JP2008142933A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷変動に対し印刷ドラムの回転の安定性を確保するとともに、その回転変動に起因する画像ムラを抑制することをができる駆動制御手段を有する印刷装置を実現する。
【解決手段】印刷ドラム1と、該印刷ドラム1を回転駆動するモータ71と、該モータの駆動を制御する制御手段を有する印刷装置において、モータ71に対して意図的に回転負荷を与えるブレーキ手段72を設け、ブレーキ手段72によりモータに意図的に回転負荷を作用させる構成とする。これにより、印刷ドラム1の回転時に急激な負荷変動があっても、その急激な負荷変動に対して位相制御の位相ズレの発生を抑制することができる。従って、位相ズレによる印刷ドラムの回転変動がなくなり、それに起因するハーフトーン画像ムラを防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、孔版印刷装置等の印刷装置に関し、特に、印刷ドラムの駆動制御に特徴を有する印刷装置に関する。
印刷装置の一例として孔版印刷装置が知られている。この孔版印刷装置では、穿孔により画像が形成されたマスタ(版)を印刷ドラム(版胴とも言う)の外周に巻き付けた後に、印刷ドラムを回転させ、印刷ドラムの回転駆動に同期させて所定のタイミングをもって給紙部から給紙された印刷用紙を印刷ドラムと印圧部材(プレスローラ、圧胴等)との間に搬送し、印刷用紙を印圧部材により印刷ドラム上のマスタに圧接し、印刷ドラム内に供給したインク(インキとも言う)を印刷ドラムのスクリーン及びマスタの穿孔から滲み出させて印刷用紙に転写することにより印刷物を得ている。そして、画像が転写された印刷用紙(印刷物)は、剥離手段により印刷ドラムから剥離されて排紙部に搬送され、排紙トレイに排紙されて順次積載される。
上記の孔版印刷装置等の印刷装置においては、印刷ドラムの負荷変動が生じると、回転の安定性が損なわれて回転変動が発生し、印刷画像に回転変動に起因するハーフトーン画像ムラが発生するという問題がある。
ここで、印刷装置における印刷ドラムの負荷変動について、大きくはインクの状態(粘性)で左右される。例えば使用環境(温度等)が変化すると、印刷ドラム内のインクの粘性が変化する。一般的には、高温時にはインクは柔らかくなり、印刷ドラムの負荷は軽くなる。一方、低温時には逆にインクが硬くなり、ドラム負荷が重くなる。そこで従来の技術では、印刷ドラムの回転を担っているメインモータ(主にブラシレスモータ)の制御方法にて、負荷変動を制御する方法をとっていた。そして、この制御方法としては、位相同期回路によるPLL方式を用いるというのが一般的である。しかし、このPLL方式だと低速回転時(軽負荷時)の急激な負荷変動に対し、位相ズレが発生してしまうという問題を抱えている。そして、位相ズレが発生してしまうと、かえって制御が悪影響してしまい、回転の安定性を欠いてしまう場合がある。
より詳しく述べると、PLL方式とは、図6に一例を示すような位相同期回路を用い、外部から入力された基準信号とループ内の電圧制御発振器(VCO(Voltage Controlled Oscillator))からの出力との位相差が一定となるようにループ内の発振器(VCO)にフィードバック制御をかけて発振させるものであり、この回路を用いることで入力信号に同期した発振器出力を得ることが可能となる。すなわち、入力信号と出力信号(VCO出力信号)の位相差が一定になるようにVCOを制御する。その結果、fcomp=frefとなる。
図6は位相同期回路の基本的な回路構成例であり、この回路構成は、2つの信号間の位相差を比較して差信号を発生する位相比較器と、交流成分をカットするループフィルタと、電圧制御発振器(VCO)の3つで構成される。位相比較器が外部から入力される基準信号とVCOの自走発振で生成されている比較信号との位相比較を行い、位相差成分をパルス状の位相差信号として出力し、次に差信号をループフィルタ(積分回路/LPF)を通じて直流化(高周波成分を遮断)し、これを一定の自走周波数を持ち、制御端子に電圧を印加することで発振周波数を変化させることが可能な電圧制御発振器(VCO)にフィードバックして入力し、入力された制御電圧を元にVOCが発振周波数の調整を行うことで基準信号との調相動作を行う。
一般にVCO出力からの信号位相が進んでいれば、発振周波数を下げて位相を遅らせ、発振周波数が遅れていれば、発振周波数を上げて位相を進め、基準信号との位相差は零となるようにVCOを制御している。
ここで、位相比較器は、基準信号とVCO出力信号(比較信号)との位相比較を行い、位相差をパルス状の差信号にして出力する機能を有している。この位相比較器から出力された位相差信号はパルス状の信号であり、ループフィルタは、このパルス状の信号から交流成分を取り除くためのローパスフィルタである。また、その他、PLLのループ制御を安定に行うための伝達特性を決定する機能も有している。従って、このループフィルタの定数によって、PLL自体のジッターに対する耐性がほぼ決まる。
電圧制御発振器(VCO)は、入力信号によって発振周波数が制御できる可変周波数発振器であるが、VCO自体は元々入力信号に対し同期させるものであるため、カット周波数を下げれば広帯域のジッターに対する耐性は上がる一方、追従性については逆に悪化するため、データが受け取れなくなる状態のロック外れを起こしやすくなったり、或いは全くロックしなくなってしまうことがある。
位相比較器からの出力は交流成分を多く含んでおり、フィルタのカット周波数を下げることにより、交流が通りにくくなれば位相比較器の出力が、その分VCOに伝わらなくなる。その結果、VCOは何時までたっても自走周波数で勝手に発振してしまい、位相比較器からは位相差信号が絶えず出力されっ放しという、いわゆる「アンロック」状態となってしまう。
従って、上記のような従来のPLL方式では、低速回転時(軽負荷時)の急激な負荷変動に対し、位相ズレが発生してしまうという欠点があり、位相ズレが発生してしまうと、かえってその制御が悪影響してしまい、回転の安定性を欠いてしまう。その結果、回転変動による画像ムラの発生や騒音が大きくなってしまうという問題がある。
