JP2008132998A - 角形ボトル - Google Patents

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浩通 斉藤
Takao Iizuka
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Abstract

【課題】ボトルを薄肉化しても、主壁部同士を連結する連結部の変形抵抗が低下するのを抑制する。
【解決手段】口部11、肩部12、胴部13および底部14が合成樹脂で一体に形成されてなり、胴部13は、その横断面視が多角形状となるように、このボトル10の周方向に連結部16を介して連結された複数の主壁部15を備える角形ボトル10であって、前記周方向で隣り合う各主壁部15には、側端縁19dがこれらの主壁部15を連結する連結部16側の端部に配置されるように、このボトル10の中心軸線O方向に沿って延びる縦凹部17が形成され、これらの縦凹部17それぞれにおいて、前記側端縁19dからこのボトル10の径方向内方に向けて延びる側面19aは、互いに平行となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、合成樹脂製の角形ボトルに関するものである。
この種の角形ボトルとして、例えば下記特許文献1に示されるように、口部、肩部、胴部および底部が合成樹脂で一体に形成されてなり、前記胴部は、その横断面視が多角形状となるように、このボトルの周方向に連結部を介して連結された複数の主壁部を備える構成が知られている。
実用新案登録第3050587号公報
ところで、近年では、環境問題等に配慮して、合成樹脂材の使用量を低減するために、このボトルを薄肉化する傾向にあるが、この場合、前記連結部の変形抵抗が低下して、例えば、減圧状態にある胴部の連結部に径方向内方に向けた押圧力が作用したときに、その後復元変形してもしわや折れ線等の変形跡が残存する程度まで大きく陥没して塑性変形を起こし易くなるという問題があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、ボトルを薄肉化しても、主壁部同士を連結する連結部の変形抵抗が低下するのを抑制することができる角形ボトルを提供することを目的とする。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の角形ボトルは、口部、肩部、胴部および底部が合成樹脂で一体に形成されてなり、前記胴部は、その横断面視が多角形状となるように、このボトルの周方向に連結部を介して連結された複数の主壁部を備える角形ボトルであって、前記周方向で隣り合う各主壁部には、側端縁がこれらの主壁部を連結する前記連結部側の端部に配置されるように、このボトルの中心軸線方向に沿って延びる縦凹部が形成され、これらの縦凹部それぞれにおいて、前記側端縁からこのボトルの径方向内方に向けて延びる側面は、互いに平行となっていることを特徴する。
この発明によれば、このボトルの周方向で隣り合う各主壁部にそれぞれ、前記縦凹部が形成されているので、これらの縦凹部同士の間に位置する連結部の、例えばボトル内圧や外力等に対する変形抵抗を向上させることが可能になり、ボトルを薄肉化してもこの連結部の変形抵抗が低下するのを抑制することができる。
また、連結部の前記周方向における両側に位置する縦凹部それぞれにおいて、前記側端縁からこのボトルの径方向内方に向けて延びる側面が、互いに平行となっているので、主壁部に縦凹部を形成したことによって、このボトルの成形性が悪化するのを防ぐことができる。
ここで、前記縦凹部は、主壁部において、前記連結部側の端部に形成された縦凹リブと、この縦凹リブよりも前記周方向の中央部側に、この縦凹リブの外縁から離れて形成されたパネル部と、を備えてもよい。
この場合、主壁部にパネル部が設けられているので、胴部に例えばボトル内圧や外力等が作用したときに、主壁部に局所的に大きな変形が生ずるのを防ぐことができ、しかもこのパネル部が縦凹リブの外縁から離れた位置に形成されているので、前記ボトル内圧等に起因したパネル部の変形にこの縦凹リブが追従し、前記連結部が変形し易くなるのを防ぐことが可能になり、胴部全体の変形抵抗を確実に向上させることができる。さらに、縦凹部が縦凹リブとパネル部とを備えているので、連結部の変形抵抗を確実に向上させることができる。
この発明に係る角形ボトルによれば、ボトルを薄肉化しても、主壁部同士を連結する連結部の変形抵抗が低下するのを抑制することができる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。本実施形態に係るボトル10は、図1に示されるように、口部11、肩部12、胴部13および底部14を備え、これら11、12、13、14が、それぞれの中心軸線を共通軸上に位置させられた状態で、この共通軸方向の上方から下方に向けてこの順に連設された概略構成とされている。
