また本発明では、可動側コイルは固定側コイルに対して回転可能である。さらに本発明のシリンダブロックの焼入装置では、固定側コイルと可動側コイルは電磁的に結合されたものに過ぎず、給電線は接続されていない。そのため可動側コイルを回転させても給電線が捩じれることはない。さらに本発明のシリンダブロックの焼入装置においては、回転するのは可動側コイルであり、トランスを回転させる必要がない。そのため回転する部位の重量が軽く、動作が円滑である。
本発明のシリンダブロックの焼入装置は、誘導加熱コイルを軸方向と回転方向に動かすことができるので、誘導加熱コイルの加熱部を螺旋軌跡を描いて移動させることができる。
請求項2に記載の発明は、固定側コイルは環状部分を有し、可動側コイルは固定側コイルの環状部分内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロックの焼入装置である。
本発明のシリンダブロックの焼入装置では、可動側コイルは固定側コイルの中にある。そのため可動側コイルを回転させやすい。また磁束の漏れが少なく効率が高い。
固定側コイルの環状は、円環状であることが望ましいが、楕円形でもよく、四角形等の多角形であってもよい。
請求項3に記載の発明は、固定側コイル及び可動側コイルは共に環状であり、固定側コイルは可動側コイルの外側に配されており、固定側コイルは可動側コイルに比べて軸方向に長く、可動側コイルは固定側コイルによって囲まれた空間内で軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリンダブロックの焼入装置である。
本発明のシリンダブロックの焼入装置では可動側コイルが軸方向にも自由度を持つ。本発明で採用する固定側コイルは、可動側コイルに比べて軸方向に長いので、固定側コイルによって囲まれた空間内で可動側コイルを移動させても固定側コイルとの電磁的結合は維持される。
請求項4に記載の発明は、冷却装置を有し、誘導加熱コイルによって加熱された部位が冷却装置によって順次冷却されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシリンダブロックの焼入装置である。
本発明によると、加熱直後に加熱部位を冷却することができるので、程よく焼入を行うことができる。
冷却装置は冷却液を噴射する開口を備え、当該開口は誘導加熱コイルと共に軸方向に移動し、加熱部分を順次冷却可能とすることによって上記した発明を実現することができる(請求項5)。
冷却装置は冷却液が入った槽であり、冷却液の液面が昇降して加熱部分を順次冷却可能としてもよい(請求項6)。
冷却装置は冷却液が入った槽であり、当該槽又はシリンダブロックのいずれかが昇降して加熱部分を順次冷却可能である構成でもよい(請求項7)。
請求項8に記載の発明は、誘導加熱コイルは、回転しつつ軸方向に移動することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のシリンダブロックの焼入装置である。
また製造方法に関する発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載のシリンダブロックの焼入装置を使用し、誘導加熱コイルを回転しつつ軸方向に移動して焼入することを特徴とするシリンダブロックの製造方法である(請求項9)。
さらに同様の課題を解決するための発明は、誘導加熱コイルをシリンダブロックの開口内に挿入し、誘導加熱コイルに高周波電流を通電しつつ誘導加熱コイルを回転し、同時に誘導加熱コイルを軸方向に移動させてシリンダブロックの開口内壁を螺旋状の軌跡を描いて加熱し、シリンダブロックの開口内を冷却してシリンダブロックの開口内壁を螺旋状に焼き入れすることを特徴とするシリンダブロックの製造方法である(請求項10)。
請求項8に記載の焼入装置や、請求項9,10に記載の製造方法によると、シリンダ内壁面を焼入する際の焼入パターンとして、螺旋状の焼入パターンを実現することができる。
これらの発明によると、シリンダブロック開口内壁を冷却する頻度や、誘導加熱コイルを立ち上げる頻度が少なく、焼入作業全体に要する時間が短い。
