JP2008138227A - ウエッブ状被蒸着材の蒸着膜厚制御方法 - Google Patents

ウエッブ状被蒸着材の蒸着膜厚制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
蒸着開始時の低速度から定常速度までの間の蒸着膜厚を均一にすることにより、ロスを減少し生産性を向上することのできるウエッブ状被蒸着材の蒸着膜厚制御方法を提供する。
【解決手段】
減圧下で連続したウエッブ状被蒸着材の少なくとも一方の表面に蒸着材料を加熱蒸発させる加熱手段を用いて蒸着する真空蒸着装置において、前記ウエッブ状被蒸着材の表面上の蒸着膜厚を検出する蒸着膜厚検出手段と前記蒸着膜厚検出手段による検出値に基づいて蒸着膜厚を制御するに際し、前記ウエッブ状被蒸着材の走行速度が蒸着開始時から定常蒸着時の走行速度に達するまでの加速中の間は、蒸着材料を加熱蒸発させるための導入電力量を予め設定したプログラムにより段階的に上昇させながら、蒸着膜厚検出手段の検出値と目標膜厚の偏差から前記ウエッブ状被蒸着材の走行速度を制御することを特徴とするウエッブ状被蒸着材の蒸着膜厚制御方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、プラスチックフイルム、紙および布などの連続したウエッブ状被蒸着材に蒸着材料を真空蒸着させる連続真空蒸着装置により、ウエッブ状被蒸着材の長さ方向に均一な蒸着膜厚が得られるように制御する方法に関するものである。
連続したウエッブ状被蒸着材を蒸着する真空蒸着装置は、図1に示すように、連続したウエッブ状被蒸着材14を巻きだすための巻出し装置2、ウエッブ状被蒸着材14を搬送するための搬送ロール5、ウエッブ状被蒸着材14を巻き取るための巻取り装置3、アルミニウム、亜鉛、銅および酸化アルミニウムなどの蒸着材料7を格納するための坩堝(るつぼ)6、その坩堝6を加熱するための加熱装置8、ウエッブ状被蒸着材14への蒸着を開始・停止させるためのシャッター9、蒸着膜厚検出器12、真空槽1、真空ポンプ15、搬送ロールを駆動するための電動機10、該ウエッブ状被蒸着材14の速度検出器11、および蒸着膜厚制御装置13等で構成されている。
このような構成の真空蒸着装置において、蒸着膜厚を一定に保つ方法としては、従来では、蒸着膜厚が蒸着材料の温度に比例し、ウエッブ状被蒸着材がその速度に反比例することを利用して、蒸着膜厚を蒸着膜厚検出器で検出し、加熱装置に投入する電力を変更することにより蒸着材料の温度を変えて、坩堝からの蒸着材料の蒸発量を制御する方法(従来法1)、あるいは、加熱装置に投入する電力を一定にして、電動機の速度を変更することによりウエッブ状被蒸着材の速度を変更する方法(従来法2)、および従来法1と従来法2を組み合わせた方法(従来法3)が採られていた(特許文献1参照)。
特開平5−287528号公報
しかしながら、上記の従来法1では、坩堝および蒸着材料の熱容量が大きいことから、加熱装置に投入する電力Pを変更しても、坩堝内の蒸着材料の温度が変わり安定するのまでに数分程度要するため、蒸着開始速度Vsから蒸着定常速度Vtまで加速する間、また定常速度から停止するまでの間、蒸着膜厚を均一に保つことが困難であった。また、上記の従来法2では、電動機の応答速度が速いため、定常速度付近での蒸着膜厚の急激な変動に対しては有効であるが、加熱装置に投入するパワーは一定であるため、蒸着開始速度Vsから蒸着定常速度Vtまで加速する間、また定常速度から停止するまでの間、蒸着膜厚を均一に保つことが困難であった。さらに、これらの従来法1と従来法2を組み合わせた上記の従来法3においても、蒸着開始速度Vsから蒸着定常速度Vtまで加速する間の蒸着膜厚を均一に保つことは困難であり、蒸着の開始部分および終了部において、ロスが発生する。
