JP5190597B2 - 紙幣保留装置、及び還流式紙幣処理装置 - Google Patents
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Description
この種の紙幣処理装置において、終業時等に装置本体内に残った全ての紙幣を回収する際に、金種別の紙幣収納部内に夫々収容された紙幣束を機外に個別に取り出すとすれば、全ての紙幣収納部をカセット式に構成して機外に出入れ自在にする必要があるが、このように構成すると紙幣収納部の大型化を招くばかりでなく、回収作業が繁雑化する。
上記の如き不具合に対処するために、従来例えば千円紙幣、五千円紙幣、及び一万円紙幣を取り扱う還流式紙幣処理装置において、各紙幣の金種毎に対応する還流式紙幣収納部を備え、且つ、紙幣の補充・回収のための紙幣アクセスを行う機能を千円紙幣収納部に担わせたものがある。
なお、還流式の紙幣収納部とは、始業時に予め収納しておいた紙幣のみならず、装置の稼働中に利用者が投入した紙幣を一旦収納する一方で、この紙幣を釣銭とするために外部へ排出する機能を備えたタイプの紙幣収納部を指称する。また、還流式の紙幣収納部にはループ方式とスイッチバック方式がある。ループ方式は紙幣の入口(受入れ方向)と出口(繰出し方向)を異ならせた方式であり、スイッチバック方式とは同じ出入り口から紙幣の受け入れと繰出しを行う方式である。
紙幣処理装置101は、還流式の紙幣処理機構102と、この紙幣処理機構102を内部に収容する外装体103と、から概略構成されている。
紙幣処理機構102は、金種の異なる紙幣を複数枚一括して、又は一枚ずつ受入れ可能な入金取込部104と、入金取込部104から受け入れられた紙幣を装置内に搬送する搬送経路105と、搬送経路105に沿って紙幣を搬送するローラ、ベルト、ゲート、及びこれらを駆動するモータ、ソレノイドから成る搬送機構110と、紙幣の真贋、金種を判定する識別装置115と、第1の金種(例えば、1万円紙幣)に係る第1の紙幣を出入れ自在に収容するスイッチバック還流式の第1の紙幣収納部120と、第2の金種に係る第2の紙幣(例えば、千円紙幣)を出入れ自在に収容するスイッチバック還流式の第2の紙幣収納部125と、搬送されてきた紙幣を一枚ずつ受け入れて積載すると共に積載した紙幣束を一括して排出する一時保留部130と、釣銭としての紙幣を装置外に排出する出金保留部135と、これらを制御する制御手段140と、を備えている。
搬送機構110は、入金取込部104から一枚ずつ給送された紙幣を所定のルートにて搬送することにより金種別に第1、又は第2の紙幣収納部120、125に送り込む仕分け搬送機能と、第1、又は第2の紙幣収納部120、125から一枚ずつ繰り出されてきた紙幣を一時保留部130内に順次搬送して積載させる機能と、一時保留部130から繰り出されてきた紙幣束を搬送経路5を経由して回収用の収納部を兼ねた第2の紙幣収納部125に一括して送り込む一括搬送機能と、を併有している。
一時保留部130は、第1又は第2の紙幣収納部120、125から一枚ずつ繰り出されてきた紙幣を一枚ずつ受入れて所定の許容枚数だけ積層させる集積機能と、積層された紙幣束を一括して搬送経路に繰り出す一括送出機能を有している。
終業時における紙幣回収作業において、作業者が所定の回収スイッチを操作することにより、第1の紙幣収納部120内の一万円紙幣を一枚ずつ搬送経路105に送出して搬送機構110によって高速搬送することにより一時保留部130に所定枚数(例えば、15枚)積載させた後で、一時保留部内の15枚の一万円紙幣束を第2の紙幣収納部125内に一括搬送する動作を繰り返すことにより、第1の紙幣収納部120内に収容された全ての一万円紙幣を第2の紙幣収納部125に移送する。
第2の紙幣収納部125は回収紙幣収納部として兼用されており、終業時に第2の紙幣収納部125内に第1及び第2の紙幣を全て回収することにより、一括した回収作業を実施することが可能となる。