即ち従来技術による場合は、前記した様に誘導加熱コイルに高周波電流を供給してシリンダ内壁の特定の高さの内周を破線状に加熱し、一旦誘導加熱コイルへの電流供給を停止した後に急冷する。そして昇降台を昇降し、さらに昇降台上の円盤を回転させて誘導加熱コイルを僅かに回転させ、その姿勢で再度誘導加熱コイルに高周波電流を供給してシリンダ内壁の一部を加熱し、急冷する。
従来技術の方法によると、このように加熱と急冷を繰り返し行わなければならない。そのため作業全体に要する時間が長いものとなってしまう。
これに対して本願の発明では、螺旋状の軌跡を描きつつ加熱した部位を冷却するので、全体を焼入するのに対して冷却回数が少ない。
即ち従来技術の方策によると、一列を加熱する度に冷却する必要があり、列の数だけ冷却回数が必要である。
これに対して本願発明では、列という概念が無いので冷却頻度が少ない。
また上記した請求項8に記載の焼入装置や、請求項9,10に記載の製造方法によって製造されたシリンダブロックは、焼入部が螺旋状に連続している。そのため硬度の高い部分が螺旋状に連続することとなる。そのため螺旋部分に微小な油溜まりができ、シリンダ内壁の油膜を強化することができ、シリンダ内壁の磨耗や焼きつきを防止する効果がある。
即ち焼入がなされた部位は、未焼入の部位に比べて硬度が高い。そのためエンジンの馴らし運転等によってシリンダ内におけるピストンの摺動を繰り返すと、焼入がなされた部位が極めて僅かに突出する。そのためピストンを動作させた時に、当該焼入部分にエンジンオイルが僅かに残留する。そして本発明によると、焼入部が螺旋状に連続することとなるので、エンジンオイルは広い範囲に渡って連続し、シリンダの内壁に強い油膜を作る。
そのためエンジンの耐久性が向上する。
本発明のシリンダブロックの焼入装置は、誘導加熱コイルを回転させる際に給電線が邪魔にならない。また本発明のシリンダブロックの焼入装置は、可動部分の重量が小さいので回転を行わしめる際の動作が円滑である。
本発明のシリンダブロックの製造方法によると、開口内壁の軸方向に断続的な油膜(油貯まり)を形成し、潤滑性と,ピストン摺動による焼け付きの防止,及び耐摩耗性に優れたシリンダブロックを実現することができる。また本発明のシリンダブロックの製造方法によると、全体の作業時間を短縮することができる。
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態のシリンダブロックの焼入装置を概念的に表した概略斜視図である。図2は、図1のシリンダブロックの焼入装置で採用する誘導加熱コイルの正面図である。図3は、誘導加熱コイルの変形例の正面図である。
本発明の実施形態のシリンダブロックの焼入装置1は、図1の様にベース2に、X−Yテーブル3と昇降テーブル5を備え、昇降テーブル5にトランス6、固定側コイル7、可動側コイル8が取り付けられ、さらに可動側コイル8に誘導加熱コイル10が取り付けられたものである。また昇降テーブル5には、誘導加熱コイル8を回転させるためのモータ(コイル操作手段)11が設けられている。
以下順次説明する。
ベース2は、定盤であり、通常の機械の基台と同様である。X−Yテーブル3についても公知のそれと同一であり、図示しないボールネジとモータを有し、シリンダブロック20を保持してこれを平面的に移動させることができるものである。
昇降テーブル5は、ベース2に対して上下方向に昇降するものである。即ち昇降テーブル5は、昇降装置(軸方向移動手段)21によって昇降する。本実施形態では、昇降装置21は、ボールネジ22及びモータ23によって構成されている。ボールネジ22は、ベース2に対して垂直方向に設けられ、ベース2に対して回転可能である。モータ23は、ギヤードモータ等の低速回転が可能なモータであり、ボールネジ22を回転させることができる。
昇降テーブル5は、雌ねじ部材25を有し、当該雌ねじ部材25が前記したボールネジ22と螺合している。また昇降テーブル5には、図示しないガイドが設けられており、当該ガイドによって水平姿勢を維持した状態で昇降可能である。
従って昇降テーブル5は、モータ23を回転させることにより、水平姿勢を維持した状態で上下方向に昇降する。
昇降テーブル5には、図1の様に開口27が設けられている。
さらに昇降テーブル5にはトランス6が載置されている。トランス6は、焼入に要する電力を供給するものであり、高周波の交流を発生させる。即ちトランス6は、内部に一次コイルと二次コイルを有し、一次側コイルに高周波電流を入力し、二次コイル側に高周波電流を発生させる。