本発明は、上記問題点を解決せんとするものであり、蒸着開始時の低速度から定常速度までの間の蒸着膜厚を均一にすることにより、ロスを減少し生産性を向上することのできるウエッブ状被蒸着材の蒸着膜厚制御方法を提供することである。
上記課題を解決する本発明のウエッブ状被蒸着材の蒸着膜厚制御方法は、減圧下で連続したウエッブ状被蒸着材の少なくとも一方の表面に蒸着材料を加熱蒸発させる加熱手段を用いて蒸着する真空蒸着装置において、前記ウエッブ状被蒸着材の表面上の蒸着膜厚を検出する蒸着膜厚検出手段と前記蒸着膜厚検出手段による検出値に基づいて蒸着膜厚を制御するに際し、前記ウエッブ状被蒸着材の走行速度が蒸着開始時から定常蒸着時の走行速度に達するまでの加速中の間は、蒸着材料を加熱蒸発させるための導入電力量を予め設定したプログラムにより段階的に上昇させながら、蒸着膜厚検出手段の検出値と目標膜厚の偏差から前記ウエッブ状被蒸着材の走行速度を制御することを特徴とするウエッブ状被蒸着材の蒸着膜厚制御方法である。
また、本発明の上記ウエッブ状被蒸着材の蒸着膜厚制御方法には、前記ウエッブ状被蒸着材の走行速度が定常蒸着時の走行速度に達した後、前記ウエッブ状被蒸着材の走行速度を定常蒸着時の速度に保ちながら、蒸着膜厚検出手段の検出値と目標膜厚の偏差から導入電力量を制御することが、好ましい態様として包含される。
本発明のウエッブ状被蒸着材の蒸着膜厚制御方法によれば、連続するウエッブ状被蒸着材に対して蒸着材料を加熱して蒸着する際に、蒸着開始速度から、定常蒸着速度に至る加速中に蒸着加工する部分から定常蒸着速度での蒸着加工に渡り、蒸着膜厚を均一に保つことができるので、ロスを減少し生産性を向上することが可能となる。
本発明のウエッブ状被蒸着材の蒸着膜厚制御方法は、減圧下で連続したウエッブ状被蒸着材の少なくとも一方の表面に蒸着材料を加熱蒸発させる加熱手段を用いて蒸着する真空蒸着装置において、前記ウエッブ状被蒸着材の表面上の蒸着膜厚を検出する蒸着膜厚検出手段と前記蒸着膜厚検出手段による検出値に基づいて蒸着膜厚を制御するに際し、
(a)前記ウエッブ状被蒸着材の走行速度が蒸着開始時から定常蒸着時の走行速度に達するまでの加速中の間は、蒸着材料を加熱蒸発させるための導入電力量を予め設定したプログラムにより段階的に上昇させながら、蒸着膜厚検出手段の検出値と目標膜厚の偏差から前記ウエッブ状被蒸着材の走行速度を制御すると共に、
(b)前記ウエッブ状被蒸着材の走行速度が定常蒸着時の走行速度に達した後、前記ウエッブ状被蒸着材の走行速度を定常蒸着時の速度に保ちながら、蒸着膜厚検出手段の検出値と目標膜厚の偏差から導入電力量を制御する方法である。
具体的に、ウエッブ状被蒸着材の走行速度をV、蒸着開始時のウエッブ状被蒸着材の走行速度をVs、ウエッブ状被蒸着材の定常蒸着時の走行速度をVtとし、蒸着材料を加熱蒸発させるための導入電力量をPとしたとき、
(a)ウエッブ状被蒸着材の走行速度VがVs≦V<Vtと定常蒸着時の走行速度Vtより低速度の間は、導入電力量Pを予め設定したプログラムにより段階的に上昇させながら、蒸着膜厚検出手段の検出値と目標膜厚の偏差からウエッブ状被蒸着材の走行速度Vを制御しながら加速し、
(b)ウエッブ状被蒸着材の走行速度VがV=Vtの定常蒸着時の走行速度Vtに達した後は、前記ウエッブ状被蒸着材の速度Vを定常蒸着時の速度Vtに保ちながら、蒸着膜厚検出手段の検出値と目標膜厚の偏差から導入電力量Pを増加または減少させて制御する。
すなわち、本発明の蒸着膜厚制御は、(a)蒸着を開始し、ウエッブ状被蒸着材の走行速度Vを、蒸着開始時のウエッブ状被蒸着材の走行速度Vsから定常蒸着速度Vtまで加速する間と、(b)ウエッブ状被蒸着材の走行速度Vが定常蒸着速度Vtに達した後、定常蒸着速度Vtの一定速度の2段階に分けて行われる。
