JP2008134747A - 還流式紙幣収納装置、及び還流式紙幣処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小サイズ紙幣一枚ずつの入出金に加えて、大サイズの紙幣束を一括して入金することができる紙幣収納装置を提供する。
【解決手段】長手方向サイズの異なる複数種類の紙幣を収納可能な紙幣収納空所91と、紙幣収納空所内に配置された堆積部材51と、堆積部材上に外部から紙幣を一枚ずつ、或いは紙幣束として導入する紙幣入出金機構70と、を備えた紙幣収納装置であって、紙幣収納空所の紙幣導入方向手前側には固定ガイド側壁92が配置され、紙幣導入方向奥側には弾性ストッパ部材93が配置されている。
【選択図】図4

Description

本発明は例えば貨幣を入出金する機能を備えた各種自動販売機、入出金装置、両替機等の貨幣取扱装置に装備される紙幣処理装置の改良に関し、詳細には金種別に紙幣を収容する還流式紙幣収納部を複数備えた還流式紙幣処理装置において、終業時等に全紙幣を一つの紙幣収納部等に回収する作業を迅速化するための技術に関するものであり、特に、この還流式紙幣処理装置に好適な紙幣収納装置に関するものである。
投入された紙幣を受け入れる入金機能や、釣り銭や払出し金として紙幣を払い出す出金機能を備えた紙幣処理装置は各種自動販売機、入出金装置、両替機等に装備されており、この紙幣処理装置には始業時に準備した紙幣、或いは稼働中に投入された紙幣を金種別に保管するための紙幣収納部が装備されている。
この種の紙幣処理装置において、終業時等に装置本体内に残った全ての紙幣を回収する際に、金種別の紙幣収納部内に夫々収容された紙幣束を機外に個別に取り出すとすれば、全ての紙幣収納部をカセット式に構成して機外に出入れ自在にする必要があるが、このように構成すると紙幣収納部の大型化を招くばかりでなく、回収作業が繁雑化、長時間化する。
上記の如き不具合に対処するために、従来例えば千円紙幣、五千円紙幣、及び一万円紙幣を取り扱う還流式紙幣処理装置において、各紙幣の金種毎に対応する還流式紙幣収納部を備え、且つ、紙幣の補充・回収のための紙幣アクセスを行う機能を千円紙幣収納部に担わせたものがある。
なお、還流式の紙幣収納部とは、始業時に予め収納しておいた紙幣のみならず、装置の稼働中に利用者が投入した紙幣を一旦収納する一方で、この紙幣を釣銭等とするために外部へ繰り出す(排出する)機能を備えたタイプの紙幣収納部を指称する。また、還流式の紙幣収納部にはループ方式とスイッチバック方式がある。ループ方式は紙幣の入口(受入れ方向)と出口(繰り出し方向)を異ならせた方式であり、スイッチバック方式とは同じ出入り口から紙幣の受け入れと繰り出しを行う方式である。
図6は従来のスイッチバック方式の還流式紙幣処理装置の構成を示す。
この紙幣処理装置101は、還流式の紙幣処理機構102と、この紙幣処理機構を内部に収容する外装体103と、から概略構成されている。
紙幣処理機構102は、金種の異なる紙幣を複数枚一括して、又は一枚ずつ受入れ可能な入金取込部104と、入金取込部104から受け入れられた紙幣を装置内に搬送する搬送経路105と、搬送経路105に沿って紙幣を搬送するための駆動力を生成、伝達するローラ、ベルト、分岐ゲート、モータ、ソレノイド等から成る搬送機構110と、入金取込部104の直下流側の搬送経路上に配置されて一枚ずつ給送されてくる紙幣の真贋、金種を判定する識別装置115と、搬送経路105と接続されて第1の金種に係る第1の紙幣(例えば、一万円紙幣)を出入れ自在に収容する還流式の第1の紙幣収納部120と、搬送経路105と接続されて第2の金種に係る第2の紙幣(例えば、千円紙幣)を出入れ自在に収容する還流式の第2の紙幣収納部122と、紙幣を釣銭等として装置外に排出すると共に複数枚の紙幣を堆積させて保留する機能を有した出金保留部130と、これらを制御する制御手段140と、を備えている。
入金取込部104は一括投入された複数枚の紙幣を一枚ずつに分離しながら搬送経路105に送り出すための分離給送機構を備えている。
搬送機構110は、入金取込部104から一枚ずつ給送された紙幣を金種別に第1、又は第2の紙幣収納部120、122に送り込む仕分け搬送機能と、第1、又は第2の紙幣収納部120、122から夫々一枚ずつ送り出されてきた紙幣を出金保留部130に搬送する機能と、を併有している。搬送機構110は図示しないローラ、ベルト、第1及び第2の分岐ゲート111、112と、これらの可動部品を駆動するためのモータ、ソレノイド等から構成されており、制御手段140からの制御によって各ローラ、ベルト、分岐ゲートが駆動されることにより、所定のタイミングにて各搬送機能を実現することができる。
第1の紙幣収納部120は、第1の紙幣、例えば一万円紙幣専用であり、搬送経路105を経由して一旦受け入れた一万円紙幣を搬送経路105に一枚ずつ送出する還流機能を有している。
第2の紙幣収納部122は、第2の紙幣、例えば千円紙幣専用であり、搬送経路105を経由して一旦受け入れた千円紙幣を搬送経路105に一枚ずつ送出する還流機能を有している。第2の紙幣収納部122は、機外に引出し可能なカセットタイプになっており、終業時には第1の紙幣収納部120に収納された第1の紙幣を順次第2の紙幣収納部122に送込んで集積することによって、第2の紙幣収納部122を利用して全紙幣を一括して機外に取り出すことができる。
なお、この従来例に係る還流式紙幣処理装置は、可能な限り小型化することを前提とした構成となっているが、分岐ゲート111、112による方向転換部は小さな曲率のU字ターン等の湾曲搬送が困難であるため、分岐ゲートによる方向転換部は大きな曲率の湾曲経路とならざるを得ず、搬送経路105の横幅の減縮に限界がある。