一時保留部(紙幣保留装置)130は一枚ずつ高速搬送されてくる紙幣を積層状態で集積させると共に、積層した紙幣束を一括して搬送経路105に送り出すための構成を有しており、送出された紙幣束は第2の紙幣収納部125内に一括して送り込まれるため回収効率を大幅に高めることができる。つまり、収納枚数が少ない第1の紙幣収納部内の一万円紙幣を一時保留部130に積層して集積した後で紙幣束として一括して第2の紙幣収納部内に移送するため、一枚ずつ移送する場合に比して回収時間が大幅に短縮する。しかも、専用の回収紙幣収納部を別設するわけではないから装置の全体サイズを小さくすることができる。
一時保留部130は、紙幣Sを積載するベース部材151を備えた紙幣集積機構150と、ベース部材151上に紙幣を一枚ずつ導入して積載させたり、積載した紙幣束を紙幣導入経路Pを経て一括して排出する紙幣出入れ機構160と、紙幣集積機構150と紙幣出入れ機構160とを連動させる連動機構180と、を備えている。
紙幣集積機構150は、ベース部材151を、紙幣出入れ機構160から導入されてきた紙幣Sを受け入れる際の受入れ位置(下降位置(a))と紙幣を排出する際の払出し位置(上昇位置(b))との間で進退させる進退手段152を備えている。ベース部材151は、奥部に設けた軸153を中心として上下方向へ回動し、進退手段152は、軸153と、軸153を回動させる駆動源となるソレノイド等によって構成されている。
しかしながら、この一時保留部130にあっては、奥部に設けた軸153を中心としてベース部材151を上下動させる構成であるため、(b)に示した払出し位置においてはベース部材151は水平姿勢となる一方で、(a)に示した受入れ位置では先端側を下向きに傾斜させた姿勢となり水平姿勢とすることができない。つまり、両位置におけるベース部材の姿勢を平行にすることができない。払出し位置及び受入れ位置の双方においてベース部材151を水平姿勢(平行姿勢)とすることができれば、ベース部材上の紙幣収納スペースを最大限確保することができるが、受入れ位置において傾斜姿勢となるこの構造では積載枚数が少なくなる。
なお、ベース部材を水平な姿勢のままで上下動させる直動方式は、駆動のための機構が複雑、大型化するため、実装スペース的に搭載が困難である。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、金種別の複数の還流式紙幣収納部と、積層した紙幣束を一括して搬送経路に送り出す一時保留部とを備えた紙幣処理装置において、一時保留部を構成する紙幣積載用のベース部材の受入れ位置と払出し位置における各姿勢を平行にして限られたスペース内における紙幣収納スペースの拡大、或いは一時保留部の薄型化を達成することができる還流式紙幣処理装置と、この紙幣処理装置に適用される紙幣保留装置(一時保留部)を提供することを目的としている。
ベース片の姿勢は受入れ位置と払出し位置においてほぼ平行であるため、高さ寸法が極限された紙幣保留装置内を有効活用して紙幣収容枚数を最大限まで増やすことができる。
ベース片及びリンク片を軸支する軸部材を、紙幣搬送用のローラの中心部を軸支する軸と兼用したので、部品点数の減少、コンパクト化を実現できる。
請求項3の発明に係る還流式紙幣処理装置は、金種の異なる紙幣を複数枚一括して、或いは一枚ずつ受入れ可能な入金取込部と、該入金取込部から受け入れられた紙幣を装置本体内に搬送する搬送経路と、該搬送経路に沿って紙幣を搬送する駆動力を生成する搬送機構と、該搬送経路と接続されて第1の金種に係る第1の紙幣を出入れ自在に収容するスイッチバック還流式の第1の紙幣収納部と、該搬送経路と接続されて第2の金種に係る第2の紙幣を出入れ自在に収容するスイッチバック還流式の第2の紙幣収納部と、該搬送経路を経由して搬送されてきた紙幣を一枚ずつ受け入れて積載すると共に積載した紙幣束を一括して該搬送経路に送出する一時保留部と、これらを制御する制御手段と、を備えた還流式紙幣処理装置であって、前記制御手段は、前記第1の紙幣収納部内の第1の紙幣を一枚ずつ送出して前記一時保留部に所定枚数積載させた後で、該一時保留部内の第1の紙幣束を前記第2の紙幣収納部内に一括搬送する動作を繰り返すことにより、前記第1の紙幣収納部内に収容された全ての第1の紙幣を前記第2の紙幣収納部に移送するように制御し、前記一時保留部として、請求項1又は2に記載の紙幣保留装置を使用したことを特徴とする。
図1は本発明の一実施形態に係る還流式紙幣処理装置の概略構成図である。
