JP2008139379A - 画像形成装置 - Google Patents

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雅彰 徳永
Masao Okubo
雅夫 大久保
Yoshihiro Enomoto
嘉博 榎本
Kazuyoshi Hagiwara
和義 萩原
Shinichi Kawamata
進一 川俣
Hirobumi Goto
博文 後藤
Yoshiaki Nakao
祥昌 中尾
Hiroaki Yagi
宏明 八木
Kazumi Yamanaka
数実 山中
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Abstract

【課題】像保持体に接近する方向で転写体を移動させる際に、像保持体と転写体との衝突を防止する。
【解決手段】画像形成装置の構成として、現像された可視画像を保持する感光体ドラム15と、中間転写ベルト25と、中間転写ベルト25を介して感光体ドラム15と対向する状態に配置された一次転写ロール26と、感光体ドラム15に対して一次転写ロール26が接近離間する方向で一次転写ロール26を支持するロール支持部材61と、感光体ドラム15に接近する方向でロール支持部材26を付勢するバネ部材62と、直動型の作動部材63と、バネ部材62の付勢力によって移動する作動部材63に制動力を作用させることにより、感光体ドラム15に接近する方向で一次転写ロール26が移動する際の移動速度を減速させる制動手段(72、73、74)とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
従来、タンデム型のマシン構成を採用した中間転写式の画像形成装置として、感光体ドラムに搬送ベルトを介して転写ロールを対向状態に配置するとともに、感光体ドラムに向けて転写ロールを付勢することにより、転写ロールに接触する搬送ベルトを感光体ドラムに圧接させ、かつ感光体ドラムから離間する方向に転写ロールを移動させることにより、感光体ドラムと搬送ベルトの圧接状態を解除する圧接解除機構を備えたものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
上記従来の画像形成装置においては、感光体ドラムと搬送ベルトの圧接状態を圧接解除機構により解除した後、それらを圧接状態に戻す場合、感光体ドラムに接近する方向で転写ロールを移動させることになる。
特開平10−293437号公報
本発明は、像保持体に接近する方向で転写体を移動させる際に、像保持体と転写体との衝突を防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、現像された可視画像を保持する像保持体と、帯状の中間転写体と、前記中間転写体を介して前記像保持体と対向して配置され、前記像保持体から前記中間転写体に前記可視画像を転写する転写体と、前記像保持体に対して前記転写体が接近離間する方向で前記転写体を移動可能に支持する支持部材と、前記像保持体に接近する方向に前記転写体が移動する際の移動速度を減速するように制動する制動手段とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、複数の前記像保持体と、該像保持体から前記中間転写体に前記可視画像を順次転写する複数の前記転写体と、複数の前記像保持体に対して複数の前記転写体が接近離間する方向で複数の前記転写体を移動可能に支持する複数の支持部材と、複数の前記転写体を移動させるように一括して作動させる作動部材と、前記像保持体に接近する方向に複数の前記転写体が移動する際の前記作動部材の移動速度を減速するように制動する制動手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成装置において、前記転写体が前記像保持体の鉛直方向上方に配置されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3いずれか1項記載の画像形成装置において、前記支持部材が、前記転写体の移動軌跡が円弧状になるように前記転写体を支持することを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4いずれか1項記載の画像形成装置において、前記転写体の前記像保持体に対向する部位が円筒形状を成し、該円筒形状部位が金属で形成されてなることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、像保持体に接近する方向で転写体を移動させる際に、像保持体と転写体との衝突を防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、所謂タンデム型のカラー画像形成装置において、一つの制動手段で複数の像保持体と転写体との衝突を防止することが出来る。
請求項3に記載の発明によれば、像保持体に接近する方向で転写体が移動する際の移動速度が重力の作用によって速くなりやすい状況下で、転写体と像保持体との衝突を有効に防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、転写体の位置決めを確実に行なうことが出来る。
