JP2008130607A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
金属メッキ膜の転写制御性を向上させた電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】
基体4の表面に金属メッキ膜3を析出させる析出工程と、金属メッキ膜3を基体4から第一転写材10へ転写する第一転写工程と、金属メッキ膜3が転写された第一転写材10の表面接着力を、少なくともその転写領域3´において低減させる接着力低減工程と、第一転写材10に転写された金属メッキ膜3を、表面接着力が低減された第一転写材10の転写領域3´から第二転写材28へ転写する第二転写工程とを含む電子部品の製造方法とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、コンデンサ、インダクタ、フィルタ及び回路基板等の電子部品の製造方法に関するものである。
従来、セラミック材料等の誘電体材料と導体材料とを用いて、コンデンサ、インダクタ、フィルタ及び回路基板等の電子部品が形成されている。
このような従来の電子部品として、例えば、所定の誘電率を有した複数個のセラミック層を、間に第1の内部電極と第2の内部電極とを交互に介在させて積層するとともに、該積層体の側面や主面に前記第1,第2の内部電極にそれぞれ電気的に接続される一対の外部電極を設けてなる積層コンデンサ等がよく知られている。
かかる積層コンデンサは、一対の外部電極を介して第1の内部電極と第2の内部電極との間に所定の電圧を印加し、第1の内部電極−第2の内部電極間に配されているセラミック層に所定の静電容量を形成することによってコンデンサとして機能する。このような積層コンデンサは、例えば、セラミックグリーンシートの主面に従来周知のスクリーン印刷等によってニッケル等の金属を主成分とする導体ペーストを所定パターンに印刷・塗布する工程を経て製作される(例えば、特許文献1参照)。
ところで、近年、電子機器の小型化に伴い、電子部品の小型化が求められており、上述した積層コンデンサなどにおいて、個々のセラミック層や内部電極を薄く形成するための種々の検討がなされている。
例えば、厚みの薄い金属メッキ膜を用いて積層コンデンサを製作することが検討されており、その場合、金属メッキ膜が被着されたセラミックグリーンシートを複数枚、積層することによって積層体を形成し、これを高温で焼成することによって積層コンデンサが製作される。
このような積層コンデンサの内部電極となる金属メッキ膜は、内部電極と対応する形状の開口パターンを有したマスクを金属製の基板上に形成するとともに、前記基板をメッキ槽中に浸漬し、前記マスクの開口内に位置する基板の表面に従来周知の電解メッキ法にて金属を析出させることによって形成される。このような基板の主面にセラミックグリーンシート等を押圧し、マスクの開口内に形成された金属メッキ膜をセラミックグリーンシートの一主面に転写することによって金属メッキ膜がセラミックグリーンシート上に形成される。
特開2000−243650号公報
しかしながら、上述の製造方法では、比較的薄くて弱いセラミックグリーンシートが、直接、金属製基板上のマスクにも押圧されるため、セラミックグリーンシート自体にキズが付くのみならず、金属メッキ膜の転写性および当該マスクとの剥離性を同時に満たすことが難しいという問題があった。
これに対して、セラミックグリーンシートよりも表面接着力が低い中間転写材を介在させることによって、2度の転写工程を経て、セラミックグリーンシート上に金属メッキ膜を形成することも考えられる。
しかしながら、このような製造方法によると、中間転写材及びセラミックグリーンシートの表面接着力を設定・制御することが困難であるため、中間転写材への転写やセラミックグリーンシートへの転写に際して転写不良が生じ易くなるという問題が想定される。
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、特に金属メッキ膜の転写制御性を向上させた電子部品の製造方法を提供することにある。
本発明の電子部品の製造方法は、基体の表面に金属メッキ膜を析出させる析出工程と、前記金属メッキ膜を前記基体から第一転写材へ転写する第一転写工程と、金属メッキ膜が転写された前記第一転写材の表面接着力を、少なくともその転写領域において低減させる接着力低減工程と、前記第一転写材に転写された前記金属メッキ膜を、表面接着力が低減された前記第一転写材の転写領域から第二転写材へ転写する第二転写工程と、を含むものである。
また、前記第一転写材は吸引機構を有してなり、該吸引機構を制御することで前記表面接着力を低減することを特徴とする。特に、前記第一転写材は、その表面の少なくとも一部が多孔質材料を用いて形成されていることを特徴とする。さらに、前記第一転写材は、前記吸引機構の表面の少なくとも一部が所定の封止部材で覆われていることを特徴とする。
さらに、前記表面接着力は、前記第一転写材の温度を調整することで低減されることを特徴とする。
またさらに、前記第一転写材は円柱状の表面を有することを特徴とする。特に、前記第一転写材をその軸周りに回転させることで、前記第一転写工程乃至前記第二転写工程を繰返し行うことを特徴とする。
さらにまた、前記基体は凸曲面状の表面を有することを特徴とする。
またさらに、前記第二転写材は誘電体シートを含むことを特徴とする。
本発明の電子部品の製造方法は、基体の表面に金属メッキ膜を析出させる析出工程と、
前記金属メッキ膜を前記基体から第一転写材へ転写する第一転写工程と、金属メッキ膜が転写された前記第一転写材の表面接着力を、少なくともその転写領域において低減させる接着力低減工程と、前記第一転写材に転写された前記金属メッキ膜を、表面接着力が低減された前記第一転写材の転写領域から第二転写材へ転写する第二転写工程とを含んで構成することから、基体から第二転写材への金属メッキ膜の転写に際して2度の転写工程を伴う場合に、第二転写材として表面接着力の大小を考慮することなく広範に選択することができ、且つ、高い転写性を維持することが可能となる。
また、前記第一転写材は吸引機構を有してなり、該吸引機構を制御することで前記表面接着力を低減すれば、表面接着力の調整が簡易であるため好ましい。特に、前記第一転写材は、その表面の少なくとも一部が多孔質材料を用いて形成することで、吸引機構の構造を簡素化することができるため好ましい。さらに、前記第一転写材は、前記吸引機構の表面の少なくとも一部を所定の封止部材で覆うことが好ましく、これによって転写位置に応じて適切な吸引力を発揮することが可能となる。
さらに、前記表面接着力は、前記第一転写材の温度を調整することで低減するようにすれば、表面接着力の調整が簡易であるため好ましい。
またさらに、前記第一転写材は円柱状の表面を有することから、転写に際して、基体と第一転写材との接触部位が分散されて金属メッキ膜に対する表面接着力の均一性が向上し、転写不良を効果的に抑制することができる。特に、前記第一転写材をその軸周りに回転させることで、前記第一転写工程乃至前記第二転写工程を繰返し行うことによって、金属メッキ膜の一連の転写を連続的且つ効率的に行うことが好ましい。
