JP2008137552A - 車両前部の車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体上側の重量を増加させることなくアッパーフレーム6の前端部にかかった荷重を効率よく車両の後方に分散させ、衝突荷重の吸収性能と操縦安定性の向上とを両立させる。
【解決手段】フロントピラー3の接合突起5に重ねて接合されるアッパーフレーム6の基端側の下縁部を車両後方に向かって下向きに湾曲させてフロントピラー3の前縁部に連続して接続されるよう形成するとともに、アッパーフレーム6の基端側の上縁部を略水平に形成し、アッパーフレーム6の車幅方向縦断面における重心点を前記アッパーフレーム6の長さ方向に沿って結んだ仮想重心線Pが、前記アッパーフレーム6の基端側において車両後方に向かって下方に傾斜する状態にして、アッパーフレーム6の前端に加わる荷重をフロントピラー3の下方側に導いて、車両下方側の部材(サイドシル4)へ分散させる構成とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、フロントピラーから車両前方側にアッパーフレームが延びた車両前部の車体構造に関する。
衝突時の衝撃を緩和して乗員を保護するための車体の構造が採用されている。これらの車体構造は、前方からの衝突の荷重を一部に集中させずに剛性が保てる部位に適宜分散できるように工夫されている。特に、車両の正面から見てエンジンやタイヤが存在しない部位の衝撃を緩和できるようにすることは、対向車両の種類に拘わらず広い範囲で相手車両の部材(対向位置の異なるサイドフレーム等)からの衝撃を緩和することができることになる。
このような情勢により、従来から、フロントピラーから車両前方にアッパーフレームが延びた車両前部の車体構造において、衝突時のアッパーフレームの前部からの荷重を効率よく分散できるようにする技術が種々提案されている。例えば、アッパーフレームの前端部に荷重がかかった場合に、荷重をフロントピラーに分散させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。即ち、アッパーフレームを車体後方に向けて直線状に上方に配置し、アッパーフレームの前端部にかかった荷重を上方に向けてルーフ側に分散するようになっている。
従来の構造によれば、アッパーフレームを車体後方に向けて上がり勾配にしているので、アッパーフレームに入力された荷重をルーフ側に分散することができ、また、アッパーフレームの下側のスペースを確保して設計の自由度を高めることができる。
特開2005−112173号公報
しかし、特許文献1に記載されているような従来の車両前部の車体構造では、アッパーフレームの前端部にかかった荷重をルーフ側に分散しているので、車体の上部に補強部材を設けたり、車体上部の構造物の板厚を増加させることが必要である。補強部材の追加や板厚増は重量の増加につながり、車体の上側の重量が増してしまう。このため、車体の重心が高くなり車両の安定性が損なわれ、カーブ等での操縦安定性が低下してしまう虞があった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、アッパーフレームの前端部にかかった荷重を積極的に車体下方側の部材へ導き効率よく車両の後方に分散させることができる車両前部の車体構造を提供し、もって、車体の上側の重量を増加させることなく、衝突荷重の吸収性能と操縦安定性の向上とを両立させることを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の車両前部の車体構造は、車両の車室前部の左右に位置して上下方向に延設される一対のフロントピラーと、同フロントピラーに基端が接合されて車両前方に延設される左右一対のアッパーフレームと、同アッパーフレームより下方でかつ前記フロントピラーよりも車幅方向内側に配置されて前記車室の前方に延設される左右一対のサイドメンバとを備え、前記サイドメンバの前端側に前記アッパーフレームの前端側が連結されるよう構成された車両前部の車体構造において、前記アッパーフレームは、その車幅方向縦断面における重心点を前記アッパーフレームの長さ方向に沿って結んだ仮想重心線が、前記アッパーフレームの基端側において車両後方に向かって下方に傾斜するよう形成されていることを特徴とする。
