JP2006072108A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録媒体面の印字が汚れる紙面カブリの発生を軽減して印刷品位の向上を図ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 画像形成装置は、トナー画像を担持する感光体ドラムと、この感光体ドラムと対向して配設された転写部との距離を、記録用紙の厚さに応じて調整する位置調整機構26を備える。この位置調整機構26は、記録用紙の厚さが厚くなるのにともない、感光体ドラムと転写部との距離が大きくなるように調整する。これにより、画像形成装置においては、記録用紙が感光体ドラムを含む現像部を必要以上に押し込む現象を軽減することができ、感光体ドラム上に形成されたトナー画像をファンデルワールス力によって記録用紙に転写してしまう事態を軽減することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、所定の記録媒体にトナーを定着して画像を形成する画像形成装置に関する。
従来から、所定の記録媒体にトナーを定着して画像を形成する電子写真記録方式の画像形成装置が知られている。かかる画像形成装置は、静電潜像担持体としての感光体ドラムの帯電及び露光、当該感光体ドラム上に形成された静電潜像のトナーによる現像、得られたトナー画像の記録媒体上への転写、当該記録媒体上のトナー画像の定着といったプロセスを経ることにより、画像形成を行うものである。
この種の画像形成装置においては、弾性部材によって支持された転写部が現像部における感光体ドラムに押し付けられることによって印字を行うものが多い。このとき、画像形成装置においては、転写部と現像部との押し込み量を、紙の厚さにかかわらず一定の押圧力に基づいて設定した上で、印字を行っていた。
しかしながら、このような画像形成装置においては、記録媒体の厚さが変わった場合には、転写を良好に行うことができる転写電圧範囲が変化することから、転写不良が発生し、印刷品位の低下を招来するという問題があった。このような問題の解消を図るべく、例えば特許文献1等に記載された技術が提案されている。
特開平7−248688号公報
具体的には、この特許文献1には、感光体ドラムと、この感光体ドラムと対向させて配設されて当該感光体ドラムのトナー像を媒体に転写する転写装置と、設定された転写電圧を転写装置に印加する高圧電源回路と、印刷中における媒体のページ数情報を受信する入出力インターフェースと、ページ数情報に基づいて印刷中における媒体の厚さの変化量を計算する計算手段と、媒体の厚さの変化量に対応させて転写電圧を変更する転写電圧変更手段とを備えた電子写真プリンタが開示されている。これにより、この電子写真プリンタにおいては、印刷中に媒体の厚さが変わっても印刷品位の低下をなくすことができるとしている。
ところで、上述した特許文献1に記載された技術においては、記録媒体の厚さの変化に応じた転写電圧範囲の変化に起因する転写不良に着目したものであるが、かかる印刷品位の低下を招来する原因として最も直接的なものは、感光体ドラムに対する記録媒体の押し付け量の変化である。すなわち、画像形成装置においては、普通紙の印刷に代えて厚紙等の印刷を行うといったように、記録媒体の厚さが変わった場合には、感光体ドラムに対する記録媒体の押し付け量が変化することから、当該感光体ドラムの表面に付着したトナーを機械的に記録媒体面上に転写してしまうことにより、当該記録媒体面の印字が汚れたものとなってしまうことが多い。なお、以下、このような現象を"紙面カブリ"と称するものとする。
実際に、本願出願人は、かかる紙面カブリの現象を定量化するための測定を行った。測定は、ミノルタ社製の分光測色計CM−1000を用いて行い、同条件下で記録媒体の厚さを変化させた場合における色度差と画像形成を行う画像形成部における印字濃度とを求めた。この結果を図10に示す。ここで、色度差を測定しているのは、紙面カブリの悪化が色度差の値の増大として現れるためである。同図から明らかなように、記録媒体の厚さが大きくなるのにともない、紙面カブリが悪化することがわかる。これに対して、画像形成部における印字濃度は、記録媒体の厚さの影響をほとんど受けないことがわかる。