ところで、印刷装置において、複数のドラムのドラム位相差バラツキやドラム位相差変動に起因する転写ゴーストの発生を防止することを目的として、ドラムと、このドラムを押圧するプレス部材とを有する印刷部を複数配置し、この複数のドラムが歯車列からなる歯車伝達機構を介して同一のモータの駆動力で回転される印刷装置において、前記歯車伝達機構の動力伝達下流側に配置されたドラムに回転負荷を与えるブレーキ手段を設けた構成のものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の従来技術では、複数のドラムを有する構成(例えば2色印刷装置)であり、各々のドラム位相差バラツキやドラム位相変動に起因する転写ゴーストの発生を防止するものである。また、特許文献1に記載の従来技術では、印刷ドラムの駆動伝達機構にベルトを用いた場合のドラム位相変動の問題を解決するため、歯車列からなる歯車伝達機構を介して同一のモータの駆動力で2つのドラムを回転するようにしている。このため、特許文献1に記載のブレーキ手段では、印刷ドラムの駆動伝達機構にベルトを用いたものには効果的に作用しない構成となっている。
特開2006−116899公報
本発明は、前述したような、インクの粘性の変化等により印刷ドラムの負荷変動が生じると、回転の安定性が損なわれて回転変動が発生し、印刷画像に回転変動に起因するハーフトーン画像ムラが発生する、という問題を解決することを課題としている。
また、本発明では、従来のPLL方式の制御では制御しきれない、低速回転時(軽負荷時)の急激な負荷変動に対しても印刷ドラムの回転変動を抑制することができるようにすることを課題としている。
さらに本発明は、印刷ドラムの駆動伝達機構にベルトを用いた構成の印刷装置においても、ドラムの負荷変動に対し、印刷ドラムの回転の安定性を確保するとともに、その回転変動に起因するハーフトーン画像ムラを抑制することをができる、新規な印刷ドラムの駆動制御手段を有する印刷装置を提供することを課題としている。
上述の課題を解決するため、本発明では以下のような手段を採っている。
本発明の第1の手段は、印刷ドラムと、該印刷ドラムを回転駆動するモータと、該モータの駆動を制御する制御手段を有する印刷装置において、前記モータに対して意図的に回転負荷を与えるブレーキ手段を設けたことを特徴とする。
また、本発明の第2の手段は、第1の手段の印刷装置において、前記ブレーキ手段は、前記モータの近傍に配置してあることを特徴とする。
本発明の第3の手段は、第1または第2の手段の印刷装置において、前記制御手段は、前記印刷ドラムの低速回転時(例えばマスタ巻き付け時、版付け時等)に前記ブレーキ手段の動作を制御することを特徴とする。
また、本発明の第4の手段は、第1乃至第3のいずれか1つの手段の印刷装置において、前記制御手段は、使用環境の温度条件により、前記ブレーキ手段の動作を制御することを特徴とする。
さらに本発明の第5の手段は、第1乃至第4のいずれか1つの手段の印刷装置において、前記制御手段は、前記モータの駆動電流から該モータの負荷を判断する手段を有し、前記モータの負荷が軽負荷と判断した場合には、前記ブレーキ手段の動作を制御することを特徴とする。
本発明の第6の手段は、第1乃至第5のいずれか1つの手段の印刷装置において、前記制御手段は、目標とする負荷条件を予め設定しておく記憶部と、前記負荷条件と実際のモータ負荷とを比較する手段を有し、前記目標とする負荷条件となるように前記ブレーキ手段の動作を制御することを特徴とする。
また、本発明の第7の手段は、第6の手段の印刷装置において、前記目標とする負荷条件として最適な電流条件を前記記憶部に予め設定しておき、前記制御手段は、その最適な電流条件と実際のモータ駆動電流とを前記比較手段で比較し、前記目標とする負荷条件となるように前記ブレーキ手段の動作を制御することを特徴とする。
本発明の第8の手段は、第1乃至第5のいずれか1つの手段の印刷装置において、前記印刷ドラムの回転を検出する検知手段を有し、前記制御手段は、前記検知手段の出力より回転変動を検出し、該回転変動に応じて前記ブレーキ手段の動作を制御することを特徴とする。
また、本発明の第9の手段は、第7の手段の印刷装置において、前記検知手段としてドラムエンコーダを有し、前記制御手段は、前記ドラムエンコーダの出力のパルス幅より回転変動を検出し、該回転変動に応じて前記ブレーキ手段の動作を制御することを特徴とする。
本発明の第1の手段の印刷装置では、モータに対して意図的に回転負荷を与えるブレーキ手段を設け、ブレーキ手段によりモータに意図的に回転負荷を作用させる構成としたので、印刷ドラムの回転時に急激な負荷変動があっても、その急激な負荷変動に対して、PLL方式の位相制御の位相ズレの発生を抑制することができる。従って、位相ズレによる印刷ドラムの回転変動がなくなり、それに起因するハーフトーン画像ムラを防止することができる。
また、第2の手段の印刷装置では、上記の構成に加えて、ブレーキ手段は、モータの近傍に配置してあることにより、ギヤ(歯車)やベルトを介在するよりも効果的に回転負荷を作用させることができる。
第3、第4、第5の手段の印刷装置では、第1または第2の手段と同様の構成及び効果に加え、回転負荷が必要な時にのみ、ブレーキ手段による負荷を作用させる構成のため、より効果的に回転変動が抑制できるとともに、電力の浪費、モータへのストレス(劣化)を低減することができる。
第6、第7の手段の印刷装置では、第1乃至第5のいずれか1つの手段と同様の構成及び効果に加え、実際の負荷に対し、予め設定しておいた最適な条件と比較しながら回転負荷を調整することができる。このため、安定した回転が得られるとともに、ブレーキ手段による負荷を必要以上に与えることもなくなるため、電力の浪費やモータの劣化についても低減することができる。
第8、第9の手段の印刷装置では、第1乃至第5のいずれか1つの手段と同様の構成及び効果に加え、印刷ドラムの回転時の実負荷変動に対して、検知手段の出力より回転変動を検出できるので、その回転変動に応じてブレーキ手段を作用させることができる。このため、予期せぬ負荷変動による印刷ドラムの回転変動をも検出でき、ブレーキ手段を作用させて抑制することができる。