請求項1に係る本発明では、アッパーフレームの車幅方向縦断面における重心点を結んだ仮想重心線がアッパーフレームの基端側において車両後方に向かって下方に傾斜するようにアッパーフレームが形成されているので、衝突等によりアッパーフレームの前端に入力された荷重がフロントピラーの下方側に積極的に導かれ、車両上部よりも比較的強度が高く、補強等の重量増加による車体重心への悪影響の少ない車両下方側の部材(サイドシル等)に荷重を分散することができる。
上記目的を達成するための請求項2に係る本発明の車両前部の車体構造は、請求項1の車両前部の車体構造において、前記アッパーフレームの基端側は、その下縁部の形状が車両後方に向かって下向きに湾曲するよう形成され、前記フロントピラーの前縁部と連続するように接合されることを特徴とする。
請求項2に係る本発明では、アッパーフレーム前端に入力された荷重が、スムーズかつ効率的にフロントピラーの下方側に導かれて車両下方側に確実に分散される。
そして、請求項3に係る本発明の車両前部の車体構造は、請求項2に記載の車両前部の車体構造において、前記フロントピラーは、前記アッパーフレームが接合される部位に車両前方に張り出して前記アッパーフレームの基端が重合される接合突出部を有しており、前記接合突出部は、その下方側の形状が前記アッパーフレーム基端側の下縁部の湾曲に沿った湾曲形状に形成されていることを特徴とする。
請求項3に係る本発明では、アッパーフレームの接合が強固とされるとともに、アッパーフレーム前端からの入力荷重をより効率よく受けて車両の下方側に確実に分散させることができる。
また、請求項4に係る本発明の車両前部の車体構造は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両前部の車体構造において、前記アッパーフレームの前端は下向きに湾曲していることを特徴とする。
請求項4に係る本発明では、車両前部で入力されてアッパーフレーム側に分散された荷重を積極的かつ効率良く受けることができる。
また、請求項5に係る本発明の車両前部の車体構造は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両前部の車体構造において、前記アッパーフレームの基端側の上縁部の形状は略水平に形成されていることを特徴とする。
請求項5に係る本発明では、フロントピラーの上側に分散される入力荷重を最小限に抑制することができ、荷重をより積極的にピラー下方側へ分散させることができる。
また、請求項6に係る本発明の車両前部の車体構造は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両前部の車体構造において、前記フロントピラーの下端部には、前記フロントピラーと前記サイドメンバとを連結して補強する補強部材が設けられていることを特徴とする。
請求項6に係る本発明では、フロントピラー下方側に生じる曲げモーメントを打ち消すとともに、フロントピラーの下端部に導かれた入力荷重をサイドシルだけでなく補強部材を介してサイドメンバにも分散することができる。
また、請求項7に係る本発明の車両前部の車体構造は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両前部の車体構造において、前記アッパーフレームは、車幅方向内方に開放された断面略ハット形のアウターパネルと、同アウターパネルに接合されて閉断面を形成するインナーパネルとから構成されており、前記インナーパネルには、前記アウターパネルよりも車両上方に延設される延設部が形成され、同延設部にフードの前縁を支持するアッパーバーの端部が接合されていることを特徴とする。
請求項7に係る本発明では、アッパーフレームの延設部が、アッパーバーを支持するとともに、歩行者の衝突等によりアッパーバーへ入力される衝撃荷重を延設部によって有効に吸収することができる。
また、請求項8に係る本発明の車両前部の車体構造は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両前部の車体構造において、前記アッパーフレームの前端は、車幅方向内方に向かうに従い下方に位置するよう延設されるブレースを介して前記サイドメンバの前端に連結されていることを特徴とする。
請求項8に係る本発明では、ブレースによって車両正面から受ける面積を多く確保することができ、オフセット衝突等においては、相手構造物の進入を効率良く防ぐことができる。
本発明の車両前部の車体構造は、アッパーフレームの前端部にかかった荷重を積極的に車体下方側の部材へ導き効率よく車両の後方に分散させることができ、車体の上側の重量を増加させることなく、衝突荷重の吸収性能と操縦安定性の向上とを両立させることが可能になる。