このように、画像形成装置においては、記録媒体の厚さの変化にともなって感光体ドラムに対する記録媒体の押し付け量が変化することに起因して紙面カブリが発生し、印刷品位が低下するという問題があった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、紙面カブリの発生を軽減して印刷品位を向上させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明にかかる画像形成装置は、所定の記録媒体に現像剤を定着して画像を形成する画像形成装置であって、前記現像剤によって形成された像を担持する像担持体と、前記像担持体と対向して配設され、当該像担持体上に形成された像を前記記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体の厚さに応じて前記像担持体と前記転写手段との距離を調整する調整手段とを備え、前記調整手段は、前記記録媒体の厚さが厚くなるのにともない、前記像担持体と前記転写手段との距離が大きくなるように調整することを特徴としている。
このような本発明にかかる画像形成装置においては、記録媒体の厚さが厚くなるのにともない、像担持体と転写手段との距離が大きくなるように調整することから、記録媒体が像担持体を含む現像手段を必要以上に押し込む現象を軽減することができ、像担持体上に形成された像をファンデルワールス力によって記録媒体に転写してしまう事態を軽減することができる。
ここで、記録媒体の厚さを取得する方法としては、複数の方法を採用することができる。
まず、本発明にかかる画像形成装置は、前記記録媒体の厚さを検出する厚さ検出手段を備え、前記調整手段は、前記厚さ検出手段によって検出された前記記録媒体の厚さを示す情報に基づいて、前記像担持体と前記転写手段との距離を調整することができる。また、前記調整手段は、所定のネットワークを介して取得した前記記録媒体の厚さを示す情報に基づいて、前記像担持体と前記転写手段との距離を調整するようにしてもよい。さらに、前記調整手段は、所定の操作手段を用いてユーザが設定した前記記録媒体の厚さを示す情報に基づいて、前記像担持体と前記転写手段との距離を調整するようにしてもよい。特に、本発明にかかる画像形成装置は、後者2つの方法を用いることにより、厚さ検出手段を備える必要がなく、構造の簡便化を図ることができる。
なお、前記調整手段としては、前記記録媒体の厚さに応じて前記像担持体に対する前記転写手段の位置を変更するものを用いることができる。すなわち、本発明にかかる画像形成装置においては、転写ローラや転写ベルトユニット等の転写手段を移動させることにより、当該転写手段と像担持体との距離を調整することができる。
また、前記調整手段としては、前記記録媒体の厚さに応じて前記転写手段に対する前記像担持体の位置を変更するものを用いてもよい。すなわち、本発明にかかる画像形成装置においては、感光体ドラム等の像担持体を移動させることにより、当該像担持体と転写手段との距離を調整することができる。特にこの場合、本発明にかかる画像形成装置においては、記録媒体の搬送経路を変更することなく当該記録媒体を搬送することができることから、内部での媒体詰まりを回避することができる。
本発明においては、像担持体上に形成された像をファンデルワールス力によって記録媒体に転写してしまう事態を軽減することができることから、当該記録媒体面の印字が汚れる紙面カブリの発生を軽減することができ、印刷品位の向上を図ることができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施の形態は、所定の記録媒体に現像剤としてのトナーを定着して画像を形成する画像形成装置である。特に、この画像形成装置は、記録媒体の厚さに応じて転写部と現像部との距離を調整することにより、紙面カブリの発生を軽減して印刷品位を向上させるものである。
まず、第1の実施の形態として示す画像形成装置について説明する。
画像形成装置は、図1に示すように、ロワーフレーム11内部に、複数のローラ12,13,14,15を備え、これらローラ12,13,14,15が配設された経路に沿って、記録媒体としての記録用紙を搬送する略S字状の用紙搬送経路16が形成される。この用紙搬送経路16の最上流端部には、記録用紙を収納する給紙カセット20及びこの給紙カセット20から記録用紙を繰り出す用紙繰り出し部21が設けられるとともに、当該用紙搬送経路16の最下流端部には、印刷されて排出された記録用紙を積載するスタッカ22が設けられる。また、画像形成装置は、用紙搬送経路16上であってローラ13の近傍に、記録用紙の厚さを検出する厚さ検出部23を備え、この厚さ検出部23による検出信号に基づいて、当該記録用紙の厚さを検出する。この厚さ検出部23によって検出された記録用紙の厚さを示す情報は、図示しない制御部の制御のもとに、後述する位置調整機構26を駆動する駆動モータへと伝達される。給紙カセット20に収納された記録用紙は、回転するローラ12及び用紙繰り出し部21を介して当該給紙カセット20から1枚ずつ繰り出され、用紙搬送経路16を構成するローラ13の回転に応じて、後述する現像部30及び転写部へと搬送される。