以下、本発明の構成、動作及び作用を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す印刷装置の概略全体構成図である。この印刷装置は孔版印刷装置の一例であり、製版や印刷を行う印刷装置本体100と、その印刷装置本体の上に設置され原稿画像を読取る画像読取部200とを備えている。
画像読取部200では原稿の画像を図示しない撮像素子(CCD等のイメージセンサ)で読取り、読取られた原稿の画像データは、図示しない画像処理部のメモリに一旦格納された後、印刷装置本体100に送られる。印刷装置本体100には、画像データに基づいてマスタ22に製版を行い製版されたマスタ22を印刷ドラム1に給版する製版部20と、マスタ22が巻装される印刷ドラム1を有し印刷用紙Pに印刷を行う印刷部10と、印刷部10に印刷用紙Pを給紙する給紙部30と、印刷後の印刷用紙Pを排紙する排紙部50と、印刷済みのマスタ22を印刷ドラム1から剥離し排版する排版部60とを備えている。
より詳しく説明すると、印刷装置本体100の筐体の上部には画像読取部200が配置されている。この画像読取部200には、図示しない圧板あるいは自動原稿搬送装置(ADF)が設けられており、この圧板またはADFは画像読取部200の図示しないコンタクガラスに対して接離自在に設けられている。
図示を省略しているが、図1に示す印刷装置の画像読取部200には、原稿の原稿面を走査して画像を読取るための、照明ランプと反射ミラーを有するキャリッジと、キャリッジにより走査された原稿画像を結像レンズで撮像素子(CCD等のイメージセンサ)に結像して光電変換し画像データを出力する画像読取ユニットなどを有する画像読取装置(スキャナ)が設けられている。そして、画像読取部200の撮像素子(CCD等のイメージセンサ)で読取られた原稿の画像データは、図示しない画像処理部のメモリ(ページメモリ等)に一旦格納された後、印刷装置本体100に送られる。
印刷装置本体100の中央に配置された印刷部10は、印刷ドラム(版胴)1、インク補給手段(2,3)、プレスローラ(または圧胴)等からなる印圧手段40を有している。印刷ドラム1はインク供給パイプを兼ねた支軸1Aに回転自在に支持された図示しない一対のフランジの外周面に多孔性支持板を巻装して構成されており、例えば図3に示すようなドラム駆動手段(後述するメインモータ71とその駆動伝達機構)によって、製版、印刷時は図中の矢印で示す時計回り方向に回転駆動される。支軸1Aはその先端部を印刷装置本体100の図示しない側板に支持されており、その表面にはインク補給手段(2,3)にインクを供給するための複数の小さな孔が穿設されている。図示しない各フランジは図示しない軸受を介して支軸1Aに回転自在に支持されている。
印刷ドラム(版胴)1を構成するステンレスの薄板等で形成される多孔性支持板は、多数の開孔が穿設された開孔部と非開孔部とを有しており、開孔部の周方向長さは例えばB4サイズ(あるいはA3サイズ等)の用紙に対して印刷を行うことが可能な長さに形成されている。非開孔部には印刷ドラム1の一母線と平行な平面を有するステージ部が配置されており、ステージ部の上面にはマスタの先端を係止する開閉自在なクランパ1Bが配置されている。また、多孔性支持板の外側には、ポリエステルあるいはステンレスの細線等からなる図示しないメッシュスクリーンが1〜3層程度巻装されている。
印刷ドラム1の内部であって支軸1Aの下方に位置する部分には、インク補給手段として、インク供給部材であるインクローラ2と、インク量規制部材であるドクターローラ3等を有するインク補給装置が配置されている。インクローラ2は、図示しない各フランジ間の支軸1A上に固着された図示しない一対の側板間にその支軸1Aを回転自在に支持されており、図3に示すようなドラム駆動手段からの回転力をギヤやベルト等の回転力伝達手段によって伝達されて印刷ドラム1と同方向に回転する。ドクターローラ3は、その外周面とインクローラ2の外周面との間に僅かな隙間が生じる位置において側板間に回転自在に支持されており、図3に示すようなドラム駆動手段からの回転力を図示しない回転力伝達手段によって伝達されてインクローラ2とは反対の方向に回転する。インクローラ2とドクターローラ3との近接部において、支軸1Aより供給されたインクによって楔状のインク溜り4が形成されている。
印刷ドラム1の下方には印圧手段40が配置されている。この印圧手段40は例えばプレスローラ41からなり、このプレスローラ41は、例えば図4に示すような印圧機構の一対のプレスローラアーム42間に回転自在に支持されており、各プレスローラアーム42はカム等の揺動手段(印圧カム(ドラムフランジ)1C、カムフォロワー41A、スプリング42c等)によって一体的かつ揺動自在に支持されている。また、揺動手段の近傍には、プレスローラ41を印刷ドラム1の外周面より離間した状態で保持する係止手段(ストッパー42b、印圧ソレノイド43F,43B等)が配置されている。
印刷装置本体100の印刷部10の右上方には製版部20が配置されている。この製版部20は、マスタ貯容手段21、プラテンローラ23、サーマルヘッド24、切断手段25、マスタ搬送ローラ対26,27等を有している。マスタ貯容手段21は、熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを貼り合わせたマスタ22をロール状に巻成したマスタロール21aを備え、そのマスタロール21aの芯部21bを回転自在かつ着脱自在に支持している。
マスタ貯容手段21よりもマスタ搬送方向下流側には、プラテンローラ23及びサーマルヘッド24が配置されている。プラテンローラ23は印刷装置本体100の図示しない側板に回転自在に支持されており、図示しないステッピングモータによって回転駆動されている。
多数の発熱素子を有するサーマルヘッド24は印刷装置本体100の図示しない側板に取付けられており、図示しない付勢手段の付勢力によってプラテンローラ23に圧接されている。サーマルヘッド24は、マスタ22の熱可塑性樹脂フィルム面に接触しつつ発熱素子を選択的に発熱させ、マスタ22に対して熱溶融穿孔製版を行う。