例えば、蒸着開始時のウエッブ状被蒸着材の走行速度Vsは、通常100m/分以下、即ち0m/分〜100m/分程度であり、定常蒸着速度Vtは通常200m/分〜1000m/分程度である。また、蒸着開始時の走行速度Vsと定常蒸着速度Vtの差異は、少なくとも50m/分以上であることが好ましく、通常100m/分〜800m/分程度である。
また、本発明では、導入電力量Pを予め設定したプログラムにより段階的に上昇させていくが、これは、ある時間間隔△t毎に△Pずつ電力を増加させていくことにより達成される。導入電力量を段階的に上昇させる際に、少なくとも2段階の複数ステップで階段状に上げることができる。例えば、10秒間隔で加熱電力の電圧値を5Vステップで10Vから500Vまで階段状に上げるようにプログラムを設定することができる。
次に、図面に基づいて本発明のウエッブ状被蒸着材の蒸着膜厚制御方法について説明する。まず図1は、本発明で用いられる真空蒸着装置を例示説明するための側面断面図である。
図1において、連続したウエッブ状被蒸着材14を蒸着するための真空蒸着装置は、真空槽1内に、連続したウエッブ状被蒸着材14を巻きだすための巻出し装置2、そのウエッブ状被蒸着材14を搬送するための搬送ロール5、冷却ロール4、連続したウエッブ状被蒸着材14を巻き取るための巻取り装置3、アルミニウム、亜鉛、銅および酸化アルミニウムなどの蒸着材料7を格納するための坩堝(るつぼ)6、その坩堝(るつぼ)6を加熱するための加熱装置8、ウエッブ状被蒸着材14への蒸着を開始・停止させるためのシャッター9、および蒸着膜厚検出手段である蒸着膜厚検出器12が収納されている。
真空槽1内は、真空ポンプ15で減圧下に制御保持されており、巻出し装置2から解除されたウエッブ状被蒸着材14は、搬送ロール5と冷却ロール4を経て巻取り装置3に巻き取られる間に、加熱手段である加熱装置8により加熱された蒸着材料7が蒸着される。
図1では、真空槽1外には、蒸着膜厚検出器12に接続された蒸着膜厚制御装置13が配置されており、蒸着膜厚検出器12からの膜厚検出値を受けとる。この蒸着膜厚制御装置13は、更に搬送ロール5や冷却ロール4を駆動するための電動機10が速度検出器11を経て接続されており、蒸着膜厚制御装置13により搬送ロール5と冷却ロール4の回転数が制御され、それによりウエッブ状被蒸着材14の走行速度が制御される。また、この蒸着膜厚制御装置13は、真空槽1内の加熱装置8に接続されており、蒸着膜厚検出器12からの膜厚検出値を感知して、導入電力量が制御され、加熱により真空槽1内温度が制御される。
具体的に、蒸着膜厚検出器12で検出された蒸着膜厚の検出値と、ウエッブ状被蒸着材14の速度検出器11で検出された速度値が、蒸着膜厚制御装置13に送られる。蒸着膜厚制御装置13は、後述する演算処理をして、電動機10の速度、すなわちウエッブ状被蒸着材14の走行速度と、加熱装置8に供給する導入電力量を制御する。
図2と図3に、本発明の蒸着膜厚制御のブロック図を示す。図2は、ウエッブ状被蒸着材の走行速度Vが、定常蒸着時の走行速度Vtより低速度の間の制御方法を説明するための制御ブロック図である。また、図3は、ウエッブ状被蒸着材の走行速度Vが、定常蒸着時の走行速度Vtに達して後の制御方法を説明するための制御ブロック図である。図2と図3に示すように、蒸着膜厚制御装置13は、搬送速度制御機能と加熱電力制御機能を備えている。
本発明の蒸着膜厚制御は、(a)蒸着を開始し、ウエッブ状被蒸着材の走行速度Vを、蒸着開始時のウエッブ状被蒸着材の走行速度Vsから定常蒸着速度Vtまで加速する間と、(b)ウエッブ状被蒸着材の速度Vが定常蒸着速度Vtに達した後、定常蒸着速度Vtの一定速度の2段階に分けて行う。