また、画像形成装置は、給紙カセット20から繰り出された記録用紙を静電効果によって転写ベルト24に付着させて搬送する転写ベルトユニット25と、厚さ検出部23によって検出した記録用紙の厚さに応じて後述する転写ローラ60の位置を変更する位置調整機構26とを備える。そして、画像形成装置は、転写ベルトユニット25と用紙搬送経路16を挟んで対向する位置に、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー画像を形成する4つの現像部30を備える。これら現像部30は、各色に対応するイメージドラム等を有する。現像部30は、イメージドラムに格納された感光体ドラム51上に静電潜像を形成し、その静電潜像をトナーによって現像してトナー画像とする。この現像部30によって現像された感光体ドラム51上のトナー画像は、転写ベルト24、転写ベルトユニット25、及び後述する転写ローラ60から構成される転写部によって記録用紙上に転写される。
さらに、画像形成装置は、記録用紙上に形成されたトナー画像を当該記録用紙に定着させる定着部40を備える。この定着部40は、例えば、ヒータや加圧ローラ等を有し、熱と圧力とによって記録用紙上のトナー画像を定着させる。画像形成装置においては、このような定着部40によって記録用紙上に画像を定着させると、ローラ14,15の回転に応じて当該記録用紙を搬送して外部へと排紙させ、スタッカ22上に積載させる。
このような画像形成装置において、現像部30は、それぞれ、より詳細には図2に示すように構成される。すなわち、現像部30は、表面に有機感光体を用いた静電潜像担持体としての感光体ドラム51を有する。この感光体ドラム51は、所定の回転速度で回転可能に構成される。そして、感光体ドラム51は、その表面に電荷を蓄えることが可能に構成されるとともに、後述する露光部53によって露光されることによってその表面の電荷を除去することが可能に構成される。
また、この感光体ドラム51の表面には、当該感光体ドラム51を帯電させる帯電ローラ52が配設される。この帯電ローラ52は、一定の圧力で感光体ドラム51の表面に接触しており、当該感光体ドラム51と同方向に回転可能に構成される。そして、帯電ローラ52は、感光体ドラム51に対して所定の正電圧又は負電圧を印加することにより、当該感光体ドラム51を帯電させる。
さらに、感光体ドラム51の上方には、当該感光体ドラム51の表面に静電潜像を形成する露光部53が配設される。露光部53は、画像信号に対応した光を感光体ドラム51の表面に照射し、当該感光体ドラム51上に静電潜像を形成する。このような露光部53としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)アレイといわゆるセルフォックスレンズアレイ(商品名)とを組み合わせたものや、レーザと作像光学系とを組み合わせたもの等、任意のものを適用することができる。
さらにまた、感光体ドラム51の周囲には、当該感光体ドラム51上に形成された静電潜像のトナーによる現像を行うための現像ローラ55が、当該感光体ドラム51に接触して配設される。この現像ローラ55は、所定の正電圧又は負電圧が印加されることにより、接触した感光体ドラム51上に形成された静電潜像をトナーによって現像する。また、この現像ローラ55には、トナー収納容器54に収納されたトナーTを供給するためのトナー供給ローラ56が一定の圧力で接触するとともに、当該トナー供給ローラ56によって当該現像ローラ55に供給されたトナーTを一定の厚さに規制する現像ブレード57が、その一端を接触させて配設される。これらトナー供給ローラ56及び現像ブレード57には、所定の正電圧又は負電圧が印加される。このような現像ローラ55は、一定の圧力で感光体ドラム51の表面に接触しており、露光部53によって形成された静電潜像にトナーTを現像する。