この紙幣処理装置1は、例えば食券等の自動販売機(券売機)に装備されて紙幣の受け入れ、釣銭等としての紙幣の払出しの処理を行う機能を有する。
紙幣処理装置1は、還流式の紙幣処理機構2と、この紙幣処理機構2を内部に収容する外装体3と、から概略構成されている。
紙幣処理機構2は、金種の異なる紙幣を複数枚一括して、又は一枚ずつ受入れ可能な入金取込部4と、入金取込部4から受け入れられた紙幣を装置内に搬送する搬送経路5と、搬送経路5に沿って紙幣を搬送するローラ、ベルト、ゲート、及びこれらを駆動するモータ、ソレノイドから成る紙幣搬送機構10と、入金取込部4の直下流側の紙幣搬送経路上に配置されて一枚ずつ給送されてくる紙幣の真贋、金種を判定する識別装置15と、紙幣搬送経路5と接続されて第1の金種に係る第1の紙幣を出入れ自在に収容するスイッチバック還流式の第1の紙幣収納部20と、紙幣搬送経路5と接続されて第2の金種に係る第2の紙幣を出入れ自在に収容するスイッチバック還流式の第2の紙幣収納部25と、搬送経路5を経由して搬送されてきた紙幣を一枚ずつ受け入れて積載すると共に積載した紙幣束を一括して排出する一時保留部(紙幣保留装置)30と、釣銭としての紙幣を装置外に排出する出金保留部35と、これらを制御する制御手段36と、を備えている。
入金取込部4は一括投入された複数枚の紙幣を一枚ずつに分離しながら搬送経路5に送り出すための分離給送機構を備えている。
搬送機構10は、入金取込部4から一枚ずつ給送された紙幣を所定のルートにて搬送することにより金種別に第1、又は第2の紙幣収納部20、25に送り込む仕分け搬送機能と、第1、又は第2の紙幣収納部20、25から一枚ずつ繰り出されてきた紙幣を一時保留部30内に順次搬送して積載させる機能と、一時保留部30から繰り出されてきた紙幣束を搬送経路5を経由して回収用の収納部を兼ねた第2の紙幣収納部25に一括して送り込む一括搬送機能と、を併有している。制御手段36からの制御によって各ローラ、ベルト、ゲート11が駆動されることにより、所定のタイミングにて上記の各搬送機能を実現することができる。
第2の紙幣収納部25は、釣銭とした多用される第2の紙幣、例えば千円紙幣専用であり、搬送経路5を経由して一旦受け入れた千円紙幣を搬送経路5に一枚ずつ送出するスイッチバック式の還流機能を有している。
一時保留部(紙幣保留装置)30は、第1、又は第2の紙幣収納部20、25から一枚ずつ繰り出されてきた紙幣を一枚ずつ受入れて所定の許容枚数だけ積層させる集積機能と、積層された紙幣束を一括して搬送経路に繰り出す一括送出機能を有している。
本実施形態では、例えば第2の紙幣収納部25をカセット式に着脱自在(出入れ自在を含む)に構成し、第2の紙幣収納部25と対面する外装体3の壁部に設けた図示しないドアを開放することによって第2の紙幣収納部25を取出し、収納された紙幣を回収できるように構成されている。
終業時における紙幣回収作業において、作業者が所定の回収スイッチを操作することにより、制御手段36は次のような制御を行う。即ち、第1の紙幣収納部20内の一万円紙幣を一枚ずつ搬送経路5に送出して搬送機構10によって高速搬送することにより一時保留部30に所定枚数(例えば、15枚)積載させた後で、一時保留部内の15枚の一万円紙幣束を第2の紙幣収納部25内に一括搬送する動作を繰り返すことにより、第1の紙幣収納部20内に収容された全ての一万円紙幣を第2の紙幣収納部25に移送する。一時保留部30に送り込まれる紙幣の枚数は、搬送経路等の適所に配置した通紙センサによって検知された通過情報にもとづいてカウントされる。
一時保留部(紙幣保留装置)30は一枚ずつ高速搬送されてくる紙幣を積層状態で集積させると共に、積層した紙幣束を一括して搬送経路5に送り出すための構成を有しており、送出された紙幣束は第2の紙幣収納部25内に一括して送り込まれるため回収効率を大幅に高めることができる。つまり、収納枚数が少ない第1の紙幣収納部内の一万円紙幣を一時保留部30に積層して集積した後で紙幣束として一括して第2の紙幣収納部内に移送するため、一枚ずつ移送する従来装置に比して回収時間が大幅に短縮することが明かである。しかも、専用の回収紙幣収納部を別設するわけではないから装置の全体サイズを小さくすることができる。