プラテンローラ23及びサーマルヘッド24よりもマスタ搬送方向下流側には切断手段25が配置されている。この切断手段25は固定刃と可動刃とからなり、印刷装置本体100の図示しない側板に固定された固定刃に対して可動刃が回動移動してマスタ22を切断する構成となっている。
切断手段25のマスタ搬送方向下流側にはマスタ搬送ローラ対26,27が配置されており、製版されたマスタ22を印刷ドラム1に給版する給版手段を構成している。
マスタ搬送ローラ対26,27は、図示しない駆動手段によって同期して回転駆動される駆動ローラと、図示しない付勢手段によって駆動ローラに圧接された従動ローラとから構成されている。
また、図示しないガイド板は印刷装置本体100の図示しない側板に固定されており、マスタ搬送ローラ対26,27によって搬送されるマスタ22をガイドし、マスタ22の先端を印刷ドラム1の外周面へと案内する。
印刷ドラム1の外周面に案内されたマスタ22の先端は、印刷ドラム1のクランパ1Bによって挟持され、また、製版部20からのマスタ22の供給に合わせて印刷ドラム1が回転し、マスタ22が印刷ドラム1の外周面に巻装される。
印刷装置本体100の製版部20の下方には給紙部30が配置されている。この給紙部30は、シート状の印刷用紙Pを積載した給紙トレイ31、給紙ローラ32、レジストローラ対33等を有している。
給紙トレイ31の上方には、表面に高摩擦抵抗部材を有する給紙ローラ32が配置されている。給紙ローラ32は、給紙トレイ31上の印刷用紙Pと所定の圧力で圧接し、ギヤやベルト等の図示しない駆動力伝達手段を介してステッピングモータによって回転駆動される。なお、図示していないが、給紙ローラ32とレジストローラ対33の間で用紙先端の近傍には、印刷用紙Pを1枚ずつ給紙するための分離パッド及び分離ローラを設けてもよく、この場合は、分離パッドは所定の圧力で分離ローラに圧接されるように配置されている。そして、この分離ローラ及び分離パッドの用紙搬送方向下流側にレジストローラ対33が配置される。駆動ローラと従動ローラとからなるレジストローラ対33は、図3に示すようなドラム駆動手段からの回転駆動力をギヤやベルト等の駆動伝達手段で伝達されることにより、駆動ローラが印刷ドラム1の回転と同期した所定のタイミングで回転し、この駆動ローラに圧接された従動ローラによって印刷用紙Pを印刷部10の印刷ドラム1と印圧手段40の対向位置に向けて給送する。
印刷装置本体100の印刷部10の左上方には排版部60が配置されている。この排版部60は、排版ローラ対61、排版ボックス62、圧縮部63等を有している。
排版ローラ対61は、印刷終了後に、使用済みのマスタ22を印刷ドラム1から剥離して排版ボックス62に運ぶ機能を有し、図示しない駆動手段の駆動力をギヤやベルト等の駆動伝達手段によって伝達されることで回転する。
内部に使用済みマスタを貯容する排版ボックス62は、印刷装置本体100に対して着脱自在に設けられている。排版ローラ対61によって印刷ドラム1から剥離され、運ばれた使用済みマスタを排版ボックス62の内部に押し込む圧縮板63は、図示しない昇降手段によって上下動自在に支持されている。
印刷装置本体100の排版部60の下方には排紙部50が配置されている。この排紙部50は、剥離手段(剥離爪45やエアーナイフ46)、排紙搬送部材51、排紙トレイ53等を有している。印刷ドラム1の外周面より印刷済みの印刷用紙Pを剥離する剥離爪45は、支軸によって印刷装置本体100の図示しない側板に揺動自在に支持されており、図示しない爪揺動手段によって、その先端が印刷ドラム1の外周面に近接する位置と、その先端が印刷ドラム1の回転によって移動するクランパ1B等の障害物と干渉しない位置とに選択的に揺動される。
排紙搬送部材51は、駆動ローラ51bと従動ローラ51cに架設された無端ベルト51aと、吸引ファン52等を有している。駆動ローラ51bは印刷装置本体100の図示しない側板に回転自在に支持されており印刷部10の印刷ドラム1の回転によりベルト等の駆動伝達手段を介して回転駆動される。従動ローラ51cも同側板に回転自在に支持され、駆動ローラ51bと従動ローラ51cとには、無端ベルト51aが掛け渡されている。駆動ローラ51b、従動ローラ51c及び無端ベルト51aの下方には吸引ファン52が配置されており、排紙搬送部材51は、吸引ファン52の吸引力によって無端ベルト51a上に印刷用紙Pを吸着し、排紙トレイ53に向けて搬送する。
排紙搬送部材51によって搬送される印刷済みの印刷用紙Pをその上面に積載する排紙トレイ53は、用紙巾方向に移動自在な一対のサイドフェンス54と用紙搬送方向に移動自在な1つのエンドフェンス55とを有している。
次に図1に示す印刷装置の動作を説明する。この印刷装置の動作は、図2に示すような制御系の制御部80で実行される。
図2は印刷装置の制御系の一例を示すブロック図であり、この制御系は、CPU81、メモリ(ROM82、記録部83)、I/O85等からなるマイクロコンピュータ構成の制御部80を主要な構成要素として備え、この制御部80により、前述した画像読取部200、印刷部10、製版部20、給紙部30、排紙部50、排版部60の各部の駆動が制御される。なお、図2では、後述する印刷ドラムの駆動制御系のみを図示してあり、その他の各部の図示は省略している。また、制御部80には、入力操作部である操作パネル90や、図示しない環境検知センサ(温度センサ、湿度センサ等)等が接続されている。図示しない環境検知センサは、印刷装置が設置されている周囲の環境、例えば、温度や湿度などを検知し、環境検知センサで検知された温度や湿度の環境情報は、制御部80へ入力される。
操作パネル90には、テンキーや各種のファンクションキー及び表示部などが設けられ、ファンクションキーやテンキーの操作により各種印刷条件の設定を行う。操作パネル90から入力されたデータや印刷条件の設定情報は、制御部80へ入力される。
そして、制御部80は、操作パネル90から入力された情報に応じてメインモータ71等を駆動するモータ駆動手段70を駆動させ、製版部20、印刷部10、給紙部30、排紙部50、排版部60の駆動を以下のように制御する。
まず、印刷装置のメインスイッチがONの状態で、オペレータにより画像読取部200のコンタクトガラス上に原稿がセットされ、操作パネル90上の製版スタートキーが押下されると、画像読取部200の読取り動作が開始され、画像読取部200により原稿画像の読取動作が行われ、原稿面全体の読取りが行われる。