また、感光体ドラム51の周囲には、所定の弾性体からなるクリーニングブレード58が配設される。このクリーニングブレード58は、感光体ドラム51の表面に残存するトナーTを掻き取るように、その一端が一定の圧力で当該感光体ドラム51の表面に接触する。
このように構成される現像部30は、所定のモールド59によって外観が形成され、感光体ドラム51上に形成された静電潜像を現像する。かかる現像部30における感光体ドラム51の下方には、上述した転写ベルト24とともに、トナー画像を記録用紙P上に転写する転写ローラ60が配設される。この転写ローラ60は、転写ベルト24の裏面と接触しており、当該転写ベルト24上に載置された記録用紙Pを感光体ドラム51と挟持した状態で、図示しない電源によって所定の正電圧又は負電圧が印加され、当該記録用紙P上にトナーTPを転写する。
さて、このような画像形成装置は、記録用紙Pの厚さに応じて転写ローラ60と感光体ドラム51との距離を調整することにより、紙面カブリの発生を軽減する。ここで、この紙面カブリが生じる機構について説明する。
感光体ドラム51の表面は、帯電ローラ52によって例えば−600[V]程度の電位を帯びる。この状態で、感光体ドラム51の表面は、露光部53からの照射光によって露光されることによって電位が正方向に増加し、例えば−50[V]程度の電位となる。一方、現像ローラ55には、例えば−220[V]程度の電圧が印加され、その表面のトナーは、−70[V](付着量0.6mg/cm、帯電量15μC/g)の電荷を帯びている。しかしながら、現像ローラ55の表面には、帯電が不十分なトナー(以下、カブリトナーという。)も存在している。
ここで、帯電が十分な通常のトナーは、電界の力によって感光体ドラム51の表面における露光された箇所へと引き寄せられるが、カブリトナーは、−0[V]近傍〜+側の電位に帯電していることから、電界に対してファンデルワールス力が大きくなった場合にのみ、感光体ドラム51に引き寄せられることになる。そのため、感光体ドラム51における露光していない箇所にも、トナーが存在してしまうことになる。
感光体ドラム51上のトナーは、例えば+2000[V]〜+3000[V]の電圧が印加された転写ローラ60によって記録紙面P上へと引き付けられる。ここで、記録用紙Pの厚さが厚くなるのにともない、感光体ドラム51と記録用紙Pとの接触幅が大きくなる。そして、接触幅が大きくなるのにともない、ファンデルワールス力も増加する。したがって、感光体ドラム51上のカブリトナーを引き付ける機会が増加することになる。
画像形成装置においては、このような機構により、紙面カブリが生じることになる。
そこで、画像形成装置は、上述したように、厚さ検出部23によって検出した記録用紙Pの厚さに応じて感光体ドラム51に対する転写ローラ60の位置を変更する位置調整機構26を備え、記録用紙Pの厚さに応じて転写ローラ60と感光体ドラム51との距離を調整する。
この位置調整機構26は、図3及び図4に示すように、一対のスライドリンク71と、これらスライドリンク71を同図中矢印Aの方向へと往復運動させる駆動力伝達部72とからなる。また、位置調整機構26は、転写ローラ60のシャフト60'を支持する軸受け部73を有する。この軸受け部73は、バネ74によって現像部30における感光体ドラム51の方向へと押し上げられ、軸受け支持部75によって支持されている。そのため、転写ローラ60は、上下方向に移動することが可能とされ、感光体ドラム51との距離が可変とされる。
このような位置調整機構26においては、厚さ検出部23によって検出した記録用紙Pの厚さを示す情報が図示しない駆動モータに与えられると、ギア列76,77,78がそれぞれ回転し、ギア79へと駆動力が伝達される。位置調整機構26においては、ギア79が回転するのに応じて、ワンウェイクラッチ80の内輪と外輪とが噛み合い、回転シャフト81が回転する。そして、位置調整機構26においては、回転シャフト81の回転にともなって偏心カム82も回転し、バネ等の付勢部材83の付勢力に抗してスライドリンク71を同図中矢印Aの方向へと往復運動させる。
位置調整機構26においては、このようにしてスライドリンク71が往復運動すると、当該スライドリンク71に各色の転写ローラ60に対応させて山型の切り欠き状に複数形成されたガイド面84に沿って、転写ローラ60のシャフト60'を支持する軸受け部73を押し下げることにより、当該転写ローラ60の位置を調整する。転写ローラ60の位置は、図1に示した移動量検出部85によってスライドリンク71の位置が検出されることによって特定される。そして、位置調整機構26においては、図示しない制御部の制御のもとに、転写ローラ60を記録用紙Pの厚さに応じた位置に移動させたところで駆動モータを停止させ、適正な保持電流を通電することによってこの状態を保持する。