(a)まず、蒸着を開始から、ウエッブ状被蒸着材の速度Vを蒸着開始時のウエッブ状被蒸着材の走行速度Vsから蒸着定常速度Vtまで加速する間において、すなわち、ウエッブ状被蒸着材の速度Vが定常速度速度Vtよりも低い場合、加熱電力指令演算器にあらかじめ設定したプログラムにしたがって、加熱装置からの導入電力量Pを階段状に上げていく。加熱装置の導入電力量Pの上昇と共に、蒸着材料の蒸発量が増える。膜厚検出器の検出値とあらかじめ設定された目標膜厚との偏差△tを計算し、膜厚偏差△tを速度変更量演算器に送り、膜厚偏差△tに比例した速度偏差△Vを計算し速度指令演算器に送る。速度指令演算器は、ウエッブ状被蒸着材の速度Vに計算された速度偏差△Vを加算した新たなウエッブ状被蒸着材の速度V=(V+△V)を電動機に送り、ウエッブ状被蒸着材の速度Vを変更することにより蒸着膜厚を制御する。このステップを繰り返えすことにより、蒸着膜厚を一定に制御しつつ、加熱装置の導入電力量Pの上昇に伴い、ウエッブ状被蒸着材の速度Vは上昇する。
(b)速度偏差演算器により速度検出器が検出したウエッブ状被蒸着材の走行速度Vを定常蒸着速度Vtに達したと判定した場合、速度変更指令演算器は、ウエッブ状被蒸着材の走行速度Vを定常蒸着速度Vtに保つように電動機に指令を出す。膜厚検出器の検出値とあらかじめ設定した目標膜厚との偏差△tを計算し、膜厚偏差△tを加熱電力変更量辺慙愧に送り、膜厚偏差△tに比例した加熱電力偏差△Pを計算し、過熱電力指令演算器に送る。加熱電力指令演算器は、加熱導入電力量Pに計算された電力偏差△Pを加算した新たな電力P=(P+△P)を加熱装置に送り、加熱電力を変更することにより蒸着膜厚を制御する。このようにして、蒸着開始速度から定常蒸着速度まで蒸着膜厚を均一に保つことができる。
本発明において用いられる蒸着材料を加熱蒸発させる加熱手段としては、カーボン製の坩堝に蒸着材料を所定の量投入し電磁誘導法により加熱する方法、抵抗体に電流を流し加熱する方法および電子ビームを直接蒸着材料に照射して加熱する方法などが挙げられるが、何れの方法も導入電力量Pを変更することにより、単位時間あたりの蒸発量を変更制御することができる。
蒸着膜厚を検出する手段としては、光透過(吸収)率計を用いる方法、渦電流計を用いる方法、蛍光X線測定器を用いる方法および光の干渉次数を用いる方法などがあるが、連続するウエッブ状被蒸着材の性質や蒸着材料の性質により最適なものを選び使用することができる。
また、蒸着材料としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、錫および銀等の金属材料や、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化錫、酸化マグネシウムおよび酸化チタン等の酸化物などが挙げられる。
蒸着膜厚は、その蒸着膜厚が光を通す位の厚みの場合は、光学濃度計で光透過率を測定し、使用する製品の目的に応じて設定することができる。さらに蒸着膜厚が厚くなり、光の透過量が減った場合は、渦電流計で蒸着膜の抵抗値で蒸着膜厚を設定することができる。さらに蛍光X線計を使い、蒸着材料の元素量から蒸着膜厚を測定し、設定することも可能である。これらの方法を用い、好ましくは100オングストローム〜3μmまで用途に応じて蒸着膜厚を設定することができる。
本発明で用いられるウエッブ状被蒸着材としては、プラスチックフイルム、紙および布などが挙げられる。