画像読取部200で読取られた画像は図示しない画像処理部で画像処理され、画像データ信号として順次出力され、図示しない画像メモリのページメモリ内に1ページ分の画像データが格納される。なお、この画像読取部200による読取動作が行われているときは、印刷ドラム1は停止したままであり、排版動作や、製版・給版動作は行われない。
画像読取部200の画像読取動作の終了にタイミングを合わせて制御部80は印刷装置本体100の印刷部10及び排版部60を制御し、印刷ドラム1が回転を開始し、排版部60で版胴上からの使用済みマスタの排版動作が行われる。すなわち、排版部60の排版ローラ対61によって印刷ドラム1上から使用済みマスタが剥離され、剥離された使用済みマスタは、排版ボックス62内に廃棄された後に圧縮板63によって圧縮される。排版動作完了後、印刷ドラム1は再び回転して給版待機位置で停止し、クランパ1Bが開放されて印刷装置は給版待機状態となる。
印刷装置が給版待機状態となると、制御部80は製版部20を制御し、製版部20のプラテンローラ23およびマスタ搬送ローラ対26,27が回転駆動され、マスタロール21aからマスタ22が引き出される。引き出されたマスタ22は、サーマルヘッド24の各発熱素子が画像メモリ(ページメモリ)に格納された画像データ信号に基づいて発熱することでその熱可塑性樹脂フィルム面が加熱穿孔され、製版画像が形成される。
マスタ22はサーマルヘッド24により製版されつつプラテンローラ23及びマスタ搬送ローラ対26によって搬送され、図示しないガイド板に案内されて、印刷ドラム1の開放されたクランパ1Bへと送られる。そして、ステッピングモータのステップ数によりマスタ22の先端がクランプ1Bに挟持される所定位置まで到達したと判断されると、図示しない開閉手段が作動してクランパ1Bが閉じられて印刷ドラム1の外周面に製版されたマスタ22の先端が保持される。
その後、製版動作と並行して給版動作が開始され、印刷ドラム1がマスタ22の製版搬送速度と同じ周速度で図1の矢印方向(時計回り方向)に回転駆動され、マスタ22の印刷ドラム1への巻装動作が行われる。そして、ステッピングモータのステップ数により1版分の製版が完了したと判断されると、プラテンローラ23及びマスタ搬送ローラ対26,27の回転が停止すると共に切断手段25の可動刃が回転移動してマスタ22が切断される。切断されたマスタ22は印刷ドラム1の回転によって製版部20から引出され、全ての製版済みマスタが版胴上に巻装されると、印刷ドラム1はホームポジションまで回転して停止し、給版、巻装動作が完了する。
給版、巻装動作が完了すると、制御部80は印刷部10及び給紙部30を制御し、印刷ドラム1が低速で図1の矢印方向(時計回り方向)に回転駆動されると共に、給紙部30の給紙トレイ31より1枚の印刷用紙Pが給紙ローラ32により給紙される。給紙部30から給紙された印刷用紙Pは、その先端をレジストローラ対33のニップ部に当接させた状態で一時停止される。一時停止させられた用紙Pは、ドラム上に巻装された製版済みのマスタ22の画像領域先端部が印圧手段40のプレスローラ41と対応する位置に達する所定のタイミングでレジストローラ対33が回転駆動することにより、印刷ドラム1とプレスローラ41との間に向けて給送される。
このレジストローラ対33の回転とほぼ同時に図4に示すような印圧機構の揺動手段が作動してプレスローラ41がその外周面を印刷ドラム1の外周面に圧接させ、レジストローラ対33によって給送された印刷用紙Pが印刷ドラム1に巻装されたマスタに押圧される。この押圧動作によりプレスローラ41と用紙Pとマスタ22が圧接し、インクローラ2によって印刷ドラム1の内周面に供給されたインクが印刷ドラム1の開孔部より滲出し、多孔性支持板、図示しないメッシュスクリーン、及びマスタ22の多孔性支持体に充填された後にマスタの穿孔部を介して印刷用紙Pに転写され、いわゆる版付けが行われる。
版付けにより画像が転写された印刷用紙Pは、剥離爪45とエアーナイフ46によって印刷ドラム1の外周面より剥離されて排紙搬送部材51上へと送られる。排紙搬送部材51へと送られた印刷用紙Pは、吸引ファン52の吸引力によって無端ベルト51aの上面に引き付けられつつ左方へと搬送され、排紙トレイ53上に排出される。その後、印刷ドラム1が再びホームポジションまで回転して停止し、版付け動作を終えて印刷装置は印刷待機状態となる。
版付け動作完了後、オペレータにより操作パネル90上で印刷条件が設定された後、オペレータによって操作パネル90上の試し刷りキーが押下されることにより、制御部80により印刷部10、給紙部30及び排紙部50が制御され、上記のような印刷動作により1枚の印刷用紙Pに画像が印刷される。
この試し刷りによって画像位置や画像濃度等が決定されると、オペレータにより操作パネル90上でこれらの印刷条件及び印刷枚数が設定された後に、オペレータによって操作パネル90上のプリントキーが押下されることにより、制御部70により印刷部10、給紙部30及び排紙部50が制御され、上記のような印刷動作により設定した印刷枚数の印刷が行われる。
なお、上記のような製版、印刷動作は連続して行わせることもでき、オペレータにより操作パネル90上の連続キーが押下され、諸条件を設定した後に製版スタートキーが押下されると、原稿の画像読取動作、読取った画像データの画像メモリへの格納、排版動作、製版動作、給版動作、巻装動作、版付け動作が順次行なわれ、版付け動作の終了後、連続して印刷動作が実行される。
以上、本発明に係る印刷装置の基本的な構成、動作の一例を示したが、本発明では、上記のような構成、動作の印刷装置における印刷ドラムと、印刷ドラムの駆動手段(メインモータと、その駆動伝達機構)と、その制御手段及びブレーキ手段に特徴を有するものである。すなわち本発明では、印刷ドラム1と、印刷ドラム1を回転駆動するモータ71と、モータ71の駆動を制御する制御手段を有する印刷装置において、モータ71に対して意図的に回転負荷を与えるブレーキ手段72を設けたことを特徴としている。以下、本発明の具体的な実施例を説明する。
[実施例1]