このような位置調整機構26においては、厚さ検出部23によって検出された記録用紙Pの厚さが厚くなるのにともない、図4中矢印Bで示すように、転写ローラ60を感光体ドラム51から遠ざかる方向へと移動させる。すなわち、画像形成装置においては、記録用紙Pの厚さが厚くなるのにともない、当該記録用紙Pの厚さが薄い場合よりも、転写ローラ60と感光体ドラム51との距離が大きくなるように調整する。
このように、画像形成装置においては、記録用紙Pの厚さに応じて感光体ドラム51に対する転写ローラ60の位置を位置調整機構26によって変更することにより、紙面カブリの発生を軽減することができる。実際に、本願出願人は、この効果を確認すべく測定を行った。測定は、ミノルタ社製の分光測色計CM−1000を用いて行い、厚さが0.19mmの記録用紙を用いた場合における色度差と転写ローラ60の移動量との関係を求めた。この結果を図5に示す。なお、縦軸に示す色度差の値が大きいほど、紙面カブリが多いことを示している。また、横軸に示す転写ローラ60の移動量は、その値が大きいほど感光体ドラム51からの距離が大きいことを示している。同図から、転写ローラ60の移動量が大きいほど、紙面カブリが生じにくくなることがわかる。なお、紙面カブリは、色度差が0.5以下である場合には、ほぼ目視では確認できないレベルである。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態として示す画像形成装置においては、感光体ドラム51に対する転写ローラ60の位置を変更する位置調整機構26を備え、記録用紙Pの厚さに応じて当該転写ローラ60と感光体ドラム51との距離を調整することにより、記録用紙Pが現像部30を必要以上に押し込む現象を軽減することができ、感光体ドラム51上に形成されたトナー画像をファンデルワールス力によって記録用紙Pに転写してしまう事態を軽減することができる。したがって、この画像形成装置においては、紙面カブリの発生を軽減することができ、印刷品位の向上を図ることができる。
また、画像形成装置においては、記録用紙Pの厚さが厚くなるのにともなって感光体ドラム51との接触量が大きくなることにより、記録用紙Pが感光体ドラム51を通過する際に当該感光体ドラム51の表面に負荷が加えられるが、記録用紙Pの厚さに応じて感光体ドラム51に対する転写ローラ60の位置を変更することにより、かかる負荷も軽減することができ、感光体ドラム51の長寿命化によるランニングコストの低減も図ることができる。
つぎに、第2の実施の形態として示す画像形成装置について説明する。
この第2の実施の形態として示す画像形成装置は、第1の実施の形態として示した画像形成装置を改良し、用紙搬送経路を変更せずに記録用紙の搬送を可能とするものである。したがって、この第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態の説明と同様の構成については同一符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
この第2の実施の形態として示す画像形成装置は、図6に示すように、厚さ検出部23によって検出した記録用紙の厚さに応じて感光体ドラム51を有する現像部30の位置を変更する位置調整機構101を備え、記録用紙Pの厚さに応じて転写ローラ60と感光体ドラム51との距離を調整する。
この位置調整機構101は、図7に示すように、一対のスライドリンク111と、これらスライドリンク111を同図中矢印Cの方向へと往復運動させる駆動力伝達部112とからなる。一方、現像部30を支持するシャフト30'は、図6に示したシャフト支持部30''に支持されていることから、当該現像部30は、上下方向に移動することが可能とされる。
このような位置調整機構101においては、第1の実施の形態における位置調整機構26と同様に、厚さ検出部23によって検出した記録用紙Pの厚さを示す情報が図示しない駆動モータに与えられると、ギア列76,77,78がそれぞれ回転し、ギア79へと駆動力が伝達される。位置調整機構101においては、ギア79が回転するのに応じて、ワンウェイクラッチ80の内輪と外輪とが噛み合い、回転シャフト81が回転する。そして、位置調整機構101においては、回転シャフト81の回転にともなって偏心カム82も回転し、バネ等の付勢部材83の付勢力に抗してスライドリンク111を同図中矢印Cの方向へと往復運動させる。