固定側コイル7は、円形環状のワンターンコイルであり、図示しない支持部材によって昇降テーブル5の開口27上に固定されている。固定側コイル7は昇降テーブル5に一体的に固定されていて動かない。また固定側コイル7には前記したトランス6の二次側コイルが接続されており、高周波電流が供給される。
なお固定側コイル7及び後記する可動側コイル8は、共に銅等の金属を素材とする管を曲げ加工して作られたものであり、中心部に図示しない導通孔が連通している。当該導通孔には冷却水が流される。
本実施形態では、固定側コイル7は断面形状が長方形の角パイプを使用して成形されているが、固定側コイル7のコイル線の断面形状は円であっても楕円であってもよい。
また昇降テーブル5の下面には、モータ(コイル操作手段)11が取り付けられている。さらに当該モータ11から動力伝導を受ける小ギア36がある。
可動側コイル8は、コイル本体部42と導電部30及びギア部31によって構成されている。
可動側コイル8のコイル本体部42は、円形環状のワンターンコイル部33と、ワンターンコイル部33の両端からワンターンコイル部33の中心部に向かう水平方向直線部35によって構成されている。なお水平方向直線部35は、二本の導電体が水平に並んで中心方向に向かうものであるが、両者の間は絶縁されている。
ワンターンコイル部33の外径は、前記した固定側コイル7の内径よりも僅かに小さい。
導電部30は、水平方向直線部35の末端部から垂直下方に延びる導電体である。導電部30は直線状であり、その位置は、ワンターンコイル部33の中心軸線と一致している。
可動側コイル8のコイル本体部42及び導電部30は銅等の金属を素材とする管を曲げ加工して作られたものであり、中心部に図示しない導通孔が連通している。当該導通孔には冷却水が流される。
ギア部31は、導電部30の周囲に絶縁体(図示せず)を介してギアが取り付けられたものである。またギア部31には、昇降テーブル5の下面に設けられたモータ(コイル操作手段)11の小ギア36が係合している。
可動側コイル8は、図1の様にコイル本体部42が固定側コイル7の内側にある。即ち可動側コイル8のコイル本体部42は、固定側コイル7と同一平面上にあり、且つ可動側コイル8のコイル本体部42の中心線は、固定側コイル7の中心線と一致する。
前記した様に、可動側コイル8のワンターンコイル部33の外径は、固定側コイル7の内径よりも僅かに小さいので、可動側コイル8は、固定側コイル7の近傍に配置されることとなる。可動側コイル8と固定側コイル7の位置は、両者の間が電磁的に結合され得る距離である。
可動側コイル8のコイル本体部42は、固定側コイル7に対して回転可能である。ただし可動側コイル8のコイル本体部42は、固定側コイル7に対して軸方向には一体的に固定されている。従って可動側コイルのコイル本体部42は、常に固定側コイル7と同一平面上にあり、この位置関係が崩れることはない。可動側コイル8の支持方法については後記する。
誘導加熱コイル10は、図2の様に菊形環状のワンターンコイル部40と、ワンターンコイル部40の両端からワンターンコイル部40の中心部に向かう水平方向直線部41によって構成されている。
ワンターンコイル部40は、凸部45と凹部46とが交互に設けられたものであり、凸部45の外径は、シリンダブロック20(ワーク)の開口70の内径よりも僅かに小さい。ワンターンコイル部40の凸部45は等間隔に設けられている。
水平方向直線部41は、二本の導電体が水平に並んで中心方向に向かうものであるが、両者の間は絶縁されている。水平方向直線部41の終端部は、ワンターンコイル部40の中心にある。
誘導加熱コイル10は、銅等の金属を素材とする断面形状四角形の管を曲げ加工して作られたものであり、中心部に図示しない導通孔が連通している。当該導通孔には冷却水が流される。
本実施形態で採用する誘導加熱コイル10は、シリンダプロック20の開口70の内壁71を焼入するものであり、後記する様にシリンダブロック20の開口70内に誘導加熱コイル10が挿入される。
本実施形態では、誘導加熱コイル10は、凸部45と凹部46とが交互に設けられたものであるから、凸部45の先端がシリンダブロック20の開口70内の内壁71に近接し、内壁71を加熱する。