本発明に係る印刷装置の基本的な構成、動作の一例は前述した通りであり、図2は主として印刷ドラムの駆動制御手段の一例を示している。また、図3はメインモータ71から印刷ドラム1への駆動伝達機構の一例を示す図であり、図4は印圧手段40の印圧機構部の一例を示す図である。また、図5は印刷ドラムの回転変動の例を示す図であり、(a)は通常の回転変動が発生しているときの波形と、正常時の波形を示した図、(b)は回転変動時と正常時に、急激な負荷変動による位相制御ハズレが発生した時の波形を示す図である。なお、図5は、検知手段(例えばドラムエンコーダ)で検出されるパルス幅を電圧に変換(F/V変換)したものであり、横軸が時間、縦軸が電圧である。
図2に示す駆動制御系では、前述の制御部80に、メインモータ71等を駆動するモータ駆動手段70、ブレーキ手段72、回転(変動)検知手段73、モータ負荷判断手段74等が接続されている。
図3はメインモータ71の駆動力が印刷ドラム1に伝達する機構を表した図であり、これは複数のギア71a,71c,71d,71e,71f,71gとタイミングベルト71bを介してメインモータ71の駆動力を伝達させ、印刷ドラム1を回転させる構成である。また、本実施例では、メインモータ71の近傍にブレーキ手段72を設けた構成としている。
図4は前述の印圧手段40の印圧機構部の一例を示しており、プレスローラ41は、印圧機構の一対のプレスローラアーム42間に回転自在に支持されており、各プレスローラアーム42は揺動手段(印圧カム(ドラムフランジ)1C、カムフォロワー41A、スプリング42c等)によって一体的かつ揺動自在に支持されている。また、揺動手段の近傍には、プレスローラ41を印刷ドラム1の外周面より離間した状態で保持する係止手段(プレスローラアーム42のブラケット42aを係止するストッパー42bと、そのストッパを揺動する印圧ソレノイド43F,43B等)が配置されている。
図4に示すように、印刷ドラム1の両端部外周には印圧動作を行うための印圧カム(ドラムフランジ)1Cがあり、プレスローラ41を印刷ドラム1に押圧する印圧動作には欠かせないものであり、プレスローラ41側のカムフォロワー41Aは、印圧動作の際、印刷ドラム1にマスタ22を巻き付け保持しているクランパ部1Bを避けるためのものである。
具体的な印圧動作については、印刷ドラム1が回転し、印刷ドラム1の両端側に取り付けられている印圧カム(ドラムフランジ)1Cの凸部がプレスローラ41側のカムフォロア41Aを下に押す。これと同時に、前側印圧ソレノイド43Fと後側印圧ソレノイド43BがONし、ストッパー42bが揺動してプレスローラアーム42のブラケット42aから外れる。プレスローラアーム42はスプリング42cにより引っ張られているため、プレスローラ41が揺動して印刷ドラム1に接触し押圧される。印刷中、印圧カム1Cはカムフォロワー41Aと接触した状態で回転するので、プレスローラ41は、この印圧カム1Cの外周に沿って動き、クランパ部1Bを避けながら印刷用紙Pを印刷ドラム1のマスタ22に印圧する。印刷が終了すると、印刷ドラム1の両端側に取り付けられている印圧カム1Cの凸部がプレスローラ41側のカムフォロア41Aを下に押し、プレスローラ41が印刷ドラム1から離間したと同時に、印圧ソレノイド43F,43BがOFFとなり、ストッパー42bが揺動して初期位置に戻り、プレスローラアーム42のブラケット42aを係止する。これによりプレスローラ41が印刷ドラム1から離間した状態に保持される。
ここで、上記のような一連の印圧動作が行われると、印刷ドラム1が回転変動をしてしまう。特に、印圧カム1Cの凸部が下りる方向に回転しているときは、印刷ドラム1の回転は加速し、一時的に負荷が軽くなり、印圧カム1Cの凸部がプレスローラ41側のカムフォロア41Aを押す位置では負荷が大きくなる。このため、印刷ドラム1に回転中に急激な負荷変動が発生し、これにより、PLL方式の制御における位相ズレが発生してしまう(図5(b))。すなわち、図4に示すような印圧機構を用いた場合には、印刷ドラム1の回転負荷変動による位相ズレの発生は避けられない。このため、従来のPLL方式のみの制御では、制御不能に陥る恐れがある。
そこで本発明では、印刷ドラム1の回転駆動制御は、通常の回転時は前述のPLL方式で行い、上記のような急激な負荷変動に対しては、モータ71に対して意図的に回転負荷を与えるブレーキ手段72を設け、意図的に回転負荷をかけられるような構成にしたのが特徴である。すなわち、モータ71に対して意図的に回転負荷を与えるブレーキ手段72を設け、ブレーキ手段72によりモータ71に意図的に回転負荷を作用させる構成としたことにより、印刷ドラム1の回転時に負荷変動があっても、その負荷変動を抑制するようにブレーキ手段72で負荷を与えることができ、軽負荷時の急激な負荷変動を抑制して位相ズレの発生を抑制することができる。従って、PLL方式の制御の位相ズレによる印刷ドラム1の回転変動がなくなり、それに起因するハーフトーン画像ムラを防止することができる。
また、上記の構成に加えて、ブレーキ手段72を制御対象に近い、モータ71の近傍に配置することにより、ギアやベルトを介在するよりも効果的にモータに回転負荷を作用させることができ、ブレーキ手段72の制御を比較的容易に行うことができる。
なお、ここで言うブレーキ手段72としては、板バネ状、パッド状、ローラ状等のブレーキ部材を、モータ71の近傍に配置し、タイミングベルト71bに接触させて負荷を与える手段や、モータ71とギア71aの間に設けたクラッチによって負荷を切り換える手段や、電磁ブレーキによりモータに負荷を与えるような手段があり、これらを適宜選択して用いることができる。
[実施例2]
実施例1の構成、動作に加え、本実施例の印刷装置では、制御部80は、ブレーキ手段72を必要に応じて制御する構成である。具体的には、制御部80は、印刷ドラム1の低速回転時にブレーキ手段72の動作を制御することを特徴としている。
これは印刷ドラム1の回転変動に対し、PLL方式の制御の位相ハズレを起こしやすい低速回転時(例えば孔版印刷装置特有のマスタ巻き付け時、版付け時等)に、ブレーキ手段72を作用させるものである。