なお、このボトル10は、例えば二軸延伸ブロー成形によりポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂で一体に形成されている。また、口部11の外周面には雄ねじ部11aが形成されており、この雄ねじ部11aに図示されないキャップが着脱可能に螺着されるようになっている。
ここで、本実施形態では、肩部12、胴部13および底部14は、横断面形状が多角形状とされており、前記共通軸はこの横断面がなす多角形の中央部を通る直線となっている。以下、この共通軸を中心軸線Oという。
本実施形態では、胴部13は、その横断面視が前述のように多角形状となるように、このボトル10の周方向に連結部を介して連結された複数の主壁部15を備えている。図示の例では、前記連結部は、主壁部15よりも前記周方向における長さが短い平坦な隅角壁部16とされている。これにより、胴部13は、主壁部15と隅角壁部16とが稜線18をなして前記周方向に交互に連設されて構成されている。
なお、主壁部15および隅角壁部16はそれぞれ、胴部13の側面視で前記中心軸線O方向に長い長方形状となっている。また、図示の例では、主壁部15および隅角壁部16はそれぞれ、4つずつ設けられ、2つの主壁部15が前記中心軸線Oを挟んで互いに対向して配置されるとともに、2つの隅角壁部16も前記中心軸線Oを挟んで互いに対向して配置されている。
そして、本実施形態では、前記周方向で隣り合う各主壁部15には、側端縁19dがこれらの主壁部15を連結する隅角壁部16側の端部に配置されるように、このボトル10の中心軸線O方向に沿って連続して延びる縦凹リブ(縦凹部)17が形成されている。図示の例では、縦凹リブ17は、前記周方向で隣り合う各主壁部15において、これらの主壁部15を連結する隅角壁部16側の端部にそれぞれ形成されている。さらに、縦凹リブ17は、主壁部15における前記周方向の両端部にそれぞれ形成されている。
なお、図示の例では、同一の主壁部15において、縦凹リブ17同士の前記周方向における間隔は、縦凹リブ17とこの縦凹リブ17に前記周方向で隣り合う稜線18との前記周方向における間隔よりも大きくなっている。
また、主壁部15において、縦凹リブ17の形成されていない部分は平坦面となっている。さらに、縦凹リブ17の外縁は主壁部15の外縁よりも内側に位置されている。また、縦凹リブ17の最深部では、主壁部15の外面からこのボトル10の径方向内方に向けて2mm以上凹んでいる。さらに、縦凹リブ17は、複数の主壁部15全てに形成されており、胴部13の横断面視形状は、前記中心軸線Oを基準とした点対称となっている。
また、縦凹リブ17において、前記中心軸線O方向の両端部を除いた部分は、胴部13の横断面視でV字状とされており、このV字をなす2つの側面19a、19bと、これらの側面19a、19bが交差する頂部19cと、により画成されている。このうち頂部19cは、ボトル10の径方向内方に向けて凹の曲面状に形成されている。なお、この縦凹リブ17の前記中心軸線O方向の両端部はそれぞれ、胴部13の側面視でこの中心軸線O方向の内方に向かうに従い漸次、前記周方向の大きさが小さくなる三角形状とされ、かつこの中心軸線O方向の内方に向かうに従い漸次、ボトル10の径方向内方に向けた凹み量が大きくなる傾斜平面となっている。
そして、本実施形態では、隅角壁部16の、前記周方向における両側に位置する縦凹リブ17それぞれにおいて、前記側端縁19dからこのボトル10の径方向内方に向けて延びる側面19aは、互いに平行となっている。
図示の例では、隅角壁部16の、前記周方向における両側に位置する縦凹リブ17それぞれにおいて、主壁部15の外面からこのボトル10の径方向内方に向けて延びる側面19a、19bのうち、この隅角壁部16側に位置する側面19aが、互いに平行となっている。さらにこれらの側面19aは、図示の例では、両側面19a同士の間に位置する隅角壁部16の法線方向と平行に延在している。
以上説明したように本実施形態に係る角形ボトル10によれば、その周方向で隣り合う各主壁部15にそれぞれ、縦凹リブ17が形成されているので、これらの縦凹リブ17同士の間に位置する隅角壁部16の、例えばボトル内圧や外力等に対する変形抵抗を向上させることが可能になり、ボトル10を薄肉化してもこの隅角壁部16の変形抵抗が低下するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、隅角壁部16の前記周方向における両側に位置する縦凹リブ17それぞれにおいて、前記側端縁19dからこのボトル10の径方向内方に向けて延びる側面19aが、互いに平行となっているので、主壁部15に縦凹リブ17を形成したことによって、このボトル10の成形性が悪化するのを防ぐことができる。