請求項5に記載の発明によれば、像保持体と転写体が衝突した場合の損傷が大きくなりやすい状況下で、その損傷を有効に防止することが出来る。
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明が適用される画像形成装置の構成例を示す概略図である。図示のように、画像形成装置本体(以下、「本体」と略称)1の内部には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応する4つの画像形成部13Y、13M、13C、13Kが、水平方向に所定の間隔をおいて並列的に配置されている。
上記4つの画像形成部13Y、13M、13C、13Kは、本実施例においてはすべて同様に構成されており、所定の速度で回転駆動される像保持体としての感光体ドラム15と、感光体ドラム15の表面を一様に帯電する一次帯電用の帯電ロール16と、帯電ロール16で帯電させた感光体ドラム15の表面をレーザ光の照射により露光することにより、感光体ドラム15の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段としてのレーザ露光装置14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を所定の色のトナー(現像剤)を用いて現像する現像器17と、感光体ドラム15の表面を清掃するクリーニング装置18とから構成されている。
レーザ露光装置14は、4つの画像形成部13Y、13M、13C、13Kに共通に構成されており、図示しない4つの半導体レーザを各色の画像データに応じて駆動することにより、各々の半導体レーザからレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kを出射するように構成されている。レーザ露光装置14は、複数の画像形成部ごとに個別に構成してもよい。半導体レーザから出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、図示しないf−θレンズを介して回転多面鏡19に照射され、この回転多面鏡19によって偏向走査される。さらに、回転多面鏡19によって偏向走査されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、図示しない複数枚の反射ミラーを介して感光体ドラム15上に、斜め下方から走査露光される。
上記レーザ露光装置14は、下方から感光体ドラム15上に画像を走査露光するものである。このため、レーザ露光装置14には、上方に位置する4つの画像形成部13Y、13M、13C、13Kの現像器17などからトナー等が落下し、これによってレーザ露光装置14が汚損される虞れがある。このため、レーザ露光装置14は、その周囲が直方体状のフレーム20によって密閉されている。また、フレーム20の上部には、シールド部材として透明なガラス製のウインドウ21が4つ設けられている。各々のウインドウ21は、レーザ露光装置14のレーザ光LBに沿った光路上において、最も上方に位置する部材となっている。このため、4本のレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、それぞれに対応するウインドウ21を通して感光体ドラム15に照射される。
本実施例では、レーザ露光装置14は各画像形成部で基本部分を共用する構成になっているが、各画像形成部事に別体に設けられても良く、またレーザ露光ではなく、LEDアレイなどで露光する構成であってもよい
画像処理部12は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成部13Y、13M、13C、13Kに共通して設けられたレーザ露光装置14に、各色の画像データを順次出力するものである。感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、対応する現像器17によって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像(可視画像)として現像される。各色の画像形成部13Y、13M、13C、13Kが備える現像器17には、それぞれに対応する色のトナーが、トナーカートリッジ44Y、44M、44C,44Kから供給される。
上記各画像形成部13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像は、各画像形成部13Y、13M、13C、13Kの上方にわたって配置された、帯状の中間転写体としての中間転写ベルト25上に、一次転写ロール26Y、26M、26C、26K(総称するときは「一次転写ロール26」と記す)によって多重に転写される。一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kは、それぞれに対応する画像形成部13Y、13M、13C、13Kに転写体として設けられたものである。一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kは、例えば低価格化や長寿命化を目的として、それぞれ金属ロールにより構成されている。