さらにまた、前記基体は凸曲面状の表面を有することが好ましく、これによって基体に析出された金属メッキ膜の内部応力を緩和して変形を抑制することが可能となる。
またさらに、前記第二転写材は誘電体シートを含むことから、効率的に誘電体シートへの金属メッキ膜の転写を行うことができ電子部品の製造を簡素化することが可能となる。
以下、本発明の電子部品の製造方法を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
≪電子部品及びその製造装置≫
まず、本発明の電子部品の製造方法によって製作される電子部品の一例である積層コンデンサは図1に示すような構成を有する。即ち、積層コンデンサ100は、所定の誘電率を有した誘電体層400に内部電極300を形成して、交互に積層して直方体形状の積層体を形成したものである。当該積層体の上下両面には、誘電体層400と同一材料からなる絶縁層200を形成している。更に、積層体の両端部に内部電極300と電気的に接続される外部電極500を被着・形成している。このような誘電体層400の材質や厚みや積層数,内部電極300の対向面積等は、所望する積層コンデンサ100の静電容量などによって適宜、決定される。
このような電子部品(積層コンデンサ1)は、図2〜図4に示すメッキ膜形成装置を用いて形成された金属メッキ膜を用いて製造される。メッキ膜形成装置は、メッキ槽18の中に基体4を回転可能に配置し、基体4に対してメッキ槽18と反対の側に転写手段を配置することにより構成されている。以下、電子部品の製造装置の一例としての金属メッキ膜形成装置について説明する。
=基体=
基体4はメッキ膜形成装置の陰極として機能する。例えば、ステンレス、鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、タンタル、モリブデン等の導電性を備えた金属により形成されている。基体4の表面には、その全周にわたり導電性膜1(図3及び図4参照)が形成されており、該導電性膜1の表面には導電性膜1を所定パターンに露出させるマスク層2が形成される。以下、基体4の表面と導電性膜1とを含めて「基体の表面」ということがある。
このような基体4の表面は、円柱状であり、曲率半径は、例えば50mm〜2000mmの範囲に設定され、その表面粗さは、例えば、最大高さRyでいえば0.5μm以下に設定される。すなわちRy≦0.5μmである。
基体4の表面に形成される導電性膜1としては、例えば、比抵抗が10−2Ωcm以下の材料が用いられる。電解メッキの際の電流密度を均一にするためには、比抵抗が10−3Ωcm以下の材料が好ましい。比抵抗が10−3Ωcm以下の導電性膜1の材料として、例えば、窒化チタンアルミニウム、窒化クロム、窒化チタン、窒化チタンクロム、炭窒化チタン、炭化チタン、導電性DLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)等を用いることができる。また、導電性膜1の材料のうち、金属メッキ膜3の剥離性を良好となすには、窒化チタンアルミニウム、窒化クロム、窒化チタン、窒化チタンクロム、炭窒化チタン等で導電性膜1を形成するのが好ましい。特に、耐久性を高めるには、窒化チタン等で導電性膜1を形成するのが好ましい。なお、導電性膜1は、従来周知の薄膜形成法、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学的気相成長法(CVD)等によって基体4の表面に形成される。
導電性膜1の表面に形成されるマスク層2は、金属メッキ膜3の析出領域を規制するためのものである。マスク層2は、十分な電気絶縁性を備えることが好ましい。例えば、その比抵抗は、10Ω・cm以上に設定するとよい。ビッカース硬度Hvは例えば1000以上、摩擦係数μは例えば0.3以下の材料を用いる。このような諸特性を満足する材料としては、例えば、アモルファス構造のDLCやGLC(グラファイト・ライク・カーボン)等が挙げられる。
このように、基体4の表面に金属メッキ膜3の析出領域を規制するマスク層2を形成しておくことにより、フォトエッチング等の煩雑な工程を経ることなく、基体4をメッキ液19に浸漬して、後述するメッキ槽18と基体4との間に電界を印加するだけで所望するパターンの金属メッキ膜3が容易に得られる。
マスク層2の厚みは、金属メッキ膜3の厚みと同じか、或いは、金属メッキ膜3の厚みよりもやや厚く形成することが好ましい。これは、マスク層2の厚みを越えて成長した金属メッキ膜3がマスク層2上に広がるのを防止するためである。
ここで、マスク層2の側面と底面との間に形成される角部の角度α(図3参照)は90度以下、例えば90度〜85度に設定しておくことが好ましい。このように90度以下に設定しておけば、基体4と接する金属メッキ膜3の下面の面積が、その上面の面積よりも小さくなることから、金属メッキ膜3を第一転写材10等に転写する際、金属メッキ膜3の外周部がマスク層2に引っ掛かりにくくなり、金属メッキ膜3の剥離を容易することができる。
前記マスク層2は、例えば、DLC,GLC等を従来周知のスパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法等の薄膜形成法によって基体4の表面に所定厚みに被着・形成し、しかる後、従来周知のフォトエッチング法等を採用して、複数個の開口部を有したパターンに加工することによって形成される。前記開口部は、金属メッキ膜3の析出領域に対応する部位となる。
マスク層2の材質として用いられるDLCやGLCは、その電気抵抗が比較的高いことから、マスク層2の表面にメッキが析出することはない上に、表面の剥離性が良好で、摩擦抵抗も小さい。従って、金属メッキ膜3を被転写体である第一転写材10等に対して転写する際、被転写体が損傷を受けることは少なくなる。このように、マスク層2の材質を選ぶことにより、基体4の耐久性が高められ、長期にわたって繰り返し使用しても高品質の金属メッキ膜3を得ることができる。
以上のような基体4は、図2に示すように、回転軸5によって回転可能に支持されるようになっている。この回転軸5を電動機の主軸に連結して、電動機の回転運動を伝達することにより基体4を軸周りに回転させる。そしてこの回転軸5は、回転ブラシを介して電源装置11に接続され、これによって基体4に負の電圧が印加される。すなわち、基体4がメッキ膜形成装置の陰極として機能することとなる。
=メッキ槽=
メッキ槽18は、メッキ膜形成装置の陽極として機能し、また同時に、その内部でメッキ液19を満たすことによりメッキ浴を形成するための容器として機能する。
このようなメッキ槽18の内面形状と基体4の表面とは、両者間に一定の間隔が形成されるよう、両者は、略同心円状に設置されている。基体4の表面とメッキ槽18の内面との間隔は、例えば2mm〜50mmに設定される。