なお誘導加熱コイル10は、図3に示すように凹部46に磁性体を取り付けてもよい。また凹部を設けずに磁性体を一定間隔で取り付けても同様の作用効果が期待できる。
誘導加熱コイル10は、前記した可動側コイル8の導電部30に接続されている。即ち誘導加熱コイル10の水平方向直線部41が可動側コイル8の導電部30の末端に接続されている。より具体的には、誘導加熱コイル10の水平方向直線部41及び可動側コイル8の導電部30は、共に二本の管状導体であり、これらが機械的にも電気的にも一体的に接合されている。また誘導加熱コイル10と可動側コイル8の導通孔は連通する。
本実施形態のシリンダブロック20の焼入装置1を使用する際には、トランス6に給電し、トランス6の二次側に高周波電流を発生させる。この高周波電流は、固定側コイル7に伝導される。その結果、固定側コイル7が磁界を発生させ、磁束が可動側コイル8のコイル本体部42を通過する。そのため、可動側コイル8のコイル本体部42には誘導電流が発生する。この誘導電流は、高周波交流である。
また可動側コイル8は、誘導加熱コイル10に接続されているので、誘導加熱コイル10に高周波電流が流れ、近接位置にあるシリンダブロック20に誘導電流を生じさせて発熱させる。
なおこの時、各コイルには冷却水が流され、コイルの発熱が抑制される。
本実施形態のシリンダブロック20の焼入装置1では、誘導加熱コイル10を昇降させることができるばかりでなく、誘導加熱コイル10を回転させることもできる。
即ち誘導加熱コイル10を昇降させる場合には、昇降テーブル5のボールネジ22をモータ23によって回転させ、ボールネジ22と係合する昇降テーブル5を昇降させる。
その結果、固定側コイル7が昇降するが、前記した様に、可動側コイル8のコイル本体部42は、固定側コイル7に対して軸方向には一体的に固定されているから、固定側コイル7の昇降に応じて可動側コイル7も昇降し、可動側コイル7から垂下された誘導加熱コイル10も昇降する。
また誘導加熱コイル10を回転させる際には、昇降テーブル5の下面に設けられたモータ(コイル操作手段)11を回転させる。その結果、小ギア36が回転する。ここで可動側コイル8は、固定側コイル7に対して軸方向には一体的に固定されているものの、固定側コイル7に対して回転方向には自由度を持つ。そのためモータ(コイル操作手段)11を回転させると小ギア36が回転し、小ギア36と係合するギア部31が回転し、可動側コイル8が全体的に回転して誘導加熱コイル10が回転する。即ち本実施形態では、コイル操作手段11が誘導加熱コイル10を回転させる際には、可動側コイル8が円滑に追従し、捩じれ等が生じない。
以上、本実施形態のシリンダブロック20の焼入装置1の概略構成を概念的に説明したが、実際にシリンダブロック20の焼入装置1を設計するに際しては、各部の絶縁性確保や、支持方法に工夫が必要である。図4は、本発明の実施形態のシリンダブロック20の焼入装置1の固定側コイル7及び可動側コイル8の組み合わせ部分の一例を示す断面斜視図である。
なお図4に示された部材の中で、前述した図1に図示された部材と同一の部材には同一の番号が付されている。
図4に示す実施形態では、固定側コイル7は、ホルダー部材片50,51の間に挟み込まれて保持されている。ホルダー部材片50,51と固定側コイル7との間には絶縁性及び断熱性を備えた部材が介在されている(図示せず)。
固定側コイル7の内壁側はホルダー部材片50,51の内側に露出している。
ホルダー部材片50,51はフランジ部53を有し、当該フランジ部53が昇降テーブル5の開口27の縁部にネジ止めされている。
従って固定側コイル7は、ホルダー部材片50,51を介して昇降テーブル5に固定されており。固定側コイル7は昇降テーブル5と一体的に移動する。
またホルダー部材片50,51の内周端近傍であって、その内側部分にはレール部材55,56が環状に敷設されている。レール部材55,56は、絶縁体で作られている。
そして当該レール部材55,56の間に可動側コイル8のコイル本体部42が配置されている。
従って可動側コイル8のコイル本体部42は、固定側コイル7に対して軸方向には一体的に移動し、回転方向には自由度がある。
次に、前述した実施形態のシリンダブロック20の焼入装置1の作用を代表的な使用例について説明する。