中間転写ベルト25は、ドライブロール27、バックアップロール28及びテンションロール23を含む複数の支持ロールを用いて、所定の張力で掛け回されている。ドライブロール27は、図示しない定速性に優れた駆動モータによって図の時計回り方向に回転駆動されるものである。中間転写ベルト25は、ドライブロール27の回転にしたがって一方向に回転駆動されるものである。また、バックアップロール28とテンションロール23は、それぞれ中間転写ベルト25の回転にしたがって回転するものである。中間転写ベルト25としては、例えば、可撓性を有するポリイミドやPET等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この合成樹脂フィルムの両端を溶着等の手段によって接合することにより、無端ベルト状に形成したものや、はじめから無端状に形成されたものが用いられる。
各画像形成部13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15は、鉛直方向で中間転写ベルト25よりも下方に配置されている。また、各画像形成部13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15は、それぞれに対応する一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kに近接して配置されている。そして、互いに近接する各画像形成部13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15と一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kとの間に中間転写ベルト25が通されている。
各々の画像形成部13Y、13M,13C、13Kでは、それぞれ個別に設けられた感光体ドラム15の表面が一次帯電用の帯電ロール16によって一様に帯電される。その後、感光体ドラム15の表面は、レーザ露光装置14から画像データに応じて出射される画像形成用のレーザ光LBにより走査露光される。これにより、感光体ドラム15の表面に、各色の画像データに対応した静電潜像が形成される。感光体ドラム15上に走査露光されるレーザ光LBは、当該感光体ドラム15の直下よりやや右側寄りの斜め下方から、所定の傾斜角度で露光されるように設定されている。感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、各画像形成部13Y、13M、13C、13Kの現像器17によってそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナーにより現像されて可視のトナー像となる。各色のトナー像は、一次転写ロール26によって中間転写ベルト25に順次重ねて転写される。
こうして中間転写ベルト25上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像は、バックアップロール28に圧接する二次転写ロール29によって、圧接力及び静電気力で用紙(記録媒体)30上に二次転写される。こうして各色のトナー像が転写された用紙30は、上方に位置する定着器31へと搬送される。二次転写ロール29は、バックアップロール28の側方に圧接しており、下方から上方に搬送される用紙30上に、各色のトナー像を二次転写するようになっている。そして、各色のトナー像が転写された用紙30は、定着器31によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、排出ロール32によって本体1の上部に設けられた排出トレイ33上に排出される。
用紙30は、給紙カセット34から所定のサイズのものが給紙ロール35及び用紙分離搬送用のロール対36により用紙搬送路37を介して、レジストロール38まで搬送され、そこで一旦停止される。こうして給紙カセット34から供給された用紙30は、所定のタイミングで回転するレジストロール38によって中間転写ベルト25の二次転写位置へ送出される。
なお、フルカラー等の両面コピーをとる場合には、片面に画像が定着された用紙30を、排出ロール32によって排出トレイ33上にそのまま排出せずに、図示しない切替ゲートによって搬送方向を切り替え、用紙搬送用のロール対39を介して両面用搬送部40へと搬送する。両面用搬送部40では、搬送経路41に沿って設けられた図示しない搬送用のロール対により、用紙30の表裏が反転された状態で、再度、用紙30がレジストロール38へと搬送される。そして今度は、用紙30の裏面に画像が転写及び定着された後、排出ロール32によって排出トレイ33上に用紙30が排出される。
また、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム15の表面は、クリーニング装置18によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。一方、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト25の表面は、クリーニング装置43によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。クリーニング装置43は、クリーニングブラシ43a及びクリーニングブレード43bを備えており、これらのクリーニングブラシ43a及びブレード42によって、中間転写ベルト25上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。