一時保留部30(紙幣保留装置)は、紙幣を積載する積載ユニット41を備えた紙幣集積機構40と、積載ユニット41上に紙幣を一枚ずつ導入して積載させたり、該積載した紙幣束を紙幣導入経路P(紙幣搬送経路)を経て一括して排出する紙幣出入れ機構70と、を備えている。
紙幣集積機構40は、積載ユニット41を、紙幣出入れ機構70によって導入されてきた紙幣を受け入れるために下降した受入れ位置と、紙幣を排出するために上昇した払出し位置との間で進退させる進退手段42を備える。
図2(a)及び図3(c)に示した受入れ位置(下降位置)では、アーム43は弾性部材46に抗して下降しているため、軸部材51も下降位置にあり、その結果、ベース片及びリンク片50、55が最も近接した位置関係にあり、ベース片50の上面は水平な姿勢となっている。この受入れ位置において、紙幣出入れ機構70を構成する給送手段71を導入方向へ駆動することにより紙幣導入経路Pを経由して第1のベース50の上面に紙幣が順次積載される。
また、ベース片及びリンク片50、55を軸支する軸部材51を、紙幣搬送用のローラ51aの中心部を軸支する軸と兼用したので、部品点数の減少、コンパクト化を実現できる。
なお、本実施形態では、受入れ位置と払出し位置におけるベース片の各姿勢を略水平としたが、水平な姿勢に限定する意味ではなく、受入れ位置と払出し位置におけるベース片の各姿勢をほぼ平行とすることで限られたスペースにおける紙幣収納スペースの拡大、或いは薄型化を実現することができる。
Claims (3)
- 紙幣を積載し且つ昇降する積載ユニットを備えた紙幣集積機構と、前記積載ユニット上に紙幣搬送経路から紙幣を一枚ずつ導入して積載する一方で前記積載ユニット上に該積載した紙幣束を紙幣搬送経路に向けて一括して排出する紙幣出入れ機構と、を備えた紙幣保留装置であって、
前記紙幣集積機構は、前記積載ユニットを、前記紙幣出入れ機構によって導入されてきた紙幣を受け入れるために下降した受入れ位置と、紙幣を排出するために上昇した払出し位置との間で進退させる進退手段を備え、
前記紙幣出入れ機構は、紙幣を一枚ずつ前記積載ユニット上に導入する一方で、前記積載ユニット上の紙幣束を一括して排出する給送手段を備え、
前記進退手段は、紙幣導入方向下流側部をアーム軸により軸支されて上下回動自在なアームと、該アームを上昇方向へ弾性付勢する弾性部材と、を備え、
前記積載ユニットは、紙幣導入方向上流側部を軸部材により軸支されて互いに上下動可能な上側のベース片、及び下側のリンク片と、を備え、前記リンク片の紙幣導入方向下流側部は前記アーム軸によって回動自在に軸支され、
前記アームが下降位置にあるときには前記ベース片は所定の姿勢にて前記受入れ位置に保持され、前記アームが前記下降位置から上昇する過程では該アームの一部が前記ベース片を押し上げ、前記払出し位置においては該ベース片を前記受入れ位置での姿勢と略平行な姿勢に保持することを特徴とする紙幣保留装置。 - 前記軸部材には、前記給送手段を構成する紙幣搬送用のローラが軸支されていることを特徴とする請求項1に記載の紙幣保留装置。
- 金種の異なる紙幣を複数枚一括して、或いは一枚ずつ受入れ可能な入金取込部と、該入金取込部から受け入れられた紙幣を装置本体内に搬送する搬送経路と、該搬送経路に沿って紙幣を搬送する駆動力を生成する搬送機構と、該搬送経路と接続されて第1の金種に係る第1の紙幣を出入れ自在に収容するスイッチバック還流式の第1の紙幣収納部と、該搬送経路と接続されて第2の金種に係る第2の紙幣を出入れ自在に収容するスイッチバック還流式の第2の紙幣収納部と、該搬送経路を経由して搬送されてきた紙幣を一枚ずつ受け入れて積載すると共に積載した紙幣束を一括して該搬送経路に送出する一時保留部と、これらを制御する制御手段と、を備えた還流式紙幣処理装置であって、
前記制御手段は、前記第1の紙幣収納部内の第1の紙幣を一枚ずつ送出して前記一時保留部に所定枚数積載させた後で、該一時保留部内の第1の紙幣束を前記第2の紙幣収納部内に一括搬送する動作を繰り返すことにより、前記第1の紙幣収納部内に収容された全ての第1の紙幣を前記第2の紙幣収納部に移送するように制御し、
前記一時保留部として、請求項1、又は2に記載の紙幣保留装置を使用したことを特徴とする還流式紙幣処理装置。
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