位置調整機構101においては、このようにしてスライドリンク111が往復運動すると、当該スライドリンク111に各色の現像部30に対応させて谷型の切り欠き状に複数形成されたガイド面113に沿って、現像部30のシャフト30'を押し上げることにより、当該現像部30の位置を調整する。現像部30の位置は、図6に示した移動量検出部85によってスライドリンク111の位置が検出されることによって特定される。そして、位置調整機構101においては、図示しない制御部の制御のもとに、現像部30を記録用紙Pの厚さに応じた位置に移動させたところで駆動モータを停止させ、適正な保持電流を通電することによってこの状態を保持する。
このような位置調整機構101においては、厚さ検出部23によって検出された記録用紙Pの厚さが厚くなるのにともない、現像部30における感光体ドラム51を転写ローラ60から遠ざかる方向へと移動させることになる。すなわち、画像形成装置においては、記録用紙Pの厚さが厚くなるのにともない、当該記録用紙Pの厚さが薄い場合よりも、転写ローラ60と感光体ドラム51との距離が大きくなるように調整する。
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態として示す画像形成装置においては、転写ローラ60に対する現像部30の位置を変更する位置調整機構101を備え、記録用紙Pの厚さに応じて当該感光体ドラム51と転写ローラ60との距離を調整することにより、記録用紙Pが現像部30を必要以上に押し込む現象を軽減することができ、感光体ドラム51上に形成されたトナー画像をファンデルワールス力によって記録用紙Pに転写してしまう事態を軽減することができる。したがって、この画像形成装置においては、紙面カブリの発生を軽減することができ、印刷品位の向上を図ることができる。
特に、記録用紙Pの厚さに応じて転写ローラ60を移動させる第1の実施の形態として示した画像形成装置においては、用紙搬送経路16が変更される影響があったが、第2の実施の形態として示す画像形成装置においては、現像部30を移動させることにより、用紙搬送経路16を変更することなく記録用紙Pを搬送することができることから、給紙のために設けられたローラ13と転写ベルトユニット25とのつなぎ目や、転写ベルトユニット25と定着部40とのつなぎ目等で発生する紙詰まりを回避することができる。
勿論、画像形成装置においては、記録用紙Pの厚さに応じて転写ローラ60に対する現像部30の位置を変更することにより、記録用紙Pが感光体ドラム51を通過する際に当該感光体ドラム51の表面に加えられる負荷も軽減することができ、感光体ドラム51の長寿命化によるランニングコストの低減も図ることができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した第1の実施の形態では、転写ローラ60の位置を変更するものとして説明したが、本発明は、例えば図8に示すように、厚さ検出部23によって検出した記録用紙Pの厚さに応じて転写ベルトユニット25の位置を変更する位置調整機構151を備え、記録用紙Pの厚さに応じて転写ベルトユニット25と感光体ドラム51との距離を調整するようにしてもよい。すなわち、本発明は、転写部と現像部との距離を調整できるものであれば、いかなるものであっても適用することができる。
また、上述した第1の実施の形態として示した方法は、例えば図9に示すように、各色の現像部30における感光体ドラム51上に形成されたトナー画像を転写ベルト201に一括転写する中間転写方式の画像形成装置にも容易に適用することができ、同様の効果を得ることができる。
さらに、上述した2つの実施の形態では、厚さ検出部23を画像形成装置内部に設けるものとして説明したが、本発明は、かかる厚さ検出部を画像形成装置内部に設けず、画像形成に際してホストコンピュータ等から所定のネットワークを介して取得した附属情報としての記録用紙に関する情報に基づいて、当該記録用紙の厚さを示す情報を得るようにしてもよく、また、現像部等に設けられた所定の操作用パネル等の操作手段を用いてユーザが記録用紙に関する設定を変更するようにしてもよい。