図2は本発明の実施形態に係る画像形成装置の主要部の構成を示す概略図である。図2において、テンションロール23は、バネ部材等の付勢力を利用して、中間転写ベルト25に所定の張力を付与するものである。感光体ドラム15Yは、イエローに対応する画像形成部13Yに設けられるもので、感光体ドラム15Mは、マゼンタに対応する画像形成部13Mに設けられるものである。また、感光体ドラム15Cは、シアンに対応する画像形成部13Cに設けられるもので、感光体ドラム15Kは、黒に対応する画像形成部13Kに設けられるものである。
各々の画像形成部13Y、13M、13C、13Kにおいては、それぞれに対応する一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kが鉛直方向で感光体ドラム15Y、15M、15C、15K(総称するときは「感光体ドラム15」と記す)よりも上方に配置されている。また、一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kは、中間転写ベルト25を介して、感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kと対向する状態に配置されている。
中間転写ベルト25の内側(内周側)には、前述したドライブロール17、バックアップロール28、テンションロール23等の支持ロールの他に、以下のような機構が設けられている。
まず、中間転写ベルト25の長さ方向(周長方向)において、一次転写ロール26Yとドライブロール27との間には昇降ロール51が設けられ、テンションロール23と一次転写ロール26Kとの間には昇降ロール52が設けられている。これにより、中間転写ベルト25の長さ方向においては、左右2つの昇降ロール51、52に挟まれる位置関係で、一方の昇降ロール51から他方の昇降ロール52に至る区間に、一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kが順に配置されている。昇降ロール51はロール支持部材53に回転自在に支持され、昇降ロール52はロール支持部材54に回転自在に支持されている。ロール支持部材53は支点P1を中心に回転自在に設けられ、ロール支持部材54は支点P2を中心に回転自在に設けられている。
また、ロール支持部材53にはバネ部材55が引っ掛けられている。ロール支持部材53は略L字形の断面形状を有している。そして、回転中心となる支点P1を境にして、ロール支持部材53の一方側に昇降ロール51が設けられ、かつロール支持部材53の他方側にバネ部材55が引っ掛けられている。バネ部材55は、ロール支持部材53を図の右方向に引き込むことにより、支点P1を回転中心として、ロール支持部材53を図の時計回り方向に付勢している。
これと同様に、ロール支持部材54にはバネ部材56が引っ掛けられている。ロール支持部材54は略L字形の断面形状を有している。そして、回転中心となる支点P2を境にして、ロール支持部材54の一方側に昇降ロール52が設けられ、かつロール支持部材54の他方側にバネ部材56が引っ掛けられている。バネ部材56は、ロール支持部材54図の右方向に引き込むことにより、支点P2を回転中心として、ロール支持部材54を図の時計回り方向に付勢している。
一次転写ロール26Yは、感光体ドラム15Yと対向する位置で中間転写ベルト25の回転にしたがって回転するもので、ロール支持部材61Yによって支持されている。一次転写ロール26Mは、感光体ドラム15Mと対向する位置で中間転写ベルト25の回転にしたがって回転するもので、ロール支持部材61Mによって支持されている。一次転写ロール26Cは、感光体ドラム15Cと対向する位置で中間転写ベルト25の回転にしたがって回転するもので、ロール支持部材61Cによって支持されている。一次転写ロール26Kは、感光体ドラム15Kと対向する位置で中間転写ベルト25の回転にしたがって回転するもので、ロール支持部材61Kによって支持されている。
ロール支持部材61Yは支点P3を中心に回転自在に設けられ、ロール支持部材61Mは支点P4を中心に回転自在に設けられている。また、ロール支持部材61Cは支点P5を中心に回転自在に設けられ、ロール支持部材61Kは支点P6を中心に回転自在に設けられている。
ロール支持部材61Yにはバネ部材62Yが引っ掛けられている。ロール支持部材61Yは略L字形の断面形状を有している。そして、回転中心となる支点P3を境にして、ロール支持部材61Yの一方側に一次転写ロール26Yが設けられ、かつロール支持部材61Yの他方側にバネ部材62Yが引っ掛けられている。このため、一次転写ロール26Yは、支点P3を中心にロール支持部材61Yが回転すると、感光体ドラム15Yに対して接近離間する方向に移動する。バネ部材62Yは、ロール支持部材61Yを図の右方向に引き込むことにより、支点P3を回転中心として、ロール支持部材61Yを図の時計回り方向に付勢している。