図1には本発明の一実施形態例に係る車両前部の車体構造を表す斜視状況、図2には図1の分解状況、図3には車両前部の側面視状況、図4には車両前部の正面視状況、図5には図3中のA−A線矢視、図6には図3中のB−B線矢視、図7には図4中のC−C線矢視、図8には正面衝突時の衝突エネルギーの分散状況を表す側面視状況を示してある。
図1、図2に示すように、車両の車室S前部の左右両側部には、車両の上下方向に延設された一対のフロントピラー3が備えられ、フロントピラー3には、車両の前方に延びる左右一対のアッパーフレーム6の基端が接合されている。左右のフロントピラー3同士は、車幅方向に延びるカウルトップパネル9で連結されており、カウルトップパネル9の下方には、車室Sと車室前方の領域(フードルーム)とを仕切るダッシュパネル10が配置されている。ダッシュパネル10の左右前方には、サスペンション装置を支持する筒型のストラットハウス16が設けられ、アッパーフレーム6に接合されている。
また、フロントピラー3より車幅方向内側でかつアッパーフレーム6より下方の位置には、車両前後方向に延設される左右一対のフロントフロアサイドメンバ(サイドメンバ)1が配置されており、サイドメンバ1は、車室Sの下方からダッシュパネル10に沿って車両前方へ延ばされている。そして、アッパーフレーム6の前端部は、連結ブレース7を介してサイドメンバ1の前端部に連結されており、サイドメンバ1の前端部同士はフロントエンドクロスメンバ2で連結されている。
なお、ここで言う車室前方の領域(フードルーム)とは、板状のフードによって上方を覆われた車両前部の領域で、エンジンが前部に置かれる車両の場合、一般的にエンジンルームと呼ばれている部分を指す。
図1、図2に示すように、フロントピラー3は、上方側が車両の斜め上後方に傾斜されて図示しないルーフピラーに繋がり、下方側が下端部でサイドメンバ1と平行に配されて車両後方に延びるサイドシル4に繋がっている。そして、サイドシル4の前端部(フロントピラー3の下端部)とサイドメンバ1との間には、補強部材としての補強ブレース8(図2参照)が設けられており、サイドシル4とサイドメンバ1とを連結している。
フロントピラー3は、フロントピラーアウタ3a、フロントピラーインナ3bおよび図示しないヒンジリンホース等で構成されており、フロントピラーアウタ3aにフロントピラーインナ3bが接合されて閉断面を形成している(図5参照)。
図3に示すように、フロントピラー3の略中央部位は、車両前方側に張り出しており、フロントピラーインナ3bは、フロントピラーアウタ3aよりもさらに車両前方側に突出されて接合突出部5を形成している。この接合突出部5にアッパーフレーム6が接合されている。
アッパーフレーム6は、車幅方向内方に開放された車幅方向縦断面略ハット形のアッパーフレームアウタ6aと、同アッパーフレームアウタ6aに接合されて閉断面を形成するアッパーフレームインナ6bとから構成されている(図6参照)。
そして、アッパーフレームアウタ6aの基端側の上下縁部をフロントピラーインナ3bの接合突出部5に接合させるとともに、基端の接合面をフロントピラーアウタ3aに重ねて接合させている。すなわち、図5に示すように、アッパーフレームアウタ6aの基端をフロントピラーインナ3bの接合突出部5に被せるように重合させることで、アッパーフレーム6をフロントピラー3に接合させている。また、アッパーフレームインナ6bの端部は、フロントピラーインナ3bの接合突出部5の前端に接合されている。
図3に示すように、アッパーフレーム6の基端側は、その下縁部の形状が車両後方に向かうに従って下向きに湾曲するよう形成されている。また、フロントピラー3の前縁部から連続する接合突出部5の下縁部が、アッパーフレーム6の下縁部の湾曲に沿った湾曲状に形成されており、アッパーフレーム6がフロントピラー3に接合された状態でアッパーフレーム6の下縁部とフロントピラー3の前縁部とが連続する形状に構成されている。
また、アッパーフレーム6基端側の上縁部は、略水平な形状とされており、アッパーフレーム6の基端側は、アッパーフレーム6の車幅方向縦断面における重心点をアッパーフレーム6の長さ方向に結んだ仮想重心線Pが車両後方に向かって下方に傾斜するように形成されている。即ち衝突等によりアッパーフレーム6に伝わった荷重がフロントピラー3の下方側に導かれる形状とされている。
一方、アッパーフレーム6の前端側は、下向きに湾曲するよう形成されており、その前端部には、サイドメンバ1の前端部に連結される連結ブレース7が接合されている。そして、連結ブレース7下縁部とアッパーフレーム6下縁部とフロントピラー3前縁部とが車両横方向から見て連続したアーチ状となるように構成されている。