上記したシリンダブロック20の焼入装置1は、内燃機関のシリンダブロック20をワークとするものであり、シリンダボア(開口70内)の内壁71を焼入するものである。
図5は、図1のシリンダブロック20の焼入装置1によって焼入されたシリンダボア(開口70内)の内壁71の破断斜視図である。図6は、シリンダボアの展開図である。
本実施形態のシリンダブロック20の焼入装置1を使用すれば、シリンダボア70の内壁71の焼入パターンを螺旋状にすることができる。
即ち本実施形態のシリンダブロック20の焼入装置1を使用してシリンダボア70の内壁71を焼入する場合は、ワークたるシリンダブロック20をX−Yテーブル3に固定し、X−Yテーブル3を動作させてシリンダボア(開口70)を誘導加熱コイル10の直下に移動させる。
続いて昇降テーブル5を降下させ、誘導加熱コイル10をシリンダブロック20の開口70内の最奥部(下端部)まで挿入する。
そしてトランス6に通電する。その結果固定側コイル7に磁界が発生し、可動側コイル8のコイル本体部42には誘導電流が発生し、誘導加熱コイル10に高周波電流が流れる。ここで誘導加熱コイル10に凸部45が設けられているので、当該凸部45と近接する部位が赤熱する。
この状態で、昇降テーブル5を上昇させ、同時に昇降テーブル5の下面に設けられたモータ(コイル操作手段)11を回転させて誘導加熱コイル10を回転させる。
その結果、誘導加熱コイル10の凸部46は、螺旋軌跡を描いて移動する。そのためシリンダボア(開口70内)の内壁71に、螺旋軌跡を描いた赤変部ができる。そして当該赤変部を放水等によって冷却し、焼入を行う。その結果、図5,6の様な螺旋状の焼入軌跡72が形成される。
また上記した一連の工程を自動的に行うことができる制御装置を備えることが望ましい。図7は、図1のシリンダブロック20の焼入装置1の動作を示すフローチャートである。
制御装置の信号に基づき、次の工程が自動的に行われる。
(1)誘導加熱コイル10の降下
(2)固定側コイル7への通電
(3)誘導加熱コイル10を回転させつつ上昇
(4)固定側コイル7への通電停止
(5)シリンダブロック20の開口70内の内壁71の冷却
即ち図7のフローチャートの様に、ステップ1で誘導加熱コイル10がシリンダブロック20の開口70内に降下される。続くステップ2で、固定側コイル7に通電される。その結果、誘導加熱コイル10に高周波電流が流れ、シリンダボア(開口70内)の内壁71を加熱する。
続くステップで、誘導加熱コイル10を回転させつつ上昇させる。そして誘導加熱コイル10がシリンダブロック20の開口70の端近傍に至ると、自動的に固定側コイル7への通電が停止され(ステップ4)、赤変部が放水等によって冷却される(ステップ5)。
固定側コイル7への通電停止及び内壁の冷却は、シリンダボアの軸方向の全長に渡って加熱した後に行ってもよいが、シリンダブロック20の全長が長い場合には、例えば全長の3分の1ずつ加熱し、固定側コイル7への通電を停止し、放水等によって冷却してもよい。
また上記した実施形態では、固定コイル7への通電を停止してから加熱部分を冷却したが、シリンダブロック20が大きい場合には誘導加熱を追いかけて加熱部分を冷却することが望ましい。
図8乃至図10は、本発明の実施形態のシリンダブロック20の焼入装置1の動作を示し、(a)は焼き入れ開始時のシリンダブロック20の断面図であり、(b)は動作途中におけるシリンダブロック20の断面図である。
図8に示すシリンダブロック20の焼入装置78では、誘導加熱コイル10の下部に冷却水配管80が設けられている。冷却水配管80は、誘導加熱コイル10の支持部材(図示せず)に取り付けられており、誘導加熱コイル10と一体的に昇降する。
冷却水配管80には多数のノズル(開口)81が設けられている。また冷却水配管80には図示しない冷却液槽から冷却液が供給され、前記したノズル81から冷却液がシリンダブロック20の内壁71に向かって噴射される。
図8に示すシリンダブロック20の焼入装置78では、誘導加熱コイル10がシリンダブロック20の開口70内に降下され、固定側コイル7に通電され誘導加熱コイル10に高周波電流が流れてシリンダボアの内壁71が加熱されると共に、冷却水配管80に冷却液が供給される。