これと同様に、ロール支持部材61Mにはバネ部材62Mが引っ掛けられている。ロール支持部材61Mは略L字形の断面形状を有している。そして、回転中心となる支点P4を境にして、ロール支持部材61Mの一方側に一次転写ロール26Mが設けられ、かつロール支持部材61Mの他方側にバネ部材62Mが引っ掛けられている。このため、一次転写ロール26Mは、支点P4を中心にロール支持部材61Mが回転すると、感光体ドラム15Mに対して接近離間する方向に移動する。バネ部材62Mは、ロール支持部材61Mを図の右方向に引き込むことにより、支点P4を回転中心として、ロール支持部材61Mを図の時計回り方向に付勢している。
また、ロール支持部材61Cにはバネ部材62Cが引っ掛けられている。ロール支持部材61Cは略L字形の断面形状を有している。そして、回転中心となる支点P5を境にして、ロール支持部材61Cの一方側に一次転写ロール26Cが設けられ、かつロール支持部材61Cの他方側にバネ部材62Cが引っ掛けられている。このため、一次転写ロール26Cは、支点P5を中心にロール支持部材61Cが回転すると、感光体ドラム15Cに対して接近離間する方向に移動する。バネ部材62Cは、ロール支持部材61Cを図の右方向に引き込むことにより、支点P5を回転中心として、ロール支持部材61Cを図の時計回り方向に付勢している。
また、ロール支持部材61Kにはバネ部材62Kが引っ掛けられている。ロール支持部材61Kは略L字形の断面形状を有している。そして、回転中心となる支点P6を境にして、ロール支持部材61Kの一方側に一次転写ロール26Kが設けられ、かつロール支持部材61Kの他方側にバネ部材62Kが引っ掛けられている。このため、一次転写ロール26Kは、支点P6を中心にロール支持部材61Kが回転すると、感光体ドラム15Kに対して接近離間する方向に移動する。バネ部材62Kは、ロール支持部材61Kを図の右方向に引き込むことにより、支点P6を回転中心として、ロール支持部材61Kを図の時計回り方向に付勢している。以降の説明では、ロール支持部材61Y、61M、61C、61Kを総称する場合は「ロール支持部材61」と記し、バネ部材62Y、62M、62C、62Kを総称する場合は「バネ部材62」と記す。
中間転写ベルト25の内側には、各々のロール支持部材53、54、61Y、61M、61C、61Kの取り付け位置に対応して直動型の作動部材63が設けられている。作動部材63は、各色用の感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kの並び方向と、これに対応する各々のロール支持部材53、61Y、61M、61C、61K、54の並び方向に沿って移動可能に設けられている。作動部材63は、図示しない付勢部材(例えば、バネ部材等)によって図中右方向に付勢され、かつ当該付勢方向で偏心カム71への突き当てにより停止位置が規制されている。
作動部材63には、6つの押し付け部64〜69と1つのカム突き当て部70が、それぞれ下向きに突出する状態で設けられている。このうち、押し付け部64はロール支持部材53に対応し、押し付け部65はロール支持部材61Yに対応し、押し付け部66はロール支持部材61Mに対応するものである。また、押し付け部67はロール支持部材61Cに対応し、押し付け部68はロール支持部材61Kに対応し、押し付け部69はロール支持部材54に対応するものである。
カム突き当て部70は、ロール支持部材53、61Y、61M、61C、61K、54の並び方向において、作動部材63のほぼ中間部に設けられている。具体的には、押し付け部66と押し付け部67との間(中間部)にカム突き当て部70が設けられている。カム突き当て部70は、偏心カム71が突き当てられる部分である。偏心カム71は、例えば画像形成装置の使用者が図示しない回転操作部を回転させたときに、この回転操作部の回転に連動して回転動作するものである。
さらに、作動部材63にはラック(歯竿)部72が設けられている。ラック部72は、ロール支持部材53、61Y、61M、61C、61K、54の並び方向において、押し付け部67と押し付け部68との間に設けられている。ラック部72の近傍には、制動手段の一構成要素として回転式のダンパー(ロータリーダンパー)73が配置されている。
ダンパー73は、例えばオイルの粘性抵抗によって得られる制動力を利用して制動トルクを発生させるものである。ダンパー73の制動トルクは、当該ダンパー73の回転軸の回転速度によって変化する。すなわち、ダンパー73の回転軸の回転速度が上がると、ダンパー73の制動トルクは大きくなり、ダンパー73の回転軸の回転速度が下がると、ダンパー73の制動トルクは小さくなる。ダンパー73の回転軸には、当該回転軸と同軸状に歯車74が取り付けられている。歯車74は、ダンパー73の回転軸と一体に回転するもので、上述したラック部72に噛み合っている。