この紙幣処理装置を備えた自動販売機の運用が終了した時点で、第1の紙幣収納部120に収納されている紙幣を第2の紙幣収納部122に一枚ずつ自動的に移送した後、作業員は、第2の紙幣収納部122を引き出して売上代金(全ての紙幣)を回収する。
第1の紙幣収納部120から紙幣を第2の紙幣収納部122に移送、収納する動作としては、例えば、第1の紙幣収納部120に収納されている紙幣束から一万円紙幣1枚を分離して搬送経路105に繰出し、搬送経路上のR点まで移動した後で、逆搬送して分岐ゲート112により経路を変えて第2の紙幣収納部122に移送する。
なお、始業時には釣銭として使用する千円紙幣を所定枚数だけ第2の紙幣収納部122にセットすれば足りるため、作業員による紙幣へのアクセス箇所を一箇所に制限してセキュリティ性を向上させると同時に、作業員の負担を軽減している。
しかしながら、上記従来のスイッチバック還流方式の紙幣処理装置にあっては、第1の紙幣収納部120から第2の紙幣収納部122に回収作業を行う際に、第1の紙幣収納部から一枚ずつ搬送経路に送り出した各紙幣をR点で逆転搬送して移送処理する方式を採らざるをえないために、回収時間が長期化するという問題があった。
回収時間を短縮するための改善策としては図5に示したように第2の紙幣収納部122の出入り口に接続した搬送経路分岐点にトリプル分岐ゲート114を設けることで、第1の紙幣収納部120の収納紙幣を、一枚ずつ連続的に第2の紙幣収納部122に移送することができる。
しかしながら、トリプル分岐ゲート114を実際に組み込む場合、紙幣の湾曲搬送にはかなり大きな曲率が必要であり、且つ、極めて複雑、且つ大型の搬送機構となるため、還流式紙幣処理装置の大型化、高コスト化が避けられなかった。
特開2002−260059には、金種別の紙幣収納部と、大容量の補充・回収紙幣収納部と、を備え、終業時には各紙幣収納部内の全紙幣を補充・回収紙幣収納部内に一枚ずつ送り込むことによって、補充・回収紙幣収納部から全紙幣を取り出すことができるようにした紙幣出金機が開示されている。
しかし、この従来例にあっては、各紙幣収納部に収納された多量の紙幣を一枚ずつ補充・回収紙幣収納部に移送する作業が必要となるため、回収作業に長時間を要するという問題がある。また、複数の紙幣収納部とは別個に大型の補充・回収紙幣収納部を装置内に配置する必要があるために、紙幣収納、搬送のための機構が複雑化するばかりでなく、装置が大型化するという欠点があった。また、紙幣の入口と出口を別々に備える金種別紙幣収納部を用いたループ方式の還流式紙幣処理装置であるため、複雑な搬送経路を有した大型の還流式紙幣処理装置となっている。
各種紙幣処理装置に対する小型化の要請が高まる中で、このような大型化をもたらす構成は採用することが困難である。
特開2002−260059公報
以上のようにスイッチバック式の紙幣収納部を複数備えた紙幣処理装置にあっては、終業時に各紙幣収納部内に残留した全紙幣を一つの還流式紙幣収納部に一枚ずつ移送する必要があるため、搬送機構が大型化するという問題と、回収時間の短縮化に限界があるという問題があった。回収時間を短縮化するためにトリプル分岐ゲート等の複雑、大型の搬送機構を付加すると更に大型化、高コスト化するという問題があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、金種別に複数の還流式紙幣収納部を備えた紙幣処理装置において、紙幣収納部の他に格別の回収専用カセットを装備することによる装置の大型化、高コスト化を招くことなく、小型化を積極的に図りつつ、終業時等において最短時間で各紙幣収納部から紙幣を一箇所に回収することができる紙幣処理装置、及び還流式紙幣収納装置を提供することを目的としている。
特に、本発明は、小サイズ紙幣一枚ずつの入出金に加えて、大サイズの紙幣束を一括して入金することができる紙幣収納装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係る還流式紙幣収納装置は、長手方向サイズの異なる複数種類の紙幣を収納可能な紙幣収納空所と、該紙幣収納空所内に配置された堆積部材と、該堆積部材上に外部から紙幣を一枚ずつ、或いは紙幣束として導入する紙幣入出金機構と、を備えた紙幣収納装置であって、前記紙幣収納空所の紙幣導入方向手前側には固定ガイド側壁が配置され、紙幣導入方向奥側には弾性ストッパ部材が配置され、前記固定ガイド側壁と前記弾性ストッパ部材との間隔は、小サイズ紙幣の長手方向寸法と合致するように設定されており、前記弾性ストッパ部材は、前記紙幣入出金機構から大サイズ紙幣束が一括して導入されて前記堆積部材上に着座するときに、前端縁を前記固定ガイド側壁に当接した大サイズ紙幣束の後端縁によって押圧されて後方へ弾性変形するように構成されていることを特徴とする。
小サイズ紙幣用の紙幣収納装置を全金種の回収用に兼用する場合には大サイズ紙幣束が一括して導入されてきた場合にも小サイズ紙幣束上に整列性よく大サイズ紙幣束を着座させて積層する必要がある。本発明では、紙幣収納空所の奥側に弾性ストッパ部材を配置して導入されてきた小サイズ紙幣の導入方向先端縁を受承して堆積部材上に整列性よく積層する一方で、大サイズ紙幣束が導入されてきた場合には大サイズ紙幣束の導入方向先端縁により弾性ストッパ部材を押圧変形させつつ堆積部材上に整列性よく積層されるように構成したので、異サイズ用紙を整列性よく積層することが可能となる。