そして誘導加熱コイル10を回転させつつ上昇させる。その結果、誘導加熱コイル10の凸部46が螺旋軌跡を描いて移動する。そして本実施形態では、冷却水配管80が誘導加熱コイル10と一体的に昇降し、冷却水配管80のノズル81(開口)から冷却液がシリンダブロック20の内壁71に向かって噴射されるので、加熱部分が順次冷却される。
図8で示したシリンダブロックの焼入装置78では、冷却装置として冷却水配管80を利用したが、冷却装置はこの構成に限定されるものではなく、冷却液が入った槽を利用することも考えられる。
図9、図10は、冷却装置として冷却液槽を利用する構成を示すものである。
図9に示すシリンダブロックの焼入装置83では、冷却装置として冷却液槽85を備えている。冷却液槽85には、ポンプ86が接続されており、冷却液がポンプ86によって出し入れされる。即ち本実施形態では、ポンプ86を駆動することにより、冷却液槽85内の冷却液の液面を昇降させることができる。
図9に示すシリンダブロック20の焼入装置83においても、誘導加熱コイル10がシリンダブロック20の開口70内に降下され、固定側コイル7に通電され誘導加熱コイル10に高周波電流が流れて内壁71が加熱される。そして誘導加熱コイル10を回転しつつ上昇させる。その結果、誘導加熱コイル10の凸部46が螺旋軌跡を描いて移動する。
また本実施形態では、これら一連の動作と平行してポンプ86によって冷却液が冷却液槽85に供給され、冷却液の液面が次第に上昇する。液面の上昇速度は、固定側コイル7の上昇速度と略一致させるのが好ましい。
そのため誘導加熱コイル10によって加熱された部位に冷却液の液面が至り、加熱部位を順次冷却してゆく。
図9で示した実施形態では、冷却液槽85の液面を上昇させることによって誘導加熱を追う構成としたが冷却液槽85自体を昇降させたり、シリンダブロック20の方を昇降させて冷却液槽85に浸ける構成を採用してもよい。図10は、シリンダブロック20を降下させて冷却液槽85に浸ける例を示している。
以上説明した実施形態では、可動側コイル8は回転方向にのみ自由度を持つが、さらに加えて昇降方向(軸方向)に自由度を持たせてもよい。
図11は、本発明の他の実施形態のシリンダブロック20の焼入装置60の概念図である。図12は、図11に示すシリンダブロック20の焼入装置60の動作を示す説明図であり、(a)は、可動側コイル8が上端近傍にある場合を示し、同(b)は、可動側コイル8が降下した状態を示す。
図11において、先の実施形態と同一の部材には同一の番号を付している。
図11に示す焼入装置60では、可動側コイル8は回転方向と軸方向の双方に自由度を持つ。
図11に示す焼入装置60では、固定側コイル61は、円環状であるが、その軸方向の長さが先の実施例のものに比べて長い。また軸方向に昇降することができる。
本実施形態では、固定側コイル61が軸方向に長いから、可動側コイル8が図12(b)の様に降下しても、可動側コイル8は固定側コイル61で囲まれた空間から外れない。
上記した実施形態では、いずれも固定側コイル7及び移動側コイル8にコアが設けられていないが、公知のトランスの如く、コアを設けてもよい。
また上記した実施形態では、コイルはいずれもワンターン形のコイルであるが、代わりに複数の巻き数を有するコイルを使用してもよい。
また上記した実施形態では、いずれも固定側コイルが外側にあり、可動側コイルが内側に設けられているが、逆に固定側コイルを内側に設け、その外周を可動側コイルが取り巻くように構成してもよい。また電磁的結合が維持されるならば固定側コイルと可動側コイルとを並列的に並べてもよい。
本発明の実施形態のシリンダブロックの焼入装置を概念的に表した概略斜視図である。 図1のシリンダブロックの焼入装置で採用する誘導加熱コイルの正面図である。 誘導加熱コイルの変形例の正面図である。 本発明の実施形態のシリンダブロックの焼入装置の固定側コイル及び可動側コイルの組み合わせ部分の一例を示す断面斜視図である。 図1のシリンダブロックの焼入装置によって焼入されたシリンダブロックの開口の内壁の破断斜視図である。 シリンダブロックの内壁の展開図である。 図1のシリンダブロックの焼入装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態のシリンダブロックの焼入装置の動作を示し、(a)は焼き入れ開始時のシリンダブロックの断面図であり、(b)は動作途中におけるシリンダブロックの断面図である。 