かかる構成においては、上記図2に示す状態から、使用者が回転操作部(不図示)を回転操作し、この回転操作にしたがって偏心カム71が図の時計回りに180°回転すると、その回転中に偏心カム71の外周面が作動部材63のカム突き当て部70に接触した状態のまま、作動部材63が偏心カム71に押されて図の左方向に移動する。このため、ラック部72に噛み合うダンパー73の歯車74は、作動部材63の左方向への移動にしたがって反時計回りに回転する。
また、上述した作動部材63の移動中に、各々の押し付け部64〜69は、それぞれに対応するロール支持部材53、61Y、61M、61C、61K、54に接触した状態となる。これにより、ロール支持部材53は、バネ部材55の付勢力に抗して反時計回りに回転し、ロール支持部材61Yは、バネ部材62Yの付勢力に抗して反時計回りに回転する。同様に、ロール支持部材61Mは、バネ部材62Mの付勢力に抗して反時計回りに回転し、ロール支持部材61Cは、バネ部材62Cの付勢力に抗して反時計回りに回転する。また、ロール支持部材61Kは、バネ部材62Kの付勢力に抗して反時計回りに回転し、ロール支持部材54は、バネ部材56の付勢力に抗して反時計回りに回転する。
その結果、図3に示すように、2つの昇降ロール51、52は、それぞれに対応するロール支持部材53、54の回転動作にしたがって所定量だけ上昇する。このとき、中間転写ベルト25の回転方向において、ドライブロール27からテンションロール23に至るベルト部分を「下側ベルト部分」と定義すると、この下側ベルト部分は、2つの昇降ロール51、52に接触したままの状態で、当該2つの昇降ロール51、52とともに上昇する。このため、中間転写ベルト25の下側ベルト部分は、各々の感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kの上側外周面から離間した状態で、当該感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kの上方に退避した状態となる。
また、一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kは、それぞれに対応するロール支持部材61Y、61M、61C、61Kの回転動作にしたがって上昇する。この場合、一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kの上昇量は、例えば、相対応する押し付け部とロール支持部材の相対的な位置関係や、各々のロール支持部材の寸法関係などを適宜設定することにより、上記2つの昇降ロール51、52の上昇量よりも多くなるように構成されている。このため、各々の一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kは、中間転写ベルト25の下側ベルト部分から離間した状態で、当該下側ベルト部分の上方に退避した状態となる。
これに対して、上記図3に示す状態から、使用者が回転操作部(不図示)を回転操作し、この回転操作にしたがって偏心カム71が図の反時計回りに180°回転すると、各々のバネ部材55、62Y、62M、62C、62K、56の付勢力(引っ張り力)を受けて、作動部材63が図の右方向に移動する。このため、ラック部72に噛み合うダンパー73の歯車74は、作動部材63の右方向への移動にしたがって時計回りに回転する。このとき、作動部材63の右方向への移動に対して、ダンパー73の制動トルク(制動力)が働く。したがって、作動部材63の右方向への移動速度はダンパー73によって低速化される。
また、各々のロール支持部材53、61Y、61M、61C、61K、54は、作動部材63の右方向への移動にしたがって時計回りに回転する。さらに詳述すると、ロール支持部材53はバネ部材55に引っ張られて時計回りに回転し、ロール支持部材61Yはバネ部材62Yに引っ張られて時計回りに回転する。また、ロール支持部材61Mはバネ部材62Mに引っ張られて時計回りに回転し、ロール支持部材61Cはバネ部材62Cに引っ張られて時計回りに回転する。また、ロール支持部材61Kバネ部材62Kに引っ張られて時計回りに回転し、ロール支持部材54はバネ部材56に引っ張られて時計回りに回転する。
その結果、ロール支持部材53、54に支持された昇降ロール51、52は、中間転写ベルト25の下側ベルト部分を押し下げるように下降する。これにより、中間転写ベルト25の下側ベルト部分は、各々の感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kの上側外周面に接触した状態に戻る。また、一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kは、それぞれに対応するロール支持部材61Y、61M、61C、61Kの回転動作にしたがって下降する。これにより、各々の一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kは、中間転写ベルト25の下側ベルト部分に接触した状態に戻る。
図4は一次転写ロールを中間転写ベルトに接触させた場合の、一次転写ロール、中間転写ベルト及び感光体ドラムの位置関係を示す拡大図である。また、図5は一次転写ロールを中間転写ベルトから離間させた場合の、一次転写ロール、中間転写ベルト及び感光体ドラムの位置関係を示す拡大図である。