請求項2の発明は、請求項1において、前記弾性ストッパ部材は、線材、或いは帯状体にて構成されていることを特徴とする。
弾性ストッパ部材の機能としては、小サイズ紙幣を固定ガイド側壁との間で整列性よく積層させる一方で、大サイズ紙幣については弾性変形することにより固定ガイド側壁との間で整列性よく積層させることにある。従って、このような機能を有した部材であれば、どのようなものであってもよい。
請求項3の発明に係る還流式紙幣処理装置は、金種の異なる紙幣を複数枚一括して、或いは一枚ずつ受入れ可能な入金取込部と、該入金取込部から受け入れられた紙幣を装置本体内に搬送する搬送経路と、該搬送経路に沿って紙幣を搬送する駆動力を生成する搬送機構と、該搬送経路と接続されて第1の金種に係る第1の紙幣を出入れ自在に収容するスイッチバック還流式の第1の紙幣収納部と、該搬送経路と接続されて第2の金種に係る第2の紙幣を出入れ自在に収容するスイッチバック還流式の第2の紙幣収納部と、該搬送経路を経由して搬送されてきた紙幣を一枚ずつ受け入れて堆積すると共に堆積した紙幣束を一括して該搬送経路に送出する一時保留部と、これらを制御する制御手段と、を備えた還流式紙幣処理装置であって、前記制御手段は、前記第1の紙幣収納部内の第1の紙幣を一枚ずつ送出して前記一時保留部に所定枚数堆積させた後で、該一時保留部内の第1の紙幣束を前記第2の紙幣収納部内に一括搬送する動作を繰り返すことにより、前記第1の紙幣収納部内に収容された全ての第1の紙幣を前記第2の紙幣収納部に移送するように制御し、前記第2の紙幣収納部は、請求項1、又は2に記載の還流式紙幣収納装置によって構成されていることを特徴とする。
金種別に紙幣を収容する還流式の紙幣収納部の一方を回収紙幣収納部として兼用することにより、装置全体形状を小型化することが可能となる。更に、一時保留部を利用した紙幣束単位の回収動作を実施できる構成としたことにより、搬送経路、及び搬送機構をシンプル化、小型化することができるため、装置全体形状を更に小型化することができる。このような紙幣収納装置に対して、弾性ストッパ部材から成る異サイズ紙幣収納構造を適用することにより、既堆積状態にある小サイズ紙幣束上に大サイズ紙幣束を導入した場合における各紙幣の整列性を確保した収納を実現することが可能となる。
請求項4の発明は、紙幣堆積機構と、該紙幣堆積機構内に紙幣を一枚ずつ、或いは紙幣束として導入したり、前記紙幣堆積機構内の紙幣を一枚ずつ繰出す紙幣入出金機構と、を備えた還流式紙幣収納装置であって、前記紙幣堆積機構は、長手方向サイズの異なる複数種類の紙幣を収納可能な紙幣収納空所と、該紙幣収納空所内において上昇した繰出しポジションと下降した受入れポジションとの間を昇降自在に支持されると共に上面に紙幣を積層状態で堆積する堆積部材と、該堆積部材を常時上方に弾性付勢する弾性部材と、前記堆積部材の上方において昇降することにより前記紙幣入出金機構から導入されてきた紙幣、又は紙幣束を前記堆積部材上面に押圧するプッシャと、該プッシャを昇降させるプッシャ昇降機構と、を備え、前記紙幣入出金機構は、互いにニップしつつ回転する上側ローラ及び下側ローラと、前記上側ローラを上下動させることにより前記下側ローラとの間の距離を変化させる上側ローラ支持部と、固定部によって上下方向に揺動自在に軸支されると共に前記上側ローラ支持部に係合することによって該上側ローラと該下側ローラとの間の離間距離を規制するストッパを前部に備えた規制アームと、前記上側及び下側ローラを駆動するローラ駆動機構と、を備え、前記規制アームは、上昇位置にある前記プッシャによって後部を押し上げられることにより前部に設けた前記ストッパを下降させて前記上側ローラと下側ローラとの離間距離を最小に規制する一方で、前記プッシャが下降したときに後部が下降することによって前記ストッパを上昇させて前記上側ローラと下側ローラとの間の離間距離を最大値に拡大するように構成されており、前記紙幣収納空所の紙幣導入方向手前側には固定ガイド側壁が配置され、紙幣導入方向奥側には弾性ストッパ部材が配置され、前記固定ガイド側壁と前記弾性ストッパ部材との間隔は、小サイズ紙幣の長手方向寸法と合致するように設定されており、前記弾性ストッパ部材は、前記紙幣入出金機構から大サイズ紙幣束が一括して導入されて前記堆積部材上に着座するときに、前端縁を前記固定ガイド側壁に当接した大サイズ紙幣束の後端縁によって押圧されて後方へ弾性変形するように構成されていることを特徴とする。
紙幣を一枚ずつ入出金するのみならず、他種の紙幣束を入金する必要があるスイッチバック還流式紙幣収納装置にあっては、入出金時に紙幣、或いは紙幣束をニップしつつ搬送するローラ対のニップ部の間隔、ニップ力の設定が難しい。本発明では、上側ローラと下側ローラに対して昇降自在に構成すると共に、ストッパを用いて上側ローラの上昇可能範囲の限界を切り替えるように構成した。つまり、紙幣一枚のみが送り出される出金時にはストッパによって上側ローラの上下方向可動範囲を最小に規制する一方で、紙幣一枚のみならず紙幣束を導入する入金時には上側ローラの上下方向可動範囲を所定枚数の紙幣厚の通過を許容し得る程度に拡大するようストッパを退避させるようにした。また、ストッパを前部に備えた規制アームの上下揺動は、堆積部材を押し下げたり上昇させる機能を有したプッシャの動作に連動しているため、堆積部材が受入れポジションに下降している時のみストッパは上昇位置にあって上側ローラの可動範囲を拡大するように作用する。このような紙幣収納装置に対して、弾性ストッパ部材から成る異サイズ紙幣収納構造を適用することにより、既堆積状態にある小サイズ紙幣束上に大サイズ紙幣束を導入した場合における各紙幣の整列性を確保した収納を実現することが可能となる。