メッキ液19は、後述する循環装置15等によって基体4とメッキ槽18との間を所定の流速で流動するようになっている。かかるメッキ液19としては、ニッケルメッキ膜を形成する場合、内部応力の少ない金属メッキ膜3を得るのに適したスルファミン酸ニッケルメッキ液等が好適に用いられる。このようなスルファミン酸ニッケルメッキ液としては、例えば、塩化ニッケル30g/リットル、スルファミン酸ニッケル300g/リットル、ほう酸30g/リットルの組成を有した水溶液等が用いられ、そのpH値は、例えば3.0〜4.2に設定される。特に内部応力の小さな金属メッキ膜3を得るには、pH値を3.5〜4.0に設定するとともに、メッキ液19の温度を45℃〜50℃に設定しておくことが好ましい。
そして、このようなメッキ液19には、好ましくは、セラミックや樹脂等から成る非導電性微粒子が添加される。
また、上述したメッキ液19には、必要に応じて、ホウ酸、ギ酸ニッケル、酢酸ニッケル等から成るpH緩衝剤や、ラウリル硫酸ナトリウム等から成るピット防止剤、ベンゼンやナフタレン等の芳香族炭化水素にスルフォン酸、スルフォン酸塩、スルフォンアミド、スルフォンイミド等を付与した化学物質等から成る応力減少剤、芳香族スルフォン酸やその誘導体から成る硬化剤、ブチンジオール、2ブチン1.4ジオール、エチレンシアンヒドリン、ホルムアルデヒド、クマリン、ピリミジン、ピラゾール、イミダゾール等から成る平滑剤等を適宜、添加して用いてもよい。応力減少剤としては、例えば、サッカリン、パラトルエンスルフォンアミド、ベンゼンスルフォンアミド、ベンゼンスルフォンイミド、ベンゼンジスルフォン酸ナトリウム、ベンゼントリスルフォン酸ナトリウム、ナフタレンジスルフォン酸ナトリウム、ナフタレントリスルフォン酸ナトリウム等が用いられる。
上述したメッキ槽18と基体4との間に電位を印加して、従来周知の電解メッキ法を実施することができる。すなわち、陰極である基体4と陽極であるメッキ槽18の間に電位を加えることによって、基体4の表面のうち、マスク層2の存在しない領域に金属メッキ膜3が析出する。
また、メッキ槽18内のメッキ液19は、上述したように基体4とメッキ槽18との間を常に所定の方向に流動するようになっているため、金属メッキ膜3の膜質を均質なものとなすことができる利点がある。
=第一転写材=
転写手段は、基体4から金属メッキ膜3が転写される第一転写材10と、第一転写材10から金属メッキ膜3が転写される第二転写材28とで構成されている。
第一転写材10は、基体4から金属メッキ膜3が転写される工程と、第二転写材28へ金属メッキ膜3を転写する工程において、その表面接着力を増減することが可能な部材である。
<吸引機構>
第一転写材10の一例として、吸引機構を有する場合について以下説明する。
第一転写材10は、図5に示すように、内部に吸引器(図示せず)が配置され且つ円柱状を成す内輪部6と、その外表面を覆う多孔質部材9から成る外輪部7とで構成される。なお、外輪部7は図示方向に回転し内輪部6は回転しない例で説明する。
このような第一転写材10は、吸引器を用いて多孔質部材9の内部圧力を制御することで、その表面接着力を増減することができる。吸引器は、多孔質部材9の内部圧力を制御することができるものであれば特に限定されるものではなく、真空ポンプなどの従来周知の種々のものを用いることができる。そして、吸引器の吸引力は、基体4から金属メッキ膜3を転写する際には大きく、第二転写材28に金属メッキ膜3を転写する際には小さくなるように制御される。
ここで、内輪部6は、吸引器によって加えられた内部圧力を多孔質部材9に伝えるために外から内に向けて所定の空洞部分38、39が設けられているものであり、基体4の金属メッキ膜3と多孔質部材9を均等に押圧するため例えばステンレスなどを研削加工して構成される。なお、耐腐食性及び耐熱変形性の観点から、ステンレス以外に、アルミニウム、鉄などの金属材料を研削加工して形成することが好ましく、また、樹脂やセラミックを用いて形成しても良い。
第一の空洞部分38は、吸引器を用いて真空にすることで、外輪部7の多孔質部材9より吸引力が生じて金属メッキ膜3を転写することが出来るようにするものである。第一の空洞部分38は、基体4との接触部位の上流側から設けられ、基体4と第一転写材10とが接すると同時に金属メッキ膜3を吸引して接着力を得るものである。第一の空洞部分38を上流に設け過ぎると真空が漏れて金属メッキ膜3の接着力が低下するので、基体4と接する直前から設けることが好ましい。さらに、外輪部7の金属メッキ膜3保持の観点から、第一の空洞部分38は第二転写材28との接触付近まで連続して形成することが好ましい。
第二の空洞部分39は、内輪部6のうち第二転写材28と接する部分に、上記吸引力を発揮する第一の空洞部分38とは隔離して設けられている。この第二の空洞部分39は、金属メッキ膜3と外輪部7との真空状態を大気圧に開放するものであり、大気圧にすることで外輪部7が金属メッキ膜3を接着する力を低減する。第二の空洞部分39は、第二転写材28と外輪部7が接する位置より上流側から設けることが好ましく、特に上流の金属メッキ膜3と多孔質部材9との接着力が低下しないように、第二の空洞部分39と接する位置から下流側に設けることが好ましい。
次に、外輪部7は、接着力を発揮した状態で基体4から第一転写材10に金属メッキ膜3を転写し、第二転写材28への金属メッキ膜3の転写の際には接着力を低減するものであり、例えば、図6(a)に示すように、金属やセラミックなどからなる多孔質部材9を、内輪部6の表面全域を覆うように形成する。
この場合、図6(b)及び図6(c)に示すように、多孔質部材9の表面を所定パターンの封止部材30で覆うことによって、吸引される多孔質部材9の部位を制御することが可能である。例えば、金属メッキ膜3に接しない部位に封止部材30で覆うようにすればよい。この封止部材30は、金属メッキ膜3と接着部分の位置合わせが容易なように金属メッキ膜3より大きな面積で作製することが好ましく、また、多孔質部材9表面上の金属メッキ膜3より飛び出さない程度の厚みにすることが好ましい。封止部材30の作製方法としては、電気めっきで銅、ニッケル、ベロアーニッケル、6価クロム、3価クロム白、3価クロム黒(トワイライト)、金、合金メッキが利用できる。また、無電解めっきではニッケル、ニッケルボロン、ニッケルボロンタングステン が利用できる。また、ナイロン、フッ素樹脂などの樹脂をコーティングしてもよい。
このような構成を有する第一転写材10は、吸引機構(空洞部分38、39、吸引手段及び多孔質部材9からなる)の吸引力を、部位ごと或いは所定周期で制御することによって、その表面接着力を増減することができる。
なお、接着力をより低減し第二転写材28に金属メッキ膜3をより確実に転写するには、第一転写材10と基体4とを互いに加圧してもよい。加圧により外輪部7から金属メッキ膜3が離れようとするためより有効に転写ができる。ここで、加圧は、金属メッキ膜3が第二転写材28に接している所定時間だけ発揮するようにすることがより好ましい。この時には上流の真空力が低下しないので外輪部7と金属メッキ膜3の接着力が低下しないため、金属メッキ膜3が所定の位置を維持することができ、高精度の電子部品が作製できる。