図から分かるように、中間転写ベルト25に対する一次転写ロール26の接触位置と、中間転写ベルト25に対する感光体ドラム15の接触位置は、ベルト回転方向で僅かにずれている。また、図4及び図6に示すように、中間転写ベルト25に接触した状態での一次転写ロール26の沈下量ΔDは、一次転写ロール26の接触位置で中間転写ベルト25の長さ方向(左右方向)に働くベルト張力f1,f2の合力F1と、バネ部材62の付勢力による一次転写ロール26の押圧力F2との釣り合いによって決まる。このため、それらの合力F1と押圧力F2が釣り合った状態で、一次転写ロール26が感光体ドラム15に近接する位置(以下、「所定の位置」と記す)に配置されるように、バネ部材62の付勢力や中間転写ベルト25の張力が設定されている。したがって、前述のようにロール支持部材61の時計回りの回転にしたがって一次転写ロール26が中間転写ベルト25に接触するときのロール移動速度(落下速度)が、ある速度以上に速くなると、図7に示すように、一次転写ロール26が中間転写ベルト25を介して感光体ドラム15に衝突することになる。
これに対して、上記実施形態の装置構成においては、偏心カム71の回転によって作動部材63が図3の右方向に移動する際に、これに連動したロール支持部材61の回転動作にしたがって一次転写ロール26が感光体ドラム15に接近する方向に移動する。このため、感光体ドラム15に接近する方向での一次転写ロール26の移動速度は、作動部材63の移動速度に依存したものとなる。したがって、前述のように作動部材63の移動速度をダンパー73の制動作用によって低速化し、これによって感光体ドラム15に接近する方向で一次転写ロール26が移動する際の移動速度を減速させることにより、ダンパー73を設けない場合に比較して、一次転写ロール26が中間転写ベルト25に接触する際のロール移動速度が遅くなる。このため、一次転写ロール26は、感光体ドラム15に衝突することなく、所定の位置で停止するようになる。
なお、上記実施形態においては、作動部材63に設けられたラック部72とダンパー73の回転軸に取り付けられた歯車74とを噛み合わせることにより、一次転写ロール26が中間転写ベルト25に接触する際のロール移動速度が遅くなるように、作動部材63の移動速度を低速化するものとしたが、本発明はこれに限らず、一次転写ロール26ごとに回転式のダンパーを設けた構成を採用してもよい。
具体的には、例えばシアン用の一次転写ロール26Cに関しては、図8(A)、(B)に示すように、ロール支持部材61Cの回転軸75Cに歯車76Cを取り付ける一方、ダンパー77Cの回転軸に歯車78Cを取り付けて、それらの歯車76C、78C同士を噛み合わせた構成とする。図8(A)は一次転写ロール26Cを中間転写ベルト25に接触させることにより、一次転写ロール26Cを感光体ドラム15Cに接近させた状態を示し、図8(B)は一次転写ロール26Cを中間転写ベルト25の上方の退避させることにより、一次転写ロール26Cを感光体ドラム15Cから離間させた状態を示している。
かかる構成においては、前述と同様に作動部材63が偏心カム71の回転によって図8の左方向に移動し、この移動中にロール支持部材61Cが作動部材63の押し付け部67に押されて回転軸75Cとともに反時計回りに回転する。そうすると、ロール支持部材61Cの回転軸75Cと一体に歯車76Cが反時計回りに回転し、この歯車76Cの回転にしたがって歯車78Cが時計回りに回転する。その結果、一次転写ロール26Cは中間転写ベルト25の上方に離間した状態となり、中間転写ベルト25は感光体ドラム15Cの上方に離間した状態となる。
これに対して、作動部材63が偏心カム71の回転によって図8の右方向に移動すると、バネ部材62Cの付勢力(引っ張り力)を受けてロール支持部材61Cが回転軸75Cとともに時計回りに回転する。このため、ロール支持部材61Cの回転軸75Cと一体に歯車76Cが時計回りに回転し、この歯車76Cの回転にしたがって歯車78Cが反時計回りに回転する。このとき、ロール支持部材61Cの時計回りの回転に対して、ダンパー77Cの制動トルク(制動力)が抵抗となって働く。したがって、一次転写ロール26Cが感光体ドラム15Cに接近する際のロール移動速度がダンパー77Cの制動作用によって減速される。このため、前述と同様に、一次転写ロール26Cは、感光体ドラム15Cに衝突することなく、所定の位置で停止するようになる。
図9は本発明の他の実施形態に係る画像形成装置の主要部の構成を示す概略図である。この実施形態においては、前述した実施形態と比較して、特に、ラック部72、ダンパー73及び歯車74に代えて、摩擦式の制動機構80を制動手段として用いた点が異なる。制動機構80は、押圧部材81と受圧部材82とを用いて構成されている。押圧部材81は、例えばバネ部材等の押圧力をもって作動部材63に接触する状態に配置されている。受圧部材82は、押圧部材81との間で作動部材63を挟み込む状態に配置されている。押圧部材81は、例えば金属製の板状部材からなり、受圧部材82は、例えば樹脂製の板状部材からなるものである。