本発明によれば、金種別のスイッチバック還流式紙幣収納部を併設した構成において、一方の紙幣収納部に収納されている紙幣を他方の紙幣収納部に回収するに際し、集積機能だけを有したシンプルな構成の一時保留部を介在させた一括搬送を実施するようにしたので、装置の大型化を招くことなく、移送処理時間を短縮することができる。即ち、還流式紙幣収納部よりも構成が簡素な一時保留部を用い、移送すべき収納紙幣を一時保留部へ1枚ずつ送り込んで所定枚数集積させ、集積した紙幣束をそのまま同じ搬送経路上に繰出して、回収紙幣収納部を兼ねた紙幣収納部に束搬送するようにしたので、紙幣の移送処理にかかる時間を短縮することができる。
本発明のスイッチバック還流式紙幣収納装置は、堆積部材上に堆積した紙幣を外部に一枚ずつ繰出すモードの他に、搬送されてきた一枚の紙幣、または長手方向寸法が大きい他種の紙幣束を受け入れるモードを有している。小サイズ紙幣用の紙幣収納装置を回収用に兼用する場合には大サイズ紙幣束が一括して導入されてきた場合にも小サイズ紙幣束上に整列性よく大サイズ紙幣束を着座させて積層する必要がある。本発明では、紙幣収納空所の奥側に弾性ストッパ部材を配置して導入されてきた小サイズ紙幣の導入方向先端縁を受承して堆積部材上に整列性よく積層する一方で、大サイズ紙幣束が導入されてきた場合には大サイズ紙幣束の導入方向先端縁により弾性ストッパ部材を押圧変形させつつ堆積部材上に整列性よく積層されるように構成したので、異サイズ用紙を一つの堆積部材上に整列性よく積層することが可能となる。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る紙幣処理装置の概略構成図である。
この紙幣処理装置1は、例えば食券等の自動販売機(券売機)に装備されて紙幣の受け入れ、釣銭等としての紙幣の払い出しの処理を行う機能を有する。
紙幣処理装置1は、還流式の紙幣処理機構2と、この紙幣処理機構2を内部に収容する外装体3と、から概略構成されている。
紙幣処理機構2は、金種の異なる紙幣を複数枚一括して、又は一枚ずつ受入れ可能な入金取込部4と、入金取込部4から受け入れられた紙幣を装置本体内に搬送する搬送経路5と、搬送経路5に沿って紙幣を搬送するための駆動力を生成、伝達するためのモータ、ソレノイド、及びローラ、ベルト、ゲートから成る搬送機構10と、入金取込部4の直下流側の搬送経路上に配置されて一枚ずつ給送されてくる紙幣の真贋、金種を判定する識別装置15と、搬送経路5と接続されて第1の金種に係る第1の紙幣を出入れ自在に収容するスイッチバック還流式の第1の紙幣収納部(還流式紙幣収納装置)20と、搬送経路5と接続されて第2の金種に係る第2の紙幣を出入れ自在に収容するスイッチバック還流式の第2の紙幣収納部(還流式紙幣収納装置)25と、搬送経路5を経由して搬送されてきた紙幣を一枚ずつ受け入れて堆積すると共に堆積した紙幣束を一括して搬送経路に送出する一時保留部30と、釣銭としての紙幣を装置外に排出する出金保留部35と、これらを制御する制御手段(CPU)40と、を備えている。
入金取込部4は一括投入された複数枚の紙幣を一枚ずつに分離しながら搬送経路5に送り出すための分離給送機構を備えている。
搬送機構10は、入金取込部4から一枚ずつ給送された紙幣を所定のルートにて搬送することにより金種別に第1、又は第2の紙幣収納部(還流式紙幣収納装置)20、25に送り込む仕分け搬送機能と、第1、又は第2の紙幣収納部20、25から一枚ずつ繰り出されてきた紙幣を一時保留部30内に順次搬送して堆積させる機能と、一時保留部30から繰り出されてきた紙幣束を回収用の収納部を兼ねた第2の紙幣収納部25に一括して送り込む一括搬送機能と、を併有している。制御手段40からの制御によって各ローラ、ベルト、ゲート11を切り替え駆動されることにより、所定のタイミングにて上記の各搬送機能を実現することができる。
第1の紙幣収納部20は、第1の紙幣、例えば一万円紙幣専用であり、搬送経路5を経由して一旦受け入れた一万円紙幣を搬送経路5に一枚ずつ送出する還流機能を有している。
第2の紙幣収納部25は、釣銭とした多用される第2の紙幣、例えば千円紙幣用であり、搬送経路5を経由して一旦受け入れた千円紙幣を搬送経路5に一枚ずつ送出するスイッチバック式の還流機能を有している。
一時保留部30は、第1、又は第2の紙幣収納部20、25から一枚ずつ繰り出されてきた紙幣を一枚ずつ受入れて所定の許容枚数だけ積層させる集積機能と、積層された紙幣束を一括して搬送経路5に繰り出す一括送出機能を有している。
本発明では、例えば第2の紙幣収納部25をカセット式に着脱自在(出入れ自在を含む)に構成し、第2の紙幣収納部25と対面する外装体3の壁部に設けた図示しないドアを開放することによって第2の紙幣収納部25を取出し、収納された紙幣を回収できるように構成されている。
本発明の特徴は、終業時における紙幣回収作業において作業者が所定の回収スイッチを操作することにより、制御手段40が、第1の紙幣収納部20内の一万円紙幣を一枚ずつ搬送経路5に送出して搬送機構10によって高速搬送することにより一時保留部30に所定枚数(例えば、15枚)堆積させた後で、一時保留部内の15枚の一万円紙幣束を第2の紙幣収納部25内に一括搬送する動作を繰り返すことにより、第1の紙幣収納部20内に収容された全ての一万円紙幣を第2の紙幣収納部25に移送するようにした構成にある。一時保留部30に送り込まれる紙幣の枚数は、搬送経路等の適所に配置した通紙センサによって検知された通過情報にもとづいてカウントされる。