<温度調整機構>
第一転写材10の他の例として、温度調整機構を有する場合について以下説明する。
具体的な構成としては、図7に示すように、内部に加熱手段(又は冷却手段)41が配置され且つ円柱状を成す内輪部6と、その外表面に貼り付けられた接着材40などから成る外輪部7とで構成される。なお、外輪部7は図示方向に回転し内輪部6は回転しない例で説明する。
このような第一転写材10は、加熱手段或いは冷却手段を用いて熱剥離シート40Aを加熱或いは冷却することで、その表面接着力を増減することが可能となる。加熱手段としては、熱剥離シート40Aの加熱が可能なものであれば特に限定されるものではなく、従来周知の種々のヒータを用いることができる。また、冷却手段としては、熱剥離シート40Aの冷却が可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば水や空気などの冷媒を用いることができる。ここで用いる熱剥離シート40Aが薄いフィルム状のものであれば、内輪部6との耐摩耗性の観点から熱剥離シート40Aより硬質の材料で作製された保持材40Bに貼り付けてもよい。この保持材40Bの材料としてはステンレス、アルミニウム、鉄などの金属材料が用いられる。好ましくは、熱伝導性の良いアルミニウムであり、耐磨耗性を考慮すると硬質めっきを施すとさらに効果的である。
ここで、内輪部6は、加熱手段及び冷却手段からの熱を熱剥離シート40Aに伝える役割を有するものであり、基体4の金属メッキ膜3と熱剥離シート40Aを均等に押圧し転写するため例えばステンレスなどを研削加工して構成される。なお、耐腐食性及び耐熱変形性の観点から、ステンレス以外に、アルミニウム、鉄などの金属材料を研削加工して形成することが好ましく、また、樹脂やセラミックを用いて形成しても良い。
加熱によって粘着力が低下する接着材40を使用する場合は、第二転写材28近傍の空洞部分41Aに加熱手段を設ける。例えば抵抗型ヒーター、熱風又は熱水といった加熱された流体などの加熱手段を用いて、接着材40を加熱し粘着力を第二転写材28の粘着力より低減することができる。なお、熱風は第二転写材28近傍の第一転写材10の表面に吹きつけてもよい。他方、冷却によって粘着力が低下する接着材40を使用する場合は、第二転写材28近傍の空洞部分41Aに冷却手段を設ける。例えば冷風や冷水といった冷却された流体などの冷却手段を用いて接着材40を冷却し、粘着力を第二転写材28の粘着力より低減することができる。なお、冷風は第二転写材28近傍の第一転写材10の表面に吹きつけてもよい。
また、金属メッキ膜3を保持する部分は、第二転写材28近傍まで確実に保持ができるように、空洞部分41Bを多く設けて加熱手段(或いは冷却手段)を配置することが好ましい。
また、外輪部7は、接着力を発揮した状態で基体4から第一転写材10に金属メッキ膜3を転写し、第二転写材28への金属メッキ膜3の転写の際には接着力を低減する役割を有するものであり、例えば、熱により接着力が変化する日東電工(株)製のリバアルファ(登録商標)などを、図7に示すように内輪部6の表面全域を覆うように貼り付けて構成することが好ましい。
この場合、図8に示すように、金属メッキ膜の非転写領域において、熱剥離シート40Aの表面を所定パターンのマスク層42で覆ったり、熱剥離シート40Aの所定部分をフォトリソグラフィ法、レーザー加工で除去し、この部分に接着性のない埋込部材を埋め込むようにしても良い。マスク層42は樹脂フィルムを金属めっきパターンのない部分にフォトリソグラフィ法、レーザー加工を用いて形成する。この層を接着材40の層を覆うように巻きつけて形成する。埋込部材としては、樹脂材料や耐食性にすぐれた金属材料が好ましく、第二転写材28の破損を防止する観点からフッ素樹脂などの樹脂材料がより好ましい。
なお、熱剥離シート40Aと加熱手段(或いは冷却手段)41との間に所定パターンの断熱材を介在させることによって、加熱及び冷却される熱剥離シート40Aの部位を制御することが可能である。このように所定部位における表面接着力を制御することで、高い転写性を奏することが可能となる。
このような構成を有する第一転写材10は、温度調整機構(加熱・冷却手段41及び接着材40からなる)を、部位ごと或いは所定周期で制御することによって、その表面接着力を増減することができる。
=第二転写材28=
次に、第二転写材28は、加圧ロール23と、その表面に位置する樹脂フィルム20及びセラミックグリーンシート26等が積層された複合シートとで構成され、当該複合シートは送り出し部22から巻き取り部24へと順次移動するように構成されている。
セラミックグリーンシートは、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム等からなり、厚さ0.5μm〜10μmとするのが好ましい。
送り出し部22は、セラミックグリーンシートが巻かれたロール軸を電動機に連結して、この軸を所定の量だけ回転させて送り出すためのものである。加圧ロール23は、セラミックグリーンシートを回転しながら、第一転写材10に加圧するためのものである。巻き取り部24は、加圧ロール23を通過して金属メッキ膜3が転写されたセラミックグリーンシートを一定の力で巻き取るためのロールからなる。
加圧ロール23は、セラミックグリーンシートを基体4に対して均等に加圧することができるように、少なくとも表面部分がウレタンゴムコート、ネオプレーンゴムコート、天然ゴムコート等の弾力材料によって被覆されていることが好ましい。加圧ロール23は、電動機に連結されない回転自在のものであってもよいし、電動機を連結して回転動作を行うようにしたものであってもよい。
このようなセラミックグリーンシートを、送り出し部22によって第一転写材10側へ順次供給し、金属メッキ膜3が形成されている第一転写材10の表面に対して、例えば、50Nの押圧力で加圧ローラ23にて加圧する。これによりセラミックグリーンシート上に金属メッキ膜3が転写される。
その後、セラミックグリーンシートは、巻き取り部24によって、第一転写材10の表面の周速度と同じ速度で巻き取られる。
=洗浄手段=
洗浄手段12は、メッキ槽18から引き上げられた基体4の表面を洗浄するものである。具体的には、基体4の表面に形成された金属メッキ膜3やマスク層2の表面に残存するメッキ液19を洗い流すためのものである。
この洗浄手段12は、金属メッキ膜3やマスク層2が形成された基体4の表面に洗浄液を供給する給液手段と、洗浄に供した洗浄液を回収する回収手段とで構成されている。給液手段によって、基体4の表面に近接して配された洗浄用箱体に洗浄液を供給し、その洗浄用箱体内で洗浄液を基体4の表面に吹き付けることにより残存メッキ液を基体4の表面より洗い流す。
洗浄液としては、例えば、水、アルコール、アセトン、トルエン等が用いられる。洗浄液中の不純物は1000ppm以下に抑えることが好ましい。また、より一層高い洗浄効果を得るために、基体4の表面に空気を吹きつける空気供給手段を別途設けても構わない。
=洗浄液吸引手段=