一般に、モータ71にかかる負荷は速度が速くなればなるほど大きくなるので、例えば多数枚の高速印刷時等、印刷ドラム1の高速回転時にはモータ負荷が大きくなるが、負荷変動は小さくなり、位相制御の面からも位相のハズレが起きにくい。逆に低速回転時のように、モータ71の負荷が小さい(軽負荷)と、ドラムの一回転中に負荷変動が生じ、前述のような位相ハズレが起き易い傾向がある。従って、低速回転時にのみブレーキ手段72を作用させることにより、より効果的に印刷ドラム1の回転変動が抑制できるとともに、電力の浪費、モータ71へのストレス(劣化)を低減することができる。
印刷ドラム1の回転変動の要因としては、上記の回転速度による負荷の違いの他、駆動系の負荷や印圧の負荷、印刷ドラム自体の負荷などがある。特に印刷ドラムの負荷の影響が大きく、実際の負荷についてはドラム内部にあるインクの粘性によって随分違ってくる。インクの特性上、使用温度の影響や印刷されない時間(放置時間)によって大きく左右される。
一般的に低温時はインクは硬くなり負荷が大きくなり、高温時はインクは柔らかくなり負荷が軽くなる。また、放置時間によりインクが緩んだものも同様に負荷が軽くなる。このため、使用環境の温度条件などによっても負荷変動の大きさが変化するので、前述のような位相ハズレが起きる条件も異なってくる。そこで、制御部80は、上記の回転速度に応じたブレーキ手段72の動作の制御に加え、使用環境の温度条件によってもブレーキ手段72の動作を制御する。具体的には、環境温度が高温時にブレーキ手段72が動作するように制御する。これにより、より効果的に回転変動が抑制できるとともに、電力の浪費、モータ71へのストレス(劣化)も低減することができる。
[実施例3]
本実施例では、基本的な構成、動作は実施例2と同様であるが、モータ71に流れる電流からモータ71の負荷を判断する(把握する)ようにしたものである。
すなわち、図2に示すように、制御部80は、モータ71の駆動電流からモータの負荷を判断する手段74を有し、モータ71の負荷が軽負荷と判断した場合には、ブレーキ手段72を動作するように制御する。
これは、モータ71に流れる駆動電流から実際にかかっている負荷情報がより正確に得られるからである。負荷とモータの駆動電流は比例関係にあり、具体的には、負荷が小さい場合は電流値が小さく、負荷が大きくなるにつれて電流値が大きくなる。具体的な制御方法の例として、モータ71に流れる駆動電流をモニターし、その電流値の情報をモータ負荷判断手段74にフィードバックする構成とする。そして、モニターしているモータ電流値と、データテーブルの或る閾値とを比較して負荷の大きさを判断し、それを負荷情報とする。そして、制御部80は、その負荷情報から、位相制御の位相ハズレが起き得る負荷状態であると判断した場合には、ブレーキ手段72を動作させる。これにより、より効果的に回転変動を抑制することができる。
[実施例4]
本実施例では、基本的な構成、動作は実施例2や実施例3と同様であるが、制御部80は、目標とする負荷条件を予め設定しておく記憶部83と、負荷条件と実際のモータ負荷とを比較する手段を有し、目標とする負荷条件となるようにブレーキ手段72の動作を制御することを特徴としている。より具体的には、目標とする負荷条件として、モータの最適な電流条件を記憶部83に予め設定しておき、制御部80は、その最適な電流条件と実際のモータ駆動電流とを比較手段で比較し、目標とする負荷条件となるようにブレーキ手段80の動作を制御する。
ここで図7は、本実施例の制御動作を示すフローチャートであり、制御部80は、まず実施例2と同様にドラム回転速度チェックと環境温度チェックを行い(S1−1、S1−2)、回転速度が低速動作で、環境温度が高温の場合には、実施例3と同様にモータ71の負荷状態のチェックを行う(S1−3)。そしてモータ負荷が軽負荷の場合には、制御部80は、記憶部83から目標とする負荷条件(最適な電流条件)を呼び出し(S1−4)、ブレーキ手段72の動作の制御を開始し(S1−5)、最適な電流条件と実際のモータ駆動電流とを比較し(S1−6)、目標とする負荷条件となるようにブレーキ手段72の動作を制御する(S1−5)。そして、目標とする負荷条件となったときはブレーキ手段の動作を停止する(S1−7)。
このように、本実施例では制御部80は評価で得た予め最適な条件の負荷電流のモデルケースをデータ記憶部83に格納しており、その最適な条件のデータと、モータの駆動電流値をモニターして得た負荷情報とを比較してブレーキ手段72を制御する。
制御部80のデータの記憶部83としては、例えば不揮発性メモリ(バックアップRAM等)84が用いられ、このデータ記憶部83には、各種条件(印刷ドラムの回転速度、使用環境温度、インク種類、印圧条件等)や、これらの条件を組み合わせたデータで構成される目標とする負荷条件(最適な電流条件)がデータテーブルとして記憶されている。
本実施例では、以上のような構成、動作により、実際の負荷に対し、予め設定しておいた最適な条件と比較しながらモータ71の回転負荷を調整することができる。このため、安定した回転が得られ、印刷ドラム1の回転変動がなくなり、それに起因するハーフトーン画像ムラを防止することができる。また、ブレーキ手段72による負荷を必要以上に与えることもなくなるため、電力の浪費やモータの劣化についても低減することができる。
[実施例5]
本実施例では、基本的な構成、動作は実施例2及び実施例3と同様であるが、図2に示すように、駆動制御系に印刷ドラム1の回転を検出する検知手段73を有し、制御部80は、回転(変動)検知手段の出力より回転変動を検出し、回転変動に応じてブレーキ手段72の動作を制御する。また、回転(変動)検知手段73としては、例えばドラムエンコーダを有し、制御部80は、ドラムエンコーダの出力のパルス幅より回転変動を検出し、回転変動に応じてブレーキ手段72の動作を制御する。
具体的に説明すると、印刷ドラム1の回転を検出するドラムエンコーダは、図示を省略しているが、印刷ドラム1の一端側の全周にわたって設けてあるスリットと、そのスリットを検出する光検知器(例えば透過型または反射型のフォトインタラプタ)で構成されている。そして、印刷ドラム1が回転するとともにスリットも回転するので、光検知器によりパルス波形が生成される。ドラム1回転当りに生成されるパルス数は、そのスリット数で決まり、それが分解能となる。このドラムエンコーダに加え、印刷ドラム1の一回転と回転位置が分かるように、印刷ドラム1の待機位置(基準位置)が検出できるセンサも設けられている。