この実施形態では、第2の紙幣収納部25を回収紙幣収納部として兼用しており、終業時に第2の紙幣収納部25内に第1及び第2の紙幣を全て回収することにより、一括した回収作業を実施することが可能となる。従って、第2の紙幣収納部25は装置本体内から着脱可能、或いは出入れ可能なカセットタイプに構成することが好ましい。利用者によって投入される紙幣としては勿論、釣銭として使用される紙幣としても使用頻度の高い千円紙幣を収容する第2の紙幣収納部25を紙幣回収用の収納部として兼用し、且つ一万円紙幣等の使用頻度の低い紙幣をこの第2の紙幣収納部25に移送する構成とすることにより、回収時間を短縮することが可能となる。
一時保留部30は一枚ずつ高速搬送されてくる紙幣を積層状態で集積させると共に、積層した紙幣束を一括して搬送経路に送り出すための構成を有しており、搬送経路に送出された紙幣束は第2の紙幣収納部25内に一括して送り込まれるため回収効率を大幅に高めることができる。つまり、収納枚数が少ない第1の紙幣収納部内の一万円紙幣を所定枚数一時保留部30に積層して集積した後で紙幣束として一括して第2の紙幣収納部内に移送するため、一枚ずつ回収する従来装置に比して回収時間が大幅に短縮することが明かである。しかも、専用の回収紙幣収納部を別設するわけではないから装置の全体サイズを小さくすることができる。
この実施形態に係る紙幣処理装置によれば、金種別のスイッチバック還流式紙幣収納部を併設した構成において、一方の紙幣収納部に収納されている紙幣を他方の紙幣収納部に回収するに際し、一時保留部を介在させた一括搬送を実施するようにしたので、装置の大型化を招くことなく、移送処理時間を短縮することができる。即ち、還流式紙幣収納部よりも構成が簡素な一時保留部を用い、移送すべき収納紙幣を一時保留部へ1枚ずつ送り込んで所定枚数集積させ、集積した紙幣束をそのまま同じ搬送経路上に繰出して、回収紙幣収納部を兼ねた紙幣収納部に束搬送するようにしたので、紙幣の移送処理にかかる時間を短縮することができる。
次に、図2は本発明の一実施形態に係るスイッチバック還流式紙幣収納部(還流式紙幣収納装置)の構成を示す斜視図であり、図3(a)及び(b)はこの還流式紙幣収納部の構成及び動作を示す側面図である。以下においては、紙幣回収用に兼用される第2の紙幣収納部25の構成について説明する。
第2の紙幣収納部25は、紙幣堆積機構50と、紙幣堆積機構50に対して紙幣Sを一枚ずつ、或いは紙幣束として導入したり、紙幣堆積機構内の紙幣を一枚ずつ搬送経路5に払出す紙幣入出金機構70と、を備えている。これらは制御手段40によって制御される。
紙幣堆積機構50は、最上昇した繰出しポジション(図3(a))と下降した受入れポジション(図3(b))との間を昇降自在に支持されると共に上面に紙幣を積層状態で堆積する堆積部材51と、堆積部材51を常時上方に弾性付勢する図示しない弾性部材と、堆積部材51の上方において昇降することにより紙幣入出金機構70から導入されてきた紙幣、又は紙幣束を堆積部材上面に押圧するプッシャ55と、該プッシャ55を昇降させるモータ、ギヤ等から成る図示しないプッシャ昇降機構と、を備えている。
紙幣入出金機構70は、互いにニップしつつ回転する上側ローラ(フリクションローラ)71及び下側ローラ(リバースローラ)72と、上側ローラ71を回転自在に支持すると共に上下動することにより下側ローラ72との間の距離を変化させる上側ローラ支持部75と、堆積部材51上に堆積された紙幣の最上面に接してこれを一枚ずつ両ローラのニップ部に向けて送り出すためのピックアップローラ78と、図示しない固定部によって上下方向に揺動自在に軸支されると共に上側ローラ支持部75に係合することによって上側ローラ71と下側ローラ72との間の離間距離(離間可能距離)を規制するストッパ81を前部に備えると共に導入、繰出し時に紙幣をガイドする紙幣ガイドを兼ねた規制アーム80と、上側及び下側ローラ71、72、及びピックアップローラ78を駆動する図示しないローラ駆動機構(モータ、ギヤ等)と、を備えている。
上側ローラ71は紙幣面と接する部分の摩擦抵抗を高めたフリクションローラであり、図示しないモータからの駆動力の切り替えによって正逆回転する。一方、下側ローラ72は常に紙幣導入方向(図3では時計回り方向)へ回転駆動されるリバースローラであり、紙幣繰出時に重送が発生した場合に下側の紙幣を紙幣堆積機構側へ戻す役割を有する。一枚の紙幣、又は紙幣束を導入する時には導入方向へ回転することにより、導入方向に回転する上側ローラをサポートする。
上側ローラ支持部75は、上側ローラ71の中心部を貫通して固定された軸76、ベアリング76a、及び軸受77を備えており、軸76は図示しない支持部材によって昇降自在に支持されている。従って、上側ローラ71は昇降することによって下側ローラ72と接触(或いは近接)した下降位置から、下側ローラ72から離間した上昇位置との間を進退することができる。
上側ローラ71は軸76の重量を含めた自重、或いは図示しないバネによる下方への付勢によって下側ローラ72上に接触、或いは近接するように構成されている。そして、上側ローラ71は、導入時にニップ部を通過する一枚の紙幣、或いは紙幣束、或いは繰出時に通過する一枚の紙幣の各厚みの違いに応じて厚み分だけ押し上げられて紙幣、或いは紙幣束の通過をスムーズに許容するように機能する。ストッパ81が図3(a)に示した下降位置にある時には上側ローラ71の可動範囲は紙幣一枚分に相当する幅に規制されているため、一枚の紙幣だけを搬送経路5へ払い出すことが可能となる。一方、ストッパ81が図3(b)に示した上昇位置にあるときには上側ローラの可動範囲は所定枚数の紙幣束(例えば、15枚)の通過を可能とする程度の幅に拡大されているため、通過する紙幣(束)の厚みに応じて上側ローラ71が上下動することにより一枚の紙幣と紙幣束を共に導入することが可能となる。