プラスチックフイルムとしては、無延伸または少なくとも一方向に延伸されたポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリエチレンナフタレートフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリアミドフイルム、ポリイミドフイルム、ポリフェニレンサルファイドフイルム、ポリカーボネートフイルム、およびそれらの共重合フイルムおよびポリマー同士をブレンドしたフイルムなどが挙げられる。また、これらのプラスチックフイルム少なくとも一方の面に樹脂がコーティングされていても良いし、コロナ放電処理やプラズマ処理がなされていてもかまわない。プラスチックフィルムの厚みは、通常0.5μmから500μmの範囲がロール状に巻き取る上で好ましいが、各種プラスチックフイルムの特性により異なり、ロール状に巻き取ることが可能であれば、この厚み範囲を外れても適用可能である。また、紙や布も同様である。
本発明のウエッブ状被蒸着材の蒸着膜厚制御方法は、連続真空蒸着装置により、プラスチックフイルム、紙および布などの連続したウエッブ状被蒸着材に蒸着材料を真空蒸着させる際に適用される蒸着膜厚制御方法であり、得られた蒸着物は、食品用包装用フイルム、表示ラベル、熱線反射用フイルムおよび防湿用蒸着紙等に好適に用いられる。
以下、本発明のウエッブ状被蒸着材の蒸着膜厚制御方法を、実施例に基づき詳細に説明する。
(実施例1)
図1に示した構造の真空蒸着装置(ULVAC社製巻取式真空蒸着装置EWシリーズ)を用いた。
本発明の蒸着膜厚制御は、(a)蒸着を開始し、ウエッブ状被蒸着材の速度Vを蒸着開始時のウエッブ状被蒸着材の走行速度Vsから定常蒸着速度Vtまで加速する間と、(b)ウエッブ状被蒸着材の速度Vが定常蒸着速度Vtに達した後、定常蒸着速度Vtの一定速度の2段階に分けて行った。
まず、ウエッブ状被蒸着材(東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)T70A、厚み12μm、幅2m、長さ40000m)を真空蒸着機内にセットした後、真空ポンプにより真空槽内の真空度が3×10−2Pa以下に下がったことを確認し、蒸着を開始した。着材料にはアルミニウムを使用した。(a)蒸着を開始し、ウエッブ状被蒸着材の速度VをVs(50m/分)から蒸着定常速度Vt(500m/分)まで加速する間において、すなわち、ウエッブ状被蒸着材の速度Vが定常速度速度Vtよりも低い場合、加熱電力指令演算器にあらかじめ設定した、すなわち15秒間隔で加熱装置の電圧を10Vから5Vステップであげるプログラムにしたがって、加熱装置の電力Pを階段状に上げていった。加熱装置の電力の上昇と共に、蒸着材料の蒸発量が増える。膜厚検出器の検出値とあらかじめ設定した目標膜厚(光学濃度で0.8)との偏差△tを計算し、膜厚偏差△tを速度変更量演算器に送り、膜厚偏差△tに比例した速度偏差△Vを計算し速度指令演算器送る。速度指令演算器は、ウエッブ状被蒸着材の速度Vに計算された速度偏差△Vを加算した新たなウエッブ状被蒸着材の速度V=(V+△V)を電動機に送り、ウエッブ状被蒸着材の速度Vを変更することにより蒸着膜厚を制御する。このステップを繰り返えすことにより、蒸着膜厚を一定に制御しつつ、加熱装置の電力Pの上昇に伴い、ウエッブ状被蒸着材の速度Vは上昇する。
(b)速度偏差演算器により速度検出器が検出したウエッブ速度Vを定常蒸着速度Vt(500m/分)に達したと判定した場合、速度変更指令演算器は、ウエッブ状被蒸着材の速度VをVt(500m/分)に保つように電動機に指令を出す。膜厚検出器の検出値とあらかじめ設定した目標膜厚との偏差△tを計算し、膜厚偏差△tを加熱電力変更量辺慙愧に送り、膜厚偏差△tに比例した加熱電力偏差△Pを計算し、過熱電力指令演算器に送る。加熱電力指令演算器は、加熱電力Pに計算された電力偏差△Pを加算した新たな電力P=(P+△P)を加熱装置に送り、加熱電力を変更することにより蒸着膜厚を制御した。この結果、図4に示すように、蒸着開始速度から定常蒸着速度まで蒸着膜厚を均一(0.8±0.1)に保つことができた。