ドラムエンコーダから生成されるパルス波形は、印刷ドラム1の回転速度により、パルス幅(周期)が随時変化する。すなわち、印刷ドラム1の回転速度が速くなると幅が短くなり、回転速度が遅くなると幅が長くなる。また、一定速度で回転している場合は、パルス幅も一定となる。このことから、ドラムエンコーダのパルス幅から印刷ドラム1の回転変動(回転ムラ)を検出することができる。
本実施例では、上記のドラムエンコーダを回転(変動)検知手段73として用い、制御部80は、ドラムエンコーダの出力のパルス幅より回転変動を検出し、回転変動に応じてブレーキ手段72の動作を制御している。
ここで図8は、本実施例の制御動作を示すフローチャートであり、制御部80は、まず実施例2と同様にドラム回転速度チェックと環境温度チェックを行い(S2−1、S2−2)、回転速度が低速動作で、環境温度が高温の場合には、ドラムエンコーダのパルス幅から印刷ドラム1の回転変動(回転ムラ)をチェックする(S2−3)。そして、パルス幅に変化がある場合は、そのパルス幅より回転変動を検出し、回転変動の大きさに応じてブレーキ手段72の動作を制御する。
このように、本実施例では、印刷ドラムの回転時の実負荷変動に対して、検知手段73の出力より回転変動を検出できるので、その回転変動に応じてブレーキ手段72を作用させることができる。このため、予期せぬ負荷変動による印刷ドラム1の回転変動をも検出でき、ブレーキ手段72を作用させて抑制することができる。このため、安定した回転が得られ、印刷ドラム1の回転変動がなくなり、それに起因するハーフトーン画像ムラを防止することができる。また、ブレーキ手段72による負荷を必要以上に与えることもなくなるため、電力の浪費やモータの劣化についても低減することができる。
本発明の一実施形態を示す印刷装置の概略全体構成図である。 図1に示す印刷装置の制御手段の一例を示すブロック図である。 図1に示す印刷装置のドラム駆動手段(駆動伝達機構)の一例を示す概略要部斜視図である。 図1に示す印刷装置の印圧手段(印圧機構)の一例を示す構成説明図である。 印刷ドラムの回転変動の例を示す図である。 PLL方式の制御を行うための位相同期回路の基本回路構成を示すブロック図である。 制御手段による制御動作の一例を示すフローチャートである。 制御手段による制御動作の別の例を示すフローチャートである。
符号の説明
1:印刷ドラム(版胴)
10:印刷部
20:製版部
22:マスタ(版)
30:給紙部
31:給紙トレイ
32:給紙ローラ
33:レジストローラ
40:印圧手段
41:プレスローラ
50:排紙部
51:排紙搬送部材
53:排紙トレイ
60:排版部
70:モータ駆動手段
71:メインモータ
72:ブレーキ手段
73:回転(変動)検知手段
74:モータ負荷判断手段
80:制御部
83:記憶部
90:操作パネル

Claims (9)

  1. 印刷ドラムと、該印刷ドラムを回転駆動するモータと、該モータの駆動を制御する制御手段を有する印刷装置において、
    前記モータに対して意図的に回転負荷を与えるブレーキ手段を設けたことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記ブレーキ手段は、前記モータの近傍に配置してあることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1または2に記載の印刷装置において、
    前記制御手段は、前記印刷ドラムの低速回転時に前記ブレーキ手段の動作を制御することを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置において、
    前記制御手段は、使用環境の温度条件により、前記ブレーキ手段の動作を制御することを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷装置において、
    前記制御手段は、前記モータの駆動電流から該モータの負荷を判断する手段を有し、前記モータの負荷が軽負荷と判断した場合には、前記ブレーキ手段の動作を制御することを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の印刷装置において、
    前記制御手段は、目標とする負荷条件を予め設定しておく記憶部と、前記負荷条件と実際のモータ負荷とを比較する手段を有し、前記目標とする負荷条件となるように前記ブレーキ手段の動作を制御することを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項6に記載の印刷装置において、
    前記目標とする負荷条件として最適な電流条件を前記記憶部に予め設定しておき、前記制御手段は、その最適な電流条件と実際のモータ駆動電流とを前記比較手段で比較し、前記目標とする負荷条件となるように前記ブレーキ手段の動作を制御することを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の印刷装置において、
    前記印刷ドラムの回転を検出する検知手段を有し、前記制御手段は、前記検知手段の出力より回転変動を検出し、該回転変動に応じて前記ブレーキ手段の動作を制御することを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項7に記載の印刷装置において、
    前記検知手段としてドラムエンコーダを有し、前記制御手段は、前記ドラムエンコーダの出力のパルス幅より回転変動を検出し、該回転変動に応じて前記ブレーキ手段の動作を制御することを特徴とする印刷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020179614A (ja) * 2019-04-26 2020-11-05 株式会社Screenホールディングス 印刷システムおよび印刷方法

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