ピックアップローラ78は軸79によって中心部を支持されており、図示しないモータからの駆動力によって繰出方向(図3の時計回り方向)に回転することにより、堆積部材51上の紙幣束の内の最上部の紙幣を上下ローラ71、72のニップ部に送り出す。
制御手段40は、紙幣堆積機構側へ一枚の紙幣、又は紙幣束を導入する際には上側及び下側ローラ71、72を共に導入方向に回転させる一方で、紙幣払い出し時には上側ローラ71を繰出し方向へ逆回転させると共に下側ローラ72を導入方向へ回転させて下側の重送紙幣を堆積部材51側へ戻すように制御する。
プッシャ55は、紙幣の幅方向両端縁だけを押さえることができるように幅方向に離間配置された2本の押え片56、及び両押え片56を連結する連結片57と、から構成されている。図3(b)に示した紙幣導入時には、プッシャ55は堆積部材51の上面(堆積部材51上の紙幣上面)に当接して両押え片56によってこれを押し下げた状態にあり、両ローラ71、72によって新たに導入されてきた紙幣、又は紙幣束Sは両押え片56上に一旦載置された状態となる。この状態で両押え片56が上昇すると、堆積部材51が図示しない付勢部材によって上昇する。新たに導入された紙幣は規制アーム80の下面と堆積部材51上の収納済み紙幣の上面との間でその中央部が挟まれた状態となる。両押え片56は紙幣、又は紙幣束の幅方向両端縁を下側から支持しているに過ぎないため、更に両押え片56が上昇すると、紙幣の幅方向両端部が上側に変形して押え片だけが上昇し、紙幣は堆積部材上に残る。後続の紙幣が導入される場合にはプッシャは再び堆積部材51上に下降して既堆積紙幣を押さえ込みつつ堆積部材を押し下げて後続の紙幣(束)の受入れを可能とする。
規制アーム80は、図示しない固定部によって回動軸82を支持されることによって上下方向に揺動可能に構成されており、前部に一体化されたストッパ81は上側ローラ71の軸76(ベアリング76a)上にオーバーハングするようにして配置されている。規制アーム80は、プッシャ55の上昇時には幅方向両端縁から突出した突出部83によってプッシャ上に乗ることによって図3(a)に示した上昇位置(ストッパ下降位置)に押し上げられている一方で、プッシャ55の下降時にはプッシャが下方へ退避することによって図3(b)に示した下降位置(ストッパ上昇位置)に自重又は付勢力によって移行する。プッシャ55の上下動に伴う規制アーム80の揺動によって、ストッパ81が上下動して上側ローラの軸76に対する高さ位置を変化させることにより、上側ローラ71の高さ位置を下降位置と上昇位置の何れかに規制するように構成されている。
即ち、規制アーム80は、上昇位置にあるプッシャ55によって後部80aに設けた突出部83を押し上げられることにより前部に設けたストッパ81を下降させて上側ローラ71と下側ローラ72との離間距離を最小に規制する一方で、プッシャ55が下降したときに後部が下降することによってストッパ81を上昇させて上側ローラと下側ローラとの間の離間距離を最大値に拡大するように構成されている。
以上の構成において、紙幣堆積機構50内に収納された紙幣を一枚ずつ搬送経路5に繰出す場合には図3(a)に示したように図示しないプッシャ昇降機構を作動させてプッシャ55を上昇させることにより堆積部材51を図示しない弾性部材によって払出し位置まで上昇させると共に、規制アーム80の後部をプッシャ55が押し上げるため規制アーム前部のストッパ81が下方に回動して上側ローラ71の軸76に設けたベアリング76aに当接、或いは近接して上側ローラ71の上下動範囲を紙幣一枚の厚み分(例えば、0.3mm)に抑制する。この状態では、紙幣(束)Sは堆積部材51の上面とピックアップローラ78との間で加圧された状態にあり、この状態でピックアップローラ78を払出し方向へ回転駆動することにより、紙幣を一枚ずつ上下のローラ71、72のニップ部に送り出すことができる。この際、上側ローラ71はモータからの駆動力によって払出方向(時計回り方向)に回転する一方で、下側ローラ72は戻し方向(時計回り方向)へ回転するため、二枚の紙幣が重送状態で送り出された場合であっても上側の紙幣だけを前方へ払い出し、下側の紙幣については堆積部材51側へ戻すことができる。
次に、搬送経路5から搬送されてきた紙幣を紙幣堆積機構50内に導入する場合には図3(b)に示したように図示しないプッシャ昇降機構を作動させてプッシャ55を下降させることにより堆積部材51を弾性部材に抗して受入れポジションまで下降させると共に、プッシャ55が下降することによって規制アーム80は自重により軸82を中心として時計回りに揺動し、前部のストッパ81が上昇して上側ローラの軸76に設けたベアリング76aから所定距離だけ離間する。このため、上側ローラ71の上下動可能範囲を例えば紙幣15枚の厚み分にまで拡大する。この状態で、搬送経路5側から一枚の紙幣、又は紙幣束が上下ローラ71、72のニップ部に進入してきた場合には、上側ローラ71はモータからの駆動力によって導入方向(反時計回り方向)に回転すると共に紙幣の厚み応じて上下動する一方で、下側ローラ72は戻し方向(時計回り方向)へ回転するため、15枚を超えない枚数の紙幣であればスムーズに堆積部材(押え片56)上に落下させつつ導入することができる。導入されてきた紙幣は紙幣ガイドを兼ねる規制アーム80の下面によってガイドされつつ堆積部材(押え片56)上に正しく導かれて着座する。