洗浄液吸引手段13は、洗浄手段12に対し、基体4の回転方向下流側に配置されており、洗浄手段12によってメッキ液19を洗い流した後、金属メッキ膜3およびマスク層2の表面に残った洗浄液を完全に除去するためのものである。
かかる洗浄液吸引手段13はステンレス板等によって形成されており、その表面には吸引用の複数の穴が設けられ、これらの穴より吸引器を用いて吸引することにより、基体4の表面に残存した洗浄液を除去するようになっている。洗浄液吸引手段13の表面部分には、例えばウレタンスポンジや人工皮革等のように微細な孔が形成されたものを取り付ける。なお、洗浄液吸引手段13の形状は円筒状、円柱状、平板状のいずれであっても構わない。
=メッキ液吸引手段=
メッキ液吸引手段14は、洗浄手段12に対して、基体4の回転方向上流側に配置されており、金属メッキ膜3やマスク層2の表面に残存するメッキ液19を除去するためのものである。
かかるメッキ液吸引手段14はステンレス板等によって形成されており、その表面には、先に述べた洗浄液吸引手段13と同様に、複数の穴が設けられ、これらの穴からメッキ液19を吸引するようになっている。メッキ液吸引手段14の表面部分も、洗浄液吸引手段13と同様の構造が採用される。なお、メッキ液吸引手段14の形状は円筒状、円柱状、平板状のいずれであっても構わない。
=循環装置=
循環装置15は、メッキ槽18に注入されているメッキ液19を循環させるためのものである。メッキ槽18の底面中央の、基体4の最下端部と対向する部位にメッキ液19の供給口16が設けられている。メッキ液19は、この供給口16より、メッキ槽18の中に供給される。メッキ液19は、基体4の回転方向下流側では基体4の表面に沿って基体4の回転方向と同じ方向に流動し、基体4の回転方向上流側では基体4の表面に沿って基体4の回転方向と逆の方向に流動し、メッキ槽18の両端より溢れ出す。溢れ出したメッキ液19は、その外側に配置された循環槽に排出される。そして、この循環槽に溜まったメッキ液19は、その底部に設けられた吸出し口17より吸出され、ポンプによって再び前記供給口16よりメッキ槽18の中に供給される。
なお、このようにメッキ液19が循環する過程に、ろ過フィルタを設けて異物を除去するようにしても良いし、メッキ液19のpH値やメッキ液19の流量,非導電性微粒子の濃度等を必要に応じて調整するようにしても良い。
≪電子部品の製造方法≫
次に、本発明の電子部品の製造方法について、上述した金属メッキ膜形成装置を用いて積層コンデンサを製造する方法を例にとって工程ごとに説明する。
=工程1=
まず、電解メッキ法にて、上述した基体4の表面に、金属メッキ膜3を形成する。基体4の表面の断面形状は円形なので、金属メッキ膜3もその断面形状は、前記円と同じ曲率半径を持った凸曲面状に形成される。
基体4の下部領域が、メッキ槽18に注入されているスルファミン酸ニッケルメッキ液19等に浸漬されるようにして、基体4を所定の回転速度で回転軸5の周りに回転させながら、電流密度が、例えば、2A/dm〜15A/dmとなるようにメッキ槽18との間に所定の電位差を印加する。これにより、基体4の円形面に沿って、前述したマスク層2が形成されている領域を除いて金属メッキ膜3が凸曲面状に形成される。
このようにして形成される金属メッキ膜3は、ニッケル、銅、銀、金、プラチナ、パラジウム、クロム等やこれら金属の合金からなり、これらの金属材料の中でも耐熱性に優れたニッケルが積層コンデンサの内部電極を形成する材料として好ましい。
以上のように、基体4を軸周りに回転させながら、メッキ槽18のメッキ液19に浸漬し、基体4とメッキ槽18との間に電界を印加して基体4の表面に金属メッキ膜3を連続的に形成することができ、これによって積層コンデンサの生産性が向上される。しかもこの場合、基体4とメッキ槽18との間の電流密度は略均一になることから、金属メッキ膜3を略一定の厚みで形成することもできるようになる。
またこの場合、メッキ液19中に、セラミックや樹脂からなる多数の非導電性微粒子を多数添加すれば、このような非導電性微粒子は、その一部が基体4と接するようにして金属メッキ膜3中に埋設される。その結果、非導電性微粒子を含んだ金属メッキ膜3が形成される。
そして、基体4は、基体4の表面に形成された金属メッキ膜3が基体4の回転によってメッキ液19中より引き上げられた後、メッキ液吸引手段14、洗浄手段12及び洗浄液吸引手段13によって洗浄され、乾燥される。
=工程2=
次に、工程1において得られた金属メッキ膜3を、一旦、第一転写材10へ転写する。
第一転写材10の接着面を、金属メッキ膜3が形成されている基体4の表面に対し、例えば、10Nの押圧力で加圧する。これによって基体4から第一転写材10に金属メッキ膜3を転写させる。
このとき、金属メッキ膜3は、工程1において、円形状の基体4の表面上に断面が凸曲面状をなすように形成されることから、金属メッキ膜3を接着面に転写させる際、金属メッキ膜3中に内部応力(引張応力)が生じても、得られた金属メッキ膜3を基体4より剥離させ接着面に転写させると、凸曲面状の金属メッキ膜3は接着面上で平坦化する方向に変形する。したがって、金属メッキ膜3は、接着面上に、歪を生ずることなく形成される。
また、基体4上の金属メッキ膜3に、上述した如くセラミックや樹脂からなる多数の非導電性微粒子を添加すれば、これらの非導電性微粒子は基体4との密着性に乏しいことから、金属メッキ膜3を基体4より比較的容易に剥離させることができる。
なお、金属メッキ膜3の剥離性を向上させるには、メッキ析出面(導電性膜1と接する部位)に非導電性微粒子が数多く配置されるように非導電性微粒子を分布させておくことが好ましい。特に、金属メッキ膜3の表面に露出する非導電性微粒子の露出面積が、金属メッキ膜3の総面積に対して0.01%〜40%の割合となるようにしておくことが、金属メッキ膜を基体から容易に剥離でき、金属メッキ膜の変形を未然に防止することができる点から好ましい。なお、この値が0.01%未満であると、金属メッキ膜3における金属成分の析出割合が多くなって基体4との密着力を十分に低下させることが困難になり、基体表面から金属メッキ膜を剥離する際に、金属メッキ膜が変形する場合がある。また40%を超えると、金属メッキ膜3中の金属成分が少なくなることによって金属メッキ膜自体の機械的強度が低下するので、基体表面から金属メッキ膜を剥離する際に、金属メッキ膜にクラックが生じる場合がある。
このような非導電性微粒子としてセラミック材料を用いる場合は、誘電体シートとして用いられるセラミックグリーンシートのセラミック材料と同材質のものが好適である。
他方、非導電性微粒子として樹脂の微粒子を用いる場合は、セラミックグリーンシートに含まれる有機バインダと同材質のものが好適である。
なお、非導電性微粒子の大きさとしては、金属メッキ膜3の厚みよりも小さい平均粒径のものを用いることが好ましい。このようにしておけば、金属メッキ膜3を基体4から剥離させる際、金属メッキ膜3が変形するのを有効に防止することができる。
また、このような非導電性微粒子として、セラミック材料から成る非導電性微粒子と樹脂材料から成る非導電性微粒子とを混合して用いても構わない。