図1、図4に示すように、連結ブレース7は、アッパーフレーム6前端部から連続的に車幅方向内方斜め前方へ延びてアッパーフレーム6の前端部よりも車両前方に位置するサイドメンバ1の前端部の前面に接合されており、連結ブレース7は、車両正面から見て車幅方向内方に向かうに従い下方に傾斜するよう配置されている。
図7に示すように、連結ブレース7は、アウターパネル7aとインナーパネル7bによって閉断面に構成された部材であり、連結ブレース7のインナーパネル7bがサイドメンバ1の前端部の前面を塞ぐように溶接により接合されている。そして、連結ブレース7のアウターパネル7aの前面にフロントエンドクロスメンバ2が結合されている。
フロントエンドクロスメンバ2は、連結ブレース7にボルト15(図4参照)により結合され、一対のサイドメンバ1の前端部同士を連結している。フロントエンドクロスメンバ2はバンパーの補強・取付け具としても使用される。
図1、図6に示すように、アッパーフレーム6のアッパーフレームインナ6bには、アッパーフレームアウタ3aよりも車両上方に延設される延設部11が形成されている。延設部11には、フードの前縁を支持するアッパーバー12の端部が接合されており、この延設部11でアッパーバー12を支持している。
アッパーバー12はフードルームの前部で車幅方向に配置される構造部材で、フードのロック部材やフードとの金属緩衝を抑制するゴム部材等が設置されている。
フードルームの前部には、図示しないラジエータ等を支持するための一対のラジエータサポート13が、アッパーバー12と連結ブレース7とに亘り設けられている。ラジエータサポート13は、上端部がアッパーバー12に、下端部が連結ブレース7に結合されて車両上下方向に延設された部材であり、上方側に対して下方側が車幅方向外側に広がるよう配置され、一対のラジエータサポート13を車両前方から見ると略ハの字形状となっている。ラジエータサポート13には、サイドメンバ1の上に載置されるラジエータがエアコンのコンデンサやラジエータファンと一体で枠部材等を介して取付けられる。また、ラジエータサポート13にはランプ等の機器が保持される。
一方、ストラットハウス16前方のサイドメンバ1とアッパーフレーム6及び連結ブレース7で囲まれる部位にはフェンダーシールド14が設けられている。フェンダーシールド14は、車両後端側がストラットハウス16に連続するように接合されるとともに、サイドメンバ1とアッパーフレーム6及び連結ブレース7に他の3方が接合されている。
上記構成からなる本発明の車両前部の車体構造では、図1〜図3に示すように、アッパーフレーム6の基端側における下縁部を車両後方に向かって下向きに湾曲させ、上縁部を略水平な形状としたので、荷重をアッパーフレーム6によってフロントピラー3の下方側、即ち、車両下方側に積極的に導くことができる。つまり、アッパーフレーム6の車幅方向縦断面が基端側(車両後方側)に行くに従って下方向に拡幅され、車幅方向縦断面における重心点をアッパーフレーム6の長さ方向に沿って結んだ仮想重心線Pが車両後方に向かって下方に傾斜される状態となるので、必然的に衝突荷重が車両下方側に導かれることとなる。
更に、アッパーフレーム6の基端が接合される接合突出部5の下縁部の形状をアッパーフレーム6基端側の下縁部の湾曲に沿った湾曲形状とし、アッパーフレーム6とフロントピラー3とが連続するように接合させているので、アッパーフレーム6からフロントピラー3への荷重の伝達がスムーズとなる。また、アッパーフレーム6は、その基端側を接合突出部5に被せるように接合(重合)されているので、アッパーフレーム6とフロントピラー3との連結状態がより強固となっている。これにより、車両の衝突等によってアッパーフレーム6の前端に入力された荷重が、スムーズかつ効率的にフロントピラー3の下部に導かれて車両下方側に積極的にかつ確実に分散され、フロントピラー3の上方側に分散される荷重を最小限に抑制することができる。
また、図3に示すように、アッパーフレーム6の先端は下向きに湾曲した形状となっており、その前端に連続して連結ブレース7が連結されているので、車両前部から分散された荷重を積極的かつ効率よく受けてフロントピラー3側に伝達させることができる。
更に、図4に示すように、連結ブレース7が車両正面から見て車幅方向内方に下方へ傾斜するよう配置されているので、連結ブレース7によって車両正面から受ける面積を多く確保することができ、オフセット衝突時等において相手構造物の進入を効率良く防ぐことができ、特に、車両との衝突の場合、相手車両の大きさや重量に拘わらず衝突時に車室側への相手車両の構造物(サイドメンバ等)の進入を最小限に抑制することができる。