本発明のさらに他の実施形態のシリンダブロックの焼入装置の動作を示し、(a)は焼き入れ開始時のシリンダブロックの断面図であり、(b)は動作途中におけるシリンダブロックの断面図である。 本発明のさらに他の実施形態のシリンダブロックの焼入装置の動作を示し、(a)は焼き入れ開始時のシリンダブロックの断面図であり、(b)は動作途中におけるシリンダブロックの断面図である。 本発明のさらに他の実施形態のシリンダブロックの焼入装置の概念図である。 図11に示すシリンダブロックの焼入装置の動作を示す説明図であり、(a)は、可動側コイルが上端近傍にある場合を示し、同(b)は、可動側コイルが降下した状態を示す。
符号の説明
1 シリンダブロックの焼入装置
2 ベース
3 X−Yテーブル
5 昇降テーブル
6 トランス
7 固定側コイル
8 可動側コイル
10 誘導加熱コイル
11 モータ(コイル操作手段)
21 昇降装置(軸方向移動手段)
60 シリンダブロックの焼入装置
81 ノズル(開口)

Claims (10)

  1. シリンダブロックの開口内壁を焼入するシリンダブロックの焼入装置において、交流電流が供給される固定側コイルと、前記固定側コイルの近傍に配置され固定側コイルと電磁的に結合されていて誘導電流を発生させる可動側コイルと、シリンダブロックの開口内に挿入可能な誘導加熱コイルと、誘導加熱コイルをシリンダブロックに対して相対的に軸方向に移動させる軸方向移動手段と、誘導加熱コイルをシリンダブロックの開口内で回転させるコイル操作手段とを有し、誘導加熱コイルは可動側コイルに接続され、前記可動側コイルは固定側コイルに対して回転可能であり、コイル操作手段が誘導加熱コイルを回転させる際に可動側コイルが追従可能であることを特徴とするシリンダブロックの焼入装置。
  2. 固定側コイルは環状部分を有し、可動側コイルは固定側コイルの環状部分内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロックの焼入装置。
  3. 固定側コイル及び可動側コイルは共に環状であり、固定側コイルは可動側コイルの外側に配されており、固定側コイルは可動側コイルに比べて軸方向に長く、可動側コイルは固定側コイルによって囲まれた空間内で軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリンダブロックの焼入装置。
  4. 冷却装置を有し、誘導加熱コイルによって加熱された部位が冷却装置によって順次冷却されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシリンダブロックの焼入装置。
  5. 冷却装置は冷却液を噴射する開口を備え、当該開口は誘導加熱コイルと共に軸方向に移動し、加熱部分を順次冷却可能であることを特徴とする請求項4に記載のシリンダブロックの焼入装置。
  6. 冷却装置は冷却液が入った槽であり、冷却液の液面が昇降して加熱部分を順次冷却可能であることを特徴とする請求項4に記載のシリンダブロックの焼入装置。
  7. 冷却装置は冷却液が入った槽であり、当該槽又はシリンダブロックのいずれかが昇降して加熱部分を順次冷却可能であることを特徴とする請求項4に記載のシリンダブロックの焼入装置。
  8. 誘導加熱コイルは、回転しつつ軸方向に移動することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のシリンダブロックの焼入装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載のシリンダブロックの焼入装置を使用し、誘導加熱コイルを回転しつつ軸方向に移動して焼入することを特徴とするシリンダブロックの製造方法。
  10. 誘導加熱コイルをシリンダブロックの開口内に挿入し、誘導加熱コイルに高周波電流を通電しつつ誘導加熱コイルを回転し、同時に誘導加熱コイルを軸方向に移動させてシリンダブロックの開口内壁を螺旋状の軌跡を描いて加熱し、シリンダブロックの開口内の加熱部分を順次冷却してシリンダブロックの開口内壁を螺旋状に焼き入れすることを特徴とするシリンダブロックの製造方法。
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