=工程3=
次に、工程2において第一転写材10に転写された金属メッキ膜3を、樹脂フィルム20上に保持されている第二転写材28(セラミックグリーンシート26)の表面に再度転写させる。
セラミックグリーンシート26は、例えば、厚み12μm〜100μmのPETフィルム等から成る樹脂フィルム20上に支持された状態で、送り出し部22のロールに巻き取られている。
この場合、金属メッキ膜3が転写されたセラミックグリーンシート26は巻き取り部24によって樹脂フィルム20ごと巻き取られ、以後の工程に使用される。
このように、金属メッキ膜3を、一旦、第一転写材10に転写した後、金属メッキ膜3を、樹脂フィルム20上に保持されているセラミックグリーンシート26の表面に再度転写させれば、セラミックグリーンシート26が硬質材料により形成されている基体表面のマスク層2に対して直接、接触することはないことから、セラミックグリーンシート26をマスク層2との接触により損傷させることなく、セラミックグリーンシート26を金属メッキ膜3上に良好に付着させることができる。
また、金属メッキ膜3は、基体4より剥離させたとき、前述したように平坦化する方向に変形していることから、かかる金属メッキ膜3にセラミックグリーンシート26の主面を転写しても、セラミックグリ−ンシート26や金属メッキ膜3に、変形やクラックが発生するのが有効に防止される。したがって、積層コンデンサ100の生産性向上に供することができる。
なお、樹脂フィルム20上に支持されたセラミックグリーンシート26は、例えば、1μm〜20μmの厚みに形成され、セラミック材料粉末に有機溶媒、有機バインダ等を添加・混合して得た所定のセラミックスラリーを、焼成後の厚さが2μm程度となるように従来周知のコーティング法または印刷法等によって樹脂フィルム20の主面に塗布した後、これを乾燥させることによって得られる。
樹脂フィルム20は、厚み38μmのPETフィルムが用いられる。このような樹脂フィルム20の一主面に、焼成後の厚みが、例えば2μmとなるようにセラミックスラリーを塗布及び乾燥させて、セラミックグリーンシート26付きの樹脂フィルム20を用意する。次に、樹脂フィルム20のセラミックグリーンシート26を第一転写材10に転写された金属メッキ膜3に接するように当接させて、この当接部を半径100mm、長さ250mmの加圧ローラ23にて100N、70℃の加圧条件で挟み込み、セラミックグリーンシート26を金属メッキ膜3に圧着させた後、金属メッキ膜3はセラミックグリーンシート26に転写される。その後、セラミックグリーンシート26は樹脂フィルム20より剥離される。
=工程4=
次に、前述の工程3で得た金属メッキ膜3付きのセラミックグリーンシート26を複数枚準備して、例えば、60℃の温度で加熱しながら0.9MPaの圧力で仮圧着し、その後、従来周知の静水圧プレス等によって70℃の温度、50MPaの圧力で圧着させることによって、積層体を形成する。
=工程5=
そして最後に、工程4で得た積層体を所定形状に切断し、得られた個片を高温で焼成する。
積層体の焼成は、金属メッキ膜3を形成している金属の融点よりも低く、かつ、焼成中少なくとも一時点において、該金属の再結晶温度よりも高い温度になるようにして行う。これによってセラミックグリーンシート26は積層コンデンサの誘電体層4となり、金属メッキ膜3は内部電極300となる。
ここで、金属の再結晶とは、加工した金属材料を加熱すると、その金属がある温度を境に急激に軟化して、内部歪みを軽減するように安定化する現象のことである。この再結晶が開始する温度のことを再結晶温度という。例えばニッケルの場合、再結晶温度は530℃〜660℃、融点は1458℃、また銅の場合、再結晶温度は200℃〜250℃、融点は1083℃、また金の場合、再結晶温度は約200℃、融点は1060℃である。従って、金属メッキ膜3がニッケルから成る場合、積層体の焼成は、例えば、1300℃の温度で行われる。
このように金属メッキ膜3を、該金属メッキ膜3を形成する金属の融点より低い温度で焼成することにより、焼成時に金属メッキ膜3が熔けて金属メッキ膜3が分断されるといった不都合が確実に防止され、連続性に優れた内部電極3を形成することができる。
またこの場合、積層体を焼成する際のピーク温度は、金属メッキ膜3を形成している金属の再結晶温度よりも高く設定されているため、焼成時に金属メッキ膜3を形成している金属の再結晶化が進むことで金属が適度に軟化し、セラミックグリーンシート26中のセラミック粒子が金属メッキ膜3の表面に入り込む。このことによって金属メッキ膜3とセラミックグリーンシート26との密着力が向上し、その結果、構造欠陥の少ない積層コンデンサが得られるようになる。
しかもこの場合、金属メッキ膜3中には非導電性微粒子が一部を埋設されているため、非導電性微粒子としてセラミック材料を用いた場合には、非導電性微粒子がセラミックグリーンシート26の焼成時に同時焼成され、セラミックグリーンシート26に含まれるセラミック成分と焼結して一体化される。その結果、金属メッキ膜3とセラミックグリーンシート26との密着性が向上する。また、非導電性微粒子として樹脂材料を用いた場合には、非導電性微粒子がセラミックグリーンシート26の焼成時に焼失して空隙を形成し、この空隙に、セラミックグリーンシート26中のセラミック成分が拡散することから、この場合も金属メッキ膜3とセラミックグリーンシート26との密着性が向上する。
=工程6=
そして最後に、積層体の両端部に、外部電極用の導体ペーストを従来周知のディッピング法等によって塗布し、これを焼成した後、その表面にメッキ処理を施すことによって外部電極500が形成され、これによって製品としての積層コンデンサ100が完成する。
≪他の実施形態≫
次に、本発明の電子部品の製造方法の他の実施形態について図9を用いて説明する。
図9に示すように、接着材40をベルト状のフィルムまたは金属の表面に形成し、連続して基体4と第二転写材28に接するように移動させる方法である。接着材40の接着力が加熱によって低減する場合は、基体4に接するローラー及び下流のローラーに冷却手段を設置し、第二転写材28に接するローラーには加熱手段を設置する。このように、加熱部分と冷却部分を分離すると冷却と加熱が有効に行うことができる。また、接着材40の接着力が冷却によって低減する場合は、基体4に接するローラー及び下流のローラーに加熱手段を設置し、第二転写材28に接するローラーには冷却手段を設置する。接着材40部分にはマスク層を形成してもよい。
次に、本発明の電子部品の製造方法の他の実施形態について図10を用いて説明する。
いままでの方法では、金属メッキ膜3が転写された樹脂フィルム20上の、金属メッキ膜3が存在しない部分には、何も膜が形成されていなかった。このため、樹脂フィルム20上に金属メッキ膜3が形成されている部分と何も形成されていない部分には、段差が生じていた。
図10は、基体4から金属メッキ膜3が転写された、セラミックグリーン21を有する樹脂フィルム20に対して、金属メッキ膜3の存在しない部分に、段差を埋めるための薄い誘電体シート29を形成する方法を説明するための断面図である。