上記構成の制動機構80を設けた場合は、偏心カム71の回転により、各々のバネ部材62Y、62M、62C、62Kの付勢力に抗して作動部材63を図9の左方向に移動させる場合に、押圧部材81と受圧部材82に挟まれた状態の作動部材63に対して、摩擦による制動力が働く。このため、作動部材63は制動機構80の制動力を受けながら図の左方向に移動する。
また、図9に示す状態から、偏心カム71が反時計回りに180°回転すると、各々のバネ部材55、62Y、62M、62C、62K、56の付勢力(引っ張り力)を受けて、作動部材63が図の右方向に移動する。この場合も、押圧部材81と受圧部材82に挟まれた状態の作動部材63に対して、摩擦による制動力が働く。このため、作動部材63は制動機構80の制動力を受けながら図の右方向に移動する。したがって、作動部材63の右方向への移動速度は制動機構80によって低速化し、これによって感光体ドラム15に接近する方向で一次転写ロール26が移動する際の移動速度が減速される。このため、制動機構80を設けない場合に比較して、一次転写ロール26が中間転写ベルト25に接触する際のロール移動速度が遅くなる。したがって、一次転写ロール26は、感光体ドラム15に衝突することなく、所定の位置で停止するようになる。
なお、本発明は、感光体ドラムや中間転写ベルト等の部品交換やジャム紙の除去など、画像形成装置の保守管理を目的として、各々の画像形成部13Y、13M、13C、13Kで感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kから中間転写ベルト25と一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kを離間させる画像形成装置だけでなく、例えば、黒用の画像形成部13Kを用いて白黒の画像を形成する際に、他の画像形成部13Y、13M、13Cで感光体ドラム15Y、15M、15Cから中間転写ベルト25や一次転写ロール26Y、26M、26Cを離間させる画像形成装置などにも適用可能である。
また、本発明は、中間転写方式を採用したプリンタ、複写機、ファクシミリ装置、デジタル複合機などの画像形成装置に広く適用可能である。
本発明が適用される画像形成装置の構成例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の主要部の構成を示す概略図である。 感光体ドラムから一次転写ロールを離間させた状態を示す図である。 一次転写ロールを中間転写ベルトに接触させた場合の、一次転写ロール、中間転写ベルト及び感光体ドラムの位置関係を示す拡大図である。 一次転写ロールを中間転写ベルトから離間させた場合の、一次転写ロール、中間転写ベルト及び感光体ドラムの位置関係を示す拡大図である。 一次転写ロールと中間転写ベルトの力の釣り合い状態を説明する図である。 一次転写ロールが感光体ドラムに衝突した状態を示す図である。 一次転写ロールごとにダンパーを設ける場合の構成例を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る画像形成装置の主要部の構成を示す概略図である。
符号の説明
1…画像形成装置本体、15…感光体ドラム、25…中間転写ベルト、26…一次転写ロール、61…ロール支持部材、62…バネ部材、63…作動部材、71…偏心カム、72…ラック部、73,76C…ダンパー、74,76C,78C…歯車、80…制動機構、81…押圧部材、82…受圧部材

Claims (5)

  1. 現像された可視画像を保持する像保持体と、
    帯状の中間転写体と、
    前記中間転写体を介して前記像保持体と対向して配置され、前記像保持体から前記中間転写体に前記可視画像を転写する転写体と、
    前記像保持体に対して前記転写体が接近離間する方向で前記転写体を移動可能に支持する支持部材と、
    前記像保持体に接近する方向に前記転写体が移動する際の移動速度を減速するように制動する制動手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 複数の前記像保持体と、
    該像保持体から前記中間転写体に前記可視画像を順次転写する複数の前記転写体と、
    複数の前記像保持体に対して複数の前記転写体が接近離間する方向で複数の前記転写体を移動可能に支持する複数の支持部材と、
    複数の前記転写体のうち少なくとも2つを移動させるように一括して作動させる作動部材と、
    前記像保持体に接近する方向にすくなくとも2つの前記転写体が移動する際の前記作動部材の移動速度を減速するように制動する制動手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記転写体は前記像保持体の鉛直方向上方に配置されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 前記支持部材は、前記転写体の移動軌跡が円弧状になるように前記転写体を支持することを特徴とする、請求項1乃至3いずれか1項記載の画像形成装置。
  5. 前記転写体は、前記像保持体に対向する部位が円筒形状を成し、該円筒形状部位が金属で形成されてなることを特徴とする、請求項1乃至4いずれか1項記載の画像形成装置。
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