さらにまた、本発明は、画像形成を行う機器であればいかなるものであっても適用することができ、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写機、及びこれらの機能を複合的に備える装置に適用して好適である。
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
本発明の第1の実施の形態として示す画像形成装置の概略構成を説明する断面図である。 同画像形成装置における現像部及び転写部の構成を説明する側面図である。 同画像形成装置における位置調整機構の構成を説明する斜視図である。 図3に示す位置調整機構と転写ローラとの構成を説明する要部斜視図である。 色度差と転写ローラの移動量との関係を説明する図である。 本発明の第2の実施の形態として示す画像形成装置の概略構成を説明する断面図である。 同画像形成装置における位置調整機構の構成を説明する斜視図である。 本発明の第1の実施の形態として示す画像形成装置の変形例として、転写ベルトユニットの位置を変更する位置調整機構を備えた画像形成装置の概略構成を説明する断面図である。 本発明の第1の実施の形態として示す画像形成装置の変形例として、中間転写方式の画像形成装置の概略構成を説明する側面図である。 記録媒体の厚さを変化させた場合における色度差と印字濃度との関係を説明する図である。
符号の説明
11 ロワーフレーム
12,13,14,15 ローラ
16 用紙搬送経路
20 給紙カセット
21 用紙繰り出し部
22 スタッカ
23 厚さ検出部
24,201 転写ベルト
25 転写ベルトユニット
26,101,151 位置調整機構
30 現像部
30',60' シャフト
30'' シャフト支持部
40 定着部
51 感光体ドラム
52 帯電ローラ
53 露光部
54 トナー収納容器
55 現像ローラ
56 トナー供給ローラ
57 現像ブレード
58 クリーニングブレード
59 モールド
60 転写ローラ
71,111 スライドリンク
72,112 駆動力伝達部
73 軸受け部
74 バネ
75 軸受け支持部
76,77,78 ギア列
79 ギア
80 ワンウェイクラッチ
81 回転シャフト
82 偏心カム
83 付勢部材
84,113 ガイド面
85 移動量検出部
P 記録用紙

Claims (6)

  1. 所定の記録媒体に現像剤を定着して画像を形成する画像形成装置であって、
    前記現像剤によって形成された像を担持する像担持体と、
    前記像担持体と対向して配設され、当該像担持体上に形成された像を前記記録媒体に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の厚さに応じて前記像担持体と前記転写手段との距離を調整する調整手段とを備え、
    前記調整手段は、前記記録媒体の厚さが厚くなるのにともない、前記像担持体と前記転写手段との距離が大きくなるように調整すること
    を特徴とする画像形成装置。
  2. 前記記録媒体の厚さを検出する厚さ検出手段を備え、
    前記調整手段は、前記厚さ検出手段によって検出された前記記録媒体の厚さを示す情報に基づいて、前記像担持体と前記転写手段との距離を調整すること
    を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記調整手段は、所定のネットワークを介して取得した前記記録媒体の厚さを示す情報に基づいて、前記像担持体と前記転写手段との距離を調整すること
    を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記調整手段は、所定の操作手段を用いてユーザが設定した前記記録媒体の厚さを示す情報に基づいて、前記像担持体と前記転写手段との距離を調整すること
    を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 前記調整手段は、前記記録媒体の厚さに応じて前記像担持体に対する前記転写手段の位置を変更すること
    を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  6. 前記調整手段は、前記記録媒体の厚さに応じて前記転写手段に対する前記像担持体の位置を変更すること
    を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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