樹脂フィルム20の送給途中には、樹脂フィルム20を表裏から加圧するための一対のローラ27A及び27Bが配置されている。樹脂フィルム20の金属メッキ膜3が形成された主面に接するローラー27Bには、金属メッキ膜3と略等しい厚みの誘電体シート29が支持された樹脂フィルム25が送られてくる。誘電体シート29は、セラミックグリーンシートであることが好ましい。
誘電体シート29は、ローラー27Bの圧力によって、樹脂フィルム20の一主面に押圧される。このとき、誘電体シート29を、金属メッキ膜3の存在する部位と存在しない部位の双方に対して押圧することにより、金属メッキ膜3のエッジの切断力を利用して、樹脂フィルム20の一主面のうち金属メッキ膜3の存在しない部位にのみ誘電体シート29を選択的に付着させることができる。
このようにして、樹脂フィルム20の上に、誘電体シート29が埋設された平らな金属メッキ膜3を得ることができる。この誘電体シート29が埋設された平らな金属メッキ膜3の上に、上述の実施形態で説明したセラミックグリーンシート転写手段を用いて、セラミックグリーンシート26を転写する。
このような方法においても、先に述べた実施形態と全く同様の効果が得られることに加え、金属メッキ膜3とセラミックグリーンシート26と間に大きな隙間ができることがない。したがって、これを樹脂フィルム20より剥離させた上、複数枚積層することにより、これを熱処理して積層型電子部品を製作しても、デラミネーションや電極の湾曲による電気不良が生じるのを有効に防止することができ、信頼性及び生産性に優れたセラミック電子部品が得られる。
次に、本発明の電子部品の製造方法のさらに他の実施形態について図11を用いて説明する。
本実施形態が今までの実施形態と異なる点は、金属メッキ膜3をセラミックグリーンシート26の内部に埋設させて形成するようにした点である。
この製造方法は、図11に示すように、金属メッキ膜3が転写された樹脂フィルム20の主面に、塗布手段32から、金属メッキ膜3を覆うようにしてセラミックスラリ31を塗布し、これを乾燥手段33を用いて乾燥させ、金属メッキ膜3が埋設されたセラミックグリーンシート31´を得る。
得られた、金属メッキ膜3が埋設されたセラミックグリーンシート26を複数枚積層することによりセラミックグリーンシート31´の積層体が形成され、これを図示しない加熱炉の中で熱処理することによって積層型電子部品が製作される。
このような実施形態においても、先に述べた実施形態と全く同様の効果が得られることに加え、上述のようにして得られるセラミックグリーンシート31´には、金属メッキ膜の存在する部位と存在しない部位との間に大きな段差が存在ないため、これのようなセラミックグリーンシート31´を複数枚積層して積層体を形成しても、その内部に埋設される金属メッキ膜の変形は有効に抑制され、電気的不良やデラミネーションの発生が有効に防止される利点もある。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
例えば、上述の実施形態においては、積層コンデンサを製造する場合を例にとって説明したが、積層コンデンサ以外の電子部品、例えば、インダクタ、フィルタや回路基板等の他の電子部品を製造する場合においても本発明が適用可能であることは言うまでもない。
−メッキ膜形成装置の変形例1−
次に本発明の他の実施形態について図12を用いて説明する。
本実施形態の特徴は、メッキ槽18が、陽極として機能する高電位領域18Aと、陰極として機能する低電位領域18Bとに区画されている点である。
即ち、基体4に電源11Aの陰極を、メッキ槽18の高電位領域18Aに電源11Aの陽極を接続している。さらに、基体4に電源11Bの陽極を、メッキ槽18の低電位領域18Bに電源11Bの陰極を接続している。電源18Aの陰極と電源11Bの陽極とは共通に接続される。
マスク層2の存在しない基体4の表面に金属メッキ膜3を析出させた後、電源11Bの逆の電位を用いて、一旦形成された金属メッキ膜3の表面部分、特に金属メッキ膜3と基体4及びマスク層2との接触部分を、メッキ液19中で再溶解させる。このことにより、金属メッキ膜3と基体4及びマスク層2との間に微小な隙間が生じて、金属メッキ膜3の剥離性が向上し、被転写材への転写の精度を上げることができる。
上述したメッキ槽18は、例えばその中央部に塩化ビニルなどからなる絶縁部材16を介在させることで、高電位領域18Aと低電位領域18Bとを電気的に分離させる。絶縁部材16としては、上述の塩化ビニル以外にもポリテトラフルオロエチレン等を用いることができる。その比抵抗値は、両領域で金属メッキ膜3の析出・再溶解を適切に行えるように十分な絶縁性を保つため、1000Ωm以上の材料を用いることが好ましい。また絶縁部材16Aは、耐薬品性を有する材料であることが好ましく、特に耐酸性の性質を有するものが好ましい。
また、メッキ槽18と基体4との間で、前記絶縁部材16の上に、基体4表面との間に所定の間隔をあけて、各領域に対応するメッキ液同士を互いに隔離するための隔壁部材を形成してもよい。この隔壁部材で各領域に対応するメッキ液同士を互いに隔離することにより、両領域に対応する電界が互いに干渉することがないので、各々の領域におけるメッキ液の析出・再溶解をより適切に行うことができる。
前記絶縁部材16及び前記隔壁部材は、同一の材料により絶縁隔壁材料16として一体的に形成しても良い。この絶縁隔壁材料16は、後述する循環装置15の一部であるメッキ液供給口として用いることもできる。この場合には、絶縁隔壁材料16は中空で、且つメッキ槽18中のメッキ液19側にメッキ液を供給するための開口部を有するように構成すればよい。
なお、絶縁隔壁部材16を複数設けることにより、メッキ槽18の領域をさらに細かく区画するようにしても良い。このようにすることで、複数の電界を目的に応じてより適切に制御することができ、所望の金属メッキ膜を形成することが可能となる。
−メッキ膜形成装置の変形例2−
次に本発明の他の実施形態に係るメッキ膜形成装置について図13、図14を用いて説明する。
本実施形態が今までの実施形態と異なる点は、メッキ膜形成装置に使用される基体4の表面が、少なくとも表層部において、基体4の中核部に対して着脱可能に支持された複数のブロックに区画されている点である。
例えば、図13に示すように、基体4の表面側全面を覆うように絶縁材34を形成し、さらに絶縁材34上に複数の絶縁隔壁材35を所定の間隔で配置するとともに、絶縁材34上であって絶縁隔壁材35の間に、導電性膜1の上にマスク層2を形成したブロック部材36を、接着剤などを用いてはめ込むようにして基体4を構成している。
また、メッキ液19中で異なる位置に導電ローラ37A,37Bが設けられている。導電ローラ37A,37Bは、それぞれ電源装置11A、11Bを介して、メッキ槽18の高電位領域18A及び低電位領域18Bに接続されている。導電ローラ37Aに当接したブロック部材36は、メッキ槽18に対して正の高電位となり、導電ローラ37Bに当接したブロック部材36は、メッキ槽18に対して負の低電位となる。