(比較例1)
実施例1と同様に、図1に示した構造の真空蒸着装置(ULVAC社製)を用いた。蒸着開始速度Vsから定常蒸着速度Vtに至るまで、膜厚検出器の検出値とあらかじめ設定した目標膜厚との偏差△tを計算し、膜厚偏差△tを加熱電力変更量演算器に送り、膜厚偏差△tに比例した加熱電力偏差△Pを計算し、過熱電力指令演算器に送った。加熱電力指令演算器は、加熱電力Pに計算された電力偏差△Pを加算した新たな電力P=(P+△P)を加熱装置に送り、加熱電力を変更することにより膜厚を制御した。まず、ウエッブ状被蒸着材(東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)T70A、厚み12μm、幅2m、長さ40000m)を真空蒸着機内にセットした後、真空ポンプにより真空槽内の真空度が3×10−2Pa以下に下がったことを確認し、蒸着を開始した。蒸着開始速度Vs(50m/分)から毎分20m/分の一定の割合で速度を上げながら定常蒸着速度Vt(500m/分まで加速した。この結果、図5に示すように、蒸着速度上昇に坩堝からの蒸発量増加が追従せず、加速部分で蒸着膜厚が不均一になり、光学濃度の目標範囲(0.8±0.1)を外れた。
本発明のウエッブ状被蒸着材の蒸着膜厚制御方法は、連続するウエッブ状被蒸着材に対して蒸着材料を加熱して蒸着する際に、蒸着開始速度から定常蒸着速度に至る加速中に蒸着加工する部分から定常蒸着速度での蒸着加工に渡り、蒸着膜厚を均一に保つことができる方法であり、蒸着ロスを減少し生産性を向上させることができる。
図1は、本発明で用いられる真空蒸着装置を例示説明するための側面断面図である。 図2は、ウエッブ状被蒸着材の走行速度Vが、定常蒸着時の走行速度Vtより低速度の間の制御方法を説明するための制御ブロック図である。 図3は、ウエッブ状被蒸着材の走行速度Vが、定常蒸着時の走行速度Vtに達して後の制御方法を説明するための制御ブロック図である。 図4は、実施例1における蒸着膜厚の状態を示す図である。 図5は、比較例1における蒸着膜厚の状態を示す図である。
符号の説明
1 真空槽
2 巻出装置
3 巻取装置
4 冷却ロール
5 搬送ロール
6 坩堝(るつぼ)
7 蒸着材料
8 加熱装置
9 シャッター
10 電動機
11 速度検出器
12 蒸着膜厚検出器
13 蒸着膜厚制御装置
14 ウエッブ状被蒸着材
15 真空ポンプ

Claims (2)

  1. 減圧下で連続したウエッブ状被蒸着材の少なくとも一方の表面に蒸着材料を加熱蒸発させる加熱手段を用いて蒸着する真空蒸着装置において、前記ウエッブ状被蒸着材の表面上の蒸着膜厚を検出する蒸着膜厚検出手段と前記蒸着膜厚検出手段による検出値に基づいて蒸着膜厚を制御するに際し、前記ウエッブ状被蒸着材の走行速度が蒸着開始時から定常蒸着時の走行速度に達するまでの加速中の間は、蒸着材料を加熱蒸発させるための導入電力量を予め設定したプログラムにより段階的に上昇させながら、蒸着膜厚検出手段の検出値と目標膜厚の偏差から前記ウエッブ状被蒸着材の走行速度を制御することを特徴とするウエッブ状被蒸着材の蒸着膜厚制御方法。
  2. ウエッブ状被蒸着材の走行速度が定常蒸着時の走行速度に達した後、前記ウエッブ状被蒸着材の走行速度を定常蒸着時の速度に保ちながら、蒸着膜厚検出手段の検出値と目標膜厚の偏差から導入電力量を制御することを特徴とする請求項1記載のウエッブ状被蒸着材の蒸着膜厚制御方法。
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