特に、本実施形態では、これらの側面19aが、両側面19a同士の間に位置する隅角壁部16の法線方向と平行に延在しているので、角形ボトル10の成形性の悪化を確実に防ぐことができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、胴部13として、稜線18を介して前記中心軸線O回りに交互に連結された主壁部15と隅角壁部16とを備える構成を示したが、これに代えて、複数の主壁部15を、隅角壁部16を介在させないで稜線18のみを介して中心軸線O回りに連結するようにしてもよい。すなわち、前記連結部を稜線18としてもよい。さらに、前記連結部として隅角壁部16を示したが、その形態は前記実施形態に限られるものではなく、例えば凸曲面状、凹曲面状、若しくは複数の平面が連設された構成を採用してもよい。
また、胴部13の横断面視形状は、多角形状とされていれば、前述した形態に限られるものではない。
さらに、縦凹リブ17において、前記中心軸線O方向の両端部を除いた部分を、胴部13の横断面視でV字状に形成したが、これに代えて例えば、台形状若しくは凹曲面状に形成してもよい。
また、主壁部15において縦凹リブ17同士の間に、図3に示されるように、このボトル10の径方向内方に凹むパネル部20を、これらの縦凹リブ17の各外縁から離して形成してもよい。なお、パネル部20は、各縦凹リブ17と比べて前記周方向の大きさが大きくなっている。また、パネル部20のボトル径方向内方に向けた凹み量は、縦凹リブ17よりも小さくなっている。
このようにパネル部20を主壁部15に形成することにより、縦凹リブ17のみならずパネル部20によっても隅角壁部16の変形抵抗を向上させるようにしてもよい。
さらにこの場合、主壁部15にパネル部20が設けられたことにより、胴部13に例えばボトル内圧や外力等が作用したときに、この主壁部15に局所的に大きな変形が生ずるのを防ぐことができ、しかもこのパネル部20が縦凹リブ17の外縁から離れているので、前記ボトル内圧等に起因したパネル部20の変形に縦凹リブ17が追従し、隅角壁部16が変形し易くなるのを防ぐことが可能になり、胴部13全体の変形抵抗を確実に向上させることができる。
また、前記各実施形態では、縦凹リブ17として、前記中心軸線O方向に沿って連続して延びる構成を示したが、これに代えて例えば、断続的に点在させる等してもよい。
さらに、隅角壁部16の変形抵抗を向上させるための構成として、図1から図3で示した実施形態に代えて例えば、図3で示した角形ボトル10において、パネル部20を縦凹リブ17の側端縁19dに至るまで拡幅して、この拡幅したパネル部20において、縦凹リブ17が形成されていた位置と対応する前記周方向における両端部を、他の部分よりも大きくボトル径方向内方に向けて凹ませるようにしてもよい。
この構成においても、前述と同様の作用効果が奏功されることになる。
ボトルを薄肉化しても、主壁部同士を連結する連結部の変形抵抗が低下するのを抑制することができる。
本発明に係る一実施形態として示した角形ボトルの側面図である。 図1に示す角形ボトルのA−A線矢視断面図である。 本発明に係る他の実施形態として示した角形ボトルの側面図である。
符号の説明
10 角形ボトル
11 口部
12 肩部
13 胴部
14 底部
15 主壁部
16 隅角壁部(連結部)
17 縦凹リブ(縦凹部)
19a 側面
19d 側端縁
20 パネル部
O 中心軸線

Claims (2)

  1. 口部、肩部、胴部および底部が合成樹脂で一体に形成されてなり、
    前記胴部は、その横断面視が多角形状となるように、このボトルの周方向に連結部を介して連結された複数の主壁部を備える角形ボトルであって、
    前記周方向で隣り合う各主壁部には、側端縁がこれらの主壁部を連結する前記連結部側の端部に配置されるように、このボトルの中心軸線方向に沿って延びる縦凹部が形成され、
    これらの縦凹部それぞれにおいて、前記側端縁からこのボトルの径方向内方に向けて延びる側面は、互いに平行となっていることを特徴する角形ボトル。
  2. 請求項1記載の角形ボトルであって、
    前記縦凹部は、主壁部において、前記連結部側の端部に形成された縦凹リブと、この縦凹リブよりも前記周方向の中央部側に、この縦凹リブの外縁から離れて形成されたパネル部と、を備えていることを特徴とする角形ボトル。
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