また、図14に示すように、基体4の表層部のみならず中核部をも含めてブロック部材36として構成し、個々のブロック部材36は、基体4の中心部から表面へ向かって放射状に貫く絶縁隔壁材35を介するようにしても良い。
高電位領域18Aにおいて、マスク層2の存在しない基体4の表面に金属メッキ膜3を析出させた後、低電位領域18Bにおいて、逆の電位を用いて、一旦形成された金属メッキ膜3の表面部分、特に金属メッキ膜3と基体4及びマスク層2との接触部分を、メッキ液19中で再溶解させる。これにより、メッキ液19から引き上げた金属メッキ膜3は、金属メッキ膜3と基体4及びマスク層2との間に微小な隙間が生じて、金属メッキ膜3の剥離性が向上し、被転写材(第一転写材)への転写の精度を上げることができる。
また、マスク層2などを、小さな表面積を有するブロック部材36に対して形成すればよいため、簡素な設備でブロック部材36にマスク層2などを作製することが可能となる。また、基体表面に形成されるマスク層2が部分的に摩耗した場合などに、当該ブロック部材のみの交換が可能となり、メンテナンス性にも優れるという利点がある。
本発明の電子部品の製造方法によって製作される積層コンデンサを示す断面図である。 メッキ槽18の中に基体4を回転可能に配置し、基体4に対してメッキ槽18と反対の側に金属メッキ膜の転写手段を配置した、本発明の電子部品の製造方法に用いるメッキ膜形成装置を模式的に示す側断面図である。 図2に示すメッキ膜形成装置に用いられる基体表面の構造を示す拡大側断面図である。 図2に示すメッキ膜形成装置に用いられる基体4を上(図2の矢印A方向)から見た平面図である。 本発明の電子部品の製造方法の一実施形態を説明する拡大断面図である。 図5に示す電子部品の製造方法に関し、特に第一転写材10の表面(図5の矢印B方向)を示す拡大図である。 本発明の電子部品の製造方法の他の実施形態を説明する拡大断面図である。 本発明の電子部品の製造方法のさらに他の実施形態を説明する拡大断面図である。 本発明の電子部品の製造方法のさらに他の実施形態を説明する拡大断面図である。 基体から金属メッキ膜3が転写された樹脂フィルム20に対して、金属メッキ膜3の存在しない部分に、段差を埋めるための薄い誘電体シート29を形成する方法を説明するための断面図である。 金属メッキ膜3が転写された樹脂フィルム20の主面に、金属メッキ膜3を覆うようにしてセラミックスラリ31を塗布し、これを乾燥させて、金属メッキ膜3が埋設されたセラミックグリーンシート31´を得るようにした本発明の実施に用いるメッキ膜形成装置を模式的に示す側面図である。 メッキ槽18が、陽極として機能する高電位領域18Aと、陰極として機能する低電位領域18Bとに区画されている本発明の実施に用いるメッキ膜形成装置を模式的に示す側面図である。 基体4の表面に複数の絶縁隔壁材35を所定の間隔で配置するとともに、絶縁材34上であって絶縁隔壁材35の間に、導電性膜1の上にマスク層2を形成したブロック部材36をはめ込むようにして基体4を構成した本発明の実施に用いるメッキ膜形成装置を模式的に示す側面図である。 基体4の表層部のみならず中核部をも含めてブロック化した本発明の実施に用いるメッキ膜形成装置を模式的に示す側面図である。
符号の説明
100・積層コンデンサ(電子部品)
200・絶縁層
300・内部電極(導体層)
400・セラミック層(誘電体層)
500・外部電極
1・・・導電性膜
2・・・マスク層
3・・・金属メッキ膜
3´・・転写領域
4・・・基体
5・・・回転軸
6・・・内輪部
7・・・外輪部
9・・・多孔質部材
10・・第一転写材
11・・電源装置
11A・電源装置
11B・電源装置
12・・洗浄手段
13・・洗浄液吸引手段
14・・メッキ液吸引手段
15・・循環装置
16・・供給口(絶縁隔壁材料)
17・・吸出し口
18・・メッキ槽
18A・高電位領域
18B・低電位領域
19・・メッキ液
20・・樹脂フィルム
22・・送り出し部
23・・加圧ロール
24・・巻き取り部
25・・樹脂フィルム
26・・セラミックグリーンシート(誘電体シート)
27A・ローラー
27B・ローラー
28・・第二転写材
29・・誘電体シート
30・・封止部材
31・・セラミックスラリ
31´・誘電体シート
32・・塗布手段
33・・乾燥手段
34・・絶縁材
35・・絶縁隔壁材
36・・ブロック部材
37A・導電ローラ
37B・導電ローラ
38・・第一の空洞部分
39・・第二の空洞部分
40・・接着材
40A・熱剥離シート
40B・保持材
41・・加熱手段(又は冷却手段)
42・・マスク層

Claims (10)

  1. 基体の表面に金属メッキ膜を析出させる析出工程と、
    前記金属メッキ膜を前記基体から第一転写材へ転写する第一転写工程と、
    金属メッキ膜が転写された前記第一転写材の表面接着力を、少なくともその転写領域において低減させる接着力低減工程と、
    前記第一転写材に転写された前記金属メッキ膜を、表面接着力が低減された前記第一転写材の転写領域から第二転写材へ転写する第二転写工程と、を含む電子部品の製造方法。
  2. 前記第一転写材は吸引機構を有してなり、該吸引機構を制御することで前記表面接着力を低減することを特徴とする請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記吸引機構は、前記第一転写材の表面に位置し、且つ、多孔質材料を用いて形成される多孔質領域を含むことを特徴とする請求項2に記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記多孔質領域は、少なくとも一部が所定の封止部材で覆われていることを特徴とする請求項3に記載の電子部品の製造方法。
  5. 前記第一転写材は温度調整機構を有してなり、該温度調整機構を制御することで前記表面接着力を低減することを特徴とする請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  6. 前記温度調整機構は、前記第一転写材の表面に位置し、且つ、熱の授受によって接着力が増減する所定の接着材を用いて形成される接着領域を含むことを特徴とする請求項5に記載の電子部品の製造方法。
  7. 前記第一転写材は円柱状の表面を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  8. 前記第一転写材をその軸周りに回転させることで、前記第一転写工程乃至前記第二転写工程を繰返し行うことを特徴とする請求項7に記載の電子部品の製造方法。
  9. 前記基体は凸曲面状の表面を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  10. 前記第二転写材は、その表面に誘電体シートを有することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
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