以上のように本発明によれば、紙幣受け入れモードにおいては一枚の紙幣のみの通過が可能となるようにローラ間の間隔を狭く規制する一方で、紙幣束をも受け入れるモードにおいては上側ローラが紙幣厚に応じて上下動し得るように規制を緩和することによって両モードに対する対応が可能となる。しかも、ストッパを利用したモードの切換は堆積部材上の紙幣を抑えるプッシャの上下動に連動するため、構成を複雑化することなく、小型化を図りながら一枚の紙幣の入出金のみならず、紙幣束の一括導入が可能なスイッチバック還流式紙幣収納装置を構築することができる。
次に、図4は紙幣回収機能を備えた第2の紙幣収納装置における異サイズ紙幣の収納構造を示す斜視図であり、図5はその構成及び動作を示す説明図である。
この異サイズ紙幣収納構造90は、長手方向サイズの異なる複数種類の紙幣(千円紙幣)S1と、紙幣(一万円紙幣)S2を積層して収納可能なサイズを有した紙幣収納空所91と、紙幣収納空所91内に配置されて上下動する堆積部材51と、堆積部材51上に外部から紙幣を一枚ずつ、或いは紙幣束として導入する紙幣入出金機構70と、を備えている。
紙幣収納空所91の紙幣導入方向手前側には固定ガイド側壁92が配置され、紙幣導入方向奥側には垂直方向へ延びる二本の弾性ストッパ部材93が所定の間隔を隔てて平行に配置されている。弾性ストッパ部材93の本数、配置間隔は種々選定可能である。この実施形態では、弾性ストッパ部材93は金属、樹脂等から成るワイヤ(線材)であり、一端部(上端部)93aを固定部96によって固定的に支持されて下方へ延びる一方で、プーリー94によって上方に反転してから他端部93bを弾性部材(例えばコイルバネ)95に固定することによって一定の張力にて張設されている。弾性ストッパ部材93は、一端部93aから下方へ延びる部分(押圧部分93c)が垂直に延びるように構成されている。
なお、弾性ストッパ部材93としてはワイヤ等の弾性変形が可能な線材に限らず、所定以上の負荷が加わった時に前後方向へ弾性変形し、且つ所定幅を有した長尺の帯状体を用いても良い。
更に、固定ガイド側壁92と弾性ストッパ部材93の押圧部分93cとの間隔L1は、千円紙幣(小サイズ紙幣)S1の長手方向寸法(150mm)と合致するように設定されており、千円紙幣が紙幣入出金機構70から一枚ずつ堆積部材51上に導入された際には押圧部分93cは千円紙幣を弾性的に弾き返し、且つ変形することなく、固定ガイド側壁92との間で千円紙幣S1の両端縁を夫々保持することができる。
一方、紙幣入出金機構70から千円紙幣よりも長尺の一万円紙幣束(大サイズ紙幣束。長手方向寸法:160mm)S2が一括して導入された際には、弾性ストッパ部材の押圧部分93cは、前端縁を固定ガイド側壁92に当接させた一万円紙幣束S2の後端縁によって押圧されて後方へ弾性変形することによって、堆積部材51上に着座した一万円紙幣束S2の後端縁を保持する。一万円紙幣束は15枚〜20枚の一万円紙幣を含むため、十分な剛性と重量を有しており、紙幣入出金機構70から収納空所91内に導入されてくる勢いによって弾性ストッパ部材93を押圧して変形させつつ落下して堆積部材51上に整列状態を維持したまま安定して着座することができる。
このように異サイズ紙幣収納構造90を備えた第2の紙幣収納部25においては、通常時は小サイズ紙幣としての千円紙幣を一枚ずつ収納したり払出すための構成を備えているが、終業時における紙幣回収時には他の紙幣収納部から大サイズ紙幣としての一万円紙幣が束状になって搬送されてくる。このため、異サイズ紙幣を受け入れるための収納構造が必要となる。
例えば、収納空所91の長手方向寸法を大サイズ紙幣である一万円紙幣に合わせて設定することで両方の紙幣を収納することができる。ところが、通常時は千円紙幣を一枚ずつ受け入れるだけでなく、釣銭として一枚ずつ繰出すことが必要となる。このとき、収納された千円紙幣の紙幣入出金機構70側の先端が整列していることが望ましい。しかしながら、収納空所91の長手方向寸法が千円紙幣のそれよりも長く設定されているので、堆積した各千円紙幣は長手方向に不揃いの状態となってしまい、紙幣の繰出しに支障を生じる。また更に、下側ローラ72と同軸にゴム製の羽根車が配置されており、堆積した紙幣の前端部を下方に叩き落とすように回転することで後続する紙幣との衝突を防止しているが、堆積した千円紙幣が後方にあると、ゴムの羽根が届かないため、堆積した千円紙幣の前端部が浮き上がって後続の紙幣と衝突してしまうことになる。
つまり、一枚ずつ導入されてくる千円紙幣については堆積部材51上に整列状態で堆積する必要がある一方で、紙幣束として導入されてくる一万円紙幣についても既堆積の千円紙幣上に整列状態で落下、堆積する必要がある。千円紙幣だけを収納するのであれば、収納空所91の前後に側壁を固定配置すればよいが、サイズの大きい一万円紙幣束をも収納するためには奥側に固定された側壁を配置することができない。そこで、本発明では弾性変形可能なワイヤ、帯状体等から成る弾性ストッパ部材を収納空所91の奥側に配置したことにより、異サイズ紙幣を共に整列性よく収納することが可能となった。
本発明の一実施形態に係る紙幣処理装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る還流式紙幣収納装置の外観斜視図である。 (a)及び(b)は図2の還流式紙幣収納装置の構成、及び動作を示す説明図である。 紙幣回収機能を備えた第2の紙幣収納装置における異サイズ紙幣の収納構造を示す斜視図である。 図4の異サイズ紙幣の収納構造の構成及び動作を示す説明図である。 従来のスイッチバック方式の還流式紙幣処理装置の構成を示す説明図である。 他の従来例の構成説明図である。