また、ストラットハウス16前方のサイドメンバ1とアッパーフレーム6及び連結ブレース7で囲まれる部位にフェンダーシールド14が接合されているので、これら4部材で囲まれる領域の変形を抑制することができる。従って、車両衝突時において、アッパーフレーム6が途中で折れ曲がるようなことを防止できるので、荷重の入力に対して車両後方への伝達を確実とし、効率よく衝撃を吸収することができる。
更に、上述した作用効果に加えて本発明の車両前部の車体構造では、アッパーフレーム6より上方に延設される延設部11を形成し、延設部11にフード前部を支持するアッパーバー12の両端部を接合して、アッパーバー12を支持するようにしたので、フード前部の上方からのアッパーバー12に過剰な入力(例えば、歩行者の衝突等によるフードからの過剰な入力)があった際には、延設部11が変形して過剰な入力を有効に吸収することができる。
次に、図8に基づいて本発明の車両前部の車体構造における衝突荷重の分散状況を説明する。
図8に示すように、衝突等により正面から荷重Fが入力されると、荷重Fは太矢印で示すように、サイドメンバ1とともにサイドメンバ1の前端に連結された連結ブレース7を介してアッパーフレーム6側に分散される。アッパーフレーム6に伝達された荷重は、先端アッパーフレーム6の基端側の湾曲に沿ってフロントピラー3の下方側、即ち車両下方側に導かれてフロントピラー3から車両下部のサイドシル4に伝達される。また、サイドメンバ1に直接入力された荷重は、サイドメンバ1の後方側に伝達される。
これにより、正面からの荷重Fはほとんどがサイドメンバ1並びに車両後方のサイドシル4に伝達される。このため、フロントピラー3の上方側及びルーフ側への荷重Fの影響を最小限に抑えることができ、車両上側での補強を削減することができ、車両上部の重量増加を抑え重心を低くすることができる。
つまり、アッパーフレーム6の車幅方向縦断面における重心点を結んだ仮想重心線がアッパーフレーム6の基端側において車両後方に向かって下方に傾斜するようにアッパーフレーム6が形成されているので、衝突等によりアッパーフレーム6の前端に入力された荷重がフロントピラー3の下方側に積極的に導かれ、車両上部よりも比較的強度が高く、補強等の重量増加による車体重心への悪影響の少ない車両下方側の部材(サイドシル4等)に荷重を分散することができる。
アッパーフレーム6から伝わる荷重Fがフロントピラー3に入力される点Oにおける荷重は、下方側への成分a及び車両後方側への成分b及び上方側への成分に分散される。このうち、上方側への成分は前述したように最小限であり、主に下方側への成分a及び車両後方側への成分bに荷重が分散される。
点Oにおける荷重の下方側への成分aはサイドシル4に伝達される。また、車両後方側への成分bは、サイドシル4と連結されたフロントピラー3の下端部を中心としてフロントピラー3を曲げようとするモーメントとなるが、サイドメンバ1と連結した補強ブレース8によってフロントピラー3下端部を補強することで、このモーメント(荷重の成分b)を補強ブレース8で受けるようにしている。
これによって荷重の成分bに対する抵抗モーメントMが補強ブレース8に発生し、この抵抗モーメントMがサイドシル4に伝達されることとなり、結果、荷重の車両後方側への成分bがサイドシル4に伝達される。また、補強ブレース8は、サイドメンバ1に連結されているので、補強ブレース8で受けた荷重をサイドメンバ1に分散して伝達することができる。
従って、正面から入力された荷重Fはほとんどがサイドメンバ1及びフロントピラー3の下方側のサイドシル4に伝達され、フロントピラー3上方側の補強を削減することができる。また、補強ブレース8で車両下方側の補強を行っているので重心が更に下側とされる。このため、低重心となってカーブ走行時の車体のロールを抑制することができ、操縦安定性を向上させることができる。また、既存品であるサイドシル4を衝突安全部材として使用しているので、コストの増加を抑制することができる。更に、車体の下側で補強構造が完結しているので、プラットホームを共有した複数の車両への適用が容易となる。
従って、アッパーフレーム6の前端部にかかった荷重を積極的に車体下方側の部材へ導き効率よく車両の後方に分散させることができ、車体の上側の重量を増加させることなく、衝突荷重の吸収性能と操縦安定性の向上とを両立させることが可能になる。