符号の説明
1…紙幣処理装置、2…紙幣処理機構、3…外装体、4…入金取込部、5…搬送経路、10…搬送機構、11…ゲート、15…紙幣、15…識別装置、20、25…紙幣収納部(還流式紙幣収納装置)、30…一時保留部、35…出金保留部、40…制御手段、50…紙幣堆積機構、51…堆積部材、55…プッシャ、56…押え片、57…連結片、70…紙幣入出金機構、71…上側ローラ、72…下側ローラ、75…上側ローラ支持部、76…軸、76a…ベアリング、77…軸受、78…ピックアップローラ、79…軸、80…規制アーム、80a…後部、81…ストッパ、82…回動軸、83…突出部、90…異サイズ紙幣収納構造、91…紙幣収納空所、92…固定ガイド側壁、93…弾性ストッパ部材、93a…一端部、93b…他端部、93c…押圧部分、94…プーリー、95…弾性部材

Claims (4)

  1. 長手方向寸法の異なる複数種類の紙幣を収納可能な紙幣収納空所と、該紙幣収納空所内に配置された堆積部材と、該堆積部材上に外部から紙幣を一枚ずつ、或いは紙幣束として導入する紙幣入出金機構と、を備えた紙幣収納装置であって、
    前記紙幣収納空所の紙幣導入方向手前側には固定ガイド側壁が配置され、紙幣導入方向奥側には弾性ストッパ部材が配置され、
    前記固定ガイド側壁と前記弾性ストッパ部材との間隔は、小サイズ紙幣の長手方向寸法と合致するように設定されており、
    前記弾性ストッパ部材は、前記紙幣入出金機構から大サイズ紙幣束が一括して導入されて前記堆積部材上に着座するときに、前端縁を前記固定ガイド側壁に当接した大サイズ紙幣束の後端縁によって押圧されて後方へ弾性変形するように構成されていることを特徴とする還流式紙幣収納装置。
  2. 前記弾性ストッパ部材は、線材、或いは帯状体にて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の還流式紙幣収納装置。
  3. 金種の異なる紙幣を複数枚一括して、或いは一枚ずつ受入れ可能な入金取込部と、該入金取込部から受け入れられた紙幣を装置本体内に搬送する搬送経路と、該搬送経路に沿って紙幣を搬送する駆動力を生成する搬送機構と、該搬送経路と接続されて第1の金種に係る第1の紙幣を出入れ自在に収容するスイッチバック還流式の第1の紙幣収納部と、該搬送経路と接続されて第2の金種に係る第2の紙幣を出入れ自在に収容するスイッチバック還流式の第2の紙幣収納部と、該搬送経路を経由して搬送されてきた紙幣を一枚ずつ受け入れて堆積すると共に堆積した紙幣束を一括して該搬送経路に送出する一時保留部と、これらを制御する制御手段と、を備えた還流式紙幣処理装置であって、
    前記制御手段は、前記第1の紙幣収納部内の第1の紙幣を一枚ずつ送出して前記一時保留部に所定枚数堆積させた後で、該一時保留部内の第1の紙幣束を前記第2の紙幣収納部内に一括搬送する動作を繰り返すことにより、前記第1の紙幣収納部内に収容された全ての第1の紙幣を前記第2の紙幣収納部に移送するように制御し、
    前記第2の紙幣収納部は、請求項1、又は2に記載の還流式紙幣収納装置によって構成されていることを特徴とする還流式紙幣処理装置。
  4. 紙幣堆積機構と、該紙幣堆積機構内に紙幣を一枚ずつ、或いは紙幣束として導入したり、前記紙幣堆積機構内の紙幣を一枚ずつ繰出す紙幣入出金機構と、を備えた還流式紙幣収納装置であって、
    前記紙幣堆積機構は、長手方向寸法の異なる複数種類の紙幣を収納可能な紙幣収納空所と、該紙幣収納空所内において上昇した繰出しポジションと下降した受入れポジションとの間を昇降自在に支持されると共に上面に紙幣を積層状態で堆積する堆積部材と、該堆積部材を常時上方に弾性付勢する弾性部材と、前記堆積部材の上方において昇降することにより前記紙幣入出金機構から導入されてきた紙幣、又は紙幣束を前記堆積部材上面に押圧するプッシャと、該プッシャを昇降させるプッシャ昇降機構と、を備え、
    前記紙幣入出金機構は、互いにニップしつつ回転する上側ローラ及び下側ローラと、前記上側ローラを上下動させることにより前記下側ローラとの間の距離を変化させる上側ローラ支持部と、固定部によって上下方向に揺動自在に軸支されると共に前記上側ローラ支持部に係合することによって該上側ローラと該下側ローラとの間の離間距離を規制するストッパを前部に備えた規制アームと、前記上側及び下側ローラを駆動するローラ駆動機構と、を備え、
    前記規制アームは、上昇位置にある前記プッシャによって後部を押し上げられることにより前部に設けた前記ストッパを下降させて前記上側ローラと下側ローラとの離間距離を最小に規制する一方で、前記プッシャが下降したときに後部が下降することによって前記ストッパを上昇させて前記上側ローラと下側ローラとの間の離間距離を最大値に拡大するように構成されており、
    前記紙幣収納空所の紙幣導入方向手前側には固定ガイド側壁が配置され、紙幣導入方向奥側には弾性ストッパ部材が配置され、
    前記固定ガイド側壁と前記弾性ストッパ部材との間隔は、小サイズ紙幣の長手方向寸法と合致するように設定されており、
    前記弾性ストッパ部材は、前記紙幣入出金機構から大サイズ紙幣束が一括して導入されて前記堆積部材上に着座するときに、前端縁を前記固定ガイド側壁に当接した大サイズ紙幣束の後端縁によって押圧されて後方へ弾性変形するように構成されていることを特徴とする還流式紙幣収納装置。
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