本発明は、フロントピラーから車両前方側にアッパーフレームが延びた車両前部の車体構造の産業分野で利用することができる。
本発明の一実施形態例に係る車両前部の車体構造を表す斜視図である。 車両前部(図1)の分解斜視図である。 車両前部(図1)の側面図である。 車両前部(図1)の正面図である。 図3中のA−A線断面矢視図である。 図3中のB−B線断面矢視図である。 図4中のC−C線断面矢視図である。 正面衝突時の衝突エネルギーの分散状況を表す側面図である。
符号の説明
1 フロントフロアサイドメンバ(サイドメンバ)
2 フロントエンドクロスメンバ
3 フロントピラー
3a フロントピラーアウタ
3b フロントピラーインナ
4 サイドシル
5 接合突出部
6 アッパーフレーム
6a アッパーフレームアウタ
6b アッパーフレームインナ
7 連結ブレース
8 補強ブレース
9 カウルトップパネル
10 ダッシュパネル
11 延設部
12 アッパーバー
13 ラジエータサポート
14 フェンダーシールド
15 ボルト
16 ストラットハウス

Claims (8)

  1. 車両の車室前部の左右に位置して上下方向に延設される一対のフロントピラーと、同フロントピラーに基端が接合されて車両前方に延設される左右一対のアッパーフレームと、同アッパーフレームより下方でかつ前記フロントピラーよりも車幅方向内側に配置されて前記車室の前方に延設される左右一対のサイドメンバとを備え、前記サイドメンバの前端側に前記アッパーフレームの前端側が連結されるよう構成された車両前部の車体構造において、
    前記アッパーフレームは、その車幅方向縦断面における重心点を前記アッパーフレームの長さ方向に沿って結んだ仮想重心線が、前記アッパーフレームの基端側において車両後方に向かって下方に傾斜するよう形成されている
    ことを特徴とする車両前部の車体構造。
  2. 請求項1の車両前部の車体構造において、
    前記アッパーフレームの基端側は、その下縁部の形状が車両後方に向かって下向きに湾曲するよう形成され、前記フロントピラーの前縁部と連続するように接合される
    ことを特徴とする車両前部の車体構造。
  3. 請求項2に記載の車両前部の車体構造において、
    前記フロントピラーは、前記アッパーフレームが接合される部位に車両前方に張り出して前記アッパーフレームの基端が重合される接合突出部を有しており、
    前記接合突出部は、その下方側の形状が前記アッパーフレーム基端側の下縁部の湾曲に沿った湾曲形状に形成されている
    ことを特徴とする車両前部の車体構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両前部の車体構造において、
    前記アッパーフレームの前端は下向きに湾曲している
    ことを特徴とする車両前部の車体構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両前部の車体構造において、
    前記アッパーフレームの基端側の上縁部の形状は略水平に形成されている
    ことを特徴とする車両前部の車体構造。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両前部の車体構造において、
    前記フロントピラーの下端部には、前記フロントピラーと前記サイドメンバとを連結して補強する補強部材が設けられている
    ことを特徴とする車両前部の車体構造。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両前部の車体構造において、
    前記アッパーフレームは、車幅方向内方に開放された断面略ハット形のアウターパネルと、同アウターパネルに接合されて閉断面を形成するインナーパネルとから構成されており、前記インナーパネルには、前記アウターパネルよりも車両上方に延設される延設部が形成され、同延設部にフードの前縁を支持するアッパーバーの端部が接合されている
    ことを特徴とする車両前部の車体構造。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両前部の車体構造において、
    前記アッパーフレームの前端は、車幅方向内方に向かうに従い下方に位置するよう延設されるブレースを介して前記サイドメンバの前端に連結されている
    ことを特徴とする車両前部の車体構造。
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